JP5006891B2 - アクリル系樹脂フィルムの製造方法及びアクリル系樹脂フィルム - Google Patents
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Description
また、ガラスに比べて軽く、成形性が良好である。
さらに、表面硬度も高く、耐薬品性に優れ、かつ耐候性も良好なので、屋外の自然の環境に対してもきわめて抵抗性の高いプラスチックである。
このような特長を生かして、(1)建物の面材、看板、太陽熱吸収板等の耐久消費財や建材用途、(2)印刷性、光沢・透明性が総合した美粧性を活用する電飾板、装飾壁板、省塗装を計る塗装代替のインモールド成形等に用いられる加飾フィルム用途、(3)金属板や他のプラスチックフィルム、シートの上に貼って省資源化と基材保護する貼合積層フィルム用途、(4)紫外線吸収剤を添加したフィルムとして吸収能を活用した農業用フィルム用途、(5)安全ガラス、ステンドグラスなどに用いられるインテリアフィルム用途、等、一般的フィルム用途、さらには(6)液晶表示装置(LCD)等の内部で使用される光学フィルム用途等、幅広く実用化されている。
このような問題点を解決するために、テンター等の延伸機械を用いて二軸延伸することで強度の優れたフィルムを得る方法(例えば、特許文献1、2参照。)や、圧縮プレス機等を用いて圧縮延伸して、衝撃強度の改良されたフィルム及びシートを成形する方法(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。
また、圧縮プレス機による延伸法は、バッチ式であり、予熱、圧縮成形がバッチで行われるため、押出成形法等の連続成形法に比べて生産性に劣る。
下記特許文献1には、インフレーション装置によりダイス温度250℃で押出成形して厚さ200μmの押出フィルムを得て、それを再度ガラス転移温度−10℃〜ガラス転移温度+30℃の温度に加熱して二軸延伸する技術が記載されているが、硬くて脆いアクリル系樹脂では一度冷却して、更にそれを再度加熱して延伸することは、実際には取扱性が悪いため、連続的に高生産性を確保することは困難であると考えられる。
上記のようなアクリル樹脂の脆さに鑑みて、軟質のゴム成分、弾性体粒子等を含有させる技術が知られているが、アクリル樹脂の優れた特徴である高い透明性や、表面硬度の高さが失われるという問題が生じる。
液晶表示装置の液晶パネル表面のガラス基板の両側には偏光板が配置されており、この偏光板には、通常、ヨウ素化合物が添加されたポリビニルアルコール(PVA)フィルムを延伸したものが使用されていたが、保護機能の信頼性を高めるために、PVAフィルムの両面には、保護フィルムを貼り付ける構成とされている。
この保護フィルムとして、耐熱性と光学特性に優れた樹脂材料であるポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂による保護フィルムが提案されている。
しかしながら、アクリル系樹脂は脆くて割れやすく、厚さが1mm以上のシートは比較的成形しやすいが、厚さが0.2mm以下程度の薄いフィルムは脆く、実用上十分な強度を有する偏光子保護フィルムに成形することは困難である。
例えば、下記特許文献4には、アクリル系樹脂と熱可塑性樹脂とを共押出成形し、アクリル系樹脂層と熱可塑性樹脂層とを有するフィルムとし、取り扱い時のフィルム搬送性を改良した技術が開示されている。
また、下記特許文献5、6には、アクリル系樹脂に、それぞれスチレン系エラストマー、軟質アクリル系樹脂等を添加することにより、光学的特性及び強度面の改良を図る技術が開示されている。
下記特許文献7には、厚さが40μm以下の薄層の偏光子保護フィルムを得るために両側に熱可塑性樹脂層を設けた共押出成形でフィルムを作製する方法が開示されている。
下記特許文献8には、熱可塑性アクリル樹脂に数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子をフィルム厚さ方向の中央に偏在させて含有させ、透明性を維持しながら表面硬度、光学物性を改良する技術が開示されている。
下記特許文献9〜11には、熱可塑性アクリル樹脂に弾性体粒子を分散させたフィルムに関し面内方向のレターデーション(Re)、厚さ方向のレターデーション(Rth)を特定することにより優れた視野角特性を有するインプレーンスイッチングモードの液晶表示装置が開示されている。
さらに下記特許文献12には、アクリル系樹脂フィルムの透明性を維持して折り曲げ強度等の機械的強度を改良する方法として、その樹脂のガラス転移温度Tg以上でTg+40℃以下の温度で延伸する冷間延伸法が開示されている。
例えば、大型液晶ディスプレイの画面を斜め方向から見た場合の光漏れを補正し、コントラストを向上させるために偏光板に貼って用いられる視野角拡大フィルムの支持体用フィルムであって、所定の液晶をコーティングして用いられるフィルム、眩しさを抑制して視認しやすいディスプレイ画面を実現するために偏光板の最表面に貼って用いられるアンチグレア(防眩)フィルムの支持体用フィルムであって所定のアンチグレア層をコーティングして用いられるフィルム、反射防止フィルム用の支持体であって所定の低反射層をコーティングして用いられるフィルム等が挙げられる。
これらにおいても、上記偏光子保護フィルムと同様に、優れた光学的特性及び機械的強度の双方の特性を満足することが求められている。
Re=(Nx−Ny)×d ・・・(1)
Rth=〔(Nx+Ny)/2−Nz〕×d ・・・(2)
(式(1)、(2)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。)
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
(式(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とは前記フィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。)
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
(式(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とは前記フィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。)
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
(式(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とは前記フィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。)
Re=(Nx−Ny)×d ・・・(1)
Rth=〔(Nx+Ny)/2−Nz〕×d ・・・(2)
(式(1)、(2)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。)
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態のフィルムの製造方法は、インフレーション法を適用し、フィルムの原料樹脂のダイリップ出口における温度を、原料樹脂のガラス転移温度よりも高く、メルトテンション(溶融張力)が50mN以上となる温度以下の温度に設定し、円筒状の溶融樹脂を押し出す工程と、前記押し出した円筒状の溶融樹脂を、連続してフィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)を1.5倍以上、フィルム長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)を2.3倍以上として延伸する工程とを有する、ASTM D−1003に従って測定されるHaze(曇度)が2.0%以下、フィルムの厚さが5〜200μmの範囲内であるフィルムの製造方法である。
本実施形態のフィルムの製造方法において用いられる原料樹脂は、アクリル系樹脂を主成分とする。
ここで、「主成分」とは、フィルムを構成する材料中の含有量が60質量%以上であることを意味するものとし、80質量%以上であることが好ましい。
アクリル系樹脂としては、以下の(a)〜(d)からなる群から選ばれる1種又は2種以上の重合体及びこれらの混合物が適用できる。
(a)メタクリル酸単量体、アクリル酸単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸エステル単量体単独重合体又は共重合体、及びこれらの混合物。
(b)メタクリル酸単量体、アクリル酸単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸エステル単量体と、スチレン系単量体、イソプロペニル芳香族単量体の1種又は2種以上との共重合体、及びこれらの混合物。
(c)メタクリル酸単量体、アクリル酸単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸エステル単量体と、スチレン系単量体、イソプロペニル芳香族単量体、及び/又は無水マレイン酸との共重合体、及びこれらの混合物。
(d)メタクリル酸単量体、アクリル酸単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸エステル単量体と、スチレン系単量体、イソプロペニル芳香族単量体、及び/又は無水マレイン酸、及び/又はこれら以外の共重合可能な単量体との共重合体、及びこれらの混合物。
アクリル酸エステル単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。
上記メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸エステル単量体、メタクリル酸単量体、アクリル酸単量体は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのスチレン系単量体は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのイソプロペニル芳香族単量体は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、特に、フィルムを構成する材料の主成分であるアクリル系樹脂は、メタクリル酸エステル単量体及び/又はアクリル酸エステル単量体とスチレン系単量体と無水ジカルボン酸単量体単位とを、主鎖骨格構造中に有する共重合体であることが好ましい。
