JP5089795B2 - 光半導体装置用リードフレーム、光半導体装置用リードフレームの製造方法、および光半導体装置 - Google Patents
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Description
リードフレームを用いたLEDの場合、銅条などの素材をプレスやエッチング加工により、抜き形状とした後にAgやAu/Pdなどのめっきが施されて使用される。
さらに近年、紫外線(近紫外を含む)を発光するLEDの用途が拡大しており、紫外線を用いる測定・分析機器の光源、光触媒作用による空気清浄装置、紫外線センサ、紫外硬化樹脂の硬化用光源などにもLED素子を用いた光半導体装置が用いられるようになってきている。この光半導体装置の反射材には、近紫外域(波長340〜400nm)において反射率が高いことが求められている。
さらに、白色光を用いる照明用やバックライト向けのLEDにおいても、演色性の観点から、従来用いられていた青色LEDチップと黄色蛍光体に代えて、紫色・近紫外・紫外LEDチップとRGB蛍光体(赤色、緑色、青色)を用いる手法が開発されている。この手法において、光半導体装置の反射材には、近紫外域(波長340〜400nm)および可視光波長(400〜800nm)における反射率が高いことが求められる。
この問題を解決するために、特許文献2では、めっき後の熱処理によって銀めっきの結晶粒を粗大化させて、結晶粒と結晶粒の間隙を小さくし、その結果、反射率を上げる手法を採用している。しかし、熱処理によって結晶粒を粗大化させても、例えば、3つ以上の結晶粒が近接している領域を考えると、必ずしも、それらの結晶粒の間隙を完全に消滅させたり、間隙を狭くすることはできないことがわかった。このため、このような熱処理された材料を使って製品とした場合、光発光素子の発光に伴う発熱によって、前記めっきされた銀の結晶粒の間隙を介して、下地材料である基体や下地めっき層が外部の空気と接触して酸化され、また、めっきされた銀の酸化が促進されて、めっき剥がれの原因となっていると考えられる。さらに、結晶粒が表面側に粗大化すれば、表面での粗さが増大してしまうために、より大きくなった表面粗さに影響を受けて反射率が悪化することも考えられる。
また、表面を平滑にするためのめっきとして、レベラ(レベリング剤、平滑化剤)を使用するという手法がある。しかし、下地材料の表面粗さの影響を受けないで、めっき表面を平滑化するためには、ある程度のめっき厚さが必要で、例えば、表面粗さ0.5μm以上の下地材料の表面に、平滑なめっきを行う場合、めっき厚は例えば10μm以上であれば、下地材料の表面粗さの影響を受けずに平滑なめっき表面での表面粗さが得られる。このようにめっき厚さを増加させることになるので、反射率改善手段としては、なお改善の余地があると考えられる。加えて、レベリング剤を用いて平滑化を図った場合には、得られる表面は前記リードフレームに要求される反射率、ワイヤボンド性、樹脂密着性などを満足することができないので、この点でも改善が必要であった。
このため、紫外光を発するLEDチップを用いた演色性の高いLEDモジュールを実現しようとする場合、波長340〜400nmの近紫外域におけるリードフレームの反射率改善の要望は非常に強い。
(1)基体の最表面の、少なくとも片面もしくは両面に、一部もしくは全面に反射層を具備してなる光半導体装置用リードフレームであって、前記反射層が、少なくとも光半導体素子の光を反射する反射領域の最表面において、圧延加工によって組織全体が塑性変形された銀または銀合金めっき組織を有し、該めっき組織の前記の圧延加工による加工率を37%以上60%以下とし、反射層の前記塑性変形後の厚さが0.2〜10μmであり、波長340nmの光の反射率が60%以上、波長375nmの光の反射率が75%以上、波長400nmの光の反射率が80%以上、波長450nmおよび波長600nmの光の反射率がそれぞれ90%以上であり、かつ、波長375nmの光の反射率が波長340nmの光の反射率よりも大きいことを特徴とする、光半導体装置用リードフレーム。
(2)前記反射層は、前記基体の上に少なくとも1層の金属層を介して設けられて耐熱性とされていることを特徴とする、(1)項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
