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JP5030364B2 - ハンチントン病におけるil−6r/il−6キメラの使用 - Google Patents

ハンチントン病におけるil−6r/il−6キメラの使用 Download PDF

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Description

【0001】
発明の技術分野
本発明はハンチントン病(HD)の分野に属するものである。特に、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するためのIL−6R/IL−6キメラの使用に関する。
発明の背景
ハンチントン病は遺伝性で、常染色体性優性の神経疾患である。これは稀な病気ではあるが、約10000人に1人が罹患する(Breighton及びHayden, 1981)。この病気は生涯のうちの50年以前には通常臨床的に明瞭にならないが、典型的には発症から17年で冷酷な死への進展を伴う精神障害、不随意運動障害及び認知力の低下が生ずる。
【0002】
ハンチントン病の原因遺伝子はハンチンチンと呼ばれる。それは染色体4p上に位置し、前臨床及び出生前診断のための有効な手段となっている。その遺伝子異常は過剰な数のタンデムに繰り返されたCAGヌクレオチド配列からなる。
【0003】
ハンチンチン遺伝子はいたる所で発現しており(Strong et al., 1993)、広範な生物種において保存されている(Lin et al., 1994)。そのプロモーター領域の構造解析はそれがハウスキーピング遺伝子であることと矛盾しない(Lin et al., 1995)。ハンチンチン遺伝子は67個のエクソンを包み、200kb以上におよび(Ambrose et al., 1994)、3'非翻訳領域が異なる10.3kbと13.6kbの2種類の転写産物と関連している(Lin et al., 1993)。両メッセージは3144個のアミノ酸を含有する348キロダルトンのタンパク質をコードしていると予想されている。さらに、ハンチンチン遺伝子は健常人において8から35までの異なる数の高度多型性CAGリピートを包含している(Kremer et al., 1994)。36個のCAGリピートを超えるCAG伸張がハンチントン病患者で認められる。
【0004】
ハンチントン病患者におけるCAGリピートサイズの増加は臨床的特徴の発症年齢と非常に有意な相関を示す。この関連は、通常50リピートを超える非常に顕著な伸張を持つ若年性発症ハンチントン病患者において特に際立っている。ハンチントン病の家系におけるCAGリピート長は、罹患した父親から子供がハンチンチン遺伝子を受け継いだ際に特に顕著なある種の不安定性を示す。
【0005】
HDにおいて、この広範に発現している遺伝子が如何にして選択的ニューロン死をもたらすのかは不明である。さらに、塩基配列の解析からは、他の公知遺伝子との明瞭なホモロジーは何も明らかにされておらず、その機能に明らかに洞察を加える構造モチーフ又は機能ドメインは同定されていない。特に、これらの広範に発現している遺伝子が如何にして選択的ニューロン死を引き起こすのかという疑問は回答のないままである。
【0006】
HDにおける病理の主部位はニューロンの90%までもが欠失してしまう線条体である。線条体内ではある神経細胞集団の選択的欠失が起こる。神経化学マーカーであるγ−アミノ酪酸(GABA)、サブスタンスP、ダイノルフィン及びエンケファリンを含む線条体中型有棘ニューロンが優先的に影響を受ける。対照的に、ニューロペプチドであるソマトスタチン及びニューロペプチドYを含む中型無棘ニューロン及びコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)活性を含む大型無棘ニューロンは(ChAT活性がほとんど消失するにもかかわらず)免れる。ドーパミン作動性及びセロトニン作動性の求心性突起もまた免れる(Beal et al., 1991)。
【0007】
認知機能障害及び最終的な痴呆は、皮質ニューロンの欠失又は大脳基底核の認知部位、すなわち背外側前頭前野及び外側眼窩前回路における正常活動の破綻のいずれかによるものかもしれない。特有の舞踏病は、視床下核活動の減少も寄与しているかもしれないが、線条体における神経細胞の欠失が原因であると考えられている。通常は3つの生化学的に異なるが機能的に相互に関連したシステム:(1)黒質線条体のドーパミン作動性システム;(2)線条体内コリン作動性ニューロン;及び(3)線条体から淡蒼球及び黒質に投射しているGABA作動性システム、の間で平衡が維持されている。ドーパミン、アセチルコリン又はGABAシステム中のいずれかにおける不均衡も不随意運動の原因となり得る。アセチルコリンの形成に必要な酵素であるコリンアセチルトランスフェラーゼ及びGABAを合成するために必要な酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼの両方がHD患者の線条体中で顕著に減少している。これらの酵素欠損は、HD患者においてL−DOPAの投与後に舞踏病性運動がより悪化するという臨床的観察と一致している。
【0008】
グルタミン酸誘導神経細胞死がハンチントン病に寄与していると考えられている。グルタミン酸は脳における主要な興奮性トランスミッターである。それは実質的に全ての中枢ニューロンを興奮させ、また神経末端に非常に高い濃度(10-3M)で存在する。グルタミン酸受容体は(それらのモデルアゴニストにちなんで命名された)4つの型:カイニン酸受容体、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾールプロピオン酸(AMPA)受容体及び代謝共役型(metabolotrophic)受容体、に分類される。多くの正常シナプス伝達事象はグルタミン酸の放出を伴う。
【0009】
グルタミン酸はまた神経毒性及び神経細胞死を高レベルに誘導する(Choi、1988)。細胞死の機序は主にN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)型グルタミン酸受容体へのグルタミン酸の持続的作用とその結果生ずる過剰なCa2+の流入により起こる。過剰なCa2+は活性型Ca2+依存性プロテアーゼを動員し、フォスフォリパーゼA2を活性化し、それは次にはアラキドン酸を遊離させ、炎症の原因物質及びさらに破壊的な結果を引き起こすフリーラジカルの産生を導く。グルタミン酸興奮毒性と呼ばれる、グルタミン酸により生ずるこれらの毒性変化は、脳卒中あるいは過度の痙攣のような急性脳傷害後の細胞傷害及び細胞死の原因になると考えられている。興奮毒性が脳虚血、アルツハイマー病及びHDに関わっていることが示唆されている(Greenamyre et al., 1985; Choi et al., 1988)。
【0010】
HDの病理を模したいくつかの動物モデルが作製されている。ラット線条体中へのグルタミン酸受容体アゴニストの注入によりHDと同様な神経細胞欠失のパターンを創出することが可能である。実際の注入部位中にあるニューロンの大部分は死滅するが、周辺に選択的細胞死を示す段階的移行帯が存在する。カイニン酸(KA)誘導病変を用いた初期の研究はHDとの際立った類似性を示した。KAは海藻海人草(Diginea simplex)から単離されたものであり、哺乳動物の脳内には見出されない。KAの線条体内注入は、固有線条体ニューロンのマーカーの減少及びドーパミン作動性求心性神経の保存を伴う神経細胞欠失とグリオーシスを生じる。しかし、これらのKA誘導病変は、それらが顕著なソマトスタチンレベルの減少とソマトスタチンニューロンの欠失を生じるために不完全なHDのモデルである。キノリン酸(QA)のようなNMDA受容体アゴニストにより生ずる病変は、GABAとサブスタンスPの両方のレベルが顕著に減少するにもかかわらずソマトスタチンとニューロペプチドYのレベルが比較的影響されないため、より良いHDのモデルを提供する。QA病変の長期間(6ヶ月から1年)のフォローアップにより、ソマトスタチンやニューロペプチドY及びセロトニン及び5−ヒドロキシインドール酢酸(HIAA)の増加が明らかになり、それは実際のHD患者における所見と同様なものである。従って、慢性的QA病変はHDの神経化学的特徴と酷似している(Beal et al., 1991)。他の研究者たちは線条体のQA誘導損傷がHDの組織病理と類似していることを確認している(例えば、Roberts et al., 1993を参照)。
【0011】
これらの動物モデルは、細胞置換や神経防護的アプローチのようなHDの治療に関連し得る戦略を開発するためにかなり用いられている。変性しているGABA作動性ニューロンの顕著な救済が、QA病変を持つラットへの胎児線条体細胞の移植又は神経栄養因子の投与後に認められている(Bemelmans et al., 1999)。
