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JP5288101B2 - 内視鏡用注射具および内視鏡的切除術用の手術キット - Google Patents

内視鏡用注射具および内視鏡的切除術用の手術キット Download PDF

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Description

本発明は、内視鏡用注射具および内視鏡的切除術用の手術キットに関する。
従来から、胃の中に挿入シースを挿入する内視鏡を用いて早期胃癌の病変部を切除することが行われている。この早期胃癌切除術では、EMRに加えて、大きな病変部を切除するために高周波ナイフ(ITナイフ、フレックスナイフ、フックナイフ等)を用いて病変粘膜を剥離する、内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)が普及している。ESDでは、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔率が4%と高率であるため、安全に病変部を切除することが課題となっている。このため、早期胃癌等の病変部を切除する場合、粘膜下層と筋層との間に生理食塩水を注入して病変部を隆起させ、スネアや高周波ナイフを用いて粘膜下層の切開、剥離を行ってきた。
このような早期胃癌等の病変部の典型的な従来の切除方法を、図14〜図16を用いて説明する。なお、図14(a)〜図14(d)は従来の病変部を切除中の操作を示す斜視図であり、図15は図14(b)のA−A断面図、図16は図14(c)のB−B断面図である。
従来の方法では、まず、図14(a)に示したように内視鏡下において病変部51の周囲数カ所にマーキング52を施し、次いで、図14(b)および図15に示したように、このマーキング52点を目標にして粘膜層53と筋層54との間に生理食塩水55を適宜量注入して病変部51を隆起させる。その後、図14(c)および図16に示したように、ITナイフ56を用いて病変部51の周囲を切開し、必要に応じて図示しない他の高周波ナイフ、フックナイフ等により病変部51と筋層54とを剥離する。そして、図14(d)に示したように、切除された病変部51を回収用ネットや三脚、五脚を用いて捕獲し、内視鏡を引き抜いて病変部51を回収する。この場合、図示しない内視鏡の一つの処置具誘導チャンネルから生理食塩水注入具、ITナイフ、スネア等の内視鏡処置具を相互に交換して挿入することにより処置が行われる。
しかしながら、上述のような生理食塩水を局所注入して病変部を隆起させた場合、注入された生理食塩水は時間の経過とともに粘膜下層に拡散するので、人工的に形成した粘膜隆起は徐々に平坦になって行く。病変部の切開、剥離には十分な病変部の隆起が必要であり、この病変部の隆起が十分でないと筋層の穿孔の可能性が高くなる。従って、病変部を切除する場合、局所注入した生理食塩水が拡散して粘膜隆起が平坦になった場合、再度生理食塩水を局所注入したり、保水能力の高いヒアルロン酸を局所注入して病変部を隆起させたりすることが行われているが、他の手段を併用して隣接する筋層ないしは正常組織との間の間隔を広げることも知られている。
たとえば、下記特許文献1には、病変部を剥離しやすい状態とするために、磁気アンカーとクリップとを組み合わせて病変部を持ち上げる磁気アンカー誘導装置の発明が開示されている。そこで、以下においてこの下記特許文献1に開示されている磁気アンカー誘導装置を図17を用いて説明する。なお図17は胃内における磁気アンカー誘導装置の使用状況を示す図である。
この磁気アンカー誘導装置60は、病変部61に取り付けられたクリップ62と、このクリップ62に対して連結部63を介して取り付けられた磁気アンカー64と、外部から磁気アンカー64に駆動力を与える磁気誘導体65とを備えている。この磁気アンカー誘導装置60は次のような操作により病変部61を持ち上げる。まず、従来の方法と同様にして、内視鏡66を用いて病変部61の下部に生理食塩水67を注入することにより病変部61を隆起させる。次いで、把持鉗子68によってクリップ62を病変部61に取り付ける。次いで、内視鏡66を引き抜き、把持鉗子68に磁気アンカー64を取付け、再度内視鏡66を挿入し、外部の磁気誘導体65を操作することにより磁気アンカー64を患部の所定位置に固定する。
その後、内視鏡66を引き抜き、把持鉗子68に連結部63を取付け、再度内視鏡66を挿入し、患部内で連結部63の一端をクリップ62に取り付けるとともに連結部63の他端を磁気アンカー64に取り付ける。この状態で外部から磁気誘導体65を操作してクリップ62を引っ張ることにより病変部61を持ち上げることができ、この状態でITナイフ等により病変部を安全に切除することが可能となるというものである。
しかしながら、上記特許文献1に開示されている磁気アンカー誘導装置60は、クリップ62の病変部61への取付け、クリップ62と磁気アンカー64との取付け、外部の磁気誘導体65の操作により磁気アンカー64を患部の所定位置への固定及び外部の磁気誘導体65の操作による病変部の持ち上げといった多段階の操作が必要であり、また磁気アンカー64のサイズが大きいために病変部61の持ち上げまでに複数回の内視鏡66の抜き差しが必要であり、しかも、外部の磁気誘導体65の操作には磁気アンカー誘導装置60を操作する人が操作することができないために、別の人が操作する必要があり、操作が煩雑で手間がかかるという問題点が存在しており、現在は一般的には普及していない。
一方、下記特許文献2には、図18に示したように、1本の内視鏡用チャンネル71と2本の処置具誘導挿入具チャンネル72を有する誘導シース73を使用し、2本の処置具誘導挿入具チャンネル72からそれぞれ挿入された2本の鉗子74、75により病変部を持ち上げ、1本の内視鏡用チャンネル71から挿入された内視鏡76内を通された電気メス77により病変部を切除する内視鏡治療装置70が開示されている。
しかし、上記特許文献2に開示されている内視鏡治療装置70は、2本の処置具誘導挿入具チャンネル72からそれぞれ挿入された2本の鉗子74、75により病変部を持ち上げるようにしているが、このような構成では処置具誘導挿入具チャンネルの数が増えた分だけ誘導シース73の外径が大きくなるため、患者の苦痛が大きくなるという問題点が存在している。
さらに、特許文献1に開示されている磁気アンカー誘導装置60や特許文献2に開示されている内視鏡治療装置70では、病変粘膜周辺に病変部が残存する場合がある問題点も存在している。
そこで、本願発明者のうちの1名は、上述のような従来例の問題点を解決し得る内視鏡処置具を得るべくかねてから研究開発を行っており、既に特許文献3として公開されている技術を開発済みである。この特許文献3には、3本のクリップおよび糸を手元で引っ張り挙げることにより、がん粘膜を自在に操作、挙上することのできる技術が開示されている。また、この特許文献3には、体腔内への内視鏡の挿入が一度ですみ、しかも病変部の全体を確実に持ち上げることができ、病変部を残存させることなく容易に切除することが可能な内視鏡処置具が得られる旨記載されている。
特開2004−105247号公報 特開2000−325303号公報 特開2007−143869号公報
上述のように、本発明者のうちの1名が開発した特許文献3に記載されている内視鏡処置具を用いることにより、確かに、体腔内への内視鏡の挿入が一度ですみ、しかも病変部の全体を確実に持ち上げることができ、病変部を残存させることなく容易に切除することはできるようにはなった。すなわち、特許文献3に記載の技術は、安全思想の一種であるフールプルーフ(Fool Proof)の考え方が具現化したものであるため、術者の視野および作業領域を広げて、そもそも誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯す可能性を低減することが可能になった。
しかし、それでもやはりESDは手技的に難しいため、ESDの熟練度合いの高くない未熟な術者の場合には、特許文献3に記載されている内視鏡処置具を用いたとしても、高周波ナイフを胃壁等に深く切り込みすぎるミスを完全に回避することは困難であり、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔を起こしてしまうという問題を完全に克服できたわけではない。
そのような実情に鑑み、本願発明者のうちの1名は、いわば安全思想の一種であるフェイルセーフ(Fail Safe)の考え方に基づいて、ESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が実際にミスを犯しても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔を起こす可能性を低減することができる技術の開発が必要であることに気付き、本願発明の研究開発をスタートさせた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯したとしても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減できる安全な技術を提供することを目的とする。
