以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の第1の実施形態に係る通信装置
3.本発明の第2の実施形態に係る通信装置
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る通信装置の構成について説明する前に、ダイナミックレンジが大きなパケットを処理するための、本発明の実施形態に係る自動利得制御アプローチについて説明する。
[本発明の実施形態に係る通信システムの概要]
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1000の一例を示す説明図である。ここで、図1は、通信システム1000が、通信装置100A、100B、100C、…を有し、通信装置100Aと通信装置100B、通信装置100Aと通信装置100Cとがそれぞれ通信を行う例を示している。また、図1では、通信装置100A、100Bがノート型PCであり、通信装置100Cがテレビ受像機である例を示しているが、本発明の実施形態に係る通信装置は、ノート型PCやテレビ受像機に限られない。以下では、本発明の実施形態に係る通信システム1000を構成する通信装置100A、100B、100C、…を総称して「通信装置100」とよぶ場合がある。
通信装置100は、第1周波数の搬送波f1と、第1周波数の搬送波f1よりも指向性が強く伝搬損失が大きい第2周波数の搬送波f2との2つの搬送波を用いて外部装置と通信を行う。ここで、本発明の実施形態に係る第1の周波数の搬送波としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)など、データ通信に広く使用されている周波数が5GHz帯の搬送波が挙げられるが、上記に限られない。また、本発明の実施形態に係る第2周波数の搬送波としては、例えば、ミリ波(あるいは、準ミリ波)が挙げられるが、上記に限られない。
以下では、通信装置100が、第1周波数の搬送波f1として5GHzの搬送波を用い、第2周波数の搬送波f2として60GHzの搬送波を用いる場合を例に挙げて説明する。つまり、以下では、第2周波数の搬送波f2を用いた通信が、第1周波数の搬送波f1を用いた通信よりもより高速な通信である場合を例に挙げる。なお、以下に示す本発明の実施形態に係る通信方法は、例えば、第2周波数の搬送波f2を用いた通信が、第1周波数の搬送波f1を用いた通信よりもより高速な通信ではない場合であっても適用することができる。
〔通信システム1000における通信方法〕
通信システム1000において各通信装置100が通信に用いる60GHzの搬送波f2(第2周波数の搬送波)は、5GHzの搬送波f1(第1周波数の搬送波)よりも指向性が強く伝搬損失が大きい。よって、第2周波数の搬送波f2を通信に用いる場合には、第1周波数の搬送波f1を通信に用いる場合よりもより高速な通信が実現可能であるというメリットがあるが、第1周波数の搬送波f1を用いた通信よりも通信距離が短くなるというデメリットも存在する。
そこで、通信装置100は、アンテナの指向性を利用して第2周波数の搬送波f2の送信を行う。アンテナの指向性を利用して第2周波数の搬送波f2の送信を行うことによって、特定の方向に第2周波数の搬送波f2を送信することができるので、通信装置100は、第2周波数の搬送波f2を用いた通信の通信距離をより伸ばすことができる。
ここで、通信装置100は、例えば、複数のアンテナを備え、ビーム状の指向性を作り出すことによって、第2周波数の搬送波f2を用いた通信の通信距離の延長を図る。上記は、例えば、第2周波数の搬送波f2の周波数が60GHzの場合、直進性が強いという特性により、反射波よりを用いるよりも直接波を用いる方が通信の安定化において効果的であるからである。以下では、本発明の実施形態に係るビーム状の指向性パターンを、「ビームパターン」とよぶ。
複数のアンテナを利用した指向性の作成の方法としては、例えば、一様分布で重みを決定する方法や、Tayler分布で重みを決定する方法など、アレイアンテナでビームを作成する方法が挙げられるが、上記に限られない。
第2周波数の搬送波f2により信号を送信する場合、送信側の通信装置100(以下、「送信装置」とよぶ場合がある。)が送信した信号が、受信側の通信装置100(以下、「受信装置」とよぶ場合がある。)において正常に受信されるとは限らない。上記は、送信装置が送信する信号に適用するビームパターンが受信装置との通信に適したものではないとき(例えば、送信される信号が受信装置に向いていない場合)には、受信装置は、送信された信号を受信することができない場合があるからである。以下では、送信装置が送信する信号に適用するビームパターン(または、ビームパターンが適用された信号)を「送信ビームパターン」とよぶ場合がある。
よって、第2周波数の搬送波f2により信号を送信する場合、通信システム1000では、例えば、送信装置が送信した信号(送信ビームパターンが適用された信号)が通信対象の受信装置側へと向くまで通信装置間での通信が行えないこととなる。つまり、第2周波数の搬送波f2により信号を送信する場合には、送信装置と通信対象の受信装置とが通信可能な状態となるまでに多くの時間を要する恐れがある。
そこで、通信システム1000では、例えば、送信装置(一の通信装置100)と受信装置(他の通信装置100)との間で(a)〜(c)の通信(通信処理)を行うことによって、第2周波数の搬送波f2によるより確実なデータの送受信を実現する。
(a)送信装置は、送信する信号に適用可能な複数の送信ビームパターンの情報を受信装置へ送信する。
(b)受信装置は、上記複数の送信ビームパターンの中から送信を要求するビームパターン(以下、「要求ビームパターン」という。)を決定する。そして、受信装置は、要求ビームパターンを示す情報(以下、「要求ビームパターン識別情報」という。)を送信装置へ送信する。
(c)送信装置は、受信した要求ビームパターン識別情報に基づいて、要求ビームパターンに対応する送信ビームパターンを適用した第2周波数の搬送波f2にてデータを送信する。
上記(a)〜(c)の通信によって、受信装置は、自装置が送信を要求する送信ビームパターンが適用された第2周波数の搬送波f2にて送信装置から送信されたデータを受信することとなる。したがって、受信装置(一の通信装置100)は、送信装置(他の通信装置100)から第2周波数の搬送波f2により送信されたデータをより確実に受信することができる。
また、例えば、送信装置が第2周波数の搬送波f2により信号を送信する場合、受信装置において受信される信号が小さいためにパケット同期を行えない場合がある。上記の場合、受信装置は、送信装置が上記(a)において送信した複数の送信ビームパターンの情報を特定できないことが起こりうる。よって、上記の場合には、受信装置が、第2周波数の搬送波f2により送信された複数の送信ビームパターンの情報に基づいて、上記(b)に係る要求ビームパターンの決定を行えない恐れがある。
そこで、通信システム1000では、送信装置が、第1周波数の搬送波f1による信号と、第2周波数の搬送波f2による信号との双方を同期して送信する。ここで、上記同期した送信とは、例えば、第1周波数の搬送波f1による信号の所定のパケット開始位置と、第2周波数の搬送波f2による信号の所定のパケットの開始位置とを一致させて送信することをいう。
上記によって、受信装置は、第1周波数の搬送波f1による信号の受信結果に基づいて、第2周波数の搬送波f2による信号の所定のパケットの開始位置を特定することが可能となる。よって、受信装置は、第1周波数の搬送波f1による信号と同期して送信された第2周波数の搬送波f2による信号に基づいて、上記(b)に係る要求ビームパターンの決定を行うことができる。
本発明の実施形態に係る通信処理について、より具体的に説明する。図2は、本発明の実施形態に係る通信システム1000における通信処理の一例を示す説明図である。ここで、図2は、図1に示す通信装置100Aと通信装置100Bとの間における通信に係る通信処理の一例を示している。また、図2は、通信装置100Aが受信装置の役目を果たし、通信装置100Bが送信装置の役目を果たす場合を示している。なお、本発明の実施形態に係る通信装置100は、送信装置および受信装置双方の役目を果たすことができる。よって、通信装置100Aが送信装置の役目を果たし、通信装置100Bが受信装置の役目を果たしてもよい。また、図2では、第1周波数が5GHzであり、第2周波数が60GHzである場合を示している。
通信装置100Bは、5GHzのRTS(Request to Send)パケットと、60GHzのRTSパケットとを同期して送信する(図2の期間a)。以下では、第1周波数のRTSパケットを「第1送信要求」とよび、第2周波数のRTSパケットを「第2送信要求」とよぶ場合がある。
図3は、本発明の実施形態に係る第1送信要求と第2送信要求との一例を示す説明図である。ここで、図3は、第1周波数が5GHzであり、第2周波数が60GHzである場合を示している。
