[第1実施形態]
図1に示すように、内視鏡システム10は、患者の消化管内や気管内などの管内(被観察部位)を撮像する電子内視鏡11と、電子内視鏡11により得られた撮像信号に基づいて管内の観察画像を生成するプロセッサ装置12と、管内を照明する照明光を電子内視鏡11に対して供給する光源装置13と、観察像を表示するモニタ14とを備えている。
内視鏡システム10では、管内を白色光などの広帯域光で照明することで管内を全体的に観察する通常観察モードと、管内を狭帯域光で照明して表層血管などを強調表示した状態で観察する特殊光観察モードとの2つの観察モードを有している。また、特殊光観察モードには、電子内視鏡11の先端部と管内の生体組織との距離に応じて、第1距離観察モード、第2距離観察モード、第3距離観察モード、第4距離観察モードの計4種類のサブ観察モードがある。このうち、第1〜第2距離観察モードが生体組織との距離が近い近景状態で観察を行う、いわゆる近景観察モードである。また、第3〜第4距離観察モードが生体組織との距離が遠い遠景状態で観察を行う、いわゆる遠景観察モードである。
電子内視鏡11は、管内に挿入される可撓性の挿入部16と、挿入部16の基端部に連設され、電子内視鏡11の把持及び挿入部16の操作に用いられる操作部17と、操作部17をプロセッサ装置12及び光源装置13にそれぞれ接続するユニバーサルコード18とを備えている。
挿入部16の先端部位である挿入部先端部16aには、管内の照明や撮影に用いられる光学系、イメージセンサなどが内蔵されている。また、挿入部先端部16aの先端面には、観察窓19(図2参照)、照明窓20(図2参照)の他に、図示は省略するが送気送水ノズル、挿入部16内に挿通された鉗子チャネルの出口となる鉗子出口等が設けられている。挿入部先端部16aの後端には、湾曲自在な湾曲部16bが連設されている。
操作部17には、アングルノブ21、操作ボタン22、鉗子入口23などが設けられている。アングルノブ21は、挿入部16の湾曲方向及び湾曲量を調整する際に回転操作される。操作ボタン22は、送気・送水や吸引等の各種の操作に用いられる。鉗子入口23は鉗子チャネルに連通している。
ユニバーサルコード18には、送気・送水チャンネル、信号ケーブル、及びライトガイドなどが組み込まれている。このユニバーサルコード18の先端部にはコネクタ部25aが設けられている。このコネクタ部25aは光源装置13に接続する。また、コネクタ部25aからはコネクタ部25bが分岐している。このコネクタ部25bはプロセッサ装置12に接続する。
図2に示すように、光源装置13は、広帯域光源30と、通常観察モードで使用される通常観察用フィルタ(UOF:Usually Observed Filter)ターレット31と、特殊光観察モードで使用されるロングパスフィルタ(LPF:Long Pass Filter)ターレット32、及びショートパスフィルタ(SPF:Short Pass Filter)ターレット33と、ターレットシフト機構34と、ターレット回転機構35と、集光レンズ36とを備えている。ここで、LPFターレット32、SPFターレット33、及びターレット回転機構35が本発明のフィルタ挿入手段に相当する。
広帯域光源30は、例えばキセノンランプ、白色LED、マイクロホワイト光源などが用いられ、波長が赤色領域から青色領域(約470〜700nm)にわたる白色の広帯域光BBを発生する。この広帯域光源30は、内視鏡検査中に広帯域光BBを常時出射する。
UOFターレット31は、通常観察モード時にその一部分が広帯域光源30から出射される広帯域光BBの光路内に挿入される。また、LPFターレット32及びSPFターレット33は、特殊光観察モード時にその一部分が広帯域光BBの光路内に同時挿入される。
図3に示すように、UOFターレット31は、その回転軸31aの周方向に沿って設けられた青色フィルタ37Bと、緑色フィルタ37Gと、赤色フィルタ37Rとを備えている。青色フィルタ37Bは、広帯域光BBのうち青色帯域の光(B光)を透過させる。緑色フィルタ37Gは、広帯域光BBのうち緑色帯域の光(G光)を透過させる。赤色フィルタ37Rは、広帯域光BBのうち赤色帯域の光(R光)を透過させる。
各色フィルタ37B,37G,37Rは、通常観察モード時にUOFターレット31が回転することにより、広帯域光BBの光路内に所定の順番(例えば、青、緑、赤、青、・・・)で繰り返し挿入される。これにより、UOFターレット31からは、B光、G光、R光、B光、・・・が順に出射される。
図4に示すように、LPFターレット32は、その回転軸32aの周方向に沿って設けられた半円形状の第1LPF38a及び第2LPF38bを備えている。第1〜第2LPF38a,38bは、入射する広帯域光BBのうち、所定の下限波長以上の波長を有する光を通過させる。
図5に示すように、第1LPF38aの下限波長λm1は、第2LPF38bの下限波長λm2よりも低い値に設定されている。第1〜第2LPF38a,38bは、LPFターレット32の回転により、特殊光観察モード時に広帯域光BBの光路内に選択的に挿入される。
図6に示すように、SPFターレット33は、その回転軸33aの周方向に沿って設けられた半円形状の第1SPF39a及び第2SPF39bを備えている。第1〜第2SPF39a,39bは、入射する広帯域光BBのうち、所定の上限波長以下の波長を有する光を通過させる。
図7に示すように、第1SPF39aの上限波長λu1は、第2SPF39bの下限波長λu2よりも低い値に設定されている。また、上限波長λu1は、第2LPF38bの下限波長λm2よりも高い値に設定されている。第1〜第2SPF39a,39bは、SPFターレット33の回転により、特殊光観察モード時に広帯域光BBの光路内に選択的に挿入される。
