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JP5011695B2 - ジルコニア透明分散液及び透明複合体並びに透明複合体の製造方法 - Google Patents

ジルコニア透明分散液及び透明複合体並びに透明複合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ジルコニア透明分散液及び透明複合体並びに透明複合体の製造方法に関し、更に詳しくは、樹脂のフィラー材として好適に用いられ、屈折率および機械的特性の向上と共に透明性維持を可能とするジルコニア透明分散液、及び、このジルコニア透明分散液と樹脂とを複合化することにより得られるガラスに代替可能な透明複合体、並びに、この透明複合体の製造方法に関するものである。
従来より、シリカ等の無機酸化物をフィラーとして樹脂と複合化することにより、樹脂の機械的特性等を向上させる試みがなされている。このフィラーと樹脂とを複合化する方法としては、無機酸化物を水および/または有機溶媒中に分散させた分散液と樹脂とを混合する方法が一般的であり、分散液と樹脂を種々の方法により混合することにより、無機酸化物粒子が第2相として複合化された無機酸化物粒子複合化プラスチックを作製することができる。
一方、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用基板としては、従来、ガラス基板が多く用いられてきたが、このガラス基板には、割れ易い、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向き等の問題があり、そこで、ガラス基板の代わりにプラスチック基板を用いる試みが数多く行われるようになってきた。
フラットパネルディスプレイ(FPD)用としてのプラスチック基板に対する要求特性としては、透明性、屈折率、機械的特性等が挙げられている。
プラスチックの屈折率を向上させるための無機酸化物フィラーとしては、ジルコニア、チタニア等の微粒子が高屈折率フィラーとして利用されている。
また、無機酸化物フィラーを樹脂と複合化するために、無機酸化物フィラーの分散液が開発され、樹脂の屈折率の向上について検討されている。
例えば、粒径10〜100nmのジルコニア粒子と樹脂とを複合化したジルコニア粒子複合化プラスチックを用いた高屈折率かつ高透明性の厚み数ミクロンの膜が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−161111号公報
ところで、従来の無機酸化物粒子複合化プラスチックを用いた基板の透明性を評価する場合、基板の厚みを光路長として、この光路長における可視光線の透過率を求めている。したがって、厚い方が透明性を維持するのが困難になる。
例えば、上述した従来のジルコニア粒子複合化プラスチック膜の場合、厚みを数μmとすることで高屈折率、高透明性を確保したものであるから、厚みが数十μm、あるいはそれ以上になると、透明性を維持するのが困難になる。
このように、ジルコニア粒子複合化プラスチック膜については検討されているものの、ジルコニア粒子複合化プラスチックをバルク体とした場合の屈折率や透明性については、検討されていないのが現状である。
さらに、ジルコニアの結晶構造には、単斜晶、正方晶、立方晶があり、中でも正方晶は、第2相として複合化した場合、マルテンサイト変態という高靭性化機構が存在し、機械的特性向上の面で優位性があるのであるが、この正方晶ジルコニアをプラスチックと複合化しようとする試みは、いまだになされていない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ナノメートル級の正方晶ジルコニア粒子を用いることで、屈折率および機械的特性の向上と共に透明性の維持を可能とするジルコニア透明分散液及び透明複合体並びに透明複合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、第2相として複合化した場合にマルテンサイト変態という高靭性化機構が存在し、機械的特性向上の面で優位性があるナノメートル級の正方晶ジルコニア粒子について鋭意検討を重ねた結果、ジルコニア透明分散液中のジルコニア粒子を、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子とすれば、樹脂と複合化した場合において、複合体の透明性を維持しながら、屈折率、機械的特性の向上が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のジルコニア透明分散液は、ジルコニア粒子と分散媒とを含有してなるジルコニア透明分散液であって、前記ジルコニア粒子は、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子であることを特徴とする。
前記正方晶ジルコニア粒子の含有率を5質量%とし、かつ光路長を10mmとしたときの可視光透過率は90%以上であることが好ましい。
前記正方晶ジルコニア粒子の含有率は1質量%以上かつ70質量%以下であることが好ましい。
本発明の透明複合体は、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子を樹脂中に分散してなることを特徴とする。
