JP5566741B2 - インクジェット記録用インクセット及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、顔料インクは、インク中の水分が蒸発して固化すると、固化したまま再溶解しないため、インクジェット記録装置のインク吐出ヘッドのノズル先端部等で目詰まりを起こす原因となり、インクの不吐出を生じさせていた。また、キャップ、ワイプ部分等でインクが固化すると、固化したインクをワイピングして除去することが困難となり、インクジェット記録装置のメンテナンスに負担がかかるという問題があった。
インクジェット記録方法に用いられるメンテナンス液として、水と0.3質量%〜15質量%のジアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含有するインクジェット用メンテナンス液が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、界面活性剤、塩基性化合物及び水を含有し、pHが9以上であるインクジェット用洗浄液が開示され、顔料インクの洗浄に有効であるとされている(例えば、特許文献2参照)。pHを9以上とするために、トリエタノールアミンや水酸化カリウム等の塩基性化合物を添加することが開示されている。
pHが低下する要因は種々あるが、例えば、空気中の炭酸ガスを吸収して炭酸によるpH低下、あるいは溶存酸素により分解によるpH低下等がある。特に、ジアルキレングリコールアルキルエーテルを含有するメンテナンス液は溶存酸素により分解して、pHが低下する傾向がある。pH低下はメンテナンス液の洗浄性の低下をもたらすだけでなく、顔料やポリマー粒子を含むインク組成物と併用した場合、これらの顔料、ポリマー粒子を凝集しやすくする。更に、インクジェット記録後、インク吐出ヘッドをpHの低下したメンテナンス液で洗浄すると、インクの顔料、ポリマー粒子の凝集を引き起こしてしまい、洗浄性が顕著に悪化する。
<1> 水、顔料およびポリマー粒子を含むインク組成物と、プロピレングリコールモノプロピルエーテルを含むメンテナンス液と、を含むインクジェット記録用インクセット。
<2> 前記メンテナンス液が界面活性剤を含有する<1>に記載のインクジェット記録用インクセット。
<3> 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である<2>に記載のインクジェット記録用インクセット。
<5> 前記インク組成物が7.5以上12以下のpHを有する<1>〜<4>のいずれか一つに記載のインクジェット記録用インクセット。
<6> 更に、前記インク組成物に含まれる顔料およびポリマー粒子の少なくとも一方を凝集させる凝集剤を含む処理液を含む<1>〜<5>のいずれか一つに記載のインクジェット記録用インクセット。
<7> 前記処理液が1以上6以下のpHを有する<6>に記載のインクジェット記録用インクセット。
<8> 前記処理液が水および有機酸を含む<6>または<7>に記載のインクジェット記録用インクセット。
前記インク組成物をインクジェット記録用吐出ヘッドから記録媒体上にパターン状に付与するインク付与工程と、前記メンテナンス液により前記吐出ヘッドに付着したインク組成物を除去するインク除去工程と、を含む画像形成方法。
<10> <6>〜<8>のいずれか一つに記載のインクジェット記録用インクセットが用いられ、
前記インク組成物をインクジェット記録用吐出ヘッドから記録媒体上にパターン状に付与するインク付与工程と、
前記処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
前記メンテナンス液により前記吐出ヘッドに付着したインク組成物を除去するインク除去工程と、
を含む画像形成方法。
<11> 前記インクジェット記録用吐出ヘッドの少なくとも一部が撥インク膜を有する<9>または<10>に記載の画像形成方法。
1.インク組成物
本発明に係るインク組成物は、水、顔料およびポリマー粒子を含む。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料金属キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、金属キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料金属キレートとしては、例えば、塩基性染料型金属キレート、酸性染料型金属キレート、などが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
上記の顔料は、単独種で使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
(1)カプセル化顔料水分散物、即ち、水不溶性樹脂粒子に顔料を含有させてなるポリマーエマルジョンであり、より詳しくは、親水性かつ水不溶性の樹脂で顔料を被覆し顔料表面の樹脂層にて親水化することで顔料を水中に分散したものである。
(2)自己分散型顔料水分散物、即ち、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料、より詳しくは、主にカーボンブラックなどを表面酸化処理して親水化し、顔料単体を水中に分散したものである。
(3)樹脂分散顔料水分散物、即ち、重量平均分子量50,000以下の水不溶性高分子化合物で顔料を水中に分散したものである。
(4)界面活性剤分散顔料水分散物、即ち、界面活性剤で顔料を水中に分散したものである。
これらのうち、好ましいものは(1)カプセル化顔料水分散物、(2)自己分散型顔料水分散物および(3)樹脂分散顔料水分散物であり、特に好ましいものは(1)カプセル化顔料水分散物と(3)樹脂分散顔料水分散物である。
<カプセル化顔料水分散物>
カプセル化顔料水分散物は、顔料粒子が親水性かつ水不溶性の樹脂(以下、「水不溶性樹脂」ともいう。)で被覆されており、この被覆樹脂によって、水中に均一に分散されたものである。
ここで、「水不溶性」とは、樹脂を25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下である樹脂の場合に、この樹脂を「水不溶性」という。
このような、顔料を被覆する水不溶性樹脂としては、水と水溶性有機溶媒の混合溶媒中で自己分散能または溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する親水性かつ水不溶性樹脂が好ましい。
水不溶性樹脂は、熱可塑性または熱硬化性の何れであっても良く、変性のアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、フッ素系高分子化合物、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニル系、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、尿素樹脂等のアミノ系の材料、およびそれらの共重合体または混合物などのアニオン性基を有する材料などが挙げられる。
アニオン性基含有アクリル系モノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、およびホスホン基からなる群から選ばれる1個以上のアニオン性基を有するアクリル系モノマーが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基を有するアクリル系モノマーが特に好ましい。
カルボキシキル基を有するアクリル系モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、およびフマル酸等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸およびメタクリル酸を好ましいものとして挙げることができる。
親水性構造単位(a)は、親水性基含有のモノマーに由来するものであれば、特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものでも、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものでもよい。前記親水性基としては、特に制限はなく、解離性基であっても、非イオン性の親水性基であってもよく、これらの両者を含むものであってもよい。
