驚くべきことに、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル単位(ITR)およびカーボネート単位を有するポリエステル-ポリカーボネートポリマーと、エチレンテレフタレート単位および/または1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレートエステル単位(CHDM)を含むポリ(アルキレンエステル)ポリマーとのブレンドを含む熱可塑性組成物は、高い透明性を有することが見出された。該ポリエステル-ポリカーボネートポリマー中のITRエステル単位のモルパーセント値とポリ(アルキレンエステル)ポリマー中のCHDM単位のモルパーセント値との合計が40を超える値である場合、これらポリマーのブレンドは透明である。透明性および所望の機械的特性に加えて、該組成物は望ましく、優れた耐候性を有する。
本明細書において用いられるように、用語「アルキル」は、直鎖または分岐鎖の一価炭化水素基を指し;「アルキレン」は、直鎖または分岐鎖の二価炭化水素基を指し;「アルキリデン」は、両結合価が単一の共通炭素原子上にある、直鎖または分岐鎖の二価炭化水素基を指し;「アルケニル」は、炭素-炭素二重結合によって結合された少なくとも2個の炭素を有する、直鎖または分岐鎖の一価炭化水素基を指し;「シクロアルキル」は、少なくとも3個の炭素原子を有する、非芳香族一価単環式または多環式の炭化水素基を指し;「シクロアルキレン」は、少なくとも1度の不飽和度を有して、少なくとも3個の炭素原子を有する非芳香族脂環式の二価炭化水素基を指し;「アリール」は、芳香族環(単数または複数)中に炭素のみを含む芳香族一価の基を指し;「アリーレン」は、芳香族環(単数または複数)中に炭素のみを含む芳香族二価の基を指し;「アルキルアリール」は、上記に定義した通りのアルキル基で置換されたアリール基を指し、4-メチルフェニルが1つの例示的なアルキルアリール基であり;「アリールアルキル」は、上記に定義した通りのアリール基で置換されたアルキル基を指し、ベンジルが1つの例示的なアリールアルキル基であり;「アシル」は、カルボニル炭素架橋(-C(=O)-)を介して結合されて、示された数の炭素原子を有する上記に定義した通りのアルキル基を指し;「アルコキシ」は、酸素架橋(-O-)を介して結合した、示された数の炭素原子を有する上記に定義した通りのアルキル基を指し、「アリールオキシ」は酸素架橋(-O-)を介して結合した、示された数の炭素原子を有する上記に定義した通りのアリール基を指す。
他に特記されない限り、上述の基のそれぞれは、非置換であるかまたは置換されていてよく、ただし、該置換は、該化合物の合成、安定性、または使用に著しく悪影響を与えないものとする。本明細書において用いられるような用語「置換された」は、指定された原子または基上の1個または複数の水素が、別の基で置換され、ただし、指定された原子の正規の原子価を超えないことを意味する。該置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、該原子上の2個の水素が置換される。置換基および/または可変物の組合せは、該置換が該化合物の合成または使用に著しく悪影響を与えない限り、許容される。
該熱可塑性組成物は、ポリカーボネートを含むコポリマーを含む。本明細書において用いられるように、用語「ポリカーボネート」および「ポリカーボネート樹脂」は、式(1):
(式中、R1基の総数の少なくとも60パーセントは芳香族有機基であり、その残りは脂肪族、脂環式、または芳香族基である)
の繰返し構造のカーボネート単位を有する組成物を意味する。1つの実施形態において、それぞれのR1は、芳香族有機基である。別の実施形態において、それぞれのR1は、式(2):
(式中、A1およびA2のそれぞれは、単環式の二価アリール基であり、Y1は、A1をA2から隔てる1個または2個の原子を有する架橋基である)
の基である。1つの例示的な実施形態において、1個の原子がA1をA2から隔てる。この種の基の具体的で、非限定的な例は、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O2)-、-C(O)-、メチレン、シクロヘキシルメチレン、2-[2.2.1]-ビシクロヘプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、およびアダマンチリデンである。該架橋基Y1は、炭化水素基または飽和炭化水素基、例えば、メチレン、シクロヘキシリデン、もしくはイソプロピリデンであってもよい。別の実施形態において、Y1は、A1とA2を結合する炭素-炭素結合(-)である。
ポリカーボネートは、式HO-R1-OHを有するジヒドロキシ化合物の界面反応によって製造することができ、この式には、式(3):
(式中、Y1、A1およびA2は、上記に定義した通りである)
のジヒドロキシ芳香族化合物が含まれる。また、一般式(4):
(式中、RaおよびRbは、それぞれハロゲン原子または一価炭化水素基を表し、同じかまたは異なっていてもよく;pおよびqは、それぞれ独立して、0から4の整数であり;Xaは、式(5):
(式中、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素原子または一価の直鎖アルキルもしくは環式アルキレン基を表し、Rcは、二価炭化水素基である)
の基の1個を表す)のビスフェノール化合物も含む。別の実施形態において、RcおよびRdは、環式アルキレン基;あるいは、炭素原子、2もしくはそれを超える原子価を有するヘテロ原子、または、少なくとも1個のヘテロ原子および少なくとも2個の炭素原子を含む組合せを含むヘテロ原子含有環式アルキレン基を表す。ヘテロ原子含有環式アルキレン基における使用に好適なヘテロ原子には、-O-、-S-、および-N(Z)-などが含まれ、ここで、Zは、水素、ヒドロキシ、C1〜12アルキル、C1〜12アルコキシ、またはC1〜12アシルから選択される置換基である。存在する場合、環式アルキレン基またはヘテロ原子含有環式アルキレン基は、3から20個の原子を有してもよく、単一の飽和環系もしくは不飽和環系、または縮合環が飽和、不飽和、もしくは芳香族である縮合多環式環系であってもよい。
好適なポリカーボネートにはさらに、アルキルシクロヘキサン単位含有ビスフェノール由来のものなどが含まれる。このようなポリカーボネートは、式(6):
(式中、Ra〜Rdは、それぞれ独立して、水素、C1〜12アルキル、またはハロゲンであり;置換基Re〜RiおよびRe'〜Ri'は、それぞれ独立して、水素またはC1〜12アルキルである)
に対応する構造単位を有する。該置換基は、脂肪族もしくは芳香族、直鎖、環式、二環式、分岐、飽和または不飽和であってもよい。特定の実施形態において、アルキルシクロヘキサン含有ビスフェノール(例えば、2モルのフェノールと1モルの水素化イソホロンとの反応生成物)は、高いガラス転移点温度および高い熱歪み温度を有するポリカーボネートポリマーを製造するために有用である。このようなイソホロンビスフェノール含有ポリカーボネートは式(6)に対応し、ここで、Rf、Rf'、およびRhのそれぞれは、メチル基であり;Re、Re'、Rg、Rg'、Rh'、Ri、およびRi'は、それぞれ水素であり;Ra〜Rdは、上記に定義した通りである。これらのイソホロンビスフェノールベースのポリマー(非アルキルのシクロヘキサンビスフェノールおよび、ポリカーボネートを含むアルキルシクロヘキシルビスフェノールと非アルキルのシクロヘキシルビスフェノールポリカーボネートとのブレンドを含んで製造されたポリカーボネートコポリマーを含む)は、Bayer Co.からAPEC(登録商標)の商品名のもとで供給される。
好適なジヒドロキシ化合物のいくつかの具体的で、非限定的な例には以下が含まれる:4,4'-ジヒドロキシビフェニル、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルメタン、1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン、1,1-ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、トランス-2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アダマンティン、(α,α'-ビス(4-ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-エチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-n-プロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-イソプロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-sec-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1-ジクロロ-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1-ジブロモ-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1-ジクロロ-2,2-ビス(5-フェノキシ-4-ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1,6-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,6-ヘキサンジオン、エチレングリコールビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フッ素、2,7-ジヒドロキシピレン、6,6'-ジヒドロキシ-3,3,3',3'-テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フタリド、2,6-ジヒドロキシジベンゾ-p-ジオキシン、2,6-ジヒドロキシチアントレン、2,7-ジヒドロキシフェノキサチン、2,7-ジヒドロキシ-9,10-ジメチルフェナジン、3,6-ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6-ジヒドロキシジベンゾチオフェン、および2,7-ジヒドロキシカルバゾールなど、ならびに上記ジヒドロキシ化合物を少なくとも1種含む組合せ。
式(3)によって表されるビスフェノール化合物の種類の特定の例には、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以後「ビスフェノールA」または「BPA」)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2-フェニル-3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フタルイミジン(PPPBP)、および1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-エチルフェニル)シクロヘキサン(DMBPC)などが含まれる。上記ジヒドロキシ化合物を少なくとも1種含む組合せも用いることができる。
別のジヒドロキシ芳香族基R1は、式(7):
(式中、それぞれのRfは、独立して、ハロゲン原子、C1〜12炭化水素基、またはC1〜12ハロゲン置換炭化水素基であり、pは0から4である)
のジヒドロキシ芳香族化合物由来である。該ハロゲンは、通常臭素である。式(7)によって表され得る化合物の例には、レゾルシノール、置換レゾルシノール化合物、例えば、5-メチルレゾルシノール、5-エチルレゾルシノール、5-プロピルレゾルシノール、5-ブチルレゾルシノール、5-t-ブチルレゾルシノール、5-フェニルレゾルシノール、5-クミルレゾルシノール、2,4,5,6-テトラフルオロレゾルシノール、2,4,5,6-テトラブロモレゾルシノールなど;カテコール;ヒドロキノン;置換ヒドロキノン、例えば、2-メチルヒドロキノン、2-エチルヒドロキノン、2-プロピルヒドロキノン、2-ブチルヒドロキノン、2-t-ブチルヒドロキノン、2-フェニルヒドロキノン、2-クミルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラメチルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラフルオロヒドロキノン、2,3,5,6-テトラブロモヒドロキノンなど;または上記化合物を少なくとも1種含む組合せが含まれる。
本明細書において用いられるような「ポリカーボネート」および「ポリカーボネート樹脂」にはさらに、ホモポリカーボネート、カーボネートにおいて異なるR1部分を含むコポリマー(本明細書において「コポリカーボネート」と称する)、カーボネート単位および他の種類のポリマー単位、例えば、エステル単位を含むコポリマー、ならびにホモポリカーボネートおよびコポリカーボネート1種または複数を含む組合せなどが含まれる。本明細書において用いられる場合、「組合せ」には、ブレンド、混合物、アロイ、反応生成物などが包含される。
特定の実施形態において、用いられる場合、該ポリカーボネートは、A1およびA2のそれぞれが、p-フェニレンであり、Y1がイソプロピリデンであるビスフェノールA由来の線状ホモポリマーであり得る。該ポリカーボネートは、クロロホルム中25℃で測定して、グラム当たり0.3から1.5デシリットル(dl/g)、特に0.45から1.0dl/gの固有粘度を有し得る。ミリリットル当たり1ミリグラムの試料濃度で、架橋スチレン-ジビニルベンゼンカラムを用いるゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定、およびポリカーボネート標準で較正して、該ポリカーボネートは、10,000から100,000の重量平均分子量(Mw)を有し得る。
