JP5388165B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また最近では、表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology)対応部品などの高い耐熱が求められる用途に、ポリアミド6、ポリアミド66等より耐熱性が高い、ポリアミド9Tなどの半芳香族ポリアミドが用いられ始めている。
さらに最近、環境対応として、ポリアミド用の難燃剤として従来使用されてきた、ハロゲン系化合物、及びアンチモン系化合物の代替要求が高まってきている。
ポリアミドを難燃化する従来技術として、ヘキサメチレンアジパミドをリン酸メラミン等で難燃化する技術(特許文献1)、芳香族ポリアミドを、ハロゲン系難燃剤で難燃化する技術(特許文献2)、ポリアミドを非ハロゲン難燃剤であるホスフィン酸塩で難燃化する技術(特許文献3)、ポリアミド及びホスフィン酸塩類に、芳香環を有する樹脂を添加する技術(特許文献4)、高融点ポリアミドとポリフェニレンエーテルからなる樹脂組成物にホスフィン酸塩類を添加する技術(特許文献5)などが提案されている。これらの中でも、ポリアミド用の難燃剤としてホスフィン酸塩を組み合わせた系において、やっと非ハロゲン難燃化技術が実用化されつつある。
これに対応する為、使用する加工機器に、高価な耐腐食耐磨耗鋼を用いる必要が生じてきており、この早急な解決と薄肉製品においても高度な難燃性を合せ持つ材料の開発が望まれている。
1.(A)ポリアミド、(B)ポリフェニレンエーテル、(C)下式(I)で表されるホスフィン酸塩、下式(II)で表されるジホスフィン酸塩及びこれらの縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のホスフィン酸塩類、(D)無機充填材、及び(E)水酸化カルシウム、を含んでなる難燃性樹脂組成物であって、(D)無機充填材が、繊維状無機充填材と粒子状無機充填材の混合物であり、無機充填材の合計を100質量%とした時に粒子状無機充填材が1〜15質量%であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
3.(C)ホスフィン酸塩類100質量部に対し、(E)水酸化カルシウム、を0.05〜10質量部含んでなることを特徴とする上記1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
6.(D)成分の繊維状無機充填材が、アスペクト比が10を超える、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウムウィスカーのうちから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする上記1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
8.粒子状無機充填材の平均粒子径が、繊維状無機充填材の平均繊維径の0.1〜2.0倍の範囲であることを特徴とする上記1〜7のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
10.(A)ポリアミドが、ポリマーを構成するモノマー成分として、芳香環含有モノマーを含み、芳香環含有モノマーの量がモノマー成分中20モル%以上である半芳香族ポリアミドを含んでなることを特徴とする上記1〜9のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
11.(A)ポリアミドが、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなる半芳香族ポリアミド樹脂であることを特徴とする上記1〜10のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
13.(C)ホスフィン酸塩類の配合量が、(A)ポリアミドと(B)ポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対して、1〜80質量部であることを特徴とする上記1〜12のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
15.(F)成分の相溶化剤を、(A)ポリアミドと(B)ポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対して0.05〜5質量部の量で含むことを特徴とする上記14に記載の難燃性樹脂組成物。
18.上記1〜15のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物より得られる成形品。
本発明で使用することのできる(A)成分のポリアミドの種類としては、ポリマー主鎖の繰り返し単位中にアミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用することができる。
一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で、好ましいジアミン類を例示すると、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミンから選ばれる1種以上のジアミン類が挙げられる。特に好ましくは、ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、及び1,9−ノナメチレンジアミンと2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミンの混合物である。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはεアミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノナノン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ωアミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