本発明における水不溶性樹脂は、上記のような親水性基を有するモノマーを用いて合成することにより、上記のような親水性基を有する水不溶性樹脂を調製することができる。
上記親水性基としては、乳化又は分散状態の安定性の観点から解離性基が好ましい。解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物中で、長期間に亘って初期の分散状態が維持されているという分散安定性に優れる点で、カルボキシル基が好ましい。
前記不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。前記不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。前記不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
即ち、前記親水性構造単位(a)は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を含むことが好ましい。
ここで、「(メタ)アクリル酸」との用語は、アクリル酸とメタクリル酸とを総称して記載する場合に使用する用語である。また、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリルアミド)」などの用語も同様である。
ここで、「親水性の官能基」としては、水酸基、アミノ基、(窒素原子が無置換の)アミド基、及び後述のポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド、等が挙げられる。
親水性構造単位(a)の具体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、アミノプロピルアクリレート、アルキレンオキシド重合体を含有する(メタ)アクリレートを好適に挙げることができる。
非イオン性の親水性基を有する親水性構造単位は、アルキレンオキシド構造を有する親水性の構造単位がより好ましい。アルキレンオキシド構造のアルキレン部位としては、親水性の観点から、炭素数1〜6のアルキレン部位が好ましく、炭素数2〜6のアルキレン部位がより好ましく、炭素数2〜4のアルキレン部位が特に好ましい。また、アルキレンオキシド構造の重合度としては、1〜120が好ましく、1〜60がより好ましく、1〜30が特に好ましい。
また、非イオン性の親水性基を有する親水性構造単位は、水酸基を含む親水性の構造単位であることも好ましい態様である。構造単位中の水酸基数としては、特に制限はなく、水不溶性樹脂の親水性、重合時の溶媒や他のモノマーとの相溶性の観点から、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
親水性構造単位(a)は、一種単独で含むものであっても、二種以上を含むものであってもよい。
親水性構造単位(a)の含有比率としては、水不溶性樹脂の全質量に対して、0質量%を超え15質量%以下の範囲が好ましく、2質量%以上15質量%以下の範囲がより好ましく、5質量%以上15質量%以下の範囲が更に好ましく、8質量%以上12質量%以下の範囲が特に好ましい。
疎水性構造単位(b)は、主鎖を形成する原子に連結基を介して結合された芳香環を有する構造単位を含むことが好ましい。
このような芳香環を持つ構造単位では、芳香環が、連結基を介して水不溶性樹脂の主鎖をなす原子と結合され、水不溶性樹脂の主鎖をなす原子に直接結合しない構造を有するので、疎水性の芳香環と親水性構造単位との間が適切な距離を保持することになり、水不溶性樹脂と顔料との間で相互作用が生じやすく、強固に吸着して、顔料の分散性がさらに向上する。
「主鎖を形成する原子に連結基を介して結合された芳香環を有する構造単位」の中でも、顔料の分散を容易に行なえる点で、下記構造式(2)で表される構造単位が好ましい。
また、L1は、*−COO−、*−OCO−、*−CONR2−、*−O−、又は置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。なお、L1で表される基中の*印は、主鎖の炭素原子に連結する結合位置を示す。フェニレン基が置換されている場合の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、シアノ基等が挙げられる。
L2は、単なる結合手、又は炭素数1〜30の2価の連結基を表し、2価の連結基である場合は、好ましくは炭素数1〜25の連結基であり、より好ましくは炭素数1〜20の連結基であり、更に好ましくは炭素数1〜15の連結基である。中でも、特に好ましくは、炭素数1〜25(より好ましくは1〜10)のアルキレンオキシ基、イミノ基(−NH−)、スルファモイル基、及び、炭素数1〜20(より好ましくは1〜15)のアルキレン基やエチレンオキシド基[−(CH2CH2O)n−,n=1〜6]などの、アルキレン基を含む2価の連結基等、並びにこれらの2種以上を組み合わせた基などである。
Ar1は、芳香環から誘導される1価の基を表す。
Ar1で表される芳香環としては、特に限定されないが、ベンゼン環、炭素数8以上の縮環型芳香環、芳香環が縮環したヘテロ環、又は2個以上連結したベンゼン環が挙げられる。
前記「芳香環が縮環したヘテロ環」とは、ヘテロ原子を含まない芳香族化合物(好ましくはベンゼン環)と、ヘテロ原子を有する環状化合物とが縮環した化合物である。ここで、ヘテロ原子を有する環状化合物は、5員環又は6員環であることが好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子が好ましい。ヘテロ原子を有する環状化合物は、複数のヘテロ原子を有していてもよい。この場合、ヘテロ原子は互いに同じでも異なっていてもよい。ヘテロ環が縮環した芳香環の具体例としては、フタルイミド、アクリドン、カルバゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
以下、前記構造式(2)で表される構造単位を形成し得るモノマーの具体例を列挙する。但し、本発明においては、これらの具体例に制限されるものではない。
前記「主鎖を形成する原子に連結基を介して結合された芳香環を有する構造単位」の水不溶性樹脂中における含有比率は、本発明に係るインク組成物中の顔料の分散安定性、インク吐出ヘッドからのインクの吐出安定性(吐出ヘッドのノズルからインクが吐出される性能が一定に維持される性質)、後述のメンテナンス液による洗浄性の観点から、水不溶性樹脂の全質量に対して40質量%以上であることが好ましい。この構成単位の含有比率は、好ましくは40質量%以上75質量%未満であり、より好ましくは40質量%以上70質量%未満であり、更に好ましくは40質量%以上60質量%未満である。
また、主鎖を形成する原子に連結基を介して結合された芳香環の割合は、耐擦性の向上の点で、水不溶性樹脂の全質量に対して15質量%以上27質量%以下が好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましく、15質量%以上20質量%以下が特に好ましい。
前記範囲に調整すると、耐擦性(記録媒体上に形成されたインクによるパターンが摩擦によって剥がれることから耐える性質。)、インク安定性、吐出信頼性が向上する。
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチルなどが挙げられる。アルキルエステルのアルキル部位の炭素数は1〜4であるが、好ましくは1〜2である。
前記「(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位」の水不溶性樹脂中における含有比率は、水不溶性樹脂の全質量に対して15質量%以上であることが、顔料の分散安定性に優れるので好ましい。この構成単位の含有比率は、更に好ましくは20〜60質量%であり、特に好ましくは20〜50質量%である。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
なお、酸価とは、水不溶性樹脂の1gを完全に中和するのに要するKOHの質量(mg)で定義され、JIS規格(JISK0070、1992)記載の方法により測定されるものである。
