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JP4982927B2 - 表示装置 - Google Patents

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JP4982927B2
JP4982927B2 JP2001189396A JP2001189396A JP4982927B2 JP 4982927 B2 JP4982927 B2 JP 4982927B2 JP 2001189396 A JP2001189396 A JP 2001189396A JP 2001189396 A JP2001189396 A JP 2001189396A JP 4982927 B2 JP4982927 B2 JP 4982927B2
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JP
Japan
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electrode
insulating layer
display device
substrate
polyimide precursor
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JP2001189396A
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JP2002091343A5 (ja
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良治 奥田
茂雄 藤森
哲雄 岡
真佐夫 富川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
基板上に形成された第一電極とそれに対向して設けられた第二電極とを有する表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大きく重いブラウン管に代わる画像表示装置(ディスプレイ)として、軽い薄型のいわゆるフラットパネルディスプレイが注目されている。
【0003】
フラットパネルディスプレイとして液晶ディスプレイ(LCD)が普及しているが、同様の非発光型ディスプレイとしてエレクトロクロミックディスプレイ(ECD)があり、最近注目されている発光型ディスプレイとしてはプラズマディスプレイパネル(PDP)や電界発光ディスプレイ(ELD)などがある。電界発光ディスプレイの中でも特に有機電界発光装置は高輝度が得られ、フルカラーディスプレイが可能なことで研究開発が盛んである。
【0004】
これらのフラットパネルディスプレイは、対向する第一電極と第二電極との間に電圧を印加することで、あるいは、電流を流すことで動作するものである。この際、曲率半径の小さい電極のエッジ部分には電界が集中しやすいため、エッジ部分では絶縁破壊やリーク電流の発生など、望ましくない現象が起きやすい。
【0005】
これら現像を抑制するために、第一電極のエッジ部分を絶縁層で覆うことが知られている。これにより、電極のエッジ部分における電界集中を緩和することが可能となる。また、特開平11−97182号公報では、絶縁層の形成後に成膜される有機絶縁層や第二電極がスムーズに堆積されるように、絶縁層が第一電極を露出せしめる境界部分における絶縁層の厚さを、境界から離れるに従って徐々に厚くする、すなわち断面を順テーパー形状にすることにより、上記問題をさらに抑制する技術が開示されている。
【0006】
一般に、絶縁層としてはポリイミド、ノボラック樹脂等が用いられる。該樹脂には非感光性、ネガ型感光性、ポジ型感光性が知られている。
【0007】
非感光性ポリイミド前駆体を使用する場合、絶縁層のパターニングには、基板上へのポリイミド前駆体の塗布、ポリイミド前駆体のプリベーク(乾燥もしくはセミキュアとも言う)、ポリイミド前駆体上へのフォトレジストの塗布、フォトレジストのベーク(乾燥もしくはプリベークとも言う)、フォトレジストの露光、フォトレジストの現像、ポリイミド前駆体のエッチング、フォトレジストの除去、ポリイミド前駆体のキュア(ポストベークとも言う)という、多くのフォトリソ工程を必要とした。従って、工程が煩雑になり、歩留まりも悪いという問題があった。さらに、絶縁層の断面を順テーパー形状にするためには、フォトレジストの現像条件やポリイミド前駆体のエッチング条件など多くのパラメーターを最適化する必要があり、条件設定も煩雑であるという問題があった。
【0008】
ネガ型感光性ポリイミド前駆体やポジ型感光性ポリイミド前駆体などの感光性ポリイミド前駆体を使用すると、フォトレジストを使用することなく絶縁層のパターニングができるため、工程の煩雑さ、歩留まりの悪さも解消することができる。しかし、ネガ型感光性ポリイミド前駆体では、順テーパー形状よりも逆テーパー形状もしくは矩形になりやすく、エッジ部分の電界集中を緩和する効果が得られない。
【0009】
ポジ型感光性については、カルボキシル基にo−ニトロベンジルエステル基を導入したフォトレジスト等が知られている(特開平8−171989号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリイミドからなる絶縁層を簡単な工程でパターニングすることを目的とする。さらに、絶縁層の望ましい断面である順テーパー形状を容易に得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の表示装置は、基板上に形成された第一電極と、第一電極を部分的に露出せしめるように第一電極上に形成された絶縁層と、第一電極に対向して設けられた第二電極とを含む表示装置であって、前記絶縁層が一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと光酸発生剤を必須成分とするポジ型感光性ポリイミド前駆体をパターン形成し、キュアしてなり、第一電極を露出せしめる境界部分における前記絶縁層の断面が順テーパー形状であることを特徴とする表示装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、基板上に形成された第一電極と、前記第一電極に対向して設けられた第二電極とを含む表示装置に関するものであり、具体的には例えば、LCD、ECD、ELD、有機電界発光素子を用いた表示装置(有機電界発光装置)などが該当する。