図2に戻って、第1〜第2LPF38a,38bのいずれかと、第1〜第2SPF39a,39bのいずれかとがそれぞれ広帯域光BBの光路内に挿入されると、青色の特定の波長帯域に制限された青色狭帯域光が生成される。この光路内に挿入されるLPF/SPFの組み合わせは下記の第1〜第4挿入パターンになり、これら挿入パターンごとに半値幅や中心波長が異なる4種類の青色狭帯域光Bn1〜Bn4が生成される。第1〜第4挿入パターンは、それぞれ第1〜第4距離観察モード時に選択される。
(1)第1挿入パターン:第2LPF38b、第1SPF39a
(2)第2挿入パターン:第2LPF38b、第2SPF39b
(3)第3挿入パターン:第1LPF38a、第1SPF39a
(4)第4挿入パターン:第1LPF38a、第2SPF39b
第1挿入パターンでは、最初に図8(A)に示すように、広帯域光BBのうち、下限波長λm2以上の波長帯域の光が第2LPF38bを透過する。次いで、図8(B)に示すように、第2LPF38bを透過した光のうち、上限波長λu1以下の波長帯域の光が第1SPF39aを透過する。これにより、図8(C)に示すように、波長帯域がλm2〜λu1となり、中心波長がλc1となる青色狭帯域光Bn1が生成される。なお、本実施形態では図面の煩雑化を防止するため、青色狭帯域光Bn1(Bn2〜Bn4も同様)の波形を矩形状にしているので、その半値幅h1は「λu1−λm2」となる。ここでいう半値幅とは、光量のピーク値が半分となる部分の波長帯域である。
第2挿入パターンでは、図9(A),(B)に示すように、広帯域光BBが第2LPF38b、第2SPF39bを順番に通過することで、図9(C)に示すような波長帯域がλm2〜λu2となる青色狭帯域光Bn2が生成される。この青色狭帯域光Bn2の半値幅h2は「λu2−λm2」となり、中心波長はλc2となる。
第3挿入パターンでは、図10(A),(B)に示すように、広帯域光BBが第1LPF38a、第1SPF39aを順番に通過することで、図10(C)に示すような波長帯域がλm1〜λu1となる青色狭帯域光Bn3が生成される。この青色狭帯域光Bn3の半値幅h2は「λu1−λm1」となり、中心波長はλc3となる。
第4挿入パターンでは、図11(A),(B)に示すように、広帯域光BBが第1LPF38a、第2SPF39bを順番に通過することで、図11(C)に示すような波長帯域がλm1〜λu2となる青色狭帯域光Bn4が生成される。この青色狭帯域光Bn3の半値幅h4は「λu2−λm1」となり、中心波長はλc4となる。
各青色狭帯域光Bn1〜Bn4の波長帯域は、ヘモグロビンの光の吸収スペクトルの2つ吸収ピークのうちの短波長側のピーク(例えば415nm付近)にあわせて調整されている。また、各青色狭帯域光Bn1〜Bn4は、それぞれの半値幅がh1<h2<h3<h4となるため、それぞれの光量を比較するとBn1<Bn2<Bn3<Bn4となる。さらに、各青色狭帯域光Bn1〜Bn4の中心波長λc1〜λc4も互いに異なる値になる。
生体組織に照射された青色狭帯域光Bn1〜Bn4は、生体組織内の表層血管内の血液(ヘモグロビン)で極めて強い吸収を受ける。また、逆に表層血管の周辺の生体組織では、比較的強い散乱特性によって照射された光の多くが反射して挿入部先端部16aにまで返る。これにより、表層血管とその周辺の生体組織とのコントラストが極めて高くなるため、表層血管などを十分に強調表示することができる。なお、波長帯域(半値幅)が拡がるほど、表層血管に照射された青色狭帯域光が反射や散乱によって挿入部先端部16aに戻る可能性が高くなる。この場合にはコントラストが低下するものの、光量が増える。
図2に戻って、ターレットシフト機構34は、UOFターレット31、LPFターレット32、及びSPFターレット33をそれぞれ広帯域光BBの光路に対して略垂直な方向に移動させる。ターレットシフト機構34は、UOFターレット31を、その各色フィルタ37B,37G,37Rのいずれかが広帯域光BBの光路内に挿入される挿入位置と、全色フィルタ37B,37G,37Rが光路内から退避した退避位置との間で移動させる。そして、ターレットシフト機構34は、通常観察モード時にはUOFターレット31を挿入位置に移動させ、特殊光観察モード時にはUOFターレット31を退避位置に移動させる。
また、ターレットシフト機構34は、LPFターレット32及びSPFターレット33(以下、単にLPF/SPFターレット32,33という)を、それぞれ広帯域光BBの光路内に挿入される挿入位置と、全フィルタが光路内から退避した退避位置との間で移動させる。そして、ターレットシフト機構34は、通常観察モード時にはLPF/SPFターレット32,33を退避位置に移動させ、特殊光観察モード時には挿入位置に移動させる。
ターレット回転機構35は、UOFターレット31、LPFターレット32、及びSPFターレット33のそれぞれの回転軸31a,32a,33aに接続されている。ターレット回転機構35は、通常観察モード時はUOFターレット31を一定速度で回転させる。UOFターレット31の回転速度は、例えば3フレーム分の撮像期間で1回転するように設定されている。
一方で、特殊光観察モード時のターレット回転機構35は、第1距離観察モードでは第1挿入パターンでLPF/SPFが挿入され、第2距離観察モードでは第2挿入パターンでLPF/SPFが挿入され、第3距離観察モードでは第3挿入パターンでLPF/SPFが挿入され、第4距離観察モードでは第4挿入パターンでLPF/SPFが挿入されるように、LPF/SPFターレット32,33をそれぞれ回転させる。