また、数平均分子量(Mn)では1,000〜100,000の範囲程度のものが好ましく、3,000〜50,000の範囲程度のものが特に好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、顔料粒子を被覆する被覆膜として、更には記録媒体上に形成されるパターンとしての塗膜の機能を十分に発揮することができる。水不溶性樹脂に含まれるアニオン性基は、アルカリ金属や有機アミンの塩の形で使用されることが好ましい。
数平均分子量及び重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THFにて示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算することにより表される分子量である。
具体的には、水不溶性樹脂は、モノマー混合物と必要に応じて有機溶媒及びラジカル重合開始剤とを含んだ混合物を、不活性ガス雰囲気下で共重合反応させることにより製造することができる。重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等の種々の有機溶剤が挙げられる。溶剤は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、水との混合溶媒として用いてもよい。重合温度は、生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり、通常は0℃〜100℃程度であるが、50℃〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は1kg/cm2〜100kg/cm2であり、特に1kg/cm2〜30kg/cm2程度が好ましい。反応時間は、5時間〜30時間程度である。得られた樹脂は、再沈殿などの精製を行なってもよい。
以下、本発明における水不溶性樹脂として好ましい具体例を示す。但し、本発明においては、下記に限定されるものではない。
カプセル化顔料水分散物は、上記した成分を用いて、従来の物理的、化学的方法によって製造することができる。本発明の好ましい態様によれば、特開平9−151342号、特開平10−140065号、特開平11−209672号、特開平11−172180号、特開平10−25440号、または特開平11−43636号等の各公報に記載されている方法によって製造される。
具体的には、特開平9−151342号及び特開平10−140065号の各公報に記載の転相乳化法と酸析法等が挙げられる。
上記の転相乳化法及び酸析法のより具体的な方法については、特開平9−151342号、特開平10−140065号の各公報に記載されており、参考にすることができる。
自己分散型顔料水分散物とは、顔料表面に多数の親水性官能基および/またはその塩(以降、分散性付与基という)を、直接またはアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させたものを水中に分散させた分散液である。この分散液は、顔料を分散剤なしに水性媒体中に分散可能である。
自己分散型顔料を着色剤として含有するインクは、通常の顔料を分散させるために含有させる前述のような分散剤を含む必要が無いため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんど無く吐出安定性に優れるインクが調製しやすい。
自己分散型顔料の表面に結合される分散性付与基としては、−COOH、−CO、−OH、−SO3H、−PO3H2及び第4級アンモニウム並びにそれらの塩が例示でき、これらは、原料となる顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、分散性付与基または分散性付与基を有する活性種を顔料の表面に結合(グラフト)させることによって製造される。前記物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また前記化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
本発明においては、次亜ハロゲン酸及び/または次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、またはオゾンによる酸化処理により表面処理される自己分散型顔料を好ましい例として挙げることができる。自己分散型顔料としては市販品を利用することも可能であり、マイクロジェットCW−1(商品名;オリヱント化学工業(株)製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300(以上商品名;キャボット社製)等が例示できる。
自己分散型顔料は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において「水不溶性樹脂によって被覆されている顔料」を作製する方法としては、前述のカプセル化法以外に、例えば、水不溶性樹脂を分散剤として用い、該分散剤により顔料を分散させて顔料分散物を調製することにより作製することもできる。
上記のようにすることで顔料粒子を微粒径にして存在させることができ、分散後には高い分散安定性が得られる。そして、この場合には、顔料粒子表面全体を水不溶性樹脂で被覆する必要がないので、顔料に対する水不溶性樹脂の使用割合を小さくすることができる。具体的には、顔料:水不溶性樹脂の質量比が100:15〜100:100の範囲から選ばれることが好ましい。これにより、本発明に係るインク組成物中での顔料分散状態が長期間安定したものが得られ、かつインク吐出ヘッドからの吐出性が長期に亘り一定に維持される。上記割合は、100:20〜100:40の範囲から選ばれることが更に好ましい。
前記顔料分散物の調製時には、分散剤として前述の水不溶性樹脂を用いることができる。この際、該水不溶性樹脂以外のその他の顔料分散剤を併用してもよい。
前記その他の顔料分散剤としては、顔料を水相中で分散させる機能を持つ化合物の中から適宜選択することができる。このような、その他の顔料分散剤の例としては、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物等が挙げられる。
ここで、「非水溶性」とは、水への溶解度が、20℃で80g/100mL以下の性質を意味する。また、「揮発性」とは、沸点が200℃以下の性質を意味する。
本発明においては、上記非水溶性揮発性溶剤として、水への溶解度が50g/100mL以下のものから選ばれることが好ましく、また、沸点が150℃以下のものから選ばれることが好ましい。
なお、顔料粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められる。
界面活性剤分散顔料水分散物は、分散剤に界面活性剤を使用して顔料を水中に分散させたものである。分散剤として使用される界面活性剤には、特に制限はなく、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤の何れであっても良いが、中でもアニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤のようなイオン性界面活性剤がより少ない使用量で顔料を分散させることができるので、好ましい。
界面活性剤は、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
顔料に対する界面活性剤の割合は、顔料:界面活性剤の質量比で100:5〜100:50の範囲が好ましい。この範囲とすることで、本発明に係るインク組成物中での顔料分散状態が長期間安定したものが得られ、かつインク吐出ヘッドからの吐出性が長期に亘り一定に維持される。上記割合は、100:5〜100:20の範囲から選ばれることが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、耐擦性、耐ブロッキング性、及び耐オフセット性を高める観点から、ポリマー粒子の少なくとも1種を含有することが好ましい。
ポリマー粒子としては、該粒子が水中に分散されたポリマーラテックスを好ましく用いることができる。
ポリマー粒子は、そのI/O値が0.2以上0.55以下であるものが、耐ブロッキング性とインク組成物の安定性という点で好ましい。