本発明における、これらの末端基の好ましい比はアミノ基/カルボキシル基濃度比で、9/1〜1/9であり、より好ましくは6/4〜1/9、更に好ましくは5/5〜1/9である。
また、末端のアミノ基の濃度は10〜80μmol/gであることが好ましい。更に好ましくは15〜65μmol/gであり、最も好ましくは20〜40μmol/gである。末端アミノ基の濃度をこれら範囲内にする事により、組成物の金型内流動性の大幅な低下を未然に防止できる。
上記モノアミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン及びこれらの任意の混合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応性、沸点、封止末端の安定性、価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
遷移金属の好ましい量は樹脂組成物中に10ppm以上300ppm未満である。さらに好ましくは10ppm以上250ppm未満である。また、ハロゲンの好ましい量は500ppm以上1500ppm未満であり、より好ましくは、700ppm以上1200ppm未満である。
さらに、上記の他にポリアミドに添加することが可能な公知の添加剤等もポリアミド100質量部に対して10質量部未満の量で添加してもかまわない。
ポリフェニレンエーテルとして2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体を使用する場合の好ましい2,3,6−トリメチルフェノールの量は、5〜40モル%であり、さらに好ましくは10〜25モル%の範囲内である。
本発明においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても、好ましく使用することができる。
分子内に炭素−炭素二重結合、及びカルボン酸基又は酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。また、これら不飽和ジカルボン酸の2個のカルボキシル基のうちの1個または2個がエステルになっているものも使用可能である。
分子内に炭素−炭素二重結合及び水酸基を同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式CnH2n-3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式CnH2n-5OH、CnH2n-7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5質量部である。
また、変性されたポリフェニレンエーテルへの変性化合物の付加率は、0.01〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3重量%である。
該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または、変性化合物の重合体が1重量%未満の量であれば残存していても構わない。
更に、ポリフェニレンエーテルに添加することが可能な公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100質量部に対して10質量部未満の量で添加しても構わない。
無機安定剤としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の金属系安定剤が挙げられる。
これら安定剤の好ましい配合量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計量の100質量部に対して、0.001〜5質量部であり、より好ましくは0.01〜3質量部である。
本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂の例としては、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
について説明する。
これらは、本質的にモノマー性化合物であるが、反応条件に依存して、環境によっては縮合度が1〜3の縮合物であるポリマー性ホスフィン酸塩も包含される。
また、本発明におけるホスフィン酸塩類は、本発明の効果を損なわなければ、未反応物あるいは副生成物が残存あるいは混在していても構わない。
ホスフィン酸塩類の数平均粒子径の下限値を0.1または0.5μm以上とすると、溶融混練等の加工時において、取扱い性や押出し機等への噛み込み性が向上し好ましく、数平均粒子径の上限値を45または200μm以下とすると、樹脂組成物の機械的強度発現や成形品の表面良外観の観点から好ましい。
水へのホスフィン酸塩類の分散は、超音波拡散機およびまたは、攪拌機を備えた攪拌槽に水及びホスフィン酸塩類を加える事で可能である。この分散液をポンプを介して測定セルへ送液し、レーザー回折により粒子径を測定する。測定によって得られる、粒子径と粒子数の頻度分布より数平均粒子径を計算することが出来る。
アスペクト比が10を超える場合、平均粒子径が100μm以下でも難燃性が劣り好ましくない。
平均粒子径が好ましい上限値以内である場合、高度な薄肉難燃性を発現出来好ましく、下限値以上である場合、十分な薄肉流動性を確保でき好ましい。