本発明によれば、内視鏡用注射具であって、可撓性チューブによって形成された外套管と、外套管の先端部から一部突出可能に設けられている注出部と、外套管内に設けられ、前記注出部に連通している送液チューブと、送液チューブの後端部に設けられている注射器本体との接続口と、送液チューブの管軸方向に沿って配置されている電熱材と、電熱材の後端部に設けられている電気コネクタと、を備える、内視鏡用注射具が提供される。
この内視鏡用注射具によれば、送液チューブの管軸方向に沿って電熱材が配置されているため、送液チューブを加温することができる。そのため、一般的に常温では流動性が低くスムーズに送液チューブ内を送液することが困難である生体適合性を有する絶縁材料を、スムーズに送液チューブ内で送液することが可能である。よって、この内視鏡用注射具を内視鏡と併用することにより、生体適合性を有する絶縁材料をスムーズに消化器官内に送液することが可能になる。
そのため、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、この内視鏡用注射具を内視鏡と併用して、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料を注入しておくことによって、いわば穿孔を防ぐ保護シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。したがって、この内視鏡用注射具を内視鏡と併用することにより、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯したとしても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。
また、本発明によれば、内視鏡的切除術用の手術キットであって、上記の内視鏡用注射具と、生体適合性を有する絶縁材料と、を備える、手術キットが提供される。
この手術キットによれば、上記の内視鏡用注射具と、生体適合性を有する絶縁材料と、がセットになって提供されるため、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、この内視鏡用注射具を内視鏡と併用して、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料を注入しておくことによって、いわば穿孔を防ぐ保護シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。したがって、この内視鏡用注射具を内視鏡と併用することにより、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯したとしても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。
また、この手術キットによれば、上記の内視鏡用注射具と、生体適合性を有する絶縁材料と、を出荷する際に、事前に細部の条件を調整しておくことが可能となるため、ユーザサイドで細部の条件を摺り合わせる必要性を省略することができ、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料を注入することが容易になる。さらに、この手術キットによれば、ユーザサイドで細部の条件を摺り合わせる必要性を省略することができるため、ESDを行う際の人件費等を節約でき、医療費抑制にも貢献できる。
本発明によれば、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料を注入しておくことによって、いわば穿孔を防ぐ保護シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。したがって、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯したとしても、胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<実施形態1:内視鏡用注射具>
本実施形態に係る内視鏡用注射具は、内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection:EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)等に使用する内視鏡処置具の一種であり、特に早期胃癌等の病変部を切除する際に病変部を隆起させて病変部の下層を剥離しやすくした上で、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料を注入しておくことによって、いわば穿孔を防ぐ保護シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成するための内視鏡用注射具である。
図1は、本実施形態の内視鏡用注射具の全体構成を説明するための構成図である。この内視鏡用注射具100は、基本的には、市販の一般的な内視鏡用注射具と同様の構成を備えている。すなわち、内視鏡用注射具100は、可撓性チューブによって形成された長さ1650mmの外套管105を備える。また、内視鏡用注射具100は、外套管105の先端部から一部突出可能に設けられている注出部101を備える。さらに、内視鏡用注射具100は、外套管105内に設けられ、注出部101に連通している送液チューブ(不図示)を備える。そして、内視鏡用注射具100は、送液チューブ(不図示)の後端部に設けられている注射器本体との接続口108を備える。
上記のとおり、内視鏡用注射具100は、市販の一般的な内視鏡用注射具と同様の構成を備えており、接続口108には、使用時にシリンジを取り付けて、血管あるいは粘膜下などに各種薬剤を注入できるようになっている。また、接続口108から使用時に使用する各種薬剤は、送液チューブ(不図示)を通って、先端部にある注出部101まで送られるようになっている。そして、注出部101から薬剤が血管あるいは粘膜などに向かって注出されるということになる。
さらに、内視鏡用注射具100は、図示するように、スライダ109を備えている。スライダ109を前後に動かすと、外套管105の先端部で注出部101が突き出されたり、収納されたりする。そして、内視鏡用注射具100は、グリップ102も備えており、グリップ部102先端の色は、適用可能な内視鏡の最小チャンネル径を示しており、内視鏡本体(不図示)への適用が容易となるように工夫されている。また、図示はしていないが、内視鏡用注射具100には、製品記号が表示されており、注出部101の径と、抽出部101の外套管105からの突出長(例23G×4mm)が表示されており、術者にとっての使い勝手をよくしている。
また、内視鏡用注射具100の注出部101は、通常の注射針が用いられている。ここでは、23Gの注射針が用いられており、先端部は尖っている。このように先端部が尖っている注射針を用いることによって、粘膜下層と筋層との間隙が狭い場合にも、うまく生体適合性を有する絶縁材料を注入することができ、いわば穿孔を防ぐ保護シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能になる。
さらに、内視鏡用注射具100の注出部101は、外套管105の先端部から出入自在に設けられており、送液チューブ121は、外套管105内に進退自在に設けられている。このような構成を採用しているので、送液チューブ121の後端部と接続しているグリップを術者が自身の手で前後することによって、送液チューブ121自体も自在に前後に進退する。そして、その結果、注出部101が外套管105の先端部から自在に出入することになる。そのため、注出部101として、通常の注射針を用いる場合にも、内視鏡用注射具100を消化器官内に挿入する際には、注射針の先端を外套管105の内部に引っ込めて消化器官内を傷つけないように保護することができる。そして、内視鏡用注射具100を消化器官内に挿入して位置決めが完了した際には、注射針の先端を外套管105の外部に突出させて、粘膜下層と筋層との間隙にうまく生体適合性を有する絶縁材料を注入することができ、いわば穿孔を防ぐ保護シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能になる。