有機電界発光装置とは、基板上に形成された第一電極と、第一電極上に形成された少なくとも有機化合物からなる発光層を含む薄膜層と、薄膜層上に形成された第二電極とを含む有機電界発光素子からなる表示装置である。LCDやELDでは第一電極と第二電極との間隔は数μm程度あるが、有機電界発光装置では薄膜層の厚さが0.1〜0.5μm程度であり、第一電極と第二電極との間隔はサブμm程度しかない。したがって、電極エッジ部分での電界集中による絶縁破壊やリーク電流の発生などの望ましくない現象がLCDやELDに比べてより起こりやすく、また、絶縁層の断面形状が表示装置の特性により影響を与えやすいので、絶縁層の存在がますます重要となる。本発明の一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと光酸発生剤を必須成分とするポジ型感光性ポリイミド前駆体をパターン形成し、キュアしてなり、第一電極を露出せしめる境界部分における前記絶縁層の断面が順テーパー形状である絶縁層は、有機電界発光装置のように第一電極と第二電極との間隔が比較的狭い表示装置において、より効果的に機能する。
【0013】
本発明の絶縁層とは、少なくとも第一電極の一部を覆い、第一電極を部分的に露出せしめるように形成されるものであり、絶縁層が第一電極のエッジ部分を覆うように形成されることが好ましい。絶縁層の特に好適な形状の例を図1および図2に示す。基板10上にストライプ状に形成された第一電極11が露出した開口部15があり、この露出部以外は絶縁層14によって覆われている。すなわち、絶縁層14が第一電極11のエッジ部分を覆うように形成されている。さらに、絶縁層は必要に応じて第一電極と対向する第二電極のエッジ部分をも遮るように形成されることが好ましい。開口部15は、例えば有機電界発光装置では、1つの発光領域、すなわち画素に対応させることができる。
【0014】
本発明では、図3に示すように、絶縁層14が第一電極11を露出せしめる境界部分16における絶縁層の断面が順テーパー形状である。ここで、順テーパー形状とは図中の角度θが90°未満であることに対応する。有機電界発光装置を例に説明すると、絶縁層の断面が順テーパー形状の場合には、絶縁層形成後に有機薄膜層および第二電極を成膜する場合でも、境界部分においてこれらの膜が滑らかに形成され、段差に起因する膜厚ムラなどを低減させることができ、安定な特性を有する発光装置を得ることができる。テーパー角度θは80°以下、さらに60°以下、さらに45°以下であることが好ましい。
【0015】
絶縁層は第一電極に接して、その直上に形成されることが多い。しかしながら、第一電極の低抵抗化のために第一電極にガイド電極を付設するような場合には、ガイド電極に接するようにして形成することもできる。この場合は、第一電極だけでなくガイド電極のエッジ部分を覆うように絶縁層を形成することで、電界集中を効果的に抑制することができる。
【0016】
絶縁層の厚さは特に限定されるものではないが、成膜やパターニングの容易性を考えると、0.1〜50μm、また0.2〜50μmの範囲であることが好ましく、さらに、0.5〜10μmの範囲であることが好ましい。絶縁層を比較的薄くすると、高精度のパターニングが可能となる。また、絶縁層を比較的厚くすると、例えば有機電界発光装置の製造時にマスク蒸着法により発光層や第二電極をパターニングする際に、シャドーマスクが基板上へ既に成膜した層を傷つけること(マスク傷)を防止するスペーサーとしての役割を付加させることができる。
【0017】
絶縁層は隣り合う第一電極をまたがるよう形成されるので、良好な電気絶縁性が要求される。絶縁層の体積抵抗率は5×106Ωcm以上、さらには、5×107Ωcm以上であることが好ましい。なお、表示装置のコントラスト向上のために、絶縁層を黒色化することもできるが、その際には、電気絶縁性を損なわないように注意すべきである。
【0018】
本発明において、第一電極材料としては透明な導電性材料が好ましく、酸化錫、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などを用いることができる。パターニングを行うディスプレイ用途においては、加工性に優れたITOをベース電極に用いることが好ましい。導電性向上のためにITOには少量の銀や金などの金属が含有されていてもよい。
【0019】
本発明では絶縁層が一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと光酸発生剤を必須成分とするポジ型感光性ポリイミド前駆体をパターン形成し、キュアしてなることを特徴とする。感光性ポリイミドとは、ポリイミド前駆体のエネルギー照射部分の現像液に対する溶解度が、非照射部分のそれと異なることを利用して直接的にパターニングを行い、その後キュアすることで得られるものの総称である。照射するエネルギーとしては電子線なども利用できるが、多くの場合には電磁波、特に青色から紫外(UV)領域の光が利用されるので、エネルギー照射のことを露光と呼ぶ。また、溶解度の差を利用して、感光性ポリイミド前駆体膜の所望の部分を除去することを現像と呼ぶ。絶縁層を感光性ポリイミドとすることで、従来必要であった、非感光性ポリイミド前駆体上へのレジストの塗布・露光・現像や、非感光性ポリイミド前駆体をエッチングした後のレジスト除去の工程などが不要となり、絶縁層のパターニングに必要な工程を大幅に減らすことができる。
【0020】
感光性ポリイミド前駆体には、露光することで溶解性が増大し、露光部分を除去するタイプのポジ型と、露光することで硬化し、非露光部分を除去するタイプのネガ型の2種類がある。感光性ポリイミド前駆体を露光した場合には、膜の表面部分で光が強く吸収され、内部になるに従って吸光量は少なくなる傾向にある。つまり、ポジ型では膜の表面部分の溶解性の方が内部のそれよりも大きくなり、ネガ型ではその逆になる傾向にある。本発明では絶縁層が原理的に順テーパー形状が得られやすいポジ型感光性ポリイミド前駆体をパターン形成し、キュアしてなる。
【0021】
本発明のポリイミド前駆体としては、上記に挙げた一般式(1)で表されるポリマーが用いられる。
【0022】
本発明に用いられる溶媒とは、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などの溶剤を単独、または混合して使用することができる。