図3に示すように、送信装置は、5GHzのRTSパケットのDATA部分の開始位置と、60GHzのRTSパケットのBeamTrainingFieldの開始位置とを一致させて、各RTSパケットを送信する。なお、図3では、5GHzのRTSパケットのDATA部分の終了位置と、60GHzのRTSパケットのBeamTrainingFieldの開始位置とが一致している例を示しているが、上記に限られない。
また、送信装置は、60GHzのRTSパケットのBeamTrainingField内に、複数の送信ビームパターンを設定して、当該60GHzのRTSパケットを送信する。ここで、図3では、送信装置が、60GHzのRTSパケットのBeamTrainingField内に、10種類の送信ビームパターンを設定した例を示しているが、上記に限られない。
図3に示すように60GHzのRTSパケット(第2の送信要求)内に複数のビームパターンが設定されることによって、当該60GHzのRTSパケットは、ダイナミックレンジが大きなパケットとなる場合がある。
図3のようなRTSパケットが送信装置から送信されることによって、受信装置は、5GHzのRTSパケット(第1の送信要求)の受信結果に基づいて、60GHzのRTSパケット(第2の送信要求)の開始位置を特定することができる。また、受信装置における第2の送信要求の特定に係る処理は、通信装置100における同期処理と捉えることもできる。
<本発明の実施形態に係る同期処理>
図4は、本発明の実施形態に係る通信装置100における同期処理の一例を示す流れ図である。以下では、受信装置の役目を果たす通信装置100Aが図4に示す同期処理を行うものとして説明するが、他の通信装置100も同様に処理を行うことができる。
通信装置100Aは、第1の送信要求が受信されたか否かを判定する(S100)。ここで、通信装置100Aは、例えば、図3に示す5GHzのRTSパケットのL−STF部分やL−LTF部分が検出されたか否かに基づいて、ステップS100の判定を行う。
ステップS100において第1の送信要求が受信されたと判定されない場合には、通信装置100Aは、受信されたと判定されるまで、処理を進めない。
また、ステップS100において第1の送信要求が受信されたと判定された場合には、通信装置100Aは、第1の送信要求に基づいて、第2の送信要求の開始位置を特定する(S102;同期処理)。ここで、通信装置100Aは、例えば、図3に示す5GHzのRTSパケットのDATA部分の開始位置に基づいて、第2の送信要求の開始位置(BeamTrainingFieldの開始位置)を特定する。
通信装置100Aは、例えば図4に示す処理によって、第2の送信要求の開始位置を特定することができる。
なお、本発明の実施形態に係る通信装置100A(他の通信装置100も同様)における第2の送信要求の開始位置の特定方法は、図3に示す5GHzのRTSパケットのDATA部分の開始位置に基づく方法に限られない。例えば、情報処理システム1000を構成する送信装置と受信装置との間において第1の送信要求の所定の位置から第2の送信要求の開始位置までの時間間隔を予め定めておくことによって、通信装置100A(受信装置)は、第2の送信要求の開始位置を特定することができる。つまり、上記時間間隔が定められることによって、通信装置100A(受信装置)は、受信された第1の送信要求の所定の位置に基づいて第2の送信要求の開始位置を特定することができる。ここで、上記第1の送信要求の所定の位置としては、例えば、図3に示す5GHzのRTSパケットのL−STFの先頭部分や末尾部分、L−LTFの先頭部分や末尾部分が挙げられるが、上記に限られない。また、上記の場合、送信装置が、第1周波数の搬送波f1による信号(第1の送信要求)の所定の位置から予め規定された時間間隔をおいて第2周波数の搬送波f2による信号(第2の送信要求)を送信することが、上記同期した送信に相当する。
また、情報処理システム1000では、送信装置が第1の送信要求の所定の位置から第2の送信要求の開始位置までの時間間隔を示すデータが含まれた第1の送信要求を送信することによって、受信装置における第2の送信要求の開始位置の特定を実現することができる。つまり、上記の場合には、通信装置100A(受信装置)は、受信された第1の送信要求に含まれる上記時間間隔を示すデータに基づいて第2の送信要求の開始位置を一意に特定することができる。また、上記の場合、送信装置が、第1周波数の搬送波f1による信号(第1の送信要求)の所定の位置から予め規定された時間間隔をおいて第2周波数の搬送波f2による信号(第2の送信要求)を送信することが、上記同期した送信に相当する。
以下では、通信システム1000を構成する通信装置100A(他の通信装置100も同様)が、例えば図3に示すような5GHzのRTSパケットのDATA部分の開始位置に基づいて、第2の送信要求の開始位置を特定する場合を例に挙げて説明する。
再度図2を参照して、本発明の実施形態に係る通信システム1000における通信処理の一例について説明する。通信装置100Aは、例えば図4に示す処理によって特定された60GHzのRTSパケットに基づいて、要求ビームパターンを決定する。
<本発明の実施形態に係る要求ビームパターン決定処理>
図5は、本発明の実施形態に係る通信装置100における要求ビームパターン決定処理の一例を示す流れ図である。以下では、受信装置の役目を果たす通信装置100Aが図5に示す要求ビームパターン決定処理を行うものとして説明するが、他の通信装置100も同様に処理を行うことができる。
通信装置100Aは、m=0に設定する(S200)。ここで、ステップS200の処理は、第2の送信要求に設定された送信ビームパターンの処理数の初期化に相当する。よって、ステップS200において設定されるmの値は、m=0に限られない。
通信装置100Aは、第2の通信要求に含まれるm番目の送信ビームパターンにおける受信強度を導出する(S202)。そして、通信装置100Aは、導出された受信強度を送信ビームパターンごとに記録する。ここで、通信装置100Aは、受信された信号に基づく送信ビームパターンごとの受信電力を、受信強度として導出するが、上記に限られない。例えば、通信装置100Aは、受信された信号に基づく送信ビームパターンごとの受信電力の絶対値を受信強度とすることもできる。
ステップS202において受信強度が導出されると、通信装置100Aは、第2の通信要求に含まれる全ての送信ビームパターンに対して受信強度が導出されたか否かを判定する(S204)。
ステップS204において第2の通信要求に含まれる全ての送信ビームパターンに対して受信強度が導出されたと判定されない場合には、通信装置100Aは、mの値を“m=m+1”に更新する(S206)。そして、通信装置100Aは、ステップS202からの処理を繰り返す。
また、ステップS204において第2の通信要求に含まれる全ての送信ビームパターンに対して受信強度が導出されたと判定された場合には、通信装置100Aは、導出された受信強度に基づいて、要求ビームパターンを決定する(S208)。ここで、通信装置100Aは、例えば、第2の通信要求に含まれる送信ビームパターンのうちで受信強度が最大の送信ビームパターンを要求ビームパターンとして決定するが、上記に限られない。
通信装置100Aは、例えば図5に示す処理によって、第2の通信要求に含まれる複数の送信ビームパターンに基づいて、要求ビームパターンを決定することができる。なお、本発明の実施形態に係る通信装置100における要求ビームパターンの決定に係る処理が、上記に限られないことは、言うまでもない。
再度図2を参照して、本発明の実施形態に係る通信システム1000における通信処理の一例について説明する。例えば図5に示す処理によって要求ビームパターンが決定されると、通信装置100Aは、要求ビームパターンを示す要求ビームパターン識別情報を、5GHzのCTS(Clear to Send)パケット(受信準備完了通知)にて送信する(図2の期間b)。
ここで、通信装置100A(他の通信装置100も同様)は、例えば、要求ビームパターンそのものを要求ビームパターン識別情報として送信するが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る通信装置100は、要求ビームパターンを示す識別番号などを要求ビームパターン識別情報として送信することもできる。ここで、上記識別番号としては、例えば、要求ビームパターンに対応する送信ビームパターンに予め設定されている番号や、要求ビームパターンに対応する送信ビームパターンを処理した順番を示す番号が挙げられるが、上記に限られない。通信装置100A(受信装置)が、例えば、要求ビームパターン識別情報として上記識別番号を送信することによって、要求ビームパターンの送信に係るデータ量を低減することができる。よって、通信システム1000は、要求ビームパターンの送信に係るスループットの低下の防止を図ることができる。