(3)前記反射層を形成する銀または銀合金が、銀、銀−錫合金、銀−インジウム合金、銀−ロジウム合金、銀−ルテニウム合金、銀−金合金、銀−パラジウム合金、銀−ニッケル合金、銀−セレン合金、銀−アンチモン合金、または銀−白金合金であることを特徴とする、(1)または(2)項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
(4)前記基体が、銅、銅合金、鉄、鉄合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金からなることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
(5)少なくとも半田付けを要する部分に、銀、銀合金、スズ、スズ合金、金、または金合金のいずれかからなるめっき層を有してなることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
(6)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体装置用リードフレームの素材を製造する方法であって、基体の最表面であって少なくとも光半導体素子が発する光を反射する反射領域に銀または銀合金からなる反射層を、電気めっき法、無電解めっき法またはスパッタ法で形成した後、圧延加工を施してめっき組織を塑性変形してなり、めっき組織の前記の圧延加工の加工率を37%以上60%以下とすることを特徴とする、光半導体装置用リードフレーム素材の製造方法。
(7)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体装置用リードフレームを製造する方法であって、基体の最表面であって少なくとも光半導体素子が発する光を反射する反射領域に銀または銀合金からなる反射層を、電気めっき法、無電解めっき法またはスパッタ法で形成した後、圧延加工を施してめっき組織が塑性変形された光半導体装置用リードフレーム素材を得て、該素材にプレス法もしくはエッチング法により抜き加工を施して、リードフレームを得てなり、めっき組織の前記の圧延加工の加工率を37%以上60%以下とすることを特徴とする、光半導体装置用リードフレームの製造方法。
(8)前記抜き加工後に、半田付け性の良好なめっきを部分的に施すことを特徴とする、(7)項に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
(9)前記半田付け性の良好なめっきは、少なくとも光半導体素子が発する光を反射する領域以外の領域に施され、前記めっきの成分は、銀、銀合金、スズ、スズ合金、金、または金合金のいずれかであることを特徴とする、(8)項に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
(10)光半導体素子と、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレームとを具備してなる光半導体装置であって、前記光半導体装置用リードフレームの反射層が、基体の最表面であって少なくとも前記光半導体素子から発生する光を反射する領域に設けられた、かつ、めっき組織が塑性変形された組織を有することを特徴とする光半導体装置。
(11)前記光半導体素子の発光波長が340nmから800nmであることを特徴とする、(10)項に記載の光半導体装置。
(12)装置から出力される光が白色光であることを特徴とする、(10)または(11)項に記載の光半導体装置。
(13)装置から出力される光が紫外、近紫外または紫光であることを特徴とする、(10)または(11)項に記載の光半導体装置。
(14)(10)〜(13)のいずれか1項に記載の光半導体装置を具備してなることを特徴とする照明装置。
めっき法としては、電気めっき法や無電解めっき法等の湿式めっき法でもよく、または、スパッタ法等の乾式めっき法でもよい。
また、圧延加工によれば、基体を含めた素材の全体が圧延加工を受けるので、そのめっき組織の全体が塑性変形を受ける。
このリードフレームに樹脂モールドなどによってチップ搭載部を形成し、光半導体チップの搭載、ワイヤーボンディング、蛍光体を含有させた樹脂やガラスで封止して光半導体モジュールを製造する。