【0023】
基板との接着性を高めるために、シランカップリング剤、チタンキレート剤などを併用することもできる。メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタンキレート剤、アルミキレート剤をポリマーに対して0.5から10重量部添加することが好ましい。
【0024】
基板を処理することによって、さらに接着性を向上させることも可能である。上記で述べたカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5から20重量部溶解させた溶液をスピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理をする。場合によっては、その後50℃から300℃までの温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との反応を進行させる。
【0025】
本発明における基板の材質は、例えば、金属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素、ポリマーフィルムなど、表面に電極用金属を設けることができるあらゆる材質が挙げられる。好ましくはガラスが用いられる。ガラスの材質については、特に限定されるものではないが、アルカリ亜鉛ホウケイ酸ガラス、ナトリウムホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、低アルカリホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、溶融石英ガラス、合成石英ガラスなどが用いられ、通常ガラスからの溶出イオンが少ない、無アルカリガラスやSiO2などのバリアコートを施したソーダライムガラスが使用される。また、厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上である。
【0026】
また、必要に応じて本発明組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を混合してもよい。また、二酸化ケイ素、二酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを添加することもできる。
【0027】
一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーは、水酸基を有することができ、アルカリ水溶液に対する溶解性が水酸基を有さないポリアミド酸よりも良好となる。特に、水酸基の中でもフェノール性の水酸基がアルカリ水溶液に対する溶解性の観点より好ましい。
【0028】
本発明において、一般式(1)で表されるポリマーは、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマーとなり得るものである。環構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。
【0029】
【化2】
Figure 0004982927
【0030】
一般式(1)中、R1を構成する残基は酸の構造成分を表しており、少なくとも2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基である。本発明におけるポリマーの耐熱性の点から、R1は芳香環または芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価から8価の有機基が好ましい。
【0031】
一般式(1)中、R2を構成する残基はジアミンの構造成分を表しており、少なくとも2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基である。本発明におけるポリマーの耐熱性の点から、R2は芳香環または芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価から6価の有機基が好ましい。
【0032】
一般式(1)中、R3、R4は水素、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは炭素数1から20までの有機基を示す。このときnやoが2の場合、R3は各々同じでも異なっていてもよく、R4も各々同じでも異なっていてもよい。
【0033】
本発明において一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと光酸発生剤を必須成分とするポジ型感光性ポリイミド前駆体に含まれるポリマーは、一般式(1)で表される構造単位のみからなるものであっても良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド体であってもよい。その際、一般式(1)で表される構造単位を90モル%以上含有していることが好ましい。共重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類および量は最終加熱処理温度によって得られるポリマーの耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
【0034】
一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーは、R3、R4が水素である場合は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを選択的に組み合わせ、これらをN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどを主成分とする極性溶媒や、γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒中で反応させることが挙げられる。
【0035】