平均粒子径の測定は、粒子状無機充填材を水またはアルコール水溶液に分散させて測定する湿式法を用いる。
また、繊維状無機充填材の好ましい繊維径(直径)の範囲は、1.0μm〜20.0μmであり、更に好ましくは、2.0〜18.0μmであり、最も好ましくは5.0〜15.0μmの範囲である。
水酸化カルシウムを入手しようとする場合、一般的に流通しているものの例として、消石灰が挙げられる。消石灰は、日本工業規格において工業用石灰(JIS R9001:2006)として、種々の特性が規定されている。
水酸化カルシウムとして工業用石灰を用いる場合の、該消石灰中の好ましい酸化カルシウムの純度は、工業用消石灰2号以上の純度である。
酸化カルシウムを入手しようとする場合、一般的に流通しているものの例として、生石灰が挙げられる。生石灰は、日本工業規格において、工業用石灰(JIS R9001:2006)として種々の特性が規定されている。
酸化カルシウムとして、工業用生石灰を用いる場合の、該生石灰中の好ましい酸化カルシウムの純度は、工業用消石灰2号以上の純度である。
具体的な好ましい純度は、消石灰中に酸化カルシウムとして80質量%以上である。より好ましくは、90質量%以上、更に好ましくは93質量%以上、最も好ましくは、95質量%以上である。
工業用生石灰に含まれる、他の成分としてはCO2、SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOなどが挙げられるが、これら成分の中でも、SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO合計の含有量は、10質量%以下であることが望ましく、5質量%以下である事が更に望ましく、3質量%以下である事が最も望ましい。難燃性樹脂組成物の機械的特性や、難燃性の低下を抑制する為には、これら無機不純物濃度を低く抑制する事が望ましい。
本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指すものである。この相互作用は化学的(たとえばグラフト化)であっても、または物理的(たとえば分散相の表面特性の変化)であってもよい。いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す。
これら、種々の相溶化剤の中でも、特に好適な(F)成分の相溶化剤としては、クエン酸、マレイン酸、イタコン酸およびそれらの無水物から選ばれる1種以上である。なかでも、無水マレイン酸及びクエン酸が最も好ましい。
本発明における相溶化剤の好ましい量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100質量部に対して0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.05〜5質量部、最も好ましくは0.1〜2質量部である。
外観改良剤とは、鉱物油、ワックスから選ばれる1種以上である。
まず、鉱物油とは、芳香族化合物、ナフテン環化合物およびパラフィン系化合物から選ばれる1種以上であって、一般的には3種を組み合わせた混合物である。鉱物油が混合物である場合、特に芳香族化合物が30%未満のパラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油と呼ばれるものが、衝撃改良材を用いた際の分散性、溶解性の観点から好ましい。
これら鉱物油の性状は、37.8℃における動粘度が20〜500cst、流動点が−10〜−15℃および引火点が170〜300℃を示すものが好ましい。
これら外観改良剤は、一種のみを用いてもよく二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら外観改良剤の使用量は、表面外観の改良効果および成形体表面へのブリードアウト防止の観点から、(A)ポリアミド及び(B)ポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対し、使用量の下限値として0.1質量部以上である事が好ましく、0.2質量部以上である事がさらに好ましい。使用量の上限値としては、10質量部以下である事が好ましく、5質量部以下である事がさらに好ましい。
衝撃改良材は、芳香族ビニル化合物を主体とするブロックを少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とするブロックを少なくとも1個含むブロック共重合体、および/または該ブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。
本発明でいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置を用いて、紫外分光検出器で測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量の事を指す。この時、重合時の触媒失活に起因した低分子量成分が検出されることがあるが、その場合は分子量計算に低分子量成分は含めない。通常、計算された正しい分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.0〜1.1の範囲内である。
Mn(a)={Mn×a/(a+b)}/N
