JP5009260B2 - スリップ防止材及びその敷設方法 - Google Patents
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Description
すなわち、車輌タイヤ等の柔軟弾性体(塑性体)と路面との加圧接触界面において、路面表面を何らかの方法で粗面化することで、相対面間スリップ時のヒステリシスロスを大きくし摩擦係数を高め、かつ湿潤面での湿潤材膜(一般では水)による完全潤滑面化を阻止する方法がとられている。
λV/Pの値が大きいと湿潤材膜厚は厚く作用して完全潤滑面となり、小さいと作用膜厚は薄くなり、接触界面において湿潤膜を介せず直接固体面接触する面積を多くする。
すなわち、高速走行車輌の場合、湿潤面では湿潤材膜厚が接触スピードに比例して厚く作用し摩擦係数が極端に小さくなる。
また、このとき表面の粗面突起先端が鋭利であると、形成された湿潤材膜が相対的な接触圧力P(荷重)で破壊し易くなり、接触摩擦係数をさらに高めることが知られている。
路面に遊離する砂粒子Sの成分の硬度を考えるとき、最大硬度と考えられる石英鉱石でモース硬度は7であり、モース硬度7以下の硬度の骨材粒子9であれば、該骨材粒子9は容易に摩滅消滅する。
すなわち、マトリックス樹脂のウレタン硬度より硬質であるという範囲の骨材硬度では耐久性に劣る。
過剰マトリックス樹脂量の場合は、混入粒子間隔の過大化が発生し、摩擦係数の低下を来たすばかりでなく、粒子保持マトリックス樹脂10の路面に遊離する砂粒子Sによるラップ研磨作用が容易となり、粒子保持マトリックス樹脂10のラップ研磨摩滅を助長し、粗面化のための骨材粒子9の脱落を早める。
また、過少マトリックス樹脂量の場合は、粗面化のための骨材粒子9の保持力が低下し、摩擦抵抗により摩擦素子粒子が早期脱落をする。
ポリウレタンは、硬度(特許文献1記載ではデュロメーターA硬度90±3)や引っ張り応力が温度の影響を大きく受ける物質であり、温度が上昇すると硬度は低下し、応力も低くなる。
ポリウレタンで成形された滑り止め路面材も、路面温度の上昇で軟化し、車輌走行中の摩擦抵抗と車輌による大きな剪断荷重で、路面に貼り付けた滑り止め路面材は伸張歪み応力がかかって破断破損する。
この滑り止め路面材を通常の接着剤で接着固定した場合は、その接着剤もまた、路面温度で内部凝集力が低下し、結果として、貼り付けた滑り止め路面材シートのずれや剥離破損を招くこととなる。
このスリップ防止材及びその敷設方法は、路面を構成する路面基盤面に、モース硬度8以上で劈開面の角部が鋭角となる結晶粒子を摩擦素子粒子として直接積層し、摩擦素子粒子の配列密度がその粒子の持つ嵩比重の90%以上になるようにマトリックス樹脂で結合する。
このスリップ防止材及びその敷設方法は、機能が高く耐久性の優れたスリップ防止摩擦素子層を路面基盤面に構築するが、その敷設工程は路面基盤面の接着処理以外に、マトリックス樹脂のコーティング、摩擦素子粒子の散布、粒子の圧入及び樹脂硬化反応を繰り返し実施し、摩擦素子粒子層を形成する必要がある。
また、路面基盤面に摩擦素子粒子層を直接形成するこの方法では、敷設路面基盤面との接着界面に均一な界面歪み応力緩和層を確実に形成することが困難である。
すなわち、その工程が複雑で工数が多く完成に時間を要するとともに、コーティング接着界面の歪みによる剥離破損の危険性を伴うという問題を有している。
その配列粒子を最小間隔とする摩擦素子粒子の添加量は、その摩擦素子粒子が持つ嵩比重量(見かけ密度)であり、マトリックス樹脂液に摩擦素子粒子を混入し、シート成形に適した粘度に調整する骨材添加量とした場合、摩擦素子粒子の密度は嵩比重より低くなり、スリップ防止シートの摩滅を助長する。
これに対し、本発明のスリップ防止材及びその敷設方法では、マトリックス樹脂液に摩擦素子粒子を混合することなく、基布にマトリックス樹脂をコーティングして樹脂層を形成し、その上層面に摩擦素子粒子を散布積層し、転圧を掛けてマトリックス樹脂層に摩擦素子粒子を圧入することから、摩擦素子粒子をその粒子が持つ嵩比重(密度)に近い密度で配列することができ、耐久性の高い摩擦素子粒子層を形成することができる。