1つの実施形態において、該ポリカーボネートは、薄い物品の製造に適した流動特性を有する。メルトボリュームフローレート(しばしばMVRと略される)は、所定の温度および荷重でオリフィスを通る熱可塑性樹脂の押出速度を測定する。薄い物品の形成に適したポリカーボネートは、ASTM D1238-04に従って300℃/1.2kgで測定して、10分当たり0.5から80立方センチメートル(cc/10分)のMVRを有する。特定の実施形態において、好適なポリカーボネート組成物は、ASTM D1238-04に従って300℃/1.2kgで測定して、0.5から50cc/10分、特に0.5から25cc/10分、より特に1から15cc/10分のMVRを有する。異なる流動特性のポリカーボネートの混合物は、全体として所望の流動特性を得るために用いることができる。
該ポリカーボネートは、ASTM D1003-00に従って2.5ミリメートル厚みで測定して、55%に等しいかそれを超える、特に60%に等しいかそれを超えるおよびより特に70%に等しいかそれを超える光透過率を有し得る。該ポリカーボネートはまた、ASTM D1003-00に従って2.5ミリメートル厚みで測定して、50%に等しいかそれ未満、特に40%に等しいかそれ未満、最も特に30%に等しいかそれ未満のヘーズを有する。
該熱可塑性組成物は、ポリエステル-ポリカーボネート(ポリエステルカーボネートとしても知られる)、コポリエステル-ポリカーボネート、およびコポリエステルカーボネートを含む。このようなコポリマーはさらに、式(1)の繰返しカーボネート鎖単位に加えて、式(8):
(式中、Dは、ジヒドロキシ化合物由来の二価基であり、例えば、C2〜10アルキレン基、C6〜30脂環式基、C6〜30芳香族基またはポリオキシアルキレン基であり得、ここでアルキレン基は、2から6個の炭素原子、特に2、3、または4個の炭素原子を含み; Tは、ジカルボン酸由来の二価基であり、例えば、C2〜10アルキレン基、C6〜30脂環式基、C6〜30アルキル芳香族基、またはC6〜30芳香族基であり得る)
の繰返し単位を含む。
1つの実施形態において、Dは、C2〜6アルキレン基である。別の実施形態において、Dは、上記式(4)の芳香族ジヒドロキシ化合物由来である。別の実施形態において、Dは、上記式(7)の芳香族ジヒドロキシ化合物由来である。
該ポリエステルを調製するために用いられ得る芳香族ジカルボン酸の例には、イソフタル酸もしくはテレフタル酸、1,2-ジ(p-カルボキシフェニル)エタン、4,4'-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4'-ビス安息香酸、および上記酸を少なくとも1種含む混合物が含まれる。縮合環を含む酸は、1,4-、1,5-、または2,6-ナフタレンジカルボン酸中などに存在することもできる。特定のジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、またはその混合物である。特定のジカルボン酸には、イソフタル酸およびテレフタル酸の混合物が含まれ、ここで、イソフタル酸対テレフタル酸の重量比は、91:1から2:98である。もう特定の実施形態において、Dは、C2〜6アルキレン基であり、Tは、p-フェニレン、m-フェニレン、ナフタレン、二価脂環式基、またはその混合物である。
1つの実施形態において、該ポリアリレートには、式(9):
(式中、Rfおよびpは、前に式(7)について定義されており、mは、1に等しいかまたはそれを超える)
に示されたようなレゾルシノールアリレートポリエステルが含まれる。pが0の場合、Rfは水素である。1つの実施形態において、mは2から500である。別の実施形態において、イソフタレート対テレフタレートのモル比は、約0.25:1から約4.0:1であり得る。
1つの実施形態において、有用な芳香族ポリエステルブロックには、例えば、ポリ(イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノール)エステル、ポリ(イソフラレート-テレフタレート-ビスフェノール-A)エステル、ポリ[(イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノール)エステル-co-(イソフタレート-テレフタレート-ビスフェノールA)]エステル、またはこれらを少なくとも1種含む組合せなどが含まれる。コポリエステルを製造するために脂肪族二酸および/または脂肪族ポリオール由来の単位の少量、例えば、約0.5から約10重量パーセントを有する芳香族ポリエステルも企図される。
該エステル単位に加えて、該ポリエステル-ポリカーボネートには、上記式(1)に記載されたようなカーボネート単位が含まれる。1つの実施形態において、式(1)のカーボネート単位は、式(7)、式(4)、式(7)の芳香族ジヒドロキシ化合物由来、または上記ジヒドロキシ化合物を少なくとも1種含む組合せであり得る。1つの実施形態において、特定のカーボネート単位は、ビスフェノールAカーボネートおよび/またはレゾルシノールカーボネート単位由来である。
したがって、1つの実施形態において、該ポリエステル-ポリカーボネートは、式(10):
(式中、Rf、p、およびmは、式(9)に定義された通りであり、それぞれのR1は、独立して、C6〜30アリーレン基であり、nは、1に等しいかそれを超える)
に示される構造を有する。1つの実施形態において、mは2から500であり、nは2から500である。特定の実施形態において、mは3から300であり、nは3から300である。
特に、ポリエステル-ポリカーボネートのポリエステル単位は、イソフタル二酸およびテレフタル二酸(またはその誘導体)とレゾルシノール、ビスフェノールAとの組合せ、またはこれらの少なくとも1種を含む組合せの反応から誘導され得、ここで、イソフタレート単位対テレフタレート単位のモル比は、91:9から2:98、特に85:15から3:97、より特に80:20から5:95、およびなおより特に70:30から10:90である。0:100から99:1のレゾルシノールカーボネート単位対ビスフェノールAカルボネート単位のモル比において、レゾルシノールおよび/またはビスフェノールAから該ポリカーボネート単位は誘導され得る。1つの実施形態において、該ポリエステル-ポリカーボネートポリマーには、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノール(ITR)エステル単位が含まれる。本明細書において用いられるように、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル単位には、イソフタレートエステル、テレフタレートエステル、およびレゾルシノールエステルの組合せが含まれる。特定の実施形態において、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル単位には、イソフタレート-レゾルシノールエステル単位およびテレフタレート-レゾルシノールエステル単位の組合せが含まれる。該ポリエステル-ポリカーボネート中のITRエステル単位対カーボネート単位の比は、1:99から99:1、特に5:95から95:5、より特に10:90から90:10、なおより特に20:80から80:20である。特定の実施形態において、該ポリエステル-ポリカーボネートは、ポリ(イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル)-co-(ビスフェノール-Aカーボネート)ポリマーである。
他の樹脂を本明細書に記載された熱可塑性組成物において用いてもよいことが企図されているが、ITRエステル単位およびカーボネート単位を有する該ポリエステル-ポリカーボネートポリマーが、本明細書において熱可塑性組成物における使用に特に適している。したがって、別の実施形態において、ポリエステル-ポリカーボネートのコポリマーは、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル単位およびカーボネート単位から構成される。
該ポリエステル-ポリカーボネートは、1,500から100,000、特に1,700から50,000、より特に2,000から40,000の重量平均分子量(Mw)を有し得る。分子量の測定は、架橋スチレン-ジビニルベンゼンカラムを用いて、BPA-ポリカーボネート対照標準に対して較正して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて行う。試料は、約1mg/mlの濃度で調製し、約1.0ml/分の流量で溶出する。
コポリマーにおける好適なポリカーボネートまたはポリカーボネートのブロックは、界面重合および溶融重合などの方法によって製造することができる。界面重合に対する反応条件は変り得るが、例示的な方法には一般に、二価フェノール反応剤を苛性ソーダ水溶液または炭酸カリウム水溶液中に溶解または分散させる段階、得られた混合物を好適な水不混和性の溶媒に加える段階、および制御されたpH条件、例えば、8から10のもとでトリエチルアミンまたは相間移動触媒などの好適な触媒の存在下、該反応物質とカーボネート前駆体とを接触させる段階が含まれる。最も普通に使用される水不混和性溶媒には、メチレンクロライド、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエンなどが含まれる。好適なカーボネート前駆体には、ハロゲン化カルボニル、例えば、臭化カルボニルもしくは塩化カルボニル、またはハロホルメート、例えば、二価フェノールのビスハロホルメート(例えば、ビスフェノールA、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメート)もしくはグリコール(例えば、エチレングリコール、ネトペンチルグリコール、ポリエチレングリコールなどのビスハロホルメート)が含まれる。カーボネート前駆体の上述の種類の少なくとも1種を含む組合せも用いることができる。連鎖停止剤(キャップ剤ともいう)は、重合中に含まれ得る。この連鎖停止剤は、分子量成長速度を制限し、そのようにポリカーボネートの分子量を制御する。連鎖停止剤は、モノフェノール化合物、モノカルボン酸クロライド、および/またはモノクロロホルメートの少なくとも1種であり得る。連鎖停止剤がポリカーボネートと一緒に取り込まれる場合、該連鎖停止剤も、末端基といい得る。
例えば、連鎖停止剤として好適なモノフェノール化合物には、単環式フェノール、例えば、フェノール、C1〜C22アルキル置換フェノール、p-クミルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、ヒドロキシジフェニル;ジフェノールのモノエーテル、例えば、p-メトキシフェノールなどがある。アルキル置換フェノールには、8から9個の炭素原子を有する分岐鎖アルキル置換基を有するものが含まれる。モノフェノールUV吸収剤は、キャップ剤として用いることができる。このような化合物には、4-置換-2-ヒドロキシベンゾフェノンおよびそれらの誘導体、アリールサリチレート、ジフェノールのモノエステル、例えば、レゾルシノールモノベンゾエート、2-(2-ヒドロキシアリール)-ベンゾトリアゾールおよびそれらの誘導体、2-(2-ヒドロキシアリール)-1,3,5-トリアジンおよびそれらの誘導体などが含まれる。特に、モノフェノール連鎖停止剤には、フェノール、p-クミルフェノール、および/またはレゾルシノールモノベンゾエートが含まれる。
モノカルボン酸クロライドも連鎖停止剤として好適であり得る。これらには、単環式モノカルボン酸クロライド、例えば、ベンゾイルクロライド、C1〜C22アルキル置換ベンゾイルクロライド、4-メチルベンゾイルクロライド、ハロゲン置換ベンゾイルクロライド、ブロモベンゾイルクロライド、シンナモイルクロライド、4-ナジミドベンゾイルクロライド、およびその混合物;多環式モノカルボン酸クロライド、例えば、トリメリット酸無水物クロライド、およびナフトイルクロライド;ならびに単環式および多環式のモノカルボン酸クロライドの混合物が含まれる。22個までの炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸のクロライドは好適である。脂肪族モノカルボン酸の官能基化されたクロライド、例えば、アクリロイルクロライドおよびメタクリロイルクロライドも好適である。モノクロロホルメート、例えば、単環式モノクロロホルメート、例えば、フェニルクロロホルメート、アルキル置換フェニルクロロホルメート、p-クミルフェニルクロロホルメート、トルエンクロロホルメート、およびその混合物も好適である。
界面重合において用いられ得る相間移動触媒の中には、式(R3)4Q+Xの触媒があり、ここで、それぞれのR3は、同じかまたは異なっており、C1〜10アルキル基であり;Qは、窒素またはリン原子であり;Xは、ハロゲン原子またはC1〜8アルコキシ基もしくはC6〜18アリールオキシ基である。好適な相間移動触媒には、例えば、[CH3(CH2)3]4NX、[CH3(CH2)3]4PX、[CH3(CH2)5]4NX、[CH3(CH2)6]4NX、[CH3(CH2)4]4NX、CH3[CH3(CH2)3]3NX、およびCH3[CH3(CH2)2]3NXなどがあり、ここで、XはCl-1、Br-、C1〜8アルコキシ基またはC6〜18アリールオキシ基である。1つの実施形態において、特に有用な相間移動触媒は、CH3[CH3(CH2)3]3NCl(メチルトリ-n-ブチルアンモニウムクロライド)である。相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物におけるビスフェノールの重量に基づいて0.1から10重量%であり得る。別の実施形態において、相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化混合物におけるジヒドロキシ化合物の重量に基づいて0.5から2重量%であり得る。