しかし、本実施形態に係る内視鏡用注射具100は、以下のような市販の一般的な内視鏡用注射具とは異なる構成も備えている。例えば、内視鏡用注射具100は、送液チューブ(不図示)の管軸方向に沿って配置されている電熱線110(電熱材)を備えており、送液チューブ(不図示)を加温することができる。また、内視鏡用注射具100は、電熱線110(電熱材)の後端部に設けられている電気コネクタ(不図示)を備えており、この電気コネクタ(不図示)およびリード線111を介して、電熱線110(電熱材)および加熱用電源112が電気的に接続されている。
図2は、本実施形態に係る内視鏡用注射具100の先端部の内部構造を拡大して示した概念図である。このように、内視鏡用注射具100の最大外径2.5mmの送液チューブ121を加温するために設けられている電熱線110(電熱材)は、図示するように、1組以上の互いに導通している往路および復路からなる電熱線110である。
電熱線110の往路は、図示するように、外套管105および送液チューブ121の間隙に設けられており、送液チューブ121の外側に螺旋状に巻き付けられている。一方、電熱線110の復路は、送液チューブ121の内部に直線状に設けられている。そして、電熱線110の往路および復路は互いに導通されなければならないため、送液チューブ121の先端部近傍の側面には、直径約0.3mmの穴166が空けられ、その穴166の内部を導線が通ることによって、電熱線110の往路および復路は互いに導通されている。なお、この穴166を介して送液チューブ中の内容物が漏れ出さないように、この穴166の電熱線110を通した後の隙間には、目張りが施されている。
また、この電熱線110は、電気抵抗率1.0×10−7Ω・m以上1.6×10−6Ω・m以下かつ断面積7.85×10−3mm以上1.25×10−1mm以下の電熱線である。このように、電気抵抗率1.0×10−7Ω・m以上1.6×10−6Ω・m以下かつ断面積7.85×10−3mm以上1.25×10−1mm以下の電熱線110を用いることによって、後述する螺旋形状についての他の条件とも相俟って、通常の電圧10V以上500V以下の範囲の加熱用電源112を用いた場合にも送液チューブ121の温度を40℃以上95℃以下の範囲に調整することができる。
さらに、この電熱線110は、螺旋状の領域において螺旋直径1.0mm以上5.0mm以下かつ螺旋間隔5mm以上20mm以下となるように設けられている。このように、螺旋状の領域において螺旋直径1.0mm以上5.0mm以下かつ螺旋間隔5mm以上20mm以下となるように設けられている電熱線110を用いることによって、上述の電熱線の材料および形状についての他の条件とも相俟って、通常の電圧10V以上500V以下の範囲の電源を用いた場合にも送液チューブの温度を40℃以上95℃以下の範囲に調整することができる。
そして、このような電熱線110であれば、送液チューブの温度を40℃以上95℃以下の範囲に調整可能であるため、一般的に常温では流動性が低くスムーズに送液チューブ121内を送液することが困難である生体適合性を有する絶縁材料を、スムーズに送液チューブ121内で送液することが可能である。よって、この内視鏡用注射具を内視鏡(不図示)と併用することにより、生体適合性を有する絶縁材料をスムーズに消化器官内に送液することが可能になる。
このような生体適合性を有する絶縁材料としては、特に限定するものではないが、例えば、動物由来の天然油脂、植物由来の天然油脂、寒天、シリコン、ポリメチルメタアクリレート、ゴム、シアノアクリレート、キトサンからなる群から選ばれる1種以上の材料を好適に用いることができる。これらの材料についても、その多くは、送液チューブの温度を40℃以上95℃以下の範囲に調整すれば、十分な流動性が得られ、スムーズに送液チューブ121内で送液することが可能である。
また、仮に送液チューブ121の温度を40℃以上95℃以下の範囲に調整しても流動性が低くスムーズに送液チューブ121内を送液することが困難である場合であっても、上記のような構成の電熱線110であれば、周知の一般的な変圧装置を用いて、さらに電圧を50V、100Vまたは500Vを超える適切な電圧に増幅してやることによって、送液チューブ121の温度を95℃を超える適切な温度に加熱することができる。その結果、送液チューブ121の内容物の温度がその内容物のガラス転移点以上となるように調整できるので、やはり十分な流動性が得られ、スムーズに送液チューブ121内で送液することが可能である。
あるいは、別の観点から上記現象を説明すれば、仮に送液チューブ121の温度を40℃以上95℃以下の範囲に調整しても流動性が低くスムーズに送液チューブ121内を送液することが困難である場合であっても、上記のような構成の電熱線110であれば、周知の一般的な変圧装置を用いて、さらに電圧を50V、100Vまたは500Vを超える適切な電圧に増幅してやることによって、送液チューブ121の温度を95℃を超える適切な温度に加熱することができる。その結果、送液チューブ121の内容物の粘度が所定の粘度以下(例えば、粘度1×10−1Pa・s以下、1×10−2Pa・s以下、または1×10−3Pa・s以下であることが好ましい)となるように調整できるので、やはり十分な流動性が得られ、スムーズに送液チューブ121内で送液することが可能である。
さらに、別の観点から上記現象を説明すれば、仮に送液チューブ121の温度を40℃以上95℃以下の範囲に調整しても流動性が低くスムーズに送液チューブ121内を送液することが困難である場合であっても、上記のような構成の電熱線110であれば、周知の一般的な変圧装置を用いて、さらに電圧を50V、100Vまたは500Vを超える適切な電圧に増幅してやることによって、送液チューブ121の温度を95℃を超える適切な温度に加熱することができる。その結果、送液チューブ121の内容物のメルトフローレートが所定の閾値以上(例えば、メルトフローレート1g/10min以上、10g/10min以上、または100g/10min以上であることが好ましい)となるように調整できるので、やはり十分な流動性が得られ、スムーズに送液チューブ121内で送液することが可能である。
ここで、メルトフローレート(Melt Flow Rate:MFR)とは、ヒーターで加熱された円筒容器内で一定量の樹脂等を、定められた温度で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂等の量を測定することによって算出される。値は単位:g/10minで表示される。試験機械はJIS K6760で定められた押出し形プラストメータを用い、測定方法はJIS K7210で規定されている。同様な測定機器としては、高化式フローテスター、ロッシーピークス流れ試験機などがあり、測定方法に若干の違いはあるが原理的には同じく樹脂等の吐出量で流動性を計測する。
以下、本実施形態の内視鏡用注射具100の作用効果について説明する。
この内視鏡用注射具100によれば、送液チューブ121の管軸方向に沿って電熱線110が配置されているため、送液チューブ121を加温することができる。そのため、一般的に常温では流動性が低くスムーズに送液チューブ121内を送液することが困難である生体適合性を有する絶縁材料を、スムーズに送液チューブ121内で送液することが可能である。よって、この内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用することにより、生体適合性を有する絶縁材料をスムーズに消化器官内に送液することが可能になる。
そのため、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、この内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用して、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料を注入しておくことによって、いわば穿孔を防ぐ保護シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。したがって、この内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用することにより、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯したとしても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。
<実施形態2:センサを用いた変形例>
本実施形態に係る内視鏡用注射具100は、基本的には、上記の実施形態1に係る内視鏡用注射具100と同様の構成であるが、送液チューブ121の温度を測定するための温度センサ(不図示)をさらに備える点で相違する。このような温度センサ(不図示)は、例えば、図2で示した内視鏡用注射具100の先端部の外套部105および送液チューブ121の間隙中に設けることができる。このような位置に設けることによって、送液チューブ121の温度を好適に測定することが可能となる。