[上式中において、Mn(a)は芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量、Mnは少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体の数平均分子量、aはブロック共重合体中のすべての芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの重量%、bはブロック共重合体中のすべての共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの重量%、そしてNはブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの数を表す。]
ここでいう変性されたブロック共重合体とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合又は三重結合、及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたブロック共重合体を指す。
メラミンとリン酸とから形成される付加物の具体例としては、メラミンとポリリン酸との反応生成物及び/またはメラミンの縮合物とポリリン酸との反応生成物、式(NH4)yH3-yPO4もしくは(NH4PO3)z[式中、yは1〜3であり、そしてzは1〜10000である]で表される窒素含有リン酸塩、リン酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、及び/またはポリリン酸アンモニウムから選ばれる1種以上が挙げられる。特に、次の化学式(C3H6N6・HPO3)n、(ここでnは縮合度を表す)で示されるもので、メラミンとリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸との実質的に等モルの反応生成物から得られる物が好ましく使用可能である。より具体的には、ピロリン酸ジメラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メレム、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メロン、これらの混合ポリ塩から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも最も好ましいのは、ポリリン酸メラミンである。
ここでリン酸メラミンを構成するリン酸としては、具体的にはオルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられるが、特にオルトリン酸、ピロリン酸を用いたメラミンとの付加物を縮合したポリリン酸メラミンが難燃剤としての効果が高く好ましい。
ポリリン酸メラミンはポリリン酸とメラミンの等モルの付加塩であっても良く、メラミンとの付加塩を形成するポリリン酸としては、いわゆる縮合リン酸と呼ばれる鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸が挙げられる。これらポリリン酸の縮合度nには特に制約はなく通常3〜50であるが、得られるポリリン酸メラミン付加塩の耐熱性の点でここに用いるポリリン酸の縮合度nは5以上が好ましい。
メラミンとリン酸とから形成される付加物は、本発明の効果を損なわなければ、未反応物あるいは副生成物が残存・混在していても構わない。
メラミンとリン酸とから形成される付加物の好ましい量は、(A)ポリアミド、及び(B)ポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対し、0.3〜30質量部である。さらに好ましくは、0.5〜15質量部、特に好ましくは1〜10質量部、最も好ましくは1〜8質量部である。
含亜鉛化合物とは、ステアリン酸亜鉛等の有機含亜鉛化合物および、酸化亜鉛等の無機含亜鉛化合物のすべてを包含するが、これらの中で好ましい含亜鉛化合物は無機含亜鉛化合物である。特にその中でも、酸化亜鉛、硫化亜鉛、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛から選ばれる1種以上がより好ましく、xZnO・yB2O3・zH2O(x>0、y>0、z≧0)で表されるホウ酸亜鉛が最も好ましい。
その具体例としては、2ZnO・3B2O3・3.5H2O、4ZnO・B2O3・H2O、及び2ZnO・3B2O3で表されるホウ酸亜鉛から選ばれる1種以上である。
さらには、これらの含亜鉛化合物はシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等の表面処理剤で処理されていてもよい。
これら含亜鉛化合物の好ましい量は、(A)ポリアミド、及び(B)ポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対し、0.01〜15質量部である。より好ましくは、0.1〜10質量部であり、0.2〜5質量部がより好ましく、0.2〜3質量部が最も好ましい。難燃剤の安定性を高める為には含亜鉛化合物が上述した範囲内にあることが望ましい。
その一例としては、導電用カーボンブラック、カーボンナノチューブ(カーボンフィブリル)、グラファイト、炭素繊維等が挙げられる。これらは、2種以上の混合物で用いても構わない。中でも特に導電用カーボンブラック、カーボンナノチューブ(カーボンフィブリル)が好適に用いる事ができる。
導電用フィラーを使用する際の量としては、樹脂組成物を100質量%としたとき、0.5〜20質量%の範囲である。好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。最も好ましくは1〜3質量%である。
導電用マスターバッチの製造方法としては、二軸押出機を用いて製造する方法が好ましい。特に導電用フィラーを溶融したポリアミド中に添加して更に溶融混練する方法が好ましい。
本発明における実質的にハロゲンを含まないとは、難燃剤を含む樹脂組成物中のハロゲン濃度が1重量%未満の量である。より好ましくは、5000ppm未満であり、最も好ましくは1000ppm未満である。この場合の下限はゼロである。