具体的には、単量体として、メタクリル酸メチル及び/又はアクリル酸エステル、スチレン、無水マレイン酸を有する共重合体が挙げられる。
なお、この場合、アクリル系樹脂を100質量%としたとき、メタクリル酸メチル及び/又はアクリル酸エステルを40質量%〜90質量%、スチレンを0質量%〜40質量%、無水マレイン酸を5質量%〜20質量%含む組成が好ましく、かつ無水マレイン酸の共重合割合に対するスチレンの共重合割合の比(スチレンの共重合割合/無水マレイン酸の共重合割合)が1.0〜3.0であることが好ましい。
但し、スチレン系単量体については、後述するように、最終的に目的とするフィルムの用途に応じて含有させるか否かを決定することが好ましい。
上記組成とすることにより、実用上必要とされる耐熱性が確保され、液晶表示装置に適用されて実際に使用された場合においても、熱変形や分子配向に起因する熱収縮等が防止できる。
本実施形態におけるフィルムは、用途に応じて構成材料を選択することが好ましい。
すなわち、本実施形態のフィルムを光学フィルムとして用いる場合には、樹脂の固有複屈折の絶対値を小さくする必要があるので、スチレンを含む樹脂を用いることが好ましい。
一方において、スチレンを含有すると、樹脂の耐候性は低下する傾向があるため、光学フィルムではない一般用途のフィルムとしては好ましくない場合が多い。
上述したことから、光学フィルムとする場合には、メタクリル酸メチル、スチレン、無水マレイン酸系共重合体を構成材料として選択し、光学フィルム以外の一般用途のフィルムで特に屋外で長期に使用される用途の様に優れた耐候性が求められる場合には、スチレンを含有しないようにすることが好ましい。すなわちアクリル系樹脂として、上記(a)を選択することが好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を適用して求められる。すなわち、公知のGPC装置とカラムとを用い、溶媒としてクロロホルムを用い、標準ポリスチレンを用いて分子量を換算して重量平均分子量を算出できる。
製膜安定性を確保し、得られたフィルムに配向を与え、引張強度、衝撃強度、耐折強さ等において十分な強度を与えるためには重量平均分子量が5万以上であることが好ましく、押出加工性、流動性、及び成形加工性の観点からは55万以下であることが好ましい。
重量平均分子量が6万〜50万がより好ましく、9万〜35万がさらに好ましく、11万〜30万がさらにより好ましい。
アクリル系樹脂は、高温時の寸法安定性の観点からガラス転移温度Tgの高い樹脂が好ましく、特に光学フィルム用途では、実際の使用時に外力による変形によって生じる複屈折を小さく抑制する観点から光弾性係数の絶対値の小さい樹脂、光線透過率の高い樹脂、表面硬度の高い樹脂であることが好ましい。
本実施の形態におけるフィルムの製造方法において用いられる主成分であるアクリル系樹脂のガラス転移温度Tgは、90℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上が更に好ましい。特に光学フィルムに用いられる樹脂のガラス転移温度Tgは、125℃以上がより好ましく、130℃以上がさらにより好ましく、135℃以上が特に好ましい。
特に光学フィルムにおいては、主成分であるアクリル系樹脂のガラス転移温度が120℃以上であると、この光学フィルムを貼った偏光板が実際の液晶表示装置に組み込まれて使用された場合、実用環境で想定される80℃〜90℃の環境にさらされても、フィルムの収縮、変形、反りを効果的に防止でき、光学的な斑や、偏光板に変形応力の発生を回避できる。
特に光学フィルムにおいては、本実施の形態におけるフィルムの製造方法で用いられる主成分であるアクリル系樹脂の光弾性係数の絶対値は、目的とする光学フィルムの光弾性係数の絶対値に大きく影響する。
よって、アクリル系樹脂の光弾性係数は、5.0×10-12/Pa以下が好ましく、4.0×10-12/Pa以下がより好ましく、3.0×10-12/Pa以下がさらに好ましい。
光弾性係数の絶対値の小さい重合体を得るためには、光弾性係数が正の単量体と、光弾性係数が負の単量体とから構成される共重合体を得ることが好ましい。
光弾性係数が正の単量体の具体例としては、スチレン系単量体が挙げられ、代表例はスチレンである。
また、光弾性係数が負の単量体の具体例としては、メタクリル酸単量体、アクリル酸単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸エステル単量体、及びイソプロペニル芳香族単量体が挙げられ、代表例としてはメタクリル酸メチルである。
共重合体中の単量体組成を調整することにより、得られた共重合体の光弾性係数の絶対値を小さくできる。
なお、光弾性係数とは、外力による複屈折の変化の生じやすさを表す係数であり、下記式により定義される。
光弾性係数:CR(/Pa)=Δn/σR
σRは伸長応力(Pa)、Δnは応力付加時の複屈折であり、Δnは下式により定義される。
Δn=n1−n2
n1は伸長方向と平行な方向の屈折率、n2は伸長方向と垂直な方向の屈折率である。
光弾性係数の絶対値が小さく0に近いほど、外力による複屈折の変化が小さいことを示し、目的とする光学フィルムにおいて好ましい特性となる。
光弾性係数は、Macromolecules 2004,37,1062-1066に詳細に記載される複屈折測定装置を用いて測定できる。
具体的には、レーザー光の経路にフィルムの引張り装置を配置し、試験片に伸張応力をかけながら、その複屈折を測定する。このようにして測定された値について、複屈折(Δn)をy軸、伸張応力(σR)をx軸としてプロットし、その関係から最小二乗近似により初期線形領域の直線の傾きから光弾性係数(CR)を算出できる。
特に光学フィルムにおいては、アクリル系樹脂の光線透過率については、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。光線透過率が低いと、その光学フィルムを用いた液晶表示装置の輝度が低下するためである。
光線透過率は、ASTM D−1003に準拠して測定できる。
本実施形態におけるフィルムの製造方法においては、主成分であるアクリル系樹脂に対し、光学特性、表面硬度を損なわない範囲で、柔軟性を付与可能な樹脂、ゴム弾性を有する樹脂等の、いわゆる軟質樹脂を添加して、耐衝撃性、耐折強さを向上させることが好ましい。
このような軟質樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル系ゴム状重合体、スチレン系熱可塑性エラストマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらの中で、ブチルアクリレートを主成分としたアクリル酸エステル系重合体や、ブタジエンを主成分とするゴム状重合体等のゴム弾性を有する軟質樹脂が好ましい。
これらの軟質樹脂をアクリル系樹脂へ添加する方法は、軟質樹脂がアクリル系樹脂マトリックス中において所定の粒子径で分散するように溶融混合条件を調整して分散させる方法と、軟質樹脂からなる所定の粒子径のゴム状弾性体粒子を予め作り、それをアクリル系樹脂マトリックス中へ分散させる方法とがあるが、目的とする耐衝撃性、耐折強さ、表面硬度及び光学特性を満足する物性が得られれば、どちらの添加方法を用いてもよい。
軟質樹脂の平均粒子径は、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.5μm以下がさらに好ましく、0.05μm〜0.3μmがさらにより好ましい。平均粒子径が2.0μmより大きくなると、光学フィルムのHazeが高くなる。
軟質樹脂の平均粒子径は、軟質樹脂が分散した状態のフィルムサンプルを透過型電子顕微鏡で観察し、各々の軟質樹脂の粒子径を測定し、これらの平均値を算出することにより求められる。
また、他の方法としては、軟質樹脂からなるゴム状弾性粒子をマトリックス樹脂へ分散させる前の状態で、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所社製 LA−910(商品名))を用いて測定し、小粒径のものから累計の頻度が50%となる粒子径を平均粒子径として選定する方法が挙げられる。
軟質樹脂よりなる粒子の添加量については、アクリル系樹脂100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、8質量部以下が更により好ましく、5質量部以下が特に好ましい。
また、軟質樹脂よりなる粒子の屈折率については、マトリックスとなるアクリル系樹脂との屈折率の差が、0.05以下であることが好ましく、0.045以下であることがより好ましく、0.04以下であることがさらに好ましい。
これにより、得られるフィルムのHaze(曇度)の低減化が図られ、良好な透明性が得られる。
特に、建材等の屋外で用いられる一般フィルムや、液晶パネルを保護する光学フィルムとして利用する場合には、紫外線吸収剤を含有させて耐候性を付与することが好ましい。紫外線吸収剤の融点は、110℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、130℃以上であれば、フィルム加工時の揮発が抑制でき、ロール汚れ等が防止できる。
紫外線吸収剤は、特に限定されないが、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤で分子量が400以上のもの、トリアジン系紫外線吸収剤で分子量が400以上のものが好ましい。
本実施形態においては、インフレーション法を適用する。
(延伸方法について)
使用樹脂のガラス転移温度Tg〜Tg+40℃で延伸される冷間延伸法と、融点以上または、融点のない樹脂ではTg+40℃より高い温度で延伸を開始する溶融延伸法とを比較すると、後者の溶融延伸法の方が、得られるフィルムに分子配向を生じ難く、結果としてフィルムの強度は冷間延伸法に比べて低くなるが、実用上必要な強度が得られ、かつ厚さ方向の複屈折が小さく抑えられる傾向がある。
(配向について)
また、溶融延伸法でもT−ダイ法と円筒ダイ法とがあるが、T−ダイ法に比べて円筒ダイ法は、フィルム幅方向(TD方向)にもフィルムの長手方向(MD方向)にも同時に適度に配向を掛けることができ、それにより、MD方向とTD方向の分子の配向度のバランスをとってフィルム強度を適切に制御できる傾向にある。
上述した傾向を受けて、本実施形態においては、溶融延伸法であり、かつ円筒ダイ法であるインフレーション法を適用する。
具体的には、単軸又は二軸押出機に、上述したアクリル系樹脂を主成分とする原料樹脂を供給して溶融混合し、そのまま円筒ダイよりチューブ状に溶融樹脂を押出し、これに対し、封入した空気の力でバブル状に膨らませ、空冷又は水冷を施し、ピンチロールで挟み込んでフラットにして引き取る。