なお、上記の温度センサ(不図示)は、1つだけであってもよいが、2つ以上設けてもよい。その場合には、図2で示した内視鏡用注射具100の先端部の外套部105および送液チューブ121の間隙中だけでなく、内視鏡用注射具100の中間部の外套部105および送液チューブ121の間隙中にも設けることが好ましい。さらに、可能であれば、内視鏡用注射具100の後端部の外套部105および送液チューブ121の間隙中にも設けることが好ましい。また、何らかの容器に入れた生体適合性を有する絶縁材料を送液チューブ121の後端部の接続口から注入する場合には、その容器(不図示)の温度も測定できるように、さらにもう1つの温度センサ(不図示)を設けてもよい。
いずれの場合においても、1つまたは2つ以上の温度センサ(不図示)から得られる送液チューブ121または容器の温度の測定データに基づいて、送液チューブ121または容器(不図示)の温度が所定の温度範囲(例えば40℃以上95℃以下)になるように、加熱用電源112からリード線111を介して電気コネクタ(不図示)から電熱線110に入力される電流または電圧の値をフィードバック制御する、フィードバック制御部(不図示)をさらに備えることが好ましい。
このような構成を採用すれば、送液チューブ121または容器(不図示)の温度が所定の温度範囲(例えば40℃以上95℃以下)になるように制御することができるので、一般的に常温では流動性が低くスムーズに送液チューブ121内を送液することが困難である生体適合性を有する絶縁材料を、より一層安定してスムーズに送液チューブ121内で送液することが可能である。よって、この内視鏡用注射具を内視鏡(不図示)と併用することにより、生体適合性を有する絶縁材料をスムーズに消化器官内に安定して送液することが可能になる。
なお、上記の温度センサ(不図示)としては、特に限定するものではないが、例えば、白金測温抵抗体を用いることができる。また、この他に、サーミスタ、電熱対、IC化温度センサなどを用いることができる。ここで、白金測温抵抗体は、金属の電気抵抗が温度変化に対して変化する性質を利用したものであるが、言うまでもなく、白金以外にも金、銅、鉄などの金属を用いることができる。
<実施形態3:ダブルルーメンを用いた変形例>
本実施形態に係る内視鏡用注射具100は、基本的には、上記の実施形態1および実施形態2に係る内視鏡用注射具100と同様の構成であるが、送液チューブ121が、互いに隔離されている2以上のルーメンを有し、注出部101は、2以上のルーメン(不図示)にそれぞれ連通する2以上の注出口(不図示)を有する点で相違する。このように2以上のルーメン(不図示)を有することによって、生体適合性を有する材料として、所定の波長のレーザ光線を吸収する色素の含有量が互いに異なる、2種類の材料(例えば白色絶縁材料および緑色通電材料)を2層化して粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する材料を注入することが可能になる。
このとき、注出部101の2以上の注出口(不図示)は、互いに並行してなる2以上の扁平状の注出口(不図示)であることが好ましい。なぜなら、このような注出部101を用いることにより、2種類の色と通電性の異なる材料を2層化して粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する材料を注入することが容易になるためである。また、2以上のルーメン(不図示)または2以上の抽出口(不図示)には、互いを肉眼で識別可能な色彩、記号、図形、または形状が施されていることが好ましい。
このようにすれば、内視鏡を併用して送液チューブ121の2以上のルーメン(不図示)注出部101の2以上の注出口(不図示)を視認しながら、上方および下方に位置すべき2以上のルーメン(不図示)または2以上の抽出口(不図示)の位置が逆転しないようにうまく位置決めすることが容易になる。例えば、緑色の材料が注出されるべき上方のルーメン(不図示)または抽出口(不図示)に緑色の色彩を施しておき、白色の材料が注出されるべき下方のルーメン(不図示)または抽出口(不図示)に白色の色彩を施しておけば、直感的な操作によって適切な位置決めが可能になるため好ましい。
ここで、2層化する場合には、下方の層の絶縁材料は、所定の波長のレーザ光線を吸収する色素の含有量が少ない白色に近い材料であることが好ましい。一方、上方の層の通電材料は、所定の波長のレーザ光線を吸収する色素の含有量が多い(例えば緑色などに)着色された材料であることが好ましい。このようにすれば、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、この内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用して、下方の層として胃の穿孔を防ぐための白色注入物質と、上方の層として切除のために注入する着色注入物質の2種類を粘膜下局所注入することができ、いわば穿孔を防ぐ保護シートおよびその上に設けられているレーザ吸収シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。
そのため、所定の波長(例えば緑色の波長)のレーザ光源と、そのレーザ光源に接続可能な内視鏡用レーザプローブと、をあわせて内視鏡にセットして用いることによって、下方の白色シートは、レーザエネルギを吸収しないが、上方のジアグノグリーン層は、レーザエネルギで励起されることになる。すなわち2物質局所注入による癌切除片回収可能なレーザ治療を行うことが可能になり、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤ってレーザを強く胃壁等に照射しすぎるミスを犯したとしても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。
<実施形態4:内視鏡的切除術用の手術キット>
本実施形態の内視鏡的切除術用の手術キットは、上記のいずれかの内視鏡用注射具100と、生体適合性を有する材料と、を備える、手術キットである。ここで、生体適合性を有する材料としては、特に限定するわけではないが、例えば、動物由来の天然油脂、植物由来の天然油脂、寒天、シリコン、ポリメチルメタアクリレート、ゴム、シアノアクリレート、キトサンからなる群から選ばれる1種以上の材料が挙げられる。
このような手術キットによれば、上記の内視鏡用注射具100と、生体適合性を有する材料と、がセットになって提供されるため、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、この内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用して、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する材料を注入しておくことによって、いわば穿孔を防ぐ保護シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。したがって、この内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用することにより、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯したとしても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。
また、このような手術キットによれば、上記の内視鏡用注射具100と、生体適合性を有する材料と、を出荷する際に、事前に細部の条件を調整しておくことが可能となるため、ユーザサイドで生体適合性を有する材料の流動性が十分に高まる温度とその温度に送液チューブ121の温度を調整するための条件を摺り合わせる必要性を省略することができ、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する材料を注入することが容易になる。さらに、この手術キットによれば、ユーザサイドで生体適合性を有する材料の流動性が十分に高まる温度とその温度に送液チューブ121の温度を調整するための条件を摺り合わせる必要性を省略することができるため、ESDを行う際の人件費等を節約でき、医療費抑制にも貢献できる。
ここで、上記の内視鏡用注射具100が実施形態3で説明したダブルルーメン構造を有する場合には、上記の生体適合性を有する材料は、所定の波長(例えば緑色の波長)のレーザ光線を吸収する色素の含有量および導電性が互いに異なる、1種類の絶縁材料と1種類の通電材料、または2種類の絶縁材料を含むことが好ましい。また、このとき、この手術キットには、所定の波長(例えば緑色の波長)のレーザ光源と、そのレーザ光源に接続可能な内視鏡用レーザプローブ172と、がさらに備えられていることがより一層好ましい。