使用可能な難燃剤の例としては水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等に代表される公知の無機難燃剤、トリフェニルフォスフェートや水酸化トリフェニルフォスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等に代表される有機リン酸エステル類、ポリリン酸アンモニウムやポリリン酸メラミン等に代表されるリン酸系含窒素化合物、特開平11−181429号公報に記載されてあるようなホスファゼン系化合物、シリコーンオイル類、赤燐やその他公知の難燃剤が挙げられる。
本発明では、上記した成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を任意の段階で添加しても構わない。
付加的成分の例としては、ポリエステル、ポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂、可塑剤(低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、帯電防止剤、核剤、流動性改良剤、充填剤、補強剤、各種過酸化物、展着剤、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤に代表される有機系熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
これらの成分の具体的な好ましい添加量は、樹脂組成物中にそれぞれ10重量%以下である。より好ましい量は5重量%未満であり、最も好ましくは3重量%以下である。
(1)上流側及び下流側に1ヶ所ずつの供給口を有する二軸押出機を用い、上流側供給口より少なくともポリアミドおよびポリフェニレンエーテル、必要に応じ、衝撃改良材、相溶化剤等を供給し溶融混練し、下流側供給口よりホスフィン酸塩類、無機充填材としての繊維状無機充填材と粒子状無機充填材、カルシウム塩類その他添加剤を供給し、更に溶融混練する方法。
(2)上流側及び下流側に1ヶ所ずつの供給口を有する二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリフェニレンエーテルとポリアミド、ホスフィン酸塩類、必要に応じ、その他添加剤、衝撃改良材、相溶化剤を供給し溶融混練し、下流側供給口より無機充填材としての繊維状無機充填材および粒子状無機充填材、カルシウム塩類その他添加剤を供給し、更に溶融混練する方法。
(4)上流側に1ヶ所及び下流側に2ヶ所の供給口を有する二軸押出機を用い、上流側供給口より少なくともポリフェニレンエーテルとポリアミド、必要に応じ、衝撃改良材、相溶化剤を供給し溶融混練し、下流側第一供給口(より上流に位置する下流側供給口)より無機充填材の内、繊維状無機充填材を供給し溶融混練し、下流側第二供給口よりホスフィン酸塩類、粒子状無機充填材、カルシウム塩類を供給し、更に溶融混練する方法
等が挙げられる。上述した中では、(3),(4)の方法が好ましい。
加工時の押出機の回転数は、150〜800rpmが好ましく、250〜700rpmがより好ましい。ホスフィン酸塩類の分散性を効率よく高める為には回転数は150rpm以上とし、樹脂の分解を抑制する為には800rpm以下とする事が望ましい。
このようにして得られる本発明の難燃性樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形により各種部品の成形体として利用できる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、特に電気電子部品及び自動車用電気電子部品に好適に使用可能である。中でも特に薄肉部品が多く、高い耐熱性が求められる、電子分野の表面実装技術対応部品の材料として好適に使用可能である。
以下、実施例により本発明の実施の形態をさらに詳しく説明する。
なお、実施例及び比較例に用いた原材料及び測定方法を以下に示す
(A)ポリアミド
(A−1)PA9T−1:テレフタル酸とノナメチレンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミンからなる半芳香族ポリアミド
融点:308℃、粘度数(ISO307:1997で規定される96%硫酸中で測定)70ml/g、末端封止率:90%、
末端アミノ基濃度:19μmol/g
国際公開明細書WO2007/058169号公報実施例のポリアミド9Tの製造に従い、調製。
融点:314℃
商品名:アモデルA−4000(ソルベイアドバンスドポリマーズ社製)
融点:257℃
レオナ1200S(旭化成ケミカルズ社製)として入手
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
還元粘度[ηsp/c]:0.42dl/g
ジエチルホスフィン酸アルミニウム(以下、DEP)。
純度:95%以上
粒子径:平均粒子径5μm
商品名:Exolit OP930(クラリアント社製)
水酸化カルシウム:[以下Ca(OH)2]
試薬(和光純薬工業社製)を使用
(E−1)繊維状無機充填材
ガラス繊維(以下、GF)
商品名:ECS03−T747 日本電気硝子(株)製
チョップ繊維長:3mm
繊維径:13μm
ミクロ結晶性タルク(以下、Talc)
平均粒子径:11μm
アスペクト比:1.2
ウォラストナイト(以下、ウォラストナイト−1)
平均粒子径:3μm
アスペクト比:3
ウォラストナイト(以下、ウォラストナイト−2)
平均粒子径:8μm
アスペクト比:14
炭酸カルシウム(以下、CaCO3)
平均粒子径:150nm
アスペクト比:1.0