【0012】
例えば大脳基底核におけるコリンアセチルトランスフェラーゼ及びγ−アミノ酪酸レベルの低下のようなさらなる神経化学的異常がHDで確かめられている。これらの変化は第一次の神経細胞欠失に続く二次的なものと考えられる。
【0013】
現在のところハンチントン病の治療法はない。舞踏病性運動や激越性行動は、抗精神病薬(例えばクロルプロマジン100〜900mg/日の経口投与又はハロペリドール10〜90mg/日の経口投与)により、又はレセルピンを0.1mg/日の経口投与で開始し傾眠、低血圧又はパーキンソニズムの副作用が出るまで増量することにより、通常は不完全にではあるが抑制される。脳GABAストアを置換する治療戦略は無効であった。実験的治療はN−メチル−D−アスパラギン酸受容体を介してグルタミン酸作動性神経伝達を減少させミトコンドリアのエネルギー産生を高めることを目的としている。長期間の臨床試験がこれらの治療法を評価するために必要である。
【0014】
現在有効な治療の全ては、病状への対処に関連する合併症の予防及び患者への支持と援助の提供に主眼を置いている。HDと診断された人々に対して、内科医は情緒及び運動の問題を制御するのに役立つ色々な薬剤を処方することが多い。ベンゾジアゼピンは舞踏病性運動を緩和し、抗精神病薬は幻覚、妄想又は激しい怒発の制御に役立つ。患者が鬱病を患っている場合、内科医は抗鬱剤を処方する。精神安定剤は不安を治療するために使用することができ、またリチウムは病理学的興奮又は激しい気分変動を示す患者に処方される。HDを患っている人の一部に現れる激しい強迫神経症的行動に対しては他の薬物治療が処方される。
【0015】
従って、ハンチントン病の治療に有用な薬剤、医薬組成物及び方法に対する必要性は未だ満たされていない。理想的には、そのような薬剤、医薬組成物及び方法は、激しい副作用無しに、変性疾患の進展を停止し、傷害されたニューロンの再生さえも促進する。
【0016】
今までのところいくつかの神経栄養因子がHDの動物モデルで試験されている(Andersen et al., 1996)。脳由来増殖因子(BDNF)、神経増殖因子(NGF)又はニューロトロフィン−3(NT−3)はQA誘発細胞死から線条体ニューロンを防護するには至らなかった。毛様体神経栄養因子(CNTF)はHDのサルモデルで何らかの防護効果を示した(Emerich et al., 1997)。
【0017】
遺伝子治療的なアプローチを用いたいくつかの神経防護戦略が提案されている。これらのアプローチは、導入遺伝子の長期間にわたる強い発現と線条体の広範な領域における治療タンパク質の存在を導く効果的な送達システムの開発に依存している。遺伝子操作を行った細胞の移植、神経栄養因子を放出する被包性細胞の埋め込みや、最近ではアデノウイルスベクターを用いた生体内遺伝子治療アプローチが試験されている(Emerich et al., 1996; Bemelmans et al., 1999)。HIV−1由来レンチウイルスベクターがCNSにおける有望な遺伝子送達システムとして最近登場した(Naldini et al., 1996a; Klimatcheva et al., 1999)。1996年以来、このシステムの安全性を向上させるため、及びHIV−1ベクターの導入に必要な最小限の遺伝情報を明らかにするために多くの努力がつぎ込まれて来た。
【0018】
複製能力のある組換え体の出現の危険を最小限にするために、いわゆるSIN(自己不活化)ベクターが開発された。SINのデザインは、導入ベクターからロングターミナルリピート(LTR)中のU3領域を削除し、ウイルス転写エレメントの主要部分を組込みの前に取り除いておくというものである。この改変は複製能力のあるウイルスが組換えにより出現する危険性を減少させるばかりでなく、LTRと内部プロモーターとの間の転写干渉を消去し、ベクター組込み部位近傍の遺伝子が活性化されてしまう機会を最小限にする(Deglon et al., 2000)。
【0019】
この発現ベクターシステムが、LacZレポーター遺伝子を発現するSINを神経細胞に高率かつ持続的に形質導入できるということがマウス、ラット及び霊長類において以前に証明されている(Bensadoun et al., 2000; Deglon et al., 2000; Kordower et al., 1999)。さらに、アデノ随伴ウイルスで観察されたこと(Loeb et al., 1999)と同様に、ウッドチャック肝炎ウイルス由来の転写後エレメント(Zufferey et al., 1999)が存在すると導入遺伝子の発現レベルが3〜4倍増加することが示されている(Deglon et al., 2000)。
【0020】
サイトカインの1つであるインターロイキン6(IL−6)の、中枢及び末梢神経システムの細胞に対する効果に関する実験は、IL−6が炎症性神経変性過程に対する影響だけでなく神経細胞に対して防護作用を有することを示している(Gadient及びOtten, 1997; Mendel et al., 1998)。IL−6が線条体ニューロンばかりでなく(Toulmond et al., 1992)、海馬ニューロンにおいて(Yamada et al., 1994)もグルタミン酸誘導細胞死を予防することが判明した。グルタミン酸受容体のNMDAサブタイプに対する選択的アゴニストであるNMDAにより誘起される毒性に対するIL−6の神経防護作用の機序は未だ不明である。事実、IL−6はNMDA介在細胞内カルシウム上昇を促進することが見出されている。ヒトIL−6とヒト可溶性IL−6R(sIL6−R)の両方を高レベルで発現するトランスジェニックマウスでは、脳中舌下核の逆行性標識で示されるように、舌下神経の傷害の後に神経再生が促進されることが観察された(Hirota et al., 1996)。最近、神経疾患である脱髄疾患多発性硬化症(MS)でのIL−6の役割をほのめかすいくつかの証拠が出されている(Mendel et al., 1998)。IL−6遺伝子を欠損したマウスはこの疾患の実験的誘導に対して抵抗性であった。
【0021】
インターロイキン−6(IL−6)は、1つがIL−6受容体(IL−6R又はgp80)、他がgp130と命名された2つの異なるタンパク質からなる膜受容体システムによりその生物活性が仲介される周知のサイトカインである(Hirano et al.の総説、1994)。gp80の細胞外ドメインに相当する可溶性型IL−6R(sIL−6R)は、血中や尿中に糖タンパク質として見出される人体の自然産物である(Novick et al., 1990, 1992)。sIL−6R分子の異例な特性は、ヒト細胞を含む多くの細胞タイプに対してIL−6の強力なアゴニストとして作用することである(Taga et al., 1989; Novick et al., 1992)。gp80の細胞質内ドメインが無くても、sIL−6RはIL−6に反応してgp130の二量体化を引き起こすことができ、それは次にその後のIL−6特異的シグナル伝達と生物学的効果を仲介する(Murakami et al., 1993)。sIL−6Rにはgp130との相互作用が2タイプあり、ともにIL−6特異的生物活性に必須である(Halimi et al., 1995)。また活性型IL−6受容体複合体は、2つのgp130鎖、2つのIL−6R及び2つのIL−6リガンドで形成される六量体構造であることが提唱されている(Ward et al., 1994; Paonessa et al., 1995)。
【0022】
可溶性IL−6受容体とIL−6を一緒に連結したキメラ分子が記載されている(Chebath et al., 1997; Fischer et al., 1997; WO99/02552号及びWO97/32891号)。それらはそれぞれIL−6R/IL−6キメラ及びHyper−IL−6と命名されている。キメラIL−6R/IL−6分子は、可溶性IL−6受容体(sIL−6R)をコードするcDNAの全コード領域とIL−6とを融合して作製された。組換え体IL−6R/IL−6キメラはCHO細胞で産生された(Chebath et al., 1997; WO99/02552号)。IL−6R/IL−6は、試験管内で、IL−6とsIL−6Rとの混合物よりも、gp130鎖と高い効率で結合する(Kollet et al., 1999)。
【0023】
さらに、IL−6R/IL−6キメラは、14日齢のマウス胎児から採取した背根神経節(DRG)の培養においてミエリン塩基性タンパク質(MBP)並びにPo遺伝子産物MBP及びPo RNAとタンパク質の発現を誘導することが示されている(Haggiag et al., 1999)。通常、MBPとPoタンパク質はシュワン細胞の最終出生後成熟の間に誘導され、神経再生の間に再誘導される。このようにIL−6R/IL−6キメラは神経ミエリン形成と再生においてある役割を果たしているようである。