従来の方法では、一般的に、導電性の基体(条材など)をプレスやエッチング加工によりリードフレームの形状とした後に、銀めっきや金/パラジウム/ニッケルめっきを行っている。また、前記特許文献2記載の方法では、めっき後に所定の加熱処理に付してめっき層の粒径を粗大化させている。
本発明と従来の方法とは、本発明が機械的な加工上がりとしてめっき組織を変性したものであるのに対して、従来法ではクラッドによる単なる加工上がりや、めっき上がりや熱処理上がりであるか又はめっき圧延熱処理上がりである点で、組織が全く相違する。
なお「加工率」とは、「(加工前の板厚−加工後の板厚)×100/(加工前の板厚)」で示される割合のことを示すものである。また、「反射層として利用される箇所」とは、光半導体モジュールを形成する際に発光部以外のところを樹脂モールドして光半導体モジュールを得ているが、その光半導体チップが光を発した際にリードフレームが露出している箇所であって光の反射現象が起こる部分を意味する。
銅または銅合金基体を用いた場合は、発光素子が発光する際の発熱による基体成分の反射層への拡散を抑制するために、中間層としてニッケル、ニッケル合金、コバルト、またはコバルト合金の層を設けることが有効である。
これらの中間層の厚さは、本発明においては特に限定されるものではないが、0.08〜2.0μmの範囲が好ましい。
反射層初期形成直後(めっき直後)の板厚から光半導体用リードフレームの製品板厚になるまでには、圧延工程を何回経ても構わないが、圧延回数が増えると生産性が悪くなるため、圧延回数は多くても3回以下が好ましい。反射層形成後の圧延加工時の加工率は各圧延において37%以上であればよい。一方、反射層初期形成直後(めっき直後)の板厚から製品板厚とするまでの合計の加工率として、反射率がより向上し安定できること、基体の機械的性質の変化を抑制すること、及び、反射層のめっき組織を均一に圧延加工できることを考慮して、反射層形成後の圧延加工時の加工率を合計で37%以上とする。
また、光半導体チップを搭載した後で曲げ加工を施す工程がある光半導体装置となる場合は、曲げ加工性を考慮すると加工率は合計で37〜60%とする。
このような圧延加工の後に施される熱処理の条件としては、特に制限されるものではないが、例えば、温度50〜150℃で、0.08〜3時間の熱処理を行うことが好ましい。この熱処理の温度が高すぎたり時間が長すぎると熱履歴が過剰となり、反射率が低下してしまう。
銀または銀合金からなる反射層の、前記圧延加工後の厚さは、特に限定するものではないが、0.5〜10μmの範囲とすることが好ましい。この圧延加工後の厚さを達成するための加工前の被覆厚さ(初期厚さ)は、特に限定するものではないが、例えば、1〜50μmの範囲とすることが好ましい。
導電性基体の一部または全部に銀または銀合金が被覆された材料への圧延加工は、例えば、冷間圧延機による圧延加工によって行う。圧延加工機は、2段ロール、4段ロール、6段ロール、12段ロール、20段ロール等があるが、いずれの圧延加工機でも使用することができる。
圧延加工での加工率(減面率)は、37%以上で、銀または銀合金の結晶粒界の間隙を狭く十分に潰して塑性変形組織とすることができる。
圧延加工に用いる圧延ロールは、ロール目の転写によって形成されるリードフレーム側の反射率を向上させることを考慮すると、表面粗度の算術平均(Ra)で0.1μm未満であることが好ましい。
例えば、基体の両面に銀または銀合金を被覆した場合では、全表面に対して、基体の露出面積は非常に少なく、外部リードでの半田付け性などへの影響は、ほとんど見られない。また、基体の露出は、薄い板厚または広いリード幅の場合にも問題とならない。しかし、厚い板厚または狭いリード幅の場合には、リードでの半田付けでは、影響がでることがあり、外部リードをめっき加工したほうが半田付けの信頼性は高まる。
さらに、基体の片面にのみ、銀または銀合金等の金属またはその合金を被覆した場合や光半導体素子搭載部を含む部分めっき(例えばスポット状やストライプ状のめっき)を行う場合には、外部リード部での基体の露出面積が大きいために、プレスやエッチング後に半田濡れの良好なめっき皮膜を設けることが好ましい。