3、R4が炭素数1から20までの有機基、なかでもアルキル基である場合は、テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物を反応させた後、塩化チオニル等を用いて酸塩化物を合成した後に適当なジアミンと選択的に組み合わせるか、またはジシクロへキシルカルボジイミド等の適当な脱水剤を用いてジアミンと選択的に組み合わせ、これらをN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホロトリアミド等を主成分とする極性溶媒や、γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒中で反応させることが挙げられる。
【0036】
また本発明の効果は、一般式(1)に該当するポリマーであればいずれでも得られるが、なかでも下記に示すポリマーが好ましい。
【0037】
【化3】
Figure 0004982927
【0038】
5は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価から8価の有機基、R6は、少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価から6価の有機基、R7は水素、または炭素数1から20までの有機基を示す。mは3から100000までの整数、tは1または2、rは0から4までの整数、sは1から4までの整数である。
【0039】
一般式(2)で表される構造単位を主成分とするポリマーは、水酸基の存在のために、アルカリ水溶液に対する溶解性が水酸基を有さないポリアミド酸よりも良好になる。特に、水酸基の中でもフェノール性の水酸基がアルカリ水溶液に対する溶解性の観点より好ましい。
【0040】
一般式(2)中、R5を構成する残基は酸の構造成分を表しており、少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価から8価の有機基を示している。この酸成分は芳香族環を含有し、かつ水酸基を1個から4個有した、炭素数2〜60の3価から8価の有機基が好ましい。さらに、水酸基はアミド結合と隣り合った位置にあることが好ましい。このような例として、下記に示すような構造のものがあげられる。
【0041】
【化4】
Figure 0004982927
【0042】
また、R5を含む残基として、水酸基を有していないテトラカルボン酸、トリカルボン酸、ジカルボン酸を使用することもできる。これらの例としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族のテトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、トリメリット酸、トリメシン酸、ナフタレントリカルボン酸などの芳香族トリカルボン酸などを挙げることができる。
【0043】
一般式(2)中、Rを構成する残基はジアミンの構造成分を表している。この中で、R (OH) の好ましい例としては、得られるポリマーの耐熱性より芳香族を有し、かつ、水酸基を1個から4個有するものが好ましい。さらに、水酸基はアミド結合と隣り合った位置にあることが好ましい。
【0044】
具体的な例としてはビス(アミノヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシジアミノピリミジン、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メタン、ジヒドロキシベンゼンなどの化合物や下記に示すような構造のものがあげられる。
【0045】
【化5】
Figure 0004982927
【0046】
一般式(2)のR7は水素、あるいは炭素数1〜20の有機基を表している。より好ましくは炭素数1〜10の有機基である。R7の炭素数が20を越えるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。得られる感光性樹脂溶液の安定性からR7は有機基が好ましいが、アルカリ水溶液に対する溶解性からみると水素が好ましい。つまり、R7はすべて水素であることやすべて有機基であることは好ましくない。このR7の水素と有機基の量を制御することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有した感光性樹脂組成物を得ることができる。mは3から100000までの整数であり、tは1または2、rは0から4までの整数、sは1から4までの整数である。rが5以上になると、得られる耐熱性樹脂被膜の特性が低下する。
【0047】
また、カルボキシル基の一部をイミド化することによって、残存カルボキシル基の量を調節することも可能である。このときのイミド化の割合は1%以上50%以下が好ましい。イミド化率が50%を超えると露光に使用する化学線に対するポリマーの吸収が大きくなり、感度が低下する。
【0048】
一般式(1)、一般式(2)で表されるポリマーは露光する化学線に対してできるだけ透明であることが望ましい。そのため、365nmにおけるポリマーの吸光度は1μmあたり0.1以下であることが好ましい。より好ましくは0.08以下である。0.1を超えると365nmの化学線での露光に対する感度が低下する。
【0049】
一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーは、光酸発生剤を添加することで感光性を付与することができる。とくに、一般式(2)で表される構造単位を主成分とするポリマーにおいて好ましく用いられる。
【0050】
本発明で用いる光酸発生剤としては、ジアゾニウム塩、ジアゾキノンスルホン酸アミド、ジアゾキノンスルホン酸エステル、ジアゾキノンスルホン酸塩、ニトロベンジルエステル、オニウム塩、ハロゲン化物、ハロゲン化イソシアネート、ハロゲン化トリアジン、ビスアリールスルホニルジアゾメタン、ジスルホン等の光照射により分解し酸を発生する化合物が挙げられる。特にo−キノンジアジド化合物は未露光部の水溶性を抑制する効果を有するために望ましい。このような化合物としては、1,2−ベンゾキノン−2−アジド−4−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド等がある。これらは、例えば、1,2−ベンゾキノン−2−アジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等のo−キノンジアジドスルホニルクロリド類とポリヒドロキシ化合物又はポリアミノ化合物を脱塩酸触媒の存在下で縮合反応することによって得ることができる。
【0051】
