JP5311745B2 - 使用済み自動車のプレス品の製造方法および使用済み自動車のプレス品 - Google Patents
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Description
これにより、使用済み自動車を破砕するシュレッダー処理を行う必要がないため、シュレッダー処理の際に、例えば、プラスチック、ゴム、鉄、アルミニウム、および銅が混在したシュレッダーダストが発生するという問題がなく、このシュレッダーダストを、例えば、埋め立て処分、燃焼処理、または溶融処理しなければならないという問題はなかった。
従って、発煙量を、排ガス処理設備に吸引可能な程度の量に抑えるため、プレス品の装入量(処理量)を制限する必要があり、プレス品を多量に処理できないという問題があった。
そして、特許文献3には、金属製品廃棄物と、タイヤ廃棄物または合成樹脂製品廃棄物とを直方体形状にプレスして、製鉄用の鉄源および燃料体に成形する方法が開示されている。しかし、この場合、プレス品である製鉄用の鉄源および燃料体の表面には樹脂類が露出しており、そのため、前記した特許文献1と同様の問題があった。
そこで、上記した問題を解決するため、特許文献4には、使用済み自動車を折りたたむようにプレスして直方体状のプレス品を製造する方法、ならびに使用済み家電機器を鋼板で覆うようにプレスして直方体状のプレス品を製造する方法が開示されている。
(1)溶鉄装入直後から高温(500℃超)の煙が多量に発生し、これが炉外に漏れ出す状況
(2)溶鉄装入直後は低温(500℃以下)で発煙量が少なく、発煙が一定時間(傾いた状態の炉に溶鉄を装入し始めてから、装入し終わった後に炉を直立させ、炉上の排ガス処理設備の下に炉口を位置させて、炉上の排ガス処理設備外へ漏れ出す煙の量が大幅に減少するまでの時間)抑制される状況
このため、特許文献4に開示された方法では、安定して多量の使用済み自動車のプレス品を使用することが困難であることが判明した。
前記使用済み自動車の高さ方向を最初にプレスする処理、および前記使用済み自動車の幅方向を最後にプレスする処理のいずれか一方または双方を実施する。
第1の発明に係る使用済み自動車のプレス品の製造方法において、前記鋼板の幅は、プレス前の前記使用済み自動車の幅の0.8倍以上1.7倍以下であることが好ましい。
前記使用済み自動車の高さ方向を最初にプレスする処理、および前記使用済み自動車の幅方向を最後にプレスする処理のいずれか一方または双方を実施する。
第2の発明に係る使用済み自動車のプレス品の製造方法において、前記鋼板の幅は、プレスされた前記使用済み自動車の幅の1.0倍以上1.5倍以下であることが好ましい。
ここで、プレスされた使用済み自動車の幅の1.0倍以上の幅の鋼板を使用することで、プレス前の使用済み自動車の幅の0.8倍以上の幅の鋼板を使用した場合と同様の現象が起こり、またプレスされた使用済み自動車の幅の1.5倍以下の幅の鋼板を使用することで、プレス前の使用済み自動車の幅の1.7倍以下の幅の鋼板を使用した場合と同様の現象が起こる。
特に、請求項1および3記載の使用済み自動車のプレス品の製造方法は、使用済み自動車のプレスに際し、使用済み自動車の高さ方向を最初にプレスすることにより、他の部分を最初にプレスした場合と比較して、樹脂類をプレス品内部により多く閉じ込めることができる。これにより、プレス品における樹脂類の露出箇所を少なくできるので、効果的に発煙を抑制でき、また発生するガスの温度を低減でき、更に発煙量を抑制できる。
また、使用済み自動車のプレスに際し、使用済み自動車の幅方向を最後にプレスすることにより、他の部分を最後にプレスした場合と比較して、樹脂類をプレス品内部により多く閉じ込めることができる。これにより、プレス品における樹脂類の露出箇所を少なくできるので、効果的に発煙を抑制でき、また発生するガスの温度を低減でき、更に発煙量を抑制できる。
