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JP5266489B2 - ジーンサイレンシング抑制技術 - Google Patents

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Description

本発明は、ジーンサイレンシング(特に、植物のジーンサイレンシング)の技術に関する。詳細には、本発明は、ジーンサイレンシングを抑制する技術に関する。
外来遺伝子を真核生物へ導入することにより、有用タンパク質や物質を大量に得る技術において、RNAサイレンシングが起こり障害となっている。このため、遺伝子導入した生物においてサイレンシングが起きた場合、サイレンシング抑制タンパク質を用いることがあり、現在でも、一部利用されている(非特許文献1および非特許文献2)。
従来、サイレンシング抑制の技術では、完全長のタンパク質を用いており、短い部分だけを用いるということはなかった。例えば、完全長のサイレンシング抑制タンパク質として、タバモウイルスに属するトマトモザイクウイルス(ToMV)およびタバコモザイクウイルス(TMV)が使用されてきた(非特許文献3および非特許文献4)。
しかし、完全長のタンパク質をサイレンシング抑制技術に用いると、コードする遺伝子領域が長くなるので、発現ベクターの構築に時間を要するという問題があった。
竹田篤史、三瀬和之、奧野哲郎「植物ウイルスとRNAi」、化学と生物.43(7);468−475,2005 Voinnet O,Rivas S,Mestre P,Baulcombe D.「An enhanced transient expression system in plants based on suppression of gene silencing by the p19 protein of tomato bushy stunt virus」、Plant J.2003 Mar;33(5):949−56 Kubota et al.「Tomato mosaic virus replication protein suppresses virus−targeted posttranscriptional gene silencing」、Journal of Virology 2003 Oct;77(20):11016−26 Ding et al.「The Tobacco mosaic virus 126−kDa Protein Associated with Virus Replication and Movement Suppresses RNA Silencing」、MPMI Vol.17、No.6,2004、583−592
上記のように、従来は、サイレンシングを抑制するために、完全長のサイレンシング抑制タンパク質が用いられていた。この方法は、サイレンシング抑制タンパク質をコードする遺伝子領域が長くなり、発現ベクターの構築に時間を要し、効率のよい方法ではない。
外来遺伝子を真核生物へ導入することにより、有用タンパク質や物質を大量に得る技術において、RNAサイレンシングが起こり障害となり、このためこの抑制タンパク質が用いられることがあった。しかし、サイレンシング抑制タンパク質は完全長のタンパク質が用いられためコードする遺伝子領域が長くなり、発現ベクターの構築に時間を要した。これを解決する方法を見出すことを課題とする。
本発明者らは、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV SH株)(Ugaki et al.Journal of General Virology 1991,72:1487−1495)の完全長の129Kタンパク質ではなく,メチルトランスフェラーゼドメインをもつ短いタンパク質のみを発現するだけで、サイレンシングを抑制(遺伝子の高発現)することができることを見出したことによって上記課題を解決した。このように、サイレンシング抑制タンパク質のコードする遺伝子領域を短くし、効率よく発現ベクターを構築する方法を見出すことによって上記課題を解決した。
したがって、本発明はまた、遺伝子導入により生物において有用タンパク質あるいは有用物質を大量に生産することにおいて障害となる遺伝子のサイレンシングを抑制する技術を提供する。
このように、サイレンシング抑制タンパク質の一部部分を用いても、サイレンシングは抑制されることが判明したので、遺伝子導入により生物において有用タンパク質あるいは有用物質を大量に生産することにおいて障害となる遺伝子のサイレンシングを抑制することに役立つ。
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
(項目1)
(a)スイカ緑斑モザイクウイルス129Kタンパク質をコードする配列番号1に示す核酸配列またはそれに対応するタンパク質をコードする核酸配列のフラグメントであって、少なくとも配列番号1の1位〜912位に示す配列またはそれに対応する配列を含む、核酸配列;
(b)(a)の配列に対して1または数個の置換、付加または欠失を含む核酸配列;または
(c)(a)の配列を有する核酸に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列
を含み、かつ、発現されるとジーンサイレンシングを抑制する機能を有する産物をコードする核酸。
(項目2)
前記フラグメントが1440ヌクレオチドより長い場合、前記配列番号1の1438位〜1440位のヌクレオチドがコードするアミノ酸またはそれに対応するがグルタミンである、項目1に記載の核酸。
(項目3)
前記対応するタンパク質が、配列番号10〜23のいずれか1つに示すアミノ酸配列からなる、項目1に記載の核酸。
(項目4)
配列番号3に示す核酸配列を含む、項目1に記載の核酸。
(項目5)
配列番号3に示す核酸配列からなる、項目1に記載の核酸。
(項目6)
前記核酸は、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)の129Kタンパク質の完全長(配列番号1)よりも短い、項目1に記載の核酸。
(項目7)
項目1に記載の核酸を含む、単離された核酸構築物。
(項目8)
さらに、プロモーター配列を含む、項目7に記載の核酸構築物。
(項目9)
前記プロモーター配列は、35Sプロモーター、ユビキチンのプロモーターからなる群より選択されるプロモーターに由来する、項目8に記載の核酸構築物。
(項目10)
さらに、ターミネーター配列を含む、項目7に記載の核酸構築物。
(項目11)
前記ターミネーター配列は、Nosターミネーター、35Sのターミネーターからなる群より選択されるターミネーターに由来する、項目10に記載の核酸構築物。
(項目12)
35Sプロモーター配列およびNosターミネーター配列をさらに含む、項目7に記載の核酸構築物。
(項目13)
核酸構築物を製造するための方法であって、
A)項目1に記載の核酸にプロモーターを作動可能に連結させた核酸構築物を提供する工程;
B)該核酸構築物を用いて生物を形質転換する工程;および
C)該形質転換された生物について、ジーンサイレンシングが抑制されたものを選択する工程
を包含する、方法。
(項目14)
項目1に記載の核酸を含むベクター。
(項目15)
プロモーター配列をさらに含む、項目14に記載のベクター。
(項目16)
ターミネーター配列をさらに含む、項目14に記載のベクター。
(項目17)
項目1に記載の核酸を含む、生物。
(項目18)
前記生物が、植物である、項目17に記載の生物。
(項目19)
遺伝子導入を行なって生じたジーンサイレンシングを抑制する方法であって、該方法は、以下:
a)項目1に記載の核酸を含む核酸構築物を提供する工程;および
b)該核酸構築物を用いて該ジーンサイレンシングが起こった生物を形質転換する工程
を包含する、方法。
(項目20)
遺伝子導入を行なって生じたジーンサイレンシングを抑制するためのキットであって、該キットは、
項目1に記載の核酸;
該核酸を、該ジーンサイレンシングが起こった生物に導入するための手段、
を備える、キット。
(項目21)
生物において外来遺伝子のポリペプチドを生産する方法であって、該生産時に該生物においてジーンサイレンシングが生じ、該方法は、
a)該外来遺伝子をコードする核酸分子を該生物に導入する工程;
b)項目1に記載の核酸を含む核酸構築物を提供する工程;
c)該核酸構築物を用いて該生物を形質転換する工程;および
d)該生物を該ポリペプチドが発現する条件下におく工程、
を包含する、方法。
本発明により、完全長の129Kタンパク質ではなく,メチルトランスフェラーゼドメインをもつ短いタンパク質のみを発現するだけで、サイレンシングを抑制(すなわち、遺伝子の高発現)することが可能となった。
本発明はまた、遺伝子導入により生物において有用タンパク質あるいは有用物質を大量に生産することにおいて障害となる遺伝子のサイレンシングを抑制することを達成した。それにより、サイレンシングされてしまう遺伝子を恒常的に発現している生物により、所望のタンパク質や、物質を大量に発現させることにもつながる技術が提供される。
以下、本発明を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当上記分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を適宜説明する。
本明細書において使用される用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸」は、本明細書において同じ意味で使用され、任意の長さのヌクレオチドのポリマ−をいう。この用語はまた、「誘導体オリゴヌクレオチド」または「誘導体ポリヌクレオチド」を含む。「誘導体オリゴヌクレオチド」または「誘導体ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチドの誘導体を含むか、またはヌクレオチド間の結合が通常とは異なるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドをいい、互換的に使用される。そのようなオリゴヌクレオチドとして具体的には、例えば、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がホスホロチオエ−ト結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がN3’−P5’ホスホロアミデ−ト結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリボ−スとリン酸ジエステル結合とがペプチド核酸結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5プロピニルウラシルで置換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5チアゾ−ルウラシルで置換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンがC−5プロピニルシトシンで置換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフェノキサジン修飾シトシン(phenoxazine−modified cytosine)で置換された誘導体オリゴヌクレオチド、DNA中のリボ−スが2’−O−プロピルリボ−スで置換された誘導体オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド中のリボ−スが2’−メトキシエトキシリボ−スで置換された誘導体オリゴヌクレオチドなどが例示される。他にそうではないと示されなければ、特定の核酸配列はまた、明示的に示された配列と同様に、その保存的に改変された改変体(例えば、縮重コドン置換体)および相補配列を包含することが企図される。具体的には、縮重コドン置換体は、1またはそれ以上の選択された(または、すべての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換された配列を作成することにより達成され得る(Batzerら、Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605−2608(1985);Rossoliniら、Mol.Cell.Probes 8:91−98(1994))。
本明細書において「核酸分子」はまた、核酸、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドと互換可能に使用され、cDNA、mRNA、ゲノムDNAなどを含む。本明細書では、核酸および核酸分子は、用語「遺伝子」の概念に含まれ得る。ある遺伝子配列をコードする核酸分子はまた、「スプライス変異体(改変体)」を包含する。同様に、核酸によりコードされた特定のタンパク質は、その核酸のスプライス改変体によりコードされる任意のタンパク質を包含する。その名が示唆するように「スプライス変異体」は、遺伝子のオルタナティブスプライシングの産物である。転写後、最初の核酸転写物は、異なる(別の)核酸スプライス産物が異なるポリペプチドをコードするようにスプライスされ得る。スプライス変異体の産生機構は変化するが、エキソンのオルタナティブスプライシングを含む。読み過し転写により同じ核酸に由来する別のポリペプチドもまた、この定義に包含される。スプライシング反応の任意の産物(組換え形態のスプライス産物を含む)がこの定義に含まれる。
本明細書において「単離された」生物学的因子(例えば、核酸またはタンパク質など)とは、その生物学的因子が天然に存在する生物体の細胞内の他の生物学的因子(例えば、核酸である場合、核酸以外の因子および目的とする核酸以外の核酸配列を含む核酸;タンパク質である場合、タンパク質以外の因子および目的とするタンパク質以外のアミノ酸配列を含むタンパク質など)から実質的に分離または精製されたものをいう。「単離された」核酸およびタンパク質には、標準的な精製方法によって精製された核酸およびタンパク質が含まれる。したがって、単離された核酸およびタンパク質は、化学的に合成した核酸およびタンパク質を包含する。
本明細書において「精製された」生物学的因子(例えば、核酸またはタンパク質など)とは、その生物学的因子に天然に随伴する因子の少なくとも一部が除去されたものをいう。したがって、通常、精製された生物学的因子におけるその生物学的因子の純度は、その生物学的因子が通常存在する状態よりも高い(すなわち濃縮されている)。
本明細書において、「遺伝子」とは、遺伝形質を規定する因子をいう。通常染色体上に一定の順序に配列しているが染色体外のものも遺伝形質を規定する限り遺伝子の範疇に入る。タンパク質の一次構造を規定する構造遺伝子といい、その発現を左右する調節遺伝子という。
本明細書では、「遺伝子」は、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸」ならびに/または「タンパク質」「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」および「ペプチド」をさすことがある。本明細書においてはまた、「遺伝子産物」とは、遺伝子によって発現された「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸」ならびに/または「タンパク質」「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」および「ペプチド」をさす。当業者であれば、遺伝子産物が何たるかはその状況に応じて理解することができる。