他に、溶融方法は、ポリカーボネートまたはポリカーボネートブロックを製造するために用いることができる。一般に、溶融重合法において、均一な分散液を形成するためにバンバリー(Banbury)(登録商標)ミキサー、二軸押出機などにおいてエステル交換触媒の存在下、ジヒドロキシ反応物質(単数または複数)およびジアリールカーボネートエステル、例えば、ジフェニルカーボネートを、溶融状態で共反応させることによって、ポリカーボネートを調製することができる。揮発性一価フェノールは、蒸留によって溶融反応物質から除去され、該ポリマーは溶融残留物として単離される。ポリカーボネートを製造するために特に有用な溶融法は、アリール上に電子求引性置換基を有するジアリールカーボネートエステルを用いる。電子求引性置換基を有する特に有用なジアリールカーボネートエステルの例には、ビス(4-ニトロフェニル)カーボネート、ビス(2-クロロフェニル)カーボネート、ビス(4-クロロフェニル)カーボネート、ビス(メチルサリチル)カーボネート(BMSC)、ビス(4-メチルカルボキシルフェニル)カーボネート、ビス(2-アセチルフェニル)カルボキシレート、ビス(4-アセチルフェニル)カルボキシレート、またはこれらの少なくとも1種を含む組合せが含まれる。さらに、使用に好適なエステル交換触媒には、上記式(R3)4Q+Xの相間移動触媒などが含まれ得、ここで、それぞれのR3、Q、およびXは、上記に定義した通りである。好適なエステル交換触媒の例には、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化メチルトリブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムアセテート、水酸化テトラブチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムフェノレート、またはこれらを少なくとも1種含む組合せなどがある。
線状ポリカーボネートと分岐ポリカーボネートとのブレンドのみならず、分岐ポリカーボネートもまた有用である。該分岐ポリカーボネートは、重合中に分岐剤を加えることによって調製することができる。これらの分岐剤には、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸無水物、ハルホルミル、上述の官能基の混合物から選択される少なくとも3個の官能基を含む多官能有機化合物が含まれる。特定の例には、トリメリット酸、トリメリット酸無水物、トリメリット酸トリクロライド、トリス-p-ヒドロキシフェニルエタン、イサチン-ビス-フェノール、トリス-フェノールTC(1,3,5-トリス((p-ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリス-フェノールPA(4(4(1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)エチル)α,α-ジメチルベンジル)フェノール)、4-クロロホルミルフタル酸無水物、トリメシン酸、およびベンゾフェノンテトラカルボン酸などがある。この分岐剤は、ポリカーボネートの0.05から2.0重量%のレベルで添加することができる。すべての種類のポリカーボネート末端基が、該ポリカーボネートにおいて有用であると企図されるが、このような末端基が該熱可塑性組成物の所望の特性に著しく悪影響を与えないことを条件とする。
上記ポリエステル-ポリカーボネートポリマーに加えて、該熱可塑性組成物は、ポリエステルも含む。好適なポリエステルには、式(8)の繰返し単位を有するポリエステルが含まれる。有用なポリエステルには、芳香族ポリエステル、ポリ(アルキレンエステル) (ポリ(アルキレンアリレート)を含む)、およびポリ(シクロアルキレンジエステル)が含まれてもよい。芳香族ポリエステルは、式(8)に従うポリエステル構造を有し得、ここで、DおよびTは、それぞれ上文に記載したような芳香族基である。
1つの実施形態において、該熱可塑性組成物には、ポリ(アルキレンエステル)が含まれる。ポリ(アルキレンエステル)は、式(8)に従うポリエステル構造を有し、ここで、Tは、芳香族ジカルボキシレート、脂環式ジカルボン酸、またはその誘導体由来の基を含む。特に有用なTの基の例には、1,2-、1,3-、および1,4-フェニレン;1,4-および1,5-ナフチレン;シス-またはトランス-1,4-シクロヘキシレンなどが含まれる。したって、式(8)において、Tが1,4-フェニレンである場合、該ポリ(アルキレンエステル)はポリ(アルキレンテレフタレート)である。さらに、ポリ(アルキレンアリレート)について、特に有用なアルキレン基のDには、例えば、エチレン、1,4-ブチレン、およびビス-(アルキレン-二置換シクロヘキサン)(シス-および/またはトランス-1,4-(シクロヘキシレン)ジメチレンを含む)が含まれる。
ポリ(アルキレンテレフタレート)の例には、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)(PBT)、およびポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)が含まれる。ポリ(アルキレンナフトエート)、例えば、ポリ(エチレンナフタノエート)(PEN)およびポリ(ブチレンナフタノエート)も有用である。特に好適なポリ(シクロアルキレンジエステル)は、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)(PCT)である。上記ポリエステルを少なくとも1種含む組合せも用いることができる。
他の好適なエステル基を有するアルキレンテレフタレート繰返しエステル単位を含むコポリマーが有用である。特に有用なエステル単位には、異なるアルキレンテレフタレート単位が含まれ、これは、個々の単位として、またはポリ(アルキレンテレフタレート)のブロックとしてポリマー鎖中に存在し得る。1つの実施形態において、アルキレンテレフタレートエステル単位のコポリマーには、式(8)のエチレンテレフタレート単位(ここで、Tは1,4-フェニレン基であり、Dはエチレンである);および、式(8)の1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(ET)エステル単位(ここでTは1,4-フェニレン基であり、Dは1,4-シクロヘキサンジメチレン(CHDM)エステル基である)が含まれる。該ETエステル単位およびCHDMエステル単位を含むコポリマーは、1:99から99:1、特に5:95から95:5、より特に10:90から90:10、およびなおより特に20:80から80:20のモル比で存在するこれらの単位を有し得る。さらに追加的なアルキレンエステル単位がアルキレンテレフタレート中に存在していてもよいことも企図される。
他の樹脂が本明細書に記載された熱可塑性組成物に用いられ得ることが企図される一方、ETエステル単位およびCHDMエステル単位を有するポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーは、本明細書において熱可塑性組成物の使用に特に好適である。したがって、別の実施形態において、アルキレンテレフタレートエステル単位のコポリマーは、式(8)のエチレンテレフタレート単位(ここで、Tは1,4-フェニレン基であり、Dはエチレンである);および式(8)の1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(ET)エステル単位(ここで、Tは1,4-フェニレン基であり、Dは1,4-シクロヘキサンジメチレン(CHDM)エステル基である)から本質的になる。他の実施形態において、該ポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーにはまた、アルキレンイソフタレート単位(ここで、アルキレンイソフタレート単位対アルキレンテレフタレート単位のモル比は、99:1から1:99である)が含まれることが企図される。該ETエステル単位およびCHDMエステル単位からなるコポリマーは、1:99から99:1、特に5:95から95:5、より特に10:90から90:10、およびなおより特に20:80から80:20のモル比で存在するこれらの単位を有し得る。
このようなコポリマーの特に好適な例には、ポリ(エチレンテレフタレート)-co-(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)が含まれ、該ポリマーに50モル%に等しいかそれを超えるエチレンテレフタレートエステル単位が含まれる場合、PETGと略され、該ポリマーに、50モル%を超える1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレートエステル単位が含まれる場合、PCTGと略される。
このポリエステルは、上記のような界面重合もしくは溶融処理縮合、溶液相縮合、またはエステル交換重合によって得ることができ、ここで、例えば、ジメチルテレフタレートなどのジアルキルエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)を生成するために酸触媒を用いてエチレングリコールとエステル交換され得る。分岐剤(例えば、3個以上のヒドロキシル基を有するグリコールまたは3官能もしくは多官能カルボン酸)が取り込まれた分岐ポリエステルを用いることができる。さらに、該組成物の最終末端用途に依存して、該ポリエステル上に様々な濃度の酸およびヒドロキシル末端基を有することが時に望ましい。本明細書に記載されたポリエステルは、ブレンドされる場合、一般に、該ポリカーボネートと完全に混和性である。脂環式ポリエステルは一般に、ジオールと二塩基酸または誘導体との反応によって調製される。
該ポリエステルポリマーの調製に有用なジオールは、直鎖、分岐、または脂環式であり、2から12個の炭素原子を含み得る。好適なジオールの例には、エチレングリコール;プロピレングリコール、例えば、1,2-および1,3-プロピレングリコール;ブタンジオール、例えば、1,3-および1,4-ブタンジオール;ジエチレングリコール;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール;2-エチル-および2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,3-および1,5-ペンタンジオール;ジプロピレングリコール;2-メチル-1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;1,4-シクロヘキサンジメタノールならびに特にそのシス-およびトランス-異性体;トリエチレングリコール;1,10-デカンジオール、および上記ジオールを少なくとも1種含む組合せが含まれる。ジメタノールビシクロオクタン、ジメタノールデカリン、脂環式ジオールまたはその化学的同等物、および特に1,4-シクロヘキサンジメタノールまたはその化学的同等物が、特に有用である。1,4-シクロヘキサンジメタノールが該ジオール成分として用いられるべき場合、約1:4から約4:1の比のシス-対トランス-異性体の混合物を用いることができる。特に、約1:3のシス-対トランス-異性体の比が有用であり得る。
脂環式ポリエステルポリマーの調製に有用な二酸は、それぞれが飽和環において飽和炭素に結合している2個のカルボキシル基を有するカルボン酸を含む脂肪族二酸である。脂環式酸の好適な例には、デカヒドロナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロオクタンジカルボン酸が含まれる。特に有用な脂環式二酸には、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸およびトランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などがある。直鎖脂肪族二酸も有用であるが、該ポリエステルが脂環式環を含む少なくとも1つのモノマーを有することを条件とする。直鎖脂肪族二酸の具体的な例は、コハク酸、アジピン酸、ジメチルコハク酸、およびアゼライン酸である。二酸およびジオールの混合物も、脂環式ポリエステルを製造するために用いることができる。
シクロヘキサンジカルボン酸およびそれらの化学的同等物は、例えば、炭素およびアルミナを含む担体上に支持されたロジウムなどの触媒を用いて、好適な溶媒(例えば、水または酢酸)中、室温および大気圧でシクロ芳香族二酸と、対応する誘導体、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸またはナフタレン酸の水素化によって調製することができる。これらはまた、不活性液体媒体の使用によって調製することができ、ここで、酸は反応条件下で少なくとも部分的に溶解性であり、カーボンまたはシリカ中のパラジウムまたはルテニウムの触媒を用いる。
一般に、水素化の間に、カルボン酸基がシス-またはトランス-位置にある2以上の異性体が得られる。このシス-およびトランス-異性体は、溶媒、例えば、n-ヘプタンを有するもしくは有しない結晶化、または蒸留によって分離することができる。このシス-異性体は、より混和性である傾向があるが、トランス-異性体は、より高い融解温度および結晶化温度を有し、特に好適である。シス-およびトランス-異性体の混合物も用いることができる。トランス-対シス-異性体の重量比は、約75:25であり得る。異性体の混合物または1を超える二酸を用いる場合、コポリエステルまたは2つのポリエステルの混合物を、脂環式ポリエステルポリマーとして用いることができる。