インフレーション法は、設備費が比較的安価で操作が容易であること、適用樹脂の範囲が広いこと、中規模の生産や、多品種を取り扱う場合に好適であること、成形条件をコントロールすることにより、長手方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の配向バランスの取れたフィルムが得られること、Tダイ法に比較して、いわゆる耳ロスが少ないこと、チューブ状で得られるので包装用の袋としてはシームレスの袋を容易に作製でき便利であること、又、一端を切り開いて広幅のフィルムも容易に得られ、更には両端を切って2枚のフィルムにすることもでき、空気の吹き込み量を調整することによってフィルム幅を広範囲にできること等の利点を有している。
(a)原料樹脂である溶融樹脂のダイリップ出口における温度を、その樹脂のガラス転移温度Tgより高く、メルトテンション(溶融樹脂を一定速度で延伸した時の応力を測定することにより求められる値)が50mN以上となる温度以下の温度に調整し、押し出すことが必要である。
(b)押し出した溶融樹脂を連続してフィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)が1.5倍以上、かつフィルムの長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)が2.3倍以上になるように、ダイリップのクリアランス、樹脂の押出量、注入する空気量、及びピンチロールによるフィルムの巻き取り速度を調整することが必要である。
なお、フィルムの長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)、フィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)は、それぞれ下記式により求められる。
DDR=(バブルを形成し冷却後のフィルムをピンチロールで巻き取る速度)/(押出量とダイリップ開口部面積から計算で求めたダイ出口で溶融樹脂の流れ出るMD方向の速度)。
BUR=(最終的に得られたチューブ状フィルムを切り開きフラット状にした時のフィルムの全幅)/(外側ダイリップ周長と内側ダイリップ周長との平均値)。
これらの条件により、面配向度ΔPの絶対値が0.7×10-5以上になるように延伸することが好ましい。
面配向度(ΔP)の絶対値は、下記式(3)により表される。
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
なお、前記式(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。
X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とは前記フィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。
メルトテンションが50mN未満になる温度以上で押し出すと、延伸時の分子配向が掛かり難く、目的とするフィルム強度が得られ難い傾向にある。
また、フィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)が1.5倍未満ではフィルムのTD方向の耐折強さ、耐衝撃性が不足する傾向にあり、フィルムの長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)が2.3倍未満ではフィルムのMD方向の耐折強さ、耐衝撃性が不足する傾向にある。また、面配向度ΔPの絶対値が0.7×10-5未満では耐折強度、耐衝撃性が不足する傾向にある。
一方において、溶融延伸法では、逆に分子配向が掛かり難い分、延伸倍率を上げても分子配向度が十分に高まらない。よって一般的には、高い強度が得られず脆く弱いフィルムとなるが、本実施の形態における製造方法では、上記(a)のように、樹脂温度を通常の溶融延伸時の温度より低く保持しながら、上記(b)のように、MD方向、TD方向の延伸倍率を最適化したことにより、実用上十分な強度が得られるように分子配向され、厚さ方向の複屈折も最小限に抑制され、最適な面配向度ΔPのフィルムが得られる。すなわち、実用上十分な強度と厚さ方向のレターデーションRthの低減化の双方の特性を満足するフィルムが得られる。
なお、厚さ方向のレターデーション(Rth)は、下記式(2)により表される。
Rth=〔(Nx+Ny)/2−Nz〕×d ・・・(2)
前記式(2)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。
また、一般用フィルムにおいても光学フィルムにおいても、フィルムの長手方向の延伸倍率(DDR)と幅方向の延伸倍率(BUR)との比、すなわちDDR/BURの値を1.5〜12の範囲内にして、面内複屈折(Nx−Ny)が30×10-5以下になるように制御することが、TD方向とMD方向の光学物性のバランスを取る上でも、耐折強さ、耐衝撃性などの機械的強度のバランスを取る上でも好ましい。DDR/BURの値が上記の範囲を外れると、フィルムは一軸延伸フィルムに近づき、面内複屈折(Nx−Ny)が増加し、且つ配向度の高い延伸方向に対して垂直方向に割れ易くなる傾向がある。
なお、面内複屈折(Nx−Ny)の、Nx、Nyは、それぞれ、フィルムにおけるX軸、Y軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向である。
(c)原料樹脂である溶融樹脂のダイリップ出口における温度を、その樹脂のガラス転移温度Tg+40℃より高くし、メルトテンションが100mN以上となる温度以下の温度にして押し出す。
(d)押し出した溶融樹脂を連続してフィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)が2.0倍以上、フィルムの長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)が4倍以上になるように、ダイリップのクリアランス、樹脂の押出量、注入する空気量、及びピンチロールによるフィルムの巻き取り速度を調整する。これにより、面配向度(ΔP)の絶対値が、一般用フィルムにおいては7.0×10-5以上、光学フィルムにおいては1.0×10-5〜50×10-5の範囲内になるように最適化する。
また、フィルムの長手方向の延伸倍率(DDR)と幅方向の延伸倍率(BUR)との比、すなわちDDR/BURの値を2.0〜10の範囲内にして、面内複屈折(Nx−Ny)が20×10-5以下になるように制御することがより好ましい。
(e)原料樹脂である溶融樹脂のダイリップ出口における温度を、その樹脂のガラス転移温度Tg+40℃より高くし、メルトテンションが200mN以上となる温度以下の温度にして押し出す。
(f)押し出した溶融樹脂を連続してフィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)を2.5倍以上、フィルムの長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)が7倍以上になるように、ダイリップのクリアランス、樹脂の押出量、注入する空気量、及びピンチロールによるフィルムの巻き取り速度を調整する。これにより、面配向度(ΔP)の絶対値が、一般用フィルムにおいては10.0×10-5以上、光学フィルムにおいては2.5×10-5〜30×10-5の範囲内になるように最適化する。
また、フィルムの長手方向の延伸倍率(DDR)と幅方向の延伸倍率(BUR)との比、すなわちDDR/BURの値を2.2〜8.0の範囲内にして、面内複屈折(Nx−Ny)が10×10-5以下になるように制御することが更により好ましい。
また、押し出した際のダイリップ出口における溶融樹脂の温度が、その樹脂のガラス転移温度Tg以下になると、樹脂押し出し時のダイ内での樹脂の圧力が高くなりすぎて、良好な押出成形が困難となる。
また、押し出した際のダイリップ出口における溶融樹脂の温度条件が同一であれば、TD方向の延伸倍率(BUR)、MD方向の延伸倍率(DDR)を大きくすれば、それに従って面配向度(ΔP)の絶対値は大きくなる傾向にある。
さらに、フィルムのMD方向の延伸倍率(DDR)とTD方向の延伸倍率(BUR)とのバランスは、面内複屈折(Nx−Ny)に影響し、DDR/BURの比の値が2〜6付近よりも大きくなると、フィルム面内においてMD方向の分子の配向がTD方向の分子の配向より大きくなる。またDDR/BURの比の値が2〜6付近より小さくなると、フィルム面内においてTD方向の分子の配向がMD方向の分子の配向より大きくなる。このどちらの場合にも、分子配向の異方性が大きくなり、面内でのレターデーション(Re)が大きくなり、また耐折強度、耐衝撃性などの機械的強度の異方性が大きくなる傾向にある。
よって、DDR/BURは、1.5〜12の範囲内に制御することが好ましく、2.0〜10の範囲内とすることがより好ましく、2.2〜8.0の範囲内とすることがさらに好ましい。
なお、面内でのレターデーション(Re)は、下記式(1)により表される。
Re=(Nx−Ny)×d ・・・(1)
前記式(1)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。
(a)非接着性の樹脂層による断熱効果と、膜強度向上の効果でインフレーション時の製膜安定性を向上できる点。
(b)製膜時に空気中のチリ、浮遊物、ゴミ、添加剤等の気化物、その他の異物がフィルムに付着するのを防ぐ効果がある点。
(c)製膜後の取り扱い時のフィルム表面の傷つき防止、およびゴミなどの異物の付着防止の効果などの点。
そして、アクリル系樹脂の片側のみに非接着性樹脂を用いて共押出しする方法も、上記(a)〜(c)の効果は得られるが、アクリル系樹脂の両側を非接着性樹脂で挟み込んで共押出しする方法の方がより効果的である。
よって、非接着性の樹脂を選択する場合には、極性の異なる溶解度パラメータの値の差の大きな樹脂を選択することが好ましい。
また、共押出し時には接触する2種の樹脂同士の温度、粘度が大きく異なると、接触する樹脂の界面で層間の乱れを起して、透明性の良好なフィルムが得られなくなる傾向がある。
よって、フィルムの主成分であるアクリル系樹脂に対して非接着性の樹脂を選択する際には、ダイ内でのアクリル系樹脂の温度に近い温度で粘度の近い樹脂を選択することが好ましい。