なお、レーザ光源としては、特に限定するものではないが、例えば、内視鏡に好適に応用可能なレーザ光源として、(1)ホルミウムヤグレーザー:長所として水の中でも発振することができる、(2)KTPレーザ:緑色に吸収されやすい、(3)ネオジウムヤグレーザー:プローベ先端に尖った鉱石(石英,サファイア)が付いており,粘膜への刺入に有利、(4)半導体レーザ:現在すでに非常に広く利用されているレーザ、などが好適に用いられる。
このように1種類の絶縁材料と1種類の通電材料、または2種類の絶縁材料を含むことによって、2種類の材料(例えば白色絶縁材料および緑色通電材料)を2層化して粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する材料を注入することが可能になる。そして、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、このダブルルーメン構造を有する内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用して、下方の層として胃の穿孔を防ぐための白色注入物質(白色絶縁材料164)と、上方の層として切除のために注入する着色注入物質(緑色導電材料168)の2種類を粘膜下局所注入することができ、いわば穿孔を防ぐ保護シート(白色絶縁材料164)およびその上に設けられているレーザ吸収シート(緑色導電材料168)をあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。
その結果、同様に手術キットに備えられている、あらかじめ2種類の材料(例えば白色絶縁材料164および緑色導電材料168)に対する波長(例えば緑色の波長)の摺り合わせが完了しているレーザ光源と、そのレーザ光源に接続可能な内視鏡用レーザプローブ172と、をあわせて内視鏡にセットして用いることによって、ユーザサイドで細部の条件を摺り合わせる必要性を省略した上で、下方の白色シート(白色絶縁材料164)は、緑色レーザ170のレーザエネルギを吸収しないが、上方のジアグノグリーン層(緑色導電材料168)は、緑色レーザ170のレーザエネルギで励起されるという状態を実現できる。すなわち2物質局所注入による癌切除片回収可能なレーザ治療を行うことが可能になり、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤ってレーザを強く胃壁等に照射しすぎるミスを犯したとしても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。さらに、この手術キットによれば、ユーザサイドで2種類の生体適合性材料(例えば白色絶縁材料164および緑色導電材料168)に対する波長(例えば緑色の波長)の摺り合わせの必要性を省略することができるため、ESDを行う際の人件費等を節約でき、医療費抑制にも貢献できる。
<実施形態5:内視鏡的切除術用の手術キットの変形例>
本実施形態に係る内視鏡的切除術用の手術キットは、基本的には、上記の実施形態4に係る内視鏡的切除術用の手術キットと同様の構成であるが、さらに3本のクリップおよび糸を手元で引っ張り挙げることにより、がん粘膜を自在に操作、挙上することのできる内視鏡処置具を備える点で相違する。
このように、3本のクリップおよび糸を手元で引っ張り挙げることにより、がん粘膜を自在に操作、挙上することのできる内視鏡処置具を備えることにより、体腔内への内視鏡の挿入が一度ですみ、しかも病変部の全体を確実に持ち上げることができ、病変部を残存させることなく容易に切除することができる。すなわち、この内視鏡処置具は、安全思想の一種であるフールプルーフ(Fool Proof)の考え方が具現化したものであるため、術者の視野および作業領域を広げて、そもそも誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯す可能性を低減することが可能になる。
実施形態5で用いる内視鏡処置具10を、図3〜図5を用いて説明する。なお、図3は実施形態5で用いる内視鏡処置具10の分解斜視図であり、図4は実施形態5で用いる内視鏡処置具10の組立後の斜視図であり、また、図5は図4の内視鏡処置具を使用するための取付具の一部拡大斜視図である。
この実施形態5で用いる内視鏡処置具10は、把持具11と、この把持具11の一対の爪部12,13の結合部分である基部14に接続された極細の糸15とを備える。この把持具11は、病変部の把持を行うためのものであり、例えばオリンパス光学株式会社よりクリップ(商品名:HX−600−090)として市販されているものの表面をプラズマCVD法により窒化硅素からなる絶縁被膜を形成したものを用いた。なお、この絶縁皮膜としては窒化硅素だけでなく酸化硅素からなるものも使用でき、また、プラズマCVD法による窒化硅素又は酸化硅素からなる絶縁被膜の形成方法は、例えば液晶表示パネルや半導体素子の製造分野で普通に採用されており、周知のものであるのでその詳細な説明は省略する。
この把持具11のうち留置部11'は、基部14で互いに結合された一対の爪部12、13と、これらの爪部12、13と基部14との間の周囲に移動可能に設けられた押えリング16とから構成されている。爪部12、13は、先端部分が互いに相手の爪部に向かって屈曲されており、これらの屈曲された先端部分12a、13aは押えリング16の操作により開閉自在となっている。すなわち、爪部12、13は、長さ方向の中間部分が交差し、交差部分よりも後端側が相互に離れる方向に湾曲されて作用部12b、13bとなっており、この作用部12b、13bの更に後端側は互いに結合されて基部14となり、この基部14は、極細の糸15が結びつけられているとともに、押えリング16内に挿入されている。
この押えリング16及び爪部12、13は、互いに移動可能に組み付けられており、押えリング16が相対的に爪部12、13の先端部分に向かって移動すると、押えリング16が作用部12b、13bを覆った際には爪部12、13の先端部分12a、13aが開かれ、更に押えリングが爪部12、13の先端部分12a、13aまで覆うと逆に爪部12、13が外側から押え付けられる。これにより爪部12、13の先端部分12a、13aが閉じた状態を維持することができる。そして、この状態では基部14が押えリング16の端部から露出する。
一方、爪部12、13の基部14は、押えリング6内を通されている連結板17の一方側の端部に設けられた切り欠き孔18に取り外し可能に嵌合されて把持具11が構成される。この連結板17は押えリング16よりも長さが長く、基部14が押えリング16内の端部に位置するとき、連結板17の反対側の端部に設けられた係合孔19が押えリング16の端部より露出するようになっている。そして、爪部12、13の基部14に接続された極細の糸15は、押えリング16内を通って外部へ伸びている。
この把持具11及び極細の糸15からなる実施形態5の内視鏡処置具10は、図5に示したような取付具20を使用して次のようにして病変部に把持される。なお、図5は取付具20の一部拡大斜視図であり、左端の先端部が拡大表示されている。この取付具20は、挿入部21及び操作部22とからなる。挿入部21の先端部には把持具11を保持するための固定部材23とその先端部に前記把持具11の連結板17に設けられた係合孔19に連結するためのピン24を備えており、この固定部材21の後端部は操作ワイヤ25が接続されている。この操作ワイヤ25はコイルシースからなる第1の可撓性シース26内を通され、操作部22のチューブ継手27内を通ってスライダ28に接続されており、このスライダ28により操作ワイヤ25を介して固定部材23の移動及び回転を制御できるようになっている。
また、第1の可撓性シース26はチューブ継手27及びスライダ28内を通ってリング30に結合されている。更に、第1の可撓性シース26の外側は合成樹脂製シースからなる第2の可撓性シース29で被覆されており、この第2の可撓性シース29は操作部22のチューブ継手27に接続され、このチューブ継手27によって第2の可撓性シース29の移動及び回転を制御できるようになっている。そしてこの実施形態5で使用したチューブ継手27には、極細の糸を通すための孔31が設けられている。
その後、把持具11の連結板17の端部に設けられている係合孔19を固定部材23のピン24に合わせて嵌め込み、その後把持具11を先端側に軽く引くと把持具11は固定部材23に固定される。次いで、スライダ28をリング30側に移動させると、操作ワイヤ25及び固定部材23が第1の可撓性シース26内に引き込まれ、把持具11の押えリング16が第1の可撓性シース26の先端部に嵌合して固定される。この状態では把持具11の爪部の先端部分12a、13aは僅かに閉じた状態となる。そして、この状態で、把持具11が固定された固定部材23、操作ワイヤ25及び第1の可撓性シース26を一体的にチューブ継手27内に挿入し、チューブ継手27がスライダ28と離間するように移動させると、把持具11は第2の可撓性シース29の先端から露出せずに第2の可撓性シース29内に挿入された状態となる。