該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)のブレンドは、望ましくは、ASTM D1238-04に従って300℃および1.2キログラムの荷重で測定して、約5から約150cc/10分、特に約7から約125cc/10分、より特に約9から約110cc/10分、およびなおより特に約10から約100cc/10分のメルトボリュームレートを有する。
したがって、1つの実施形態において、該熱可塑性組成物は、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノール単位およびカーボネート単位を含むポリエステル-ポリカーボネートポリマーならびにポリ(アルキレンエステル)を含み、ここで、ポリエステル-ポリカーボネートとポリ(アルキレンエステル)との重量比は、20:80から80:20、特に25:75から75:25、およびより特に30:70から70:30である。
80モル%のCHDMエステル単位および20モル%のエチレンテレフタレートエステル単位(すなわち、PCTGポリマー)を有するポリ(エチレンテレフタレート)ポリマー、および100モル%のCHDM(すなわち、PCTポリマー)を有するポリ(エチレンテレフタレート)ポリマーとブレンドされる場合、ポリカーボネートは、80%に等しいかそれを超える光透過率、および5%未満のヘーズを有する透明なブレンドを形成することが観察された。しかし、PCTGポリマーにおいてCHDMのモルパーセントが低下するにつれて、ポリカーボネートのブレンドは不透明になる。ITRエスエルおよびカーボネート単位の総数の40モル%のITRエステル単位を有するポリエステル-ポリカーボネートは、ポリ(エチレンテレフタレート)(0モル%のCHDM)とブレンドされた場合、透明なブレンドを形成することが観察された。しかし、該ポリエステル-ポリカーボネートポリマー中のITRエステル単位のモルパーセント値とポリ(アルキレンエステル)ポリマー中に存在し得る任意のCHDM単位のモルパーセント値との合計が40未満の値である場合、ITRエステル単位を含むポリエステル-ポリカーボネートのブレンドは、CHDMエステル単位を有するPETまたはPETGコポリマーと不混和性のブレンドを形成することが見出された。
発明の作用の仕方の説明を提供することは必要とされない一方、このような理論は、読者が本発明を理解するのをより良く助ける目的に有用であるかもしれない。したがって、本発明の特許請求の範囲は、以下の作用の理論によって限定されるべきでないことが理解されるべきである。分子スケールで、ポリエステル-ポリカーボネートの透明度およびヘーズの双方は、該ポリマー鎖内のポリエステルブロックの数、該ポリエステルブロックの平均の大きさ(すなわち、いくつかの繰返しエステル単位の連続的な一続き)、該ポリマー鎖中のポリエステルブロックのランダムもしくは非ランダム分布、またはこれらの要因の1つもしくは複数の組合せに関係すると考えられる。コポリマー内のポリエステルブロックのよりランダムな分布は、より高い透明度およびより小さいヘーズに寄与すると考えられる。ブレンドされたポリマー内のポリエステルブロックが、周囲のポリマーマトリックスと異なる屈折率を有する結晶性ドメインを形成する場合、低い透明度、すなわち、高いヘーズおよび低い光透過率が観察されると考えられる。十分な大きさ(20nmおよびそれを超える)ドメインが形成し得る。これらのドメインは、入射光線を散乱させるように働き、裸眼によって、および/または分光法を用いてかすんだように観察され得、この後者は、結晶性ドメインを特徴づけし、ヘーズの量を定量化するために用いることができる。本開示において、20モル%のITRから80モル%のITRの範囲を含むポリエステルポリカーボネートは、ポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーとの透明なブレンドを与えることも見出される。
驚くべきことに、イソフタレート-テレフタレート-レソルシノールエステル単位(ITR)およびカーボネート単位を有するポリエステル-ポリカーボネートポリマーと、エチレンテレフタレート単位および/または1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレートエステル単位(CHDM)を含むポリ(アルキレンエステル)ポリマーとのブレンドを含む熱可塑性組成物が、高い透明度を有することが見出された。該ポリエステル-ポリカーボネートポリマー中のイソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル単位のモルパーセントと、ポリ(アルキレンエステル)ポリマー中の1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位のモルパーセントとの合計が、40を超える値である場合、これらのポリマーのブレンドは透明である。1つの例示的な実施形態において、20モル%のITRエステル単位を有するポリエステル-ポリカーボネートポリマーは、全体の組成範囲(すなわち、1:99から99:1のポリ(ITR-エステル)-ポリカーボネート対PETGの重量比)にわたって、70モル%のETエステル単位および30モル%のCHDMエステル単位を含むPETGコポリマーと混和性である。対照的に、ビスフェノール-Aカーボネート単位のみを有するポリカーボネートは、不透明なブレンドを与える。したがって、該ポリエステル-ポリカーボネートのITRエステル含量を増加させると、該ブレンド組成物の透明度を改善することができる。有利には、ポリエステル-ポリカーボネートポリマーの使用は、ポリマーのフォト-フライス(Photo-Fries)光分解による風化作用に対する耐性を与え、したがって、透明度に加えて、該熱可塑性組成物のための改善された機械的性能および耐候性の組合せを与える。
ポリ(エチレンテレフタレート)ポリマーでは、結晶性ドメインの比較的迅速な形成が行われ得、一方ポリ(1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)は、かなり遅い結晶化速度を有し得、したがって、より不定形な構造を与える。したがって、CHDMエステル単位を含むポリ(アルキレンエステル)の使用は、PETホモポリマーと比較した場合、結晶性ドメインの形成の比較的遅い反応速度によって、結晶性ドメインの大きさおよび数を減少させ得ると考えられる。該ポリ(アルキレンテレフタレート)中のCHDMエステル単位の含量を増加させると、これらのドメインの形成に対する有利性が対応して低下し、それにより、ますます不定形の特徴、したがって、より良好な混和性およびより高い透明度を有するポリ(アルキレンエステル)ポリマー与える。しかし、CHDM含量が極めて高いレベル(例えば、70モル%またはそれを超える)に増加する場合、該ポリマーが結晶化する傾向は、実際に増加し得、したがって、このようなブレンドに対する処理運転時間枠は狭くなり得る。
1つの実施形態において、該熱可塑性組成物は、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノール(ITR)エステル単位を含むポリエステル-ポリカーボネートと、エチレンテレフタレート単位、1,4-シクロヘキシレンジメチレン単位、またはエチレンテレフタレート単位および1,4-シクロヘキシレンジメチレン単位を含む組合せを含むポリ(アルキレンエステル)とを含む。この組成物は、これらのポリマーのブレンドであり、ここで、該ポリエステル-ポリカーボネートポリマー中のイソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル単位のモルパーセントと、該ポリ(アルキレンエステル)ポリマー中の1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位のモルパーセントとの合計が、40を超える、特に45に等しいかそれを超える、より特に50に等しいかそれを超える、およびなおより特に55に等しいかそれを超える値である。さらに、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)を含む該熱可塑性組成物は、これらのポリマーのブレンドであり、ここで、該ポリエステル-ポイカーボネートポリマー中のイソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル単位のモルパーセントと、該ポリ(アルキレンエステル)中の1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位のモルパーセントとの合計が、200未満、特に195に等しいかそれ未満、より特に190に等しいかそれ未満、およびなおより特に180に等しいかそれ未満の値である。別の実施形態において、該熱可塑性組成物は、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノール(ITR)エステル単位を含むポリエステル-ポリカーボネートと、エチレンテレフタレート単位、1,4-シクロヘキシレンジメチレン単位、またはエチレンテレフタレート単位および1,4-シクロヘキシレンジメチレン単位を含む組合せを含むポリ(アルキレンエステル)とから本質的になる。
試験用の物品が成形される該熱可塑性組成物は、通常、ポリカーボネート含有組成物と一緒に含まれる添加剤、例えば、離型剤および酸化防止剤を含み得、ここで、意図された機能を行うのに有効な量のこれらの添加剤の存在は、該熱可塑性組成物の所望の特性に悪影響を著しく与えない。通常、これらの添加物の総量は、熱可塑性組成物中に存在する成分の総重量の5.0重量パーセントに等しいかそれ未満である。1つの例示的な実施形態において、透過率およびヘーズ試験のための成形物品を調製するために用いられる該熱可塑性組成物中に存在する好適な添加物には、離型剤および酸化防止剤が含まれ得る。特定の実施形態において、該離型剤はペンタエリスリトールテトラステアレートであり、該酸化防止剤は2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトである。
したがって、1つの実施形態において、2.5ミリメートルの厚みを有し、該ポリエステル-ポリカーボネート、該ポリ(アルキレンエステル)、ならびに有効量のそれぞれの離型剤および酸化防止剤からなる成形物品は、ASTM D1003-00に従って測定して、80に等しいかそれを超える、特に85に等しいかそれを超える、より特に87に等しいかそれを超える、およびより特に90に等しいかそれを超える透過率を有する。1つの実施形態において、該物品は射出成形によって調製される。
別の実施形態において、2.5ミリメートルの厚みを有し、該ポリエステル-ポリカーボネート、該ポリ(アルキレンエステル)、ならびに有効量のそれぞれの離型剤および酸化防止剤からなる成形物品は、ASTM D1003-00に従って測定した場合、10に等しいかそれ未満、特に5に等しいかそれ未満、およびより特に4に等しいかそれ未満、およびなおより特に3に等しいかそれ未満のヘーズを有する。
該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーに加えて、該熱可塑性組成物には、この種の熱可塑性組成物と通常一緒に取り込まれる様々な他の添加剤が含まれ得るが、ただし、該添加剤が該熱可塑性組成物の所望の特性に著しく悪影響を与えないように選択されることを条件とする。添加剤の混合物を用いてもよい。このような添加剤は、該熱可塑性組成物を形成するために該成分の混合中に好適な時間で混合することができる。
該熱可塑性組成物は、着色剤、例えば、顔料および/または染料の添加剤を含み得る。好適な顔料には、例えば、無機顔料、例えば、金属酸化物および混合金属酸化物、例えば、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄など;硫化物、例えば、硫化亜鉛など;アルミン酸塩;スルホケイ酸ナトリウム、硫酸塩、クロム酸塩など;カーボンブラック;亜鉛フェライト;群青;ピグメントブラウン24;ピグメントレッド101;ピグメントイエロー119;有機顔料、例えば、アゾ、ジアゾ、キナクリドン、ペリレン、ナフタレンテトラカルボン酸、フラバンスロン、イソインドリノン、テトラクロロイソインドリノン、アントラキノン、アンサンスロン、ジオキサジン、フタロシアニン、およびアゾレーキ;ピグメントブルー60、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット29、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー28、ピグメントグリーン7、ピグメントイエロー147およびピグメントイエロー150、または上記顔料を少なくとも1種含む組合せなどがある。顔料は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.01から10重量パーセントの量で用いることができ、ここで、該顔料の使用は該熱可塑性組成物の所望の特性に著しく悪影響を与えない。