本発明におけるポリマー粒子の平均粒径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10nm〜200nmの範囲がより好ましく、20nm〜100nmの範囲が更に好ましく、20nm〜50nmの範囲が特に好ましい。
また、ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つラテックスを、2種以上混合して使用してもよい。
ポリマー粒子のTgは、通常用いられる方法によって適宜制御することができる。例えば、ポリマーを構成するモノマーの重合性基の種類、モノマー上の置換基の種類やその構成比率、ポリマー粒子を構成するポリマー分子の分子量等を適宜選択することで、ポリマー粒子のTgを所望の範囲に制御することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi) ・・・(1)
ここで、計算対象となるポリマーはi=1からnまでのn種のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。但し、Σはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は、Polymer Handbook (3rd Edition) (J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用する。
本発明におけるポリマー粒子としては、吐出安定性、顔料を用いた場合の液安定性(特に分散安定性)、及び高速打滴印画適性の付与の観点から、自己分散性ポリマー粒子が好ましく、カルボキシル基を有する自己分散性ポリマー粒子がより好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、ポリマー粒子自身が有する官能基(特に、酸性基またはその塩)によって、水性媒体中で分散状態となりうる水不溶性ポリマー粒子(「第1のポリマー」ともいう。)を意味する。
本発明に係るインク組成物においては、顔料、水不溶性ポリマー粒子の凝集速度とインク定着性の観点から、インク組成物中に水不溶性ポリマー粒子が固体状態で分散された状態となっているものが好ましい。
ビニルポリマー及びビニルポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−181549号公報及び特開2002−88294号公報に記載されているものを挙げることができる。また、解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する連鎖移動剤や重合開始剤、イニファーターを用いたビニルモノマーのラジカル重合や、開始剤或いは停止剤のどちらかに解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する化合物を用いたイオン重合によって高分子鎖の末端に解離性基を導入したビニルポリマーも使用できる。
また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
なお、脂環式(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル酸に由来する構造部位と、アルコールに由来する構造部位とを含み、アルコールに由来する構造部位に、無置換又は置換された脂環式炭化水素基(環状脂肪族基)を少なくとも1つ含む構造を有しているものである。なお、前記脂環式炭化水素基は、アルコールに由来する構造部位そのものであっても、連結基を介してアルコールに由来する構造部位に結合していてもよい。
また、「脂環式(メタ)アクリレート」とは、脂環式炭化水素基を有するメタクリレート又はアクリレートを意味する。
本発明において前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、本発明に係るインク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
上記解離性基含有モノマーの中では、インク組成物中でのポリマー粒子の分散安定性、およびインクの吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
酸価が25以上であることでインク組成物中でのポリマー粒子の安定性が良好になり、また酸価が100以下であることで、ポリマー粒子の凝集性が向上する点で好ましい。更に、自己分散性ポリマー粒子の酸価は、顔料の分散に使用した水不溶性樹脂の酸価よりも小さいことが、顔料の分散安定性と処理液と接触したときの凝集速度の両立の観点から好ましく、それらの差が5〜70であることがより好ましく、10〜70が特に好ましい。
また前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
本発明において前記芳香族基含有モノマーは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記芳香族基含有モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー等が挙げられる。中でも、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスとインク定着性の観点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートであることがより好ましく、フェノキシエチルアクリレートであることが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
単環式(メタ)アクリレートとしては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基の炭素数が3〜10のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2環式(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3環式(メタ)アクリレートとしては、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、前記芳香族基含有モノマー又は環状脂肪族基含有モノマーと解離性基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば、特に制限はない。中でも、ポリマー骨格の柔軟性やガラス転移温度(Tg)制御の容易さの観点から、アルキル基含有モノマーであることが好ましい。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、並びにヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、並びにジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリルエステル系モノマー;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、並びにN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等、等の(メタ)アクリルアミド系モノマーが挙げられる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。
また、水不溶性ポリマー粒子は、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレート又は脂環式(メタ)アクリレートに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましい。更には、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、あるいはイソボルニル(メタ)アクリレート及び/又はアダマンチル(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンタニル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜100であって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が25〜95であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