ポリヒドロキシ化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、4−フェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオール、4−エチル−1,3−ベンゼンジオール、4−フェニルメチル−1,3−ベンゼンジオール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、(2,4−ジヒドロキシフェニル)フェニルメタノン、4−ジフェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオール、2,4’、4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’,4”,4'”−(1,2−エタンジイリデン)テトラキスフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン]ビスフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘシルフェノール、2,2’−メチレンビス[6−[(2/4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、2,2’−ビフェノール、4,4’−シクロヘシリデンビスフェノール4,4’−シクロペンチリデンビスフェノール2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[ベンゼン−1,2−ジオール]、5,5’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[ベンゼン−1,2,3−トリオール]4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ベンゼンジオール、4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]−1,2−ベンゼンジオール、4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]−1,3−ベンゼンジオール、4−[(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン]−1,2,3−ベンゼントリオール没食子酸メチル、没食子酸エチル等が挙げられる。
【0052】
ポリアミノ化合物としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド等が挙げられる。
【0053】
また、ポリヒドロキシポリアミノ化合物としては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン等が挙げられる。
【0054】
本発明で用いられる光酸発生剤の具体的例としては、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸メチル、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4',4"−エチリデントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4,4',4'−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノール、4,4’−[4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン]ビスフェノールであって、かつ少なくとも一つのヒドロキシル基が1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基であるo−キノンジアジド化合物が挙げられる。
【0055】
o−キノンジアジド化合物は、一般式(1)で表されるポリマー100重量部に対して好ましくは5から100重量部、より好ましくは5から40重量部の範囲で配合される。配合量が5重量部未満では十分な感度が得られず、また、100重量部を超えると、光照射およびそれに続く現像によるパターンの形成が難しく、また樹脂組成物の耐熱性が低下する可能性がある。
【0056】
また、未露光部と露光部の溶解速度比を調整する目的で、溶解調整剤を用いることもできる。溶解調整剤としては、ポリヒドロキシ化合物、スルホンアミド化合物、ウレア化合物など、いずれの化合物でも好ましく用いることができる。とくに、キノンジアジド化合物を合成する際の原料であるポリヒドロキシ化合物が好ましく用いられる。具体的には、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸メチル、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4',4"−エチリデントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4,4',4'−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノールが挙げられる。
【0057】
溶解調整剤は、一般式(1)で表されるポリマー100重量部に対して好ましくは1から100重量部、より好ましくは5から40重量部の範囲で配合される。配合量が1重量部未満では十分な効果が得られず、また、100重量部を越えると樹脂組成物の耐熱性が低下する可能性がある。
【0058】
ポジ型感光性ポリイミド前駆体を用いた絶縁層のパターニングは、次のような工程で実施することができる。第一電極11がパターニングされた基板10上に(図4)、ポジ型感光性ポリイミド前駆体膜を全面に塗布する(図5)。塗布方法は、スピンコート法、スリットダイコート法、スプレー法、ロールコート法、ディップ法など公知の技術を利用できる。また、塗布膜厚は、乾燥後の膜厚が0.1〜150μmになるように塗布される。好ましくは、0.5〜20μmである。
【0059】
塗布したポリイミド前駆体膜を必要に応じてプリベークした後に、フォトマスク18を介して露光を行う(図6)。露光部分17は溶解性が増大するので、基板を現像液に浸して露光部分を溶解・除去せしめ、必要に応じてキュアすることで所望のポリイミドパターンを得ることができる(図7)。
【0060】