上述した条件を満たせば、多種多様な熱可塑性樹脂が使用可能であるが、好ましくはポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、フッ素含有樹脂等があり、より好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくはポリプロピレン系樹脂である。
(面配向度(ΔP))
本実施形態においては、下記式(3)で表されるフィルムの面配向度(ΔP)の絶対値が0.7×10-5以上であることが好ましく、7.0×10-5以上であることがより好ましく、10.0×10-5以上であることがさらに好ましく、15.0×10-5以上であることがさらにより好ましい。
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
なお、前記式(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。
X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とは前記フィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。
特に、光学フィルムとして利用する場合には、フィルムの面配向度(ΔP)の絶対値は0.7×10-5以上100×10-5以下の範囲内であることが好ましく、1.0×10-5以上50×10-5以下の範囲内であることがより好ましく、2.5×10-5以上30×10-5以下の範囲内であることがさらに好ましい。
光学用途において、フィルムの面配向度(ΔP)の絶対値が100×10-5より大きくなると、フィルムの厚さ方向のレターデーション(Rth)の絶対値が大きくなる傾向にあり、斜め方向からの入射光に対して大きな位相差を生じ、液晶表示等の視野角特性に悪影響を及ぼす傾向がある。
本実施形態の製造方法により得られるフィルムは、ASTM D−1003で測定したHaze(%)が、2.0%以下である。
フィルムのHazeは、1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましく、0.8%以下であることが更により好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。
フィルムのHazeが2.0%を超えると、建材においては透明性が劣り外観が低下し、加飾フィルムにおいては、下地の加飾印刷の外観を損ねる。また、液晶表示装置の画像形成面に使用された場合、輝度が低くなり、光学特性が低下する。
Hazeを低く抑えるためには、材料樹脂として透明性の高い樹脂を選択する。さらにはフィルム表面をより平滑化し、表面における光の散乱を低減化し、耐衝撃性、耐折強さを向上させるために加える軟質樹脂、弾性体粒子の添加量を極力抑制する。また、添加する樹脂、弾性体粒子の屈折率をマトリックスであるアクリル系樹脂の屈折率と極力近い値のものを選択する。
本実施形態の製造方法により得られるフィルムは、表面硬度について、鉛筆硬度試験で「HB」以上の硬度を示すことが好ましく、「F」以上の硬度がより好ましく、「H」以上の硬度がさらに好ましく、「2H」以上の硬度が特に好ましい。
フィルムの表面硬度が低いと、フィルムを取り扱う時およびフィルムが実際に使用される場合において、人のつめ、その他外部物質の接触で表面に傷がつき易くなる。
本実施形態の製造方法により得られるフィルムは、JIS P−8115に従って測定した耐折強さが、フィルム長手方向(MD方向)、フィルム幅方向(TD方向)のいずれも1回以上であることが好ましい。
耐折強さは、フィルム長手方向(MD方向)、フィルム幅方向(TD方向)がいずれも5回以上であることがより好ましく、10回以上であることが更により好ましく、20回以上であることが特に好ましい。
フィルム長手方向(MD方向)又はフィルム幅方向(TD方向)のいずれかの耐折強さが1回未満であると、その方向へ1回曲げただけで割れてしまうため、例えば偏光子に貼り付ける際の取り扱い性が極めて悪いものとなる。
耐折強さを高めるためには、溶融樹脂温度、TD方向の延伸倍率、MD方向の延伸倍率を最適化し、フィルムの面配向度(ΔP)の絶対値を大きくすること、及び軟質樹脂、又は軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を配合することが挙げられる。フィルムの面配向度(ΔP)の絶対値を大きくする方法については後述する。
軟質樹脂、又は軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を添加する場合には、光学フィルムの透明性の悪化を防止するために、添加成分とアクリル系樹脂の屈折率をより近い値にし、かつ小粒径として分散させる等の方法を適用する。
本実施の形態の製造方法で得られるフィルムは、下記式(1)で表される面内方向のレターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましい。
Re=(Nx−Ny)×d ・・・(1)
前記式(1)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。
面内方向のレターデーション(Re)が20nmより大きくなると、フィルム面に垂直に入射する光に対する位相差が大きくなり、良好な光学特性が得られ難くなる傾向であり、また、フィルムの幅方向(TD方向)と長手方向(MD方向)との物性の差が大きくなり、配向度の低い方向に強度の弱いフィルムになる傾向がある。
面内方向のレターデーション(Re)を20nm以下にするためには、フィルムの面内複屈折(Nx−Ny)を30×10-5以下にすることが好ましい。
このためには、フィルムを製膜する際の、フィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)と、長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)とを調整し、各方向の分子の配向度を最適化させればよい。具体的には、光学フィルムの長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)と光学フィルムの幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)との比、すなわち(DDR)/(BUR)の値を1.5〜12の範囲内に保つことが有効である。より好ましくは(DDR)/(BUR)の値を2.0〜10の範囲内に保持し、さらに好ましくは(DDR)/(BUR)の値を2.2〜8.0の範囲内に保持する。
本実施の形態の製造方法で得られる光学フィルムは、下記式(2)で表される厚さ方向のレターデーション(Rth)が−30nm〜+30nmであることが好ましい。
Rth=〔(Nx+Ny)/2−Nz〕×d ・・・(2)
前記式(2)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。
厚さ方向のレターデーション(Rth)が30nmより大きくなると、フィルムの斜め方向からの入射光に対して位相差が大きくなり、液晶表示の視野角特性に悪影響を及ぼす傾向にある。
面配向度ΔPは、上記のように、式(3)により表される。
Rth=〔(Nx+Ny)/2−Nz〕×d・・・(2)
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
前記式(2)、(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。
式(2)、(3)から明らかなように、厚さ方向のレターデーション(Rth)の絶対値を小さくするためには、面配向度ΔPの絶対値を小さくするか、厚さdを小さくすることが必要である。
厚さdを一定とした場合にはΔPの絶対値を小さくする。
しかしながら、面配向度ΔPを小さくすると、フィルムの機械的強度、折り曲げに対する強度(耐折強さ)が低下する。そこで、厚さdを考慮しながらΔPの絶対値を最適化する。本実施の形態の製造法で得られるフィルムの面配向度ΔPの絶対値は、特に光学フィルム用途においては、0.7×10-5〜100×10-5の範囲内に保持することが好ましく、1.0×10-5〜50×10-5の範囲内に保持することがより好ましく、2.5×10-5〜30×10-5の範囲内に保持することがさらに好ましい。
逆に、アクリル系樹脂の分子量を低分子量化すること、樹脂温度を上げること、及びフィルム幅方向及び長手方向の延伸倍率を低くすることは、特に光学フィルムにおいては面配向度ΔPの絶対値を小さくする観点、厚さ方向のレターデーション(Rth)の絶対値を小さくする観点からは好ましいく、他方において耐折強さ、耐衝撃性を低下させるという不利益を生じる。
また、一般的に、ガラス転移温度Tg以上Tg+40℃以下の温度で延伸を行うテンター法等の冷間延伸法においては、分子配向度が大きくなり、ΔPの絶対値が大きくなり過ぎるため、耐折強さ、耐衝撃性は満足できるがRthの絶対値を小さくすることが困難となる。一方において、溶融延伸法では、ΔPの絶対値が小さくなり過ぎ、Rthの絶対値は小さくできるが、弱くて脆いフィルムしか得られないという不都合がある。
本実施の形態の製造方法においては、フィルムの膜厚は、5μm〜200μmの範囲内とする。
膜厚が5μm未満であると、実用上十分な強度が確保できず、取り扱い時に容易に破断してしまうおそれがある。
一方、膜厚が200μmを超えると、インフレーション法では円筒状のフィルムを平板状に折り畳む際のシワの発生防止が難しくなり、また、周方向に良好な厚み精度を有するフィルムが得られ難くなる傾向にある。また、特に光学フィルムにおいては上述したレターデーション(Re、Rth)と、耐折強さと、Hazeの全てにおいて、良好なバランスを図ることが困難になる。
具体的な用途を考慮した膜厚としては、一般用途では10〜150μmが好ましい。また特に光学フィルム用途では、偏光子保護フィルムにおいては、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜80μmがより好ましく、10μm〜60μmがさらに好ましく、20μm〜60μmがさらにより好ましい。視野角拡大フィルム及びアンチグレア(防眩)フィルム用支持体においては、10μm〜120μmがより好ましく、20μm〜100μmがさらに好ましく、40μm〜100μmが更により好ましい。反射防止フィルム用支持体においては、20μm〜180μmがより好ましく、50μm〜160μmがさらに好ましく、80μm〜160μmがさらにより好ましい。
本実施形態の製造方法により得られるフィルムは、上述したアクリル系樹脂やその他の構成樹脂が混合した単層フィルム構成としてもよいが、その他、所定の基材や機能層に積層した多層構成として用いてもよい。