集光レンズ36は、通常観察モード時にはUOFターレット31から出射されるB光、G光、R光の光路であって、特殊光観察モード時にはLPF/SPFターレット32,33から出射される青色狭帯域光Bn1〜Bn4の光路上に配置されている。集光レンズ36は、入射した各照明光をライトガイド41に入射させる。
上記各構成により、光源装置13は、通常観察モード時にはB光、G光、R光をライトガイド41へ繰り返し出射する。また、光源装置13は、特殊光観察モードには、各サブ観察モードに応じてそれぞれ青色狭帯域光Bn1〜Bn4をライトガイド41へ出射する。
電子内視鏡11は、ライトガイド41、CCD型イメージセンサ(以下、CCDという、撮像手段)44、アナログ処理回路(AFE:Analog Front End)45、撮像制御部46を備えている。ライトガイド41は大口径光ファイバ、バンドルファイバなどである。このライトガイド41は、入射端が光源装置13に挿入されており、出射端が挿入部先端部16a内に設けられた照射レンズ48に対向している。ライトガイド41から照射レンズ48に入射した照明光は、照明窓20を通して管内に照射される。そして、管内で反射した光は、観察窓19を通して集光レンズ51に入射する。
CCD44は、複数のフォトダイオード(図示せず)が2次元配列された撮像面44aを有しており、集光レンズ51から入射する被写体光を電気的な撮像信号に変換してAFE45へ出力する。このCCD44は、所定の分光感度を有するモノクロCCDである。なお、CCDの代わりにMOS型のイメージセンサを用いてもよい。CCD44には、プロセッサ装置12により制御される撮像制御部46が接続している。
撮像制御部46は、プロセッサ装置12内のCPUに接続されており、このCPUから指令に基づきCCD44に対して駆動信号を送る。CCD44は、撮像制御部46からの駆動信号に基づいて、所定のフレームレートで撮像信号をAFE45に出力する。通常観察モード時には、UOFターレット31の回転に応じて、B光の光電変換による信号電荷の蓄積・読み出し・転送によって青色画像信号を出力するステップと、G光の光電変換による信号電荷の蓄積・読み出し・転送によって緑色画像信号を出力するステップと、R光の光電変換による信号電荷の蓄積・読み出し・転送によって赤色画像信号を出力するステップとが繰り返し実行される。
また、特殊光観察モード時には、青色狭帯域光Bn1〜Bn4のいずれかの光電変換による信号電荷の蓄積・読み出し・転送によって、第1〜第4青色狭帯域撮像信号がAFE45へ出力される。
AFE45は、図示は省略するが、相関二重サンプリング回路(CDS)、自動ゲイン制御回路(AGC)、及びアナログ/デジタル変換器(A/D)から構成されている。CDSは、CCD44からの撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施してノイズを除去する。AGCは、CDSによりノイズが除去された撮像信号を増幅する。A/Dは、AGCで増幅された撮像信号を、所定のビット数のデジタルな撮像信号に変換してプロセッサ装置12に送る。
プロセッサ装置12は、メモリ53と、CPU(挿入制御手段)54と、デジタル信号処理部(Digital Signal Processor:DSP)55と、フレームメモリ56と、距離判別部57と、表示制御回路58と、観察モード切替スイッチ59とを備えている。メモリ53には、内視鏡システム10を制御するための各種のプログラムやデータの他に、データテーブル61が格納されている。
CPU54は、プロセッサ装置12の各部、電子内視鏡11の撮像制御部46、及び光源装置13のターレットシフト機構34、ターレット回転機構35に信号線で接続されており、メモリ53から読み出したプログラムやデータに基づき、これらを統括的に制御する。
DSP55は、AFE45から入力される撮像信号に対し、ホワイトバランス調整、色調処理、階調処理、シャープネス処理などの信号処理を行う。DSP55は、通常観察モード時には、AFE45から順次入力される青色撮像信号、緑色撮像信号、赤色撮像信号に上記信号処理を施すことによって、B,G,Rの3色の通常画像データを順次生成する。これら通常画像データはフレームメモリ56に順次記憶される。
一方、DSP55は、特殊光観察モード時には、各サブ観察モードに応じてAFE45からそれぞれ入力される第1〜第4青色狭帯域撮像信号に対して適宜信号処理を施すことで、特殊光画像データを生成する。この特殊光画像データもフレームメモリ56に記憶される。
距離判別部57は特殊光観察モード時に作動する。距離判別部57は、フレームメモリ56に新たに記憶された特殊光画像データの輝度信号に基づき露光量を検出し、この露光量検出結果に基づき挿入部先端部16aと被観察部位との間の距離dを判別する。消化管や気管内の被観察部位となる粘膜表層の色は、病変が発生しているなどの特別な場合を除いて大きな差はない。このため、光源装置13から出射される各照明光の光量が一定であれば、距離dが増加するのに従って露光量が減少し、逆に距離dが減少するのに従って露光量は増加する。従って、照明光の種類別にそれぞれ距離dと露光量との関係を示すデータテーブルなどを予め作成しておくことで、露光量から距離dが求められる。
表示制御回路58は、観察モードが通常観察モードである場合には、フレームメモリ56から3色の通常画像データを順次読み出し、これら3色の通常画像を合成した観察像をモニタ14に表示させる。また、表示制御回路58は、観察モードが特殊光観察モードである場合には、フレームメモリ56から特殊光画像データを読み出し、この特殊光画像データに基づき観察像をモニタ14に表示させる。
観察モード切替スイッチ59は、内視鏡システム10の観察モードを通常観察モードまたは特殊光観察モードに切り替える際に操作される。