ここで、図1(A)は本発明の一実施の形態に係る使用済み自動車のプレス品の製造方法の説明図、(B)は第1の変形例に係る使用済み自動車のプレス品の製造方法の説明図、(C)は第2の変形例に係る使用済み自動車のプレス品の製造方法の説明図、図2は本発明の一実施の形態に係る使用済み自動車のプレス品の製造方法を適用する使用済み自動車の事前処理方法の説明図、図3は同事前処理を行った後の使用済み自動車のプレス方法の説明図、図4(A)はプレスした使用済み自動車の搬送方法の説明図、(B)は転炉におけるプレス品の溶融処理方法の説明図である。
図2に示すオフライン回収工程では、回収された使用済み自動車18から、例えば、エアバック、フロン、バンパー、およびリユースパーツ(外販品)のような付属品を取り外す(符号19は、付属品を取り外した使用済み自動車を示す)。
次に、液抜き工程で、使用済み自動車19をリフター(昇降手段)20によって上昇させ、この使用済み自動車19から、例えば、燃料、オイル類、およびLLC(冷却水)の液類を除去する。そして、この液類が除去された使用済み自動車21を、ホイストレール22に沿って移動可能な車体搬送装置23へ取付け、下流側へ搬送する。
解体工程では、使用済み自動車25を横倒しし、例えば、ミッション(変速装置)、足廻り部品(例えば、ブレーキパッド、およびシャフト)、およびエンジンを取り外す(使用済み自動車26とする)。
最後に、非鉄回収工程では、使用済み自動車26を車輌固定装置27で固定し、非鉄回収装置28を使用して、使用済み自動車26から鉄に有害な銅製品を取り外し除去する。なお、除去する銅製品は、例えば、ケーブルおよびモータを含むハーネス類のように、除去可能なものである。しかし、銅製品の取付け場所によっては、容易に取り外しできないため、銅製品の一部が使用済み自動車26内に残存してもよい。
この事前処理は、使用済み自動車から有価物を予め回収するためのみならず、前記したように、プレス品に対して溶鉄を装入する際に問題となる発煙を抑制するためにも行っている。この発煙の原因物質としては、例えば、車内パネル等の樹脂またはプラスチック、冷却水、オイル類、洗浄水、残留ガソリン、タイヤ、およびシート(ウレタン樹脂製)類等がある。
このタイヤ以外の残部についても、勿論除去することが望ましいが、不可避的に残留するものもあり、この残部を総括して樹脂類と称する。
高温で多量の発煙(ガス発生)は、使用済み自動車に不可避的に含まれる樹脂類が、溶鉄に直接接触することにより急激に昇温されてガス化し、このガスがプレス品外に多量に噴出することにより発生するものと考えられる。
このため、プレス品内部に樹脂類を存在させる場合、またはプレス品を鋼板で覆う場合には、樹脂類が溶鉄と直接接触せず、この樹脂を徐々に炭化またはガス化できる。従って、発煙量(ガスの発生量)を少なくでき、発生するガスを低温化できるものと考えられる。
しかし、プレス品の外面全面が鋼板で覆われた場合、少ないながらも樹脂類から発生するガスにより鋼板の覆いが破壊され、プレス品に含まれる樹脂類と溶鉄の直接接触が起こるため、早期の発煙が起こり好ましくない。
このため、本願発明者らは、使用済み自動車のプレス品の外面全面を鋼板で覆うことなく、しかも樹脂類等の発煙原因部材と溶鉄との直接接触を抑制する方法を検討した。
まず、使用済み自動車のプレスによる変形過程を、詳細に検証した。ここでは、図3に示すように、使用済み自動車の高さ方向の圧縮を行うプレスをHプレス、自動車の長さ方向(前後方向)の圧縮を行うプレスをLプレス、自動車の幅方向の圧縮を行うプレスをWプレスとして、以下に説明する。なお、使用済み自動車に対しHプレスを施す面をHプレス面(上面)といい、Lプレスを施す面をLプレス面(前後面)といい、Wプレスを施す面をWプレス面(左右面)という。
1回目にHプレスを行った場合、自動車の窓部から樹脂類が露出した。特に、自動車の扉の窓部からの露出はなかったが、フロント(前部)とリア(後部)の窓部からの露出が観察された(以下、Hプレス面での樹脂類の露出ともいう)。