さらに、摩擦素子粒子層は少なくとも下層摩擦素子粒子層と上層摩擦素子粒子層とにより複数層に積層されることから、上層の摩擦素子粒子が摩滅消滅しても下層の摩擦素子粒子が露出することにより摩擦素子粒子層としての機能は低下せず、常に一定の摩擦抵抗を維持し、全体として摩擦素子粒子層が完全に摩滅消失するまでその機能が継続される。
また、道路の路面基盤面に摩擦素子粒子層を直接コーティングする従来のスリップ防止材では、敷設路面基盤面に直接マトリックス樹脂の塗布や摩擦素子粒子の散布積層圧入、及び加熱硬化反応固定を繰り返し摩擦素子層を成形敷設することから、工程数が多くかつ各工程に時間が掛けるとともに、路面基盤面との接着界面の歪み応力層形成が不安定となり、歪み剥離破損の危険性がある。
これに対し、本発明のスリップ防止材及びその敷設方法では、別の製作工程で生産されたスリップ防止材を、路面基盤面に耐熱接着剤で接着固定し敷設することから、耐久性、恒久的な機能性を有するスリップ防止材を短時間の単純作業で敷設するとともに、マトリックス樹脂を含浸した繊維織布又は不織布の基布により、路面基盤面との間に接着界面歪みの応力緩和層を形成することができ、これにより、スリップ防止材の接着固定の歪み剥離や破損を防止することができる。
このスリップ防止材Cは、図1(a)及び(b)に示すように、繊維織布又は不織布の基布11に反応硬化性のマトリックス樹脂2を含浸させ、該マトリックス樹脂2を含浸したシートの上面にさらにマトリックス樹脂2を略均一に塗布し、該塗布したマトリックス樹脂2の上に摩擦素子粒子1を略均一に散布積層するとともに、該散布した摩擦素子粒子1に転圧を掛けることにより、マトリックス樹脂2に摩擦素子粒子1を圧着圧入し、その後、マトリックス樹脂2を硬化反応させることにより摩擦素子粒子1を固定し、かつ遊離する摩擦素子粒子1を排除することにより形成された下層摩擦素子粒子層Aを形成する。
そして、図1(c)〜図2(e)に示すように、下層摩擦素子粒子層Aにマトリックス樹脂4を略均一に塗布し、該マトリックス樹脂4の上に摩擦素子粒子5を略均一に散布積層するとともに、該散布した摩擦素子粒子5に転圧を掛けることにより、マトリックス樹脂4に摩擦素子粒子5を圧着圧入し、その後、マトリックス樹脂4を硬化反応させることにより摩擦素子粒子5を固定し、かつ遊離する摩擦素子粒子5を排除することにより形成された上層摩擦素子粒子層Bを形成する。
そして、図2(f)及び(g)に示すように、下層摩擦素子粒子層Aを、路面を構成する路面基盤面3に耐熱接着剤12で固定するようにしている。
また、上層摩擦素子粒子層Bのマトリックス樹脂4は、下層摩擦素子粒子層Aのマトリックス樹脂2より高弾性率、高強度のマトリックス樹脂とすることもできる。
また、下層摩擦素子粒子層A及び上層摩擦素子粒子層Bは、転圧による圧着圧入により、摩擦素子粒子1、5の構成体積率がその粒子が持つ嵩比重に近い90%以上となされている。
さらに、最上層摩擦素子粒子層の上に保護層のマトリックス樹脂6を略均一に塗布し、反応硬化させ保護層Gを形成することで、表層に露出する摩擦素子粒子5の強固な安定固定が確保できる。
あるいは、スリップ防止材Cを予め80℃以上に加熱して、熱溶融性接着剤からなる耐熱接着剤12の層を溶融し、スリップ防止材Cを配列して圧着することで容易に接着敷設することができる。
これにより、路面に浮遊する砂粒子Sで摩擦素子粒子1、5が容易に摩滅破損することがなく、摩擦素子粒子1、5の耐久性が確保できる。
また、表面の摩擦素子粒子1、5が、路面に浮遊する砂粒子Sで損傷する場合においても、摩擦素子粒子1、5は高硬度の結晶粒子であり、粒子が劈開破砕性を有することで、破砕コーナーは鋭利となり、摩擦素子粒子自身でも摩擦素子機能を再起する。
