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JP5360869B2 - 培養皮膚の製造方法、及び、弾性線維組織層を有する培養皮膚 - Google Patents

培養皮膚の製造方法、及び、弾性線維組織層を有する培養皮膚 Download PDF

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Description

本発明は、柔軟性に優れ、移植した場合に瘢痕組織となりにくい、表皮層と真皮層の間に弾性線維組織層を有する複合型の培養皮膚を短期間に製造する方法に関する。また、該培養皮膚の製造方法によって製造された弾性線維組織層を有する培養皮膚に関する。
臨床の場において、全層に達する創傷、火傷をより早く、きれいに治癒させるための手段として、患者から皮膚細胞を採取し、それを培養することによって得られる培養皮膚が有効であると考えられるようになってきた。かかる培養皮膚として例えば、ヒト線維芽細胞をコラーゲンゲル内で培養し、ゲルが収縮した時点でそのゲル上にヒト角化細胞を播種、培養したもの(特許文献1)やナイロンメッシュにヒト線維芽細胞を播種、培養してメッシュの空孔が線維芽細胞の分泌物により埋まった時点でその上にヒト角化細胞を播種、培養したもの(非特許文献1)、あるいは、ヒト線維芽細胞を加えたスポンジメッシュ上にゲルやフィルムを貼り付け、その上にヒト角化細胞を播種、培養したもの等がある(非特許文献2)。
また、特許文献2には、孔径の異なる2種類の生体親和性高分子からなるスポンジに線維芽細胞、角化細胞をそれぞれ播種して、角化細胞が空気中に露出した状態となるように培養することにより、ごく短時間で角化細胞が充分に重層化した表皮層が形成された培養皮膚の製造方法が記載されている。
ところで皮膚には弾性線維が存在しており、皮膚の柔軟性に深く関与しているとともに形態維持にも重要な役割を果たしている。上述のように種々の培養皮膚が研究開発されているものの、現在までに提案されている培養皮膚のほとんどは表皮層のみ、真皮層のみ、又は、表皮層と真皮層との二層構造からのみなるものであって、弾性線維組織を含むものは報告されていない。このような弾性線維組織を含まない培養皮膚を移植した場合、移植した組織は柔軟性に乏しく、かつ、移植後に組織が収縮することにより充分な体積を維持できないことがある。このような移植後の組織は組織学的には瘢痕組織であって、質的にも不充分なものであった。
米国特許第4485096号 特開平6−292568号公報 Slivka,S.R.,L.Landeen,Zimber,M.,G.K.Naughton and R.L.Bartel.J.Invest.Dermatol.96:544A,1991 日形会誌、10:165〜180,1990
本発明は、上記現状に鑑み、柔軟性に優れ、移植した場合に瘢痕組織となりにくい、表皮層と真皮層の間に弾性線維組織層を有する複合型の培養皮膚を短期間に製造する方法を提供することを目的とする。また、該培養皮膚の製造方法によって製造された弾性線維組織層を有する培養皮膚を提供することを目的とする。
本発明は、真皮細胞層と表皮細胞層の間に弾性線維組織層を有する培養皮膚を製造する方法であって、コラーゲンからなる平均孔径が50〜150μmである第1の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で線維芽細胞を播種して培養する工程1と、前記線維芽細胞が播種された第1の多孔性基材上にコラーゲンからなる平均孔径が1〜30μmである第2の多孔性基材を重ね、該第2の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で線維芽細胞を播種して培養する工程2と、前記線維芽細胞が播種された第2の多孔性基材上にコラーゲンからなる平均孔径が1〜30μmである第3の多孔性基材を重ね、該第3の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で角化細胞を播種して培養する工程3とを有する培養皮膚の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、線維芽細胞を播種したコラーゲンからなる平均孔径が50〜150μmである多孔性基材(以下、「大孔径多孔性基材」という)に、コラーゲンからなる平均孔径が1〜30μmである多孔性基材(以下、「小孔径多孔性基材」という)を乗せ、その小孔径多孔性基材の上に表皮角化細胞を播種することにより、短期間に真皮層、表皮層の二層構造を有する培養皮膚モデルを作製することに成功した。