C−01:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(50/45/5)
C−02:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/35/29/6)
C−03:フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/44/6)
C−04:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)
C−05:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/59/6)
C−06:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(10/50/35/5)
C−07:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(55/40/5)
C−08:フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体(45/47/8)
C−09:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(5/48/40/7)
C−10:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/30/30/5)
C−11:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(12/50/30/8)
C−12:ベンジルアクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(93/2/5)
C−13:スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(50/5/20/25)
C−14:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(62/35/3)
C−15:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/51/4)
C−16:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/49/6)
C−17:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/48/7)
C−18:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/47/8)
C−19:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/45/10)
C−21:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(40/52/8)
C−22:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(10/13/2)
C−23:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(20/62/10/8)
C−24:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(20/72/8)
すなわち、本発明における自己分散性ポリマー粒子の製造方法は、有機溶媒中で前記第1のポリマーを合成する工程と、前記第1のポリマーのカルボキシル基の少なくとも一部が中和された水性分散物とする分散工程とを含むことが好ましい。
工程(1):第1のポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程。
工程(2):前記混合物から、前記有機溶媒を除去する工程。
前記工程(1)は、まず前記第1のポリマー(水不溶性ポリマー)を有機溶媒に溶解させ、次に中和剤と水性媒体を徐々に加えて混合、攪拌して分散体を得る処理であることが好ましい。このように、有機溶媒中に溶解した水不溶性ポリマー溶液中に中和剤と水性媒体を添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の高い粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましい。また、油系から水系への転相時への極性変化を穏和にする目的で、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該溶剤を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着が無く、分散安定性の高い微粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%使用することが好ましく、10〜110モル%であることがより好ましく、15〜100モル%であることが更に好ましい。15モル%以上とすることで、水中での粒子の分散を安定化する効果が発現し、100モル%以下とすることで、水溶性成分を低下させる効果がある。
また、自己分散性ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、水不溶性粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、自己分散性ポリマー粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
本発明の自己分散性ポリマー粒子は、例えば、水性インク組成物に好適に含有させることができ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク組成物は、水を溶媒として含むものであるが、水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含有するのが好ましい。
前記水溶性有機溶剤の例としては、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられる。これらは、1種のみならず2種以上を併用してもよい。
本発明におけるインク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
インク組成物は、上記で説明した各成分に加え、必要に応じて、例えば、界面活性剤、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤、固体湿潤剤等の他の成分を含有してもよい。
前記界面活性剤は、表面張力調整剤として用いられ、ノニオン系、カチオン系、アニオン系、ベタイン系の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、インクジェット法で良好に打滴するために、インク組成物の表面張力を20mN/m〜60mN/mに調整できる量を含有するのが好ましい。中でも、界面活性剤の含有量は、表面張力を20mN/m〜45mN/mに調整できる量が好ましく、より好ましくは25mN/m〜40mN/mに調整できる量である。
界面活性剤のインク組成物中における含有量は、特に制限はなく、1質量%以上が好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、更に好ましくは1〜3質量%である。
本発明に係るインク組成物の表面張力は、インクジェット記録方法に用いられた場合、吐出安定性の点で、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。
上記インクの20℃での粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上13mPa・s未満、更に好ましくは2.5mPa・s以上10mPa・s未満である。
また、上記インクは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色調以外のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、白色(W)の色調のインクや、いわゆる印刷分野における特色のインク等として用いることができる。