発明の概要
本発明によれば、IL−6R/IL−6キメラの投与がハンチントン病の進展に対して非常に有益な効果を有することが見出された。特に、IL−6R/IL−6キメラの投与が、線条体神経細胞欠失を顕著に予防し、その上確立されたHD動物モデルにおいて行動欠損を改善することが示された。
【0024】
従って、本発明は、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための、IL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、アイソフォーム、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片、円順列変異誘導体(circularly permutated derivative)又はそれらの塩の使用に関する。さらに本発明は、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための、IL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、アイソフォーム、融合タンパク質、活性断片又はそれらの円順列変異誘導体を含む細胞及びベクターの使用に関する。さらに対応する医薬組成物及び治療方法も本発明の目的である。
発明の詳細な説明
本発明は、IL−6R/IL−6キメラの投与が、線条体GABA作動性ニューロンの細胞死を顕著に予防し、その上確立されたハンチントン病(HD)動物モデルにおいて行動欠損を改善するという発見に基づいている。
【0025】
従って、本発明は、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための、IL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、アイソフォーム、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片、円順列変異誘導体又はそれらの塩の使用に関する。
【0026】
本明細書で使用される「IL−6R/IL−6キメラ」(「IL−6R/IL−6」又は「IL−6キメラ」ともいう)は、インターロイキン−6の全分子又は生物活性断片に融合させたインターロイキン−6受容体の可溶性部分を含むキメラ分子である。キメラタンパク質の一部分を直接融合させるか、あるいはジスルフィド架橋又はポリペプチドリンカーのような適当なリンカーで連結することも可能である。リンカーは、長さが1〜3アミノ酸残基位の短いリンカーペプチドでよく、又は例えば長さが13若しくは18アミノ酸残基のより長いものでもよい。該リンカーは、例えば、E−F−M(Glu−Phe−Met)配列のトリペプチド、又はGlu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13アミノ酸リンカー配列でよく、可溶性IL−6受容体のアミノ酸配列とIL−6配列の間に導入される。IL−6R/IL−6キメラ分子の例は当該技術分野に公知のものであり、例えばWO99/02552号又はWO97/32891号に詳細に記載されている。
【0027】
本明細書で使用される用語「治療」及び「予防」とは、ハンチントン病のいずれか又は全ての症状若しくは病因、及びHDに付随する症状又は疾患を、特にこの疾患に関連する神経解剖学的変化と行動変化を予防し、抑制し、軽減し、改善し又は後退させることとして理解されるべきである。
【0028】
本明細書で使用される用語「ハンチントン病」又は「HD」は、ハンチントン舞踏病、慢性進行性舞踏病又は遺伝性舞踏病とも呼ばれ、舞踏病性運動と進行性知能低下を特徴とする常染色体性優性障害である。この疾患並びにその病因、症状及び現在の治療法は「発明の背景」に詳細に記載されている。
【0029】
本発明は、これまでのところ事実上治療不可能な脳障害であるHDを治療し及び/又は予防する新たな可能性を提供するものである。現在使用されている薬剤は、関連する合併症を予防したり患者へ支持と援助を提供したりすることに主眼を置いており、そのためこの疾患の基になると考えられている病因の1つ、即ち線条体における神経細胞の欠失を直接攻撃していないため、本発明は実質的な進展を与えるものである。HDの治療に有用であることが示唆されている他のタンパク質、即ちCNTF(毛様体神経栄養因子)と比較して、IL−6R/IL−6キメラは同じHD動物モデルにおいてよりはっきりした有益な効果を示す。以下の実施例に示すように、確立されたHD動物モデルで試験された線条体における神経防護及び行動異常の軽減の両方に関してIL−6R/IL−6はIL−6が示す効果よりもさらに優れた効果を示した。
【0030】
本明細書で使用される用語「ムテイン」とは、天然成分のIL−6R/IL−6のうちの1つ以上のアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置換若しくは欠失させるか、又は1つ以上のアミノ酸残基を元のIL−6R/IL−6配列に付加したもので、得られる産物の活性が元のIL−6R/IL−6と比較して顕著に変化していないIL−6R/IL−6キメラの類似体を意味する。これらのムテインは公知の合成法及び/又は特定部位突然変異誘発法あるいは適当な公知の技術により調製される。
【0031】
本発明のムテインは、ストリンジェントな条件下で、本発明のIL−6R/IL−6をコードするDNA又はRNAにハイブリダイズする、DNA又はRNAのような核酸にコードされるタンパク質を含む。「ストリンジェントな条件」という用語は、ハイブリダイゼーションとその後の洗浄の条件を意味し、当業者が慣例的に「ストリンジェント」とする条件である。Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, 上掲, Interscience, N.Y., §§6.3及び6.4(1987, 1992)及びSambrook et al.,(Sambrook, J. C., Fritsch, E. F. and Maniatis, T. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)を参照されたい。
【0032】
ストリンジェントな条件の例には、試験下のハイブリッドの計算されたTmより12〜20℃低い温度での洗浄条件、例えば2×SSC、0.5%SDS中で5分間、2×SSC、0.1%SDS中で15分間;0.1×SSC、0.5%SDS中、37℃で30〜60分間とその後の0.1×SSC、0.5%SDS中、68℃で30〜60分間、のような条件を含むが、これらに限定されるものではない。当業者は、ストリンジェントな条件が、DNA塩基配列、オリゴヌクレオチドプローブ(10〜40塩基など)又は混合オリゴヌクレオチドプローブの長さにも依存することを理解している。混合プローブを用いる場合には、SSCの代わりにテトラメチル塩化アンモニウム(TMAC)を使用するのが好ましい。上記Ausubelを参照されたい。
【0033】
いかなるムテインもIL−6R/IL−6の活性と実質的に同等かそれよりもむしろ良好な活性を示すようにIL−6R/IL−6のアミノ酸配列が十分に複製されたアミノ酸配列を有することが好ましい。
【0034】
IL−6R/IL−6の1つの特徴的な活性はgp130への結合能である。IL−6R/IL−6のgp130への結合を測定するELISAタイプのアッセイは、本明細書中にその全体が援用されるWO99/02552号の第39頁、実施例7に詳細に記載されている。ムテインが実質的なgp130結合能を有している限り、IL−6R/IL−6と実質的に同等の活性を示すものとみなすことができる。従って、ある与えられたムテインが少なくともIL−6R/IL−6と実質的に同等の活性を有しているかどうかは、例えばWO99/02552号の実施例7に記載されているような固定化gp130に結合するかどうかを測定する簡便なサンドイッチ結合アッセイに、そのようなムテインを付すことを包む日常的な実験により決定することができる。
【0035】
好ましい実施態様においては、いずれのムテインもWO99/02552号に含まれるIL−6R/IL−6の配列と少なくとも40%が同一又は相同である。より好ましくは、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は最も好ましくは少なくとも90%が同一又は相同である。
【0036】