通信装置100Bは、受信された5GHzのCTSパケットに含まれる要求ビームパターン識別情報に基づいて、送信ビームパターンを決定する。そして、通信装置100Bは、決定した送信ビームパターンを適用して60GHzの搬送波にてDATA(DATAパケット)を送信する(図2の期間c)。ここで、通信装置100Bは、図2の期間cに示すように、60GHzの搬送波f2によるDATAの送信と併せて、5GHzの搬送波f1によるDATAの送信を行うこともできる。
なお、上記では、通信装置100A(受信装置)が第2の通信要求に含まれる全ての送信ビームパターンに対して導出した受信強度に基づいて要求ビームパターンを決定し、要求ビームパターン識別情報を送信する例を示したが、上記に限られない。例えば、情報処理システム1000では、受信装置としての役目を果たす通信装置100A(他の通信装置100も同様)ではなく、送信装置としての役目を果たす通信装置100B(他の通信装置100も同様)が要求ビームパターンを決定することもできる。より具体的に上記の例について説明すると、通信装置100A(受信装置)が、例えば、第2の通信要求に含まれる全ての送信ビームパターンに対して導出した各受信強度を要求ビームパターン識別情報として送信する。通信装置100B(送信装置)は、受信した要求ビームパターン識別情報に含まれる各受信強度に基づいて要求ビームパターンを決定し、決定した要求ビームパターンに基づいて送信ビームパターンを決定する。上記の場合であっても、通信装置100B(送信装置)は、図5のステップS208において通信装置100A(受信装置)が決定する要求ビームパターンと同様の要求ビームパターンに基づいて、送信ビームパターンを決定することができる。よって、通信装置100B(送信装置)は、通信装置100A(受信装置)が要求ビームパターンを決定する場合と同様に、要求ビームパターンに基づく送信ビームパターンを適用して60GHzの搬送波にてDATAを送信することができる。
通信装置100Aは、DATAが正常に受信されると、5GHzのACK(ACKnowledgement)パケットを送信し、正常に受信された旨を通信装置100Bへ通知する(図2の期間d)。
通信装置100Aと通信装置100Bとの間において例えば図2に示す通信が行われることによって、通信システム1000では、60GHzの搬送波f2による通信(5GHzの搬送波f1による通信よりもより高速な通信)が安定的に行われる。なお、本発明の実施形態に係る通信システム1000における通信装置100Aと通信装置100Bとの通信が、図2に示す例に限られないことは、言うまでもない。
[本発明の実施形態に係る自動利得制御アプローチの概要]
本発明の実施形態に係る通信システム1000では、例えば図2に示す通信(本発明の実施形態に係る通信処理による通信)が行われることによって、第2周波数の搬送波f2によるより確実なデータの送受信を実現する。ここで、本発明の実施形態に係る通信システム1000における通信において、送信装置の役目を果たす通信装置100から送信される第2の送信要求には、例えば図3に示すように、複数の送信ビームパターンが設定される。よって、第2の送信要求は、ダイナミックレンジが大きなパケットとなる場合がある。
ここで、通信装置100が、従来の通信装置のように、図3に示す60GHzのRTSパケット(第2の送信要求)の先頭で自動利得制御を行う場合、当該RTSパケットのダイナミックレンジが非常に大きいために、測定範囲外となるデータが生じる可能性がある。上記の場合には、通信装置100は、第2の送信要求に含まれる送信ビームパターンごとの受信強度を正常に導出できないため、第2の送信要求に含まれる複数の送信ビームパターンの中から要求ビームパターンを決定することができないこととなる。
そこで、通信装置100は、例えば、以下の(1)、(2)に示すアプローチにより、例えば図3に示すようなダイナミックレンジが大きい(可能性がある)第2の送信要求(パケットの一例)を処理する。
(1)第1のアプローチ
受信装置が、従来の通信装置のように、受信した第2の送信要求の先頭における自動利得制御にて得たAGC設定値を用いて当該第2の送信要求を処理する場合には、測定範囲外となるデータが生じる可能性がある。そこで、通信システム1000では、送信装置(一の通信装置100)が、受信装置(他の通信装置100)に自動利得制御をさせるためのAGC設定値を含む第2の送信要求を送信する。そして、受信装置は、第2の送信要求に含まれるAGC設定値を用いて自動利得制御を行う。
ここで、送信装置の役目を果たす通信装置100は、複数の送信ビームパターンが設定された第2の送信要求を送信する。よって、送信装置の役目を果たす通信装置100は、送信する第2の送信要求に含める複数の送信ビームパターンに基づいて、送信する第2の送信要求に対応するAGC設定値を設定した第2の送信要求を送信することができる。つまり、受信装置の役目を果たす通信装置100は、第2の送信要求に含まれるAGC設定値を用いて自動利得制御を行うことによって、第2の送信要求のダイナミックレンジによらず、送信ビームパターンごとの受信強度を正常に導出することができる。したがって、受信装置の役目を果たす通信装置100は、第2の送信要求に含まれる複数の送信ビームパターンの中から要求ビームパターンを決定することができる。
〔第1のアプローチに係る第2の送信要求の一例〕
図6は、AGC設定値が設定された第2の送信要求の一例を示す説明図である。ここで、図6は、図3と同様に、第1周波数が5GHzであり、第2周波数が60GHzである場合を示している。
図6に示す60GHzのRTSパケット(第2の送信要求)には、図3に示す60GHzのRTSパケットと同様に、BeamTrainingField内に複数の送信ビームパターンが設定される。また、図6に示す60GHzのRTSパケットには、BeamTrainingField内に、AGC設定値が設定されるAGC Areaがさらに設けられる。
ここで、図6に示すように、BeamTrainingFieldの先頭にAGC設定値が設定されている場合、受信装置としての役目を果たす通信装置100は、当該AGC設定値に基づいて自動利得制御を行う。上記のように、第2の送信要求に含まれる複数の送信ビームパターンに対して設定された1つのAGC設定値に基づいて受信装置が処理を行う場合には、たとえ送信装置が設定したAGC設定値であったとしても、測定範囲外となるデータが生じる可能性はある。
そこで、本発明の実施形態に係る送信装置の役目を果たす通信装置100は、第2の送信要求に設定する送信ビームパターンごとに、対応するAGC設定値が設定された第2の送信要求を送信する。
図7は、本発明の実施形態に係るAGC設定値が設定された第2の送信要求の一例を示す説明図である。ここで、図7は、図3と同様に、第1周波数が5GHzであり、第2周波数が60GHzである場合を示している。
図7に示す60GHzのRTSパケット(第2の送信要求)には、図3に示す60GHzのRTSパケットと同様に、BeamTrainingField内に複数の送信ビームパターンが設定される。また、60GHzのRTSパケットに設定される送信ビームパターンそれぞれには、AGC設定値が設定されるAGC Areaと、送信ビームパターンが設定されるBeamTrainingFieldが設けられる。
ここで、図7に示すように、第2の送信要求に含まれる送信ビームパターンごとにAGC設定値が設定されている場合、受信装置としての役目を果たす通信装置100は、送信ビームパターンごとのAGC設定値に基づいて自動利得制御を行う。上記の場合には、受信装置の役目を果たす通信装置100は、実質的に指向性が単一のパケットを処理していることに相当する。
よって、受信装置の役目を果たす通信装置100は、第2の送信要求のダイナミックレンジによらず、送信ビームパターンごとの受信強度を正常に導出することができる。したがって、受信装置の役目を果たす通信装置100は、第2の送信要求に含まれる複数の送信ビームパターンの中から要求ビームパターンを決定することができる。
なお、本発明の実施形態に係るAGC設定値が設定された第2の送信要求は、図7に示す構成に限られない。例えば、送信装置の役目を果たす本発明の実施形態に係る通信装置100は、図7に示す各送信ビームパターンそれぞれの間に、所定の無信号期間(ギャップ)を設けた第2の送信要求を送信することもできる。上記の場合、受信装置の役目を果たす通信装置100は、送信ビームパターンごとの受信強度を導出するための時間をより多く確保することができる。
上記のように、第1のアプローチでは、送信装置の役目を果たす通信装置100が、例えば図7に示すように、設定される送信ビームパターンそれぞれに対応するAGC設定値(第1自動利得制御設定値)が設定された第2の送信要求を送信する。そして、受信装置の役目を果たす通信装置100は、第2の送信要求に含まれる送信ビームパターンそれぞれに対応するAGC設定値に基づいて、送信ビームパターンごとに自動利得制御を行う。よって、受信装置の役目を果たす通信装置100は、たとえ第2の送信要求のダイナミックレンジが大きい場合であっても、測定範囲外となるデータが生じることを防止することができるので、ダイナミックレンジが大きなパケットを処理することができる。