本発明に係るメンテナンス液は、0.6以上1.0以下のClogP値を有するアルカン‐1,2‐ジオールモノアルキルエーテルを含むものである。ここで、「メンテナンス」には、インク組成物を吐出する吐出ヘッド及びその吐出性能を所期の状態もしくはそれに近い状態に保ち、持続することに加え、記録用ヘッドを洗浄(クリーニング)してより良好な状態に整備、保守することが含まれる。従って、このようなメンテナンスに寄与する性能を有する溶液を「メンテナンス液」と呼ぶ。
本発明で用いられるClogP値で表される分配係数は、特に断らない限り、オクタノール相と水相の間での物質の分配を表す尺度である、下式で定義されるオクタノール−水−分配係数(logP)をいう。
logP=log([物質]Octanol/[物質]Water)
(式中、[物質]Octanolは1−オクタノール相中の物質のモル濃度を、[物質]Waterは水相中の物質のモル濃度を表す。)
具体的な算出方法は、logPの計算値(ClogP)を用いる。ClogP計算プログラムは、市販されているDaylight Chemical Information Systems社のCLOGPプログラム(ClogP Tool(ver1.02)、アルゴリズム=4.01、フラグメントデータベース=17)を用いる。このプログラムは、「Hansch−Leoのフラグメント法」に基づいたものである。
本発明に係るメンテナンス液は、0.6以上1.0以下のClogP値を有するアルカン‐1,2‐ジオールモノアルキルエーテル100%で構成されていても良いが、より好ましくは0.6以上1.0以下のClogP値を有するアルカン‐1,2‐ジオールモノアルキルエーテルと水とを含むものであり、更に界面活性剤を含むことが特に好ましい
本発明に係るメンテナンス液に使用する界面活性剤としては、メンテナンス液のpHを中性〜弱アルカリ性で使用可能であれば、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を用いる事が可能であるが、ヘッドの二酸化シリコン膜や撥水膜の腐蝕を抑制する観点でノニオン界面活性剤が好ましく、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキンジオール誘導体(特に、ブチンジオールのエチレンオキサイド付加物など)、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン界面活性剤が挙げられる。これらのうち、特に好ましいノニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやアセチレンジオール誘導体である。
本発明に係るメンテナンス液が界面活性剤を含む場合、その含有量は、メンテナンス液全質量に対して0.01質量%〜10質量%の範囲が好ましく、0.3質量%〜5質量%の範囲が更に好ましい。
本発明に係るメンテナンス液が水を含む場合、その含有量は、メンテナンス液全質量に対して0.1質量%〜95質量%の範囲が好ましく、50質量%〜90質量%の範囲が更に好ましい。
メンテナンス液は、本発明におけるインク組成物と混合した際に凝集を起こさない液であることが好ましい。凝集を起こしてしまうと、インク組成物中の顔料等の成分が更にインクジェットヘッド等に固着して本発明の効果を低減させてしまうためである。このような観点から、メンテナンス液は、25℃において7.0以上8.8以下のpHを有していることが好ましい。
本発明における粘度の測定は、後述の実施例におけるメンテナンス液の粘度の測定方法と同様である。
また、メンテナンス液における固形分(25℃)の含量としては、特に限定されるものではないが、洗浄後の固形物残留を防ぐ観点から、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
併用できる水溶性有機溶媒は、先に水溶性有機溶媒として記載した中から適宜選択して用いることが出来る。
本発明に使用される処理液は、前記インク組成物と接触することで、インク組成物に含まれる成分のうちの少なくとも顔料を凝集させる性質を有する成分を含む液である。
処理液は、前記インク組成物と接触すると凝集体を形成可能な凝集剤(以下、「凝集促進剤」ともいう。)の少なくとも1種を含有する。記録媒体上でインク組成物と凝集剤とが混合することにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料等の凝集が促進される。このような凝集剤としては、形成される画像品質の観点からカチオンポリマー、酸性化合物、および多価金属塩から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記カチオンポリマーとしては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(カチオン性モノマー)の単独重合体や、該カチオン性モノマーと他のモノマー(非カチオン性モノマー)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマーは、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
具体的には、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリグアニド、及びエピハロヒドリン誘導体とアミン誘導体とを含むコポリマー、及びそれらの組み合わせ等から選択される。
処理液中のカチオンポリマーの含有率としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、前記インク組成物のpH(25℃)が7.5以上であって、処理液のpH(25℃)が3〜5である場合が好ましい。
前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
処理液の酸性化合物の含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
金属の塩の処理液中における含有量としては、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜7質量%であり、更に好ましくは2〜6質量%の範囲である。
また、処理液の表面張力としては、インク組成物の凝集速度の観点から、20mN/m〜60mN/mであることが好ましく、20mN/m〜45mN/mであることがより好ましく、25mN/m〜40mN/mであることがさらに好ましい。なお、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
本発明の画像形成方法は、前記インクジェット記録用インクセットを用いて、前記インク組成物をインクジェット記録用吐出ヘッドで記録媒体上にパターン状に吐出するインク付与工程を含む前記記録媒体上にパターンを形成するパターン形成工程と、前記メンテナンス液により前記吐出ヘッドに付着したインク組成物を除去するインク除去工程と、を含む。
ここで、「吐出ヘッドに付着したインク組成物」には、前記「インク組成物」そのもののみならず、当該インクに由来して吐出ヘッドに固着した「固着物」も含まれる。
本発明におけるパターン形成工程は、前記インクジェット記録用インクセットに含まれるインク組成物をインクジェット記録用吐出ヘッドで記録媒体上にパターン状に吐出するインク付与工程を含む。
インクジェット記録方式としては、インク組成物にエネルギーを供与して、公知の記録媒体、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
インク除去工程では、ヘッドのノズル面からインク又はインクに由来する固着物を除去するために、メンテナンス液をインクジェットヘッド(例えば、ヘッド周辺及びインク流路等;以下、ヘッド等ともいう。)に付与する。
前記メンテナンス液をヘッド等に付与することにより、ノズル面のインク由来のインク固着物は溶解、又は膨潤等して除去しやすくなる。
また、メンテナンス液を付与する前又は後に、ブレードによる掻き取り、布や紙類での払拭や、インク固形物由来のものを除去してもよい。好ましくは、メンテナンス液を付与後にワイパブレードを用いてノズル面を擦り(ワイピング)、インク固着物を掻き落とす方法、風圧やメンテナンス液等の液圧等により取り除く方法、及び布・紙類で払拭する方法が好ましく、中でも、ブレードによる掻き取り、布や紙類での払拭が好ましい。