例えば、ガラス、ポリオレフィン樹脂、ガスバリア性の優れるエチレンビニルアルコール共重合体樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等の基材を用いて、接着剤を介して積層するか、あるいは接着性樹脂を用いての多層共押出成形等により積層構成として実用に供することができる。
本実施形態のアクリル系樹脂を主成分とするフィルムの製造方法により作製されるフィルムは、建材、加飾フィルム、貼合積層フィルム、農業フィルム、インテリア等の一般フィルムとして利用できる。また、優れた耐候性と透明性、生産性に基づく経済性とから、最近の地球温暖化対策として注目されている太陽光発電装置の採光部材として利用できる。
また、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイデバイス等、光学用フィルムとしても利用できる。
さらに、建材用フィルム、偏光子保護フィルムのように、フィルム単独で使用する場合の他、視野角拡大フィルム等、所定の機能膜を積層コーティングされて用いられるフィルムの支持体となるフィルムとしても利用できる。
光学フィルム用途では、具体的には液晶ディスプレイに用いられる偏光フィルムの保護用の偏光子保護フィルム、偏光板に貼って用いられる視野角拡大フィルムの支持体であって、所定の液晶等をコーティングして用いられるフィルムや、眩しさを抑制し見やすいディスプレイ画面を実現するために偏光板の最表面に貼って用いられるアンチグレア(防眩)フィルムの支持体であり所定のアンチグレア層をコーティングして用いられるフィルム、反射防止フィルムの支持体であって所定の低反射層等をコーティングして用いられるフィルム等としても利用できる。
なお、光学フィルムとして使用する場合、例えば、偏光子保護フィルムとして利用する場合には、所定の偏光子と接する面に、接着性を向上させる易接着処理を施してもよい。易接着処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、低圧UV処理、ケン化処理等の各種表面処理や、アンカー層を形成する所定の処理が挙げられる。特にコロナ処理、アンカー層の形成処理が好ましい。また、本実施の形態における光学フィルムは、例えば所定の偏光子の両面に貼ってもよく、一面のみに貼り、他の一面には、他の保護フィルム、例えばセルロース系樹脂フィルムを貼り合わせて、透湿度、耐久性、強度等の各種物性を適宜制御できる。
先ず、下記実施例及び比較例において適用する物性測定法及び評価方法を示す。
日本ウォーターズ(株)製のGPC「alliance 2695(商品名)」を用い、カラムとして昭和電工(株)製「Shodex GPC LF−804(商品名)」を用い、溶媒としてクロロホルムを用いて、カラム温度40℃とし、標準ポリスチレンを用いて分子量を換算して重量平均分子量を求めた。
JIS−K7121に準拠して、樹脂のガラス転移温度Tgを測定した。
先ず、標準状態(23℃、65%RH)で状態調節(23℃で1週間放置)した試料から試験片として4点(4箇所)、それぞれ約10mgを切り出した。
次に、パーキンエルマー(Perkin−Elmer)社製の示差走査熱量計(熱流速型DSC):DSC−7型(商品名)を用いて、窒素ガス流量25mL/分、10℃/分で室温(23℃)から200℃まで昇温し(1次昇温)、200℃で10分間保持して完全に融解させた後、30℃/分で−100℃まで降温させて、−100℃で2分間保持し、更に上記昇温条件で2回目の昇温(2次昇温)する間に描かれるDSC曲線のうち、2次昇温時の階段状変化部分曲線と各ベースライン延長線から縦軸方向に等距離にある直線との交点(中間点ガラス転移温度)をTg(単位℃)として測定した。
1試料当り4点の算術平均(小数点以下四捨五入)を算出し、これを測定値とした。
MFRは、ASTM D−1238に従い、230℃、3.8kg荷重で測定した。
ダイ出口における樹脂温度は、フィルムを一定条件で連続して製膜している際、溶融樹脂がダイから出る直前に接触するダイリップ部分の温度を、予めその付近に埋め込んでおいた温度検出端により測定した。
メルトテンションとは、溶融樹脂を、一定速度で延伸した時の応力を測定することにより求められる値である。
メルトテンションは、東洋精機製メルトテンション測定器「キャピログラフ 1C」(商品名)を用い、樹脂温度190℃〜250℃の範囲で、ノズル径2.095mm、ノズル長さ8mm、押出速度10mm/分とし、巻取速度を15m/分の条件として測定した。
樹脂温度は、製膜時にダイ出口付近での溶融樹脂の温度を想定して、後述のアクリル系樹脂AR1では210〜250℃の範囲で5℃ごとに、アクリル系樹脂AR2では190〜235℃の範囲で5℃ごとに設定してメルトテンションの測定を行い、そのデータから近似式を求めて上記温度範囲の任意の温度でのメルトテンションを算出した。
なお、アクリル系樹脂AR1においては、215℃でのメルトテンションが500mNとなり、210℃以下では測定範囲以上に大きな値になったので、その場合、>500mNと表記した(下記表2参照)。
フィルムの厚さは、JIS−K−7130に従い、マイクロメータを用いて測定した。
王子計測機器(株)製の自動複屈折計「KOBRA−21ADH」(商品名)を使用して、面配向度ΔPを測定した。
先ず、標準状態(23℃、65%RH)で状態調節(23℃、1週間放置)したフィルムから試験片として225mm×250mm角、厚さ40μmの四角形状フィルムを1種当り30枚切り出した。
その後、ASTM D−1709−91(A法)に準拠して、東洋精機製のダート衝撃試験装置を用いて、50%破壊エネルギー(Dart強度:単位mJ)を標準状態下で測定した(有効数字2桁)。
<耐衝撃性の評価尺度>
評価記号 尺度
AA :落錘衝撃強度が160mJより高く、耐衝撃性の最も優れたフィルム。
A :落錘衝撃強度が140mJより高く160mJ以下で、耐衝撃性の優れた フィルム。
B :落錘衝撃強度が120mJより高く140mJ以下で、中程度の耐衝撃性 を有するフィルム。
C :落錘衝撃強度が100mJより高く120mJ以下で、一般用途で実用上 必要最小限の耐衝撃性を有するフィルム。
D :落錘衝撃強度が40mJより高く100mJ以下で、限定された用途での み使用可能な最低限の耐衝撃性を有するフィルム。
× :落錘衝撃強度が40mJ以下で、耐衝撃性が不足して実用に耐えない弱い フィルム。
フィルムの表面硬度は、JIS K−5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))に準拠して測定した。
<フィルムの表面硬度の評価尺度>
評価記号 尺度
AA :鉛筆硬度で2H以上であり、表面硬度が最高に優れるフィルム。
A :鉛筆硬度でHであり、表面硬度がかなり優れるフィルム。
B :鉛筆硬度でFであり、ある程度の表面硬度を有するフィルム。
C :鉛筆硬度でHBであり、一般的用途で実用上必要最低限の表面硬度を有す るフィルム。
D :鉛筆硬度でB〜3Bの範囲内で、限定された用途でのみ使用可能な最低限 の表面硬度を有するフィルム。
× :鉛筆硬度で4Bかそれより柔らかく、実用上必要となる表面硬度を有しな いフィルム。
標準状態(23℃、65%RH)の条件で状態調節(23℃で1週間放置)を行ったフィルムから、試験片として50mm角の正方形状で、厚さ40μmのフィルムを切り出した。
この試験片を用いて、ASTM−D1003に準拠して、日本電色工業製の濁度計(ヘーズメーター)、NDH−1001DP型を用いて、曇度(Haze:単位%)を標準状態下で測定し、1種フィルム当り6点の算術平均値(有効数字2桁)を算出し、これを測定値とした。
透明性は、フィルムのHazeの値を用いて下記のように評価した。
<評価尺度>
評価記号 尺度
AA :Hazeの値が0.5%以下で最高に透明性の良いフィルム。
A :Hazeの値が0.5%より高く0.8%以下で、かなり透明性の良いフィ ルム。
B :Hazeの値が0.8%より高く1.0%以下で、比較的透明性の良いフィ ルム。
C :Hazeの値が1.0%より高く1.5%以下で、実用に耐える透明性を有 するフィルム。
D :Hazeの値が1.5%より高く2.0%以下で、実用に耐える最低限の透 明性を有するフィルム。
× :Hazeの値が2.0%より高く、透明性の必要な用途で用いるフィルムと しての実用に耐えるだけの透明性を有していないフィルム。
破断時引張強度、破断時引張伸度はASTM−D882に準拠して測定した。
フィルムの耐衝撃性と表面硬度と透明性の評価結果を基に、以下の尺度で総合評価を行った。
<総合評価の評価尺度>
評価記号 尺度
AA :耐衝撃性、表面硬度、透明性の3つの評価の内2つ以上がAAであり、最も優
れたレベルでバランスが取れた最良のフィルム。
A :耐衝撃性、表面硬度、透明性の3つの評価の内の少なくとも1つがAの評価で
それ以外が全てA以上で、優れたレベルでバランスが取れたAAに次いで良い
フィルム。
B :耐衝撃性、表面硬度、透明性の3つの評価の内の少なくとも1つがBの評価で
それ以外が全てB以上で、比較的優れたレベルでバランスが取れた良いフィル
ム。
C :耐衝撃性、表面硬度、透明性の3つの評価の内の少なくとも1つがCの評価で
それ以外が全てC以上で、実用可能な最低レベルであるフィルム。
D :耐衝撃性、表面硬度、透明性の3つの評価の内の少なくとも1つがDの評価で
それ以外が全てD以上で、限定された用途でのみ実用可能な最低レベルである
フィルム。
× :耐衝撃性、表面硬度、透明性の3つの評価の少なくとも1つが、×の評価で実
用可能なレベルに達しておらず、総合的に実用に耐えないフィルム。
なお、アクリル系樹脂AR1、AR2は、下記の方法により調製し、フィルムの製膜に用いた。
軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂は、旭化成ケミカルズ株式会社製、デルペットSR8500(商品名)を用いた。この樹脂はメタクリル酸メチル・アクリル酸ブチル・スチレン共重合体とメタクリル酸メチル・アクリル酸メチル共重合体との混合物からなる樹脂で、前者が軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を形成し、その平均粒子径は電子顕微鏡で観察した結果から0.1μmであり、含有量は40〜50質量%であり、後者のアクリル系樹脂(含有量60〜50質量%)からなるマトリックス中に粒子状で分散して存在している樹脂である。