そして、予め体腔内に挿入された内視鏡32の鉗子挿入口(図示せず)より取付具20の挿入部21を挿入して内視鏡32の先端部34から突き出させ、内視鏡32の視野内に入るようにして、病変部51の近傍にまで誘導する。そして、病変部51の近傍でチューブ継手27を引っ張ることによりチューブ継手27とスライダ28とが隣接する状態とすると、第2の可撓性チューブ29が引き上げられて把持具11が露出する。このとき把持具11内の爪部12、13の基部14に接続された極細の糸15は、押さえリング16内を経て第1の可撓性シース26と第2の可撓性シース29との間を通って操作部22のチューブ継手27に設けられた糸用の孔31を経て外部に延びた状態となっている。
ここで、更にスライダ28をゆっくりリング側30へ移動させると、把持具11の押えリング16が爪部の作用部12b、13bを押圧するため、把持具11の爪部の先端部分12a、13aは大きく開く。この状態で、把持具11の爪部の先端部12a、13aを病変部51の把持すべき部分に押し当て、更にスライダ28をゆっくり引くと、把持具11の押えリング16が爪部の先端部12a、13aの近傍まで押圧するようになるため、爪部の先端部12a、13aは、病変部51に食い込み、病変部51を把持する。それとともに、基部14及び連結板17の切り欠き孔18が露出するので、操作部22を操作することにより連結板17を爪部12、13の基部14から外すことができ、病変部51には把持具11の爪部12、13及び押さえリング16のみからなる留置部11'が固定されたままとなる。
そして、チューブ継手27、スライダ28及びリング30を同時に引き抜くことにより、連結板17が保持された固定部材23、操作ワイヤ25、第1の可撓性シース26及び第二の可撓性シース29を引き抜く。そうすると、図6に示すように、留置部11'から延びている極細の糸15は内視鏡32の鉗子孔37内を通って図示しない鉗子挿入口より外部に伸びた状態となる。なお、図6は病変部51近傍の内視鏡32の先端部付近の状態を表した概要図であり、符号35は観察窓、符号36は照明窓、符号37、38はそれぞれ鉗子孔を示すが、これらの構成は全て周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
この状態で、外部より極細の糸15を引くことにより留置部11'を持ち上げ、病変部51を持ち上げることもできるが、病変部51が大きくて複数箇所で持ち上げる必要がある場合は上述の操作を繰り返せばよい。この際、引き抜いた内視鏡処置具に別の把持部を取り付けて再使用してもよいが、別途予め把持具11を固定部材23に取り付けた内視鏡処置具20を必要数用意しておき、交換使用すると処置時間を短縮できるために望ましい。このようにして一つの鉗子孔37を介して複数個の留置部11'により病変部51を把持することができるとともに、複数個の留置部11'から延びている複数本の極細の糸15も鉗子孔37を通って鉗子挿入口より外部に伸びた状態とすることができる。この状態で外部からそれぞれの極細の糸15を引っ張ると、病変部51はテント状に上方に隆起される。
<実施形態6:内視鏡的切除術用の手術キットを用いた手術方法>
本実施形態では、実施形態5に係る内視鏡的切除術用の手術キットを用いた手術方法について、以下図面を用いて説明する。上述のように、まず、実施形態5の内視鏡処置具10を用いて、図6に示すように、3本のクリップおよび糸を手元で引っ張り挙げることにより、がん粘膜を自在に操作、挙上することによって、病変部51がテント状に上方に隆起された状態で、従来例の場合と同様にして、内視鏡32の別の鉗子挿入口38からITナイフ57、スネア等を挿入し、病変部51の切開、剥離を行う。ここで、ITナイフ57は、高周波棒状ナイフの先端に絶縁体の白いセラミックボールを付けて、ナイフを押し当てても胃の穿孔が起きにくい仕組みにしているものを用いることが好ましい。このようなITナイフ57を用いれば、さらに胃壁内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。
なお、病変部51の位置と極細の糸15の延在している方向との関係から、極細の糸15を外部から引いても病変部51を望ましい方向に隆起させることができない場合が生じる。この場合は、先端部が所定角度だけ曲げられた可撓性シース29'が取り付けられたチューブ継手27を用意し、可撓性シース29'の先端から鉗子挿入口より外部に伸びた状態の複数本の極細の糸15の全てを通してチューブ継手27のスライダ側の開口より取り出す。そして、この先端部が曲げられた可撓性シース29'を再度内視鏡32の鉗子挿入口より挿入して先端部が曲げられた可撓性シース29'の先端部が内視鏡32の鉗子孔37から突き出るようにする。次いで、チューブ継手27を回転させることにより、図7に示すように、先端部が曲がっている可撓性シース29'の先端部が病変部51から離れる方向、より具体的には可撓性シース29'の先端部が病変部51を隆起させようとする方向に位置するようにする。この状態で外部からそれぞれの極細の糸15を引っ張ると、病変部51はテント状に上方に隆起される。そこで、図8に示すように、内視鏡32の別の鉗子挿入口38からITナイフ57を挿入し、病変部51の切開、剥離を行う。
このように、いきなり内視鏡32の別の鉗子挿入口38からITナイフ57を挿入し、病変部51の切開、剥離を行う場合でも、体腔内への内視鏡の挿入が一度ですみ、しかも病変部の全体を確実に持ち上げることができ、病変部を残存させることなく容易に切除することはできる。すなわち、上記の技術は、安全思想の一種であるフールプルーフ(Fool Proof)の考え方が具現化したものであるため、術者の視野および作業領域を広げて、そもそも誤って高周波ナイフ等を胃壁等に深く切り込みすぎるミスを犯す可能性を低減することができる。
しかし、本実施形態の手術方法では、上述のようにいきなり内視鏡32の別の鉗子挿入口38からITナイフ57を挿入し、病変部51の切開、剥離を行うことはせず、その前に、図9に示すように、別途内視鏡本体のチャネルを通じて消化器官内に導入される実施形態1で説明した内視鏡用注射具100を用いる。すなわち、まずは、内視鏡用注射具100を用いて、送液チューブ121の管軸方向に沿って配置されている電熱線110によって送液チューブ121を加温しつつ、生体適合性を有する絶縁材料を送液チューブ121内を通して送液する。そして、この絶縁材料を病変部51がテント状に上方に隆起されてできる粘膜下層と筋層との間隙に注出する。
このようにすれば、図8に示すように、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、この内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用して、あらかじめ粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料を注入しておくことによって、いわば穿孔を防ぐ保護シート55をあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。したがって、この内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用することにより、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、図9に示すように、ITナイフ57を用いて病変部51を切開・剥離する際に、誤ってITナイフ57を胃壁54に深く切り込みそうになるミスを犯したとしても、保護シート55は絶縁体シートからなるため、高周波メスで切ることができない。すなわち、絶縁材料からなる保護シート55が胃壁54に深く切り込む上で邪魔になり、胃壁内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。また、この保護シート55は生体適合性を有するため、切除後は、消化酵素で分解される。
このように、粘膜切除法は高周波電流によって発生するジュール熱を利用している原理からすると、電気を通さない絶縁体は切ることができない。そのため、高周波切除術における絶縁物質保護シートを、穿孔を防ぐために用いることが可能になる。これはまさに、従来ITナイフ57で胃穿孔を防ぐための白色ボールとして用いられていた絶縁材料を、逆転の発想によって、ITナイフ57により切開される対象の側に設けることにより、安全性を高めるという画期的なアイデアに基づく物である。
<実施形態7:内視鏡的切除術用の手術キットを用いた手術方法の変形例>