前記ワイパブレードの材質は弾性を有するゴムが好ましく、具体的な材質としては、ブチルゴム、クロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、二トリルゴム等が挙げられる。ワイパブレードに撥インク性を付与するためにフッ素樹脂等によりコーティングしてあるワイパブレードを用いても構わない。
本発明の画像形成方法では上記所定のインク組成物を用いるため、ノズル面のインク組成物由来のインク固着物を固体として容易に掻き取ることができる。
前記乾燥除去工程としては、記録媒体に吐出されたインク組成物中に含まれるインク溶媒(水及び溶剤)を乾燥除去する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱定着工程としてはインク組成物中に含まれるポリマー粒子を軟化させ、画像の耐擦性を付与する以外には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明における記録媒体としては特に制限は無く、例えば、普通紙、上質紙、塗工紙等を挙げることができる。
本発明による画像形成方法に係るパターン形成工程においては、前述のインク組成物を用いた既述のインク付与工程の前又は後に、記録媒体上に、既述の処理液を付与する処理液付与工程を含むことが好ましい。
記録媒体上への処理液の付与は、前述の処理液を、例えばロールコーター、バーコーター、スプレーコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター等により記録媒体全体に塗布する方法、インク吐出ヘッドに付加的に処理液吐出口を設けておき、この処理液吐出口から処理液を記録媒体上に吐出する方法等により行われる。
記録媒体としては、一般に市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製の「OKプリンス上質」、日本製紙(株)製の「しおらい」、及び日本製紙(株)製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A)、王子製紙(株)製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙(株)製の「OKコートL」及び日本製紙(株)製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
また、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(いずれも東ソー(株)製の商品名)を用いて3本直列に接続し、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。
(水不溶性樹脂Bの合成)
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応させた後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに投入して再沈殿させる工程を2回行ってから、析出した樹脂を乾燥し、水不溶性ポリマー分散剤Bを96g得た。
得られた樹脂の組成はベンジルメタクリレートと、メタクリル酸と、メチルメタクリレートとの共重合体であることを1H−NMRで確認した。また、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は44,600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化工業(株)製;シアン顔料)10部と、前記の水不溶性樹脂Bを5部と、メチルエチルケトン42部と、1mol/L NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1nmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した後、更に、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心管を使用し、8000rpmで30分間遠心処理を行い、沈殿物以外の上澄み液を回収した。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被膜顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物として、着色粒子分散物Cを得た。
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン540.0gを仕込んで、窒素不雰囲気下で75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、メチルメタクリレート(MMA)216g、イソボルニルメタクリレート(IBOMA)280.8g、メタクリル酸(MAA)43.2g、メチルエチルケトン108g、及び「V−601」(和光純薬工業(株)製)2.16gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」1.08g、メチルエチルケトン15.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.54g、メチルエチルケトン15.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温してさらに2時間攪拌を続け、MMA/IBOMA/MAA=40/52/8質量比の共重合体溶液を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は63000、酸価は52.1(mgKOH/g)であった。
上記重合後の共重合体溶液を固形分量として0.5gになる量をとりわけ、50℃で4時間減圧乾燥させ、ポリマー固形分を得た。得られたポリマー固形分を用い、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220によりTgを測定した。測定条件は、サンプル量5mgをアルミパンに密閉し、窒素雰囲気下、以下の温度プロファイルで2回目の昇温時の測定データのDDSCのピークトップの値をTgとした。
30℃→−50℃ (50℃/分で冷却)
−50℃→230℃ (20℃/分で昇温)
230℃→−50℃ (50℃/分で冷却)
−50℃→230℃ (20℃/分で昇温)
上記で得られた樹脂被覆顔料粒子の分散物Cと、水分散物Pを用い、下記のインク組成になるように各成分を混合した。これをプラスチック製のディスポーザブルシリンジに詰め、PVDF5μmフィルター(Millex−SV、直径25mm、ミリポア社製)で濾過し、シアンインク(インクジェット用インク組成物)C−01を得た。このシアンインクC−01のpHは8.6であった。
・シアン顔料(ピグメント・ブルー15:3) : 4%
・前記水不溶性樹脂B(固形分) : 2%
・水性分散物P(固形分) : 8%
・サンニックスGP250 :10%
(三洋化成工業社製、親水性有機溶剤、I/O値1.30)
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPGmME) : 6%
(和光純薬工業社製、親水性有機溶剤、I/O値0.80)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、界面活性剤) : 1%
・イオン交換水 :69%
下記組成の成分からなるメンテナンス液Aを調製した。
メンテナンス液の粘度、表面張力、及びpH(25℃±1℃)を測定したところ、粘度2.0mPa・s、表面張力27.7mN/m、pH8.2であった。
粘度は、VISCOMETER Tv−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて25℃の条件下で測定した。表面張力の測定は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で行った。また、pHは25℃±1℃にて測定した。
・プロピレングリコールモノプロピルエーテル