図12に示すように、データテーブル61には、距離dの範囲と、特殊観察モード下の各サブ観察モード及び各挿入パターンとが対応付けて格納されている。本実施形態では、距離dの範囲をd<L1、L1≦d<L2、L2≦d<L3、d≧L3の4つの範囲に分け、距離dの小さい範囲から順番に各サブ観察モード及各挿入パターンを対応付けている。これにより、CPU54は、データテーブル61を参照することで、距離dからサブ観察モードの種類及び挿入パターンの種類を決定することができる。
CPU54は、観察モード切替スイッチ59で通常観察モードが選択された場合には、観察モードを通常観察モードに設定し、特殊光観察モードが選択された場合には観察モードを特殊光観察モードに設定する。また、CPU54は、特殊光観察モードが設定された場合には、距離判別部57の判別結果に基づきサブ観察モードを決定する。そして、CPU54は、サブ観察モードに対応する挿入パターンに従ってターレット回転機構35を制御して、光源装置13から出射される青色狭帯域光の種類を切り替える。
次に、図13に示すフローチャートを用いて上記構成の内視鏡システム10の作用について説明を行う。プロセッサ装置12や光源装置13などの電源がONされて内視鏡検査の準備処理(以下、検査準備処理という)が行われると、CCD44の駆動が開始されるとともに、広帯域光源30からの広帯域光BBの出射が開始される。なお、内視鏡システム10は、電源ON時の初期状態では通常観察モードに設定されている。
CPU54は、検査準備処理中にターレットシフト機構34を制御して、UOFターレット31を挿入位置に移動させるとともに、LPF/SPFターレット32,33を退避位置に移動させる。次いで、CPU54は、ターレット回転機構35を制御して、UOFターレット31を一定速度で回転させる。これにより、UOFターレット31から集光レンズ36に向けてB光、G光、R光が繰り返し出射される。
検査準備処理が完了すると、電子内視鏡11の挿入部16が患者の消化管や気管などの管内に挿入される。集光レンズ36に逐次入射したB光、G光、R光は、それぞれライトガイド41、照射レンズ48、及び照明窓20を経て、患者の管内に逐次照射される。これにより、この管内で反射/散乱したB光、G光、R光が観察窓19に逐次入射し、さらに集光レンズ51を通してCCD44に逐次入射する。CCD44は、B光、G光、R光を逐次光電変換して、青色画像信号、緑色画像信号、赤色画像信号をAFE45へ逐次出力する。
AFE45は、CCD44からの撮像信号に各種信号処理を施して、デジタルな青色撮像信号、緑色撮像信号、赤色撮像信号を順次にプロセッサ装置12のDSP55へ出力する。各色撮像信号は、DSP55により各種信号処理が施された後、3色の通常画像データとしてフレームメモリ56に順次記憶される。表示制御回路58は、新たにフレームメモリ56に記憶された各通常画像データを読み出して、これら各通常画像データ基づきモニタ14に観察像を表示させる。
以下、観察モードが特殊光観察モードに切り替えられるまで、あるいは内視鏡検査が終了となるまで、通常画像データの取得と、通常画像のモニタ表示とが繰り返し実行される。
通常観察から特殊光観察に切り替える場合には、観察モード切替スイッチ59を特殊光観察モードに切り替える。なお、特殊光観察モードでは、初期状態で例えば第1距離観察モードが設定される。CPU54は、ターレットシフト機構34に対してターレット切替指令を発した後、さらにターレット回転機構35に対して第1挿入パターン切替指令を発する。
ターレットシフト機構34は、CPU54からのターレット切替指令を受けて、UOFターレット31を退避位置に移動させるとともに、LPF/SPFターレット32,33を挿入位置に移動させる。次いで、ターレット回転機構35は、CPU54からの第1挿入パターン切替指令を受けて、UOFターレット31の回転を停止させるとともに、第2LPF38b及び第1SPF39aが広帯域光BBの光路内に挿入されるようにLPF/SPFターレット32,33を回転させる。これにより、図8に示したように、広帯域光BBが第2LPF38b及び第1SPF39aを順に透過することで、青色狭帯域光Bn1が集光レンズ36に入射する。
青色狭帯域光Bn1は、ライトガイド41などを経て患者の管内に照射される。これにより、この管内で反射/散乱した青色狭帯域光Bn1が観察窓19などを通してCCD44に入射する。CCD44は、青色狭帯域光Bn1を光電変換して第1青色狭帯域撮像信号をAFE45へ出力する。これにより、AFE45からデジタルな第1青色狭帯域撮像信号がDSP55に送られ、このDSP55にて特殊光画像データが生成されてフレームメモリ56に記憶される。そして、表示制御回路58は、新たにフレームメモリ56に記憶された特殊光画像データを読み出し、この特殊光画像データに基づき観察像をモニタ14に表示させる。
また、距離判別部57は、新たな特殊光画像データがフレームメモリ56に記憶されたときに、この特殊光画像データの輝度信号に基づき露光量を検出し、さらにこの露光量検出結果に基づき挿入部先端部16aと被観察部位との間の距離dを判別する。距離判別部57は、距離dの判別結果をCPU54へ送る。
CPU54は、距離判別部57からの距離判別結果を受けて、メモリ53内のデータテーブル61を参照する。そして、CPU54は、距離dがd<L1を満たしている場合には、第1距離観察モードを継続する。以下、サブ観察モードが変わるまで、あるいは特殊光観察が終了するまで、青色狭帯域光Bn1の照射下での特殊光画像データの取得と、観察像の表示と、距離dの判別と、データテーブル61の参照とが繰り返し実行される。