プレスやエッチング後のめっきにおいては、光半導体素子から発する光の反射領域相当部を少なくとも含む領域をマスキングしてめっきすれば良く、テープやレジストマスク、ドラムマスク、ベルトマスクなど任意の各種手法で行うことができる。また、IC半導体で常用されるモジュール(樹脂モールド)形成後の外装めっきを行っても良い。
この外部リードへの半田濡れの良好なめっき皮膜の厚さは、本発明においては特に規定されるものではないが、半田付け性および保管中での耐食性が確保されれば良く、0.1μm程度以上あれば良い。めっき種も同様に、銀、錫、金、さらにはこれらの合金めっきなど、目的を達成する金属種でかまわない。
また、図示した形態は説明に必要な限度で省略して示しており、寸法や具体的なリードフレームないしは素子の構造が図示したものに限定して解釈されるものではない。
本発明においては、このように、光反射に寄与する部分にのみに銀または銀合金からなる反射層2を形成することも可能である。
このプレス後に設けられる、例えば銀、錫、金などのめっきからなる半田付け改善層7によって、より安定した半田付け性が確保できる。なお、この場合、反射層(2)が形成されている面であって、反射率が要求される部分(つまり、少なくとも光半導体素子が発する光を反射する領域)以外の部分に、半田付け性改善層7が設けられていても差し支えない。
実施例1として、表1に示す幅100mmの基体に以下に示す前処理を行った後、以下に示す電気めっき処理を施した。圧延後の被覆厚さを含めた全板厚を0.2mmとするべく、反射層形成後の圧延加工時の加工率を考慮して反射層初期形成時(めっき時)の板厚を変化させて、反射層をめっきにより初期形成した。その後、6段圧延機(日立製作所製)を用い、圧延ワークロールの表面粗度Raがおよそ0.03μmのロールを使用して、表1に示す減面率によって厚さ0.2mmに圧延加工を施すことにより、表1に示す構成の発明例1〜14、19及び22〜38および参考例1〜3のサンプル(圧延加工上がり品)を得た。なお参考例4は、特許文献3の比較例1を、参考例5は、特許文献3の実施例2を、それぞれ模したものであり、圧延加工を行った後に240℃で4時間の熱処理を実施したものを準備した(熱処理上がり品)。また、従来例1〜4については、板厚0.2mm、幅100mmの基体に、以下に示す前処理を行った後、以下に示す反射層を形成するための電気めっき処理を施すことで、表1に示すリードフレーム用の母材(条材)を作製した。(従来例1、2、4は、めっき上がり品である。)なお、従来例3に関しては、先述の特許文献2の実施例8記載の被覆状況を本実施例における基体にて再現するため、文献2記載の条件にてめっき層を形成後、熱処理を320℃で30秒、残留酸素濃度500ppmの雰囲気で実施したものを準備した(熱処理上がり品)。中間層のない発明例及び比較例が図1に示したリードフレームの構造に相当し、中間層のある発明例及び参考例が図2に示したリードフレームの構造に相当する。
なお、本実施例の評価では、簡便のためプレス加工は行わず、条形状にて評価した。
また、「A1100」、「A2014」、「A3003」、および「A5052」はアルミニウムまたはアルミニウム合金の基体を表し、それぞれ日本工業規格(JIS H 4000:2006など)にその成分が規定されている。
また、「42アロイ」は鉄系基体を表し、ニッケルを42質量%含有し、残部が鉄と不可避不純物からなる合金を表す。
なお、基体がアルミニウムのときは電解脱脂・酸洗・亜鉛置換処理の工程を経て、その他の基体の場合は電解脱脂・酸洗の工程を経た前処理を行った。また、それぞれ銀または銀合金のめっきを行う前は、銀ストライクめっきを行い、最表層めっき厚は銀ストライクめっき厚を含めた圧延後の厚さとして表記した。
(前処理条件)
[陰極電解脱脂]
脱脂液:NaOH 60g/リットル
脱脂条件:2.5A/dm2、温度60℃、脱脂時間60秒
[酸洗]
酸洗液:10%硫酸
酸洗条件:30秒 浸漬、室温
[亜鉛置換](基体がアルミニウムの時に使用)
亜鉛置換液:NaOH 500g/リットル、ZnO 100g/リットル、酒石酸(C4H6O6) 10g/リットル、FeCl2 2g/リットル
処理条件:30秒 浸漬、室温
[Agストライクめっき]被覆厚0.01μm
めっき液:KAg(CN)2 5g/リットル、KCN 60g/リットル、
めっき条件:電流密度 2A/dm2、めっき時間 4秒、温度 25℃
