JP5138275B2 - 紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物並びにそれを具備する表示媒体 - Google Patents
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本発明による紫外線硬化性樹脂組成物は、重合性樹脂としてウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、またはそれらの混合物を含んでなる。このようなウレタン(メタ)アクリレートは、一般的にはポリオール、イソシアネートおよびヒドロキシル基をもつ(メタ)アクリレートなどとの反応生成物として知られている。前記したとおり、このようなウレタン(メタ)アクリレートは、分子中の構造により、硬化後の硬度が変化するが、通常、ポリカーボネート系ポリオール構造を有するものは硬度が高く、ポリエーテル系ポリオール構造を有するものは硬度が低い傾向がある。これらの分子構造は、最終的に形成される硬化物の目的などに応じて、任意に選択することができる。
A−(−u−I−u−R−)n−u−I−u−A
式中、Aはアクリロイル基を含むアクリレート残基、またはメタクリロイル基を含むメタクリレート残基であり、
Iはイソシアネート残基であり、
uはウレタン結合であり、
nは0以上の、重合度を表す数である。
本発明による紫外線硬化性樹脂組成物は、紫外線の照射により重合性樹脂の重合を開始させるための光開始剤を含んでなる。このような光開始剤は、種々のものが知られているが、紫外線の照射によりラジカルを発生し、重合反応を開始させることのできるものであれば任意のものを用いることができる。このような光開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスホンオキシド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントンおよびその他が知られている。これらは、それぞれチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社から、DAROCUR(商品名)ならびにIRGACUR(商品名)として、日本化薬株式会社からKAYACURE(商品名)として市販されている。
本発明による紫外線硬化性樹脂組成物は、安定剤を含んでなる。本願発明による樹脂組成物は、この安定剤の存在によって、樹脂組成物の安定性、および硬化物の安定性が改良されている。ここで、安定剤は構造中にアミン基を複数含むポリアミン化合物である。ここで、アミン基に含まれる窒素原子に結合している水素原子の数が、2個、1個、および0個のとき、それぞれ1級アミン基、2級アミン基、および3級アミン基とよぶ。本発明におけるポリアミン化合物においては、アミン基は1級アミン基、2級アミン基、および3級アミン基のうち、いずれであってもよい。またポリアミン化合物に含まれるアミン基は1種類である必要はなく、複数種のアミン基が混在していてもよい。しかしながら、本発明による樹脂組成物において、アミン基はその一部、好ましくは全部が3級アミン基であることが好ましい。この理由は下記の通りである。
更に、3級アミン基は1級アミン基や2級アミン基に比べて黄変などの外観変化または着色が少ない傾向にあり、この点からも3級アミン基を含むポリアミン化合物が好ましい。特に表示媒体など、色調の影響が大きい用途においては、このような着色が少ないことは好ましいものである。ただし、樹脂に染料や顔料を添加して意図的に着色する場合や、樹脂の着色が問題とならない場合には、樹脂の着色は大きな問題ではなく、適切な用途において良好に利用できることはいうまでもない。
本発明による紫外線硬化性樹脂組成物は、前記の重合性樹脂、光開始剤、および安定剤を必須成分として含むものである。これらは、適切な配合比により配合され、撹拌等により混合されて組成物とされる。ここで本発明による紫外線硬化性樹脂組成物は、前記の必須成分に加え、必要に応じて任意の添加剤をさらに含むことができる。このような添加剤としては溶剤、界面活性剤、平滑剤、消泡剤、帯電防止剤、フィラー、着色剤などが挙げられる。
本発明は、前記の樹脂組成物を硬化させた硬化物にも関するものである。本発明による硬化物は、前記の樹脂組成物を基材上に塗布したり、適当な形状の型に流し込むなどの方法で適当に配置してから、紫外線を照射することにより形成することができる。このような硬化物の形成方法としては、従来知られている任意の方法を用いることができる。