この透明複合体では、前記正方晶ジルコニア粒子の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下としたことが好ましい。
本発明の透明複合体の製造方法は、本発明のジルコニア透明分散液と、樹脂とを混合し、得られた混合物を成形もしくは充填し、次いで、この成形体もしくは充填物を硬化することを特徴とする。
本発明のジルコニア透明分散液によれば、ジルコニア粒子と分散媒とを含有してなるジルコニア透明分散液であり、このジルコニア粒子を、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子としたので、屈折率および機械的特性の向上と共に透明性の維持を図ることができる。
したがって、このジルコニア透明分散液を樹脂に混合すれば、屈折率が高く、透明性に優れ、しかも機械的特性が向上した透明複合体を容易に得ることができる。
本発明の透明複合体によれば、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子を樹脂中に分散したので、屈折率、透明性および機械的特性を高めることができる。
本発明の透明複合体の製造方法によれば、本発明のジルコニア透明分散液と、樹脂とを混合し、得られた混合物を成形もしくは充填し、次いで、この成形体もしくは充填物を硬化するので、屈折率が高く、透明性に優れ、しかも機械的特性が向上した透明複合体を容易かつ安価に作製することができる。
本発明のジルコニア透明分散液及び透明複合体並びに透明複合体の製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「ジルコニア透明分散液」
本発明のジルコニア透明分散液は、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子と、分散媒とを含む分散液である。
ここで、ジルコニア粒子を正方晶ジルコニア粒子に限定した理由は、微粒子合成の立場からは微粒子の粒径が20nm以下のように小さくなると、正方晶の方が従来知られている単斜晶よりも安定になることと、硬度が高く、透明複合体の機械的特性を向上させることができる上に、ジルコニア粒子を樹脂中に分散させた透明複合体とした場合に、正方晶ジルコニアを透明複合体の第2相として添加すると、単斜晶ジルコニア粒子を添加した場合と比べて、マルテンサイト変態と称される体積膨張により高い靭性を示すからである。
また、正方晶ジルコニア粒子の分散粒径を1nm以上かつ20nm以下と限定した理由は、分散粒径が1nm未満であると、結晶性が乏しくなり、屈折率等の粒子特性を発現することが難しくなるからであり、一方、分散粒径が20nmを超えると、分散液や透明複合体とした場合に透明性が低下するからである。
このように、正方晶ジルコニア粒子は、ナノサイズの粒子であるから、この正方晶ジルコニア粒子を樹脂中に分散させて透明複合体とした場合においても、光散乱が小さく、複合体の透明性を維持することが可能である。
正方晶ジルコニア粒子の含有率は、1重量%以上かつ70重量%以下が好ましく、より好ましくは1重量%以上かつ50重量%以下、さらに好ましくは5重量%以上かつ30重量%以下である。
ここで、正方晶ジルコニア粒子の含有率を1重量%以上かつ70重量%以下と限定した理由は、この範囲が正方晶ジルコニア粒子が良好な分散状態を取りうる範囲であり、含有率が1重量%未満であると、正方晶ジルコニア粒子としての効果が低下し、また、70重量%を超えると、ゲル化や凝集沈澱が生じ、分散液としての特徴を消失するからである。
分散媒は、基本的には、水、有機溶媒、液状の樹脂モノマー、液状の樹脂オリゴマーのうち少なくとも1種以上を含有したものである。
上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
上記の液状の樹脂モノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等のアクリル系またはメタクリル系のモノマー、エポキシ系モノマー等が好適に用いられる。
また、上記の液状の樹脂オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー等が好適に用いられる。
このジルコニア透明分散液は、上記以外に、その特性を損なわない範囲において、他の無機酸化物粒子、分散剤、分散助剤、カップリング剤、樹脂モノマー等を含有していてもよい。
正方晶ジルコニア粒子以外の無機酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモン添加酸化スズ(ATO)、スズ添加酸化インジウム(ITO)等が挙げられる。
分散剤としては、リン酸エステル系分散剤等が挙げられる。
このジルコニア透明分散液は、正方晶ジルコニア粒子の含有率を5重量%とした場合、光路長を10mmとしたときの可視光透過率が90%以上が好ましく、より好ましくは95%以上である。
この可視光透過率は、正方晶ジルコニア粒子の含有率により異なり、正方晶ジルコニア粒子の含有率が1重量%では、95%以上、正方晶ジルコニア粒子の含有率が40重量%では、80%以上である。
「透明複合体」