更に、本発明者らは鋭意検討の結果、コラーゲンからなる小孔径多孔性基材に対して高密度に線維芽細胞を播種した後、一定期間培養することにより、線維芽細胞からDANCE(フィブリリン−5)、フィブリリン−1等の弾性線維成分が分泌され、更に培養を続けることにより三次元的な厚みを持った弾性線維組織が形成されることを見出した。本発明者らは、更に鋭意検討の結果、コラーゲンからなる大孔径多孔性基材と小孔径多孔性基材とを用い、これらの各々の多孔性基材と線維芽細胞、表皮角化細胞を組み合わせて、細胞を播き分けることにより、容易かつ短期間に真皮層と表皮層の間に弾性線維組織層を有する培養皮膚を製造することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明の培養皮膚の製造方法は、第1の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で線維芽細胞を播種して培養する工程1を有する。
上記第1の多孔性基材は、播種した線維芽細胞が孔の内部に侵入して増殖し真皮様の構造体を形成するための足場としての役割を有する。
上記第1の多孔性基材は、コラーゲンからなる。コラーゲンは、線維芽細胞の接着性に優れる素材である。
上記第1の多孔性基材は、平均孔径の下限が50μm、上限が150μmである。ヒト線維芽細胞の長径は平均して50〜70μm程度である。上記第1の多孔性基材の平均孔径が50μm未満であると、播種した線維芽細胞が孔内に侵入しにくく、基材の全体に線維芽細胞を均一に播種、増殖させることができない。上記第1の多孔性基材の平均孔径が150μmを超えると、線維芽細胞がまばらとなって真皮様の構造体が形成されず、また、得られる培養皮膚の強度が劣ることがある。上記第1の多孔性基材の平均孔径の好ましい下限は80μm、好ましい上限は95μmである。
上記第1の多孔性基材の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は1mm、好ましい上限は5mmである。上記第1の多孔性基材の厚さが1mm未満であると、得られる培養皮膚の強度が劣ることがあり、5mmを超えると、培養液の透過性に劣り、播種した細胞への栄養供給が不足することがある。
上記多孔性基材を調製する方法としては特に限定されず、例えば、コラーゲンの水溶液に脂溶性有機溶媒を添加し、ホモジナイズして発泡させた後、真空凍結乾燥して得る方法等が挙げられる。この方法によれば、均一な孔径を有する多孔性基材を得ることができる。また、この際のコラーゲン水溶液の濃度、ホモジナイズや凍結乾燥の条件、プレス等の有無により得られる多孔性基材の孔径を制御することができ、第1〜3の多孔性基材を調製することができる。
また、上記多孔性基材のコラゲナーゼによる分解速度を制御することにより、本発明に係る培養皮膚の構造を変化させることも可能である。
例えば、上記第1の多孔性基材を用いた真皮層の形成(工程1)については、第1の多孔性基材の分解を遅くすることにより充分な厚みを持たせることが可能になる。
また、後述する第2の多孔性基材を用いた弾性線維組織層の構築(工程2)においては、弾性線維層が形成されるまでの間は、播種した線維芽細胞が第1の多孔性基材に落ち込んでしまわないように第2の多孔性基材が必要である。しかし、いったん弾性線維組織層が構築された後には、速やかに分解することが好ましい。従って、弾性線維組織層の構築のためには、第2の多孔性基材の分解速度の制御が必要である。
コラゲナーゼによる多孔性基材の分解速度を制御する方法としては、例えば、架橋試薬を用いた化学架橋や熱脱水や紫外線を利用した物理的架橋等の方法が挙げられる。
上記工程1においては、上記第1の多孔性基材に線維芽細胞を播種して培養する。
線維芽細胞の播種密度の下限は、1×10個/cmである。線維芽細胞の播種密度の下限が1×10個/cm未満であると、細胞密度が低すぎて充分な真皮様組織が形成されない。線維芽細胞の播種密度の好ましい下限は、1×10個/cmである。線維芽細胞の播種密度の上限は特に限定されないが、好ましい上限は1×10個/cmである。線維芽細胞の播種密度が1×10個/cmを超えて播種しても、上記第1の多孔性基材に接着できない細胞が増えるばかりで、実質的な効果は少ない。
上記培養のための培地としては特に限定されず、例えば、MEM、DMEM等の一般的な培養液に、1〜10重量%程度のウシ胎児血清を添加したもの等が挙げられる。