また、スリップ防止材Cの摩擦素子粒子1、5は複数層に配列されており、上層の摩擦素子粒子5が摩滅又は脱落消滅しても、下層の摩擦素子粒子1が表層に露出し、摩擦素子機能を再起する。
すなわち、スリップ防止材Cは、耐摩耗性の摩擦素子粒子1、5とその表面機能再起性により、常に一定以上の摩擦抵抗を発揮する、耐久性の高いスリップ防止表面層を形成する。
これにより、路面基盤面3に耐熱接着剤12で接着固定した場合の、路面基盤面3の振動、熱膨張伸縮、摩擦素子層表面からの衝撃歪み、表面車輌通行、車輌制動剪断応力による接着界面歪みを緩和し、接着界面の歪み剥離やスリップ防止材Cの破断を抑制する。
これにより、耐久性があり補強効果が高くかつ弾性歪み吸収性の高い歪み応力緩和層Fが形成され、スリップ防止材Cの安定した強固な接着固定が可能となる。
また、基布11に含浸する、反応硬化後の伸び率が50%以上で、引っ張り強度が5MPa以上のマトリックス樹脂2は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を変成脂肪族ポリアミンで硬化反応させる樹脂とすることができる。
なお、スリップ防止材Cの路面基盤面3への接着剤としても、同様のエポキシ樹脂を用いることができる。
この場合、路面基盤面の接着剤塗布に際し、路面基盤面の接着下地処理として、表面研磨、ケレン処理及び接着界面活性化のプライマー処理を施すことができる。
また、耐熱接着剤12として、80℃以上で硬化反応又は熱溶着する耐熱接着剤を用いることができる。
また、耐熱接着剤12でスリップ防止材Cの接着固定を実施するに際して、路面基盤面3に耐熱接着剤12を塗布し、スリップ防止材Cを接着面に配した後、80℃以上に加熱し転圧接着固定することができる。
また、80℃以上の耐熱性を有する熱溶融性接着剤からなる耐熱接着剤12を路面基盤面3に塗布し乾燥させるとともに、下層摩擦素子粒子層Aの下に同じ熱溶融性接着剤からなる耐熱接着剤12の層を形成し、該スリップ防止材Cの熱溶融性接着剤層を予め80℃以上に予熱してから、スリップ防止材Cを路面基盤面に配し転圧圧着することもできる。
スリップ防止材Cの厚み設計において、一層の摩擦素子粒子層A又はBの厚みは、使用する摩擦素子粒子1、5の粒度における最大粒子径とし、その摩擦素子粒子層を各々下層摩擦素子粒子層Aと上層摩擦素子粒子層Bとし、少なくとも2層以上の積層でスリップ防止材Cを構成する。
また、摩擦素子粒子1、5は必ずしも単一粒度の粒子で構成する必要はなく、数種の混合粒度を用いることも可能であり、さらに、各摩擦素子粒子層A、B毎に粒度を変更することも可能である。
各摩擦素子粒子層A、Bのマトリックス樹脂2、4は、各層毎に敷設面に塗布し、その表面に各層を構成する摩擦素子粒子1、5を均一に散布積層し、散布した摩擦素子粒子1又は5の表面に転圧を掛け、各々のマトリックス樹脂2、4の層に摩擦素子粒子1、5を圧着圧入し、マトリックス樹脂2又は4を反応硬化させて固定し、非接着の遊離する余剰の摩擦素子粒子をバキュームやブロアで除去する。
この操作を繰り返し、所定積層数で設計厚みのスリップ防止材Cを成形する。
そして、最上層の摩擦素子粒子層Bの表層面に、保護仕上げのマトリックス樹脂6を塗布し、保護層Gを形成することで、表層摩擦素子粒子5の確実な接着保持構造が完成する。
すなわち、各摩擦素子粒子層A、Bにおける摩擦素子粒子1、5の敷設量は、各摩擦素子粒子層A、Bの設計厚みを、その摩擦素子粒子1、5の構成粒度の最大径とし、敷設面積から摩擦素子粒子層A又はBの体積を算出し、その粒度の嵩比重から敷設面積当たりの摩擦素子粒子重量を算出する。
研削材の粒度規定におけるJIS規格での粒度と最大粒子径は、下記表1の通りである。
なお、混合粒度における嵩比重は、その都度嵩比重計で測定する。
摩擦素子粒子層A又はBの一層当たりの摩擦素子粒子1又は5の配列密度が嵩比重に匹敵する配列とする。