本発明の透明複合体は、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子を樹脂中に分散した複合体である。
樹脂としては、可視光線あるいは近赤外線等の所定の波長帯域の光に対して透明性を有する樹脂であればよく、熱可塑性、熱硬化性、可視光線や紫外線や赤外線等による光(電磁波)硬化性、電子線照射による電子線硬化性等の硬化性樹脂が好適に用いられる。
この樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリシクロヘキシルメタクリレート等のアクリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド、フェノール−ホルムアルデヒド(フェノール樹脂)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メチルメタクレート・スチレン共重合体(MS樹脂)、ポリ−4−メチルペンテン、ノルボルネン系ポリマー、ポリウレタン、エポキシ、シリコーン等が挙げられる。
この樹脂に対しては、その特性を損なわない範囲において、酸化防止剤、離型剤、カップリング剤、無機充填剤等を添加してもよい。
この透明複合体では、正方晶ジルコニア粒子の含有率は、1重量%以上かつ80重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以上かつ80重量%以下、さらに好ましくは10重量%以上かつ50重量%以下である。
ここで、正方晶ジルコニア粒子の含有率を1重量%以上かつ80重量%以下と限定した理由は、下限値の1重量%は屈折率及び機械的特性の向上が可能となる添加率の最小値であるからであり、一方、上限値の80重量%は樹脂自体の特性(柔軟性、比重)を維持することができる添加率の最大値であるからである。
この透明複合体では、正方晶ジルコニア粒子の含有率を25重量%とした場合、光路長を1mmとしたときの可視光透過率は90%以上が好ましく、より好ましくは92%以上である。
この可視光透過率は、透明複合体における正方晶ジルコニア粒子の含有率により異なり、正方晶ジルコニア粒子の含有率が1重量%では、95%以上、正方晶ジルコニア粒子の含有率が40重量%では、80%以上である。
正方晶ジルコニア粒子の屈折率は2.15であるから、この正方晶ジルコニア粒子を樹脂中に分散させることにより、アクリレート、シリコーン樹脂の屈折率1.4程度、エポキシ樹脂の屈折率1.5程度と比べて、樹脂の屈折率をそれ以上に向上させることが可能である。
また、正方晶ジルコニア粒子は、単斜晶ジルコニア粒子に比べてマルテンサイト変態による靭性値の向上が期待でき、しかも、靭性、硬度が高く、複合体の機械的特性向上に適している。
また、正方晶ジルコニア粒子は、ナノサイズの粒子であるから、樹脂と複合化させた場合においても、光散乱が小さく、複合材料の透明性を維持することが可能である。
「透明複合体の製造方法」
本発明の透明複合体は、次に挙げる方法により作製することができる。
まず、上述した本発明のジルコニア透明分散液と、樹脂のモノマーやオリゴマーを、ミキサー等を用いて混合し、流動し易い状態の樹脂組成物とする。
次いで、この樹脂組成物を金型を用いて成形、または金型あるいは容器内に充填し、次いで、この成形体もしくは充填物に加熱、あるいは紫外線や赤外線等の照射を施し、この成形体もしくは充填物を硬化させる。
ここで、樹脂のモノマーやオリゴマーが、反応性を有する炭素二重結合(C=C)を有する場合、単に混合するだけでも、重合・樹脂化させることができる。
特に、アクリル樹脂等の紫外線(UV)硬化性樹脂を含む樹脂組成物を硬化させる方法としては、様々な方法があるが、代表的には、加熱または光照射により開始されるラジカル重合反応を用いたモールド成形法、トランスファー成形法等が挙げられる。このラジカル重合反応としては、熱による重合反応(熱重合)、紫外線等の光による重合反応(光重合)、ガンマ線による重合反応、あるいは、これらの複数を組み合わせた方法等が挙げられる。
本発明の透明複合体の一例として、シリコーン樹脂からなる光学素子が挙げられる。この光学素子は、1種または複数種のオルガノポリシロキサン、硬化剤、触媒を金型に入れ、この金型中にて熱硬化させ、所定の形状の成形体とすることにより製造される。熱硬化反応としては、縮合架橋、パーオキサイド架橋、白金付加架橋等の反応を用いることができる。特に、白金触媒を用いた付加重合反応による熱硬化が好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[ジルコニア透明分散液の作製および評価]
「実施例1」
オキシ塩化ジルコニウム8水塩2615gを純水40L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水344gを純水20Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体スラリーを調整した。
次いで、このスラリーに、硫酸ナトリウム300gを5Lの純水に溶解させた硫酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら加えた。このときの硫酸ナトリウムの添加量は、ジルコニウム塩溶液中のジルコニウムイオンのジルコニア換算値に対して30重量%であった。