これは、樹脂類が、第1に自動車の車内に多く存在し、第2にボンネット内(例えば、エンジンルーム)に存在することに起因すると考えられる。
このように、自動車に対してLプレスを行った後は、樹脂類が露出しない場合、またHプレス面のみ、Lプレス面のみ、またはHプレス面とLプレス面の双方に、それぞれ露出する場合があった。
以上の順序で、使用済み自動車にプレスを行った場合、自動車から樹脂類が露出しない場合があった。また、樹脂類が露出する場合には、Hプレス面あるいはLプレス面に露出しており、Hプレス面とLプレス面の双方に露出することはまれであった。具体的には、使用済み自動車の前部、天井部、後部、両側部、および底部(即ち、前面、上面、後面、左側面、右側面、および下面)を6面とした場合、樹脂類が露出した面が、0〜2面であった(表1中の◎)。
1回目のプレスは、条件No.1と同様であるため、説明を省略する。
2回目にWプレスを行った場合、自動車のフロントとリアの窓部から露出した樹脂類は、露出した状態のままであった。なお、樹脂類がWプレス面から新たに露出することはなかった。
3回目にLプレスを行った場合、Wプレスした後に、Hプレス面に露出していた樹脂類は、露出した状態のままであった。なお、樹脂類がLプレス面から新たに露出することはなかった。
以上の順序で、使用済み自動車のプレスを行った場合、樹脂類は主としてHプレス面から露出していた。具体的には、樹脂類が露出した面が、1〜2面であった(表1中の○)。
1回目にWプレスを行った場合、自動車の扉、フロント、およびリアのいずれの窓部からも、樹脂類の露出が観察された。これはHプレスを施す場合と比較して、自動車の変形が一方向に定まらないためと考えられる。
2回目にHプレスを行った場合、自動車の扉の窓部から露出していた樹脂類は、自動車の内部に埋没したが、フロントとリアの窓部に露出していた樹脂類は、Hプレス面から露出した状態のままであった。
3回目にLプレスを行った場合、Hプレスした後に、Hプレス面から露出していた樹脂類は露出した状態のままであった。更に、Lプレス面からは、樹脂類が新たに露出する場合が多く見られたが、Wプレス面からは樹脂類が露出しなかった。
以上の順序で、使用済み自動車のプレスを行った場合、樹脂類はHプレス面とLプレス面から露出していた。具体的には、樹脂類が露出した面が、3〜4面であった(表1中の△)。
1回目のプレスは、条件No.3と同様であるため、説明を省略する。
2回目にLプレスを行った場合、いずれの窓部からも露出が観察されていた樹脂類は、露出した状態のままであった。
3回目にHプレスを行った場合、自動車の扉部から露出していた樹脂は、自動車の内部へ埋没する傾向があった。また、Wプレス面の周辺部(Lプレス面とWプレス面、およびHプレス面とWプレス面との境界部)に、樹脂類が露出する場合もあった。
以上の順序で、使用済み自動車のプレスを行った場合、樹脂類はHプレス面とLプレス面から露出していた。具体的には、樹脂類が露出した面が、3〜4面またはそれ以上であった(表1中の△〜×)。
1回目にLプレスを行った場合、1回目でWプレスを行った場合と同様、自動車の扉、フロント、およびリアのいずれの窓部からも、樹脂類の露出が観察された。これは、1回目にHプレスを行った場合と比べ、自動車の変形が一方向に定まらないためと考えられる。また、1回目にLプレスを行った場合は、ボンネットの変形開口部からボンネット内の樹脂類が露出する場合があった。
2回目にHプレスを行った場合、自動車の扉の窓部から露出していた樹脂類は、内部に埋没した(Wプレス面からの樹脂類の露出が無くなった)が、フロントとリアの窓部に露出していた樹脂類は、Hプレス面とLプレス面から露出した状態のままであった。
3回目にWプレスを行った場合、Hプレスした後に露出していた樹脂類が、Wプレス面から露出することは無かった。