本明細書において遺伝子(例えば、核酸配列、アミノ酸配列など)の「相同性」とは、2以上の遺伝子配列の、互いに対する同一性の程度をいう。従って、ある2つの遺伝子の相同性が高いほど、それらの配列の同一性または類似性は高い。2種類の遺伝子が相同性を有するか否かは、配列の直接の比較、または核酸の場合ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼ−ション法によって調べられ得る。2つの遺伝子配列を直接比較する場合、その遺伝子配列間でDNA配列が、代表的には少なくとも50%同一である場合、好ましくは少なくとも70%同一である場合、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である場合、それらの遺伝子は相同性を有する。本明細書において、遺伝子(例えば、核酸配列、アミノ酸配列など)の「類似性」とは、上記相同性において、保存的置換をポジティブ(同一)とみなした場合の、2以上の遺伝子配列の、互いに対する同一性の程度をいう。従って、保存的置換がある場合は、その保存的置換の存在に応じて同一性と類似性とは異なる。また、保存的置換がない場合は、同一性と類似性とは同じ数値を示す。
本明細書において「ストリンジェントなハイブリダイズ条件」とは、当該分野で慣用される周知の条件をいう。本発明のポリヌクレオチド中から選択されたポリヌクレオチドをプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより、そのようなポリヌクレオチドを得ることができる。具体的には、ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドは、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(saline−sodium citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウムである)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるポリヌクレオチドを意味する。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning 2nd ed.,Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 1−38、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University Press(1995)等の実験書に記載されている方法に準じて行うことができる。ここで、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列からは、好ましくは、A配列のみまたはT配列のみを含む配列が除外される。「ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド」とは、上記ハイブリダイズ条件下で別のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドをいう。ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドとして具体的には、本発明で具体的に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と少なくとも60%以上の相同性を有するポリヌクレオチド、好ましくは80%以上の相同性を有するポリヌクレオチド、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。
本明細書では塩基配列の類似性、同一性および相同性の比較は、配列分析用ツ−ルであるNCBIのBLAST 2.2.9(2004.5.12 発行)を用いてデフォルトパラメ−タを用いて算出される。本明細書における同一性の値は通常は上記BLASTを用い、デフォルトの条件でアラインした際の値をいう。ただし、パラメーターの変更により、より高い値が出る場合は、最も高い値を同一性の値とする。複数の領域で同一性が評価される場合はそのうちの最も高い値を同一性の値とする。
本明細書において「外来遺伝子」とは、ある生物において、その生物には天然には存在しない遺伝子をいう。そのような外来遺伝子は、その生物に天然に存在する遺伝子を改変したものであってもよく、天然において他の植物に存在する遺伝子であってもよく、人工的に合成した遺伝子であってもよく、それらの複合体(例えば、融合体)であってもよい。そのような外来遺伝子を含む生物は、天然では発現しない遺伝子産物を発現し得る。
人工的に合成した遺伝子を作製するためのDNA合成技術および核酸化学については、例えば、Gait,M.J.(1985).Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRLPress;Gait,M.J.(1990).Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press;Eckstein,F.(1991).Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approac,IRL Press;Adams,R.L.etal.(1992).The Biochemistry of the Nucleic Acids,Chapman&Hall;Shabarova,Z.et al.(1994).Advanced Organic Chemistry of Nucleic Acids,Weinheim;Blackburn,G.M.et al.(1996).Nucleic Acids in Chemistry and Biology,Oxford University Press;Hermanson,G.T.(I996).Bioconjugate Techniques,Academic Pressなどに記載されており、これらは本明細書において関連する部分が参考として援用される。
本明細書において「外来遺伝子」は、生物において発現し得るものであれば、どのようなものでもよい。従って、1つの実施形態において「外来遺伝子」は、大量に発現されることが企図される有用なタンパク質をコードするものであれば、どのようなものでもよく、そのようなものもまた、本発明の範囲内に含まれる。そのような外来遺伝子としては、例えば、医薬活性のあるペプチド(例えば、サイトカイン類(インタ−ロイキン類、ケモカイン類、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、multi−CSF(IL−3)、エリスロポエチン(EPO)、白血病抑制因子(LIF)、c−kitリガンド(SCF)のような造血因子、腫瘍壊死因子、インタ−フェロン類、血小板由来増殖因子(PDGF)、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、肝実質細胞増殖因子(HGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)など)、ホルモン類(インスリン、成長ホルモン、甲状腺ホルモンなど))、ワクチン抗原、血液製剤、農業生産上有用なペプチド、例えば抗菌タンパク質、生理作用・薬理作用を持つ二次代謝産物を合成する様々な酵素や加水分解酵素、酵素反応を調節するインヒビター、血圧効果作用を持つとされるダイズグリシニン、あるいは消化管内で酵素分解を受けることで生理活性ペプチドが切り出されるようにデザインされた人工タンパク質といったものがあげられるがそれらに限定されない。また栄養学的に意義のある物質としては、カゼイン、マメ類のアルブミンやグロブリン、あるいはビタミン類・糖・脂質の合成酵素などがあげられるがそれらに限定されない。さらに様々な加工食品の原料として加工特性に関与するタンパク質として、例えばコムギグルテニン(製パン)、ダイズグロブリン群(豆腐)、ミルクカゼイン群(チーズ)など、また食品の嗜好性や機能性を強化するタンパク質、例えばシクロデキストリンやオリゴ糖、γアミノ酢酸などの特殊な糖・アミノ酸類の合成酵素群、外観を良くする色素合成酵素や味覚成分合成に関与するタンパク質群、あるいは、消化管内で酵素消化を受けることにより、生理作用をもつペプチド(例えば血圧効果作用をもつ、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドなど)が切り出されるようにデザインされた人工タンパク質などがあげられるがこれらに限定されない。
本明細書において遺伝子、ポリヌクレオチド、ポリペプチドなどの「発現」とは、その遺伝子などがインビボで一定の作用を受けて、別の形態になることをいう。好ましくは、遺伝子、ポリヌクレオチドなどが、転写および翻訳されて、ポリペプチドの形態になることをいうが、転写されてmRNAが作製されることもまた発現の一形態であり得る。より好ましくは、そのようなポリペプチドの形態は、翻訳後プロセシングを受けたものであり得る。
従って、本明細書において遺伝子、ポリヌクレオチド、ポリペプチドなどの「発現」の「減少」とは、本発明の因子を作用させたときに、作用させないときよりも、発現の量が有意に減少することをいう。好ましくは、発現の減少は、ポリペプチドの発現量の減少を含む。より特定すると、発現の量が減少するとは、因子の作用前に比べて作用後の発現量が少なくとも約10%減少していることをいい、より好ましくは少なくとも約20%、さらに好ましくは少なくとも約30%、さらに好ましくは少なくとも約40%、さらに好ましくは少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約75%、さらに好ましくは少なくとも約90%、減少していることをいう。本明細書において遺伝子、ポリヌクレオチド、ポリペプチドなどの「発現」の「増加」とは、本発明の因子を作用させたときに、作用させないときよりも、発現の量が有意に増加することをいう。好ましくは、発現の増加は、ポリペプチドの発現量の増加を含む。より特定すると、発現の量が増加するとは、因子の作用前に比べて作用後の発現量が少なくとも約10%増加していることをいい、より好ましくは少なくとも約20%、さらに好ましくは少なくとも約30%、さらに好ましくは少なくとも約40%、さらに好ましくは少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約75%、さらに好ましくは少なくとも約90%、増加していること、あるいは、作用前には発現していなかったものが発現するようになることをいう。
本明細書において、「アミノ酸」は、天然のものでも非天然のものでもよい。「誘導体アミノ酸」または「アミノ酸アナログ」とは、天然に存在するアミノ酸とは異なるがもとのアミノ酸と同様の機能を有するものをいう。そのような誘導体アミノ酸およびアミノ酸アナログは、当該分野において周知である。用語「天然のアミノ酸」とは、天然のアミノ酸のL−異性体を意味する。天然のアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、システイン、プロリン、ヒスチジン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、γ−カルボキシグルタミン酸、アルギニン、オルニチン、およびリジンである。特に示されない限り、本明細書でいう全てのアミノ酸はL体であるが、D体のアミノ酸を用いた形態もまた本発明の範囲内にある。用語「非天然アミノ酸」とは、タンパク質中で通常は天然に見出されないアミノ酸を意味する。非天然アミノ酸の例として、ノルロイシン、パラ−ニトロフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、パラ−フルオロフェニルアラニン、3−アミノ−2−ベンジルプロピオン酸、ホモアルギニンのD体またはL体およびD−フェニルアラニンが挙げられる。「アミノ酸アナログ」とは、アミノ酸ではないが、アミノ酸の物性および/または機能に類似する分子をいう。アミノ酸アナログとしては、例えば、エチオニン、カナバニン、2−メチルグルタミンなどが挙げられる。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様な様式で機能する化合物をいう。
アミノ酸は、その一般に公知の3文字記号か、またはIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨される1文字記号のいずれかにより、本明細書中で言及され得る。ヌクレオチドも同様に、一般に認知された1文字コードにより言及され得る。
本明細書において「対応する」アミノ酸または核酸とは、あるポリペプチド分子またはポリヌクレオチド分子において、比較の基準となるポリペプチドまたはポリヌクレオチドにおける所定のアミノ酸またはヌクレオチドと同様の作用を有するか、または有することが予測されるアミノ酸またはヌクレオチドをいい、特に酵素分子にあっては、活性部位中の同様の位置に存在し触媒活性に同様の寄与をするアミノ酸をいう。例えば、アンチセンス分子であれば、そのアンチセンス分子の特定の部分に対応するオルソログにおける同様の部分であり得る。このような「対応する」アミノ酸または核酸は、一定範囲にわたる領域またはドメインであってもよい。従って、そのような場合、本明細書において「対応する」領域またはドメインと称される。
本明細書において、「対応する」遺伝子(例えば、ポリペプチド分子またはポリヌクレオチド分子)とは、ある種において比較の基準となる種における所定の遺伝子と同様の作用を有するか、または有することが予想される、別の種における遺伝子をいい、しばしば特定のアミノ酸配列が高度に保存されている領域が共通して見られる。このような特徴は、それらが進化的には同一祖先を有するものであり、ある遺伝子の対応する遺伝子は、その遺伝子のオルソログであり得る。対応する遺伝子は、同族遺伝子を包含する。対応する遺伝子は、当該分野において周知の技術を用いて同定することができる。したがって、例えば、ある生物における対応する遺伝子は、対応する遺伝子の基準となる遺伝子の配列をクエリ配列として用いてその生物の配列データベースを検索することによって見出すことができる。
本発明において、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)の129Kタンパク質の完全長のうちメチルトランスフェラーゼに対応する遺伝子としては、図5のようなものを挙げることができる。図5では、Tobacco mosaic virus Korean株(TMV−KR)、Tobacco mosaic virus Rakkyo株(TMV−RAK)、Tobacco mosaic virus(TMV)、Tomato mosaic virus(TOMV)、Pepper mild mottle virus(PMMV)、Tobacco mild green mosaic virus(TMGMV)、Tobacco mosaic virus Ob株(TMV−OB)、Odontoglossum ringspot virus(ORSV)、Turnip vein clearing virus(TVCV)、cricifer Tobacco mosaic virus(CR−TMV)、Chinese rape mosaic virus(CRMV)、Tobacco mosaic virus cg株(TMV−CG)、Cucumber green mottle mosaic virus(CGMMV)、Sun−hemp mosaic virus(SHMV)が示されている。