次いで、この混合物を、乾燥器を用いて、大気中、130℃にて24時間、乾燥させ、固形物を得た。
次いで、この固形物を自動乳鉢等により粉砕した後、電気炉を用いて、大気中、500℃にて1時間焼成した。
次いで、この焼成物を純水中に投入し、攪拌してスラリー状とした後、遠心分離器を用いて洗浄を行い、添加した硫酸ナトリウムを十分に除去した後、乾燥器にて乾燥させ、ジルコニア粒子を作製した。
次いで、このジルコニア粒子10gに、分散媒としてトルエンを87g、分散剤としてCS−141E(旭電化工業(株)社製)を3g加え、その後分散処理を行い、実施例1のジルコニア透明分散液(Z1)を作製した。
次いで、このジルコニア透明分散液のジルコニア粒子の分散粒径及び分散液の可視光透過率を測定した。
分散粒径は、動的光散乱式粒径分布測定装置(Malvern社製)を用い、ジルコニア透明分散液中のジルコニア粒子の含有量を1重量%に調製したものを測定用試料とした。また、データ解析条件としては、粒子径基準を体積基準とし、分散粒子であるジルコニアの屈折率を2,15、分散媒であるトルエンの屈折率を1.49とした。
また、分散液の可視光透過率は、上記の分散液のジルコニア含有率をトルエンを用いて5重量%に調製した試料を石英セル(10mm×10mm)に入れ、この試料の光路長10mmとしたときの可視光透過率を分光光度計(日本分光社製)を用いて測定した。ここでは、透過率が80%以上を「○」、80%未満を「×」とした。
表1に、これらの測定結果を示す。
また、この分散液のジルコニア粒子の結晶系をX線回折装置を用いて調べた。
図1にジルコニア粒子の粉末X線回折図形(チャート)を示す。この粉末X線回折図形により、ジルコニア粒子の結晶系が正方晶系であることが確認された。
「比較例1」
ジルコニア粒子としてRC−100(第一希元素(株)社製)を用いた以外は、実施例1に準じて分散処理を行い、比較例1のジルコニア分散液(Z2)を作製した。
次いで、実施例1に準じてジルコニア粒子の分散粒径及び可視光透過率を測定した。表1に測定結果を示す。
Figure 0005011695
[透明複合体の作製]
「実施例2」
実施例1のジルコニア透明分散液100gに、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート5g、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.5g、ペンタエリスリトールテトラアクリレート2g、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5gを加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。
次いで、この樹脂組成物を、ガラス板で組み上げた型の中に厚みが1mmになるように流し込み、60℃にて5時間、続いて120℃にて2時間加熱して硬化させ、実施例2の透明複合体を作製した。
この透明複合体のジルコニアの含有率は50重量%であった。
「実施例3」
実施例1のジルコニア透明分散液100gに、シリコーンオイル(メチルハイドロジェンポリシロキサンと両末端に各々ビニル基を有するオルガノポリシロキサンとの混合物)10gを加え、さらに、塩化白金酸をシリコーンオイル100重量部に対して20ppmとなるように加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。
次いで、この樹脂組成物を、ガラス板で組み上げた型の中に厚みが1mmになるように流し込み、150℃にて2時間加熱して硬化させ、実施例3の透明複合体を作製した。
この透明複合体のジルコニアの含有率は50重量%であった。
「実施例4」
実施例1のジルコニア透明分散液100gに、エポキシレジン:エピコート828を7gおよび硬化剤としてエピキュア3080を3g(いずれもジャパンエポキシレジン(株)社製)加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。
次いで、この樹脂組成物を、ガラス板で組み上げた型の中に厚みが1mmになるように流し込み、80℃にて30分間加熱して硬化させ、実施例4の透明複合体を作製した。
この透明複合体のジルコニアの含有率は50重量%であった。
「比較例2」
比較例1のジルコニア分散液100gに、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート5g、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.5g、ペンタエリスリトールテトラアクリレート2g、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5gを加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。
次いで、この樹脂組成物を実施例2に準じて処理し、比較例2の透明複合体を作製した。
この透明複合体のジルコニアの含有率は50重量%であった。
「比較例3」