同一性は2つ以上のポリペプチド配列あるいは2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係を反映し、配列を比較することにより決定される。一般的に、同一性は、2つのポリヌクレオチド配列又は2つのポリペプチド配列におけるそれぞれヌクレオチド対ヌクレオチド又はアミノ酸対アミノ酸の比較配列の全長にわたる正確な対応を意味する。
【0037】
完全に一致しない配列については、「%同一性」を決定することができる。一般的には、比較される2つの配列は配列間で最大の相関が得られるように整列させられる。これには配列比較の程度を高めるために一方あるいは両方の配列に「ギャップ」を挿入することが含まれる。%同一性は、比較される各配列の全長にわたって決定することができ(いわゆるグローバルアラインメント)、これは同一若しくは極めて類似した長さの配列に対して特に好適であり、あるいはより短い一定の長さについて決定することもでき(いわゆるローカルアラインメント)、これは異なる長さの配列に対してより好適である。
【0038】
2つ以上の配列の同一性及び相同性を比較する方法は当該技術分野に周知である。したがって例えば、Wisconsin Sequence Analysis Package、バージョン9.1(Devereux J et al., 1984)の有用なプログラム、例えばBESTFITやGAPプログラムが2つのポリヌクレオチド間の%同一性並びに2つのポリペプチド配列間の%同一性及び%相同性を決定するために使用できる。BESTFITはSmithとWatermanの「ローカルホモロジー」アルゴリズム(1981)を使用し、2つの配列間で最良の単一相同領域を見出す。配列間の同一性及び/又は相同性を決定する他のプログラムも当該技術分野に公知であり、例えばBLASTプログラムファミリー(Altschul S F et al., 1990; Altschul S F et al., 1997、 HYPERLINK "http://www.ncbi.nlm.nih.gov" www.ncbi.nlm.nih.govでNCBIのホームページを通してアクセスできる)やFASTA(Pearson W R, 1990; Pearson 1988)などがある。
【0039】
本発明に使用できるIL−6R/IL−6のムテイン又はそれをコードする核酸には、ここで述べる教示及びガイダンスに基づき、当業者が必要以上の実験をすることなく日常的に得ることのできる置換ペプチド又はポリヌクレオチドのような実質的に相当する一連の限定配列が含まれる。
【0040】
本発明のムテインの好ましい変更は「保存的」置換として知られるものである。IL−6R/IL−6の保存的アミノ酸置換は、十分に類似した物理化学的特性を有するグループ内の同義(synonymous)アミノ酸を含み、そのグループのメンバー間の置換は分子の生物学的機能を保つであろう(Grantham, 1974)。特にアミノ酸の挿入又は欠失がわずか2、3個のアミノ酸、例えば30個以下、好ましくは10個以下であり、機能的立体構造に重要なアミノ酸、例えばシステイン残基を除去又は置換しない場合には、機能を変えることなく前に定義した配列内にアミノ酸の挿入及び欠失がなされてもよいことは明らかである。そのような欠失及び/又は挿入により作製されたタンパク質又はムテインは本発明の範囲内に入る。
【0041】
好ましくは、同義アミノ酸グループは表1に定義されたものである。より好ましくは、同義アミノ酸グループは表2に定義されたものであり;そして最も好ましくは同義アミノ酸グループは表3に定義されたものである。
表1
同義アミノ酸の好ましいグループ
アミノ酸 同義グループ
Ser Ser、Thr、Gly、Asn
Arg Arg、Gln、Lys、Glu、His
Leu Ile、Phe、Tyr、Met、Val、Leu
Pro Gly、Ala、Thr、Pro
Thr Pro、Ser、Ala、Gly、His、Gln、Thr
Ala Gly、Thr、Pro、Ala
Val Met、Tyr、Phe、Ile、Leu、Val
Gly Ala、Thr、Pro、Ser、Gly
Ile Met、Tyr、Phe、Val、Leu、Ile
Phe Trp、Met、Tyr、Ile、Val、Leu、Phe
Tyr Trp、Met、Phe、Ile、Val、Leu、Tyr
Cys Ser、Thr、Cys
His Glu、Lys、Gln、Thr、Arg、His
Gln Glu、Lys、Asn、His、Thr、Arg、Gln
Asn Gln、Asp、Ser、Asn
Lys Glu、Gln、His、Arg、Lys
Asp Glu、Asn、Asp
Glu Asp、Lys、Asn、Gln、His、Arg、Glu
Met Phe、Ile、Val、Leu、Met
Trp Trp
表2
同義アミノ酸のより好ましいグループ
アミノ酸 同義グループ
Ser Ser
Arg His、Lys、Arg
Leu Leu、Ile、Phe、Met
Pro Ala、Pro
Thr Thr
Ala Pro、Ala
Val Val、Met、Ile
Gly Gly
Ile Ile、Met、Phe、Val、Leu
Phe Met、Tyr、Ile、Leu、Phe
Tyr Phe、Tyr
Cys Cys、Ser
His His、Gln、Arg
Gln Glu、Gln、His
Asn Asp、Asn
Lys Lys、Arg
Asp Asp、Asn
Glu Glu、Gln
Met Met、Phe、Ile、Val、Leu
Trp Trp
表3
同義アミノ酸の最も好ましいグループ
アミノ酸 同義グループ
Ser Ser
Arg Arg
Leu Leu、Ile、Met
Pro Pro
Thr Thr
Ala Ala
Val Val
Gly Gly
Ile Ile、Met、Leu
Phe Phe
Tyr Tyr
Cys Cys、Ser
His His
Gln Gln
Asn Asn
Lys Lys
Asp Asp
Glu Glu
Met Met、Ile、Leu
Trp Met
本発明で使用するための、IL−6R/IL−6ポリペプチドのムテインを得るために用いることができるタンパク質におけるアミノ酸置換の作製例は、Mark et al.の米国特許第4,959,314号、第4,588,585号及び第4,737,462号;Koths et al.の第5,116,943号、Namen et al.の第4,965,195号;Chong et al.の第4,879,111号;並びにLee et al.の第5,017,691号中に提示されているような公知の方法工程;並びに米国特許第4,904,584号(Shaw et al.)中に提示されているリジン置換タンパク質を含む。
【0042】
「融合タンパク質」という用語は、例えば体液中で長い滞留時間を示す他のタンパク質と融合させた、IL−6R/IL−6又はそのムテイン若しくはその断片を含むポリペプチドを意味する。従って、IL−6R/IL−6は、他のタンパク質やポリペプチドなど、例えばイムノグロブリン又はその断片と融合することができる。
【0043】
本明細書で用いられる「機能的誘導体」は、IL−6R/IL−6の誘導体、並びに残基の側鎖として存在する官能基又はN−若しくはC−末端基から当該技術分野に公知の方法で作製されるそれらのムテイン及び融合タンパク質を網羅し、そしてそれらが医薬的に許容されるものである限り、すなわちそれらがIL−6R/IL−6の活性と実質的に同等であるそのタンパク質の活性を損なわず、かつそれを含む組成物に毒性を付与しない限り本発明に含まれる。
【0044】
これらの誘導体は、例えば、抗原部位をマスクし体液中でのIL−6R/IL−6の滞留を延ばすことができるポリエチレングリコール側鎖を含む。他の誘導体には、カルボキシル基の脂肪族エステル、アンモニア又は第一級アミン若しくは第二級アミンとの反応によるカルボキシル基のアミド、アシル部分と形成されるアミノ酸残基の遊離アミノ基のN−アシル誘導体(例えばアルカノイル又はカルボサイクリックアロイル基)、又はアシル部分と形成される遊離ヒドロキシル基のO−アシル誘導体(例えばセリル又はスレオニル残基)が含まれる。
【0045】
本発明の「活性断片」は、例えばIL−6R/IL−6の断片である。断片という用語はその分子の一部分、すなわち所望の生物活性を保持したより短いペプチドを意味する。断片はIL−6R/IL−6分子のいずれかの末端からアミノ酸を除去し、得られた断片のgp130への結合特性を試験することにより容易に調製される。あるポリペプチドのN−末端又はC−末端のいずれかから、ある時間に1個のアミノ酸を除去するプロテアーゼは公知であり、また所望の生物活性を保持した断片の決定は日常的な実験のみを必要とする。
【0046】
IL−6R/IL−6、ムテイン及びそれらの融合タンパク質の活性断片として、本発明はさらに、その断片がgp130に対して実質的に同様な活性を有する場合には、そのタンパク質分子単独の、あるいはそれに連結した会合分子若しくは残基、例えば糖若しくはリン酸残基、又はタンパク質分子若しくは糖残基自体の凝集物を伴う分子の、ポリペプチド鎖の断片又は前駆体を網羅している。