好適な染料は有機物質であり得、例えば、クマリン染料、例えば、クマリン460(ブルー)、クマリン6(グリーン)、ナイルレッドなど;ランタニド錯体;炭化水素および置換炭化水素染料;多環芳香族炭化水素染料;シンチレーション染料、例えば、オキサゾールまたはオキサジアゾール染料;アリール-またはヘテロアリール-置換ポリ(C2〜8)オレフィン染料;カルボシアニン染料;インダンスロン染料;フタロシアニン染料;オキサジン染料;カルボスチリル染料;ナフタレンテトラカルボン酸染料;ポルフィリン染料;ビス(スチリル)ビフェニル染料;アクリジン染料;アントラキノン染料;シアニン染料;メチン染料;アリールメタン染料;アゾ染料;インジゴ染料;チオインジゴイド染料;ジアゾニウム染料;ニトロ染料;キノンイミン染料;アミノケトン染料;テトラゾリウム染料;チアゾール染料;ペリレン染料;ペリノン染料;ビス-ベンゾオキサゾリルチオフェン(BBOT);トリアリールメタン染料;キサンテン染料;チオキサンテン染料;ナフタルイミド染料;ラクトン染料;フルオロフォア、例えば、近赤外波長において吸収し、可視波長において放出するアンチストークスシフト染料など;発光染料、例えば、7-アミノ-4-メチルクマリン;3-(2'-ベンゾチアゾリル)-7-ジエチルアミノクマリン;2-(4-ビフェニリル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール;2,5-ビス-(4-ビフェニリル)-オキサゾール;2,2'-ジメチル-p-クォーターフェニル;2,2-ジメチル-p-テルフェニル;3,5,3'''',5''''-テトラ-t-ブチル-p-クィンケフェニル;2,5-ジフェニルフラン;2,5-ジフェニルオキサゾール;4,4'-ジフェニルスチルベン;4-ジシアノメチレン-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン;1,1'-ジエチル-2,2'-カルボシアニンヨウ化物;3,3'-ジエチル-4,4',5,5'-ジベンゾチアトリカルボシアニンヨウ化物;7-ジメチルアミノ-1-メチル-4-メトキシ-8-アザキノロン-2;7-ジメチルアミノ-4-メチルキノロン-2;2-(4-(4-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル)-3-エチルベンゾチアゾリウムパークロレート;3-ジエチルアミノ-7-ジエチルイミノフェノキサゾニウムパークロレート;2-(1-ナフチル)-5-フェニルオキサゾール;2,2'-p-フェニレン-ビス(5-フェニルオキサゾール);ローダミン700;ローダミン800;ピレン;クリセン;ルブレン;コロネンなど、または上記染料を少なくとも1種含む組合せが含まれる。染料は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.01から10重量パーセントの量で用いることができ、ここで、該染料の使用は、該熱可塑性組成物の所望の特性に著しく悪影響を与えない。
該熱可塑性組成物はさらに、酸化防止剤を含み得る。好適な酸化防止剤の添加剤には、例えば、有機ホスファイト、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなど;アルキル化モノフェノールまたはポリフェノール;ポリフェノールとジエンとのアルキル化反応生成物、例えば、テトラキス[メチレン(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンなど;パラ-クレゾールまたはジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物;アルキル化ヒドロキノン;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;アルキリデン-ビスフェノール;ベンジル化合物;β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸と一価アルコールまたは多価アルコールとのエステル;β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-プロピオン酸と一価アルコールまたは多価アルコールとのエステル;チオアルキルまたはチオアリール化合物のエステル、例えば、ジステアリルチオプロピオネート、ジラルリルチオプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど;β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸のアミドなど;あるいは、上記酸化防止剤を少なくとも1種含む組合せが含まれる。酸化防止剤は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.0001から1重量パーセントの量で用いることができる。
好適な熱安定剤の添加剤には、例えば、有機ホスファイト、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス-(2,6-ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス-(混合モノおよびジノニルフェニル)ホスファイトなど;ホスホネート、例えば、ジメチルベンゼンホスホネートなど;ホスフェート、例えば、トリメチルホスフェートなど、または上記熱安定剤を少なくとも1種含む組合せが含まれる。熱安定剤は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.0001から1重量パーセントの量で用いることができる。
光安定剤および/または紫外線(UV)吸収剤の添加剤も用いることができる。好適な光安定剤の添加剤には、例えば、ベンゾトリアゾール、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)-ベンゾトリアゾールおよび2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノンなど、または、上記光安定剤を少なくとも1種含む組合せなどがある。光安定剤は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.0001から1重量パーセントの量で用いることができる。
好適なUV吸収剤の添加剤には、例えば、ヒドロキシベンゾフェノン;ヒドロキシベンゾトリアゾール;ヒドロキシベンゾトリアジン;シアノアクリレート;オキサニリド;ベンゾオキサジノン;2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール(CYASORB(登録商標)5411);2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン(CYASORB(登録商標)531);2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)-フェノール(CYASORB(登録商標)1164);2,2'-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1
-ベンゾオキサジン-4-オン)(CYASORB(登録商標)UV-3638);1,3-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン(UVINUL(登録商標)3030);2,2'-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン);1,3-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン;ナノ-サイズ無機物質、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、および酸化亜鉛(すべて100ナノメートル未満の粒子径を有する)など、または上記UV吸収剤を少なくとも1種含む組合せなどがある。UV吸収剤は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.0001から1重量パーセントの量で用いることができる。
可塑剤、潤滑剤、および/または離型剤の添加剤も用いることができる。これらの種類の材料の間にはかなりの重複があり、これには、例えば、フタル酸エステル、例えば、ジオクチル-4,5-エポキシ-ヘキサヒドロフタレート;トリス-(オクトキシカルボニルエチル)イソシアヌレート;トリステアリン;二官能または多官能芳香族ホスフェート、例えば、レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート(RDP)、ヒドロキノンのビス(ジフェニル)ホスフェート、およびビスフェニール-Aのビス(ジフェニル)ホスフェート;ポリ-α-オレフィン;エポキシ化大豆油;シリコーン(シリコーン油を含む);エステル、例えば、脂肪酸エステル、例えば、アルキルステアリルエステル、例えば、メチルステアレート;ステアリルステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートなど;メチルステアレートと、ポリエチレングリコールポリマー、ポリプロピレングリコールポリマー、そのコポリマーを含む親水性および疎水性の非イオン性界面活性剤との混合物、例えば、好適な溶媒中のメチルステアレートと、ポリエチレン-ポリプロピレングリコールコポリマー;ろう、例えば、蜜ろう、モンタンワックス、パラフィンワックスなどが含まれる。このような材料は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.001から1重量パーセント、特に0.01から0.75重量パーセント、より特に0.1から0.5重量パーセントの量で用いることができる。
用語「帯電防止剤」は、導電性特性および全体の物理的性能を改善するためにポリマー樹脂中に加工され、および/または材料もしくは物品上にスプレーされ得るモノマー性、オリゴマー性、またはポリマー性の材料をいう。モノマー性帯電防止剤の例には、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、エトキシル化アミン、第一級、第二級および第三級アミン、エトキシル化アルコール、アルキルサルフェート、アルキルアリールサルフェート、アルキルホスフェート、アルキルアミンサルフェート、アルキルスルホネート塩、例えば、ステアリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど、第四級アンモニウム塩、第四級アンモニウム樹脂、イミダゾリン誘導体、ソルビタンエステル、エタノールアミド、ベタインなど、または上記帯電防止剤を少なくとも1種含む組合せなどがある。
例示的なポリマー性帯電防止剤には、特定のポリエステルアミドポリエーテル-ポリアミド(ポリエーテルアミド)ブロックコポリマー、ポリエーテルエステルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルエステル、またはポリウレタンなどが含まれ、それぞれがポリエチレングリコール部分ポリアルキレンオキシド単位、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを含む。このようなポリマー性帯電防止剤は市販されており、例えば、Pelestat (登録商標)6321(Sanyo)またはPebax (登録商標)MH1657(Atofina)、Irgastat (登録商標)P18およびP22(Ciba-Geigy)などがある。帯電防止剤として用いられ得る他のポリマー性材料は、本質的に導電性ポリマー、例えば、ポリアニリン(PanipolからPANIPOL(登録商標)EBとして市販されている)、ポリピロールおよびポリチオフェン(Bayerから市販されている)であり、これらは、高温での溶融処理後これらの固有の電導度の一部を保持する。1つの実施形態において、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、または上記の任意の組合せは、該組成物を静電的に散逸性にするために化学的帯電防止剤を含むポリマー性樹脂において用いられ得る。帯電防止剤は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.0001から5重量パーセントの量で用いることができる。
添加し得る好適な難燃剤は、リン、臭素、および/または塩素を含む有機化合物であることができる。非臭素化および非塩素化リン含有難燃剤は、規制理由のための特定の利用において好ましく、例えば、有機リン酸塩およびリン-窒素結合を含む有機化合物であり得る。
例示的な有機リン酸塩の1つの種類は、式(GO)3P=Oの芳香族リン酸塩であり、ここで、それぞれのGは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、またはアリールアルキルの基であり、ただし、少なくとも1個のGは、芳香族基であることを条件とする。該Gの基の2個は、一緒に結合して、環式基、例えば、ジフェニルペンタエリスリトールジホスフェートを与える。他の好適な芳香族リン酸塩は、例えば、フェニルビス(ドデシル)ホスフェート、フェニルビス(ネオペンチル)ホスフェート、フェニルビス(3,5,5'-トリメチルヘキシル)ホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジ(p-トリル)ホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)p-トリルホスフェート、トリトリルホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)フェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスフェート、ビス(ドデシル)p-トリルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、2-クロロエチルジフェニルホスフェート、p-トリルビス(2,5,5'-トリメチルヘキシル)ホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどであり得る。特定の芳香族ホスフェートは、それぞれのGが芳香族、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレシルホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェートなどであるものである。