ポリプロピレンは、株式会社プライムポリマー製 プライムポリプロ F704NP(商品名)を用いた。
(アクリル系樹脂AR1)
公知の方法(例えば、特公昭63−1964号公報に記載の方法)で、単量体としてメタクリル酸メチル、スチレン、無水マレイン酸を用いて、メタクリル酸メチル・スチレン・無水マレイン酸共重合体を作製した。
共重合体の組成、重量平均分子量、MFR(メルト・フローレート)を、下記表1に示す。すなわち、メタクリル酸メチル74質量%、スチレン16質量%、無水マレイン酸10質量%、標準ポリスチレン換算重量平均分子量は11.3万、MFR(ASTM D−1238、230℃、3.8kg荷重)は1.6g/10分である。
(アクリル系樹脂AR2)
公知の方法(例えば、特許第3779777号公報に記載の溶液重合法)により、単量体としてメタクリル酸メチル、アクリル酸メチルを用いて、メタクリル酸メチル・アクリル酸メチル共重合体を作製した。
共重合体の組成、重量平均分子量、MFR(メルト・フローレート)を、下記表1に示す。すなわち、メタクリル酸メチル98質量%、アクリル酸メチル2質量%、GPCで測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9.0万、MFR(ASTM D−1238、230℃、3.8kg荷重)は8.0g/10分である。
アクリル系樹脂AR1のペレットに対して、予め十分に乾燥処理を施した。
ダイとして、リップクリアランスが2.5mmの3種3層の円筒ダイを用いた。
3層のフィルム構成として、最外層及び最内層に、それぞれ上記ポリプロピレン、プライムポリプロ F704NP(商品名)のペレットを用いて単軸押出機で溶融押出しを行った。
中間層には、上記アクリル系樹脂AR1のペレットを用いて単軸押出機で溶融押出しした。すなわち、アクリル系樹脂層AR1が中間層で、外側2層のポリプロピレン層に挟まれた2種3層の構造のフィルムをチューブ状にして共押出した。
製膜条件を下記表2に示す。
ダイ出口における溶融したアクリル系樹脂の温度が、下記表2に示す温度になるように押出機温度及びダイ温度を設定した。
フィルムの円筒内部に空気を入れて、外からはエアーリングを用いて冷却した。
MD方向の延伸倍率(DDR)、TD方向の延伸倍率(BUR)、及びフィルムの厚さが下記表2に示す値となるように、樹脂の押出し速度、フィルムの引き取り速度、樹脂を膨らませるために入れる空気の量、冷却する冷風の温度を制御した。
上述のようにして得られたチューブ状の2種3層のフィルムを、ピンチロールで平面状に2枚重ねにして、それを巻取機でロール状に巻き取った。
その後、2枚重ねのフィルムの両端をスリットした後に、2枚重ねのフィルムを1枚ずつ別々にして巻き取った。
上述したようにして得られた1枚の2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥がし、目的とするアクリル系樹脂フィルム1枚を得た。
下記表2に、上記工程により得られたアクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の、それぞれの測定結果及び総合評価を示した。
アクリル系樹脂AR1のペレットに、軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂としてデルペットSR8500(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名)のペレットをドライブレンドしたものを用いて、単軸押出機で中間層の溶融押出しを行った。
その他は、前記実施例1〜4と同様に、ダイ、押出機を用いて、下記表2に示す製膜条件に従って2種3層の構造のフィルムを作製した。
得られた2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
下記表2に、アクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の、それぞれの測定結果及び総合評価を示した。
温度条件は実施例3と同様とし、アクリル系樹脂AR1のペレットを用いて、単軸押出機で中間層の溶融押出しを行った。
樹脂の押出し速度、フィルムの引き取り速度、樹脂を膨らませるために入れる空気の量、冷却する冷風の温度を制御して、MD方向の延伸倍率(DDR)を3.1倍、TD方向の延伸倍率(BUR)を1.6倍に変更した。
その他の条件は、実施例1〜4と同様の方法により、アクリル系樹脂層が中間層で、外側の2層のポリプロピレン層に挟まれた2種3層の構造のフィルムをチューブ状にして共押出し、2種3層構造のフィルムを作製した。
得られた2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
下記表2に、アクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の、それぞれの測定結果及び総合評価を示した。
アクリル系樹脂AR2のペレットを用いて、単軸押出機で中間層の溶融押出しを行い、ダイ出口での樹脂温度が190℃とした。製膜条件は下記表2に示す。
その他の条件は、実施例1〜4と同様にして、アクリル系樹脂層が中間層で、外側の2層のポリプロピレン層に挟まれた2種3層の構造のフィルムをチューブ状にして共押出し、2種3層構造のフィルムを作製した。
得られた2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
下記表2に、アクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の、それぞれの測定結果及び総合評価を示した。
アクリル系樹脂AR1のペレットを用いて、ダイ出口での樹脂温度を実施例14においては245℃とし、実施例15においては235℃に設定した。
その他の条件は、上述した実施例1と同様にして、アクリル系樹脂層が中間層で、外側の2層のポリプロピレン層に挟まれた2種3層の構造のフィルムをチューブ状にして共押出し、2種3層構造のフィルムを作製した。
得られた2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
下記表2に、アクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の、それぞれの測定結果及び総合評価を示した。
実施例14及び15は、ダイ出口での樹脂温度が高く、メルトテンションが低いため、製膜が不安定であったが、実用上必要な最低限の強度は確保されたフィルムが得られた。
アクリル系樹脂AR1のペレットに、軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂としてデルペットSR8500のペレットをドライブレンドしたものを用いて、下記表2に示す樹脂組成になるように、単軸押出機で中間層の溶融押出しを行い、実施例5〜11と同様にして、アクリル系樹脂層が中間層で、外側の2層のポリプロピレン層に挟まれた2種3層の構造のフィルムをチューブ状にして共押出し、2種3層構造のフィルムを作製した。
得られた2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
下記表2に、アクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の、それぞれの測定結果及び総合評価を示した。
比較例1、2、実施例16、17においては、実用上必要な耐衝撃性が得られる様にアクリル系樹脂AR1に、軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂としてデルペットSR8500のペレットをドライブレンドしたため耐衝撃性は満足できた。しかしながら、それに伴いフィルムの表面硬度が低下した。
また、実施例16,17はSR8500の添加量が24質量%、比較例1は40質量%、比較例2は32質量%で、これよりフィルム中に含まれるゴム状弾性体粒子は、実施例16、17においては約12質量%程度であるのに対して、比較例1、2においては約20質量%、16質量%となっている。これにより、比較例1、2のフィルムは、Hazeが2%を超え、実用上十分な透明性を有していないものであることがわかった。
温度条件は、実施例1と同様とした。
アクリル系樹脂AR1のペレットを用いて、単軸押出機で中間層の溶融押出しを行い、樹脂の押出し速度、フィルムの引き取り速度、樹脂を膨らませるために入れる空気の量、冷却する冷風の温度を制御して、MD方向の延伸倍率(DDR)を2.5倍、TD方向の延伸倍率(BUR)を1.6倍に変更した。その他の条件は実施例1〜4と同様とし、アクリル系樹脂層が中間層で、外側の2層のポリプロピレン層に挟まれた2種3層の構造のフィルムをチューブ状にして共押出し、2種3層構造のフィルムを作製した。
得られた2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
下記表2に、アクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の測定結果及び総合評価を示した。
アクリル系樹脂AR1を用いて、Tダイキャスト法で、ダイ出口での樹脂温度を245℃に設定し、冷却ロールへキャスティングを行い、厚さ40μmの単層のアクリル系樹脂フィルムを作製した。
下記表2に、アクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の測定結果及び総合評価を示した。
比較例3においては、ダイ出口における樹脂温度が高く、メルトテンションが低く、T−ダイキャスト法であるため、MD方向もTD方向も分子配向も掛かり難く、得られたフィルムの面配向度ΔPの絶対値は小さく、実用上必要な耐衝撃性を有するフィルムは得られなかった。
アクリル系樹脂AR2のペレットを用いて、単軸押出機で中間層の溶融押出しを行い、ダイ出口での樹脂温度が220℃となるようにした。
その他の条件は、実施例13と同様の方法として、アクリル系樹脂層が中間層で、外側の2層のポリプロピレン層に挟まれた2種3層の構造のフィルムをチューブ状にして共押出し、2種3層構造のフィルムを作製した。
得られた2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
下記表2に、アクリル系樹脂フィルムの厚み(μm)、面配向度ΔP、落錘衝撃強度(mJ)、表面硬度、Haze(%)、破断時引張強度(MPa)、破断時引張伸度(%)の測定結果及び総合評価を示した。
実施例19においては、ダイ出口での樹脂温度が高く、メルトテンションが低いため、製膜が不安定となったが、実用上必要な最低限の強度は確保されたフィルムが得られた。