そして、その摩擦素子粒子1又は5を確実に連結固定するに必要なマトリックス樹脂2又は4の量は、この摩擦素子粒子1、5の真比重とその粒度で決定する嵩比重から、摩擦素子粒子の粒子配列隙間を算出し、設計基準として、その粒子配列隙間量の40%を下限、100%を上限界量としてマトリックス樹脂量を算出する。
なお、積層敷設時の次層マトリックス樹脂量の算出においては、前層と次層のマトリックス樹脂量の累積量が180%〜200%となるように、次層マトリックス樹脂量を調整設定する。
実際のスリップ防止材Cの製作においては、図1(a)の基布11にマトリックス樹脂2を塗布含浸し、これによって接着界面の歪み応力緩和層Fが構成され、かつスリップ防止材Cの補強層ともなる。
また、マトリックス樹脂2は、下層摩擦素子粒子層Aの摩擦素子粒子1の接着固定マトリックス樹脂でもあることから、反応硬化後の伸び率が50%以上で引っ張り強度が5MPa以上の樹脂が適当である。
第2層となる上層摩擦素子粒子層Bのマトリックス樹脂4の量は、上層摩擦素子粒子層Bの設定厚みからその体積を算出し、摩擦素子粒子5の真比重とその粒度における嵩比重から、摩擦素子粒子5の一層配列隙間量を算出する。
この上層摩擦素子粒子層Bの設計マトリックス樹脂4の設計量は、計算算出隙間体積の80〜90%とし、さらに、下層摩擦素子粒子層Aの算出マトリックス樹脂2の100%量と、実際に塗布したマトリックス樹脂2の量との差(100−45〜60%)を算出し、前記算出マトリックス樹脂4の量に加算して、上層塗布マトリックス樹脂4の上限塗布量とする。
第3層以降、最終層までの上層摩擦素子粒子層Bの敷設塗布マトリックス樹脂量は、その該当層の摩擦素子粒子の配列隙間体積の80〜90%量が満たされる量とする。
また、保護層Gの塗布マトリックス樹脂6の量は、摩擦素子粒子の嵩比重から算出した隙間量の10〜15%量とする。
また、本実施例においては、各摩擦素子粒子層A、B及び保護層Gで使用するマトリックス樹脂2、4及び6を、その各層に適した特性樹脂に変更することも可能である。
さらに、各摩擦素子粒子層A、Bにおいて、塗布したマトリックス樹脂2、4の表面に、加熱して60〜100℃に保持した摩擦素子粒子1、5を散布積層し転圧圧入することにより、マトリックス樹脂の粘度は低下し、摩擦素子粒子界面での樹脂液接着濡れを改善し、かつ樹脂の反応硬化を促進することができる。
なお、摩擦素子粒子1、5の積層は、下層摩擦素子粒子層Aと上層摩擦素子粒子層Bの上下2層積層とする。
摩擦素子粒子1、5は、昭和電工(株)製のアランダム、粒度#60(最大粒子径:425μm、嵩比重:1.78、真比重:3.96)を使用、マトリックス樹脂はビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂(引っ張り力:14MPa、伸び150%比重:1.15)を採用する。
また、各摩擦素子粒子層A、Bの設計厚みを0.425mmとする。
すなわち、摩擦素子粒子層一層当たりの摩擦素子粒子層体積は(層厚みはその摩擦素子粒子の最大径:0.425mm)、250×250×0.425×10−6=0.027リットルであり、その層を構成する摩擦素子粒子量はその嵩比重から0.027×1.78=0.048kgとなる。
また、その層の粒子配列空間量は摩擦素子粒子の真比重(3.96)から0.027−0.048÷3.96=0.015リットルとなる。
また、各資材の試作敷設作業ロスは、摩擦素子粒子が60%、マトリックス樹脂を35%とする。
摩擦素子粒子層Aの塗布マトリックス樹脂2(比重:1.15)の量はその空間の50%とし、ロス(35%)を込みとすると0.015×1.15×0.5×1.35=0.012kg(12g)となり、これを、基布11の表面に刷毛で均一に塗布する。
次に、摩擦素子粒子散布面に転圧ロールを掛け、摩擦素子粒子1を塗布マトリックス樹脂2に圧着圧入する。
表面から加温ヒーターを掛け、約50〜70℃に加熱し、約20分でマトリックス樹脂2を反応硬化させる。