本発明におけるポジ型感光性ポリイミドは、前駆体状態での保存安定性や感光性、現像特性を良好に発現するために、オキサゾール構造を有することが好ましい。オキサゾール構造は1477cm-1付近に特徴的な赤外吸収ピークを有する。ポリイミドに特徴的なイミド構造の赤外吸収ピークは、1775〜80cm-1、1725cm-1付近、1380cm-1付近であるので、これらとは明確に区別することができる。
【0061】
本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体のプリベークは、オーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃から150℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。必要に応じて、80℃で2分の後、120℃で2分など、2段あるいはそれ以上で乾燥することもできる。
【0062】
露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。これらの波長の光は単独でも、2種類以上混合して用いても好ましく用いられる。
【0063】
現像時のパターンの解像度が向上したり、現像条件の許容幅が増大する場合には、現像前にベーク処理をする工程を取り入れても差し支えない。この温度としては50〜180℃の範囲が好ましく、特に60〜150℃の範囲がより好ましい。時間は10秒〜数時間が好ましい。この範囲を外れると、反応が進行しなかったり、すべての領域が溶解しなくなるなどの恐れがあるので注意を要する。
【0064】
現像液としては、テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液は特に好適な現像液である。
【0065】
また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加してもよい。
【0066】
現像後は水にてリンス処理をする。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。現像やリンスには超音波処理を施すこともできる。
【0067】
キュア温度は200℃から500℃の範囲で行うことが好ましく、250℃から350℃の範囲がさらに好ましい。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分から5時間実施する。一例としては、140℃、200℃、350℃で各30分ずつ熱処理する。あるいは室温より400℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。 本発明の感光性ポリイミドのガラス転移温度は250℃以上350℃以下が好ましく、また260℃以上350℃以下であることがより好ましい。また、5%熱重量減少温度は350℃以上であることが好ましい。屈折率は特に限定されないが、1.8以下であることが好ましい。
【0068】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0069】
合成例1 ヒドロキシル基含有酸無水物の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とグリシジルメチルエーテル34.2g(0.3モル)を酢酸エチル100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここに酢酸エチル50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して、トルエン1lに投入して酸無水物を得た。これを下記に示す。
【0070】
【化6】
Figure 0004982927
【0071】
合成例2 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物の合成
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた固体をテトラヒドロフランとエタノールの混合溶液で再結晶した。
【0072】
再結晶して集めた固体30gを300mlのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mlに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行った。約4時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、ジアミン化合物を得た。これを下記に示す。得られた固体をそのまま反応に使用した。
【0073】
【化7】
Figure 0004982927
【0074】
合成例3 キノンジアジド化合物(1)の合成
乾燥窒素気流下、BisRS−2P(商品名、本州化学工業(株)製)16.1g(0,05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.9g(0.1モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン10.1gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩をろ過し、ろ液を水に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、キノンジアジド化合物(1)を得た。
【0075】
【化8】
Figure 0004982927
【0076】
合成例4 キノンジアジド化合物(2)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)、15.3g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド40.3g(0.15モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1.4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.2gを用い、合成例3と同様にしてキノンジアジド化合物(2)を得た。
【0077】
【化9】
Figure 0004982927
【0078】
合成例5 キノンジアジド化合物(3)の合成