本明細書において「ヌクレオチド」は、天然のものでも非天然のものでもよい。「誘導体ヌクレオチド」または「ヌクレオチドアナログ」とは、天然に存在するヌクレオチドとは異なるがもとのヌクレオチドと同様の機能を有するものをいう。そのような誘導体ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログは、当該分野において周知である。そのような誘導体ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログの例としては、ホスホロチオエ−ト、ホスホルアミデ−ト、メチルホスホネ−ト、キラルメチルホスホネ−ト、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において、「フラグメント」とは、全長のポリペプチドまたはポリヌクレオチド(長さがn)に対して、1〜n−1までの配列長さを有するポリペプチドまたはポリヌクレオチドをいう。フラグメントの長さは、その目的に応じて、適宜変更することができ、例えば、その長さの下限としては、ポリペプチドの場合、3、4、5、6、7、8、9、10、15,20、25、30、40、50およびそれ以上のアミノ酸が挙げられ、ここの具体的に列挙していない整数で表される長さ(例えば、11など)もまた、下限として適切であり得る。また、ポリヌクレオチドの場合、5、6、7、8、9、10、15,20、25、30、40、50、75、100およびそれ以上のヌクレオチドが挙げられ、ここの具体的に列挙していない整数で表される長さ(例えば、11など)もまた、下限として適切であり得る。本明細書において、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの長さは、上述のようにそれぞれアミノ酸または核酸の個数で表すことができるが、上述の個数は絶対的なものではなく、同じ機能を有する限り、上限または下限としての上述の個数は、その個数の上下数個(または例えば上下10%)のものも含むことが意図される。そのような意図を表現するために、本明細書では、個数の前に「約」を付けて表現することがある。しかし、本明細書では、「約」のあるなしはその数値の解釈に影響を与えないことが理解されるべきである。
本明細書において「生物学的活性」とは、ある因子(例えば、ポリペプチドまたはタンパク質)が、生体内において有し得る活性のことをいい、種々の機能を発揮する活性が包含される。例えば、ある因子がアンチセンス分子である場合、その生物学的活性は、対象となる核酸分子への結合、それによる発現抑制などを包含する。例えば、ある因子が酵素である場合、その生物学的活性は、その酵素活性を包含する。別の例では、ある因子がリガンドである場合、そのリガンドが対応するレセプタ−への結合を包含する。そのような生物学的活性は、当該分野において周知の技術によって測定することができる。
本明細書において「アンチセンス活性」とは、標的となる遺伝子の発現を特異的に抑制または減少させることができる活性をいう。より具体的には細胞内に導入したあるヌクレオチド配列に依存して、その配列と相補的なヌクレオチド配列領域をもつ遺伝子のmRNA量を特異的に低下させることで、タンパク発現量を減少させ得る活性をいう。手法としては、標的となる遺伝子からつくられるmRNAに相補的なRNA分子を直接的に細胞に導入する方法と、細胞内に目的遺伝子と相補的なRNAを発現させ得る構築ベクターを導入する方法に大別されるが、植物においては、後者のほうが一般的である。
アンチセンス活性は、通常、目的とする遺伝子の核酸配列と相補的な、少なくとも8の連続するヌクレオチド長の核酸配列によって達成される。そのような核酸配列は、好ましくは、少なくとも9の連続するヌクレオチド長の、より好ましく10の連続するヌクレオチド長の、さらに好ましくは11の連続するヌクレオチド長の、12の連続するヌクレオチド長の、13の連続するヌクレオチド長の、14の連続するヌクレオチド長の、15の連続するヌクレオチド長の、20の連続するヌクレオチド長の、25の連続するヌクレオチド長の、30の連続するヌクレオチド長の、40の連続するヌクレオチド長の、50の連続するヌクレオチド長の、核酸配列であり得る。そのような核酸配列には、上述の配列に対して、少なくとも70%相同な、より好ましくは、少なくとも80%相同な、さらに好ましくは、90%相同な、95%相同な核酸配列が含まれる。そのようなアンチセンス活性は、目的とする遺伝子の核酸配列の5’末端の配列に対して相補的であることが好ましい。そのようなアンチセンスの核酸配列には、上述の配列に対して、1つまたは数個あるいは1つ以上のヌクレオチドの置換、付加および/または欠失を有するものもまた含まれる。したがって、本明細書において、「アンチセンス活性」には、遺伝子の発現量の減少が含まれるがそれらに限定されない。
一般的なアンチセンス技術については、教科書に記載されている(Murray,JAH eds.,Antisense RNA and DNA,Wiley−Liss Inc,1992)。さらに最新の研究でRNA interference(RNAi)と呼ばれる現象が明らかになり、アンチセンス技術の発展をもたらした。RNAiは、標的遺伝子に相同な配列をもつ短い長さの2本鎖RNA(20ベ−ス程度)を細胞内に導入すると、そのRNA配列に相同な標的遺伝子のmRNAが特異的に分解されて発現レベルが低下する現象である。当初線虫において発見されたこの現象は、植物を含めて生物に普遍的な現象であることがわかってきて、アンチセンス技術で標的遺伝子の発現が抑制される分子レベルのメカニズムは、このRNAiと同様のプロセスを経ることが解明された。従来は、標的遺伝子のヌクレオチド配列に相補的である1つのDNA配列を適当なプロモーターに連結して、その制御下に人工mRNAを発現させるような発現ベクターを構築して、細胞内に導入することが行われた。最近の知見においては、細胞内に2本鎖RNAを構成できるようにデザインされた発現ベクターが用いられる。基本構造はある標的遺伝子に相補的な1種のDNA配列をプロモーター下に1つを連結し、それと同じ物をさらに逆向きにもう1つ連結してつくられる。この構築遺伝子から転写された1本鎖のmRNAでは、逆向きにつながれた1種類のヌクレオチド配列部分が相補的な関係にあるため対合してヘアピン様の二次構造を持つ2本鎖RNA状態をとり、これがRNAiのメカニズムに従って標的遺伝子のmRNA分解を引き起こすわけである。植物においてはシロイヌナズナで用いられた例が報告されている(Smith,NA et al.,Nature 407.319−320,2000)。またRNAi全般については、最近の総説にまとめられている(森田と吉田、蛋白質・核酸・酵素47、1939−1945、2002)。これらの文献に記載された内容は、本明細書おいてその全体を参考として援用する。
本明細書において「RNAi」とは、RNA interferenceの略称で、二本鎖RNA(dsRNAともいう)のようなRNAiを引き起こす因子を細胞に導入することにより、相同なmRNAが特異的に分解され、遺伝子産物の合成が抑制される現象およびそれに用いられる技術をいう。本明細書においてRNAiはまた、場合によっては、RNAiを引き起こす因子と同義に用いられ得る。本明細書において、「転写後型遺伝子発現抑制(Post−transcriptional gene silencing;PTGS)」もまた、「RNAi」と交換可能に使用され得る。本明細書において「ジーンサイレンシング」、「RNAサイレンシング」もまた、「RNAi」を交換可能に使用され得る。
本明細書において「RNAiを引き起こす因子」とは、RNAiを引き起こすことができるような任意の因子をいう。本明細書において「遺伝子」に対して「RNAiを引き起こす因子」とは、その遺伝子に関するRNAiを引き起こし、RNAiがもたらす効果(例えば、その遺伝子の発現抑制など)が達成されることをいう。そのようなRNAiを引き起こす因子としては、例えば、標的遺伝子の核酸配列の一部に対して少なくとも約70%の相同性を有する配列またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む、少なくとも10ヌクレオチド長の二本鎖部分を含むRNAまたはその改変体が挙げられるがそれに限定されない。ここで、この因子は、好ましくは、3’突出末端を含み、より好ましくは、3’突出末端は、2ヌクレオチド長以上のDNA(例えば、2〜4ヌクレオチド長のDNAであり得る。
あるいは、本発明において用いられるRNAiとしては、例えば、短い逆向きの相補的配列(例えば、15bp以上であり、例えば、24bpなど)のペアが挙げられるがそれらに限定されない。
理論に束縛されないが、RNAiが働く機構として考えられるものの一つとして、dsRNAのようなRNAiを引き起こす分子が細胞に導入されると、比較的長い(例えば、40塩基対以上)RNAの場合、ヘリカーゼドメインを持つダイサー(Dicer)と呼ばれるRNaseIII様のヌクレアーゼがATP存在下で、その分子を3’末端から約20塩基対ずつ切り出し、短鎖dsRNA(siRNAとも呼ばれる)を生じる。本明細書において「siRNA」とは、short interfering RNAの略称であり、人工的に化学合成されるかまたは生化学的に合成されたものか、あるいは生物体内で合成されたものか、あるいは約40塩基以上の二本鎖RNAが体内で分解されてできた10塩基対以上の短鎖二本鎖RNAをいい、通常、5’−リン酸、3’−OHの構造を有しており、3’末端は約2塩基突出している。このsiRNAに特異的なタンパク質が結合して、RISC(RNA−induced−silencing−complex)が形成される。この複合体は、siRNAと同じ配列を有するmRNAを認識して結合し、RNaseIII様の酵素活性によってsiRNAの中央部でmRNAを切断する。siRNAの配列と標的として切断するmRNAの配列の関係については、100%一致することが好ましい。しかし、siRNAの中央から外れた位置についての塩基の変異については、完全にRNAiによる切断活性がなくなるのではなく、部分的な活性が残存する。他方、siRNAの中央部の塩基の変異は影響が大きく、RNAiによるmRNAの切断活性が極度に低下する。このような性質を利用して、変異をもつmRNAについては、その変異を中央に配したsiRNAを合成し、細胞内に導入することで特異的に変異を含むmRNAだけを分解することができる。従って、本発明では、siRNAそのものを、RNAiを引き起こす因子として用いることができるし、siRNAを生成するような因子(例えば、代表的に約40塩基以上のdsRNA)をそのような因子として用いることができる。
また、理論に束縛されることを希望しないが、siRNAは、上記経路とは別に、siRNAのアンチセンス鎖がmRNAに結合してRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)のプライマーとして作用し、dsRNAが合成され、このdsRNAが再びダイサーの基質となり、新たなsiRNAを生じて作用を増幅することも企図される。従って、本発明では、siRNA自体およびsiRNAが生じるような因子もまた、有用である。実際に、昆虫などでは、例えば35分子のdsRNA分子が、1,000コピー以上ある細胞内のmRNAをほぼ完全に分解することから、siRNA自体およびsiRNAが生じるような因子が有用であることが理解される。
本発明においてsiRNAと呼ばれる、約20塩基前後(例えば、代表的には約21〜23塩基長)またはそれ未満の長さの二本鎖RNAを用いることができる。このようなsiRNAは、細胞に発現させることにより遺伝子発現を抑制し、そのsiRNAの標的となる病原遺伝子の発現を抑えることから、疾患の治療、予防、予後などに使用することができる。
本発明において用いられるsiRNAは、RNAiを引き起こすことができる限り、どのような形態を採っていてもよい。
別の実施形態において、本発明のRNAiを引き起こす因子は、3’末端に突出部を有する短いヘアピン構造(shRNA;short hairpin RNA)であり得る。本明細書において「shRNA」とは、一本鎖RNAで部分的に回文状の塩基配列を含むことにより、分子内で二本鎖構造をとり、ヘアピンのような構造となる約20塩基対以上の分子をいう。そのようなshRNAは、人工的に化学合成される。あるいは、そのようなshRNAは、センス鎖およびアンチセンス鎖のDNA配列を逆向きに連結したヘアピン構造のDNAをT7 RNAポリメラーゼによりインビトロでRNAを合成することによって生成することができる。理論に束縛されることは希望しないが、そのようなshRNAは、細胞内に導入された後、細胞内で約20塩基(代表的には例えば、21塩基、22塩基、23塩基)の長さに分解され、siRNAと同様にRNAiを引き起こし、本発明の処置効果があることが理解されるべきである。このような効果は、昆虫、植物、動物(哺乳動物を含む)など広汎な生物において発揮されることが理解されるべきである。このように、shRNAは、siRNAと同様にRNAiを引き起こすことから、本発明の有効成分として用いることができる。shRNAはまた、好ましくは、3’突出末端を有し得る。二本鎖部分の長さは特に限定されないが、好ましくは約10ヌクレオチド長以上、より好ましくは約20ヌクレオチド長以上であり得る。ここで、3’突出末端は、好ましくはDNAであり得、より好ましくは少なくとも2ヌクレオチド長以上のDNAであり得、さらに好ましくは2〜4ヌクレオチド長のDNAであり得る。 本発明において用いられるRNAiを引き起こす因子は、人工的に合成した(例えば、化学的または生化学的)ものでも、天然に存在するものでも用いることができ、この両者の間で本発明の効果に本質的な違いは生じない。化学的に合成したものでは、液体クロマトグラフィーなどにより精製をすることが好ましい。
本発明において用いられるRNAiを引き起こす因子は、インビトロで合成することもできる。この合成系において、T7 RNAポリメラーゼおよびT7プロモーターを用いて、鋳型DNAからアンチセンスおよびセンスのRNAを合成する。これらをインビトロでアニーリングした後、細胞に導入すると、上述のような機構を通じてRNAiが引き起こされ、本発明の効果が達成される。ここでは、例えば、リン酸カルシウム法でそのようなRNAを細胞内に導入することができる。
本発明のRNAiを引き起こす因子としてはまた、mRNAとハイブリダイズし得る一本鎖、あるいはそれらのすべての類似の核酸アナログのような因子も挙げられる。そのような因子もまた、本発明の処置方法および組成物において有用である。
本明細書では、「ジーンサイレンシングの抑制」とは、ジーンサイレンシングまたはRNAiを抑制することをいう。その結果、ジーンサイレンシングまたはRNAiによって発現が抑制されていたタンパク質(または他の遺伝子発現産物)の発現が亢進され、好ましくはもとの(正常な)発現レベルにもどる。
本明細書において「サイレンシング抑制タンパク質」とは、RNAiを抑制するタンパク質をいう。
本明細書において「129Kタンパク質」とは、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)の複製酵素であり、メチルトランスフェラーゼ領域(MT)およびヘリガーゼ領域から構成される3435bpのドメインである。スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)のメチルトランスフェラーゼ(MT)領域は、1899bpである。
本発明では、この中で、(a)スイカ緑斑モザイクウイルス129Kタンパク質をコードする配列番号1に示す核酸配列またはそれに対応するタンパク質をコードする核酸配列のフラグメントであって、少なくとも配列番号1の1位〜912位に示す配列またはそれに対応する配列を含む領域が非常に重要であることが理解される。したがって、スイカ緑斑モザイクウイルス129Kタンパク質をコードする配列番号1に示す核酸配列またはそれに対応するタンパク質をコードする核酸配列のフラグメントであって、少なくとも配列番号1の1位〜912位に示す配列またはそれに対応する配列を含む領域を含み、発現されると、ジーンサイレンシングを抑制する機能を有するものが、有用であることが判明した。
本発明の核酸には、(b)上記(a)の配列に対して1または数個の置換、付加または欠失を含む核酸配列;または(c)上記(a)の配列を有する核酸に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列を含み、かつ、発現されるとジーンサイレンシングを抑制する機能を有する産物をコードする核酸も含まれ得る。