本実施形態の内視鏡的切除術用の手術キットを用いた手術方法は、実施形態6の内視鏡的切除術用の手術キットを用いた手術方法と基本的には同様であるが、図10に示すように、上記の内視鏡用注射具100が実施形態3で説明したダブルルーメン構造を有することと、生体適合性を有する絶縁材料は、所定の波長(例えば緑色の波長)のレーザ光線170を吸収する色素の含有量が互いに異なる、2種類の生体適合性材料(例えば白色絶縁材料164および緑色通電材料168)を含むことと、において相違する。また、この手術方法では、所定の波長のレーザ光線(例えば緑色の波長の緑色レーザ光線170)を発振することができるレーザ光源と、そのレーザ光源に接続可能な内視鏡用レーザプローブ172と、がさらに備えられている内視鏡を用いる。
このように2種類(例えば白色絶縁材料164および緑色通電材料168)の生体適合性材料を含むことによって、ダブルルーメン構造を有する内視鏡用注射具100を用いて、2種類の生体適合性材料(例えば白色絶縁材料164および緑色通電材料168)を2層化して粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料(白色絶縁材料164)および通電材料(緑色通電材料168)を注入することが可能になる。そして、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者であっても、このダブルルーメン構造を有する内視鏡用注射具100を内視鏡(不図示)と併用して、下方の層として胃の穿孔を防ぐための白色注入物質(白色絶縁材料164)と、上方の層として切除のために注入する着色注入物質(緑色通電材料168)の2種類を粘膜下局所注入することができ、いわば穿孔を防ぐ保護シートおよびその上に設けられているレーザ吸収シートをあらかじめ粘膜下層と筋層との間に形成することが可能となる。
その結果、同様に手術キットに備えられている、あらかじめ2種類の生体適合性材料(例えば白色絶縁材料164および緑色通電材料168)に対する波長(例えば緑色の波長)の摺り合わせが完了しているレーザ光源と、そのレーザ光源に接続可能な内視鏡用レーザプローブ172と、をあわせて内視鏡にセットして用いることによって、ユーザサイドで細部の条件を摺り合わせる必要性を省略した上で、下方の白色シート(白色絶縁材料164)は、レーザエネルギを吸収しないが、上方のジアグノグリーン層(緑色通電材料168)は、レーザエネルギで励起されるという状態を実現できる。すなわち2物質局所注入による癌切除片回収可能なレーザ治療を行うことが可能になり、仮にESDの熟練度合いの高くない未熟な術者が、誤ってレーザを強く胃壁等に照射しすぎるミスを犯したとしても、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔が起こる可能性を低減でき、ESDの安全性を高めることができる。すなわち、2層化できる局所注入法と色素反応レーザにより、さらに安全性を高めた治療法が可能となる。さらに、この手術キットによれば、ユーザサイドで2種類の材料(例えば白色絶縁材料および緑色導電材料)に対する波長(例えば緑色の波長)の摺り合わせの必要性を省略することができるため、ESDを行う際の人件費等を節約でき、医療費抑制にも貢献できる。
さらに、従来の内視鏡レーザ治療の特徴として、プローブ先端から照射されたレーザは無限遠まで直進し対側の胃粘膜に障害を与える可能性があるため、図19のように誤射すると、放出されたレーザは、対側の胃粘膜に障害を与える場合がある。そこで、この欠点を克服するため、図20のように、ちょうどバイオリンの弓のようにプローブ先端の5〜40mmの範囲だけ側面の部分がレーザ放出し、先端には基部180に対向する爪部178によりレーザエネルギを吸収してしまうことのできる内視鏡用レーザプローブを用いることが好ましい。このようにすれば、未熟な術者がレーザを誤射しても、反対側の胃粘膜が障害されないため、さらに安全性を向上することができる。
この内視鏡用レーザプローブは、図20のように、バイオリンの弓のようにレーザが照射される側面と、その他は絶縁性の可撓性チューブで被覆されている構造を有する。より具体的には、このレーザ照射用プローブ処置具は、通常の内視鏡用レーザプローブの先端部に、先端から5mm以上40mm以下の範囲でチューブの片側が切り落とされ断面図で半円形に加工された可撓性チューブと、半円形の可撓性チューブの先端に基部180から放出されたレーザエネルギを吸収するために設けられた基部180に対向した一対の爪部178と、爪部178に対向する近位断面に設けられている、レーザ光源から発生されたレーザを導き、バイオリンの弓のように5mm以上40mm以下の範囲でレーザが照射されるために設けられた石英ファイバ176と、を有する。このため、術者がこの内視鏡用レーザプローブを横にすべらせることで、効率よく粘膜下層を剥離し、安全性を維持しながら癌切除時間を短縮できる。このように、バイオリンの弓のようにレーザが照射されるためには、5mm以上40mm以下の幅で半円形可撓性チューブの断面を半円(半円でなく棒状でもよい)に形成し、側面のみレーザが剥き出しになる石英ファイバ176を備えるプローブを作製すればよい。
この治療方法は、まさに、2層化できる粘膜下局所注入用物質と色素反応レーザの組み合わせによる新規治療法であると言え、色素反応レーザを用いることにより、レーザエネルギを吸収する層と、レーザエネルギを吸収しない色である層を人工的に粘膜下層に作り出す画期的な手術方法である。このように、色素反応レーザを用いて、レーザエネルギを吸収する層と、レーザエネルギを吸収しない色である層を人工的に粘膜下層に作り出すことにより、病変部の好適な切開性および安全性を両立することが可能になる。ここで、レーザ治療の問題点としては、従来のレーザ照射法では、癌粘膜の切除片が回収できないため、レーザ治療は根治的ではなく姑息的治療とされてきた。しかし、この手術法によれば、姑息術であるレーザ法を逆転の発想で根治術へと転換することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、上記実施の形態では隆起させるべき病変部に注入する液体は従来公知のものと同様としたが、隆起させるべき病変部にさらに電磁波に共鳴振動する微粒子を注入してエネルギー上昇をもたらすようにしてもよい。このときは、さらにベルテポルフィンなどの増感受性物質を注入してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
予備実験において、通常の市販されている局注針を用いた“脂”の粘膜下層への注入が、冷却による“脂”の固化により不可能であることが判明した。すなわち、液体を注入し隆起をつくるとき、加熱して液化した牛脂が、局注針の中で再凝固して閉塞し、牛脂が注入できなくなったことが判明した。この欠点を克服するため、実施形態1で説明した図2で概要を示す局注針の加熱システムを試作して、実施形態2で説明したように、温度センサを設けてその温度調整の状態についての測定データを取得した。
なお、既に実施形態1で説明したように、試作品では、加熱効率を高めるため、局注針の外側にはコイルにピアノ線を1〜2cm間隔でらせん状に巻きつけた。なお、ショートを防ぐため、内筒の内側に直線状のピアノ線を配置し、外側にはらせん状に巻いて、絶縁を図った。また、ピアノ線が接触しないようにするため、ピアノ線の導入口を2cm以上、離して配置した。
ここで、局注針の加熱システムの温度測定データを下記の表1〜表2に示す。表1〜表2は、電圧をかけた時の、局注針の先端部、中間部等の温度が安定した温度になるかを測定した結果である。なお、対応するグラフを、図12、図13として示す。
その結果、表1〜表2に示すように、一般的な値の電圧をかけて、3分経過すれば、目的温度に達し、定常状態になることがわかった。その結果、脂を注入する3分前に、電源を入れて局注針を加温すれば、脂を液体のまま、胃の粘膜下層へデリバリーできた。脂を液体のまま、胃の粘膜下層へデリバリーした後、冷却して固めた実験結果について、図11の写真に示す。図11に示すように、ブタの胃を実験モデルとし、白色の物質として、加熱し液化した牛脂を注入し、5分後、粘膜下層で牛脂がシート状に固化している(白色の物質が粘膜と筋層の間にシート状に拡がっている)ことが確認された。表1〜表2、図11〜図13に示すように、電源を入れて3分後の温度は、非常に安定した(恒常的な)温度になっており、脂を液体のまま、胃の粘膜下層へスムーズにデリバリーできたと考えられる。
すなわち、この試作品では、局注針に極細のニクロム線を張りつけ、40℃〜95℃の範囲で加熱して、脂が粘膜下層にデリバリーできる処置具を開発することに成功した。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、内視鏡のかん子自体をニクロム線で加熱し、脂が局注針の中で再凝固しない内視鏡を用いてもよい。この場合にも、局所注入針自体に加熱するための構成を設けなくても、内視鏡のかん子自体をニクロム線で加熱することによって、局所注入針内部で脂が再凝固しないようにすることができる。