二官能性または多官能性の芳香族リン含有化合物も有用であり、例えば、以下の式:
(式中、それぞれのG1は、独立して、1から30個の炭素原子を有する炭化水素であり;それぞれのG2は、独立して、1から30個の炭素原子を有する炭化水素またはヒドロカルボノキシであり;それぞれのXaは、独立して、1から30個の炭素原子を有する炭化水素であり;それぞれのXは、独立して、臭素または塩素であり;mは、0から4であり、nは、1から30である)
の化合物である。好適な二官能または多官能の芳香族リン含有化合物の例には、レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート(RDP)、ヒドロキノンのビス(ジフェニル)ホスフェートおよびビスフェノールAのビス(ジフェニル)ホスフェート、それぞれに、それらのオリゴマー性およびポリマー性の対応物などが含まれる。
リン-窒素結合を含む例示的で、好適な難燃剤化合物には、ホスホニトリリッククロライド、リンエステルアミド、リン酸アミド、ホスホン酸アミド、ホスフィン酸アミド、トリス(アジリジニル)ホスフィンオキシドが含まれる。存在する場合、リン含有難燃剤は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0. 1から10重量パーセントの量で存在することができる。
ハロゲン化材料も難燃剤として用いることができ、例えば、式(19):
式中、Rは、アルキレン、アルキリデンまたは脂環式結合(linkage)であり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、イソプロピリデン、ブチレン、イソブチレン、アミレン、シクロヘキシレン、シクロペンチリデンなど;あるいは酸素エーテル、カルボニル、アミン、または硫黄含有結合、例えば、スルフィド、スルホキシド、スルホンなどである。Rはまた、芳香族、アミノ、エーテル、カルボニル、スルフィド、スルホキシド、スルホンなどのような基によって結合された2個以上のアルキレン結合またはアルキリデン結合からなり得る。
式(19)のArおよびAr'は、それぞれ独立して、モノまたはポリ炭素環式芳香族基、例えば、フェニレン、ビフェニレン、テルフェニレレン、ナフチレンなどである。
Yは、有機、無機、または有機金属の基、例えば、ハロゲン、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素;一般式OEのエーテル基、ここで、Eは、Xに類似の一価炭化水素基であり;Rによって表される種類の一価炭化水素基;または他の置換基、例えば、ニトロ、シアノなどであり、該置換基は、アリール核当たり少なくとも1個および好ましくは2個のハロゲン原子が存在することを条件として本質的に不活性である。
存在する場合、それぞれのXは、独立して、一価炭化水素、例えば、アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、デシルなど;アリール基、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、キシリル、トリルなど;およびアリールアルキル基、例えば、ベンジル、エチルフェニルなど;脂環式基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。該一価炭化水素基は、それ自体不活性な置換基を含んでいてもよい。
それぞれのdは、独立して、1から、ArまたはAr'を含む芳香族環上で置換された置換可能な水素の数に等しい最大数である。それぞれのeは、独立して、0から、R上の置換可能な水素の数に等しい最大数である。それぞれのa、b、およびcは、独立して、0を含む自然数である。bが0でない場合、aもcも0でなくてよい。別に、aまたはcのいずれか (しかし両方ではない)が、0であってもよい。bが0である場合、該芳香族基は、直接の炭素-炭素結合によって結合される。
該芳香族基、ArおよびAr'上のヒドロキシルおよびYの置換基は、芳香族環上のオルト、メタまたはパラ位置で変り得、該基は、互いに任意の可能な幾何学的関係にあることができる。
以下が代表的であるビスフェノールは、上記式の範囲内に含まれる:2,2-ビス-(3,5-ジクロロフェニル)プロパン;ビス-(2-クロロフェニル)メタン;ビス(2,6-ジブロモフェニル)メタン;1,1-ビス-(4-ヨードフェニル)エタン;1,2-ビス-(2,6-ジクロロフェニル)エタン;1,1
-ビス-(2-クロロ-4-ヨードフェニル)エタン;1,1-ビス-(2-クロロ-4-メチルフェニル)エタン;1,1-ビス-(3,5-ジクロロフェニル)エタン;2,2-ビス-(3-フェニル-4-ブロモフェニル)エタン;2,6-ビス-(4,6-ジクロロナフチル)プロパン;2,2-ビス-(2,6-ジクロロフェニル)ペンタン;2,2-ビス-(3,5-ジブロモフェニル)ヘキサン;ビス-(4-クロロフェニル)フェニルメタン;ビス-(3,5-ジクロロフェニル)シクロヘキシルメタン;ビス-(3-ニトロ-4-ブロモフェニル)メタン;ビス-(4-ヒドロキシ-2,6-ジクロロ-3-メトキシフェニル)メタン;および2,2-ビス-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン 2,2 ビス-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン。上記構造式内に以下も含まれる:1,3-ジクロロベンゼン、1,4-ジブロモベンゼン、1,3-ジクロロ-4-ヒドロキシベンゼン、ならびにビフェニル、例えば、2,2'-ジクロロビフェニル、ポリ臭素化1,4-ジフェノキシベンゼン、2,4'-ジブロモビフェニル、および2,4-ジクロロビフェニル、ならびにデカブロモジフェニルオキシドなど。
オリゴマー性およびポリマー性のハロゲン化芳香族化合物、例えば、ビスフェノールAと、テトラブロモビスフェノールAと、カーボネート前駆体、例えば、ホスゲンとのコポリカーボネートも有用である。金属共力剤、例えば、酸化アンチモンも該難燃剤と一緒に用いることができる。存在する場合、ハロゲン含有難燃剤は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.1から10重量パーセントの量で存在することができる。
無機難燃剤も用いてもよく、例えば、C2〜16アルキルスルホネート塩の塩、例えば、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム(Rimar塩)、ペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム、ペルフルオロヘキサンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、およびジフェニルスルホンスルホン酸カリウムなど;例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を反応させることによって形成される塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウムの塩)ならびに無機酸錯体塩、例えば、オキソ-アニオン、例えば、炭酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、Na2CO3、K2CO3、MgCO3、CaCO3、およびBaCO3、あるいはフルオロ-アニオン錯体、例えば、Li3AlF6、BaSiF6、KBF4、K3AlF6、KALF4、K2SiF6、および/またはNa3AlF6などである。存在する場合、無機難燃剤の塩は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.1から5重量パーセントの量で存在することができる。
該熱可塑性組成物にはさらに、電離放射線分解防止剤も含まれてよい。例示的な電離放射線分解防止剤には、特定の脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族ジオール、脂肪族エーテル、エステル、ジケトン、アルケン、チオール、チオエーテルおよび環状チオエーテル、スルホン、ジヒドロ芳香族、ジエーテル、窒素化合物、または上記を少なくとも1種含む組合せなどがある。アルコール系分解防止剤は、モノ、ジ、または多置換アルコールから選択することができ、直鎖、分岐、環式および/または芳香族であることができる。好適な脂肪族アルコールには、不飽和の部位を有するアルケノール、この例には、4-メチル-4-ペンテン-2-オル、3-メチル-ペンテン-3-オル、2-メチル-4-ペンテン-2-オル、2,4-ジメチル-4-ペンテン-2-オル、2-フェニル-4-ペンテン-2-オル、および9-デセン-1-オルなどがあり;第3アルコール(3-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン、2-フェニル-2-ブタノールなどを含む);ヒドロキシ置換第3脂環式、例えば、1-ヒドロキシ-1-メチル-シクロヘキサン;および、カルビノール置換基(例えば、メチロール基(-CH2OH)またはより複雑な炭化水素基、例えば、(-CRHOH)または(-CR2OH))を有する芳香族環を有するヒドロキシメチル芳香族(ここで、Rは、直鎖C1〜C20アルキルまたは分岐C1〜C20アルキルである)が含まれ得る。例示的なヒドロキシカルビノール芳香族には、ベンズヒドロール、2-フェニル-2-ブタノール、1,3-ベンゼンジメタノール、ベンジルアルコール、4-ベンジルオキシ-ベンジルアルコール、およびベンジル-ベンジルアルコールなどがある。
電離放射線分解防止剤の有用なクラスは、二官能および多官能の脂肪族アルコールであり、また脂肪族ジオールおよび脂肪族ポリオールともいう。
式(20):
HO-(C(A')(A''))d-S-(C(B')(B''))e-OH (20)
(式中、A'、A''、B'、およびB''は、それぞれ独立して、HまたはC1〜C6アルキルであり;Sは、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルキレンオキシ、C3〜C6シクロアルキル、またはC3〜C6置換シクロアルキルであり;ならびに、dおよびeはそれぞれ0または1であり、ただし、dおよびeがそれぞれ0である場合、Sは、両-OH基が単一の共通の炭素原子に直接結合していないように選択される)
の脂肪族ジオールが、特に有用である。
式(20)において、A'、A''、B'、およびB''は、それぞれ独立して、H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチルなど、および上記アルキル基を少なくとも1種含む組合せから選択することができる。
スペーサ基Sは、メタンジイル、エタンジイル、1,1-エタンジイル、1,1-プロパンジイル、1,2-プロパンジイル、1,3-プロパンジイル、2,2-プロパンジイル、1,1-ブタンジイル、1,2-ブタンジイル、1,3-ブタンジイル、1,4-ブタンジイル、2,2-ブタンジイル、2,3-ブタンジイル、1,1-ペンタンジイル、1,2-ペンタンジイル、1,3-ペンタンジイル、1,4-ペンタンジイル、1,5-ペンタンジイル、2,2-ペンタンジイル、2,3-ペンタンジイル、2,4-ペンタンジイル、3,3-ペンタンジイル、2-メチル-1,1-ブタンジイル、3-メチル-1,1-ブタンジイル、2-メチル-1,2-ブタンジイル、2-メチル-1,3-ブタンジイル、2-メチル-1,4-ブタンジイル、2-メチル-2,2-ブタンジイル、2-メチル-2,3-ブタンジイル、2,2-ジメチル-1,1-プロパンジイル、2,2-ジメチル-1,2-プロパンジイル、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジイル、3,3-ジメチル-1,1-プロパンジイル、3,3-ジメチル-1,2-プロパンジイル、3,3-ジメチル-2,2-プロパンジイル、1,1-ジメチル-2,3-プロパンジイル、3,3-ジメチル-2,2-プロパンジイル、1,1-ヘキサンジイル、1,2-ヘキサンジイル、1,3-ヘキサンジイル、1,4-ヘキサンジイル、1,5-ヘキサンジイル、1,6-ヘキサンジイル、2,2-ヘキサンジイル、2,3-ヘキサンジイル、2,4-ヘキサンジイル、2,5-ヘキサインジル、3,3-ヘキサンジイル、2-メチル-1,1-ペンタンジイル、3-メチル-1,1-ペンタンジイル、2-メチル-1,2-ペンタンジイル、2-メチル-1,3-ペンタンジイル、2-メチル-1,4-ペンタンジイル、2-メチル-2,2-ペンタンジイル、2-メチル-2,3-ペンタンジイル、2-メチル-2,4-ペンタンジイル、2,2-ジメチル-1,1-ブタンジイル、2,2-ジメチル-1,2-ブタンジイル、2,2-ジメチル-1,3-ブタンジイル、3,3-ジメチル-1,1-ブタンジイル、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジイル、3,3-ジメチル-2,2-ブタンジイル、1,1-ジメチル-2,3-ブタンジイル、3,3-ジメチル-2,2-ブタンジイルなど;オクタンジイル、デカンジイル、ウンデカンジイル、ドデカンジイル、ヘキサデカンジイル、オクタデカンジイル、イコサンジイル、およびドコサンジイルの異性体;ならびに置換および非置換のシクロプロパンジイル、シクロブタンジイル、シクロペンタンジイル、シクロヘキサンジイル(ここで、置換基は、例えば、1,4-ジメチレンシクロヘキサンにおけるなどのラジカル結合の点であってもよく、または分岐および直鎖のアルキル、シクロアルキルなどを含んでもよい)から選択することができる。さらに、該スペーサ基Sは、ポリアルキレンオキシ単位、例えば、エチレンオキシ、1,2-プロピレンオキシ、1,3-プロピレンオキシ、1,2-ブチレンオキシ、1,4-ブチレンオキシ、1,6-ヘキシレンオキシなどを含む1種または複数のジラジカル、およびこれらを少なくとも1種含む組合せから選択してもよい。