本発明による硬化物を適用するのに好ましい例として、表示媒体が挙げられる。すなわち、前記したようなマイクロカプセルのうち、表示媒体に適したものを選択し、それを基材上に固定するために、前記の樹脂組成物を用いることができる。
重合体A(2官能ポリエーテルウレタンアクリレート水性樹脂、質量平均分子量4200)95質量部に、光開始剤(DAROCUR1173(商品名)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)3質量部、安定剤a(プロピレンオキサイド変性ポリエチレンイミン(数平均分子量約1400)、エポミンPP−061有効成分48〜52%水溶液(商品名)、日本触媒株式会社製)2質量部を添加し、均一に撹拌混合した。遠心分離機(H−107(商品名)、株式会社コクサン製)により脱泡し、紫外線硬化性樹脂組成物を得た。ここで、安定剤aはポリエチレンイミンの構造中に含まれるアミン基がすべて3級化されたものである。
得られた紫外線硬化性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ125μm)にアプリケーターを用いて塗布し、紫外線照射により硬化させた。得られた硬化物は厚さ350μmの柔軟性に富んだシート状の樹脂硬化物であった。
重合体および安定剤として、下記のものを用い、実施例1に準じて実施例、参考例、および比較例の各樹脂組成物を調製し、さらにそれらの樹脂組成物から樹脂硬化物を得た。
重合体B: 2官能ポリエーテルウレタンアクリレート、水性樹脂、質量平均分子量3700
重合体C: 2官能ポリエステルウレタンアクリレート、非水性樹脂、質量平均分子量6000
重合体D: 2官能ポリエーテルウレタンアクリレート、水性樹脂、質量平均分子量1500
重合体E: 2官能ポリエーテルウレタンアクリレート、水性樹脂、質量平均分子量3700
重合体F: 2官能ポリエーテルウレタンアクリレート、水性樹脂、質量平均分子量5000
重合体G: 2官能ポリエーテルウレタンアクリレート、水性樹脂、質量平均分子量2800
重合体H: 2官能ポリエーテルウレタンアクリレート、水性樹脂、質量平均分子量6100
重合体I: 2官能ポリエーテルウレタンアクリレート、水性樹脂、質量平均分子量11500
重合体J: 2官能ポリエーテルウレタンメタクリレート、水性樹脂、質量平均分子量4200
重合体K: 2官能ポリエステルアクリレート、非水性樹脂、質量平均分子量2000
重合体L: 2官能エポキシアクリレート、非水性樹脂、質量平均分子量330
重合体M: 3官能ポリエーテルウレタンアクリレート、水性樹脂、質量平均分子量2000
安定剤b: 官能基として1級、2級および3級アミンを含むポリエチレンイミン(数平均分子量約600)、エポミンSP−006(商品名)有効成分98〜100%、日本触媒株式会社製
安定剤c: 官能基として1級、2級および3級アミンを含むポリエチレンイミン(数平均分子量約7000)、エポミンP−1000(商品名)有効成分29〜31%水溶液、日本触媒株式会社製
安定剤d: 官能基として1級および2級アミンを含むアミノエチル化アクリルポリマー、ポリメントSK−1000(商品名)固形分37〜39%、日本触媒株式会社製
安定剤e: 官能基として2級および3級アミンを含む、オクタデシルイソシアネート変性ポリエチレンイミン、エポミンRP−18W(商品名)固形分17〜19%水溶液、日本触媒株式会社製
安定剤f: 官能基としてオキサゾリン基を含むオキサゾリンポリマー、エポクロスWS−700固形分25%水溶液(商品名)、日本触媒株式会社製
安定剤g: 官能基としてカルボジイミド基を含むカルボジイミドポリマー、カルボジライトV02−L2固形分40%水溶液(商品名)、日清紡績株式会社製
安定剤h: トリエタノールアミン(試薬)、和光純薬工業株式会社製
被膜が形成されたフィルムを60℃で1ヶ月放置し、状態を観察した。評価基準は以下の通りである。
○: 固体状態のまま
△: 一部に軟化が認められた
×: 全体に融解した
形成された被膜の着色を目視により評価した。評価基準は以下の通りであるが、この評価基準は優劣を評価するものではなく、単に着色レベルを分類するものである。
無色: 無色または微着色透明
透明: 淡着色透明
着色: 着色透明または淡着色不透明
不透明: 着色不透明
形成された被膜の柔軟性を以下の評価基準で評価した。
○: 柔軟性良好
×: 柔軟性が乏しい
組成物を20℃で20時間放置し、粘度の変化を観察した。評価基準は以下の通りである。
○: 初期粘度と同等
△: 組成物の増粘が認められた
×: 組成物のゲル化が認められた
被膜が形成されたフィルムを60℃で1ヶ月放置し、ブリードの有無を観察した。評価基準は以下の通りである。