本発明では、メチルトランスフェラーゼは、前記フラグメントが1440ヌクレオチドより長い場合、前記配列番号1の1438位〜1440位のヌクレオチドがコードするアミノ酸またはそれに対応するがグルタミンである。前記対応するタンパク質が、配列番号10〜23のいずれか1つに示すアミノ酸配列からなるメチルトランスフェラーゼも本発明において試用され得る。本発明においてメチルトランスフェラーゼは、例えば、配列番号3に示す核酸配列を含むものであってもよく、配列番号3に示す核酸配列からなるものであってもよい。
本発明では、メチルトランスフェラーゼとして、例えば、Shintaku,M.H.ら(Virogy 221:218−225、1996)により報告されているM株(MIC)のcDNAに部位特異的に変異を導入することにより作製された変異体も使用され得る(MPMI Vol.17、No.6、583−592、2004を参照のこと。)。これらは、下記表を参考して作製され得る。
本明細書において、外来遺伝子のポリペプチドを生産する方法としては、例えば、遺伝子操作手法を利用して、そのポリペプチドをコードする遺伝子を適切な発現ベクターに組み込み、これを用いて発現宿主を形質転換し、この形質転換細胞の培養上清から組換えポリペプチドを得ることができる。上記宿主細胞は、外来遺伝子の少なくとも1つの生理活性を保持するポリペプチドを発現するものであれば、特に限定されず、従来から遺伝子操作において利用される各種の宿主細胞(例えば、植物細胞のほか、大腸菌、酵母、動物細胞など)を用いることが可能である。このようにして得られた細胞に由来するポリペプチドは、天然型のポリペプチドと実質的に同一の作用を有する限り、アミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換、付加および/または欠失していてもよく、糖鎖が置換、付加および/または欠失していてもよい。
あるアミノ酸は、相互作用結合能力の明らかな低下または消失なしに、例えば、カチオン性領域または基質分子の結合部位のようなタンパク質構造において他のアミノ酸に置換され得る。あるタンパク質の生物学的機能を規定するのは、タンパク質の相互作用能力および性質である。従って、特定のアミノ酸の置換がアミノ酸配列において、またはそのDNAコード配列のレベルにおいて行われ得、置換後もなお、もとの性質を維持するタンパク質が生じ得る。従って、生物学的有用性の明らかな損失なしに、種々の改変が、本明細書において開示されたペプチドまたはこのペプチドをコードする対応するDNAにおいて行われ得る。
上記のような改変を設計する際に、アミノ酸の疎水性指数が考慮され得る。タンパク質における相互作用的な生物学的機能を与える際の疎水性アミノ酸指数の重要性は、一般に当該分野で認められている(Kyte.JおよびDoolittle,R.F.J.Mol.Biol.157(1):105−132,1982)。アミノ酸の疎水的性質は、生成したタンパク質の二次構造に寄与し、次いでそのタンパク質と他の分子(例えば、酵素、基質、レセプタ−、DNA、抗体、抗原など)との相互作用を規定する。各アミノ酸は、それらの疎水性および電荷の性質に基づく疎水性指数を割り当てられる。それらは:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5))である。
あるアミノ酸を、同様の疎水性指数を有する他のアミノ酸により置換して、そして依然として同様の生物学的機能を有するタンパク質(例えば、酵素活性において等価なタンパク質)を生じさせ得ることが当該分野で周知である。このようなアミノ酸置換において、疎水性指数が±2以内であることが好ましく、±1以内であることがより好ましく、および±0.5以内であることがさらにより好ましい。疎水性に基づくこのようなアミノ酸の置換は効率的であることが当該分野において理解される。
タンパク質の改変においては、親水性指数もまた、考慮され得る。米国特許第4,554,101号に記載されるように、以下の親水性指数がアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。アミノ酸が同様の親水性指数を有しかつ依然として生物学的等価体を与え得る別のものに置換され得ることが理解される。このようなアミノ酸置換において、親水性指数が±2以内であることが好ましく、±1以内であることがより好ましく、および±0.5以内であることがさらにより好ましい。
本発明において、「保存的置換」とは、アミノ酸置換において、元のアミノ酸と置換されるアミノ酸との親水性指数または/および疎水性指数が上記のように類似している置換をいう。保存的置換の例としては、例えば、親水性指数または疎水性指数が、±2以内のもの同士、好ましくは±1以内のもの同士、より好ましくは±0.5以内のもの同士のものが挙げられるがそれらに限定されない。従って、保存的置換の例は、当業者に周知であり、例えば、次の各グル−プ内での置換:アルギニンおよびリジン;グルタミン酸およびアスパラギン酸;セリンおよびスレオニン;グルタミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロイシン、およびイソロイシン、などが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において、「改変体」とは、もとのポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどの物質に対して、一部が変更されているものをいう。そのような改変体としては、置換改変体、付加改変体、欠失改変体、短縮(truncated)改変体、対立遺伝子変異体などが挙げられる。対立遺伝子(allele)とは、同一遺伝子座に属し、互いに区別される遺伝的改変体のことをいう。従って、「対立遺伝子変異体」とは、ある遺伝子に対して、対立遺伝子の関係にある改変体をいう。そのような対立遺伝子変異体は、通常その対応する対立遺伝子と同一または非常に類似性の高い配列を有し、通常はほぼ同一の生物学的活性を有するが、まれに異なる生物学的活性を有することもある。「種相同体またはホモログ(homolog)」とは、ある種の中で、ある遺伝子とアミノ酸レベルまたはヌクレオチドレベルで、相同性(好ましくは、60%以上の相同性、より好ましくは、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上の相同性)を有するものをいう。そのような種相同体を取得する方法は、本明細書の記載から明らかである。「オルソログ(ortholog)」とは、オルソロガス遺伝子(orthologous gene)ともいい、二つの遺伝子がある共通祖先からの種分化に由来する遺伝子をいう。例えば、多重遺伝子構造をもつヘモグロビン遺伝子ファミリ−を例にとると、ヒトおよびマウスのαヘモグロビン遺伝子はオルソログであるが,ヒトのαヘモグロビン遺伝子およびβヘモグロビン遺伝子はパラログ(遺伝子重複で生じた遺伝子)である。また、システインプロテアーゼインヒビターである、ヒトのシスタチンAと、イネのオリザシスタチンとを比較すると、標的となるプロテアーゼとの相互作用に重要と考えられる3箇所の短いアミノ酸モチ−フが保存されているだけで、他の部分のアミノ酸の共通性は非常に低い。しかし、両者はともにシスタチン遺伝子スーパーファミリーに属し、共通祖先遺伝子を持つとされていることから、単に全体的なアミノ酸の相同性に限らず、局所的に高い相同性を持つアミノ酸配列が共通して存在する場合も、オルソログたり得る。このように、オルソログは、通常別の種においてもとの種と同様の機能を果たしていることがあり得ることから、本発明のオルソログもまた、本発明において有用であり得る。本発明においてターゲットとなるプロラミンは、数多くのメンバーを有するファミリーを形成し、そのようなものは、保存的に改変された改変体ということもできる。
本明細書において「保存的(に改変された)改変体」は、アミノ酸配列および核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された改変体とは、同一のまたは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸をいい、核酸がアミノ酸配列をコードしない場合には、本質的に同一な配列をいう。遺伝コードの縮重のため、多数の機能的に同一な核酸が任意の所定のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCG、およびGCUはすべて、アミノ酸アラニンをコードする。したがって、アラニンがコドンにより特定される全ての位置で、そのコドンは、コードされたポリペプチドを変更することなく、記載された対応するコドンの任意のものに変更され得る。このような核酸の変動は、保存的に改変された変異の1つの種である「サイレント改変(変異)」である。ポリペプチドをコードする本明細書中のすべての核酸配列はまた、その核酸の可能なすべてのサイレント変異を記載する。当該分野において、核酸中の各コドン(通常メチオニンのための唯一のコドンであるAUG、および通常トリプトファンのための唯一のコドンであるTGGを除く)が、機能的に同一な分子を産生するために改変され得ることが理解される。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、記載された各配列において暗黙に含まれる。好ましくは、そのような改変は、ポリペプチドの高次構造に多大な影響を与えるアミノ酸であるシステインの置換を回避するようになされ得る。このような塩基配列の改変法としては、制限酵素などによる切断、DNAポリメラーゼ、Klenowフラグメント、DNAリガーゼなどによる処理等による連結等の処理、合成オリゴヌクレオチドなどを用いた部位特異的塩基置換法(特定部位指向突然変異法;Mark Zoller and Michael Smith,Methods in Enzymology,100,468−500(1983))が挙げられるが、この他にも通常分子生物学の分野で用いられる方法によって改変を行うこともできる。
本明細書中において、機能的に等価なポリペプチドを作製するために、アミノ酸の置換のほかに、アミノ酸の付加、欠失、または修飾もまた行うことができる。アミノ酸の置換とは、もとのペプチドを1つ以上、例えば、1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個のアミノ酸で置換することをいう。アミノ酸の付加とは、もとのペプチド鎖に1つ以上、例えば、1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個のアミノ酸を付加することをいう。アミノ酸の欠失とは、もとのペプチドから1つ以上、例えば、1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個のアミノ酸を欠失させることをいう。アミノ酸修飾は、アミド化、カルボキシル化、硫酸化、ハロゲン化、アルキル化、グリコシル化、リン酸化、水酸化、アシル化(例えば、アセチル化)などを含むが、これらに限定されない。置換、または付加されるアミノ酸は、天然のアミノ酸であってもよく、非天然のアミノ酸、またはアミノ酸アナログでもよい。天然のアミノ酸が好ましい。
本明細書において使用される用語「ペプチドアナログ」または「ペプチド誘導体」とは、ペプチドとは異なる化合物であるが、ペプチドと少なくとも1つの化学的機能または生物学的機能が等価であるものをいう。したがって、ペプチドアナログには、もとのペプチドに対して、1つ以上のアミノ酸アナログまたはアミノ酸誘導体が付加または置換されているものが含まれる。ペプチドアナログは、その機能が、もとのペプチドの機能(例えば、pKa値が類似していること、官能基が類似していること、他の分子との結合様式が類似していること、水溶性が類似していることなど)と実質的に同様であるように、このような付加または置換がされている。そのようなペプチドアナログは、当該分野において周知の技術を用いて作製することができる。したがって、ペプチドアナログは、アミノ酸アナログを含むポリマ−であり得る。
本明細書において、「ポリヌクレオチドアナログ」、「核酸アナログ」は、交換可能に用いられ、ポリヌクレオチドまたは核酸とは異なる化合物であるが、ポリヌクレオチドまたは核酸と少なくとも1つの化学的機能または生物学的機能が等価であるものをいう。したがって、ポリヌクレオチドアナログまたは核酸アナログには、もとのペプチドに対して、1つ以上のヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド誘導体が付加または置換されているものが含まれる。
本明細書において使用される核酸分子は、発現されるポリペプチドが天然型のポリペプチドと実質的に同一の活性を有する限り、上述のようにその核酸の配列の一部が欠失または他の塩基により置換されていてもよく、あるいは他の核酸配列が一部挿入されていてもよい。あるいは、5’末端および/または3’末端に他の核酸が結合していてもよい。また、ポリペプチドをコードする遺伝子をストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、そのポリペプチドと実質的に同一の機能を有するポリペプチドをコードする核酸分子でもよい。このような遺伝子は、当該分野において公知であり、本発明において利用することができる。
このような核酸は、周知のPCR法により得ることができ、化学的に合成することもできる。これらの方法に、例えば、部位特異的変位誘発法、ハイブリダイゼ−ション法などを組み合わせてもよい。
本明細書において、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの「置換、付加および/または欠失」とは、もとのポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対して、それぞれアミノ酸もしくはその代替物、またはヌクレオチドもしくはその代替物が、置き換わること、付け加わることまたは取り除かれることをいう。このような置換、付加または欠失の技術は、当該分野において周知であり、そのような技術の例としては、部位特異的変異誘発技術などが挙げられる。置換、付加または欠失は、1つ以上であれば任意の数でよく、そのような数は、その置換、付加または欠失を有する改変体において目的とする機能(例えば、ホルモン、サイトカインの情報伝達機能など)が保持される限り、多くすることができる。例えば、そのような数は、1または数個であり得、そして好ましくは、全体の長さの20%以内、10%以内、または100個以下、50個以下、25個以下などであり得る。
本明細書において、遺伝子が「特異的に発現する」とは、その遺伝子が、植物の特定の部位または時期において他の部位または時期とは異なる(好ましくは高い)レベルで発現されることをいう。特異的に発現するとは、ある部位(特異的部位)にのみ発現してもよく、それ以外の部位においても発現していてもよい。好ましくは特異的に発現するとは、ある部位においてのみ発現することをいう。
本明細書において、遺伝子が「特異的に抑制される」とは、その遺伝子が、植物の特定の部位または時期において他の部位または時期とは異なる(好ましくは高い)レベルで抑制されることをいう。特異的に発現するとは、ある部位(特異的部位)にのみ抑制されてもよく、それ以外の部位においても抑制されていてもよい。好ましくは特異的に抑制されるとは、ある部位においてのみ抑制されることをいう。
本明細書において、「遺伝子構築物」、「核酸構築物」または「遺伝子カセット」とは、交換可能に用いられ、遺伝子をコードする核酸分子(例えば、DNA、RNA)と、これに必要に応じて作動可能に(すなわち、その核酸の発現を制御し得るように)連結された制御配列(例えば、プロモーター)とを含む核酸配列、ならびに、必要に応じて制御配列(例えば、プロモーター)と、これに作動可能に(すなわち、インフレームに)連結された異種遺伝子とを含む核酸分子をいう。このカセットまたは構築物は、必要に応じて他の調節エレメントと組み合わせて使用することもまた、本発明の範囲に含まれる。好ましい発現カセットは、特定の制限酵素で切断され、容易に回収され得る遺伝子カセットまたは核酸構築物である。