好適な脂肪族ジオールの特定の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、メソ-2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,4-ヘキサンジオールなど;脂環式アルコール、例えば、1,3-シクロブタンジオール、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール、1,2-シクロペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ジメチロールシクロヘキサンなど;分岐非環式ジオール、例えば、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール(ピナコール)、および2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール);ならびに、ポリアルキレンオキシ含有アルコール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブロックもしくはランダムポリ(エチレングリコール-co-プロピレングリコール)、およびポリアルキレンオキシ-基を含むコポリマーのジオールが含まれる。有用なポリオールには、ポリアリーレンオキシ化合物、例えば、ポリヒドロキシスチレン;アルキルポリオール、例えば、ポリビニルアルコール、ポリサッカライド、およびエステル化ポリサッカライドが含まれ得る。上記を少なくとも1種含む組合せも有用であり得る。特に好適なジオールには、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールが含まれる。
好適な脂肪族エーテルには、アルコキシ-置換環式または非環式のアルカン、例えば、1,2-ジアルコキシエンタン、1,2-ジアルコキシプロパン、1,3-ジアルコキシプロパン、アルコキシシクロペンタン、アルコキシシクロヘキサンなどが含まれ得る。エステル化合物(-COOR)は、安定剤として有用であり得、ここで、Rは、置換または非置換の、芳香族または脂肪族の炭化水素であってよく、この親カルボキシ化合物は、同様に置換または非置換の、芳香族または脂肪族、および/あるいは単官能または多官能であってもよい。存在する場合、置換基には、例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルエーテル、C6〜C20アリールなどが含まれてもよい。有用であることがわかったエステルには、テトラキス(メチレン[3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナメート])メタン、2,2'-オキサミドビス(エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、および三官能ヒンダードフェノールエステル化合物、例えば、Cleveland OHのB.F. Goodrichから市販されているGOOD-RITE(登録商標)3125などがある。
ジケトン化合物、特に2個のカルボニル官能基を有し、単一の介在炭素原子、例えば、2,4-ペンタジオンによって隔てられたものも用いることができる。
分解防止剤としての使用に好適な、硫黄含有化合物には、チオール、チオエーテルおよび環式チオエーテルを含まれ得る。チオールには、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾールが含まれ;チオエーテルには、ジアウリルチオプロピオネートが含まれ;環式チオエーテルには、1,4-ジチアン、1,4,8,11-テトラチオシクロテトラデカンが含まれる。2個以上のチオエーテル基を含む環式チオエーテル、特に、例えば、1,3-ジチアンにおけるなどの2個のチオエーテル基の間の単一の介在炭素を有するものが有用である。この環式環は、酸素または窒素のメンバーを含んでもよい。
一般構造R-S(O)2-R'のアリールまたはアルキルスルホン分解防止剤も用いることができ、ここで、RおよびR'は、C1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C20アルコキシ、C6〜C20アリールオキシ、その置換誘導体などを含み、ここで、RまたはR'の少なくとも1つは、置換または非置換のベンジルである。存在する場合、置換基には、例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルエーテル、C6〜C20アリールなどが含まれてもよい。特に有用なスルホンの例は、ベンジルスルホンである。
アルケンは、分解防止剤として用いることができる。好適なアルケンには、一般構造RR'C=CR''R'''のオレフィンが含まれてもよい(ここで、R、R'、R''、およびR'''は、それぞれ独立して、同じであるか異なっていてもよく、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20シクロアルキル、C1〜C20アルケニル、C1〜C20シクロアルケニル、C6〜C20アリール、C6〜C20アリールアルキル、C6〜C20アルキルアリール、C1〜C20アルコキシ、C6〜C20アリールオキシおよびその置換誘導体から選択されてもよい)。存在する場合、置換基には、例えば、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルエーテル、C6〜C20アリールなどが含まれてもよい。このオレフィンは、非環、環外、または環内であってもよい。特に有用なアルケンの例には、1,2-ジフェニルエタン、アリルフェノール、2,4-ジメチル-1-ペンテン、リモネン、2-フェニル-2-ペンテン、2,4-ジメチル-1-ペンテン、1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1-ウンデセン、1-ドデセンなど、または上記を少なくとも1種含む組合せなどがある。
ヒドロ芳香族化合物も分解防止剤として有用であり、部分水素化芳香族、および不飽和環と組み合わせた芳香族が含まれる。特定の芳香族には、ベンゼンおよび/またはナフタンレンベースの系などがある。好適なヒドロ芳香族化合物の例には、インダン、5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフトール、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトール、9,10-ジヒドロアントラセン、9,10-ジヒドロフェナントレン、1-フェニル-1-シクロヘキサン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフトールなど、および上記を少なくとも1種含む組合せなどがある。
水素化および非水素化と、置換および非置換のピランを含むジエーテルも分解防止剤として用いてもよい。存在する場合、置換基には、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルエーテル、またはC6〜C20アリールが含まれてもよい。該ピランは、C1〜C8アルキル、C6〜C20アリール、C1〜C20アルコキシ、またはC6〜C20アリールオキシを含む置換基を有してもよく、これは該ピラン環の任意の炭素上に位置していてもよい。特に有用な置換基には、環上で6位に位置した、C1〜C20アルコキシ、またはC6〜C20アリールオキシが含まれる。水素化ピランは特に有用である。好適なジエーテルの例には、ジヒドロピラニルエーテルおよびテトラヒドロピラニルエーテルなどがある。
安定剤として機能し得る窒素化合物には、高分子量オキサミドフェノール、例えば、2,2-オキサミドビス-[エチル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、高分子量シュウ酸アニリドおよびそれらの誘導体、ならびにアミン化合物、例えば、チオ尿素などがある。
電離放射線分解防止剤は、通常、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0.001から1重量%、特に0.005から0.75重量%、より特に0.01から0.5重量%、およびなおより特に、0.05から0.25重量%の量で用いられる。
上記の重量%値のそれぞれは、任意の他の添加剤を除く、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーの総重量に基づいている。1つの実施形態において、該熱可塑性組成物は、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、離型剤、潤滑剤、帯電防止剤、顔料、染料、難燃剤、ガンマ線安定剤、または上記添加剤を少なくとも1種含む組合せを含む添加剤を含んでもよい。特定の実施形態において、上記添加剤は、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、5重量%に等しいかそれ未満の総量で存在する。特定の実施形態において、該熱可塑性組成物は、イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノール(ITR)エステル単位を含むポリエステル-ポリカーボネート;エチレンテレフタレート単位、1,4-シクロヘキシレンジメチレン単位、またはエチレンテレフタレート単位および1,4-シクロヘキシレンジメチレン単位を含む組合せを含むポリ(アルキレンエステル);ならびに、ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)の総重量に基づいて、0から5重量%の添加剤からなる。該添加剤の量および種類は、該熱可塑性組成物の所望の特性が著しく悪影響を受けないように選択されることが理解される。
該熱可塑性組成物は、当該技術分野で一般に利用できる方法によって製造することができ、例えば、1つの実施形態において、手順の1つの仕方において、粉末化されたポリエステル-ポリカーボネートポリマー、ポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマー、および安定剤パッケージ(例えば、酸化防止剤、ガンマ線安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤など)および/または他の添加剤を含む他の任意選択の成分を、最初に、HENSCHEL-Mixer(登録商標)高速混合機中でブレンドする。限定されないが、手練りを含む他の低せん断工程によってもこのブレンドを達成し得る。次いで、該ブレンドを、ホッパーを介して押出機のスロート部中に供給する。他に、スロート部および/または下流で側部供給口を介して直接押出機に供給することによって、1種または複数の該成分を、該組成物中に取り入れてもよい。所望される場合、該ポリエステル-ポリカーボネート、ポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーおよび任意の所望のポリマーならびに/あるいは添加剤も、マスターバッチ中に配合し、所望のポリマー樹脂と組み合わせ、押出機に供給することができる。該押出機は一般に、該組成物が流動を引き起こすのに必要なよりも高い温度で運転する。この押出物は、バッチで直ちにクエンチし、ペレット化する。該押出物を切断する場合、このように調製されたペレットは、所望に応じて1/4インチ長さまたはそれ未満であることができる。このようなペレットは、その後の型成形(molding)、賦形(shaping)、または造形(forming)のために用いることができる。
特定の実施形態において、熱可塑性組成物を調製する方法には、ポリエステル-ポリカーボネートポリマーおよびポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーを溶融混合する段階が含まれる。溶融混合する段階は押出によって行うことができる。1つの実施形態において、ポリエステル-ポリカーボネートポリマーおよびポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーの組成物は、それぞれ、該ポリエステル-ポリカーボネート中のITRエステル単位と、該ポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマー中のCHDMエステル単位との合計が、40を超える値であるように選択される。さらに、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンテエステル)は、該熱可塑性組成物の光学特性が、該ポリエステル-ポリカーボネートおよびポリ(アルキレンエステル)からなる2.5mmの成型物品で、ASTM D1003-00に従って測定して、機械的性能が所望のレベルである一方、80%に等しいかそれを超える光透過率、および5%に等しいかそれ未満のヘーズを有するために最適化されるように選択され得る。さらなる特定の実施形態において、該熱可塑性組成物を製造するために、ポリカーボネートの総重量の5重量%またはそれ未満の量の添加剤が、該ポリエステル-ポリカーボネートポリマーおよびポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーと一緒に混合される。1つの実施形態において、ポリエステル-ポリカーボネートポリマーとポリ(アルキレンテレフタレート)ポリマーと、所望に応じて、ポリカーボネートととの割合は、機械的性能が所望のレベルである一方、該熱可塑性組成物の光学特性が上記のように最適化されるように選択される。