以上の順序で、使用済み自動車のプレスを行った場合、樹脂類はHプレス面とLプレス面から露出していた。具体的には、樹脂類が露出した面が、3〜4面であった(表1中の△)。
1回目のプレスは、条件No.5と同様であるため、説明を省略する。
2回目にWプレスを行った場合、いずれの窓部からも露出が観察されていた樹脂類は、露出した状態のままであった。
3回目にHプレスを行った場合、自動車の扉部で露出していた樹脂は、自動車の内部へ埋没する傾向があった。また、Wプレス面の周辺部(Lプレス面とWプレス面、およびHプレス面とWプレス面との境界部)に樹脂類が露出する場合もあった。
以上の順序で、使用済み自動車のプレスを行った場合、樹脂類はHプレス面とLプレス面から露出していた。具体的には、樹脂類が露出した面が、3〜4面またはそれ以上であった(表1中の△〜×)。
また、条件No.1、2とNo.3〜6とを対比することにより、使用済み自動車のHプレス面(即ち、天井部)を最初にプレス、即ちHプレスを行うことで、樹脂類の露出面数が少なくなる傾向があった。これは、Hプレスが車内空間をつぶす効果があり、車内に残留する樹脂類を、面積が広い自動車屋根部で圧潰して自動車内に樹脂類を留め、Wプレス面からの樹脂類の露出を防ぐ効果があるためと推定される。
このことから、樹脂類の露出は、Lプレス面に発生し易いものと考えられる。
そして、条件1と条件2、または条件5と条件6とを対比することにより、使用済み自動車のWプレス面(即ち、両側部)を最後にプレス、即ちWプレスを行うことで、樹脂類の露出面数が少なくなる傾向があった。これは、Wプレス面からの樹脂類の露出は、ドアの金属部材により抑制され、樹脂類の露出がLプレス面およびHプレス面のいずれか一方または双方に限定される傾向があるためと考えられる。
従って、プレス品の表面を別途準備した鋼板で覆って樹脂類が溶鉄に直接接触することを抑制し、かつ樹脂類から発生するガスにより鋼板による覆いが破壊されることを回避するために、鋼板でプレス品の表面全面を覆わないようにした。具体的には、以下に示す通りである。
なお、鋼板の配置に際しては、使用済み自動車を一旦直方体状または立方体状にプレスした後に鋼板を配置してもよい。このプレスに際しては、自動車の底がプレス後の外側となるように、使用済み自動車のフロントとリアを合わせるように折りたたんだ後に、プレス成形してもよい。この場合は、折りたたんだ自動車をプレスした後、プレスした自動車の露出した前部、天井部、および後部(主として、前部と後部)に、鋼板を配置する。
そして、図1(C)に示すように、使用済み自動車10の天井部のみを予め予備プレスした後、これを鋼板14bで覆ってもよい。これにより、自動車10の上面側は、略平らな状態になるので、鋼板配置後のプレスにより、鋼板の破れを抑制、更には防止できる。
更に、予備プレスとして、自動車の底がプレス後の外側となるように、使用済み自動車のフロントとリアを合わせる様に折りたたみ、この状態で、自動車の露出した前部、天井部、および後部(主として、前部と後部)に、鋼板を配置して覆った後、プレスしてもよい。
プレス前の使用済み自動車を覆う鋼板の幅は、プレス前の使用済み自動車の幅の0.8倍以上1.7倍以下にするとよい。
鋼板の幅が0.8倍未満の場合、鋼板を配置してプレスする場合に、Lプレス面またはHプレス面において、鋼板で覆われない部分が必要以上に発生する場合がある。一方、1.7倍を超える場合、鋼板を配置してプレスすると、Wプレス面の全面を鋼板で覆ってしまう場合があり、プレス品に溶鉄を接触させる際に、プレス品の内部からガスが発生して鋼板の覆いが破壊され、早期の発煙を招く場合がある。
以上のことから、鋼板の幅を、使用済み自動車のプレス前の幅の0.8倍以上1.7倍以下としたが、下限値を0.95倍とすることが望ましく、上限値を1.5倍とすることが望ましい。