そのような遺伝子構築物またはベクターの導入方法としては、細胞にDNAなどの核酸分子を導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、トランスフェクション、形質導入、形質転換などが挙げられる(例えば、エレクトロポレーション法、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法など)。そのような核酸分子の導入技術は、当該分野において周知であり、かつ、慣用されるものであり、例えば、Ausubel F.A.ら編(1988)、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley、New York、NY;Sambrook Jら(1987)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.およびその第三版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997などに記載される。遺伝子の導入は、ノーザンブロット、ウェスタンブロット分析のような本明細書に記載される方法または他の周知慣用技術を用いて確認することができる。
本明細書において遺伝子について言及する場合、「ベクター」または「組み換えベクター」とは、目的のポリヌクレオチド配列を目的の細胞へと移入させることができるベクターをいう。そのようなベクターとしては、原核細胞、酵母、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、動物個体および植物個体などの宿主細胞において自立複製が可能、または染色体中への組込みが可能で、本発明のポリヌクレオチドの転写に適した位置にプロモーターを含有しているものが例示される。本発明において使用され得るベクターとしては、例えば、pBI221、pBI121等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明では、目的のポリヌクレオチド配列を目的の細胞へと移入させることができさえすれば、どのようなベクターでも使用され得る。
また、ベクターの導入方法としては、細胞にDNAなどの核酸分子を導入する上述のような方法であればいずれも用いることができ、例えば、トランスフェクション、形質導入、形質転換など(例えば、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法[Methods.Enzymol.,194,182(1990)]、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法など)、リポフェクション法、スフェロプラスト法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,1929(1978)]、酢酸リチウム法[J.Bacteriol.,153,163(1983)]、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75,1929(1978)記載の方法が挙げられる。
本明細書において「ターミネーター」とは、遺伝子のタンパク質をコードする領域の下流に位置し、DNAがmRNAに転写される際の転写の終結、ポリA配列の付加に関与する配列である。ターミネーターとしては、NOSターミネーター、35Sターミネーター等が挙げられるが、これに限定されない。本発明では、生物においてターミネーターの活性を示すものであれば、どのような配列でも使用することができる。
本明細書において「プロモーター」とは、遺伝子の転写の開始部位を決定し、またその頻度を直接的に調節するDNA上の領域をいい、RNAポリメラーゼが結合して転写を始める塩基配列である。プロモーターの領域は、通常、推定タンパク質コード領域の第1エキソンの上流約2kbp以内の領域に見出されることが多いので、DNA解析用ソフトウエアを用いてゲノム塩基配列中のタンパク質コード領域を予測すれば、プロモ−タ領域を推定することはできる。推定プロモーター領域は、構造遺伝子ごとに変動するが、通常構造遺伝子の上流にあるが、これらに限定されず、構造遺伝子の中または下流にも存在し得る。好ましくは、推定プロモーター領域は、第一エキソン翻訳開始点から上流約2kbp以内に存在するがそれに限定されず、それ以外にもプロモーターは存在する。好ましくは、本発明では、特異的に発現させるプロモーターが使用され得る。そのような特異的プロモーターとしては、貯蔵タンパク質における特異的な発現を駆動するプロモーターが好ましいがそれに限定されない。より好ましくは、本発明では、プロモーターは、35Sプロモーター、トウモロコシ等のユビキチンのプロモーター等が使用され得るが、それに限定されない。
本明細書において、本発明のプロモーターの発現が「構成的」であるとは、生物のすべての組織において、その生物の生長の幼若期または成熟期のいずれにあってもほぼ一定の量で発現される性質をいう。
本明細書において「作動可能に連結された(る)」とは、所望の配列の発現(作動)がある転写翻訳調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)または翻訳調節配列の制御下に配置されることをいう。プロモーターが遺伝子に作動可能に連結されるためには、通常、その遺伝子のすぐ上流にプロモーターが配置されるが、必ずしも隣接して配置される必要はない。
本明細書において、核酸を細胞に導入する技術は、どのような技術でもよく、例えば、形質転換、形質導入、トランスフェクションなどが挙げられる。そのような核酸の導入技術は、当該分野において周知であり、かつ、慣用されるものであり、例えば、Ausubel F.A.ら編(1988)、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley、New York、NY;Sambrook Jら(1987)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.およびその3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997などに記載される。遺伝子の導入は、ノ−ザンブロット、ウェスタンブロット分析のような本明細書に記載される方法または他の周知慣用技術を用いて確認することができる。
また、ベクターの導入方法としては、細胞にDNAを導入する上述のような方法であればいずれも用いることができ、例えば、トランスフェクション、形質導入、形質転換など(例えば、パ−ティクルガン(遺伝子銃)、リン酸カルシウム法、リポソ−ム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレ−ション法を用いる方法など)、リポフェクション法、スフェロプラスト法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,1929(1978)]、酢酸リチウム法[J.Bacteriol.,153,163(1983)]、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75,1929(1978)記載の方法が挙げられる。
本明細書において「遺伝子導入試薬」とは、遺伝子導入方法において、導入効率を促進するために用いられる試薬をいう。そのような遺伝子導入試薬としては、例えば、カチオン性高分子、カチオン性脂質、ポリアミン系試薬、ポリイミン系試薬、リン酸カルシウムなどが挙げられるがそれらに限定されない。トランスフェクションの際に利用される試薬の具体例としては、種々なソ−スから市販されている試薬が挙げられ、例えば、Effectene Transfection Reagent(cat.no.301425,Qiagen,CA),TransFastTM Transfection Reagent(E2431,Promega,WI),TfxTM−20 Reagent(E2391,Promega,WI),SuperFect Transfection Reagent(301305,Qiagen,CA),PolyFect Transfection Reagent(301105,Qiagen,CA),LipofectAMINE 2000 Reagent(11668−019,Invitrogen corporation,CA),JetPEI(×4)conc.(101−30,Polyplus−transfection,France)およびExGen 500(R0511,Fermentas Inc.,MD)などが挙げられるがそれらに限定されない。
本発明を植物において利用する場合、植物細胞への植物発現ベクターの導入には、当業者に周知の方法、例えば、アグロバクテリウムを介する方法および直接細胞に導入する方法、が用いられ得る。アグロバクテリウムを介する方法としては、例えば、Nagelらの方法(Nagelら(1990)、Microbiol.Lett.,67,325)が用いられ得る。この方法は、まず、例えば植物に適切な発現ベクターでエレクトロポレ−ションによってアグロバクテリウムを形質転換し、次いで、形質転換されたアグロバクテリウムをGelvinら(Gelvinら編(1994)、Plant Molecular Biology Manual(Kluwer Academic Press Publishers))に記載の方法で植物細胞に導入する方法である。植物発現ベクターを直接細胞に導入する方法としては、パ−ティクルガン法(Christouら(1991)、Bio/Technology 9:957−962を参照のこと)ならびにポリエチレングリコ−ル(PEG)法(Dattaら(1990)、Bio/Technology 8:736−740を参照のこと)、エレクトロポレ−ション法(Shimamotoら(1989)、Nature、338:274−276;およびRhodesら(1989)、Science、240:204−207を参照のこと)が挙げられる。これらの方法は、当該分野において周知であり、形質転換する植物に適した方法が、当業者により適宜選択され得る。
本発明は、植物において特に有用であることが示されているが、他の生物においても利用することができる。本発明において使用される分子生物学技術は、当該分野において周知であり、かつ、慣用されるものであり、例えば、Ausubel F.A.ら編(1988)、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley、New York、NY;Sambrook Jら (1987)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.およびその第3版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997などに記載される。
本明細書において「形質転換体」とは、形質転換によって作製された細胞などの生命体の全部または一部をいう。形質転換体としては、原核細胞、酵母、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞等が例示される。形質転換体は、その対象に依存して、形質転換細胞、形質転換組織、形質転換宿主などともいわれ、本明細書においてそれらの形態をすべて包含するが、特定の文脈において特定の形態を指し得る。
形質転換を行う方法において、物理的手法には、パ−ティクルガン法、ポリエチレングリコ−ル法(PEG法)、電子穿孔(エレクトロポレ−ション)法、マイクロインジェクション法がある。
本発明において、形質転換体では、目的とする核酸分子(導入遺伝子)は、染色体に導入されていても導入されていなくてもよい。好ましくは、目的とする核酸分子(導入遺伝子)は、染色体に導入されており、より好ましくは、2つの染色体の両方に導入されている。
本明細書において「植物」とは、植物界に属する生物の総称であり、クロロフィル、かたい細胞壁、豊富な永続性の胚的組織の存在,および運動する能力がない生物により特徴付けられる。代表的には、植物は、細胞壁の形成・クロロフィルによる同化作用をもつ顕花植物をいう。「植物」は、単子葉植物および双子葉植物のいずれも含む。好ましい植物としては、例えば、イネ、タマネギ、タバコ、トマト、メロン、スイカ等が挙げられる。好ましい植物は作物に限られず、花、樹木、芝生、雑草なども含まれる。特に他で示さない限り、植物は、植物体、植物器官、植物組織、植物細胞、および種子のいずれをも意味する。植物器官の例としては、根、葉、茎、および花などが挙げられる。植物細胞の例としては、カルスおよび懸濁培養細胞が挙げられる。
本明細書において「生物体」(または、植物の場合「植物体」)とは、当該分野における最も広義に用いられ、生命現象を営むもの(または植物)をいい、代表的には、細胞構造、増殖(自己再生産)、成長、調節性、物質代謝、修復能力など種々の特性を有し、通常、核酸のつかさどる遺伝と、タンパク質のつかさどる代謝の関与する増殖を基本的な属性として有する。生物には、原核生物、真核生物(植物、動物など)などが包含される。好ましくは、本発明では、生物は、植物であり得る。本明細書では、好ましくは、そのような植物体は稔性であり得る。より好ましくは、そのような植物体は、種子を生産し得る。
本明細書において、「トランスジェニック」とは、特定の遺伝子がある生物に組み込むことまたは組み込まれた生物(例えば、植物(イネ、タマネギなど)を含む)をいう。
(好ましい実施形態の説明)
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでない。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
(核酸)
1つの局面において、本発明は、(a)スイカ緑斑モザイクウイルス129Kタンパク質をコードする配列番号1に示す核酸配列またはそれに対応するタンパク質をコードする核酸配列のフラグメントであって、少なくとも配列番号1の1位〜912位に示す配列またはそれに対応する配列を含む、核酸配列;(b)(a)の配列に対して1または数個の置換、付加または欠失を含む核酸配列;または(c)(a)の配列を有する核酸に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列を含み、かつ、発現されるとジーンサイレンシングを抑制する機能を有する、核酸(ジーンサイレンシング抑制核酸ともいう)に関する。ここでいうジーンサイレンシングは、どのような遺伝子(RNA)も対象にできる(タンパク質をコードしていようと、マイクロRNAやtRNAのようにコードしていまいと、転写される限り対象にできる)。なぜなら、このような抑制タンパク質がなぜサイレンシングを抑制するかについては、RNA単独あるいはRNAとそれに結合しているタンパク質との複合体(リボタンパク質)に作用(結合)し、RNA分解の過程が阻害されると考えられるからである。
1つの実施形態において、本発明の核酸は、前記フラグメントが1440ヌクレオチドより長い場合、前記配列番号1の1438位〜1440位のヌクレオチドがコードするアミノ酸またはそれに対応するがグルタミンである。
他の実施形態において、本発明の核酸は、前記対応するタンパク質が、配列番号10〜23のいずれか1つに示すアミノ酸配列からなる。
好ましくは、本発明は、配列番号3に示す核酸配列を含むか、配列番号3に示す核酸配列からなる核酸を提供する。この核酸は、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)の129Kタンパク質の完全長よりも短いという特徴を有する。
(核酸構築物)
他の局面において、本発明は、本発明のジーンサイレンシング抑制核酸(好ましくは、少なくとも配列番号3に示す核酸配列)を含む、単離された核酸構築物を提供する。
1つの実施形態において、本発明の核酸構築物は、プロモーター配列をさらに含み得る。例えば、このプロモーター配列としては、35Sプロモーター、トウモロコシ等のユビキチンのプロモーター等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用され得るプロモーター配列は、本発明の核酸の転写の開始部位を決定し、またその頻度を直接的に調節しうるものであれば、どのようなものでもよい。本発明の核酸構築物は、本発明の核酸とプロモーター配列との間にスペーサー配列を含んでいても、いなくてもよい。