したがって、第1のアプローチを用いることによって、通信装置100は、アンテナの指向性を利用した通信において、ダイナミックレンジが大きなパケットを処理することができる。
(第2のアプローチ)
上記では、本発明の実施形態に係る通信装置100における自動利得制御の第1のアプローチとして、通信装置100が、送信ビームパターンごとにAGC設定値が設定された第2の送信要求に基づいて、送信ビームパターンごとに自動利得制御を行う方法を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係るダイナミックレンジが大きい(可能性がある)第2の送信要求(パケットの一例)に対する自動利得制御の方法は、上記に限られない。そこで、次に、本発明の実施形態に係る通信装置100における自動利得制御の第2のアプローチとして、第2の送信要求にAGC設定値が設定されない場合における第2の送信要求に対する自動利得制御の方法について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る第2の送信要求の一例を示す説明図である。ここで、図8は、図3と同様に、第1周波数が5GHzであり、第2周波数が60GHzである場合を示している。
図8に示す60GHzのRTSパケット(第2の送信要求)には、図3に示す60GHzのRTSパケットと同様に、BeamTrainingField内に複数の送信ビームパターンが設定される。また、60GHzのRTSパケットには、図7に示すような第1のアプローチに係るAGC Areaが設けられない。
図8に示すようにAGC設定値が設定されない第2の送信要求を処理するために、通信装置100は、複数のアンテナを複数のグループにグループ化し、当該グループに対応する複数のAGC回路を備える。また、通信装置100は、上記グループに対応する各AGC回路に対して、互いに異なるAGC設定値(第3自動利得制御設定値)を設定する。各グループに対応するAGC回路に互いに異なるAGC設定値を予め設定することによって、通信装置100では、いずれかのAGC回路で自動利得制御を行った第2の送信要求を選択的に用いた、要求ビームパターンの決定が可能となる。以下では、1または2以上のアンテナと、当該アンテナに対応するアナログ回路と、当該アンテナが受信した信号を処理するAGC回路とが、1つのグループを構成するものとして説明する。なお、本発明のグループの構成が、上記に限られないことは、言うまでもない。
通信装置100が処理する信号の受信強度が0[dBm]〜−90[dBm]の範囲内である場合、通信装置100では、例えば、3つのグループに分けられた第2周波数の搬送波f2を受信するための複数のアンテナと、グループごとのAGC回路を備える。上記3つのグループとしては、例えば、0[dBm]〜−30[dBm]の範囲を受信可能な第1グループ、−30[dBm]〜−60[dBm]の範囲を受信可能な第2グループ、−60[dBm]〜−90[dBm]の範囲を受信可能な第3グループが挙げられる。なお、本発明の実施形態に係るグループが、3つに限られず、また、受信可能な範囲が上記に限られないことは、言うまでもない。
通信装置100が、複数のグループにより処理の対象とする受信強度の全範囲(または、広範囲)をカバーすることによって、いずれかのグループに対応するAGC回路から出力される第2の送信要求に基づいて送信ビームパターンごとの受信強度を正常に導出することが可能となる。よって、通信装置100は、第2の送信要求に含まれる複数の送信ビームパターンの中から要求ビームパターンを決定することができる。
ここで、第2のアプローチを用いる通信装置100における要求ビームパターン決定処理の一例について説明する。図9は、本発明の実施形態に係る通信装置100における要求ビームパターン決定処理の一例を示す流れ図である。
通信装置100は、各グループに対応するAGC回路から出力された第2の送信要求に基づいて、処理に用いる第2の送信要求を選択する(S300)。ここで、ステップS300の処理は、グループを選択するグループ選択処理に相当する。
〔本発明の実施形態に係るグループ選択処理〕
ここで、本発明の実施形態に係るグループ選択処理について説明する。図10は、本発明の実施形態に係るグループ選択処理の一例を説明するための説明図である。ここで、図10は、通信装置100が、第2周波数の搬送波f2を3系統の受信系(以下、「ブランチ」とよぶ場合がある。)で受信する、すなわち、通信装置100が3つのグループを有し、グループごとに信号を受信する場合を示している。また、図10は、ブランチ0(グループ0)が0[dBm]〜−30[dBm]の範囲、ブランチ1(グループ1)が−30[dBm]〜−60[dBm]の範囲、ブランチ2(グループ2)が−60[dBm]〜−90[dBm]の範囲を担当する例を示している。
例えば、各グループを構成するAD変換器(Analog to Digital Converter)の分解能が10ビットである場合、通信装置100は、各グループのAGC回路から出力される信号の値p(pは、−511≦p≦511の整数)に基づいて、一のグループを選択する。
より具体的には、通信装置100は、例えば、グループごとの値pの所定期間における絶対値の平均値p’を導出し、平均値p’が256(0と511の中点)により近いグループを選択する。上記は、平均値p’が511の場合には、AGC回路から出力される信号が大きすぎて範囲外となったことを示し、また、平均値p’が0の場合には、受信された信号が小さいことを示すからである。よって、通信装置100は、図10のケース1ではグループ0(ブランチ0)を選択し、ケース2では、グループ1(ブランチ1)を選択する。そして、通信装置100は、ケース3では、グループ2(ブランチ2)を選択する。
通信装置100は、例えば上記の処理を行いグループを選択することによって、各グループに対応するAGC回路から出力された第2の送信要求に基づいて、処理に用いる第2の送信要求を選択することができる。なお、本発明の実施形態に係るグループの選択方法は、上記に限られない。
再度図9を参照して、第2のアプローチを用いる通信装置100における要求ビームパターン決定処理の一例について説明する。通信装置100は、図5のステップS200と同様に、m=0に設定する(S302)。なお、ステップS302において設定されるmの値は、m=0に限られない。
通信装置100は、図5のステップS202と同様に、第2の通信要求に含まれるm番目の送信ビームパターンにおける受信強度を導出する(S304)。そして、通信装置100は、導出された受信強度を送信ビームパターンごとに記録する。ここで、通信装置100は、受信された信号に基づく送信ビームパターンごとの受信電力を、受信強度として導出するが、上記に限られない。例えば、通信装置100は、受信された信号に基づく送信ビームパターンごとの受信電力の絶対値を受信強度とすることもできる。
ステップS304において受信強度が導出されると、通信装置100は、図5のステップS204と同様に、第2の通信要求に含まれる全ての送信ビームパターンに対して受信強度が導出されたか否かを判定する(S306)。
ステップS306において第2の通信要求に含まれる全ての送信ビームパターンに対して受信強度が導出されたと判定されない場合には、通信装置100は、図5のステップS206と同様に、mの値を“m=m+1”に更新する(S308)。そして、通信装置100Aは、ステップS304からの処理を繰り返す。
また、ステップS306において第2の通信要求に含まれる全ての送信ビームパターンに対して受信強度が導出されたと判定された場合には、通信装置100は、図5のステップS208と同様に、導出された受信強度に基づいて要求ビームパターンを決定する(S310)。ここで、通信装置100は、例えば、第2の通信要求に含まれる送信ビームパターンのうちで受信強度が最大の送信ビームパターンを要求ビームパターンとして決定するが、上記に限られない。
例えば図9に示すように、第2のアプローチを用いる通信装置100は、各グループに対応するAGC回路から出力された第2の通信要求の中から一の第2の通信要求を選択する。そして、通信装置100は、選択された第2の通信要求に含まれる複数の送信ビームパターンに基づいて図5に示す要求ビームパターン決定処理と同様の処理を行う。よって、第2のアプローチを用いる通信装置100は、受信された第2の送信要求に基づいて、要求ビームパターンを決定することができる。なお、第2のアプローチを用いる通信装置100における要求ビームパターンの決定に係る処理が、上記に限られないことは、言うまでもない。
上記のように、第2のアプローチでは、通信装置100は、複数のアンテナを複数のグループにグループ化し、当該グループに対応する複数のAGC回路を備える。また、通信装置100は、上記グループに対応する各AGC回路に対して、互いに異なるAGC設定値(第3自動利得制御設定値)を設定する。各グループに対応するAGC回路に互いに異なるAGC設定値を設定することによって、通信装置100は、各グループに対応するAGC回路から出力されたいずれかの第2の送信要求を用いて送信ビームパターンごとの受信強度を正常に導出することができる。よって、通信装置100は、第2の送信要求のダイナミックレンジによらず、第2の送信要求に含まれる複数の送信ビームパターンの中から要求ビームパターンを決定することができる。