鋼板の幅が1.0倍未満の場合、Lプレス面またはHプレス面において、鋼板で覆われない部分が必要以上に発生する場合がある(前記したプレス前の使用済み自動車の幅の0.8倍未満の場合と同様の現象)。一方、1.5倍を超える場合、Wプレス面の全面を鋼板で覆ってしまう場合があり、プレス品に溶鉄を接触させる際に、プレス品の内部からガスが発生して鋼板の覆いが破壊され、早期の発煙を招く場合がある(前記したプレス前の使用済み自動車の幅の1.7倍を超える場合と同様の現象)。
以上のことから、鋼板の幅を、使用済み自動車のプレス後の幅の1.0倍以上1.5倍以下としたが、下限値を1.1倍とすることが望ましく、上限値を1.4倍とすることが望ましい。
この覆う面積は、使用済み自動車が有色であり、一方、表面を覆う別の鋼板は無色(通常の鋼板の色、即ち金属色)であるため、Wプレス面の全面積における鋼板の面積率を、色彩によって区別できる。
なお、プレス後の使用済み自動車についても、その両側部を別の鋼板で覆うことができる。
なお、上記した面積率をコントロールするために、Wプレス面を覆う鋼板に予め孔(開口部)を開けてもよく、これにより面積率の制御を確実にできる。
樹脂類は、鋼板の覆いにより、溶鉄との直接接触による急激な発煙を抑制できるが、プレス品内部に樹脂類を存在させること、言い換えると覆いが無い場合のプレス品からの樹脂類の露出面が少ないことが、発煙の抑制をより確実なものにする。
このため、まずHプレス面を最初にプレスすることが好ましい。
Wプレスを最後に実施すると、覆いが無い場合のプレス品からの樹脂類の露出面数が抑制でき、即ちプレス品内部に樹脂類を存在させることができ、鋼板で覆ったプレス品を溶鉄に接触させた場合、発煙の抑制をより確実なものにできる。
以上に示した使用済み自動車のプレス品の製造方法により、鋼板で覆われた直方体状または立方体状の使用済み自動車のプレス品15を製造できる。
次に、台車31を転炉16まで搬送して、図4(B)に示すように、炉口位置を斜め方向に向けるように転炉16を傾斜させ、この炉口を介してシュート32内のプレス品15と鉄スクラップ品34を、転炉16の炉内へ供給する。そして、プレス品15と鉄スクラップ品34の装入が終了した後、溶銑鍋35を用いて溶銑17を炉内へ供給する。
炉内への溶銑17の供給が終了した後は、傾斜させていた転炉16を、炉口が排ガス処理設備(転炉ガス処理設備)の吸引口36の下方に位置するように正立状態にし、酸素吹きランス37を使用して吹錬を行う。このとき、樹脂類が溶銑に溶解することにより、熱源として使用できる。
なお、目視観察によるガスの発生量は、発生するガスの温度と強い相関がみられ、発生ガスの温度が高くなるほど、発生するガス量が多くなる。このため、発生するガス量についても、十分に低減できる。
以上のことから、本発明を適用することで、従来よりも多量の使用済み自動車10を溶融処理でき、鉄源として利用できるため、経済的である。
そして、使用するプレス品中には、樹脂類が通常10〜30質量%程度含まれるが、本実施例および本参考例では、20質量%±2質量%の樹脂類が含まれるプレス品を用いた。
このような構成のプレス品を転炉へ投入し、この転炉中へ溶銑を装入した後、転炉を直立させ、直ちに(例えば、1〜2分程度経過後)吹錬を開始した。この吹錬は、未溶解のプレス品に邪魔されることなく実施でき、着火性も良好であった。ここで、吹錬は、上底吹きで20分以上40分以下実施しており、これにより所定成分で所定温度の溶鋼が得られた。この溶鋼量は、転炉の操業条件に応じて、100トン以上160トン、または300トン以上350トン以下とした。
一方、参考例1では、使用済み自動車のLプレス面とHプレス面を鋼板で覆っていたため、樹脂類の露出を、比較例1、2と比較して大幅に低減できた。このため、同一条件で2回の溶融処理を行ったところ、いずれの場合についても、溶銑装入直後からの発煙は起こらず、発煙時期を遅らすことができることを確認できた。