他の実施形態において、本発明の核酸構築物は、ターミネーター配列をさらに含み得る。例えば、このターミネーター配列としては、Nosターミネーター、35Sターミネーター等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用され得るターミネーター配列は、本発明の核酸の転写を終結しうるものであれば、どのようなものでもよい。本発明の核酸構築物は、本発明の核酸とプロモーター配列との間にスペーサー配列を含んでいても、いなくてもよい。
好ましい実施形態において、本発明の核酸構築物は、35Sプロモーター配列およびNosターミネーター配列をさらに含み得る。
(核酸構築物の製造方法)
別の局面において、本発明は、核酸構築物を製造するための方法を提供する。この方法は、以下:A)少なくとも本発明のジーンサイレンシング抑制核酸(好ましくは、少なくとも配列番号3に示す核酸配列)にプロモーターを作動可能に連結させた核酸構築物を提供する工程;B)該核酸構築物を用いて生物を形質転換する工程;およびC)該形質転換された生物について、ジーンサイレンシングが抑制されたものを選択する工程を包含する。ここで核酸および核酸構築物は、上述の(核酸)および(核酸構築物)に記載される任意の形態が使用され得る。
(ベクター)
別の局面において、本発明は、少なくとも本発明のジーンサイレンシング抑制核酸(好ましくは、少なくとも配列番号3に示す核酸配列)を含むベクターを提供する。
1つの実施形態において、本発明のベクターは、プロモーター配列をさらに含み得る。好ましくは、このプロモーター配列としては、35Sプロモーター、トウモロコシ等のユビキチンのプロモーター等に由来する配列が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のベクターにおいて使用され得るプロモーター配列は、本発明の核酸の転写の開始部位を決定し、またその頻度を直接的に調節しうるものであれば、どのようなものでもよい。本発明のベクターは、本発明の核酸とプロモーター配列との間にスペーサー配列を含んでいても、いなくてもよい。
別の実施形態において、本発明のベクターは、ターミネーターをさらに含み得る。例えば、このターミネーター配列としては、Nosターミネーター、35Sターミネーター等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のベクターにおいて使用され得るターミネーター配列は、本発明の核酸の転写を終結しうるものであれば、どのようなものでもよい。本発明のベクターは、本発明の核酸とプロモーター配列との間にスペーサー配列を含んでいても、いなくてもよい。
好ましい実施形態において、本発明のベクター配列は、35Sプロモーター配列およびNosターミネーター配列の両方を含み得る。ここで核酸および核酸構築物は、上述の(核酸)および(核酸構築物)に記載される任意の形態が使用され得る。
(形質転換体)
別の局面において、本発明は、少なくとも本発明のジーンサイレンシング抑制核酸(好ましくは、少なくとも配列番号3に示す核酸配列)を含む生物を提供する。本発明において提供される生物は、植物(例えば、イネ、タマネギ、タバコ、トマト、メロン、スイカ等)、菌類(例えば、アカパンカビ、酵母等)、動物(例えば、ダニ、線虫、ショウジョウバエ、マウス等)であり得る。
現在、RNAiサプレッサーとして、Potyvirus(ジャガイモYウイルス(Potato virus Y;PVY)またはTobacco etch virus(TEV)に代表されるグループの属名)のゲノムにあるHC−Pro(helper component−protease)という遺伝子産物;Tombusvirus(tomato bushy stunt virus(TBSV)、Cymbidium ringspot virus(CymRSV)またはCarnation Italian ringspot virus(CIRV))のゲノムにあるP19という遺伝子産物が同定されている(例えば、竹田篤史、三瀬和之、奧野哲郎「植物ウイルスとRNAi」、化学と生物.43(7);468−475,2005を参照のこと。)。PotyvirusのHC−Pcoは、二本鎖RNA切断、RISCへのsiRNAおよびmiRNAの取り込みを阻害をする可能性がある。このHC−Pcoは、植物だけでなく、ショウジョウバエにおけるRNAiを抑制する(B.Reavyら、BMC Biotechnol,4,18,2004)。TombusvirusのP19は、分子間で二量体を形成し、21ntの二本鎖siRNAに特異的に結合することでsiRNAのRISCへの取り込みを阻害しRNAiを抑制する。また、P19は、ショウジョウバエ、ヒト細胞においてもRNAiを抑制する(L.Lakatosら、EMBO J.,23,876,2004およびP.Dunoyerら、Plant Cell,16,1235,2004)。
このように、RNAiを抑制する機構は、菌類、イネ、タマネギのような植物だけでなく、ショウジョウバエやヒトのような動物にも共通の機構として存在することが理解される。従って、本発明のジーンサイレンシング抑制核酸(好ましくは、少なくとも配列番号3に示す核酸配列)を用いて、菌類、動物を形質転換すれば、植物と同様に、ジーンサイレンシング抑制核酸を含む生物を作製することが可能である。
好ましい実施形態において、本発明において提供される生物は、植物である。この植物は、例えば、イネ、タマネギ、タバコ、トマト、メロン、スイカ等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、イネ、タマネギである。ここで核酸および核酸構築物は、上述の(核酸)および(核酸構築物)に記載される任意の形態が使用され得る。
(遺伝子導入を行なって生じたジーンサイレンシングを抑制する方法)
別の局面において、本発明は、ジーンサイレンシングにより発現が抑制されたタンパク質を発現させる方法を提供する。この方法は、以下:a)本発明のジーンサイレンシング抑制核酸(好ましくは、少なくとも配列番号3に示す核酸配列)を含む核酸構築物を提供する工程;およびb)該核酸構築物を用いて該ジーンサイレンシングが起こった生物を形質転換する工程を包含する。ここで核酸および核酸構築物は、上述の(核酸)および(核酸構築物)に記載される任意の形態が使用され得る。
(キット)
別の局面において、本発明は、遺伝子導入を行なって生じたジーンサイレンシングを抑制するためのキットを提供する。このキットは、少なくとも本発明のジーンサイレンシング抑制核酸(好ましくは、少なくとも配列番号3に示す核酸配列);該核酸を、該ジーンサイレンシングが起こった生物に導入するための手段を備える。ここで核酸および核酸構築物は、上述の(核酸)および(核酸構築物)に記載される任意の形態が使用され得る。例えば、ジーンサイレンシングにより発現が抑制されてしまうタンパク質としては、GFPタンパク質の発現によって抑制される種々のタンパク質、βーグルクロニダーゼ(GUS)遺伝子等が挙げられるが、これらに限定されない。
核酸をジーンサイレンシングが起こった生物に導入するための手段としては、任意の遺伝子導入手段が考えられ、例えば、ベクター、プラスミド、遺伝子銃を考慮することができる。
(生物において外来遺伝子のポリペプチドを生産する方法)
別の局面において、本発明は、生物において外来遺伝子のポリペプチドを生産する方法を提供する。この方法では、該生産時に該生物においてジーンサイレンシングが生じ、該方法は、a)該外来遺伝子をコードする核酸分子を該生物に導入する工程;b)本発明のジーンサイレンシング抑制核酸(好ましくは、少なくとも配列番号3に示す核酸配列)を含む核酸構築物を提供する工程;c)該核酸構築物を用いて該生物を形質転換する工程;およびd)該生物を該ポリペプチドが発現する条件下におく工程を包含する。ここで核酸および核酸構築物は、上述の(核酸)および(核酸構築物)に記載される任意の形態が使用され得る。外来遺伝子を用いてポリペプチドを発現させて大量に生産する場合、頻繁にジーンサイレンシングが起こり正常な成育が起こらなくなることがある。本発明は、このような場合に、使用可能である。
例えば、この方法は、生物において外来遺伝子のポリペプチドを生産させるときに生じるジーンサイレンシングを解消することができるので、必要な遺伝子がサイレンシングされるという不都合を解消すること、または所望の外来遺伝子がより効率よく生産されるようになることといった用途に使用され得る。例えば、本方法は、注射のいらない植物ワクチンの生産(例えば、バナナにコレラ、肝炎ウイルスなどの抗原をコードする遺伝子を導入してワクチンを生産すること)、所望の物質を多く含んだ植物の生産(例えば、栄養状態の改善を目的として、高リジン、高βカロチンのコメ、高鉄分のコメを生産すること)(Edible Vaccines;September 2000;Scientific American Magazine;by William H.R.Langridge,side bar by Ricki Rusting;6 Page(s);Ye et al.2000.Engineering the provitamin A(beta−carotene)biosynthetic pathway into(carotenoid−free)rice endosperm.Science 287(5451):303−305 PMID 10634784;Journal of the American College of Nutrition,Vol.21,No.90003,184S−190S(2002);およびFighting Iron Deficiency Anemia with Iron−Rich Rice Paola Lucca,Richard Hurrell and Ingo Potrykusを参照のこと。)などにおいて生じるジーンサイレンシングを抑制するために使用され得る。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、実施例により、本発明の構成をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の実施例において用いられる試薬、支持体などは、例外を除き、Sigma(St.Louis,USA)、和光純薬、BIO−RADなどから市販されるものを用いた。
(実施例1)
(1.クローニング)
(1.1 PCR増幅)
CGMMVの異なるフラグメントを、表1に示すそれぞれのプライマー対で増幅した。PCR反応混合物を、表2に示すように調製した。PCRサイクル手順を、表3のとおりiCycler Thermal Cycler(BIO−RAD Co.,LTD、#170−8720JA)で実施した。PCR増幅した生成物をBamHIおよびSacIで消化し、QIAEX IIキット(Qiagen(キアゲン)#20021)により抽出し、そしてStrataPrep(登録商標)PCR精製キット(Stratagene(ストラタジーン)#400771)により精製した。
(1.2PCRフラグメントについてのアガロースゲル抽出)
標的のPCRフラグメントを増幅した後、以下の手順に従って、QIAEX IIアガロースゲル抽出キット(Qiagen(キアゲン)#20021)により抽出した。
(i)1% Seplaqueアガロースゲルに消化した生成物(50μl)を泳動した(図1上)。その後、清潔な鋭いメスを用いてアガロースゲルからDNAバンドを切り出した。余分なアガロースを取り除くことにより、ゲルスライスのサイズを最小化した。1.5mlの遠心チューブを、アガロースを250mgまで処理するために使用した。
(ii)無色のチューブにゲルスライスを入れ重量を量った。DNAフラグメント100bp−4kbあたりのゲル1容量に対して、3容量の緩衝液QX1を加えた;別の方法では、以下の表4に従った。例えば、各ゲル100mgに対して300μlの緩衝液QX1を加えた。
(iii)30秒間、ボルテックスによりQIAEX IIを再懸濁した。以下の表5に従って、サンプルにQIAEX IIを加えて混合した。
(iv)アガロースを溶解するために、50℃で10分間インキュベートし、そしてDNAを結合させた。チューブを反転させ、そして軽くはじいて混合した。懸濁液中のQIAEX IIを各2分間、維持した。この混合物の色が黄色であることを確認した。この混合物の色がオレンジ色または紫色であれば、3M酢酸ナトリウム(pH5.0)(10μl)を加え、混合した。混合物の色は、黄色に変わった。次いで、インキュベーションを、少なくともさらに5分間、継続すべきであった。
(v)サンプルを30秒間遠心分離にかけ、ピペットで上清を注意深く取り除いた。
(vi)緩衝液QX1(500μl)でペレットを洗浄した。チューブを反転させ、軽くはじくことにより、このペレットを再懸濁した。サンプルを30秒間の遠心分離にかけ、すべての微量な上清を取り除いた。この洗浄工程により、残りのアガロース汚染を取り除いた。
(vii)緩衝液PE(500μl)でペレットを2回洗浄した。チューブを反転させ、軽くはじくことにより、ペレットを再懸濁した。サンプルを30秒間の遠心分離にかけ、すべての微量な上清を取り除いた。この洗浄工程により、残りの塩汚染を取り除いた。
(viii)10〜15分またはペレットが白色になるまで、ペレットを、空気乾燥させた。30μlのQIAEX II懸濁液を用いた場合、ペレットの空気乾燥は約30分間であった。過乾燥させる可能性があるので、真空乾燥はしなかった。QIAEX IIペレットを過乾燥すると、溶出効率が低下し得る。
(ix)DNAを溶出させるために、20 μlの10 mM Tris・Cl(pH 8.5)またはHOを加え、チューブを反転させ、軽くはじくことによりペレットを再懸濁させた。以下の表6に従ってインキュベートした。
(x)30秒間、遠心分離した。上清を、ピペットで清潔なチューブに注意深く移した。この上清は、精製したDNAを含んでいた。
(xi)工程(ix)および(x)を繰り返し、溶出物を合わせた。精製したDNAを−20°Cで保存した。
(表4 異なるフラグメントに対して緩衝液QX1を加えた容量)
(表5 異なるフラグメントに対してQIAEX IIを加えた容量)
(表6 異なるフラグメントについてのインキュベート時間)
(1.3 PCRフラグメントの精製)
PCRフラグメントを抽出した後、以下のプロトコルに従って、StrataPrep(登録商標)PCR精製キットPCR精製キット(Stratagene(ストラタジーン)#400771)により精製した。
(i)PCR産物を含む遠心チューブに、PCR産物の水性部分と等容量のDNA結合溶液を加え、2つの成分を混合した。
(ii)ピペットを用いて、PCR産物−DNA結合溶液の混合物を、2mlレセプタクルチューブに配置したマイクロスピンカップに移した。(ピペットチップでファイバーマトリクスを損傷しないように注意した。)マイクロスピンカップ上で、2mlレセプタクルチューブのキャップを閉める。
(iii)マイクロ遠心機で30秒間、最大速度でチューブを回転させた。
(iv)2mlレセプタクルチューブのキャップを開け、マイクロスピンカップを取り出して保持し、そしてDNA結合溶液を捨てた。
(v)100%エタノール(40ml)を加えることにより、洗浄緩衝液1を調製した。エタノールを添加した後、容器のラベルのボックスに印を付けた。
(vi)2mlレセプタクルチューブのキャップを開け、750μlの洗浄緩衝液をマイクロスピンカップに加えた。さらに、レセプタクルチューブのキャップを閉めた。
(vii)マイクロ遠心機上で、30秒間、最大速度で回転させた。2mlレセプタクルチューブのキャップを開け、マイクロスピンカップを取り出して保持し、そして洗浄緩衝液を捨てた。
(viii)マイクロスピンカップに2mlレセプタクルチューブをもどし、マイクロスピンカップ上でレセプタクルチューブのキャップを閉めた。