先ず、下記実施例及び比較例において適用する物性測定法、及び評価方法を下記に示す。
王子計測機器(株)製の自動複屈折計「KOBRA−21ADH」(商品名)を使用して、面内のレターデーション(Re)、厚さ方向のレターデーション(Rth)、面内の複屈折(Nx−Ny)、面配向度(ΔP)を測定した。
評価記号 尺度
A :Reの値が7nm以下で、フィルム面に対して垂直に入射する光に対する 位相差が最も少ない最良のフィルム。
B :Reの値が7nmより大きく10nm以下で、フィルム面に対して垂直に 入射する光に対する位相差が少なくAに次いで優れたフィルム。
C :Reの値が10nmより大きく20nm以下で、フィルム面に対して垂直 に入射する光に対する位相差が実用上許される最大レベルのフィルム。
× :Reの値が20nmより大きく、フィルム面に対して垂直に入射する光に 対する位相差が大き過ぎて、実用レベルに達しないフィルム。
評価記号 尺度
A :Rthの値が、−10nm≦Rth≦10nmで、フィルム面に対して斜 め方向から入射する光に対する位相差が最も少ない最良のフィルム。
B :Rthの値が、−20nm≦Rth<−10nm、又は10nm<Rth ≦20nmの範囲内で、フィルム面に対して斜め方向から入射する光に対 する位相差が少なく、Aに次いで優れたフィルム。
C :Rthの値が、−30nm≦Rth<−20nm、又は20nm<Rth ≦30nmの範囲内で、フィルム面に対して斜め方向から入射する光に対 する位相差が実用上許される最大レベルのフィルム。
× :Rthの値が、Rth<−30nm、又はRth>30nmで、フィルム 面に対して斜め方向から入射する光に対する位相差が大き過ぎて、実用レ ベルに達しないフィルム。
フィルムの耐折強さは、JIS P−8115に準拠して、15mm幅のフィルム試験片に9.8Nの荷重を掛けて、MD方向、TD方向の両方向で測定した。
<耐折強さの評価尺度>
評価記号 尺度
A :MD方向、TD方向の両方の耐折強さが共に10回以上で、折り曲げに対 する強度が最も優れるフィルム。
B :MD方向、TD方向の両方の耐折強さが共に5回以上で、折り曲げに対す る強度がAに次いで優れるフィルム。
C :MD方向、TD方向の両方の耐折強さが共に1回以上で、折り曲げに対す る強度が実用上許容される最低限レベルのフィルム。
× :MD方向、TD方向の少なくとも1方向が、耐折強さが1回未満で、1回 の折り曲げでフィルムが割れてしまう実用に耐えない弱いフィルム。
標準状態(23℃、65%RH)の条件で状態調節(23℃で1週間放置)を行ったフィルムから、試験片として50mm角の正方形状のフィルムを切り出した。
この試験片を用いて、ASTM−D1003に準拠して、日本電色工業製の濁度計(ヘーズメーター)、NDH−1001DP型を用いて、曇り度(Haze:単位%)を標準状態下で測定し、1種フィルム当り6点の算術平均値(有効数字2桁)を算出し、これを測定値とした。
透明性は、フィルムのHazeの値を用いて下記のように評価した。
<評価尺度>
評価記号 尺度
A :Hazeの値が0.8%以下で最も透明性の良いフィルム。
B :Hazeの値が0.8%より高く1.0%以下で比較的透明性の良いフィルム。
C :Hazeの値が1.0%より高く2.0%以下で光学用フィルムとして実用に 耐える最低限の透明性を有するフィルム。
× :Hazeの値が2.0%より高く、光学用フィルムとしての実用に耐えるだけ の透明性を有していないフィルム。
ASTM D−1003に準拠して測定した。
フィルム面内レターデーション(Re)、フィルム厚さ方向レターデーション(Rth)、耐折強さ、透明性の4つの評価結果を基に、以下の尺度で総合評価を行った。
<総合評価の評価尺度>
評価記号 尺度
A :4項目全てがA評価で、全ての項目で最も優れたレベルでバランスが取れて最 良のフィルム。
B :4項目の内、1つ以上がB評価で、それ以外の項目が全てA評価であり、総合 評価がAであるフィルムに次いで優れたレベルでバランスが取れたフィルム。
C :4項目の内、1つ以上がC評価で、それ以外の項目が全てA評価かB評価で、 実用可能な最低レベル以上のフィルム。
× :4項目全の内、少なくとも1項目が×評価で、実用に耐えない問題点が1つ以 上あり、総合的に実用に耐えないフィルム。
アクリル系樹脂AR1のペレットに対して、予め十分に乾燥処理を施した。
ダイとして、リップクリアランスが2.5mmの3種3層の円筒ダイを用いた。
3層構造の最外層及び最内層に、それぞれ上記ポリプロピレン、プライムポリプロ F704NP(商品名)のペレットを用いて単軸押出機で溶融押出しを行った。
中間層には、アクリル系樹脂AR1のペレットを用いて単軸押出機で溶融押出し、アクリル系樹脂層が中間層で、外側の2層のポリプロピレン層に挟まれた2種3層の構造のフィルムをチューブ状にして共押出した。
ダイ出口における溶融したアクリル系樹脂の温度が、下記表3に示す温度になるように設定した。フィルムの円筒内部に空気を入れて、外からはエアーリングを用いて冷却した。
MD方向の延伸倍率(DDR)、TD方向の延伸倍率(BUR)、及びフィルムの厚さが下記表3に示す値となるように、樹脂の押出し速度、フィルムの引き取り速度、樹脂を膨らませるために入れる空気の量、冷却する冷風の温度を制御した。
上記のようにして得られた2種3層の構造のチューブ状のフィルムを、ピンチロールで平面状に2枚重ねにして、それを巻取機でロール状に巻き取った。その後、2枚重ねのフィルムの両端をスリットした後に、2枚重ねのフィルムを1枚ずつ別々にして巻き取った。
上述したようにして得られた1枚の2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥がし、目的とするアクリル系樹脂フィルム1枚を得た。
アクリル系樹脂フィルムの面内複屈折(Nx−Ny)、面配向度ΔP、フィルム厚みを、下記表3に示す。
また、アクリル系樹脂フィルムの光学的物性(Re、Rth(nm))、耐折強さ(回)、全光線透過率(%)、Haze(%)の測定結果及び総合評価を下記表3に示す。
アクリル系樹脂AR1ペレットに、軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂としてデルペットSR8500(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名)ペレットをドライブレンドしたものを用いて、単軸押出機で中間層の溶融押出しを行った。
その他は、実施例20〜25と同様に、ダイ、押出機を用いて、下記表3に示す製膜条件に従い、2種3層構造のフィルムを作製した。
得られた2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
アクリル系樹脂フィルムの面内複屈折(Nx−Ny)、面配向度ΔP、フィルム厚みを、下記表3に示す。
また、アクリル系樹脂フィルムの光学的物性(Re、Rth(nm))、耐折強さ(回)、全光線透過率(%)、Haze(%)の測定結果及び総合評価を下記表3に示す。
アクリル系樹脂AR1に代えて、アクリル系樹脂AR2を用いた。その他の条件は、実施例20〜25と同様として、下記表4に示す製膜条件に従い、2種3層フィルムを作製した。
得られた2種3層のフィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
アクリル系樹脂フィルムの面内複屈折(Nx−Ny)、面配向度ΔP、フィルム厚みを、下記表4に示す。
また、アクリル系樹脂フィルムの光学的物性(Re、Rth(nm))、耐折強さ(回)、全光線透過率(%)、Haze(%)の測定結果及び総合評価を下記表4に示す。
下記表4に示すように、実施例40〜48のフィルムは、いずれも実用上十分な耐折強さを有し、光学特性、透明性も良好であった。
比較例4〜6においてはアクリル系樹脂としてAR1を用いた。
比較例7においてはアクリル系樹脂としてAR2を用いた。
ダイ出口での樹脂温度を下記表4に示す温度に設定し、上述した実施例20〜25と同様にして下記表4に示す製膜条件に従い、2種3層のフィルムを作製した。
得られた2種3層のフィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
得られたアクリル系樹脂フィルムの光学的物性(Re、Rth(nm))、耐折強さ(回)、全光線透過率(%)、Haze(%)の測定結果及び評価結果を表4に示した。
比較例4〜7は、ダイ出口での樹脂温度が高すぎ、メルトテンションが低くなり、フィルムの長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)、あるいはフィルムの幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)の少なくともいずれかが、本発明の要件を満たしておらず、実用上十分な耐折強さが得られなかった。
特に比較例4、7においては、面配向度ΔPの絶対値が小さく、長手方向と幅方向の双方において実用上必要な耐折強さが得られなかった。
比較例5、6においては、面配向度ΔPの絶対値は0.7×10-5以上より大きかったが、比較例5ではMD方向の延伸倍率(DDR)が低いためMD方向の耐折強さが不足し、また比較例6においてはTD方向の延伸倍率(BUR)が低いためTD方向の耐折強さが不足したフィルムとなった。
比較例8においてはアクリル系樹脂としてAR1を100質量%用いた。
比較例9においては、アクリル系樹脂としてAR1を70質量%、軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂としてデルペットSR8500(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名)を30質量%の割合で、ペレットをドライブレンドして用いた。
比較例10においては、アクリル系樹脂としてAR1を98質量%、軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂としてデルペットSR8500(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名)を2質量%の割合で、ペレットをドライブレンドして用いた。
Tダイを用いて、前記各樹脂材料の温度を260℃に設定し、冷却ロールへキャスティングを行い、下記表4に示すように、厚さ40μmの単層のキャストフィルムを作製した。
各フィルムの面内複屈折(Nx−Ny)、面配向度ΔP、フィルム厚みを、下記表4に示す。