本発明の培養皮膚の製造方法は、上記線維芽細胞が播種された第1の多孔性基材上にコラーゲンからなる平均孔径が1〜30μmである第2の多孔性基材を重ね、該第2の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で線維芽細胞を播種して培養する工程2を有する。
上記第2の多孔性基材は、播種した線維芽細胞を極めて高密度に三次元的に培養して、線維芽細胞がDANCE(フィブリリン−5)やフィブリリン−1等の弾性線維成分を分泌する環境を整える役割を有する。
上記第2の多孔性基材は、コラーゲンからなる。コラーゲンは線維芽細胞の接着性に優れることから、大量の線維芽細胞を接着して高密度に培養することができる。また、コラーゲンからなる第2の多孔性基材は、培養とともに徐々に分解され、その一部が線維芽細胞から分泌された弾性線維成分と置き換わることにより、弾性線維組織層が形成される。
上記第2の多孔性基材は、平均孔径の下限が1μm、上限が30μmである。
線維芽細胞からDANCE(フィブリリン−5)やフィブリリン−1等の弾性線維成分が分泌されるためには、線維芽細胞同士が充分に近接した高密度な状態で培養される必要があるものと考えられる。例えばシャーレ上の平板培養の場合では、このような高密度培養が可能となり、これにより弾性線維組織が形成されていたものと思われる。しかし、コラーゲンゲル中の培養や、上記第1の多孔性基材に線維芽細胞を播種して培養した場合、いかに培養を続けても線維芽細胞同士が充分に近接した状態にはならず、従って弾性線維組織が形成されないと考えられる。
これに対して、平均孔径が1〜30μmである第2の多孔性基材は、スポンジの性質とフィルムの性質を有するものである。このような第2の多孔性基材に線維芽細胞を播種すると、フィルム上(シャーレ上)に細胞を播種した場合と同様に、線維芽細胞同士が充分に近接した高密度な状態で培養することができ、弾性線維組織が形成される。一方、播種された線維芽細胞の一部は、線維芽細胞が産生するコラゲナーゼによって孔径が大きくなった多孔性基材の孔に侵入して三次元的に広がっていくこともできる。更に第2の多孔性基材は、培地成分の透過性に優れることから、高密度に大量に培養されている線維芽細胞に充分に栄養を供給することができる。培養を継続すると、三次元的な厚みを持った弾性線維組織層が形成されるものと考えられる。
上記第2の多孔性基材の平均孔径が1μm未満であると、播種した線維芽細胞が多孔性基材中に侵入することができず、三次元的厚みを持った弾性線維組織が得られない。上記第2の多孔性基材の平均孔径が30μmを超えると、播種した線維芽細胞の大部分が多孔性基材中に落ち込んでしまい、線維芽細胞の密度が不充分となって弾性線維成分が分泌されない。上記第2の多孔性基材の平均孔径の好ましい下限は5μm、好ましい上限は25μmである。
上記第2の多孔性基材の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は2mmである。上記第2の多孔性基材の厚さが0.1mm未満であると、充分な厚みをもった弾性線維層が形成されないことがあり、2mmを超えると、播種した線維芽細胞や表皮細胞への栄養供給に劣ることがある。
上記工程2においては、上記第2の多孔性基材に線維芽細胞を播種して培養する。
線維芽細胞の播種密度の下限は、1×10個/cmである。線維芽細胞の播種密度の下限が1×10個/cm未満であると、線維芽細胞の密度が不充分となって弾性線維成分が分泌されない。線維芽細胞の播種密度の好ましい下限は、1×10個/cmである。線維芽細胞の播種密度の上限は特に限定されないが、好ましい上限は1×10個/cmである。線維芽細胞の播種密度が1×10個/cmを超えて播種しても、上記第2の多孔性基材に接着できない細胞が増えるばかりで、実質的な効果は少ない。
上記培養のための培地としては特に限定されず、例えば、MEM、DMEM等の一般的な培養液に、1〜10重量%程度のウシ胎児血清を添加したもの等が挙げられる。
本発明の培養皮膚の製造方法は、上記線維芽細胞が播種された第2の多孔性基材上にコラーゲンからなる平均孔径が1〜30μmである第3の多孔性基材を重ね、該第3の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で角化細胞を播種して培養する工程3を有する。
上記工程3において第3の多孔性基材は、播種した角化細胞が真皮層に落ち込むのを防止するとともに、下方から水分や栄養成分を透過して角化細胞に供給する役割を有する。
上記第3の多孔性基材としては、第2の多孔性基材と同様のものを用いてもよいし、異なったものを用いてもよい。