(ix)マイクロ遠心機内のチューブを、30秒間、最大速度で回転させた。遠心機から取り出し、マイクロスピンカップからすべての洗浄緩衝液を確実に除去した。
(x)清潔な1.5mlマイクロ遠心チューブにマイクロスピンカップを移し、2mlレセプタクルチューブを捨てた。
(xi)マイクロスピンカップの底にある、ファイバーマトリクスの最上部に直接、溶出緩衝液(50μl)を加えた。ピペットチップがファイバーマトリクスと接触しないようにした。
(xii)室温で5分間、チューブをインキュベートした。
(xiii)マイクロスピンカップ上で、1.5mlマイクロ遠心チューブのキャップを閉め、マイクロ遠心機内のチューブを最大速度で30秒間回転させた。
(xiv)マイクロ遠心チューブの蓋を開け、マイクロスピンカップを捨てた。精製したPCR産物を−20°Cで保存した。
(1.4 クローニングベクターの調製)
プラスミドpBI221を、表7に示すように、BamHIおよびSacIでクローニングベクターのために消化した。消化したベクターを、表8に示すように脱リン酸化した。
CGMMVメチルトランスフェラーゼドメインおよび129kドメイン、各々のコード領域を含むプラスミドの模式図を図1(下段)に示す。
(1.5 クローニングベクターについてのアガロースゲル抽出)
クレーニングベクターを脱リン酸化した後、上記のプロトコルに従って、QIAEX IIアガロースゲル抽出キット(Qiagen(キアゲン)#20021)により精製した。
(1.6 プラスミドベクターへのPCRフラグメントのクローニング)
PCRフラグメントおよびクローニングベクターを精製した後、以下のプロトコルに従って、標的プラスミドを構築するために、プラスミドベクターにPCRフラグメントをクローニングした。
(i)上記のプラスミドベクターDNAと、挿入すべきPCR DNAフラグメントを総量10μlで合わせた(推薦されるDNA量は、ベクター:挿入物=1:1−10である。)。
(ii)DNA溶液に10μlのligation high(ToYoBo Co., LTD(LGK−101)を加え、完全に混合した。
(iii)4℃で一晩、インキュベートした。
(iv)ライゲーション反応混合物は、以下のように、E.coliコンピテントな細胞での形質転換に直接使用され得る。
(1.7 形質転換)
ライゲーション直後に形質転換を実施する場合、以下のプロトコルを実施した。
(i)各ライゲーション反応ごとに、氷上で、100μlのコンピテントな細胞(DH5α)の入ったチューブを1つ溶かした。
(ii)溶かしたコンピテントな細胞のチューブに、10μlのライゲーション反応混合物を添加した。穏やかに混合した(ピペッティングによっては混合しない。)
(iii)氷上で30〜60分間、形質転換混合物をインキュベートした。インキュベートの間、42℃までSOC培地を予め温めた。
(iv)42℃で、30〜90秒間、形質転換混合物に熱ショックを与えた。
(v)5〜15分間、氷上で、形質転換混合物をインキュベートした。
(vi)形質転換反応混合物に、予め温めたSOC培地(400μl)を添加した。コンピテントな細胞を、37℃で1時間、攪拌して回復させた(通気を良くするために、シェイカーの水平方向に細胞のチューブを置いた。)。
(vii)増殖期間の間、コロニースクリーニングのためにLB-抗生物質プレートを準備した。
(viii)50〜100μlの形質転換混合物を、LB−抗生物質プレート上にのせた。このプレートを、37℃で一晩インキュベートした。
(ix)プラスミドDNA分析のために、コロニーを選択した。
(x)選択したコロニーから、以下の標準的な手順を用いてミニプレップDNAを調製した。
(2.プラスミドミニプレップ)
形質転換を実施した後、コロニーを、以下のプロトコルのとおり、Bio−Rad Quantum Prep(登録商標)キット(カタログ番号732−6100、バイオラド)により、ミニプレップした。
(i)プラスミドを含む細胞のオーバーナイト培地(1〜2ml)を、マイクロ遠心チューブに移した。30秒間の遠心分離により、細胞をペレット状にした。アスピレーションまたはピペッティングにより、すべての上清を除去した。
(ii)200μlの細胞再懸濁溶液を加え、細胞ペレットが完全に再懸濁するまで、ボルテックスするか、ピペットで上下させた。
(iii)250μlの細胞溶解溶液を加え、約10分間、キャップしたチューブを穏やかに反転させることにより混合した(ボルテックスはしなかった。)。細胞溶解が生じると、この溶液は、粘性になり、わずかに澄んだ。
(iv)250μlの中和溶液を加え、約10分間、キャップをしたチューブを穏やかに反転させることにより混合した(ボルテックスはしなかった。)。目に見える沈殿が形成された。
(v)マイクロ遠心機に5分間かけて、細胞デブリをペレット状にした。緻密な白色デブリのペレットが、チューブの側面または底に沿って形成された。この工程の上清(透明溶解液)は、プラスミドDNAを含んだ。
(vi)工程(v)の遠心工程を待つ間、キットに備えられていた2ml洗浄チューブの1つにSpin Filterを入れた。ボトルの振蘯および反転を繰り返すことによりQuantum Prepマトリクスを混合し、そして確実に、完全に懸濁させた。
(vii)Spin Filterに工程(v)からの透明溶解液(上清)を移し、200μlの完全に懸濁したマトリクスを添加し、ピペットで溶液を上下させて混合した。複数のサンプルがある場合、最初に溶解物を移し、次いでマトリクスを添加して混合した。マトリクスがすべてのサンプルに添加して混合が完了してから、30秒間遠心分離した。
(viii)2mlチューブからSpin Filterを取り出し、チューブの底にある濾液を捨て、そして同じチューブにフィルタを入れた。500μlの洗浄緩衝液を添加し、30秒間、遠心分離することによりマトリクスを洗浄した。
(ix)2mlチューブからSpin Filterを取り出し、チューブの底にある濾液を捨て、同じチューブにフィルタを入れた。500μlの洗浄緩衝液を添加し、まる2分間の遠心分離によりマトリクスを洗浄し、残りの微量のエタノールを除去した。
(x)Spin Filterを取り除き、マイクロ遠心チューブを捨てた。キットに備えられていた1.5mlの回収チューブの1つ、または他の任意の標準的な1.5ml マイクロ遠心チューブ(Spin Filterに適応するもの)にフィルタを入れた。100μlの脱イオン化HOまたはTE(10 mM トリス塩酸緩衝液および1 mM エチレンジアミン4酢酸、pH8.0)を添加した。最大速度で1分間、遠心分離することによりDNAを溶出した。
(xi)Spin Filterを捨て、溶出したDNAを−20°Cで保存した。
(3.配列決定による構築したプラスミドの確認)
プラスミドDNAをミニプレップにより抽出した後、以下のプロトコルに従う配列決定により確認した。
(i)以下の表9のとおりに反応混合物を調製した。
(ii)PCRサイクル手順を、以下の表10に示すように、iCycler Thermal Cycler(BIO−RAD Co., LTD、#170−8720JA)で実施した。
(表9 配列決定のためのPCR反応混合物)
(表10 配列決定のためのPCRサイクル手順)
配列決定反応の間に、伸長産物の精製のためのCentri・Sepカラム(Princeton Separations,Inc.#CS−901)を、以下の手順に従がって調製した。
(i)カラムの水和
(ii)ドライゲルをスピンカラムの底に確実に沈めるために、カラムを穏やかに叩いた。
(iii)カラムのキャップをはずし、試薬グレードの水または緩衝液(0.8ml)を添加して、カラムを再構成した。カラムを単独で立たせられるように、適切な位置にカラムエンドストッパーを残した。カラムキャップを交換し、カラムを振蘯および反転させるか、短時間、ボルテックスすることにより、ゲルを水和させた。乾燥ゲルのすべてを水和することが重要であった。
(iv)カラムを使用する前に、少なくとも室温で30分間、水和させた。再構成したカラムは、7日間、4℃で冷蔵保存され得る。より長い保存は、10mMアジ化ナトリウム(NaN)中で達成され得る。この手順を続ける前に、冷蔵保存したカラムを室温まで温めた。
(v)カラムを反転させ、カラムを軽く叩くことにより、カラムゲルから気泡を取り除き、カラムの反対端にゲルをスラリー状にした。マイクロチューブのラックにカラムを立たせて、ゲルを沈降させた。
(vi)ゲルを沈降させ、気泡を除いた後、まず、上端のカラムキャップをはずし、次いで底のカラムエンドストッパーをはずした。
(vii)過剰な流体を洗浄チューブ(2ml)に排出させた。流体がカラムの端を通ってすぐに流れでなかったときは、2mlのラテックスピペットバルブを使用して、カラムの上端に空気の圧力を穏やかにかけて、流体がカラムフィルタを通り始めるようにした。カラムはそのままで排出を終了した。約200〜250μlがカラムから排出された。この流体を捨てた。
(viii)750×gで2分間、可変速度の遠心分離機において、カラムを回転させ、チューブを洗浄し、介在する流体を除去した。
(ix)約300μlの流体を除去した。カラム端に液滴があるときには、拭い取り、乾燥させた。洗浄チューブおよび介在した流体を捨てた。ゲル物質を過剰に乾燥させることはなかった。数分間以内にサンプルを処理した。
(x)カラムを光に向けて立たせたままにした。20μlの完成したDyeDeoxyTMターミネーター反応混合物を、ゲル上端に移した。カラム上端にあるゲルベッド中央に、ゲル表面を乱すことなく、サンプルを注意深く置いた。カラム側面と反応混合物またはサンプルピペットチップとは接触させなかった。なぜなら、精製効率を低下させ、過剰な色素が原因となり分析を台無しにする可能性があるからである。
(xi)サンプル回収チューブ(1.5ml)にカラムを入れ、ローターにその両方を配置した。適切な方向を維持した。カラム内のゲル溶媒の最高点は、常にローター外側に向けた位置にした。カラムおよび回収チューブを、750×gで2分間、回転させた。精製したサンプルを、サンプル回収チューブの底に集めた。スピンカラムを捨て、ABIサンプル調製手順を進めた。
(xii)サンプルを、減圧遠心分離で乾燥させた。加熱はしなかった。配列決定するPCR産物を、Centri・Sepカラムにより精製し、配列決定サンプルを、以下の表11に示す作業に従って再懸濁した。
(4.プラスミドミディプレップ)
以下のプロトコルに従って衝突実験を行うために、構築したプラスミドDNAを配列決定により確認した後、確認されたプラスミドをBio−Rad Quantum Prep(登録商標)キット(カタログ番号732−6120)により抽出した。
(i)250mlエルレンマイヤーフラスコ中で、液体培地50mlにプラスミド含有菌を接種し、ロータリーシェイカー中で300rpm、37℃で一晩(15〜18時間)インキュベートさせた。
(ii)一晩後の培養液40mlを50mlのスクリューキャップ遠心チューブへ移した。5,000rpm(約3,000×g)で5分間遠心分離を行うことによって、細胞をスピンダウンさせ、上清を廃棄した。
(iii)細胞再懸濁液5mlを細胞ペレットに加え、細胞をボルテックスしてペレットを再懸濁した。確実に細胞ペレットが完全に再懸濁されるようにした。
(iv)細胞溶解液5mlを加え、チューブを6〜8回反転することにより混合した。ボルテックスによって染色体DNAの切断が生じ得、その結果としてプラスミドDNAの汚染が生じ得るためボルテックスは行わなかった。溶液が粘着性を帯び、幾分透明になったことを確認した。
(v)中和液5mlを加えてチューブをキャップし、チューブを6〜8回反転することにより混合した。溶液は濁り、凝集性の白い沈殿を生じたことを確認した。
(vi)8,000rpm(7500×g)で10分間遠心し、新しいチューブに上清を注意深く注いだ。沈殿物は全く移さないように努めたが、少量の残骸はプラスミドの精製には影響しない。
(vii)活発に振動させることによりQuantum Prepマトリクスを再懸濁した。工程3.9.6で得た透明な溶解液にQuantum Prepマトリクス1.0mlを加えた。15〜30秒間静かに振り混ぜて混合した。8,000rpmで2分間遠心し、マトリクスをペレットした。
(viii)ペレットしたマトリクスから注意深く上清を取り除いた。
(ix)マトリクスに、洗浄緩衝液10mlを加えた。振動させることにより洗浄緩衝液中でマトリクスを再懸濁した。
(x)8,000rpmで2分間遠心し、ペレットしたマトリクスから洗浄緩衝液を注意深く注いだ。洗浄緩衝液600μlをマトリクスに加え、再懸濁した。
(xi)バッグからスピンカラムを取り除き、先端のタブを取り外した。2mlの回収チューブの内側にスピンカラムを置き、先の工程で得た再懸濁マトリクスをスピンカラムへ移した。小さな鋭い物でスピンカラムキャップ内に穴をあけそのスピンカラムキャップでカラムをキャップした。マイクロ遠心機中で、12〜14,000×gで30秒間回転させた。マイクロ遠心チューブからスピンカラムを取り外し、チューブの底の洗浄緩衝液を廃棄して同一チューブ内のフィルターに置いた。
(xii)洗浄緩衝液500μlを加え、マイクロ遠心機中で、12〜14,000×gで30秒間回転させた。スピンカラムを取り外して洗浄緩衝液を廃棄した。
(xiii)再びチューブ内にスピンカラムを置き、最速でさらに2分間回転させ、残留した洗浄緩衝液をすべて取り除いた。
(xiv)スピンカラムを清潔な2mlマイクロ遠心チューブに移した。水またはTE600μlをマトリクスに加えた。マイクロ遠心機中で2分間回転させ、マトリクスを含むスピンカラムを廃棄した。プラスミドDNAを−20℃で保存した。
(5.プラスミドマキシプレップ)
その間に、確認されたプラスミドを以下のプロトコルのようにBio−Rad Quantum(登録商標)キット(カタログ番号732−6130)により抽出してあることが必要である。
(i)(250〜500ml遠心ボトル中で)5,000×gで5分間遠心することにより、培養液の密度に応じて(上記を参照のこと)細胞100〜500mlを得た。上清を廃棄した。
(ii)細胞再懸濁液15mlを細胞ペレットに加えた。細胞をボルテックスするか、またはピペットで上下させペレットを再懸濁した。細胞が完全に再懸濁されていることを確認した。
(iii)細胞溶解液23μlを加え、遠心ボトルを振り混ぜることにより混合した。ボルテックスによって染色体DNAの切断が生じ得、その結果としてプラスミドDNAの汚染が生じ得るためボルテックスは行わなかった。数分後、溶液が粘着性を帯び、幾分透明になったことを確認した。次の工程に移るまでに5分以上インキュベートさせなかった。
(iv)中和液15mlを加え、遠心ボトルを振り混ぜることにより混合した。溶液が濁り、凝集性の白い沈殿を生じたことを確認した。すぐに工程5へ移った。次の工程に移るまでに10分以上静置しなかった。
(v)8〜10,000×gで20分間遠心し、プラスミドDNAを含む上清(透明にした細胞溶解物)を新しい遠心ボトルに注いだ。ペレットが遠心ボトルの壁部にうまく付着していない場合には、チーズクロスまたはミラクロスを通じて濾過した。沈殿物は全く移さないように努めたが、少量の残骸が浮いていてもその後の精製工程には影響しない。
(vi)活発にQuantum Prepマトリクスを振動させることによりマトリクスを再懸濁した。完全に再懸濁したQuantum Prepマトリクス10mlを、工程(v)で得た透明にした細胞溶解物に加えた。
(vii)15〜30秒間静かに振り混ぜて混合した。3,000×gで5分間遠心し、マトリクスをペレットした。
(viii)ペレットしたマトリクスから上清を取り除いた。
ペレットしたマトリクスに洗浄緩衝液25mlを加えた。振動させることにより洗浄緩衝液中でマトリクスを再懸濁した。
(ix)洗浄緩衝液25mlをペレットしたマトリクスに加え、振動させることにより洗浄緩衝液中でマトリクスを再懸濁した。3,000×gで3〜5分間遠心した。
(x)50mlのスクリューキャップ遠心チューブにスピンバスケットを挿入した。