乾燥窒素気流下、BIR−PTBP(商品名、本州化学工業(株)製)、19.7g(0.05モル)と4−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.9g(0.10モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1.4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン10.1gを用い、合成例3と同様にしてキノンジアジド化合物(3)を得た。
【0079】
【化10】
Figure 0004982927
【0080】
合成例6
乾燥窒素気流下、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.2g(0.02モル)1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.2g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物21.4g(0.03モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.1g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。得られた溶液40gに合成例3で得られたキノンジアジド化合物(1)2gを溶解させて、感光性樹脂ワニスAを得た。
【0081】
合成例7
乾燥窒素気流下、合成例2で得られたヒドロキシル基含有ジアミン15.1g(0.025モル)をNMP50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシ基含有酸無水物17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、60℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液を水2lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
【0082】
このようにして得たポリマー固体10gを計り、合成例4で得られたキノンジアジド化合物(2)2g、Bis−Z(商品名、本州化学工業(株)製)1.5g、ビニルメトキシシラン1gとをGBL30gに溶解させて感光性樹脂ワニスBを得た。
【0083】
合成例8
乾燥窒素気流下、合成例2で得られたヒドロキシル基含有ジアミン27.2g(0.045モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をNMP50gに溶解させた。ここに、3,3’、4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物12.4g(0.04モル)をNMP21gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、ついで50℃で2時間反応させた。ここに、無水マレイン酸0.98g(0.01g)を加え、50℃で2時間攪拌後、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール14.7g(0.1モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。
【0084】
得られた溶液30gに合成例5で得られたキノンジアジド化合物(3)1.6gを溶解させて感光性樹脂組成物ワニスCを得た。
【0085】
合成例9
乾燥窒素気流下、500mlの4つ口フラスコに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物24.8gとn−ブチルアルコール59.3gを入れ、95℃で5時間反応させた。過剰なn−ブチルアルコールを減圧下で留去し、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。ついで、乾燥窒素気流下、300mlの4つ口フラスコに塩化チオニル95.2g、トルエン70.0gを入れ、40℃で3時間反応させた。減圧により、過剰の塩化チオニルをトルエンと共沸させて除去した。NMP186gを添加し、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を得た。
【0086】
つぎに、乾燥窒素気流下、500mlの4つ口フラスコにNMP95.0gと3,5−ジアミノ安息香酸8.5g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.8gを入れ、攪拌溶解した。その後、ピリジン12.7gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。得られた溶液を5lの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥してポリアミド酸n−ブチルエステルを得た。
【0087】
ポリアミド酸n−ブチルエステル30.0g、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/3のモル比で反応させた化合物7.5gと(p−ニトロベンジル)−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホナート2.0gをNMP45.0gに攪拌溶解させ、感光性樹脂組成物ワニスDを得た。
【0088】
実施例1
厚さ1.1mmの無アルカリガラス表面にスパッタリング蒸着法によって厚さ130nmのITO透明電極膜が形成されたガラス基板を120×100mmの大きさに切断した。ITO基板上にフォトレジストを塗布して、通常のフォトリソグラフィ法による露光・現像によってパターニングした。ITOの不要部分をエッチングして除去した後、フォトレジストを除去することで、ITO膜を長さ90mm、幅80μmのストライプ形状にパターニングした。このストライプ状第一電極は100μmピッチで816本配置されている。
【0089】