逆にCPU54は、距離判別部57が判別した距離dがL1≦d<L2となる場合、あるいはL2≦d<L3となる場合、あるいはd≧L3となる場合には、サブ観察モードをそれぞれ第2〜第4距離観察モードに切り替える。具体的にCPU54は、ターレット回転機構35に対して、第2〜第4距離観察モード別にそれぞれ第2挿入パターン切替指令〜第4挿入パターン切替指令を発する。
ターレット回転機構35は、第2挿入パターン切替指令を受けた場合には、第2LPF38b及び第2SPF39bが広帯域光BBの光路内に挿入されるように、LPF/SPFターレット32,33を回転させる。以下同様に、ターレット回転機構35が第3〜第4挿入パターン切替指令をそれぞれ受けた場合には、第1LPF38aと第1SPF39a、第1LPF38aと第2SPF39bがそれぞれ広帯域光BBの光路内に挿入される。これにより、第2〜第4距離観察モード時に、それぞれ青色狭帯域光Bn2〜Bn4が患者の管内に照射される。
各サブ観察モード時に患者の管内でそれぞれ反射/散乱した青色狭帯域光Bn2〜Bn4は、CCD44に入射する。以下、第1距離観察モード時と同様に、CCD44による光電変換、AFE45及びDSP55による信号処理などが順次行われて、特殊光画像データがフレームメモリ56に記憶される。そして、この特殊光画像データに基づき観察像がモニタ14に表示されるとともに、距離判別部57による距離dの判別が行われる。
CPU54は、距離判別部57による距離dの判別結果に基づき、データテーブル61を参照して、現在のサブ観察モードを継続する場合には、特殊光画像データの取得と、観察像の表示と、距離dの判別と、データテーブル61の参照とを繰り返し実行する。逆にCPU54は、別のサブ観察モードに切り替える場合には、ターレット回転機構35を制御して挿入パターンの切り替えを行うことで、光源装置13から出射される青色狭帯域光Bn1〜Bn4の種類を切り替える。
以下、特殊光観察が終了するまで、距離判別部57が判別した距離dの大きさに基づいて光源装置13から出射される青色狭帯域光Bn1〜Bn4が切り替えられる。距離dが長くなるのに従って光源装置13から出射する光が青色狭帯域光Bn1、青色狭帯域光Bn2、青色狭帯域光Bn3、青色狭帯域光Bn4の順番で切り替わる。逆に、距離dが短くなるのに従って光源装置13から出射する光が青色狭帯域光Bn4、青色狭帯域光Bn3、青色狭帯域光Bn2、青色狭帯域光Bn1の順番で切り替わる。
このように距離dが長くなるのに従って、光源装置13から出射する青色狭帯域光の半値幅が拡がるので、患者の管内に照射される青色狭帯域光の光量が増加する。その結果、遠景観察時に光量が不足して画面全体が暗くなることが防止される。また、距離dが短くなるのに従って、光源装置13から出射する青色狭帯域光の半値幅が狭くなるので、患者の管内に照射される青色狭帯域光の光量が減少する。その結果、近景観察時に観察像が明るくなり過ぎて見難くなることが防止される。これにより、近景観察や遠景観察などの距離dの大きさに関係なく、良好な観察像が得られる。
上記第1実施形態では、特殊光観察用の狭帯域光として青色狭帯域光を例に挙げて説明を行ったが、例えば緑色狭帯域光や赤色狭帯域光などの各色の狭帯域光を出射してもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の内視鏡システムについて説明を行う。第1実施形態では、青色狭帯域光の半値幅を拡げる方向(短波長側または長波長側)は特に限定されないが、第2実施形態では半値幅を拡げる方向を短波長側に限定している。
なお、第2実施形態の内視鏡システムは、第1実施形態の内視鏡システム10とは異なるLPFターレット65(図14参照)、及びSPF66(図16参照)が設けられている点を除けば第1実施形態と基本的に同じ構成である。従って、第1実施形態と機能・構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
図14に示すように、LPFターレット65は、ターレットシフト機構34によって特殊光観察モード時に広帯域光BBの光路内に挿入される。このLPFターレット65は、その回転軸65aの周方向に沿って設けられた半円形状の第1LPF68a及び第2LPF68bを備えている。第1〜第2LPF68a,68bは、ターレット回転機構35がLPFターレット65を回転させることで、広帯域光BBの光路内に選択的に挿入される。
図15に示すように、第1〜第2LPF68a,68bは、共通の下限波長λmx以上の波長を有する光を通過させる。下限波長λmxは、例えば波長400nm付近の値である。第1LPF68aは、波長400nm付近から次第に透過率が上昇し、波長460nm付近に近づくと透過率が最大値まで急激に上昇する。一方、第2LPF68bは、下限波長λmx付近で透過率がほぼ最大値まで上昇している。
図16に示すように、SPF66は、ターレットシフト機構34によって、特殊光観察モード時に広帯域光BBの光路内に挿入される。第2実施形態では、青色狭帯域光の半値幅を拡げる方向を短波長側に限定しているので、SPFの種類は1種類である。
図17に示すように、SPF66は、上限波長λmy以下の波長を有する光を通過させる。上限波長λmyは、例えば波長470nm付近の値である。
特殊光観察モード時には、第1〜第2LPF68a,68bのいずれかが選択的に広帯域光BBの光路内に挿入されるのに対して、SPF66は光路内に常時挿入される。このため、広帯域光BBの光路内に挿入される各LPF/SPFの組み合わせは下記の第1〜第2挿入パターンになり、これら挿入パターンごとに半値幅の異なる2種類の青色狭帯域光Bnα,Bnβが生成される。
(1)第1挿入パターン:第1LPF68a、SPF66
(2)第2挿入パターン:第2LPF68b、SPF66