(xi)ペレットしたマトリクスから上清を取り除いた。洗浄緩衝液15mlをペレットに加えた。マトリクスを再懸濁し、次いで、工程10で得たスピンバスケットに懸濁液を移した。チューブの蓋は交換しなかった。スピンバスケット/チューブをスインギングバケットローター中で4,000rpm(3,000×g)で5分間遠心した。
(xii)バスケットを取り外し、チューブから濾液を注出した。バスケットを再びチューブ内に置き、洗浄緩衝液10mlをバスケット内のマトリクスに加えた。再び4,000rpm(3,000×g)で5分間遠心した。
(xiii)バスケットを取り外し、新しい無菌50ml遠心チューブ(提供による)に置いた。滅菌水またはTE5mlを加えた。4,000rpm(3,000×g)で5分間遠心した。この段階でのDNAは使用可能な状態のものである。さらなる純度または濃度を所望する場合は、以下に説明するようにエタノールでサンプルを沈殿させてもよい。
(xiv)5M NaCl1/18容量および冷却した95〜100%エタノール2容量を加えることにより沈殿させた。
(xv)4,000×gで、または10〜20分以上遠心することによりペレット状にした。
(xvi)70%エタノール10mlを加えることによりペレットを洗浄し、次いで、4,000×gで、または10分以上遠心した。ペレットを乾燥させ(空気乾燥または減圧)てから適量のTEまたは滅菌水中でペレットを再懸濁した。ペレットを乾燥させすぎるとDNAの再懸濁が困難になり得るため、乾燥させすぎないようにした。
(実施例2.粒子衝突手順)
(1プラスミドDNAをコーティングする金粒子の作製)
初めに、GFPサイレンシングシステム用のプラスミドDNAをコーティングする金粒子を以下の表12の作業に従って作製した。
詳細には、強毒系統(CGMMV−SH)系統および弱毒系統(CGMMV−SH33b)の129Kタンパク質遺伝子領域およびそのN末端側メチルトランスフェラーゼ領域(MT)を、それぞれ、発現ベクターpBI221のGUS(βグルクロニダーゼ)遺伝子と交換した。得られたプラスミドを、GFP等のレポーター遺伝子のパーティクルガンによるRNAサイレンシング誘導実験に供試した。
(2 衝突条件)
上記の混合物プラスミドを、パーティクルインフローガン(IDERA GIE−III、TANAKA Company(日本))により、ヘリウムガスの圧力3.57kg/cm(イネの場合6.6kg/cm)、圧力460mmHg(イネの場合235mmHG)(20μl/ショット)でタマネギの表皮(または新芽(young leaf)へ衝突させた。
(3 蛍光発現細胞の検出)
分析のため、衝突後36時間の1ショット毎の蛍光発現細胞を計算した。GFPおよびDsRed発現細胞の蛍光画像を、IX70蛍光顕微鏡(オリンパス、東京、日本)のもと、同じ照明強度および露光時間でデジタルカメラC7070(オリンパス、東京、日本)によりキャプチャーした。475nmの励起フィルターと、505nmのダイクロイックミラーと、535nmの発光フィルターからなるフィルターセットを用いてGFP蛍光を視覚化した。また、540nmの励起フィルターと、570nmのダイクロイックミラーと、575nmの発光フィルターからなるフィルターセットを用いてDsRed蛍光を視覚化した。
その結果、強毒系統SHの129Kタンパク質の完全長、N末端側にあるメチルトランスフェラーゼドメイン部分を発現するプラスミドは、GFP遺伝子でみたサイレンシングを抑制した。しかしメチルトランスフェラーゼドメインのN末端側の一部だけでは抑制しなかった(表13および14、図2および図3を参照のこと)。
弱毒系統SH33bの129Kタンパク質の完全長、N末端側にあるメチルトランスフェラーゼドメイン部分及びメチルトランスフェラーゼドメインのN末端側の一部を発現するプラスミドはサイレンシングを抑制しなかった。SHとSH33bのN末端側にあるメチルトランスフェラーゼドメイン部分におけるアミノ酸は、一箇所だけ異なっている。従って、本置換はサイレンシング抑制に影響していると考えられた(表13および14、図2および図3を参照のこと)。
これらの結果は、サイレンシング抑制機能はタマネギとイネでの実験で同様の結果であった。
(実施例3.他のメチルトランスフェラーゼドメインを用いた核酸構築物の作製および形質転換)
図5に示すメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列をコードする核酸を用いて、実施例1に記載したのと同様の方法によりプラスミドを作製する。
作製したプラスミドを、実施例2に記載した粒子衝突手順と同様の方法を使用して、RNAサイレンシング誘導実験に供する。得られたプラスミドを、パーティクルインフローガン(IDERA GIE−III、TANAKA Company(日本))を用いて、ヘリウムガスの圧力3.57kg/cm(イネの場合6.6kg/cm)、圧力460mmHg(イネの場合235mmHG)(20μl/ショット)でタマネギの表皮(または新芽(young leaf)へ衝突させる。
次に、IX70蛍光顕微鏡(オリンパス、東京、日本)により分析する。その結果、図5に示すメチルトランスフェラーゼ部分を発現するプラスミドでも、イネ、タマネギにおいてサイレンシングを抑制することが確認される。
(実施例4.植物、動物および菌類におけるサイレンシング抑制効果)
実施例2および3と同じ方法を用いて、配列番号3および図5に示すメチルトランスフェラーゼ部分を発現するプラスミドを構築する。得られたプラスミドを、種々の生物に導入する。用いた生物は、植物(タバコ、トマト、メロン、スイカ)、動物(ダニ、線虫、ショウジョウバエ、マウス)、菌類(アカパンカビ、酵母)に導入する。その結果を、蛍光顕微鏡にて観察し、サイレンシングが抑制されていることを確認する。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明をサイレンシング抑制技術に用いることにより、遺伝子導入により生物において有用タンパク質あるいは有用物質を大量に生産すること可能となり、食品、医薬品、農芸化学分野等種々の分野における応用が期待される。
図1(上段)は、CGMMVの異なるフラグメントのPCR生成物を示す。MT Domain:CGMMVのメチルトランスフェラーゼドメインのPCR生成物。129K Domain:CGMMVの129kタンパク質ドメインのPCR生成物。図1(下段)は、CGMMVメチルトランスフェラーゼドメインおよび129kドメイン、各々のコード領域を含むプラスミドの模式図を示す。 図2は、プラスミドの異なる混合物での同時粒子衝突の36時間後、タマネギ表皮におけるGFPとDsRed(コントロール)の結果を示す蛍光写真である。DeRedは、すべてプラスミドにおいて発現しているが、GFPは、(i),(iii)および(v)のみ発現した。(ii),(iv)および(vi)では、サイレンスが生じたため、発現は認められなかった。 図3は、プラスミドの異なる混合物での同時粒子衝突の36時間後、イネ表皮におけるGFPとDsRed(コントロール)の結果を示す蛍光写真である。DeRedは、すべてプラスミドにおいて発現しているが、GFPは、(i),(iii)および(v)のみ発現した。(ii),(iv)および(vi)では、サイレンスが生じたため、発現は認められなかった。 図4は、CGMMVの遺伝子地図と実験に用いた遺伝子領域の簡略図を示す。 図5は、TMV−KR、TMV−RAK、TMV、TOMV、PMMV、TMGMV、TMV−OB、ORSV、TVCV、CR−TMV、CRMV、TMV−CG、CGMMV、SHMVのメチルトランスフェラーゼのアラインメントである。 図5は、TMV−KR、TMV−RAK、TMV、TOMV、PMMV、TMGMV、TMV−OB、ORSV、TVCV、CR−TMV、CRMV、TMV−CG、CGMMV、SHMVのメチルトランスフェラーゼのアラインメントである。 図5は、TMV−KR、TMV−RAK、TMV、TOMV、PMMV、TMGMV、TMV−OB、ORSV、TVCV、CR−TMV、CRMV、TMV−CG、CGMMV、SHMVのメチルトランスフェラーゼのアラインメントである。 図5は、TMV−KR、TMV−RAK、TMV、TOMV、PMMV、TMGMV、TMV−OB、ORSV、TVCV、CR−TMV、CRMV、TMV−CG、CGMMV、SHMVのメチルトランスフェラーゼのアラインメントである。 図5は、TMV−KR、TMV−RAK、TMV、TOMV、PMMV、TMGMV、TMV−OB、ORSV、TVCV、CR−TMV、CRMV、TMV−CG、CGMMV、SHMVのメチルトランスフェラーゼのアラインメントである。 図5は、TMV−KR、TMV−RAK、TMV、TOMV、PMMV、TMGMV、TMV−OB、ORSV、TVCV、CR−TMV、CRMV、TMV−CG、CGMMV、SHMVのメチルトランスフェラーゼのアラインメントである。 図5は、TMV−KR、TMV−RAK、TMV、TOMV、PMMV、TMGMV、TMV−OB、ORSV、TVCV、CR−TMV、CRMV、TMV−CG、CGMMV、SHMVのメチルトランスフェラーゼのアラインメントである。
配列番号1は、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)の129Kタンパク質の完全長の核酸配列の例である。
配列番号2は、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)の129Kタンパク質の完全長のアミノ酸配列の例である。
配列番号3は、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)のメチルトランスフェラーゼドメインの核酸配列の例である。
配列番号4は、スイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)のメチルトランスフェラーゼドメインのアミノ酸配列の例である。
配列番号5は、実施例1において使用したCGMMVフラグメントについてのPCR増幅配列(SH−MT−5’S)を示す。
配列番号6は、実施例1において使用したCGMMVフラグメントについてのPCR増幅配列(SH−MT−3’S)を示す。
配列番号7は、実施例1において使用したCGMMVフラグメントについてのPCR増幅配列(SH−5’)を示す。
配列番号8は、実施例1において使用したCGMMVフラグメントについてのPCR増幅配列(SH−MT−3’)を示す
配列番号9は、実施例1において使用したCGMMVフラグメントについてのPCR増幅配列(SH−129K−3’)を示す。
配列番号10は、TMV−KRのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号11は、TMV−RAKのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号12は、TMVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号13は、TOMVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号14は、PMMVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号15は、TMGMVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号16は、TMV−OBのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号17は、ORSVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号18は、TVCVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号19は、CR−TMVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号20は、CRMVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号21は、TMV−CGのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号22は、CGMMVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。
配列番号23は、SHMVのメチルトランスフェラーゼのアミノ酸配列の例である。

Claims (14)

  1. イカ緑斑モザイクウイルス129Kタンパク質をコードする配列番号1に示す核酸配列またはそのフラグメントであって、該フラグメントは少なくとも配列番号に示す配列またはそれに対応する配列を含む、核酸配列またはフラグメント
    を含む、ジーンサイレンシングを抑制するための組成物
  2. 前記核酸配列またはフラグメントは、配列番号3に示す核酸配列からなる、請求項1に記載の組成物
  3. 前記核酸配列またはフラグメントは、列番号1の全長よりも短い、請求項1に記載の組成物
  4. さらに、プロモーター配列を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物
  5. 前記プロモーター配列は、35Sプロモーター、ユビキチンのプロモーターからなる群より選択されるプロモーターに由来する、請求項に記載の組成物
  6. さらに、ターミネーター配列を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物
  7. 前記ターミネーター配列は、Nosターミネーター、35Sのターミネーターからなる群より選択されるターミネーターに由来する、請求項に記載の組成物
  8. 35Sプロモーター配列およびNosターミネーター配列をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物
  9. スイカ緑斑モザイクウイルス129Kタンパク質をコードする配列番号1に示す核酸配列またはそのフラグメントであって、該フラグメントは少なくとも配列番号3に示す配列またはそれに対応する配列を含む、核酸配列またはフラグメントを含む、ジーンサイレンシングを抑制するためのベクター。
  10. プロモーター配列をさらに含む、請求項に記載のベクター。
  11. ターミネーター配列をさらに含む、請求項9またはに記載のベクター。
  12. 遺伝子導入を行なって生じたジーンサイレンシングを抑制する方法であって、該方法は、以下:
    a)請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物または請求項9〜11のいずれか1項に記載のベクターを提供する工程;および
    b)該組成物またはベクターを用いて該ジーンサイレンシングが起こった植物を形質転換する工程
    を包含する、方法。
  13. 遺伝子導入を行なって生じたジーンサイレンシングを抑制するためのキットであって、該キットは、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物または請求項9〜11のいずれか1項に記載のベクター
    組成物またはベクターを、該ジーンサイレンシングが起こった植物に導入するための手段、
    を備える、キット。
  14. 植物において外来遺伝子のポリペプチドを生産する方法であって、該生産時に該物においてジーンサイレンシングが生じ、該方法は、
    a)該外来遺伝子をコードする核酸分子を該物に導入する工程;
    b)請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物または請求項9〜11のいずれか1項に記載のベクターを提供する工程;
    c)該組成物またはベクターを用いて該物を形質転換する工程;および
    d)該物を該ポリペプチドが発現する条件下におく工程、
    を包含する、方法。
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