(ダイセル化学(株)製)商品名PNP : 20.0g
・オルフィンE1010(日新化学工業(株)製ノニオン界面活性剤。アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、HLB=13〜14) : 0.5g
・イオン交換水 : 79.5g
シリコンウェハーを1.2cm×3.0cmに切断したのち、ポリマー粒子を含有したインクジェットインクY−01,M−01,C−01,K−01をそれぞれ30μLずつマイクロピペットで計量し、シリコンウェハー上に滴下する。シリコンウェハー上に広がったインクをそのまま室温で16時間放置し、インクを乾燥させる。上記インクの乾燥物が付着したシリコンウェハーを25ml用ガラスサンプル瓶に入れた後、インクジェットヘッド用洗浄液A〜Iを各20mlずつサンプル瓶に添加して蓋を閉め、インク乾燥物が洗浄液内に漬かった状態のまま、室温で16時間放置する。16時間経過後にシリコンウェハーを取り出し、ガラスサンプル瓶を2〜3回振って洗浄液を均一にした後に洗浄液の吸光度を測定する。インクを乾燥固化させずにイオン交換水20mlに滴下したもの(タイプ)を、インクの乾燥固化物が完全に溶解再分散されたものとして、タイプの吸光度に対する洗浄液の吸光度の比:Rabsの値から各洗浄液の洗浄性を下記の基準に基づいて評価した。◎と○が実用上許容可能な範囲である。
◎:Rabsが95%以上
○:Rabsが80%以上95%未満
△:Rabsが50%以上80%未満
×:Rabsが50%未満
評価結果を表2に示した。
表2の結果から、本発明に係るメンテナンス液は、本発明に係るインク組成物である、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの全てのインクに対して良好な洗浄性を有することがわかる。
上記のメンテナンス液A〜Iをそれぞれ下記の環境下に保存し、保存後のpH(25℃)を測定し、調製直後のpH(25℃)と比較した。
保存条件1:60℃のインキュベーターで14日間
保存条件2:室温(約25℃)で28日間
ΔpH=(調製直後のpH)−(保存後のpH)
〜評価基準〜
AA:ΔpHが0.3以内の場合
A:ΔpHが0.3より大きく0.5以下の場合
B:ΔpHが0.5より大きく2.0以下の場合
C:ΔpHが2.0より大きい場合
a)シランカップリング層(撥インク膜)の作製
表面に熱酸化シリコン被膜が形成されたシリコン基板の表面を、Ar気体中で酸素ガスでエッチングして表面を活性化した後、フッ素原子を含有したシランカップリング剤(製品名:NANOS−B T&K(株)製)を用いてシランカップリング処理を行う事で、表面にシランカップリング層を20nmの厚みで形成して撥インク膜を形成した。
上記で作製された撥インク膜に対する上記実施例で得られたシアンインクC−01の接触角:αを、接触角計ドロップマスターDM700(協和界面科学(株)社製)を用いて求めた。
これとは別に、上記で得られた撥インク性シリコン基板を、2cm×4cmに切断した後、実施例及び比較例で得られたメンテナンス液の50mlに浸漬させて、密封状態で45℃×100時間放置した。その後、メンテナンス液中からシリコン基板を取り出し、浸漬前の接触角の測定と同様にシアンインクC−01に対する接触角:βを求め、接触角βから接触角αを差し引いた値:γにより、下記の評価基準で侵食性を評価した。Aが最も侵食の少ないことを示す。
〜評価基準〜
A:γ≦15°
B:15°< γ ≦30°
C:30°< γ ≦50°
D:50°< γ
浸漬前のインク接触角は85°であった。また、他の色のインクY−01、M−01、K−01を用いてもほぼ同様の結果が得られた。なお、洗浄性テストの結果が悪いメンテナンス液F、G、H及びIについては、侵食性の評価は行なっていない。
得られた結果を表3に示した。
上記で得られたインク組成物及びメンテナンス液と、下記組成の処理液(25℃におけるpHが3.5)を組合せて、インクセットとした。
<処理液の組成>
・ジメチルアミン/エピクロロヒドリンコポリマー 5%
(重合比率1:1、重量平均分子量6000)
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル(和光純薬工業(株)製)
20.0%
・Zonyl FSN−100(デュポン社製) 1.0%
・イオン交換水 74%
インクジェット記録装置として、リコー社製GELJET GX5000プリンターを改造したインクジェットプリンターを用い、打滴量3.5pL、インク塗設量が5g/m2となる量でインク組成物を下記(1)〜(3)の条件で吐出後に、前記インクジェットプリンターに装填された前記メンテナンス液をヘッドのノズル面にローラーにて付与した後、ワイパブレード(水素化NBR)でインクジェットヘッドのノズル面をワイピングし、その後の下記の再吐出性評価の評価基準に基づいて合否を判定した。
なお、ヘッドのノズルプレートの表面は、フッ素系シランカップリング剤を用いて形成された撥インク膜が形成されている。
(1)60分連続吐出終了直後にブレードワイプを1回実施し、その後の下記の測定法によるインク吐出率が90%以上の場合、合格。
(2)1分間吐出後30分休止し、休止後にブレードワイプを1回実施し、その後の下記の測定法によるインク吐出率が90%以上の場合、合格。
(3)10分間吐出終了直後にブレードワイプを1回実施し、その後に形成された画像に画像ムラが見られない場合、合格。
実験開始時に全ノズルが吐出していることを確認し、メンテナンスを含めた実験終了後の吐出ノズル数をカウントして、下記の通り吐出率を算出した。
吐出率(%)=[メンテナンス後の吐出ノズル数]/[全ノズル数]×100(%)
〜評価基準〜
A:3項目とも合格の場合
B:2項目が合格の場合
C:1項目のみ合格の場合
D:3項目とも不合格の場合
Claims (11)
- 水、顔料およびポリマー粒子を含むインク組成物と、プロピレングリコールモノプロピルエーテルを含むメンテナンス液と、を含むインクジェット記録用インクセット。
- 前記メンテナンス液が界面活性剤を含有する請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である請求項2に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記インク組成物に含まれるポリマー粒子がポリマーラテックスに由来するものである請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記インク組成物が7.5以上12以下のpHを有する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 更に、前記インク組成物に含まれる顔料およびポリマー粒子の少なくとも一方を凝集させる凝集剤を含む処理液を含む請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記処理液が1以上6以下のpHを有する請求項6に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 前記処理液が水および有機酸を含む請求項6または請求項7に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセットが用いられ、
前記インク組成物をインクジェット記録用吐出ヘッドから記録媒体上にパターン状に付与するインク付与工程と、前記メンテナンス液により前記吐出ヘッドに付着したインク組成物を除去するインク除去工程と、を含む画像形成方法。 - 請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセットが用いられ、
前記インク組成物をインクジェット記録用吐出ヘッドから記録媒体上にパターン状に付与するインク付与工程と、
前記処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
前記メンテナンス液により前記吐出ヘッドに付着したインク組成物を除去するインク除去工程と、
を含む画像形成方法。 - 前記インクジェット記録用吐出ヘッドの少なくとも一部が撥インク膜を有する請求項9または請求項10に記載の画像形成方法。
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