図18(A),(B)に示すように、第1挿入パターンでは、広帯域光BBが第1LPF68a、SPF66を順番に通過することで、図18(C)に示すような半値幅がhαとなる青色狭帯域光Bnαが生成される。なお、図中では、波長460nm〜470nmの間隔を実際よりも拡げて図示している(図19(C)も同様)。
青色狭帯域光Bnαは波長が460nm付近で光量がピーク値に達し、470nm付近を超えると光量が急激に低下してほぼ「0」になる。一方、460nm付近よりも短波長側では、長波長側での光量の低下ほど急激でないものの、光量は460nm付近から400nm付近にかけて低下し、400付近nmよりも下回ったところで光量は「0」になる。
図19(A),(B)に示すように、第1挿入パターンでは、広帯域光BBが第2LPF68b、SPF66を順番に通過することで、図19(C)に示すような半値幅がhβとなる青色狭帯域光Bnβが生成される。青色狭帯域光Bnβは、青色狭帯域光Bnαと同様に、光量がピーク値に達する470nm付近よりも長波長側では光量が急激に低下する。逆に460nm付近よりも短波長側では、青色狭帯域光Bnαとは異なり、460nm付近から400nm付近の間では高い光量を保持する。そして、400nm付近よりも下回ったところで光量が急激に低下し始めて「0」になる。
また、半値幅hβの上限波長は半値幅hαの上限波長とほぼ同じであるのに対して、半値幅hβの下限波長は半値幅hαの下限波長よりも小さくなる。従って、青色狭帯域光Bnβは、青色狭帯域光Bnαに対して、長波長側の光量をほぼ変化させずに短波長側の光量を増加させた光である。
このように青色狭帯域光Bnβの短波長側の光量を増加させるのは以下の理由による。既知のヘモグロビンの吸収特性から、照射された光のうち460nm付近を下回る波長の光は生体組織内の表層血管内の血液(ヘモグロビン)で極めて強い吸収を受けるのに対し、逆に460nm付近を超える光はヘモグロビンによりほとんど吸収されずにそのまま透過する。また、生体組織の光散乱特性に関する知見(例えば、上記特許文献1の図10参照)などから、照射された光の波長が470nm付近を超えなければ、表層血管では照射された光のほとんどが吸収されて挿入部先端部16aに返らない。このため、青色狭帯域光Bnβの半値幅を短波長側に拡げることにより、表層血管とその周辺の生体組織とのコントラストの低下が抑えられるので、表層血管の強調表示と、光量増加とを両立させることができる。
図20に示すように、第2実施形態の内視鏡システムでは、メモリ53に第1実施形態とは異なるデータテーブル70が格納されている。データテーブル70には、距離dの範囲と、特殊観察モード下の2種類のサブ観察モード(近景観察モード、遠景観察モード)と、各挿入パターンとが対応付けて格納されている。本実施形態では、距離dがd<L2の場合には近景観察モード及び第1挿入パターンとなり、逆にd≧L2の場合には遠景観察モード及び第2挿入パターンとなる。
以下、上記第1実施形態と同様に、CPU54は、データテーブル70を参照することで、距離判別部57が判別した距離dからサブ観察モードの種類及び挿入パターンの種類を決定する。これにより、近景観察時には第1LPF68a及びSPF66が広帯域光BBの光路内に挿入されることにより、光源装置13から光量の少ない青色狭帯域光Bnαが出射される。また、遠景観察時には第2LPF68b及びSPF66が広帯域光BBの光路内に挿入されることにより、光源装置13から光量の多い青色狭帯域光Bnβが出射される。その結果、第1実施形態と同様に、近景観察や遠景観察などの距離dの大きさに関係なく、良好な観察像が得られる。
上記第2実施形態では、距離dの大きさに応じて狭帯域光の半値幅を拡げる方向を短波長側に限定しているが、逆に1種類のLPFと複数種類のSPFとの組み合わせを変えることで、狭帯域光の半値幅を拡げる方向を長波長側に限定してもよい。
[第3実施形態]
次に、図21を用いて本発明の第3実施形態の内視鏡システム75について説明を行う。上記第1実施形態の内視鏡システム10では、特殊光観察モード時に光源装置13から青色狭帯域光を出射する場合について説明したが、内視鏡システム75では青色狭帯域光に加えて緑色狭帯域光の出射も行う。
内視鏡システム75は、第1実施形態と同じ電子内視鏡11と、光源装置76と、プロセッサ装置77とから構成されている。なお、第3実施形態についても第1実施形態と機能・構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
光源装置76は、第1実施形態と異なるLFPターレット79、SPFターレット80、及びターレット回転機構81を備えている点を除けば、第1実施形態の光源装置76と基本的に同じ構成である。なお、LFPターレット79、SPFターレット80、及びターレット回転機構81が本発明のフィルタ挿入手段に相当する。
図22に示すように、LFPターレット79には、その回転軸79aの周方向に沿って設けられた四半円状の第1青色(B)LPF81a及び第2BLPF81b(第1ロングパスフィルタ)と、四半円状の第1緑色(G)LPF82a及び第2GLPF82b(第2ロングパスフィルタ)とが設けられている。第1〜第2BLPF81a,81bは、それぞれ第1実施形態の第1〜第2LPF38a,38bと同じ光透過特性を有している。
第1〜第2GLPF82a,82bは、入射する広帯域光BBのうち、所定の下限波長以上の波長を有する光を通過させる。第1GLPF82aの下限波長λgm1(図26参照)は、第2LPF38bの下限波長λgm2(図25参照)よりも低い値に設定されている。