無水マレイン酸(以下、MAH)
商品名:クリスタルMAN 日本油脂(株)製
(1)難燃性(UL−94VB)
UL94(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)の方法を用いて、1サンプル当たりそれぞれ5本ずつ測定を行った。なお試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚み0.8mm)は射出成形機(東芝機械(株)製:IS−80EPN)を用いて成形した。成形はシリンダー温度330℃、金型温度120℃で実施した。
難燃等級には、UL94垂直燃焼試験によって分類される難燃性のクラスを示した。ただし、全てのサンプルで試験は5本行い判定した。分類方法の概要は以下の通りである。その他詳細はUL94規格に準じる。
V−1:総燃焼時間250秒以下 1本あたりの最大燃焼時間30秒以下 有炎滴下な
し
V−2:総燃焼時間250秒以下 1本あたりの最大燃焼時間30秒以下 有炎滴下あ
り
規格外:上記3項目に該当しないもの及び、試験片を保持するクランプまで燃え上がっ
てしまったもの
総燃焼時間(秒)とは、各サンプル試験片5本に対し、各2回接炎した計10回接炎後、消炎に至るまでの時間の合計燃焼時間であり、最大燃焼時間(秒)は、消炎に至るまでの時間が最も長かった時間を表している。
得られたペレットを、耐圧2.0MPa、内容量100mlのSUS314製オートクレーブに20g入れ、サイズ縦×横×厚みが10mm×20mm×2.0mmで表面を#2000研磨した炭素鋼(材質:SS400)試験片を入れ、ペレットをさらに20g入れ、炭素鋼試験片を埋没させる。オートクレーブ内部を窒素置換した後、密閉し、330℃に設定した恒温槽に5時間、静置した。流水下にオートクレーブを取出し、室温まで冷却しオートクレーブを開放した。
溶融固化したペレット中から、炭素鋼試験片を取出し、HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)により炭素鋼試験片に付着した樹脂を溶解除去した。
炭素鋼試験片を風乾し、0.1mg単位まで秤量し、予め測定しておいた、腐食試験前の炭素鋼試験片重量で除算し、試験前後の重量減少率を質量ppmで求めた。
燃焼試験にて成形したのと同じ試験片を作成し、23℃、50%相対湿度で168時間吸湿させた後、最高温度265℃、260℃以上で10秒間加熱されるよう設定したリフロー炉を通し、リフロー環境下での試験片変化を観察した。
試験片表面に膨れ、溶融痕があるものは、表面実装技術(SMT)対応部品用途には適さないため、その有無を目視にて観察した。
上流側に1ヶ所と、下流側に2ヶ所の供給口(押出機シリンダーの全長を1.0とした時、0.4の位置に1ヶ所、0.8の位置に1ヶ所)を有する二軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]のシリンダー温度を上流側供給口(以下、上流供給口)よりL=0.4の位置の供給口(以下、中央供給口)までを320℃、中央供給口より下流側を300℃に設定した。
表1〜2記載の割合に従い、それぞれの原材料を供給し、溶融混練してペレットを得た。得られたペレットの水分率を調整するため、押出後、80℃に設定した除湿乾燥機中で乾燥した後、アルミニウムコートされた防湿袋に入れた。この時のペレットの水分率は概ね250〜500ppmであった。
なお、このときのスクリュー回転数は250回転/分とし、吐出量は15kg/hとした。また、中央供給口のあるシリンダーブロックの直前のブロックと、ダイ直前のシリンダーブロックにそれぞれ開口部を設け、真空吸引することにより残存揮発分及オリゴマーの除去を行った。この時の真空度(絶対圧力)は60Torrであった。
得られたペレットを用いて、上述の各種評価を実施した。結果は表1〜表2に組成とともに併記した。
実施例10と比較例9の比較により、同一種の無機充填材であっても、そのアスペクト比が異なる場合、本発明の範囲内のみ難燃性に優れる事が判る。
実施例2のTalcをCaCO3に替えた以外は同様にして、難燃性樹脂組成物を製造し、評価した結果、実施例2と同様、薄肉難燃性に優れ、著しく腐食性が抑制されていた。
Claims (18)
- (A)ポリアミド、(B)ポリフェニレンエーテル、(C)下式(I)で表されるホスフィン酸塩、下式(II)で表されるジホスフィン酸塩及びこれらの縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のホスフィン酸塩類、(D)無機充填材、及び(E)水酸化カルシウム、を含んでなる難燃性樹脂組成物であって、(D)無機充填材が、繊維状無機充填材と粒子状無機充填材の混合物であり、無機充填材の合計を100質量%とした時に粒子状無機充填材が1〜15質量%であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
[式中、R1及びR2は、同一か又は異なり、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C6−アルキル及び/又はアリールであり、R3は、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C10−アルキレン、C6〜C10−アリーレン、C6〜C10−アルキルアリーレン又はC6〜C10−アリールアルキレンであり、Mはカルシウム(イオン)、マグネシウム(イオン)、アルミニウム(イオン)、亜鉛(イオン)、ビスマス(イオン)、マンガン(イオン)、ナトリウム(イオン)、カリウム(イオン)及びプロトン化された窒素塩基から選ばれる1種以上であり、mは1〜3であり、nは1〜3であり、xは1又は2である。] - 粒子状無機充填材と繊維状無機充填材の量比が、両者の合計を100質量%とした時に粒子状無機充填材が3.0〜12.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