したがって、第2のアプローチを用いることによって、通信装置100は、アンテナの指向性を利用した通信において、ダイナミックレンジが大きなパケットを処理することができる。
また、通信システム1000を構成する通信装置100が第2のアプローチを用いる場合には、図8に示すように送信装置の役目を果たす通信装置100から送信される第2の送信要求にAGC Areaが設けられない。よって、第2のアプローチを用いる通信装置100を有する通信システム1000は、第1のアプローチを用いる通信装置100を有する通信システム1000よりもスループットの向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係る通信システム1000では、各通信装置100が、第2周波数の搬送波f2を用いた通信において、例えば、上記(1)、(2)に示すアプローチを用いる。したがって、通信装置100は、アンテナの指向性を利用した通信において、例えば図3に示すような第2の送信要求など、ダイナミックレンジが大きい(可能性がある)パケットを処理することができる。
次に、本発明の実施形態に係る自動利得制御アプローチを実現可能な、本発明の実施形態に係る通信装置100の構成について説明する。以下では、上記(1)のアプローチ(第1のアプローチ)を実現する通信装置を「通信装置100」とし、また、上記(2)のアプローチ(第2のアプローチ)を実現する通信装置を「通信装置200」として説明する。
(第1の実施形態に係る通信装置)
図11は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置100の構成の一例を示す説明図である。
通信装置100は、第1通信部102と、第2通信部104と、制御部106とを備える。また、通信装置100は、例えば、ROM(Read Only Memory;図示せず)、RAM(Random Access Memory;図示せず)、記憶部(図示せず)、操作部(図示せず)、表示部(図示せず)などを備えてもよい。通信装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続することができる。ここで、ROMは、制御部106が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAMは、制御部106により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
記憶部(図示せず)は、通信装置100が備える記憶手段であり、各種データやアプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
操作部(図示せず)は、ユーザによる操作を可能とする通信装置100が備える操作手段である。通信装置100は、操作部(図示せず)を備えることによって、ユーザが所望する処理を行うことができる。ここで、操作部(図示せず)としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクタ、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
表示部(図示せず)は、通信装置100が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報を表示する。表示部(図示せず)の表示画面に表示される画面としては、例えば、所望する動作を通信装置100に対して行わせるための操作画面や、通信状態を表す画面などが挙げられる。ここで、表示部(図示せず)としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display。液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などが挙げられるが、上記に限られない。
第1通信部102は、通信装置100が備える第1の通信手段であり、第1周波数の搬送波f1用いて外部装置と無線通信を行う。また、第1通信部102は、第1通信アンテナ110と、第1アナログ信号処理部112と、第1信号変換部114とを備える。
第1通信アンテナ110は、1または2以上の外部装置に対して第1周波数の搬送波f1による信号を送信し、また、外部装置から送信される第1周波数の搬送波f1による信号を受信する。以下では、第1通信アンテナ110から送信する信号を「第1送信信号」とよび、また、第1通信アンテナ110が受信した信号を「第1受信信号」とよぶ場合がある。
第1アナログ信号処理部112は、第1通信アンテナ110が受信した第1受信信号(アナログ信号)を処理し、第1信号変換部114へ伝達する。また、第1アナログ信号処理部112は、第1信号変換部114から伝達される信号(アナログ信号)を処理し、第1通信アンテナ110から第1送信信号を送信させる。ここで、第1アナログ信号処理部112における処理としては、例えば、各信号の増幅や、ノイズの除去などが挙げられるが、上記に限られない。また、第1アナログ信号処理部112は、例えば、増幅器やローパスフィルタなどの各種回路が集積された集積回路で構成される。
第1信号変換部114は、第1アナログ信号処理部112から伝達される第1受信信号に対応する信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換して、制御部106(より具体的には、後述する第1通信処理部122)へ伝達する。また、第1信号変換部114は、制御部106(より具体的には、後述する第1通信処理部122)から伝達される第1送信信号に対応する信号(デジタル信号)を第1アナログ信号処理部112へ伝達する。ここで、第1信号変換部114は、例えば、AD変換器とDA変換器(Digital to Analog Converter)とで構成されるが、上記に限られない。
第1通信部102は、第1通信アンテナ110、第1アナログ信号処理部112、および第1信号変換部114を備えることによって、第1周波数の搬送波f1用いて外部装置と無線通信を行うことができる。
第2通信部104は、通信装置100が備える第2の通信手段であり、第2周波数の搬送波f2用いて外部装置と無線通信を行う。また、第2通信部104は、第2通信アンテナ116と、第2アナログ信号処理部118と、第2信号変換部120とを備える。
第2通信アンテナ116は、複数の通信アンテナを備え、1または2以上の外部装置に対して第2周波数の搬送波f2による信号を送信し、また、外部装置から送信される第2周波数の搬送波f2による信号を受信する。以下では、第2通信アンテナ116から送信する信号を「第2送信信号」とよび、また、第2通信アンテナ116が受信した信号を「第2受信信号」とよぶ場合がある。
第2アナログ信号処理部118は、第2通信アンテナ116を構成する各通信アンテナが受信した第2受信信号(アナログ信号)を処理し、第2信号変換部120へ伝達する。また、第2アナログ信号処理部118は、第2信号変換部120から伝達される信号(アナログ信号)を処理し、第2通信アンテナ116を構成する各通信アンテナから第2送信信号を送信させる。ここで、第2アナログ信号処理部118における処理としては、例えば、各信号の増幅や、ノイズの除去などが挙げられるが、上記に限られない。また、第2アナログ信号処理部118は、第1アナログ信号処理部112と同様に、例えば、増幅器やローパスフィルタなどの各種回路が集積された集積回路で構成される。
第2信号変換部120は、第2アナログ信号処理部118から伝達される第2受信信号に対応する信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換して、制御部106(より具体的には、後述する第2通信処理部124)へ伝達する。また、第2信号変換部120は、制御部106(より具体的には、後述する第2通信処理部124)から伝達される第2送信信号に対応する信号(デジタル信号)を第2アナログ信号処理部118へ伝達する。ここで、第2信号変換部120は、第1信号変換部114と同様に、例えば、AD変換器とDA変換器とで構成されるが、上記に限られない。
第2通信部104は、第2通信アンテナ116、第2アナログ信号処理部118、および第2信号変換部120を備えることによって、第2周波数の搬送波f2用いて外部装置と無線通信を行うことができる。
制御部106は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)や各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、通信装置100全体を制御する。また、制御部106は、第1通信処理部122と第2通信処理部124とを備え、上述した本発明の実施形態に係る通信処理を主導的に行う役目を果たす。