図23に示すように、SFPターレット80には、その回転軸80aの周方向に沿って設けられた四半円状の第1BSPF84a及び第2BSPF84b(第1ショートパスフィルタ)と、四半円状の第1GSPF85a及び第2GSPF85b(第2ショートパスフィルタ)とが設けられている。第1〜第2BSPF84a,84bは、それぞれ第1実施形態の第1〜第2SPF39a,39bと同じ光透過特性を有している。
第1〜第2GSPF85a,85bは、入射する広帯域光BBのうち、所定の上限波長以下の波長を有する光を通過させる。第1GSPF85aの上限波長λgu1(図25参照)は、第2LPF85bの上限波長λgu2(図26参照)よりも低い値に設定されている。また、上限波長λgu1は、第2GLPF82bの下限波長λgm2よりも高い値に設定されている。
図21に戻って、第1〜第2BLPF81a,81b及び第1〜第2BSPF84a,84bは、特殊光観察モード時に第1実施形態の各挿入パターンと同じ第1〜第4B挿入パターンに従って、広帯域光BBの光路内に挿入される。これにより、各B挿入パターンに応じて青色狭帯域光Bn1〜Bn4がそれぞれ生成される。
また、第1〜第2GLPF82a,82bのいずれかと、第1〜第2GSPF85a,85bのいずれかとの組み合わせが広帯域光BBの光路内に挿入されることで、緑色の特定の波長帯域に制限された緑色狭帯域光が生成される。広帯域光BBの光路内に挿入される各GLPF/GSPFの組み合わせは基本的には第1実施形態と同じであり、下記の第1〜第4G挿入パターンごとに半値幅や中心波長が異なる4種類の緑色狭帯域光Gn1〜Gn4が生成される。第1〜第4G挿入パターンは、それぞれ第1〜第4距離観察モード時に選択される。
(1)第1G挿入パターン:第2LPF82b、第1SPF85a
(2)第2G挿入パターン:第2LPF82b、第2SPF85b
(3)第3G挿入パターン:第1LPF82a、第1SPF85a
(4)第4G挿入パターン:第1LPF82a、第2SPF85b
各緑色狭帯域光Gn1〜Gn4の波長帯域は、ヘモグロビンの光の吸収スペクトルの2つ吸収ピークのうちの長波長側のピーク(例えば540nm付近)にあわせて調整されている。また、各緑色狭帯域光Gn1〜Gn4は、Gn1〜Gn4の順番で半値幅が拡がるため、それぞれの光量を比較するとGn1<Gn2<Gn3<Gn4となる。
生体組織の光散乱特性に関する知見などから、照射された光の波長が500nm〜600nm付近の間、特に530nm〜570nm付近の間では、光が表層血管よりも深部にある中深層血管に到達する。この光は中深層血管では吸収される一方で、中深層血管の周辺の生体組織では反射及び散乱される。従って、生体組織に緑色狭帯域光Gn1〜Gn4を照射した場合には、中深層血管とその周りの生体組織とのコントラストが高くなるため、中深層血管などを十分に強調表示することができる。なお、波長帯域(半値幅)が拡がるほど、中層血管とその周辺の生体組織とのコントラストが低下するものの、光量が増える。
ターレット回転機構81は、通常観察モード時には第1実施形態のターレット回転機構35と同じ動作を行う。一方、ターレット回転機構81は、特殊光観察モード時には、第1〜第4B挿入パターンのいずれかに対応するBLPF/BSPFと、第1〜第4G挿入パターンのいずれかに対応するGLPF/GSPFとが広帯域光BBの光路内に交互に挿入されるように、LPF/SPFターレット79,80を回転させる。これにより、特殊光観察モード時には、青色狭帯域光Bn1〜Bn4のいずれかと、緑色狭帯域光Gn1〜Gn4のいずれかとが交互に出射される。なお、両狭帯域光の出射には、例えばそれぞれ1フレーム分の撮像期間が割り当てられる。
プロセッサ装置77は、第1実施形態とは異なるデータテーブル87がメモリ53に格納されているとともに、第1実施形態とは異なるCPU(挿入制御手段)88が設けられている点を除けば基本的には第1実施形態のプロセッサ装置12と同じ構成である。
データテーブル87は、第1実施形態のデータテーブル61と基本的には同じであり、距離dの範囲と、各サブ観察モード及び各挿入パターンとが対応付けて格納されている。ただし、データテーブル87では、距離dの範囲に対して、第1〜第4B挿入パターンと、第1〜第4G挿入パターンとがそれぞれ別個に対応付けられている。
CPU88は、特殊光観察モード以外では基本的に第1実施形態のCPU54と同様の処理を行う。ただし、CPU88は、特殊光観察モード時には、距離判別部57の判別結果に基づきサブ観察モードの種類を決定し、この決定結果に対応する各B挿入パターンと各4G挿入パターンとを決定する。そして、CPU88は、決定したB挿入パターンに対応するBLPF・BSPFと、決定したG挿入パターンに対応するGLPF・GSPFとが交互に広帯域光BBの光路内に挿入されるように、ターレット回転機構81を制御する。
なお、特殊光観察モード時には、青色狭帯域光と緑色狭帯域光とが交互に出射されるので、青色特殊光画像データ及び緑色特殊光画像データが生成されてフレームメモリ56に記憶される。表示制御回路58は、フレームメモリ56から読み出した2色の特殊光画像データ基づき、観察像をモニタ14に表示させる。これにより、表層血管と中深層血管とが共に強調表示される。
次に、図24に示すフローチャートを用いて第3実施形態の内視鏡システム75の作用について説明を行う。なお、特殊光観察モードに切り替えるまでの処理は図13に示す第1実施形態と同じであるので、ここでは説明を省略する。
特殊光観察モードへの切替後、CPU88は、サブ観察モードを初期状態である第1距離観察モードに決定する。次いで、CPU88は、ターレット回転機構81を制御して、第2BLPF81b及び第1BSPF84aが広帯域光BBの光路内に挿入されるようにLPF/SPFターレット79,80を回転させる。これにより、光源装置76から青色狭帯域光Bn1が出射されることで、青色特殊光画像データが生成されてフレームメモリ56に記憶される。