【0047】
本明細書における「塩」という用語は、IL−6R/IL−6分子又はその類似体のカルボキシル基の塩及びアミノ基の酸付加塩を意味する。カルボキシル基の塩は、当該技術分野に公知の方法で作製され、無機塩、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、鉄又は亜鉛の塩など、及び例えば、トリエタノールアミンのようなアミン、アルギニン若しくはリジン、ピぺリジン、プロカインなどと形成する塩のような有機塩基との塩を含む。酸付加塩は、例えば塩酸又は硫酸のような鉱酸との塩、及び例えば酢酸又はシュウ酸のような有機酸との塩を含む。もちろん、そのようないかなる塩もIL−6R/IL−6の生物活性、すなわちgp130への結合能を保持していなくてはならない。
【0048】
本発明の好ましい実施態様では、IL−6R/IL−6キメラは1箇所以上でグリコシル化されている。
【0049】
IL−6R/IL−6キメラのグリコシル化型はWO99/02552号(PCT/IL98/00321)に記載されており、それは本発明の非常に好ましいキメラ分子である。そこに記載されているIL−6R/IL−6キメラは、天然の可溶性IL−6受容体δ−Val(Novick et al., 1990)の全コード配列を、成熟天然IL−6の全コード配列に融合して得られた組換え糖タンパク質であり、共にヒト由来である。
【0050】
IL−6R/IL−6キメラは、酵母細胞、昆虫細胞、バクテリアなどの必要に応じた真核又は原核細胞タイプで産生することができる。好ましくは哺乳動物細胞、最も好ましくはWO99/02552号に記載されているような遺伝子操作したCHO細胞で産生される。ヒト由来のタンパク質が好ましいが、本明細書に記載の生物活性を保持している限り、他の由来の同様な融合タンパク質も本発明で使用できることが当業者により認識されるであろう。
【0051】
本発明のさらなる実施態様において、IL−6R/IL−6キメラはグリコシル化されていない。有利なことに、その際にはグリコシル残基を合成できないが、通常組換えタンパク質を高収率で産生するバクテリア細胞中でキメラ分子を産生させることができる。
【0052】
さらなる実施態様において、IL−6R/IL−6キメラはさらにイムノグロブリン融合物、すなわち本発明のIL−6R/IL−6をイムノグロブリンの全体又は一部に融合させたものを含む。イムノグロブリン融合タンパク質の作製方法は、例えばWO01/03737号に記載の方法のように、当該技術分野に周知である。当業者は、得られる本発明の融合タンパク質がIL−6R/IL−6キメラの生物活性を保持していることを理解するであろう。得られる融合タンパク質は、体液中での滞留時間(半減期)の延長、比活性の増加、発現レベルの増加又は融合タンパク質の精製の容易さなどの改良された特性を有するのが理想的である。
【0053】
好ましい実施態様では、IL−6R/IL−6キメラはIg分子の不変領域と融合される。好ましくは、例えばヒトIgG1のCH2及びCH3ドメインのようなH鎖領域に融合される。Ig分子の他のアイソフォーム、例えばアイソフォームIgG2若しくはIgG4又はIgM若しくはIgAのような他のIgクラスもまた本発明の融合タンパク質の産生に好適である。融合タンパク質は、単量体又は多量体、ヘテロ若しくはホモ多量体でもよい。
【0054】
IL−6R/IL−6キメラの機能的誘導体は、そのタンパク質の安定性、半減期、バイオアベイラビリティ、人体の許容度又は免疫原性のような特性を改良するためにポリマーに結合させてもよい。
【0055】
従って、本発明の好ましい実施態様は、アミノ酸残基の1つ以上の側鎖として生ずる1つ以上の官能基に結合した少なくとも1つの部分を含むIL−6R/IL−6キメラの機能的誘導体に関する。
【0056】
非常に好ましい実施態様はポリエチレングリコール(PEG)に結合したIL−6R/IL−6に関するものである。PEG化は、例えばWO92/13095号に記載されているような公知の方法により実施することができる。
【0057】
IL−6R/IL−6キメラは必要に応じた剤形で脳へ送達される。IL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、融合タンパク質、活性断片又はそれらの円順列変異誘導体を発現及び/又は分泌する細胞の形で送達されるのが好ましい。以下の実施例に説明するように、IL−6R/IL−6キメラを十分量発現及び分泌する細胞は好適な発現ベクターを用いるトランスフェクションにより作製される。
【0058】
従って本発明はさらに、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための、IL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、融合タンパク質、活性断片又はそれらの円順列変異誘導体を発現する細胞の使用に関する。細胞は好適な形で投与することができる。しかしながら、ポリマー被包性IL−6R/IL−6キメラ発現細胞、好ましくは分泌細胞が、IL−6R/IL−6キメラの送達に非常に好ましい様態である。被包工程は、例えばEmerich et al.(1994)により、又は米国特許第5,853,385号に詳細に記載されている。好適な細胞株と安定な発現系は当該技術分野に周知である。
【0059】
IL−6R/IL−6キメラの送達は、コード配列又はIL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、融合タンパク質、活性断片又はそれらの円順列変異誘導体を含む発現ベクターのようなベクターを用いて実施してもよい。ベクターは、人体内で、好ましくは脳内で、より好ましくは線条体内で、所望のタンパク質を発現させるために必要な全ての制御配列を含む。発現ベクターの制御配列は当業者に公知である。従って本発明はまた、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための、IL−6R/IL−6キメラのコード配列を含むベクターの使用に関する。
【0060】
当該技術分野に公知のいかなる発現ベクターを本発明に使用してもよい。しかしながら、以下の実施例に示すように、レンチウイルス由来のベクターがIL−6R/IL−6キメラを線条体中へ直接送達させるために特に有用であった。従って、本発明の非常に好ましい実施態様は、IL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、融合タンパク質、活性断片又はそれらの円順列変異誘導体を発現させるための発現ベクターとしてのレンチウイルスベクターの使用に関するものである。そのようなレンチウイルスベクターは当該技術分野に公知である。それらは例えばKordower et al.(1999)又はDeglon et al.(2000)に明確に記載されている。
【0061】
本発明のさらなる目的は、IL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片、円順列変異誘導体又はそれらの塩を、任意に1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とともに含む、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用医薬組成物を提供することである。
【0062】
本発明はさらに、ハンチントン病を治療し及び/又は予防するための、任意に1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とともに、IL−6R/IL−6キメラを発現する細胞を含む医薬組成物、及び発現ベクター、特にIL−6R/IL−6キメラを発現するレンチウイルス遺伝子治療用ベクターを含む医薬組成物に関する。
【0063】
「医薬的に許容される」の定義は、活性成分の生物活性の効果を妨害せず、また投与される宿主に毒性を示さないいかなる担体をも包含することを意味する。例えば、非経口的投与用には、IL−6R/IL−6キメラは生理的食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミン及びリンゲル溶液のような媒体中に注射用ユニット剤形で製剤されることができる。
【0064】