○:ブリード無し
△:ブリードが認められるが実用上問題の無い程度
×:ブリード有り
凝集破壊強度はJIK K 5600−5−4に準拠し、以下の方法を用いて測定した。
1)厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーT−60(商品名)、東レ株式会社製)を基材として、樹脂組成物をアプリケーターにて塗布し、紫外線照射により硬化させて試料とした。樹脂硬化物の厚さは40μmであった。
2)試験器として表面性測定器(HEIDON−14(商品名)、新東科学株式会社製)を用い、JIS K 5600−5−4に準拠して試料および鉛筆を設置した。鉛筆(Uni、三菱鉛筆株式会社製)は塗布面に対して角度45°、荷重746.5gで押し付けた。
3)鉛筆を0.75mm/secの速度で試料上を走査させ、試験部位に対する凝集破壊の有無を目視にて観察した。
4)凝集破壊が生じたときは、凝集破壊が生じなくなるまで硬度スケールを下げて試験を繰り返し、凝集破壊を生じたもっとも硬度の低い鉛筆の硬度を凝集破壊強度とした。
その他子細はJIS K 5600−5−4に準拠した。
安定剤の量を変化させた他は、参考例2と同様にして硬化物を作製した。得られた硬化物について、安定性、外観、およびブリードの有無を評価した。得られた結果は表2に示すとおりであった。
安定剤の量を変化させた他は、実施例1と同様にして硬化物を作製した。得られた硬化物について、安定性、外観、およびブリードの有無を評価した。得られた結果は表3に示すとおりであった。
表裏を異なる磁極に色分けして構成した微小磁性粒子を分散物として含む油性塑性液を内包するマイクロカプセルを、実施例および参考例の紫外線硬化性樹脂組成物をバインダ材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ125μm)上に塗布し、その後、紫外線を照射し紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、磁気表示媒体を得た。
また、いずれも柔軟性に富んだシート状の表示媒体であり、可撓性を有するので、曲面への追従が可能であり、かつ丸めて持ち運ぶことができるものであった。
さらに、参考例2〜4、6、8、16、19、20、25、26、および実施例7および24の紫外線硬化性樹脂組成物を用いたものについては、程度の差はあるもののそれぞれ硬化物に着色が見られ、表示媒体以外の用途は別として、表示媒体としての表示性に多少の影響を与える結果となり、表示媒体として用いる場合には実施例1、5、9〜15、17、22、23の紫外線硬化性樹脂組成物を用いたものが最適であった。
応用実施例と同様に、上記マイクロカプセルを、比較例1〜18の紫外線硬化性樹脂組成物をバインダ材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ125μm)上に塗布し、その後、紫外線を照射し紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、磁気表示媒体を得た。
また、比較例15〜18の紫外線硬化性樹脂組成物を用いたものについては、表示機能層にクラックやカールが生じたり、硬化物が柔軟性を欠くために硬い表示媒体となるなどの不具合があった。
Claims (5)
- 重合性樹脂、光開始剤、および安定剤を含んでなる紫外線硬化性樹脂組成物であって、前記重合性樹脂が、単官能ウレタンアクリレート、2官能ウレタンアクリレート、単官能ウレタンメタクリレート、2官能ウレタンメタクリレート、およびそれらの混合物からなる群から選ばれるものであり、前記安定剤がアミン基が3級化されたポリアルキレンイミンであり、前記安定剤の添加量が前記重合性樹脂の総質量を基準として0.3〜3.0質量%である、ことを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物。
- 前記ポリアルキレンイミンがポリエチレンイミンである、請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
- 前記重合性樹脂の平均質量分子量が1500〜11500である、請求項1または2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物を、紫外線により硬化させたことを特徴とする樹脂硬化物。
- 請求項4に記載の樹脂硬化物を具備してなることを特徴とする表示媒体。
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