第1通信処理部122は、第1通信部102から伝達される第1受信信号を処理し、また、第1通信部102に第1送信信号を送信させる。ここで、第1通信処理部122は、例えば、第2通信処理部124からの送信命令に応じた第1送信信号を第1通信部102に送信させるなど、第2通信処理部124と連携して処理を行うこともできる。
[第1通信処理部122における第1受信信号の処理の一例]
ここで、第1通信処理部122における第1受信信号の処理の一例について説明する。第1通信処理部122は、例えば、第1通信部102から伝達される第1送信要求(第1受信信号の一例)に基づいて、第2の送信要求(第2受信信号の一例)の受信開始を示す情報を生成し、生成した受信開始を示す情報を第2通信処理部124へ伝達する。
ここで、受信開始を示す情報は、第2通信処理部124において同期処理を開始するトリガとなるものである。受信開始を示す情報としては、例えば、第1の送信要求に含まれる所定のパケットの位置を示すパケット位置情報や、第1の送信要求の所定の位置から所定の時間間隔が経過した位置を示す情報などが挙げられるが、上記に限られない。以下では、受信開始を示す情報として、パケット位置情報を例に挙げて説明する。ここで、パケット位置情報としては、例えば、第1送信要求の所定のパケットの位置が検出されたことを示すパルス信号が挙げられるが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係るパケット位置情報は、同期処理のトリガの役目を果たすことが可能な任意の信号やデータとすることができる。また、本発明の実施形態に係る他の受信開始を示す情報は、パケット位置情報と同様の信号やデータで実現することができる。
また、第1通信処理部122は、例えば、要求ビームパターン識別情報が第1通信部102から伝達された場合には、当該要求ビームパターン識別情報を第2通信処理部124へ伝達する。
第1通信処理部122は、例えば、第1受信信号の処理として、例えば、上記のような処理を行う。なお、第1通信処理部122における第1受信信号の処理は、上記に限られない。
第2通信処理部124は、第2通信部104から伝達される第2受信信号を処理し、また、第2通信部104に第2送信信号を送信させる。ここで、第2通信処理部124は、例えば、第1通信処理部122から伝達されるパケット位置情報や要求ビームパターン識別情報に基づいて処理を行うなど、第1通信処理部122と連携して処理を行うこともできる。
[第2通信処理部124の構成例]
ここで、第2通信処理部124の構成について、より具体的に説明する。図12は、本発明の第1の実施形態に係る第2通信処理部124の構成の一例を示す説明図である。図12では、第2通信部104を構成する第2信号変換部120を併せて示している。
第2通信処理部124は、同期部130と、自動利得制御部132と、設定値記憶部134と、デコード部136と、処理部138と、エンコード部140と、ビームパターン適用部142と、受信強度導出部144と、要求ビームパターン決定部146とを備える。ここで、第2通信処理部124は、外部装置へ送信する信号に適用するための送信ビームパターンの情報(例えば、重み付け係数など)が記憶されたビームパターン記憶部(図示せず)をさらに備えることもできる。
同期部130は、第1通信処理部122から伝達されるパケット位置情報に基づいて、第2の送信要求の開始位置を特定する。ここで、同期部130における第2の送信要求の開始位置の特定は、パケットの切り出し処理に相当する。
また、同期部130は、第2の送信要求が受信されたことを示す信号を受信強度導出部144へ伝達することもできる。上記第2の送信要求が受信されたことを示す信号が伝達されることによって、受信強度導出部144は、第2の送信要求が受信された場合に選択的に処理を行うことができる。
また、第2通信部104が図2に示すDATAを受信する場合、同期部130は、例えば、ビット同期やキャラクタ同期などによって、第1通信処理部122の処理と同期を図るが、上記に限られない。
自動利得制御部132は、伝達される信号が第2の送信要求である場合には、第2の送信要求に含まれる送信ビームパターンごとに設定されているAGC設定値(第1自動利得制御設定値)にづいて、第2の送信要求の利得を調整する。また、自動利得制御部132は、第2の送信要求に設定されているAGC設定値それぞれを、設定値記憶部134へ保持させる。
また、自動利得制御部132は、伝達される信号が第2の送信要求ではない場合には、設定値記憶部134に記憶されたAGC設定値(第2自動利得制御設定値)に基づいて、伝達される信号(第2受信信号に対応する信号)の利得を調整する。ここで、自動利得制御部132は、設定値記憶部134に記憶されたAGC設定値を固定値として自動利得制御を行うが、上記に限られない。例えば、自動利得制御部132は、設定値記憶部134に記憶されたAGC設定値を、自動利得制御の初期値として用いることもできる。
また、自動利得制御部132は、例えば、大きなゲインの切替を行うためのLNA(Low Noise Amplifier)や、より小さなゲインの切替を行うためのVGA(Variable Gain Amplifier)などから構成されるAGC回路を有するが、上記に限られない。
設定値記憶部134は、AGC設定値(第2自動利得制御設定値)を記憶する。設定値記憶部134には、要求ビームパターン決定部146において要求ビームパターンとして決定された第2の送信要求に含まれる送信ビームパターンに対応するAGC設置値(第1自動利得制御設定値)が挙げられるが、上記に限られない。
例えば、第2の送信要求が各送信ビームパターンに直交または擬似直交した系列を割り当てることにより送信ビームパターンを同時送信したものである場合、設定値記憶部134は、要求ビームパターンに対応するAGC設定値よりもより利得を大きくするAGC設定値を記憶することもできる。上記は、例えば、図2に示す60GHzのRTSパケットから取得されたAGC設定値を用いた場合、DATAを受信するときの受信強度が、要求ビームパターンに対応する送信ビームパターンの受信時の数倍の受信強度となる可能性があるためである。
ここで、設定値記憶部134は、例えば、第2の送信要求の種類を判定することにより、記憶するAGC設定値を、要求ビームパターンに対応するAGC設定値とするか、またはより利得を大きくするAGC設定値とするかを切り替えるが、上記に限られない。例えば、設定値記憶部134は、他の構成要素(例えば、処理部138など)から伝達される第2の送信要求の種類を示す信号に基づいて上記切り替えを行うこともできる。また、本発明の実施形態にかかる設定値記憶部134に、要求ビームパターンに対応するAGC設定値とするか、またはより利得を大きくするAGC設定値とするかが予め規定されていてもよいことは、言うまでもない。
また、設定値記憶部134は、自動利得制御部132から伝達される第2の送信要求に設定されている各AGC設定値(第1自動利得制御設定値)を保持する。
また、設定値記憶部134は、AGC設定値を記憶、保持する記録媒体として、例えば、揮発性メモリ(volatile memory)と不揮発性メモリ(nonvolatile memory)とを備えるが、上記に限られない。ここで、自動利得制御部132から伝達される第2の送信要求に設定されている各AGC設定値(第1自動利得制御設定値)は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリに保持される。また、要求ビームパターンに対応するAGC設定値(第2自動利得制御設定値)は、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリに記憶される。
デコード部136は、自動利得制御部132から出力される利得が調整された信号(デジタル信号)に基づいて、例えば、復調やデマッピングを行う。ここで、デコード部136における復調の方式としては、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式が挙げられるが、上記に限られない。
処理部138は、第2通信処理部124において様々な信号処理を行う役目を果たす。
〔処理部138における信号処理の一例〕
ここで、処理部138における信号処理の一例について説明する。処理部138は、デコード部136から伝達される信号を処理し、処理結果に応じた信号をエンコード部140へ伝達する。
また、処理部138は、1または2以上の送信ビームパターンが1つのパケット内に設定され、送信ビームパターンごとにAGC設定値が設定された送信要求を、第2通信部104に送信させるための処理を行う。ここで、処理部138における上記処理としては、エンコード部140への信号の伝達と同期して行うビームパターン適用部142の制御処理が挙げられるが、上記に限られない。また、処理部138における上記処理は、例えば通信装置100が送信装置としての役目を果たす場合に行われる。処理部138の処理に係る送信要求としては、例えば、図7に示す60GHzのRTSパケットが挙げられるが、上記に限られない。ここで、処理部138の処理に係る送信要求は、通信システム1000を構成する他の通信装置100における第2の送信要求に相当する。