IL−6R/IL−6キメラは、いろいろな経路でその投与を必要としている患者に投与することができる。投与経路は、頭蓋内、皮内、経皮(例えば、徐放性製剤)、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、硬膜外、局所、鼻腔内経路を含む。他の治療的に有効ないかなる投与経路も用いることもでき、例えば上皮又は内皮組織を介した吸収、又はIL−6R/IL−6キメラをコードするDNA分子を(例えばベクターを介して)患者に投与し、IL−6R/IL−6キメラを生体内で発現及び分泌させる遺伝子治療を用いることができる。加えて、IL−6R/IL−6キメラは、医薬的に許容される界面活性剤、賦形剤、担体、希釈剤及び媒体のような他の生物学的に活性のある薬品成分と共に投与することができる。
【0065】
非経口(例えば静脈内、皮下、筋肉内)投与用には、IL−6R/IL−6キメラは、医薬的に許容される非経口媒体(例えば水、生理的食塩水、デキストロース溶液)及び等張性を保つ添加剤(例えばマンニトール)又は化学的安定性を保つ添加剤(例えば保存剤及び緩衝液)と共に、溶液、懸濁液、乳濁液又は凍結乾燥粉末として製剤することができる。製剤は一般に使用される技術により滅菌される。
【0066】
本発明のさらなる目的は、有効量のIL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性断片、円順列変異誘導体又はそれらの塩を、任意に医薬的に許容される担体とともに、それを必要とする患者に投与することを包む、ハンチントン病の治療方法及び/又は予防方法を提供することである。
【0067】
「有効量」とは、上記疾患の経過及び重症度に影響し、そのような病理を軽減又は寛解に導くのに十分な活性成分の量を意味する。有効量は投与経路及び患者の状態に依存するであろう。
【0068】
単回投与又は頻回投与で個人に投与される用量は、IL−6R/IL−6キメラの薬物動態学的特性、投与経路、患者の状態及び特徴(性、年齢、体重、健康、サイズ)、症状の程度、併用治療、治療頻度、並びに所望する効果を含む色々な要因に依存して変化するであろう。確立される用量範囲の調節と取り扱いは十分に当業者の能力の範囲内である。
【0069】
IL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、融合タンパク質、活性断片若しくはそれらの円順列変異誘導体を発現する細胞の有効量をそれを必要とする患者に投与すること、又はIL−6R/IL−6キメラ、ムテイン、融合タンパク質、活性断片若しくはそれらの円順列変異誘導体のコード配列を含む発現ベクターをそれを必要とする患者に投与すること、を含むハンチントン病の治療方法は、本発明のさらなる目的である。
【0070】
本発明の好ましい実施態様では、発現ベクターは遺伝子治療用ベクターである。ウイルスベクターの使用、特にレンチウイルスベクターの使用が非常に好ましい。
【0071】
次に本発明を、以下の非限定的な実施例および添付図面により詳細に説明する。
【0072】
本発明が完全に記載されたならば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、また必要以上の実験をすることなく、同等のパラメーター、濃度及び条件の広範な範囲内で、同様に実施できることが当業者により認識されるだろう。
【0073】
本発明が特定の実施態様に関連して記載されると同時に、それがさらに改変可能であることが理解されるであろう。本願は、概して本発明の原理に沿った、又は本発明の属する技術分野で公知若しくは通例の実施となるような及び添付の特許請求の範囲で述べられた本質的特徴に適用され得るような本開示からの発展を含む、本発明のいかなる変形、使用又は適応をも網羅することを意図している。
【0074】
雑誌記事若しくは抄録、公開若しくは非公開の米国若しくは外国の特許出願、発行済みの米国若しくは外国の特許、又は他のあらゆる参考文献を含む本明細書で引用した全ての参考文献は、その引用文献中で提示されている全てのデータ、表、図及び本文を含めて、本明細書中にその全体が援用される。さらに、本明細書で引用された参考文献内で引用されている参考文献の全内容もまた本明細書中にその全体が援用される。
【0075】
いずれにしても、公知の方法工程、従来の方法工程、公知の方法又は従来の方法への参照は、本発明のいずれかの様態、記載又は実施態様が関連技術中に開示され、教示され又は示唆されているということを容認するものではない。
【0076】
前述の特定の実施態様に関する記載は、第三者が、(本明細書で引用されている参考文献の内容を含めた)当該技術分野の熟練技術内で知識を応用することで、必要以上の実験をすることなく、また本発明の一般理念から逸脱することなく、そのような特定の実施態様を様々な応用のために容易に改変し及び/又は適応することができるという本発明の一般的性質を完全に示すだろう。従って、そのような適応や改変は、本明細書に提示されている教示及びガイダンスに基づいた開示実施態様の等価物の範囲内にあるとみなされる。本明細書中の語法及び用語は、限定ではなく説明を目的とするものであり、よって本明細書の用語又は語法は、当業者の知識と併せて、本明細書中に提示される教示及びガイダンスに照らして当業者により解釈されることが理解されるべきである。
実施例
材料及び方法
IL−6R/IL−6キメラ
可溶性IL−6受容体(尿中に見出されるsIL−6の天然型、Oh et al., 1997)をコードするcDNA配列を、成熟IL−6をコードするcDNA配列と融合した。3個の架橋アミノ酸(EFM)の配列もまた存在する。融合遺伝子をCMVプロモーターの制御下にある発現ベクターに挿入し、CHO細胞に導入した。産生工程を行い、産生された組換えタンパク質を抗IL−6Rモノクローナル抗体を用いて免疫精製した。精製したIL−6キメラはグリコシル化されており、見かけ上の分子量は85,000を示した。
【0077】
図1は、IL−6R/IL−6キメラタンパク質の構成を模式的に示したものである。成熟タンパク質は524アミノ酸からなる。
【0078】
上に概略したように産生、精製されたタンパク質は本発明に従って投与されることに適している。
レンチウイルスベクターの作製
核局在性β−ガラクトシダーゼ(LacZ)、ヒトIL−6(Genbank M14584: 64-824bp)及びヒトIL−6R/IL−6キメラ(Genbank NM000565: 415-1508bp; Genbank M14584: 148-702bp)(Haggiag et al., 1999; Katz et al., 1998)をコードするcDNAをSIN−W−PGKトランスファーベクター中にクローニングした(Deglon et al., 2000)。3個の架橋アミノ酸(Glu−Phe−Met)はIL−6とIL−6Rの連結部に存在する。ウイルス粒子は以前に記載されている方法で産生した(Hottinger et al., 2000)。LacZ−、IL−6−及びIL−6R/IL−6発現ウイルスはリン酸緩衝溶液(PBS)/1%牛血清アルブミン(BSA)中に再懸濁し、ウイルス粒子含有量(ELISAアッセイでの測定で250000ng p24抗原/ml)を合わせた。
生体内実験
体重180〜200gの成体雌ウィスターラット(Iffa-Credo、フランス)を用いた。動物は12時間毎の明暗サイクルに維持され温度制御された部屋に収容した。餌と水は自由摂取とした。実験は実験動物の取扱いと使用に関する欧州共同体評議会指針(86/609/EEC)に従って実施された。
a)レンチウイルスの注入
濃縮したウイルスストックを解凍し、ピペッティングを繰り返して再懸濁した。IL−6、IL−6R/IL−6又はLacZを発現するレンチウイルスベクター2μlを、ペントバルビタール(45mg/kg、腹腔内)で麻酔した動物(1群当りn=6)の線条体中に、33ゲージの平滑先端注射針を装着したハミルトン注射筒(Hamilton、Reno、NV)を用いて定位的に注入した。注入のための定位座標は:吻側からブレグマへ1.0mm;外側から正中線(LM)へ2.2mm;硬膜表面から腹側へ5mmである。懸濁液を0.2μl/分で注入し、注射針をその場に5分間放置した。皮膚は6-0 Vicryl(登録商標)縫合(Ethicon、Johnson and Johnson、ブリュッセル)を用いて縫合した。動物はキノリン酸注入の前に3週間回復させた。
b)キノリン酸損傷
キノリン酸(180nmol、Sigma Chemical、セントルイス、米国)を2M NaOH中に溶解し、pHを7.4に調整し、容積をpH7.4のPBSで合わせた。動物はペントバルビタール(45mg/kg)で麻酔し、1μlのキノリン酸(180nmol)を線条体内へ注入した。座標は以下を用いた:吻側からブレグマへ1.0mm;外側から正中線(LM)へ3.2mm;硬膜表面から腹側へ5mm。その毒素は1分間に亘って注入され、注射針はさらに3分間その場所にそのままに置かれた。
行動解析