上記工程3においては、上記第3の多孔性基材に角化細胞を播種して培養する。
角化細胞の播種密度の下限は、1×10個/cmである。角化細胞の播種密度が1×10個/cm未満であると、角化細胞の密度が不充分となって充分な表皮様組織が形成されない。角化細胞の播種密度の好ましい下限は、1×10個/cmである。角化細胞の播種密度の上限は特に限定されないが、好ましい上限は1×10個/cmである。線維芽細胞の播種密度が1×10個/cmを超えて播種しても、上記第3の多孔性基材に接着できない細胞が増えるばかりで、実質的な効果は少ない。
上記培養のための培地としては特に限定されないが、角化細胞用の培地を用いることが好ましい。上記角化細胞用の培地のうち市販されているものとしては、例えば、角化細胞培養専用培地K−SFM(インビロジェン社製)等が挙げられる。
なお、本発明の培養皮膚の製造方法では、上記工程1〜3において、線維芽細胞、角化細胞に加えて、これら以外の他の機能を有する細胞を播種、培養することもできる。
本発明の培養皮膚の製造方法は、上記工程1〜3の後、更に培養を続けることが好ましい(工程4)。工程4においては、線維芽細胞が播種された層を培養液下で、かつ、角化細胞が播種された層を空気中に露出させた状態で培養することが好ましい。
このように、線維芽細胞層を培養液下で、角化細胞層を空気中に露出させた状態で培養する方法としては、例えば、エアーリキッドインターフェース培養法(気液界面培養法)と称される方法等が例示できる。このような培養法を行うことにより、角化細胞をより実際のヒト皮膚に近い状態、即ち、表面が空気に触れて乾燥し、一方、湿潤な身体の内側から栄養が供給されるという状態を再現でき、しかも、正常な分化重層化を短期間のうちに実現できる。上記培養のための培地としては特に限定されず、例えば、MEM、DMEM等の一般的な培養液に、1〜10重量%程度のウシ胎児血清を添加したもの等が挙げられる。
本発明の培養皮膚の製造方法により、真皮層と表皮層の間に弾性線維組織層が形成された培養皮膚を得ることができる。
培養期間については、第1〜3の多孔性基材の孔径、細胞の播種密度、血清添加培地の種類等により異なるが、おおむね1〜3週間程度培養することにより弾性線維組織層が形成される。
本発明の培養皮膚の製造方法により製造された、弾性線維組織層を有する培養皮膚もまた、本発明の1つである。
本発明の弾性線維組織層を有する培養皮膚は、真皮細胞層と表皮細胞層の間に一定の厚さを備えた弾性線維組織層を有することを特徴とする。弾性線維組織層を有することにより、本発明の培養皮膚は、高い柔軟性を発揮することができ、移植した場合に瘢痕組織となりにくい。従来、様々な培養皮膚が報告されているが、一定の厚さを備えた弾性線維組織層を有するものは報告されていない。
上記弾性線維組織層の厚さの下限は1μmである。上記弾性線維組織層の厚さが1μm未満であると、移植しても柔軟性を付与するという弾性線維組織本来の性能を発揮することができない。上記弾性線維組織層の厚さの好ましい下限は5μm、より好ましい下限は10μmである。
上記弾性線維組織層は、少なくとも、エラスチン及びフィブリリンを含有する。これらの弾性線維成分を含有することによりはじめて、高い柔軟性を発揮することができる。
本発明によれば、柔軟性に優れ、移植した場合に瘢痕組織となりにくい、表皮層と真皮層の間に弾性線維組織層を有する複合型の培養皮膚を短期間に製造する方法を提供することができる。また、該培養皮膚の製造方法によって製造された弾性線維組織層を有する培養皮膚を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)大孔径多孔性基材の調整
3mg/mlに希釈したTypeIコラーゲン溶液50gにクロロホルム0.5gを添加し、ホモジナイザーを用いて6000rpmで1分間ホモジナイズしたものをステンレス製枠に流し込み、−40℃で凍結し、これを真空減圧下(0.01mmHg)、30℃で24時間凍結乾燥した。更に熱架橋、グルタルアルデヒド架橋をした後、再び凍結乾燥をして平均孔径90μm、厚さ3mmのコラーゲンスポンジを得た。
(2)小孔径多孔性基材の調製
0.3%水溶液(pH3)のTypeIコラーゲンを、15%エタノールで3倍希釈し、0.1%コラーゲン、10%エタノール水溶液とした。更にこの溶液を直径9cmのシャーレに15g流し込み、−135℃で凍結し、真空度が0.1、乾燥温度が40℃、乾燥時間が24時間の条件で凍結乾燥を行い、ポアサイズ30μm、厚さ3mmのコラーゲンスポンジを得た。その後、得られたコラーゲンスポンジを更に、この状態のまま真空下で105℃、24時間熱架橋を行い小孔径多孔性基材を得た。