次に、上層摩擦素子粒子層Bの塗布マトリックス樹脂4の量は、その層設計厚みを前記下層摩擦素子粒子層Aと同様(最大粒子径:0.425mm)とすると、その空間量も同様0.015リットルであり、設計必要マトリックス樹脂4の量をその90%とすると、0.015×0.9=0.0135リットルとなる。
これに下層摩擦素子粒子層Aの不足マトリックス樹脂2の量(100−50=50%)を加算すると、0.0135+0.015×0.5=0.034リットルとなり、それに塗布作業ロス(35%)を加算した量が上層摩擦素子粒子層Bの敷設時に塗布するマトリックス樹脂量となる。
すなわち、上層摩擦素子粒子層Bの敷設時の塗布マトリックス樹脂(比重:1.15)の量は、0.034×1.15×1.35=0.053kg(53g)であり、これを下層摩擦素子粒子層Aの上に塗布し、この塗布したマトリックス樹脂4の上に上層摩擦素子粒子層Bの摩擦素子粒子5を均一に散布する。
このときの摩擦素子粒子量は、ロス(60%)を含み、0.028×1.78×1.6=0.077kg(77g)である。
マトリックス樹脂4の硬化後、遊離する過剰の摩擦素子粒子5をバキュームで除去する。
さらに、上層摩擦素子粒子層Bに保護層Gのマトリックス樹脂6を塗布し、同様に加熱硬化させる。
この保護層Gのマトリックス樹脂6の量は、上層摩擦素子粒子層Bの100%空間量の10%とする。
すなわち、上層摩擦素子粒子層Bの空間量は、上層摩擦素子粒子層Bの体積から摩擦素子粒子5の体積を差し引いた量であり、0.027−0.048÷3.96=0.015リットルとなり、その10%量を保護層Gのマトリックス樹脂量とする。
マトリックス樹脂6の比重を1.15とし、ロスを35%とすると、0.015×0.1×1.15×1.3=0.002kg(2g)となる。
実際の塗布作業においては、本マトリックス樹脂6の絶対量が少なすぎ、トルエンで3倍に希釈して塗布する。
塗布後、乾燥し加熱ヒーターで約50〜70℃に加熱、約40分でマトリックス樹脂6を反応硬化させ、スリップ防止材Cの完成とする。
本実施例によって製作したスリップ防止材Cの性状は下記表2の通りであった。
予め正確な内容量(体積)を確認したピクノメーターに試料を投入し、正確に比重測定したメタノールを投入し、ピクノメーターに密栓をして余剰メタノールを排出し、ピクノメーターに残留するメタノール量(体積)から試料の総体積を算出する。
試料を取り出し、磁器製蒸発皿で加熱燃焼、灼熱し有機物質を完全燃焼除去し、さらに、無機充填材を水洗沈殿法で摩擦素子粒子と分離し、摩擦素子粒子のみを採取して、正確に秤量測定する。
この摩擦素子粒子重量を、試料体積で除した値が、敷設摩擦素子粒子層の粒子配列密度である。
この摩擦素子粒子配列密度を、その摩擦素子粒子嵩比重で除した値が摩擦素子粒子配列密度率であり、この値が90%以上必要となる。
スリップ防止材Cを路面基盤面3に見立てた、500×500×20mmの鋼板面に、エポキシ接着剤でスリップ防止材C(250×250×1.75mm)を4枚接着固定し、スリップ防止材Cの敷設路面基盤面を完成させ、スリップ防止材Cの性能試験を行なった。
(1)フロアーポリッシャー摩滅試験:アマノ社CMP140
(2)装着ワイヤーブラシ:Φ15in
(3)空転回転数:190rpm
(4)加圧荷重=27kg
(1)摩擦素子粒子層の厚み測定:キーエンス社渦電流式変位センサー測定器
(2)面粗:ミツトヨ社SJ402
(3)湿潤面摩擦抵抗(BPN値):MASTRAD社製 SKID−FRICTION TR300 Model B
(4)動摩擦係数(DF値):日邦産業社製 Dynamic friction tester (湿潤面スピード:80km/h時の値)
(5)衝撃歪み剥離試験:1.5kg金属ハンマー落下衝撃、落下高さ:2.0m
また、この実施例はあくまで一例であり、摩擦素子粒子層全体の厚みを厚くすることによる摩滅対応時間の延長が可能であり、また、摩擦素子粒子の粒度の変更調整や、混合粒度の採用、摩擦素子粒子成分の変更等により、その各性能の改良も可能である。