アポモルフィン誘導回転非対称をウイルスの注入前に2回測定した。1.0mg/kgのアポモルフィン(Amino AG、Neunhof、スイス)を動物の皮下に注入し、3分間の馴化期間とその後の45分間の試験期間のために試験チャンバー(Rotoscan、Rotometer v5.06、Omnitech Instruments、コロンバス、米国)に入れた。回転は完全な360度同側性回転と定義し、同側性回転と対側性回転との間の正味の差異として記録した。自然回転行動を示さない動物(45分当り40回転以下)を選択した。ウイルス注入1及び2週間後に、またQA投与5、9及び13日後に動物を試験した。結果はQA投与前後間での全回転数の正味の差異として表した。同側性回転を陽性回転として数え、対側性回転を陰性回転として数えた。
IL−6及びIL−6R/IL−6キメラのELISAアッセイ
IL−6及びIL−6R/IL−6キメラの生体内合成は注入部位の周辺から採取したパンチ片(2.8×2mm)及び対照ラット(1群当りn=5)の非注入脳半球を用いて測定した。試料をプロテアーゼ阻害剤混合物(プロナーゼ、サーモライシン、キモトリプシン、トリプシン、パパイン;Roche Pharma、Reinach、スイス)を含む500μlのPBS中で超音波処理した。IL−6産生は供給業者の推奨事項に従ってELISA(IL-6 EASIA-45min;Biosource Europe SA、Nivelles、ベルギー)で定量した。
【0079】
IL−6R/IL−6キメラの産生は次のようにして測定した。96ウェルプレート(Maxisorb;NUNC、LifeTechnologies AG、バーゼル、スイス)を、PBSで希釈した1μg/ml 抗IL−6Rモノクローナル抗体(Serono Internationalより供与されたクローン34.1)100μlで一晩コーティングした。ブロッキング工程はPBS中の2%I−block(Tropix、Bedford、MA、米国)を用いて37℃で1時間行った。試料(100μl/ウェル)をPBS中の1%I−block、0.1%Tween20、5%マウス血清で希釈し、37℃で1時間インキュベートした。二次抗体(Serono Internationalより供与されたsIL6−R 3466に対するIgG)をPBS中の1%I−block、0.1%Tween20で1/1000に希釈し、37℃で1時間インキュベートした(100μl/ウェル)。HRP標識ヤギ坑ウサギ抗体(Serono Internationalより供与;PBS、1%I−block、0.1%Tween20で1/5000に希釈)で37℃、1時間インキュベートした。IL−6R/IL−6キメラの存在はTMBキット(Roche Pharma、Reinach、スイス)を用いて確認した。光学密度は450nmで測定した。
組織学的処理
QA損傷2週間後、動物にペントバルビタールナトリウムを過量に与え、生理的食塩水と4%パラフォルムアルデヒドで心臓を貫いて(transcardially)還流した。脳を取り出し、約24時間4%パラフォルムアルデヒドで後固定し、最後に25%スクロース/0.1Mリン酸緩衝液中で48時間凍結予防処置を施した。脳をドライアイス中で凍結し、25μmの冠状組織切片を−20℃でスライディング式ミクロトームクリオスタット(Cryocut 1800、Leica Microsystems、Nussloch、ドイツ)を用いて切り出した。全線状体にわたる切片を収集し、0.12μMアジ化ナトリウムを補足したPBS中に浮動性切片として48ウェルトレイ(Coster、ケンブリッジ、MA)中に保存した。トレイは免疫組織学的処理まで4℃で保存した。
【0080】
試料をドーパミン及びcAMPで制御される分子量32kDaのリンタンパク質(DARPP−32)、コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)(Roche Pharma、Reinach、スイス)、IL−6(R&D system、Abington、英国)並びに神経膠繊維酸性タンパク質(GFAP)(Sigma-Genosys Ltd、ケンブリッジ、英国)に対する免疫組織化学により処理した。NADPH−ジアフォラーゼ(NADPH−d)に対する酵素的染色は以前に記載されている通りに行った(Ellison et al., 1987)。免疫組織化学染色のために、内在性パーオキシダーゼ活性を0.1%ジフェニルヒドラジン/PBS(37℃/30分)で消去し、PBSで3回洗浄した。浮動性切片を5%正常ヤギ血清(NGS、Dako Diagnostics、スイス)/0.1Mリン酸緩衝生理的食塩水中で4℃で一晩インキュベートし、次に各々の抗体:PBS/1%NGS溶液中に希釈したDARPP−32(1:20000)、ChAT(1:50)、IL−6(1:200)、GFAP(1:400)、で一晩反応させた。3回の洗浄後、切片を対応するビオチン標識二次抗体(Vector、1:200)と室温で2時間インキュベートし、結合した抗体を3,3’ジアミノベンチジンを色素原として用いてABCシステム(Vectastain ABCキット、Vector Laboratories、West Grove、米国)で可視化した。切片をエタノールとトルオールに2回通して脱水し、Merckoglas(登録商標)カバースリップで封入した。
画像解析
QA病変は、動物1匹当り9〜12のDARPP−32染色切片(個々の切片間は200μm)をスライドスキャナーでデジタル化し、画像解析用公有プログラム(NIH-Image、バージョン1.6.1、National Institute of Health、米国)を用いて光学密度を定量することにより解析した。全線状体にわたる切片を解析した。データは評価したDARPP−32光学密度の比(病変部側対非病変部側)として表した。光学密度は、選択物中の全ピクセルのグレー値の合計をピクセル数で割ったものに相当する切片内の平均グレー値を意味する。脳梁及び前交連を用いて線状体領域を詳細に描写した。全線状体にわたるDARPP−32染色切片上でNIH−Image解析プログラムを使用して脳室及び線状体容量を決定し、非病変側の割合として表した。ChAT−及びNADPH−d染色ニューロン数を動物1匹当り9〜12の切片(個々の切片間は200μm)上で数え、非病変側のニューロンの割合として表した。
データ解析
データは平均±SEMで表し、ScheffeのPLSD post-hoc(後知恵)テスト(JMP3.0、SAS Institute Inc.、米国)に従って分散分析(ANOVA)で評価した。有意水準はp<0.05に定めた。
実施例1:試験管内におけるIL−6及びIL−6R/IL−6キメラの発現
通常の一時的トランスフェクションシステムとレンチウイルス発現システムにおける対照遺伝子(lacZ)、IL−6又はIL−6R/IL−6キメラそれぞれの発現を比較するために、ヒト胎児腎臓細胞株293Tを、プラスミドSIN−W−PGK−nls−lacZ、SIN−W−PGK−IL−6若しくはSIN−W−PGK−IL−6/IL−6キメラプラスミド、又はlacZ、IL−6若しくはIL−6R/IL−6キメラのいずれかを含むレンチウイルスベクターで形質転換した。
【0081】
4日目に、培養上清中のIL−6及びIL−6R/IL−6キメラをELISAで測定した。
【0082】
結果を図2に示す。IL−6及びIL−6R/IL−6キメラはトランスフェクション(図2A)及び感染(図2B)により発現することができる。発現プラスミドのトランスフェクションはレンチウイルスベクターの感染よりも約3倍高い発現率であった。キメラはトランスフェクションで約7μg/106細胞/24時間、感染で約1μg/106細胞/24時間の高い発現率を示したが、IL−6はトランスフェクション及び感染の両方でさらに高率で発現した。
【0083】
これらの結果は、上述の遺伝子導入操作がともにIL−6R/IL−6キメラの発現に好適であることを示している。従って、組換え体細胞及びレンチウイルスベクターの両方が、このタンパク質がHDの治療及び/又は予防においてその効果を発揮するようにヒト体内、特に脳内へ送達するために使用できるであろう。
実施例2:IL−6及びIL−6R/IL−6キメラ発現用レンチウイルスベクター
IL−6(n=5)及びIL−6R/IL−6(n=5)の生体内での産生を、対応するレンチウイルスベクター2μlを注入したウィスターラットで測定した。3週間後に、動物を屠殺し、注入部位を包含する2mm長のパンチ片を切り出した。組織をホモジナイズし、IL−6及びIL−6R/IL−6をELISAアッセイで解析した。非注入脳半球での値はバックグラウンドレベル以下であったが、注入脳半球では11.9±7ngのIL−6及び2.4±0.9ngのIL−6R/IL−6が検出された。線状体組織切片の免疫組織化学的解析は、両タンパク質、IL−6及びIL−6R/IL−6キメラが線状体の広い範囲で発現していることを示した(データは示していない)。以前の報告と一致して、GFAP陽性アストロサイトの数が、LacZ及びPBS群と比較して、IL−6及びIL−6R/IL−6を注入した動物において増加した(データは示していない)。