比較例1のジルコニア分散液100gに、シリコーンオイル(メチルハイドロジェンポリシロキサンと両末端に各々ビニル基を有するオルガノポリシロキサンとの混合物)10gを加え、さらに、塩化白金酸をシリコーンオイル100重量部に対して20ppmとなるように加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。
次いで、この樹脂組成物を実施例3に準じて処理し、比較例3の透明複合体を作製した。
この透明複合体のジルコニアの含有率は50重量%であった。
「比較例4」
比較例1のジルコニア分散液100gに、エポキシレジン:エピコート828を7gおよび硬化剤としてエピキュア3080を3g(いずれもジャパンエポキシレジン(株)社製)加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。
次いで、この樹脂組成物を実施例4に準じて処理し、比較例4の透明複合体を作製した。
この透明複合体のジルコニアの含有率は50重量%であった。
「比較例5」
透明複合体のジルコニアの含有率を2重量%とした以外は、比較例2に準じて処理し、比較例5の透明複合体を作製した。
「比較例6」
透明複合体のジルコニアの含有率を2重量%とした以外は、比較例3に準じて処理し、比較例6の透明複合体を作製した。
「比較例7」
透明複合体のジルコニアの含有率を2重量%とした以外は、比較例4に準じて処理し、比較例7の透明複合体を作製した。
「透明複合体の評価」
実施例2〜4及び比較例2〜7それぞれの透明複合体について、可視光透過率、屈折率および硬度の3点について、下記の装置または方法により評価を行った。
(1)可視光透過率
分光光度計(日本分光社製)を用いて可視光線の透過率を測定した。
ここでは、測定用試料を100×100×1mmの大きさのバルク体とし、透過率が80%以上を「○」、80%未満を「×」とした。
(2)屈折率
日本工業規格:JIS K 7142「プラスチックの屈折率測定方法」に準拠し、アッベ屈折計により測定した。
ここでは、ジルコニアを添加していない樹脂を基準として、屈折率が0.05以上向上した場合を「○」、屈折率が0.05未満しか向上しなかった場合を「×」とした。
(3)硬さ
日本工業規格:JIS K 7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法」に準拠し、デュロメータを用いてJIS−A硬度を測定した。
ここでは、比較例1のジルコニア分散液及び比較例2〜4の樹脂を用いて作製され、ジルコニアの含有率が50重量%である各透明複合体の硬さを基準とし、この基準値より高い場合を「○」、この基準値より低い場合を「×」とした。
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 0005011695
これらの評価結果によれば、実施例2〜4では、可視光透過率、屈折率、硬度ともに良好であることが分かった。
一方、比較例2〜7では、可視光透過率、屈折率、硬度のいずれかの特性が実施例2〜4と比べて劣っていた。
本発明のジルコニア透明分散液は、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子を含有したことにより、このジルコニア粒子および樹脂を含む透明複合体の屈折率および機械的特性の向上と共に透明性の維持を図ることができるものであるから、半導体レーザ(LED)の封止材、液晶表示装置用基板、有機EL表示装置用基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池用基板等の光学シート、透明板、光学レンズ、光学素子、光導波路等はもちろんのこと、これ以外の様々な工業分野においても、その効果は大である。
本発明の実施例1のジルコニア粒子の粉末X線回折図形を示す図である。

Claims (6)

  1. ジルコニア粒子と分散媒とを含有してなるジルコニア透明分散液であって、
    前記ジルコニア粒子は、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子であることを特徴とするジルコニア透明分散液。
  2. 前記正方晶ジルコニア粒子の含有率を5質量%とし、かつ光路長を10mmとしたときの可視光透過率は90%以上であることを特徴とする請求項1記載のジルコニア透明分散液。
  3. 前記正方晶ジルコニア粒子の含有率は1質量%以上かつ70質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のジルコニア透明分散液。
  4. 分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の正方晶ジルコニア粒子を樹脂中に分散してなることを特徴とする透明複合体。
  5. 前記正方晶ジルコニア粒子の含有率は1質量%以上かつ80質量%以下であることを特徴とする請求項4記載の透明複合体。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のジルコニア透明分散液と、樹脂とを混合し、得られた混合物を成形もしくは充填し、次いで、この成形体もしくは充填物を硬化することを特徴とする透明複合体の製造方法。
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