(中間層めっき条件)
[Niめっき]
めっき液:Ni(SO3NH2)2・4H2O 500g/リットル、NiCl2 30g/リットル、H3BO3 30g/リットル
めっき条件:電流密度 5A/dm2、温度 50℃
[Coめっき]
めっき液:Co(SO3NH2)2・4H2O 500g/リットル、CoCl2 30g/リットル、H3BO3 30g/リットル
めっき条件:電流密度 5A/dm2、温度 50℃
[Cuめっき]
めっき液:CuSO4・5H2O 250g/リットル、H2SO4 50g/リットル、NaCl 0.1g/リットル
めっき条件:電流密度 6A/dm2、温度 40℃
(反射層めっき条件)
[Agめっき]
めっき液:AgCN 50g/リットル、KCN 100g/リットル、K2CO3 30g/リットル
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 30℃
[Ag−Sn合金めっき]
めっき液:KCN 100g/リットル、NaOH 50g/リットル、AgCN 10g/リットル、K2Sn(OH)6 80g/リットル
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 40℃
[Ag−In合金めっき]
めっき液:KCN 100g/リットル、NaOH 50g/リットル、AgCN 10g/リットル、InCl3 20g/リットル
めっき条件:電流密度 2A/dm2、温度 30℃
[Ag−Pd合金めっき]
めっき液:KAg[CN]2 20g/リットル、PdCl2 25g/リットル、K4O7P2 60g/リットル、KSCN 150g/リットル
めっき条件:電流密度 0.5A/dm2、温度 40℃
[Ag−Se合金めっき]
めっき液:KCN 150g/リットル、K2CO3 15g/リットル、KAg[CN]2 75g/リットル、Na2O3Se5H2O 5g/リットル
めっき条件:電流密度 2A/dm2、温度 50℃
[Ag−Sb合金めっき]
めっき液:KCN 150g/リットル、K2CO3 15g/リットル、KAg[CN]2 75g/リットル、C4H4KOSb 10g/リットル
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 50℃
上記のようにして得られた、表1の発明例、参考例、および従来例のリードフレームについて、下記試験および基準により評価を行った。その結果を表2に示す。
(1A)反射率測定:分光光度計(U−4100(商品名、(株)日立ハイテクノロジーズ製))において、全反射率を300nm〜800nmにかけて連続測定を実施した。このうち、紫外域〜近紫外域である340nm、375nm、400nm、さらには可視光域である450nmおよび600nmにおける全反射率(%)を表2に示す。それぞれ波長340nmでの反射率を60%以上、375nmでの反射率を75%以上、400nmでの反射率を80%以上、可視光域の波長450nmおよび600nmにおいては90%以上であることが要求特性とした。
(1B)耐熱性:150℃および190℃の温度で3時間大気中にて熱処理を行った後の変色状況を目視観察した。変色が全くないものを「良」と判定して表に「○」を付し、やや褐色に変色しているものを「可」と判定して表に「△」、完全に褐色なものを「不可」と判定して表に「×」を付し、「可」以上を実用レベルとした。
(1C)曲げ加工性:曲げ半径0.2mmにおいて、圧延筋に対して平行な方向に90°曲げを1トンプレス機を使用して実施した。その曲げ加工部の頂点を実体顕微鏡にて100倍で観察し、割れの有無を調査した。全く割れていないものを「優」と判定して表に「◎」を付し、最表層に軽微な割れが発生しているものの基体まで到達していないものを「良」と判定して表に「○」を付し、最表層に軽微な割れが発生しているが、基体の割れは認められないものを「可」と判定して表に「△」を付し、基体まで割れが発生しているものを「不可」と判定して表に「×」を付し、「可」以上を実用レベルとした。
また、Ag厚が薄い場合には、従来例2および4にあるように、耐熱性に劣っている傾向にあることが分かる。
また参考例2では、反射層形成後の圧延加工時の加工率が0.5%と低いため、圧延なしよりは反射率が向上するものの、十分とはいえないレベルに留まっている。