距離判別部57は、新たにフレームメモリ56に記憶された青色特殊光画像データに基づいて距離dを判別する。なお、この場合には、例えば、青色狭帯域光下での露光量と距離dとの関係を予め求めたデータテーブルなどが使用される。そして、CPU88は、例えば、距離判別部57の判別結果が「距離d<L1」である場合には、第1距離観察モードを維持するとともに、G挿入パターンとして第1G挿入パターンを決定する。
次いで、CPU88は、青色狭帯域光Bn1の出射時間が所定の1フレーム分の撮像期間を経過したときに、ターレット回転機構81を制御して、第2GLPF82b及び第1GSPF85aが広帯域光BBの光路内に挿入されるようにLPF/SPFターレット79,80を回転させる。
図25(A),(B)に示すように、広帯域光BBが第2GLPF82b、第1GSPF85aを順番に通過することで、図25(C)に示すような半値幅がhg1となる緑色狭帯域光Gn1が生成され、この緑色狭帯域光Gn1が光源装置76から出射される。これにより、緑色特殊光画像データが生成されてフレームメモリ56に記憶される。
一方で、CPU88は、距離判別部57の判別結果が例えば「距離d≧L3」に変わった場合には、サブ観察モードとして第4距離観察モードを決定するとともに、G挿入パターンとして第4G挿入パターンを決定する。この場合、CPU88は、ターレット回転機構81を制御して、第1GLPF82a及び第2GSPF85bが広帯域光BBの光路内に挿入されるようにLPF/SPFターレット79,80を回転させる。
図26(A),(B)に示すように、広帯域光BBが第2GLPF82b、第1GSPF85aを順番に通過することで、図26(C)に示すような半値幅がhg4(>hg1)となる緑色狭帯域光Gn4が生成され、この緑色狭帯域光Gn4が光源装置76から出射される。これにより、緑色特殊光画像データが生成されてフレームメモリ56に記憶される。
距離判別部57は、新たにフレームメモリ56に記憶された緑色特殊光画像データに基づいて距離dを判別する。なお、この場合には、例えば緑色狭帯域光下での露光量と距離dとの関係を予め求めたデータテーブルなどが使用される。そして、CPU88は、距離判別部57の判別結果に基づきサブ観察モード及びB挿入パターンを決定し、このB挿入パターンに基づき、ターレット回転機構81を制御してLPF/SPFターレット79,80を回転させる。これにより、青色狭帯域光Bn1〜Bn4のうち、サブ観察モードに対応した青色狭帯域光が光源装置76から出射される。
以下同様にして、距離判別部57の判別結果に基づき、緑色狭帯域光Gn1〜Gn4のいずれかと、青色狭帯域光Bn1〜Bn4のいずれかとが光源装置76から交互に繰り返し出射される。第3実施形態においても、距離dが長くなるのに従って光源装置76から出射される青色狭帯域光及び緑色狭帯域光の半値幅が拡がるので、患者の管内に照射される両狭帯域光の光量が増加する。また、逆に距離dが短くなるのに従って、光源装置76から出射される青色狭帯域光及び緑色狭帯域光の半値幅が狭くなるので、患者の管内に照射される両狭帯域光の光量が減少する。その結果、第1実施形態と同様に、近景観察や遠景観察などの距離dの大きさに関係なく、良好な観察像が得られる。
上記第3実施形態では、青色特殊光画像データ及び緑色特殊光画像データがそれぞれフレームメモリ56に格納されるたびに距離dの判別を行っているが、例えば、両特殊光画像データのいずれか一方がフレームメモリ56に格納されたときにだけ距離dの判別を行ってもよい。
上記第3実施形態では、距離dが大きくなるのに従って、青色狭帯域光及び緑色狭帯域光の両方の半値幅を拡げているが、いずれか一方の狭帯域光の半値幅だけを拡げるようにしてもよい。
上記第3実施形態では、青色狭帯域光及び緑色狭帯域光の2種類の狭帯域光を出射しているが、LPFターレット及びSPFターレットのフィルタ数を増やして、例えば赤色狭帯域光を含む異なる3色以上の狭帯域光を出射してもよい。
上記第3実施形態では、青色狭帯域光及び緑色狭帯域光の2種類の狭帯域光を交互に出射する、いわゆる面順次照射方式の内視鏡システムを例に挙げて説明を行ったが、複数種類の照明光を同時に照射して複数種類の照明光を同時にカラーイメージセンサで撮像する混合同時照射方式の内視鏡システムにも本発明を適用することができる。
上記第1及び第3実施形態では、サブ観察モードとして、距離dの大きさに応じて4種類の第1〜第4距離観察モードを設けているが、LPFターレット及びSPFターレットのフィルタ数を増やして4種類以上の距離観察モードを設けてもよい。なお、第2実施形態も同様に2種類以上の距離観察モードを設けてもよい。
上記第1〜第3実施形態では、プロセッサ装置のCPUにより光源装置の各部を制御しているが、これら各部を制御するCPU等の制御部を光源装置に設けてもよい。
上記各実施形態では、距離dが増加するのに従って、狭帯域光の半値幅を拡げることにより狭帯域光の光量を増加させているが、例えば、狭帯域光の波長帯域を拡げることによって光量を増加させてもよい。
上記各実施形態の距離判別部57は、特殊光画像データの輝度信号に基づき露光量を検出することで距離dを判別しているが、これ以外の各種の公知技術を用いて距離dの判別を行ってもよい。
上記各実施形態では、特定の波長の光を利用して表層血管や中深層血管の特殊光観察を行う内視鏡システムについて例に挙げて説明を行ったが、特定の波長の光を利用して行う蛍光観察(Auto Fluorescence Imaging)、赤外光観察(Infra Red Imaging)、光線力学的診断(Photodynamic diagnosis)などの各種観察、診断に用いられる内視鏡システムに本発明を適用することができる。