また、各摩擦素子粒子層のマトリックス樹脂の特性を変更調整することでも、用途に応じた性能に調整することができる。
さらに、本発明を適用する対象としての路面基盤面も、上記実施例に想定した高速道路等の道路橋の鋼製伸縮装置の他、接着剤や摩擦素子粒子層を構成するマトリックス樹脂の特性を変更することで、ゴム製伸縮装置やコンクリート路面、アスファルト路面、及び船舶甲板等のも広く適用できるものであり、これを排除するものではない。
11 基布
12 耐熱接着剤
2 マトリックス樹脂
3 路面基盤面
4 マトリックス樹脂
5 摩擦素子粒子
6 マトリックス樹脂
7 走行車輌タイヤ
8 路面
9 骨材粒子
10 マトリックス樹脂
A 下層摩擦素子粒子層
B 上層摩擦素子粒子層
C スリップ防止材
F 歪み応力緩和層
G 保護層
S 路面に浮遊する砂粒子
Claims (9)
- 繊維織布又は不織布の基布に反応硬化性のマトリックス樹脂を含浸させ、該マトリックス樹脂を含浸したシートの上面にさらにマトリックス樹脂を略均一に塗布し、該塗布したマトリックス樹脂の上に摩擦素子粒子を略均一に散布積層するとともに、該散布した摩擦素子粒子に転圧を掛けることにより、マトリックス樹脂に摩擦素子粒子を圧着圧入し、その後、マトリックス樹脂を硬化反応させることにより摩擦素子粒子を固定し、かつ遊離する摩擦素子粒子を排除することにより形成された下層摩擦素子粒子層と、該下層摩擦素子粒子層にマトリックス樹脂を略均一に塗布し、該マトリックス樹脂の上に摩擦素子粒子を略均一に散布積層するとともに、該散布した摩擦素子粒子に転圧を掛けることにより、マトリックス樹脂に摩擦素子粒子を圧着圧入し、その後、マトリックス樹脂を硬化反応させることにより摩擦素子粒子を固定し、かつ遊離する摩擦素子粒子を排除することにより形成された上層摩擦素子粒子層とを備え、下層摩擦素子粒子層を介して路面を構成する路面基盤面に耐熱接着剤で固定するようにしたことを特徴とするスリップ防止材。
- 上層摩擦素子粒子層の上にマトリックス樹脂を硬化反応させて形成した保護層を備えたことを特徴とする請求項1記載のスリップ防止材。
- 摩擦素子粒子を、モース硬度8以上で、劈開面の角部が鋭角となる結晶粒子としたことを特徴とする請求項1又は2記載のスリップ防止材。
- 下層又は上層摩擦素子粒子層を構成する摩擦素子粒子の配列密度を、その粒度における嵩比重の90%以上としたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のスリップ防止材。
- 前記基布を、耐老化性及び耐腐食性を備えた強靱で柔軟性のあるものとしたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスリップ防止材。
- 基布に含浸するマトリックス樹脂を、反応硬化後の伸び率が50%以上で引っ張り力が5MPa以上としたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のスリップ防止材。
- 下層摩擦素子粒子層の下に、80℃以上の耐熱性を有する熱溶融性接着剤層を形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のスリップ防止材。
- スリップ防止材をその1辺が50〜500mmの四角形に成形したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のスリップ防止材。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のスリップ防止材を、80℃以上の耐熱性を有する耐熱接着剤で路面基盤面に接着し敷設することを特徴とするスリップ防止材の敷設方法。
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