また、発生するガスの温度については、表3に示す参考例2のように、参考例1、3、4と比較して、高くなる場合もあった。これは、使用済み自動車の幅に対する鋼板の幅が狭過ぎる場合(0.75倍)、自動車の表面に露出する樹脂類を、露出しないように覆うことができない場合があることに起因する。
以上のことから、本発明のように、使用済み自動車のLプレス面とHプレス面を鋼板で覆い、更にその鋼板の幅を規定することにより、発煙時期を一定時間遅延できるのみならず、発生するガスの温度を低減できることも確認できた。なお、前記したように、発生ガスの温度を低減できるため、発煙量を少なくできる。
また、発生するガスの温度については、参考例6〜12のいずれについても、目標値である500℃以下に抑えることができ、特に面積率を75%以上99%以下とすることで、発生するガスの温度を400℃以下まで、更に低減できることを確認できた。なお、発生ガスの温度を低減できるため、発煙量を少なくできる。
また、発生するガスの温度についても、同様の条件によって、確実に低減できることを確認できた。なお、発生ガスの温度を低減できるため、発煙量を少なくできる。
図5(A)〜(C)から明らかなように、比較例1では、プレス品からの発煙が早期に発生し、しかも発生するガスの温度も非常に高温であった。
なお、上記した試験では、使用済み自動車に対して鋼板を配置した後にプレスを施した場合について説明したが、プレスされた使用済み自動車に対して鋼板を配置したプレス品を、溶融処理を行った場合についても、同様の結果が得られた。
以上のことから、本発明を適用することで、従来よりも多量の使用済み自動車を溶融処理でき、鉄源として利用できるため、経済的である。
Claims (6)
- タイヤが取り外された使用済み自動車の少なくとも前部、天井部、および後部を鋼板で覆った後、該鋼板で覆われた前記使用済み自動車を該使用済み自動車の高さ方向、前後方向、および幅方向にそれぞれプレスして直方体状または立方体状にする使用済み自動車のプレス品の製造方法であって、
前記使用済み自動車の高さ方向を最初にプレスする処理、および前記使用済み自動車の幅方向を最後にプレスする処理のいずれか一方または双方を実施することを特徴とする使用済み自動車のプレス品の製造方法。 - 請求項1記載の使用済み自動車のプレス品の製造方法において、前記鋼板の幅は、プレス前の前記使用済み自動車の幅の0.8倍以上1.7倍以下であることを特徴とする使用済み自動車のプレス品の製造方法。
- タイヤが取り外された使用済み自動車を該使用済み自動車の高さ方向、前後方向、および幅方向にそれぞれプレスして直方体状または立方体状とした後、プレスされた該使用済み自動車の少なくとも前部、天井部、および後部を鋼板で覆う使用済み自動車のプレス品の製造方法であって、
前記使用済み自動車の高さ方向を最初にプレスする処理、および前記使用済み自動車の幅方向を最後にプレスする処理のいずれか一方または双方を実施することを特徴とする使用済み自動車のプレス品の製造方法。 - 請求項3記載の使用済み自動車のプレス品の製造方法において、前記鋼板の幅は、プレスされた前記使用済み自動車の幅の1.0倍以上1.5倍以下であることを特徴とする使用済み自動車のプレス品の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用済み自動車のプレス品の製造方法において、更に前記使用済み自動車の両側部を別の鋼板で覆い、しかも該別の鋼板は前記両側部の露出面の面積の75%以上99%以下を覆っていることを特徴とする使用済み自動車のプレス品の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用済み自動車のプレス品の製造方法を用いて製造したことを特徴とする使用済み自動車のプレス品。
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