特定の実施形態において、該熱可塑性組成物は、二軸押出機を用いて押出される。該押出機は、通常、180から385℃、特に200から330℃、より特に220から300℃の温度で運転され、ここで、このダイの温度は異なっていてもよい。該押出された熱可塑性組成物は水中でクエンチされ、ペレット化される。
該熱可塑性組成物を含む、賦形(shaped)、造形(formed)、または型成形(molded)された物品も提供される。該熱可塑性組成物を含む物品の例には、レンズカバー、保護シート、フィルム、繊維、食器類、医療用途、自動車、園芸備品、スポーツおよびレジャー物品などが含まれる。
該熱可塑性組成物は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
該組成物は、Werner and Pfleider 25mmの互いにかみ合う(intermeshing)二軸押出機によって、バレル温度40-200-250-285-300-300-300-300℃で、300rpmで配合することによって調製した。この試験のために用いたプラークは、280-290-300-295℃(型温度90℃)に設定された4つの温度帯域を有するEagel 75T成形装置で型成形した。
ポリマー分子量は、架橋スチレン-ジビニルベンゼンゲルカラム、ミリリットル当たり約1ミリグラムの試料濃度を用いるゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ポリカーボネート標準を用いて較正した。ヘーズおよび透過率(%T)は、それぞれ、ASTM D1003-00に従って2.5ミリメートルプラークに対して測定した。広帯域透過率は、Hitachi U4100分光光度計によって測定した。
実施例および比較例のための熱可塑性組成物は、表1に示される成分を用いて調製した。
ポリ(イソフタレート-テレフタレート-レゾルシノールエステル)-co-(ビスフェノール-
Aカーボネート)(ITR-PC)の調製のための一般手順。本明細書において用いられるそれぞれのITR-PCコポリマーは、以下の一般手順に従って調製した。機械的攪拌機、pH電極、コンデンサー、計量ポンプに接続された2つの添加管を備えた30リットルの丸底反応器に、レゾルシノール(二酸塩化物の総モルを基準として12.5から25モルパーセント過剰)、水(ヒドロキシ末端ポリエステルの調製に続けて約34から約35重量%の塩を与えるため)、メチレンクロライド(6リットル)、およびトリエチルアミン(2モルパーセント)を入れた。この混合物を6-インチインペラーを用いて約300〜350rpmで攪拌した。一方の添加管を、約35重量%の二酸塩化物溶液を作製するためにイソフタロイルクロライドおよびテレフタロイルクロライドの50/50混合物および十分なメチレンクロライドからなる溶液に接続した。他方の添加管は、50重量%の水酸化ナトリウム水溶液に接続した。10分のコースにわたって、3.42モルのイソフタロイルジクロライドおよび3.42モルのテレフタロイルジクロライドを含む該二酸塩化物溶液、および85から95モル%のNaOH溶液(二酸塩化物に基づいて)を一定のモル流量で該反応器に加えた。酸クロライドの添加終了後、pHを約8.25に調整するためにさらなる量のNaOH溶液を約3分かけて反応器に加え、この混合物をおおよそ10分間攪拌させた。結果として生じるヒドロキシ末端ポリエステル(HTPE)の形成が終了した後、この混合物にフェノール(総ビスフェノール-Aに基づいて3.4モル%)、ビスフェノール-A(BPA)、水およびメチレンクロライドを加えた。加えたBPAの量は、以下の式に基づいた;
加えられるBPAモル=6.84モル二酸塩化物×((モル%PC)/(モル%ITR))
ここで、例えば、20モル%のカーボネート単位および80モル%のエステル単位(すなわち、80:20ITR-PC)の所望の組成を有するポリマーは、BPA=(6.84モル×(20/80)=6.84×0.25=1.71モルBPAの量を用いる。
ホスゲン化の前に、ヒドロキシ末端ポリエステル中間体の形成終了時に、該反応混合物中に存在するすべての塩(NaCl)を溶解するために十分なさらなる水を加えた。約11重量%から約17重量%のホスゲン化の終了時に、有機相中に固体の濃縮を得るためにさらなるメチレンクロライドを導入した。
次いで、ヒドロキシ末端ポリエステル、遊離フェノール、遊離の過剰レゾルシノール、BPA、メチレンクロライド、塩、およびトリエチルアミン(TEA)を含む混合物を、該ヒドロキシ末端ポリエステル中間体を調製するために用いた同じ反応器中でホスゲン化した。次いで、ホスゲンの化学量論的量の約60モル%が添加されてしまうまで(約60モル%のビスフェノール変換)、約pH8.5のpHを維持しながら、約1.4当量(遊離のビスフェノール-Aの総モルに基づいて)のホスゲンおよび50重量パーセントの水酸化ナトリウム溶液(50重量%NaOH)を約55分の時間をかけて一定速度で導入した。このpHを約9.5に調整し、残存するホスゲンを加えた。ホスゲン添加の終了後、この反応混合物を数分間攪拌した。該生成物ポリエステル-ポリカーボネートを含むメチレンクロライド溶液を塩水層から分離し、1N HClで2回、および脱イオン水で4回洗浄した。水洗浄の容量は、該生成物ポリマー溶液の容量におおよそ等しかった。該生成物は、熱水と該生成物ポリエステル-ポリカーボネートのメチレンクロライド溶液との良く攪拌された混合物中に蒸気を注入することによって単離した。該生成物を、白色粉末として単離し、濾過し、80から100℃で24時間乾燥した。該生成物ポリエステル-ポリカーボネートは、GPC(Mw、ポリスチレン分子量標準)によって特徴づけした。分析結果は、ブロックポリエステル-ポリカーボネートの形成と一致した。遊離の末端ヒドロキシル基(NMRによって検出できない)および酸末端基(NMRによってまた検出できない)の不在によって示されるように、該生成物ポリエステル-ポリカーボネートが完全に末端封止されたことをNMRは示した。
比較例1〜10および実施例1〜10(参考例)は、上記方法に従って、該ポリカーボネート、20:80ITR-PC、40:60ITR-PC、または80:20ITR-PCとPETとを溶融ブレンドすることによって調製した。実施例および比較例に用いた重量比は、以下の表2に記載の通りである。
表2に見られるように、PCまたは20:80ITR-PCと、PET(0モル%のCHDMと一緒に)とを用いて調製した組成物(比較例1〜10)は、15:85、30:70、50:50、70:30、および85:15のすべての重量ブレンド比それぞれについて、それぞれが80%未満の光透過率(%T)および10%未満のヘーズ(しかし、5%に等しいかそれ未満でないヘーズ)を有する組成物を与える。これらの組成物は、不透明であり得るか、または望ましくない光透過率および/またはヘーズを有し得、したがって、本開示の文脈において有用性ための基準を満たさない。対照的に、PETと、40:60ITR-PCおよび/または80:20ITR-PCとの組成物(実施例1〜10)は、80%に等しいかそれを超える光透過率および5%に等しいかそれ未満のヘーズ値を有するブレンドを与える。該光透過率およびヘーズの要件それぞれを満たす組成物は、40に等しいかそれを超えるモル%ITRプラスモル%CHDMの合計を示した。
比較例11〜16および実施例11〜16を、上記方法に従って、該ポリカーボネート、20:80ITR-PC、40:60ITR-PC、または80:20ITR-PCと、5モルパーセントの1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレート単位を有するPETG(5:95PETG)とを溶融ブレンドすることによって調製した。実施例および比較例に用いた重量比は、以下の表3に記載の通りである。
表3に見られるように、PCまたは20:80ITR-PCと、5:95PETG(5モル%CHDMを有する)を用いて調製した組成物(比較例11〜16)は、30:70、50:50、および70:30のすべての重量ブレンド比それぞれについて、それぞれが80%未満の光透過率および/または10%を超えるヘーズ(しかし、5%に等しいかそれ未満でないヘーズ)を有する組成物を与える。これらの組成物は不透明であり得、または望ましくない光透過率および/またはヘーズを有し得、したがって、本開示の文脈における有用性に対する基準を満たさない。対照的に、5:95PETGと、40:60ITR-PCおよび/または80:20ITR-PCとの組成物(実施例11〜16)は、80%に等しいかそれを超える光透過率および5%に等しいかそれ未満のヘーズ値を有するブレンドを与える。該光透過率およびヘーズの要件それぞれを満たす組成物は、40に等しいかそれを超えるモル%ITRプラスモル%CHCMの合計を示した。
比較例17〜19および実施例17〜25を、上記方法に従って、該ポリカーボネート、20:80 ITR-PC、40:60 ITR-PC、または80:20 ITR-PCと、30モルパーセントの1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレート単位を有する30:70 PETGとを溶融ブレンドすることによって調製した。該実施例および比較例において用いた重量比は、以下の表4に記載の通りである。
表4に見られるように、PCおよび30:70PETG(30モル%CHDMを有する)を用いて調製した組成物(比較例17〜19)は、30:70、50:50、および70:30のすべての重量ブレンド比それぞれについて、それぞれが80%未満の光透過率および/または5%を超えるヘーズを有する組成物を与える。これらの組成物は不透明であり得、または望ましくない光透過率および/またはヘーズを有し得、したがって、本開示の文脈において有用性の基準を満たさない。対照的に、30:70PETGと20:80ITR-PCおよび/または40:60ITR-PCおよび/または80:20 ITR-PCとの組成物(実施例17〜25)は、80%に等しいかそれを超える光透過率および5%に等しいかそれ未満のヘーズを有するブレンドを与える。該光透過率およびヘーズの要件それぞれを満たす組成物は、それぞれ40に等しいかそれを超えるモル%ITRプラスモル%CHCMの合計を示した。
比較例20および21、ならびに実施例26〜31(ただし、実施例29〜31は参考例)を、上記の方法に従って、PC、20:80ITR-PC、40:60ITR-PC、または80:20ITR-PCと、80モルパーセントの1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレート単位を有するPCTG、または100モルパーセントの1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレート単位を有するPCTのいずれかとを溶融ブレンドすることによって調製した。該実施例および比較例に用いた重量比は、以下の表5に記載の通りである。
表5に見られるように、PCと、PCTG(80:20ITR-PC)またはPCT(100モル%CHDMを有する)のいずれかとのブレンドを用いて調製されたそれぞれの比較例(比較例20および21)は、80に等しいかそれを超えるモル%ITRプラスモル%CHDMの合計、80%を超える光透過率、5%未満のヘーズを有し、公知の組成物である。20:80ITR-PC、40:60ITR-PC、または80:20ITR-PCと、PCTG(実施例26〜28)またはPCT(実施例29〜31)との組成物は、100に等しいかそれを超えるモル%ITRプラスモル%CHDMの合計を有し、80%に等しいかそれを超える光透過率および5%に等しいかそれ未満のヘーズを有するブレンドも与える。したがって、ITRとPCTGまたはPCTとのブレンドを有するそれぞれの組成物は透明である。
化合物は、標準命名法を用いて本明細書において記載される。2個の文字または記号の間にないダッシュ(「-」)は、置換基の結合点を示すために用いられる。例えば、-CHOは、カルボニル(C=O)基の炭素を介して結合している。別に文脈が明らかに指示しない限り、単数形「ひとつの(a)」、「ひとつの(an)」、および「その(the)」には、複数の指示対象が含まれる。同じ特徴または成分を列挙するすべての範囲の端点は、独立して、組合せ可能であり、該列挙された端点を包含する。すべての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書における用語「第1の」、「第2の」および同様のものは、任意の順序、数量、または重要性を示さず、むしろ1つの要素と別の要素とを区別するために用いられる。
典型的な実施形態を、説明の目的のために述べてきたが、上記説明は本明細書における範囲に対して限定となると見なされるべきではない。したがって、本明細書における技術思想および範囲から逸脱することなく、様々な変更、適応、および代替が、当業者に生じ得る。