実施形態1に係る内視鏡用注射具の全体構成を説明するための構成図である。 実施形態1に係る内視鏡用注射具の先端部の内部構造を拡大して示した概念図である。 実施形態5で用いる内視鏡処置具の分解斜視図である。 実施形態5で用いる内視鏡処置具の組立後の斜視図である。 図4の内視鏡処置具を使用するための取付具の一部拡大斜視図である。 病変部を切除する際における図4の内視鏡処置具による病変部の把持状態を示す斜視図である。 病変部を切除する際の病変部の吊り上げ状態を示す斜視図である。 ITナイフによって病変部を切除する状態を示す斜視図である。 粘膜下層と筋層との間に生体適合性を有する絶縁材料を注入状態を示す斜視図である。 ダブルルーメン構造を有する内視鏡用注射具を用いる場合について説明するための斜視図である。 粘膜下層と筋層との間に牛脂を注入した場合の写真である。 実施例1で試作した局所注入針の電圧37Vにおける時間-表面温度の変化図である。 実施例1で試作した局所注入針の電圧55Vにおける時間-表面温度の変化図である。 図14(a)〜図14(d)は従来の病変部を切除中の操作を示す斜視図である。 図14(b)のA−A断面図である。 図14(c)のB−B断面図である。 従来例の胃内における磁気アンカー誘導装置の使用状況を示す図である。 別の従来例の内視鏡治療装置の斜視図である。 従来のレーザ照射法について説明するための概念図である。 バイオリンの弓のようにレーザが照射できるレーザ照射法について説明するための概念図である。
符号の説明
10 内視鏡処置具
11 把持具
11’ 把持具の留置部
12、13 爪部
12a、13a 爪部の先端部分
12b、13b 爪部の作用部
14 基部
15 極細の糸
16 押さえリング
17 連結板
18 切り欠き孔
19 係合孔
20 取付具
21 挿入部
22 操作部
23 固定部材
24 ピン
25 操作ワイヤ
26 第1の可撓性シース
27 チューブ継手
28 スライダ
29 第2の可撓性シース
29’ 先端部が曲げられた第2の可撓性シース
30 リング
31 糸用の孔
32 内視鏡
33 鉗子挿入口
34 内視鏡の先端
35 観察窓
36 照明窓
37、38 鉗子孔
51 病変部
52 マーキング
53 粘膜層
54 筋層
57 ITナイフ
101 注出部
102 グリップ
105 外套管
108 接続口
109 スライダ
110 電熱線
111 リード線
112 加熱用電源
121 送液チューブ
164 白色絶縁材料
166 穴
168 緑色通電材料
170 緑色レーザ光線
172 内視鏡用レーザプローブ
174 胃壁
176 石英ファイバ
178 爪部
180 基部

Claims (11)

  1. 内視鏡的切除術用の手術キットであって、
    内視鏡用注射具と、
    生体適合性を有する材料と、
    所定の波長のレーザ光源と、
    前記レーザ光源に接続可能な内視鏡用レーザプローブと、
    を備え、
    前記内視鏡用注射具は、
    可撓性チューブによって形成された外套管と、
    前記外套管の先端部から一部突出可能に設けられている注出部と、
    前記外套管内に設けられ、前記注出部に連通している送液チューブと、
    前記送液チューブの後端部に設けられている注射器本体との接続口と、
    前記送液チューブの管軸方向に沿って配置されている電熱材と、
    前記電熱材の後端部に設けられている電気コネクタと、
    を備え、
    前記送液チューブは、互いに隔離されている2以上のルーメンを有し、
    前記注出部は、前記2以上のルーメンにそれぞれ連通する2以上の注出口を有し、
    前記2以上の注出口は、互いに並行してなる2以上の扁平状の注出口であり、
    前記2以上のルーメンまたは前記2以上の抽出口には、互いを肉眼で識別可能な色彩、記号、図形、または形状が施されており、
    前記電熱材は、1組以上の互いに導通している往路および復路からなる電熱線であり、
    前記往路は、前記外套管および前記送液チューブの間隙に螺旋状に設けられており、
    前記復路は、前記送液チューブの内部に直線状に設けられており、
    前記電熱線は、
    電気抵抗率1.0×10 −7 Ω・m以上1.6×10 −6 Ω・m以下かつ断面積7.85×10 −3 mm 以上1.25×10 −1 mm 以下の電熱線であり、
    前記螺旋状の領域において螺旋直径1.0mm以上5.0mm以下かつ螺旋間隔5mm以上20mm以下となるように設けられており、
    前記生体適合性を有する材料は、動物由来の天然油脂、植物由来の天然油脂、寒天、シリコン、ポリメチルメタアクリレート、ゴム、シアノアクリレート、キトサンからなる群から選ばれる1種以上の材料を含み、
    前記生体適合性を有する材料は、前記所定の波長のレーザ光線を吸収する色素の含有量が互いに異なる、1種類の絶縁材料と1種類の通電材料、または2種類の絶縁材料を含む、
    手術キット
  2. 請求項1記載の手術キットにおいて、
    前記電熱材は、前記送液チューブの内容物の温度が前記内容物のガラス転移点以上となるように、前記送液チューブの温度を調整可能に構成されている、
    手術キット
  3. 請求項1記載の手術キットにおいて、
    前記電熱材は、前記送液チューブの内容物の粘度が所定の粘度以下となるように、前記送液チューブの温度を調整可能に構成されている、
    手術キット
  4. 請求項1記載の手術キットにおいて、
    前記電熱材は、前記送液チューブの内容物のメルトフローレートが所定の閾値以上となるように、前記送液チューブの温度を調整可能に構成されている、
    手術キット
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の手術キットにおいて、
    前記電熱材は、前記送液チューブの温度を40℃以上95℃以下の範囲に調整可能に構成されている、
    手術キット
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の手術キットにおいて、
    前記送液チューブの温度を測定するための温度センサをさらに備える、
    手術キット
  7. 請求項6記載の手術キットにおいて、
    前記温度センサから得られる測定データに基づいて、前記送液チューブの温度が所定の温度範囲になるように、前記電気コネクタから前記電熱材に入力される電流または電圧の値をフィードバック制御する、フィードバック制御部をさらに備える、
    手術キット
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の手術キットにおいて、
    前記注出部は、注射針である、
    手術キット
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の手術キットにおいて、
    前記注出部は、前記外套管の先端部から出入自在に設けられており、
    前記送液チューブは、前記外套管内に進退自在に設けられている、
    手術キット
  10. 請求項1乃至9いずれかに記載の手術キットであって、
    前記内視鏡用レーザプローブの先端部に、
    先端から5mm以上40mm以下の範囲でチューブの片側が切り落とされ断面図で半円形に加工された可撓性チューブと、
    前記半円形の可撓性チューブの先端に基部から放出されたレーザエネルギを吸収するために設けられた前記基部に対向した一対の爪部と、
    前記爪部に対向する近位断面に設けられている、前記レーザ光源から発生されたレーザを導き、バイオリンの弓のように5mm以上40mm以下の範囲でレーザが照射されるために設けられた石英ファイバと、
    を有するレーザ照射用プローブ処置具をさらに備える、
    手術キット。
  11. 請求項1乃至10いずれかに記載の手術キットであって、
    先端部が互いに対向しており、基部で結合された開閉自在な一対の爪部と、内部に前記一対の爪部が挿入され、前記一対の爪部に沿って相対的に移動可能に設けられた前記爪部を閉じることができる押えリングと、前記押えリング内に挿入され、一方側の端部に切り欠き孔及び他方側の端部に係合孔が設けられ、前記切り欠き孔に前記一対の爪部の基部が取り外し可能に係合された連結板と、を備える把持具と、前記一対の爪部の基部に接続され、前記押えリング内を通って伸びている極細の糸と、からなることを特徴とする内視鏡処置具をさらに備える、
    手術キット。
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