さらに参考例3では、減面率が80%を越えている状態であるが、反射率及び耐熱性は優れるものの、曲げ加工性において劣っていることが確認される。このため、減面率は1〜80%であることが好ましいことが分かる。さらに曲げ加工性も重視すると、20〜60%の減面率がより好適である。
さらに参考例4及び参考例5では、めっき、圧延の後、熱処理(低温焼鈍)を行った例であるが、反射率が全体的に10%程度低下しており、低温焼鈍による熱履歴が過剰であったために反射率が低下した。このように、圧延の後に熱処理を施す場合は、反射率を十分に考慮しつつ適用する必要があることが分かる。
実施例2として、表3に示す幅100mmの基体に、前記実施例1と同様にして前処理を行った後、表3に示す電気めっき処理を前記実施例1と同様にして施した。0.25mmおよび0.83mmの板厚の基体を用いて、圧延加工後のAg被覆厚が3μmとなるように、基体の両面をAgめっきし、その後、反射層形成後の圧延加工時の加工率40%で圧延加工を施し、0.15mmおよび0.5mmの板厚の条材を得た。その後プレスによる打ち抜き加工を施した後、レジストマスクにより、外部リード部のみに半田濡れの良好なめっき皮膜を形成するための電気めっきを行い、レジストを除去して、表3に示す構成の発明例39〜50および参考例6〜9を得た。
また、従来例5〜8については、板厚0.15mmおよび0.5mm、幅100mmの条材をプレス抜き加工後にAgめっきし、表3に示すリードフレームを作製した。
いずれも、半田付けを行うリード部の幅は、3mmと0.5mmとした。
上記のようにして得られた、表3の発明例、参考例、および従来例のリードフレームについて、下記試験および基準により評価を行った。その結果を表4に示す。
(2A)反射率測定:分光光度計 U−4100(商品名、(株)日立ハイテクノロジーズ製)において、全反射率を300nm〜800nmにかけて連続測定を実施した。このうち、波長340nm、波長375nm、波長400nm、波長450nmおよび波長600nmにおける全反射率(%)を表4に示す。
全反射率は、実用性を考慮して、それぞれ、波長340nmでの反射率を60%以上、波長375nmでの反射率を75%以上、波長400nmでの反射率を80%以上、可視光域の波長450nmおよび600nmにおいては90%以上であることを要求特性とした。
(2B)半田付け性:ソルダーチェッカー(SAT−5100(商品名、(株)レスカ製))において、150℃で3時間の大気加熱後にリード部の半田濡れ時間を評価した。測定条件詳細は以下の条件とし、半田濡れ時間が1秒以下であると良好であると判定した。
半田の種類:Sn−3Ag−0.5Cu
温度:250℃
フラックス:イソプロピルアルコール−25%ロジン
浸漬速度:25mm/秒
浸漬時間:10秒
浸漬深さ:10mm
(a)めっきされたAg被覆が圧延された反射層を3μm有していれば、反射率は実施例1と同様に良好である。
(b)外部リードに半田濡れの良好なめっき皮膜としてAg、SnまたはAuをめっきした発明例は、いずれも半田付け性の問題はないことがわかった。
(c)外部リードに半田濡れの良好なめっきを施していない参考例においては、薄い板厚で広い幅では問題ないが、狭い幅では、やや濡れ時間が長い。厚い板厚で広い幅でも若干濡れ時間が長くなっており、狭い幅になるとかなり濡れ時間が長くなっている。
(d)上記(b)、(c)から、半田付けの信頼性の高度に要求される用途や、板厚・幅から半田濡れしにくい形状の場合には、外部リードへ半田濡れの良好なめっきを施すことが好ましい。
上記の実施例においては、外部リードへのめっきとして純金属(Ag、SnまたはAu)でめっきした例を示したが、これらが合金でも同様な効果を奏することは確認している。
2 反射層(圧延加工された層)
3 光半導体素子
4 中間層
5 モールド樹脂
6 封止樹脂
7 ボンディングワイヤ
8 半田付け改善層(Ag、Au、Sn、それらの合金など)
Claims (14)