- (C)ホスフィン酸塩類100質量部に対し、(E)水酸化カルシウム、を0.05〜10質量部含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
- (D)成分の粒子状無機充填材が、アスペクト比1〜10である、ガラスビーズ、タルク、マイカ、ウォラストナイト、カオリン、炭酸カルシウムのうちから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- (D)成分の繊維状無機充填材が、アスペクト比が10を超える、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウムウィスカーのうちから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 粒子状無機充填材の平均粒子径が、繊維状無機充填材の平均繊維径の0.03〜3.5倍の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 粒子状無機充填材の平均粒子径が、繊維状無機充填材の平均繊維径の0.1〜2.0倍の範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- (D)無機充填材の配合量が、難燃性樹脂組成物全体中1〜60質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- (A)ポリアミドが、ポリマーを構成するモノマー成分として、芳香環含有モノマーを含み、芳香環含有モノマーの量がモノマー成分中20モル%以上である半芳香族ポリアミドを含んでなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- (A)ポリアミドが、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなる半芳香族ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- (A)ポリアミド及び(B)ポリフェニレンエーテルの量比が、両者の合計を100質量部としたときに(A)ポリアミドが40〜90質量部、(B)ポリフェニレンエーテルが60〜10質量部であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- (C)ホスフィン酸塩類の配合量が、(A)ポリアミドと(B)ポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対して、1〜80質量部であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- (F)成分として、クエン酸、マレイン酸、イタコン酸およびそれらの無水物から選ばれる1種以上の相溶化剤を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- (F)成分の相溶化剤を、(A)ポリアミドと(B)ポリフェニレンエーテルの合計100質量部に対して0.05〜5質量部の量で含むことを特徴とする請求項14に記載の難燃性樹脂組成物。
- (A)ポリアミド、(B)ポリフェニレンエーテル、(C)下式(I)で表されるホスフィン酸塩、下式(II)で表されるジホスフィン酸塩、及びこれらの縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のホスフィン酸塩類、(D)無機充填材、及び(E)水酸化カルシウム、を含んでなり、(D)無機充填材が、繊維状無機充填材と粒子状無機充填材の混合物であり、無機充填材の合計を100質量%とした時に粒子状無機充填材が1〜15質量%である難燃性樹脂組成物の製造方法であって、予め(A)ポリアミド、(B)ポリフェニレンエーテルを溶融混練し、その溶融樹脂成分へ(D)無機充填材のうち、繊維状無機充填材を加えて溶融混練した後、(C)ホスフィン酸塩類および(D)無機充填材のうち、粒子状無機充填材、(E)水酸化カルシウムを加え溶融混練することを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法。
[式中、R1及びR2は、同一か又は異なり、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C6−アルキル及び/又はアリールであり、R3は、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C10−アルキレン、C6〜C10−アリーレン、C6〜C10−アルキルアリーレン又はC6〜C10−アリールアルキレンであり、Mはカルシウム(イオン)、マグネシウム(イオン)、アルミニウム(イオン)、亜鉛(イオン)、ビスマス(イオン)、マンガン(イオン)、ナトリウム(イオン)、カリウム(イオン)及びプロトン化された窒素塩基から選ばれる1種以上であり、mは1〜3であり、nは1〜3であり、xは、1又は2である。] - 請求項1〜15のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物より得られるペレット。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物より得られる成形品。
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