実施例3:IL−6R/IL−6キメラはマウスにおけるアポモルフィン誘導回転の程度を減少させる
QAは線条体の実質的萎縮を伴うニューロンの特徴的病変を誘導する興奮毒素である。QAの線条体内注入はHDに認められる選択的な神経細胞易損性のパターンを模する。QA損傷はさらにHDで認められる主症状である運動及び認知力欠損をもたらす。従って、線条体内QA注入はHDの有用なモデルとなり、HDに随伴した神経解剖学的及び行動学的変化を予防し、減衰させ又は逆行させることを目指した新規な治療戦略を評価するために供することができる。
【0084】
ここでは、このモデルを、ハンチントン病に似せた有害な効果を改善するためのIL−6及びIL−6R/IL−6キメラの能力を評価するために用いている。
【0085】
両タンパク質の神経防護効果を評価するために、ヒトIL−6(n=6)、IL−6R/IL−6キメラ(n=6)及びLacZレポーター遺伝子(n=6)を発現するレンチウイルスベクター2μlを成体ラットの右側線条体中に定位的に注入した。3週間後に、180nmol QAの線条体内注入により動物を損傷した。左側脳半球は未処置にし、内部標準として供した。アポモルフィン誘導回転非対称をQA投与5、9及び11日後の線条体損傷を評価するために用いた(Borlongan et al., 1995; Nakao & Brundin, 1997)。IL−6及びLacZを処置した動物は典型的な回転行動を示したが、非対称の減少がIL−6R/IL−6群で観察された(図3)。
【0086】
IL−6が存在すると回転運動数が増加し、疾患の症状が悪化するのに対して、IL−6R/IL−6キメラが存在すると動物が示す回転運動数が顕著に減少する。このIL−6R/IL−6キメラの防護効果はQA損傷5日後には既に現れるが、損傷9日後、特に11日後にはさらにもっと増大する。
実施例4:QA誘発損傷の防護
上述の行動学的研究で示されたIL−6R/IL−6キメラの非常に顕著で有益な効果が線条体における神経防護効果と相関するのかどうかを検討するために、組織学的検討を行った。
【0087】
異なる群の同側及び対側間において線条体及び脳室の容積に顕著な差はなかった。期待したとおりに、QA損傷は線条体の収縮(LacZ:92.2%±2.1;IL−6:91.7%±0.9;IL−6R/IL−6:92.6%±1.7)と内包繊維束を保った脳室の拡張(LacZ:186.5%±22.2;IL−6:199.2%±22.1;IL−6R/IL−6:180.9%±29.9)を引き起こした。GABA作動性線条体ニューロンのマーカーであるDARPP−32を染色した切片の光学密度を線条体損傷の程度を測定するために用いた。Lac−Zを注入した動物では、全ての動物においてQAが線条体のDARPP−32染色の高度な消失を誘導した。染色を描画した顕微鏡写真は示されていない。DARPP−32を免疫染色した線条体病変における光学密度の測定を基にした損傷程度の定量は図4に示してあり、平均±SEMで表してある。DARPP−32免疫応答性の喪失がIL−6処置ラットで減衰しているが(LacZ:84.3±2.9%;IL−6:63.3±3.6%;p=0.001)、神経防護効果は主に外側脳室近傍の内側線状体領域に限られていた。対照的に、線条体の大部分がIL−6R/IL−6群では防護されていた(38.6±10%;p=0.001)。
実施例5:コリン作動性及びNADPH−d陽性介在ニューロンの防護
IL−6及びIL−6R/IL−6の効果をさらに評価するために、介在ニューロンの2種類の細胞群:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸ジアフォラーゼ(NADPH−d)を発現する、大型有棘コリン作動性ニューロン(ChAT陽性)及びGABA作動性介在ニューロンを調べた。LacZ対照群においては、ChAT及びNADPH−d陽性細胞の割合は、QA非損傷側では10.2±1.5%であるのと比較して、QA損傷側では16.6±3.7%であった(図5A及び5B)。IL−6及びIL−6R/IL−6はChAT及びNADPH−d免疫応答性ニューロンの変性を対照群と比較して有意に予防した(IL−6=39.3±6.5%;IL−6R/IL−6=65.4±8.5%;p=0.02及びp=0.0005)(図5A及び5B)。DARPP−32ニューロンにおける結果と一致して、効果はIL−6キメラの方で大きかった。
結論
IL−6R/IL−6キメラは十分に確立されたHDの実験モデル系で顕著で有益な効果を示し、ハンチントン病の行動障害に対するIL−6R/IL−6キメラの治療有効性を証明した。それに加えて、IL−6R/IL−6は脳のHDで影響を受けた領域において神経防護効果を示した。
【0088】
総合すると、上で示された結果はハンチントン病の治療及び/又は予防におけるIL−6R/IL−6キメラの有効性を明瞭に示している。従って、本発明はこれまでのところ不治の脳障害であるHDを治療し及び/又は予防する新たな可能性を提供する。
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【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、IL−6R/IL−6キメラタンパク質の構造を図示した概略図である。
【図2】 図2は、それぞれIL−6(ライトグレー)又はIL−6R/IL−6(ダークグレー)のコード配列を含む、発現プラスミドで形質転換した293細胞(図2A)の又はレンチウイルス発現ベクターを感染させた293細胞(図2B)の培養上清中におけるlacZ(対照)、IL−6及びIL−6R/IL−6キメラの発現率を示す。
【図3】 図3は、QA投与5、9及び11日後にアポモルフィンで誘導される回転非対称性に対するLacZ(対照)、IL−6(縦線)及びIL−6R/IL−6キメラ(横線)の効果を示す。正の数値は病変と同側への回転に相当する。数値は平均±SEMで表す。
【図4】 図4は、lacZ(対照)、IL−6(縦線)又はIL−6R/IL−6(横線)を処置した動物から採取した線条体のDARPP−32免疫染色組織切片における光学密度の測定に基づいた損傷度の定量を示す。数値は平均±SEMで表す。
【図5】 図5は、それぞれlacZ(対照)、IL−6(縦線)又はIL−6R/IL−6(横線)で処置した動物の、右側(損傷)と左側(非損傷)(一群当りn=6)の(A)NADPH−d陽性ニューロン及び(B)ChAT陽性ニューロンの割合を示す。数値は平均±SEMで表す。

Claims (9)

  1. ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための、可溶性IL−6受容体とIL−6を一緒に連結したキメラ分子(IL−6R/IL−6キメラ)、又はそのイムノグロブリン(Ig)融合タンパク質、ポリエチレングリコール結合誘導体、若しくは塩の使用。
  2. 該IL−6R/IL−6キメラが1箇所以上の部位でグリコシル化されている、請求項1に記載の使用。
  3. 該IL−6R/IL−6キメラがグリコシル化されていない、請求項1に記載の使用。
  4. ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための、IL−6R/IL−6キメラ、又はそのIg融合タンパク質を発現する細胞の使用。
  5. ハンチントン病の治療用及び/又は予防用薬剤を製造するための、IL−6R/IL−6キメラ、又はそのIg融合タンパク質のコード配列を含む発現ベクターの使用。
  6. 該ベクターがレンチウイルスベクターである、請求項に記載の使用。
  7. IL−6R/IL−6キメラ、又はそのIg融合タンパク質、ポリエチレングリコール結合誘導体、若しくは塩を含む、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用医薬組成物。
  8. IL−6R/IL−6キメラ、又はそのIg融合タンパク質を発現する細胞を、任意に1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とともに含む、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用医薬組成物。
  9. IL−6R/IL−6キメラ、又はそのIg融合タンパク質のコード配列を含む発現ベクターを、任意に1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とともに含む、ハンチントン病の治療用及び/又は予防用医薬組成物。
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