- 基体の最表面の、少なくとも片面もしくは両面に、一部もしくは全面に反射層を具備してなる光半導体装置用リードフレームであって、前記反射層が、少なくとも光半導体素子の光を反射する反射領域の最表面において、圧延加工によって組織全体が塑性変形された銀または銀合金めっき組織を有し、該めっき組織の前記の圧延加工による加工率を37%以上60%以下とし、反射層の前記塑性変形後の厚さが0.2〜10μmであり、波長340nmの光の反射率が60%以上、波長375nmの光の反射率が75%以上、波長400nmの光の反射率が80%以上、波長450nmおよび波長600nmの光の反射率がそれぞれ90%以上であり、かつ、波長375nmの光の反射率が波長340nmの光の反射率よりも大きいことを特徴とする、光半導体装置用リードフレーム。
- 前記反射層は、前記基体の上に少なくとも1層の金属層を介して設けられて耐熱性とされていることを特徴とする、請求項1に記載の光半導体装置用リードフレーム。
- 前記反射層を形成する銀または銀合金が、銀、銀−錫合金、銀−インジウム合金、銀−ロジウム合金、銀−ルテニウム合金、銀−金合金、銀−パラジウム合金、銀−ニッケル合金、銀−セレン合金、銀−アンチモン合金、または銀−白金合金であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光半導体装置用リードフレーム。
- 前記基体が、銅、銅合金、鉄、鉄合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
- 少なくとも半田付けを要する部分に、銀、銀合金、スズ、スズ合金、金、または金合金のいずれかからなるめっき層を有してなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置用リードフレームの素材を製造する方法であって、基体の最表面であって少なくとも光半導体素子が発する光を反射する反射領域に銀または銀合金からなる反射層を、電気めっき法、無電解めっき法またはスパッタ法で形成した後、圧延加工を施してめっき組織を塑性変形してなり、めっき組織の前記の圧延加工の加工率を37%以上60%以下とすることを特徴とする、光半導体装置用リードフレーム素材の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置用リードフレームを製造する方法であって、基体の最表面であって少なくとも光半導体素子が発する光を反射する反射領域に銀または銀合金からなる反射層を、電気めっき法、無電解めっき法またはスパッタ法で形成した後、圧延加工を施してめっき組織が塑性変形された光半導体装置用リードフレーム素材を得て、該素材にプレス法もしくはエッチング法により抜き加工を施して、リードフレームを得てなり、めっき組織の前記の圧延加工の加工率を37%以上60%以下とすることを特徴とする、光半導体装置用リードフレームの製造方法。
- 前記抜き加工後に、半田付け性の良好なめっきを部分的に施すことを特徴とする、請求項7に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
- 前記半田付け性の良好なめっきは、少なくとも光半導体素子が発する光を反射する領域以外の領域に施され、前記めっきの成分は、銀、銀合金、スズ、スズ合金、金、または金合金のいずれかであることを特徴とする、請求項8に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
- 光半導体素子と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレームとを具備してなる光半導体装置であって、前記光半導体装置用リードフレームの反射層が、基体の最表面であって少なくとも前記光半導体素子から発生する光を反射する領域に設けられた、かつ、めっき組織が塑性変形された組織を有することを特徴とする光半導体装置。
- 前記光半導体素子の発光波長が340nmから800nmであることを特徴とする、請求項10に記載の光半導体装置。
- 装置から出力される光が白色光であることを特徴とする、請求項10または11に記載の光半導体装置。
- 装置から出力される光が紫外、近紫外または紫光であることを特徴とする、請求項10または11に記載の光半導体装置。
- 請求項10〜13のいずれか1項に記載の光半導体装置を具備してなることを特徴とする照明装置。
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