また、処理部138は、例えば、要求ビームパターン決定部146が決定した要求ビームパターンに基づく要求ビームパターン識別情報を、第1通信処理部122を介して第2の送信要求を送信した外部装置へと送信させる。処理部138における上記処理は、例えば通信装置100が受信装置としての役目を果たす場合に行われる。
ここで、処理部138が要求ビームパターン識別情報を送信させる第2の送信要求を送信した外部装置は、要求ビームパターン決定部146が要求ビームパターンの決定に用いた第2の送信要求を送信した外部装置に相当する。
なお、図12では、第2通信処理部124が、要求ビームパターン決定部146と処理部138とを別体として備える構成を示しているが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る第2通信処理部124は、処理部138が後述する要求ビームパターン決定部146の役目を果たすこともできる。
処理部138は、例えば、信号処理として、例えば、上記のような処理を行う。なお、処理部138における信号処理は、上記に限られない。
エンコード部140は、処理部138から伝達される信号に基づいて、例えば、変調やマッピングを行う。ここで、デコード部136における変調の方式としては、例えば、OFDM変調方式が挙げられるが、上記に限られない。
ビームパターン適用部142は、選択的に第2通信部104から送信する信号に重み付けを行い、第2通信部104から送信する信号に指向性(または、無指向性)を設定する。ここで、ビームパターン適用部142における信号の重み付けとしては、例えば、信号に適用する送信ビームパターンに対応する重み係数(複素数)を、複素乗算することが挙げられる。
また、ビームパターン適用部142は、外部装置から送信された要求ビームパターン識別情報に基づいて、当該要求ビームパターン識別情報に対応する重み係数を送信する信号に乗算する(要求ビームパターンの適用)こともできる。ここで、ビームパターン適用部142に伝達される要求ビームパターン識別情報は、例えば、第1通信部102において受信された図2に示す第1周波数のCTSパケットに基づいて、第1通信処理部122から伝達される。また、ビームパターン適用部142は、例えば、ビームパターン記憶部(図示せず)を参照することによって、要求ビームパターン識別情報に対応する重み係数を取得するが、上記に限られない。ビームパターン適用部142が要求ビームパターン識別情報に対応する重み係数を送信する信号に乗算することによって、通信装置200は、外部装置が所望する送信ビームパターンが適用された第2周波数の搬送波f2を送信することができる。
受信強度導出部144は、自動利得制御部132から伝達される第2の送信要求と、設定値記憶部134に保持されている第2の送信要求に設定されているAGC設定値とに基づいて、送信ビームパターンごとに受信強度を導出する。ここで、受信強度導出部144は、AGC設定値(またはAGC設定値に対応する調整値)を、例えば、調整された受信強度を導出するが、上記に限られない。また、受信強度導出部144は、例えば、同期部130から伝達される第2の送信要求が受信されたことを示す信号に基づいて、選択的に受信強度を導出することもできる。
要求ビームパターン決定部146は、受信強度導出部144における導出結果に基づいて、要求ビームパターンを決定する。
また、要求ビームパターン決定部146は、第2の送信要求に設定されたAGC設定値のうち、決定した要求ビームパターンに対応する送信ビームパターンに対して設定されていたAGC設定値を、設定値記憶部134へ伝達する。
第2通信処理部124は、例えば、図12に示す構成を有することによって、第2通信部104から伝達される第2受信信号を処理し、また、第2通信部104に第2送信信号を送信させる。また、第2通信処理部124は、例えば、図12に示す構成を有することによって、第1通信処理部122と連携して上述した通信処理を行う。
〔第1の実施形態に係る第2信号処理部の変形例〕
なお、本発明の第1の実施形態に係る第2通信処理部124の構成は、図12に示す構成に限られない。図13は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る第2通信処理部124’の構成の一例を示す説明図である。
図13を参照すると、第2通信処理部124’は、基本的に図12に示す第2通信処理部124と同様の構成を有するが、デコード部136の前段にビームパターン適用部148をさらに備える。
ビームパターン適用部148は、自動利得制御部132から伝達される信号に重み付けを行い、当該信号に指向性(または、無指向性)を設定する。ここで、ビームパターン適用部148における信号の重み付けとしては、例えば、要求ビームパターンに対応する重み係数(複素数)を、複素乗算することが挙げられる。
第2通信処理部124’は、ビームパターン適用部148を備えることによって、第2通信部104が受信した第2受信信号に受信のビームパターンを適用することができる。したがって、第2通信処理部124’は、図12に示す第2通信処理部124よりもより高い利得を得ることができる。
また、第2通信処理部124’は、基本的に図12に示す第2通信処理部124と同様の構成を有するので、図12に示す第2通信処理部124と同様の機能を実現することができる。
制御部106は、第1通信処理部122および第2通信処理部124(または、第2通信処理部124’)を備えることによって、上述した第1のアプローチ、および本発明の実施形態に係る通信処理を実現させることができる。
通信装置100は、例えば、図10に示す構成によって、上述した本発明の実施形態に係る自動利得制御アプローチ(第1のアプローチ)、および本発明の実施形態に係る通信処理を実現することができる。
以上のように、第1の実施形態に係る通信装置100は、第2周波数の搬送波f2により送信された第2の送信要求に含まれる送信ビームパターンそれぞれに対応するAGC設定値に基づいて、送信ビームパターンごとに自動利得制御を行う。よって、通信装置100は、たとえ受信された第2の送信要求のダイナミックレンジが大きい場合であっても、実質的に指向性が単一のパケットとして処理することができるので、測定範囲外となるデータの発生を防止することができる。したがって、通信装置100は、アンテナの指向性を利用した通信において、ダイナミックレンジが大きなパケットを処理することができる。
また、通信装置100は、ダイナミックレンジが大きなパケットを処理することができるので、本発明の実施形態に係るアンテナの指向性を利用した通信の安定化を図ることが可能な通信処理を実現することができる。
(第2の実施形態に係る通信装置)
次に、上述した(2)のアプローチ(第2のアプローチ)を実現することが可能な本発明の第2の実施形態に係る通信装置200について説明する。図14は、本発明の第2の実施形態に係る通信装置200の構成の一例を示す説明図である。
通信装置200は、第1通信部102と、第2通信部202と、制御部204とを備える。また、通信装置200は、例えば、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、記憶部(図示せず)、操作部(図示せず)、表示部(図示せず)などを備えてもよい。通信装置200は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続することができる。
第1通信部102は、通信装置200が備える第1の通信手段であり、第1周波数の搬送波f1用いて外部装置と無線通信を行う。また、第1通信部102は、図11に示す第1通信部102と同様の機能、構成を有する。
第2通信部202は、通信装置200が備える第2の通信手段であり、第2周波数の搬送波f2用いて外部装置と無線通信を行う。また、第2通信部202は、第2通信アンテナ210と、第2アナログ信号処理部212と、第2信号変換部214とを備える。
第2通信アンテナ210、第2アナログ信号処理部212、および第2信号変換部214は、それぞれ図11に示す第2通信アンテナ116、第2アナログ信号処理部118、および第2信号変換部120と基本的に同様の機能、構成を有する。
ここで、第2通信部202と、図11に示す第1の実施形態に係る第2通信部104との差異は、第2通信部202の各構成要素が、グループ化されていることにある。例えば、第2通信アンテナ210が3つのグループに分かれている場合には、第2アナログ信号処理部212および第2信号変換部214もそれぞれのグループに対応する3つの信号処理系統を有する。ここで、例えば第2通信アンテナ210が30本の通信アンテナを備える場合、通信装置200は、通信アンテナの本数が均等となるようにグループ化を行うが、上記に限られない。例えば、通信装置200は、10本、15本、5本など、グループを構成する通信アンテナ数に差を設けることもできる。