得られた小孔径多孔性基材の平均孔径は15μm、厚さは40μmであった。
(3)細胞の播種と培養
得られた大孔径多孔性基材を第1の多孔性基材として、その上に、1×10個/cmの播種密度となるようにヒト包皮由来線維芽細胞を播種した。
次いで、その上に第2の多孔性基材として得られた小孔径多孔性基材を重ね、その上に1×10個/cmの播種密度となるようにヒト包皮由来線維芽細胞を播種した。その後、10重量%ウシ血清添加DMEM/F12培地中で一晩培養した。
一晩培養後、その上に第3の多孔性基材として得られた小孔径多孔性基材を重ね、その上に1×10個/cmの播種密度となるようにヒト包皮由来角化細胞を播種しK−SFM培地で一晩気液界面培養した。その後、培養液を5重量%ウシ血清添加DMEM/F12培地に交換し、気液界面培養を続けた。
(4)弾性線維組織の検出
気液界面培養開始約3週間後に培養組織をホルマリン固定し、パラフィンブロックを作製した。得られたパラフィン切片について、弾性線維組織の構成成分であるDANCE(フィブリリン−5)、フィブリリン−1について、抗体を用いた免疫染色を行った。
各々の免疫染色像を図1、2に示した。図1、2より、弾性線維組織が約50μmの厚さで形成されていることが確認された。
(比較例1)
(1)細胞の播種と培養
実施例1で得られた大孔径多孔性基材上に、1×10個/cmの播種密度となるようにヒト包皮由来線維芽細胞を播種した。一晩培養後、その上に実施例1で得られた小孔径多孔性基材を置き、更にその上に1×10個/cmの播種密度となるようにヒト包皮由来角化細胞を播種し、K−SFM培地で一晩気液界面培養した。その後、培養液を5重量%ウシ血清添加DMEM/F12培地に交換し、気液界面培養を続けた。
(2)弾性線維組織の検出
気液界面培養開始約3週間後に培養組織をホルマリン固定し、パラフィンブロックを作製した。得られたパラフィン切片について、弾性線維組織の構成成分であるDANCE(フィブリリン−5)、フィブリリン−1について、抗体を用いた免疫染色を行った。
各々の免疫染色像を図3、4に示した。図3、4より、本比較例においては、弾性線維組織は形成されていないことを確認した。
本発明によれば、柔軟性に優れ、移植した場合に瘢痕組織となりにくい、表皮層と真皮層の間に弾性線維組織層を有する複合型の培養皮膚を短期間に製造する方法を提供することができる。また、該培養皮膚の製造方法によって製造された弾性線維組織層を有する培養皮膚を提供することができる。
実施例1で作製した組織のDANCE(フィブリリン−5)抗体免疫染色像である。 実施例1で製造した培養皮膚のフィブリリン−1抗体免疫染色像である。 比較例1で製造した培養皮膚のDANCE(フィブリリン−5)抗体免疫染色像である。 比較例1で製造した培養皮膚のフィブリリン−1抗体免疫染色像である。

Claims (3)

  1. 真皮細胞層と表皮細胞層の間に弾性線維組織層を有する培養皮膚を製造する方法であって、
    コラーゲンからなる平均孔径が50〜150μmである第1の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で線維芽細胞を播種して培養する工程1と、
    前記線維芽細胞が播種された第1の多孔性基材上にコラーゲンからなる平均孔径が1〜30μmである第2の多孔性基材を重ね、該第2の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で線維芽細胞を播種して培養する工程2と、
    前記線維芽細胞が播種された第2の多孔性基材上にコラーゲンからなる平均孔径が1〜30μmである第3の多孔性基材を重ね、該第3の多孔性基材に1×10個/cm以上の密度で角化細胞を播種して培養する工程3とを有する
    ことを特徴とする培養皮膚の製造方法。
  2. 更に、線維芽細胞が播種された層を培養液下で、かつ、角化細胞が播種された層を空気中に露出させた状態で培養する工程4を有することを特徴とする請求項1記載の培養皮膚の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の培養皮膚の製造方法により製造された真皮細胞層と表皮細胞層の間に弾性線維組織層を有する培養皮膚であって、
    前記弾性線維組織層は、厚さが1μm以上であり、かつ、エラスチン及びフィブリリンを含有するものである
    ことを特徴とする弾性線維組織層を有する培養皮膚。
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