また、各フィルムの光学的物性(Re、Rth(nm))、耐折強さ(回)、全光線透過率(%)、Haze(%)の測定結果及び総合評価を下記表4に示す。
比較例8、10においては、ダイ出口での樹脂温度が高く、フィルムの長手方向及び幅方向の延伸処理を施し難いため、実用上十分な耐折強さが得られなかった。これは、T−ダイで良好に製膜できる様にダイ出口の樹脂温度を設定しているため、溶融状態の樹脂の粘度が低くなり、溶融樹脂を延伸してもポリマー鎖がTD方向、MD方向ともに配向しにくく、さらには、Tダイキャスト法は、装置の構造上、幅方向(TD方向)へは延伸する力が働き難く、TD方向へ配向し難いことによるためである。
比較例9においては、比較例8、10と同様に、T−ダイ法でダイ出口での樹脂温度が高く、フィルムの長手方向及び幅方向の延伸処理を施し難いが、軟質樹脂の添加量が多いため、実用上良好な耐折強さは得られたが、その分Hazeが高く、透明性が悪化した。
アクリル系樹脂としてAR1を用いた。比較例8〜10と同様にしてTダイキャスト法を適用し、厚さ120μmの延伸用原反を得た。
比較例11においては、145℃に加熱した前記原反を、縦延伸機を用いてMD方向に2倍延伸を行い、続いて145℃に加熱したMD延伸済みの原反を、テンター延伸機を用いてTD方向に1.5倍延伸を行った。
比較例12においては、145℃に加熱した原反を、縦延伸機を用いてMD方向に1.5倍延伸を行い、続いて145℃に加熱したMD延伸済みの原反を、テンター延伸機を用いてTD方向に1.5倍延伸を行った。
各フィルムの面内複屈折(Nx−Ny)、面配向度ΔP、フィルム厚みを、下記表4に示す。
また、各フィルムの光学的物性(Re、Rth(nm))、耐折強さ(回)、全光線透過率(%)、Haze(%)の測定結果及び総合評価を下記表4に示す。
比較例11、12においては、T−ダイキャストの後にテンター法による延伸を行ったフィルムであり、透明性、耐折強さは、実用上十分に良好であったが、厚み方向のレターデーション(Rth)の絶対値が大きく、光学的特性が悪化した。
実施例49〜51においては、アクリル系樹脂としてAR1を100質量%用いた。
実施例52〜54においては、アクリル系樹脂としてAR1を90質量%、軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂としてデルペットSR8500(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名)を10質量%の割合で、ペレットをドライブレンドして用いた。
実施例55〜57においては、アクリル系樹脂としてAR1を80質量%、軟質樹脂からなるゴム状弾性体粒子を含むアクリル系樹脂としてデルペットSR8500(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名)を20質量%の割合で、ペレットをドライブレンドして用いた。
その他の条件は、上記実施例20〜25と同様とし、下記表5に示す製膜条件に従って2種3層フィルムを作製した。
この2種3層フィルムから、外側の2枚のポリプロピレン層を剥して、目的とするアクリル系樹脂フィルムを得た。
各フィルムの面内複屈折(Nx−Ny)、面配向度ΔP、フィルム厚みを、下記表5に示す。
また、各フィルムの光学的物性(Re、Rth(nm))、耐折強さ(回)、全光線透過率(%)、Haze(%)の測定結果及び総合評価を下記表5に示す。
また、実施例49〜57において、フィルムのTD方向とMD方向の耐折強さから、好適なDDR(長手方向の延伸倍率)/BUR(幅方向の延伸倍率)比の値を検証したところ、2.65付近において、TD方向とMD方向のそれぞれの耐折強さのバランスが最も良好であることが解った。
詳細には、DDR/BURの比を2.2〜8.0にすることにより、上述したように、面屈折率を好適な範囲に制御できるが、かかる範囲において、さらにTD方向とMD方向との耐折強さを検証したところ、2.42〜2.92の範囲においてバランスが取れていることが解った。
さらに詳細には、表5中、実施例49、52、55においては、TD方向の耐折強さがMD方向の耐折強さを上回っていることから、MD方向よりTD方向の方がより大きく配向しており、実施例51、54、57においては、TD方向よりMD方向の方がより大きく配向している。よってこれらの中間である実施例50、53、56のように、DDR/BURの比が2.65付近のフィルムにおいては、MD方向とTD方向の配向度のバランスが最も良く、双方向の耐折強さのバランスが取れていることが解った。
Claims (12)
- アクリル系樹脂を主成分とする原料樹脂を用い、インフレーション法により、フィルムを製造するフィルムの製造方法であって、
フィルムの原料樹脂のダイリップ出口における温度を前記原料樹脂のガラス転移温度よりも高く、メルトテンション(溶融張力)が50mN以上となる温度以下の温度に設定して、円筒状の溶融樹脂を押し出す工程と、
前記円筒状の溶融樹脂を押し出す工程に連続して、当該円筒状の溶融樹脂を、フィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率(BUR)を1.5倍以上、フィルム長手方向(MD方向)の延伸倍率(DDR)を2.3倍以上として延伸する工程と、
を有し、
膜厚が5〜200μmであり、
ASTM D−1003に従って測定されるHaze(曇度)が、2.0%以下であるフィルムの製造方法。 - 前記フィルムは、JIS P−8115に従って測定される耐折強さが、フィルム長手方向(MD方向)、フィルム幅方向(TD方向)のいずれも1回以上、
下記式(1)で表される面内方向のレターデーション(Re)が20nm以下、
下記式(2)で表される厚さ方向のレターデーション(Rth)が−30nm〜+30nmである請求項1に記載のフィルムの製造方法。
Re=(Nx−Ny)×d ・・・(1)
Rth=〔(Nx+Ny)/2−Nz〕×d ・・・(2)
(式(1)、(2)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。) - 前記フィルムは、JIS P−8115に従って測定される耐折強さが、フィルム長手方向(MD方向)、フィルム幅方向(TD方向)のいずれも5回以上、
ASTM D−1003に従って測定されるHaze(曇度)が1.5%以下、
前記式(1)で表される面内方向のレターデーション(Re)が10nm以下、
前記式(2)で表される厚さ方向のレターデーション(Rth)が−20nm〜+20nmである、請求項1又は2に記載のフィルムの製造方法。 - 前記原料樹脂のガラス転移温度Tgが、120℃以上である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアクリル系樹脂を主成分とするフィルムの製造方法。
- 前記フィルムは、JIS K−5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))に従って測定される表面硬度を「HB」以上、
下記式(3)で表されるフィルムの面配向度(ΔP)の絶対値が、0.7×10-5以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
(式(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とは前記フィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。) - 前記フィルムは、JIS K−5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))に従って測定される表面硬度が「F」以上、
下記式(3)で表されるフィルムの面配向度(ΔP)の絶対値が7×10-5以上、
ASTM D−1003に従って測定されるHaze(曇度)が1.5%以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
(式(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とは前記フィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。) - 前記フィルムは、JIS K−5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))に従って測定される表面硬度が「H」以上、
下記式(3)で表されるフィルムの面配向度(ΔP)の絶対値が10×10-5以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz・・・(3)
(式(3)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とは前記フィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。) - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法により得られるフィルムであって、JIS P−8115に従って測定される耐折強さが、フィルム長手方向(MD方向)、フィルム幅方向(TD方向)のいずれも1回以上、
下記式(1)で表される面内方向のレターデーション(Re)が20nm以下、
下記式(2)で表される厚さ方向のレターデーション(Rth)が−30nm〜+30nmであり、ASTM D−1003に従って測定されるHaze(曇度)が、2.0%以下である光学フィルム。
Re=(Nx−Ny)×d ・・・(1)
Rth=〔(Nx+Ny)/2−Nz〕×d ・・・(2)
(式(1)、(2)中、Nx、Ny、Nzは、それぞれ、前記フィルムにおけるX軸、Y軸、Z軸方向の屈折率を表す。X軸とは前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸とはフィルムの面内においてX軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、X軸、Y軸に垂直な厚さ方向である。dはフィルムの厚さを表す。) - 偏向子保護フィルムである請求項8に記載の光学フィルム。
- 視野角拡大フィルムの支持体である請求項8に記載の光学フィルム。
- アンチグレア(防眩)フィルムの支持体である請求項8に記載の光学フィルム。
- 反射防止フィルムの支持体である請求項8に記載の光学フィルム。
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