以下では、通信装置200が、3つのグループにグループ化された構成を有する第2通信部202を備えるものとして説明する。なお、本発明の実施形態に係るグループが、3つに限られないことは、言うまでもない。
制御部204は、例えば、MPUや各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、通信装置200全体を制御する。また、制御部204は、第1通信処理部122と第2通信処理部216とを備え、上述した本発明の実施形態に係る通信処理を主導的に行う役目を果たす。
第1通信処理部122は、図11に示す第1通信処理部122と同様の機能、構成を有する。
第2通信処理部216は、第2通信部202からグループごとに伝達される第2受信信号を処理し、また、第2通信部202に第2送信信号をグループごとに送信させる。ここで、第2通信処理部216は、図11に示す第2通信処理部124と同様に、第1通信処理部122と連携して処理を行うこともできる。
[第2通信処理部216の構成例]
ここで、第2通信処理部216の構成について、より具体的に説明する。図15は、本発明の第2の実施形態に係る第2通信処理部216の構成の一例を示す説明図である。図15では、第2通信部202を構成する第2信号変換部214を併せて示している。
第2通信処理部124は、同期部130と、自動利得制御部230と、設定値記憶部232と、デコード部136と、処理部138と、エンコード部140と、ビームパターン適用部142と、グループ選択部234と、受信強度導出部236と、要求ビームパターン決定部238とを備える。ここで、第2通信処理部216は、外部装置へ送信する信号に適用するための送信ビームパターンの情報が記憶されたビームパターン記憶部(図示せず)をさらに備えることもできる。
同期部130、デコード部136、処理部138、エンコード部140、およびビームパターン適用部142は、それぞれ図12に示す対応する各構成要素と同様の機能、構成を有する。
自動利得制御部230は、各グループに対応するAGC回路を備え、グループごとに伝達される信号(第2受信信号に対応する信号)の利得をそれぞれ調整する。ここで、自動利得制御部230を構成する各AGC回路は、設定値記憶部232に予め記憶されているAGC回路ごとに互いに異なるAGC設定値(第3自動利得制御設定値)に基づいて、伝達される信号の利得を調整する。
また、自動利得制御部230を構成する各AGC回路は、設定値記憶部232に記憶されたAGC設定値を固定値として自動利得制御を行うが、上記に限られない。例えば、自動利得制御部230を構成する各AGC回路は、設定値記憶部232に記憶されたAGC設定値を、自動利得制御の初期値として用いることもできる。
また、自動利得制御部230を構成する各AGC回路は、例えば、大きなゲインの切替を行うためのLNAや、より小さなゲインの切替を行うためのVGAなどから構成されるが、上記に限られない。
設定値記憶部232は、自動利得制御部230を構成する各AGC回路ごとにAGC設定値(第3自動利得制御設定値)を記憶する設定値記憶部232は、AGC設定値を記憶する記録媒体として、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを備えるが、上記に限られない。
グループ選択部234は、自動利得制御部230から伝達されるグループごとの信号の受信強度に基づいて、一のグループを選択する。そして、グループ選択部234は、選択結果の情報(例えば、グループを示すインデックス番号など)を受信強度導出部236へ伝達する。
なお、図15では、グループ選択部234が選択結果の情報を受信強度導出部236へ伝達する構成を示しているが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係るグループ選択部234は、選択結果の情報をさらに処理部138へ伝達することもできる。選択結果の情報が伝達されることによって、処理部138は、デコード部136から伝達されるグループごとの信号のうち、選択結果の情報が示すグループに対応する信号を選択的に処理することが可能となる。
受信強度導出部236は、グループ選択部234から伝達される選択結果の情報に基づいて、自動利得制御部230から伝達されるグループごとの第2の送信要求のうちの、一の第2の送信要求を選択的に処理する。より具体的には、受信強度導出部236は、選択結果の情報が示すグループに対応する第2の送信要求と、設定値記憶部232に記憶されているAGC設定値とに基づいて、送信ビームパターンごとに受信強度を導出する。
また、受信強度導出部236は、例えば、同期部130から伝達される第2の送信要求が受信されたことを示す信号に基づいて、選択的に受信強度を導出することもできる。
要求ビームパターン決定部238は、受信強度導出部236における導出結果に基づいて、要求ビームパターンを決定する。
第2通信処理部216は、例えば、図15に示す構成を有することによって、第2通信部202から伝達されるグループごとの第2受信信号を処理し、また、第2通信部202に第2送信信号をグループごとに送信させる。また、第2通信処理部216は、例えば、図15に示す構成を有することによって、第1通信処理部122と連携して上述した通信処理を行う。
〔第2の実施形態に係る第2信号処理部の変形例〕
なお、本発明の第2の実施形態に係る第2通信処理部216の構成は、図15に示す構成に限られない。図16は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る第2通信処理部216’の構成の一例を示す説明図である。
図16を参照すると、第2通信処理部216’は、基本的に図15に示す第2通信処理部216と同様の構成を有するが、デコード部136とグループ選択部234との前段にビームパターン適用部240をさらに備える。
ビームパターン適用部240は、自動利得制御部230から伝達されるグループごとの信号それぞれに重み付けを行い、当該信号に指向性(または、無指向性)を設定する。ここで、ビームパターン適用部240における信号の重み付けとしては、例えば、要求ビームパターンに対応する重み係数(複素数)を、複素乗算することが挙げられる。
第2通信処理部216’は、ビームパターン適用部240を備えることによって、第2通信部104が受信したグループごとの第2受信信号それぞれに受信のビームパターンを適用することができる。したがって、第2通信処理部216’は、図15に示す第2通信処理部216よりもより高い利得を得ることができる。
また、第2通信処理部216’は、基本的に図15に示す第2通信処理部216と同様の構成を有するので、図15に示す第2通信処理部216と同様の機能を実現することができる。
制御部204は、第1通信処理部122および第2通信処理部216(または第2通信処理部216’)を備えることによって、上述した第2のアプローチ、および本発明の実施形態に係る通信処理を実現させることができる。
通信装置200は、例えば、図14に示す構成によって、上述した本発明の実施形態に係る自動利得制御アプローチ(第2のアプローチ)、および本発明の実施形態に係る通信処理を実現することができる。
以上のように、第2の実施形態に係る通信装置200は、複数のアンテナを複数のグループにグループ化し、当該グループに対応する複数のAGC回路を備える。また、通信装置200は、上記グループに対応する各AGC回路に対して、互いに異なるAGC設定値(第3自動利得制御設定値)を設定する。ここで、各グループに対応するAGC回路に互いに異なるAGC設定値を設定することによって、通信装置200は、第2周波数の搬送波f2による通信において処理を行う対象とする受信強度の全範囲(または、広範囲)をカバーすることが可能となる。よって、通信装置200では、第2の送信要求のダイナミックレンジによらず、いずれかのグループに対応するAGC回路から出力される第2の送信要求に基づいて複数の送信ビームパターンの中から要求ビームパターンを決定することができる。したがって、通信装置200は、アンテナの指向性を利用した通信において、ダイナミックレンジが大きなパケットを処理することができる。
また、通信装置200は、ダイナミックレンジが大きなパケットを処理することができるので、本発明の実施形態に係るアンテナの指向性を利用した通信の安定化を図ることが可能な通信処理を実現することができる。
上記では、本発明の実施形態として通信装置100、通信装置200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PCなどのコンピュータや、携帯電話などの携帯型通信装置、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機など、通信機能を有する様々な機器に適用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。