次に、ポジ型感光性ポリイミド前駆体(東レ(株)製、PW−1000)の濃度調整を行い、スピンコート法により第一電極を形成した基板上に塗布し、ホットプレート上で120℃で2分間プリベークした。この膜にフォトマスクを介してUV露光した後、2.38%TMAH水溶液で露光部分のみを溶解させることで現像し、純水でリンスした。得られたポリイミド前駆体パターンをクリーンオーブン中の窒素雰囲下で170℃、30分、さらに、320℃で60分加熱してキュアした。このようにして、幅70μm、長さ250μmの開口部が幅方向にピッチ100μmで816個、長さ方向にピッチ300μmで200個配置され、それぞれの開口部が図1に示したように第一電極の中央部を露出せしめ、しかも、第一電極のエッジ部分を覆うような形状の感光性ポリイミドからなる絶縁層を形成した。絶縁層の厚さは約1μmであり、体積抵抗率は少なくとも5×10710Ωcmあることを確認した。絶縁層の境界部分の断面は図3に示したような順テーパー形状であり、テーパー角度θは約45°であった。また、絶縁層の赤外吸収スペクトルを反射配置で測定したところ、1780cm-1付近、1377cm-1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された(図10)。
【0090】
次に、絶縁層を形成した基板を用いて有機電界発光装置の作製を行った。発光層を含む薄膜層は、抵抗線加熱方式による真空蒸着法によって形成した。なお、蒸着時の真空度は2×10-4Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して基板を回転させた。まず、銅フタロシアニンを15nm、ビス(N−エチルカルバゾール)を60nm、基板有効エリア全面に蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0091】
発光層パターニング用として、図8に模式的に示すように、マスク部分と補強線とが同一平面内に形成されたシャドーマスクを用いた。シャドーマスクの外形は120×84mm、マスク部分31の厚さは25μmであり、長さ64mm、幅100μmのストライプ状開口部がピッチ300μmで272本配置されている。各ストライプ状開口部32には、開口部と直交する幅20μm、厚さ25μmの補強線33が1.8mm間隔に形成されている。シャドーマスクは外形が等しい幅4mmのステンレス鋼製フレーム34に固定されている。
【0092】
発光層用シャドーマスクを基板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェライト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置した。この際、ストライプ状第一電極がシャドーマスクのストライプ状開口部の中心に位置し、補強線が絶縁層上に位置し、かつ補強線と絶縁層が接触するように配置される。シャドーマスクは膜厚の厚い絶縁層と接触して、先に形成した有機層とは接触しないので、マスク傷が防止される。この状態で0.3重量%の1,3,5,7,8−ペンタメチル−4,4−ジフロロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(PM546)をドーピングした8−ヒドロキシキノリン−アルミニウム錯体(Alq3)を21nm蒸着し、緑色発光層をパターニングした。
【0093】
次に、シャドーマスクを1ピッチ分ずらした位置の第一電極パターンに位置合わせして、1重量%の4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(ジュロリジルスチリル)ピラン(DCJT)をドーピングしたAlq3を15nm蒸着して、赤色発光層をパターニングした。
【0094】
さらにシャドーマスクを1ピッチ分ずらした位置の第一電極パターンに位置合わせして、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ジフェニル(DPVBi)を20nm蒸着して、青色発光層をパターニングした。緑色、赤色、青色それぞれの発光層は、ストライプ状第一電極の3本ごとに配置され、第一電極の露出部分を完全に覆っている。
【0095】
次に、DPVBiを35nm、Alq3を10nm、基板有効エリア全面に蒸着した。この後、薄膜層をリチウム蒸気に曝してドーピング(膜厚換算量0.5nm)した。
【0096】
第二電極パターニング用として、図9に模式的に示すように、マスク部分の一方の面と補強線との間に隙間が存在する構造のシャドーマスクを用いた。シャドーマスクの外形は120×84mm、マスク部分31の厚さは100μmであり、長さ100mm、幅250μmのストライプ状開口部32がピッチ300μmで200本配置されている。マスク部分の上には、幅40μm、厚さ35μm、対向する二辺の間隔が200μmの正六角形構造からなるメッシュ状の補強線33が形成されている。隙間の高さはマスク部分の厚さと等しく100μmである。シャドーマスクは外形が等しい幅4mmのステンレス鋼製フレーム34に固定されている。
【0097】
第二電極は抵抗線加熱方式による真空蒸着法によって形成した。なお、蒸着時の真空度は3×10-4Pa以下であり、蒸着中は2つの蒸着源に対して基板を回転させた。発光層のパターニングと同様に、第二電極用シャドーマスクを基板前方に配置して両者を密着させ、基板後方には磁石を配置した。この際、絶縁層がマスク部分の位置と一致するように両者を配置する。この状態でアルミニウムを240nmの厚さに蒸着して、第二電極をパターニングした。第二電極は、間隔をあけて配置された複数のストライプ状第一電極と直交する配置で、間隔をあけて配置されたストライプ状にパターニングされている。
【0098】
本基板を蒸着機から取り出し、ロータリーポンプによる減圧雰囲気下で20分間保持した後、露点−90℃以下のアルゴン雰囲気下に移した。この低湿雰囲気下にて、基板と封止用ガラス板とを硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。
【0099】
このようにして幅80μm、ピッチ100μm、本数816本のITOストライプ状第一電極上に、パターニングされた緑色発光層、赤色発光層および青色発光層が形成され、第一電極と直交するように幅250μm、ピッチ300μmのストライプ状第二電極が200本配置された単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。赤、緑、青の3つの発光領域が1画素を形成するので、本発光装置は300μmピッチで272×200画素を有する。絶縁層が第一電極を露出せしめる部分のみが発光するので、1つの発光領域は幅70μm、長さ250μmの長方形である。
【0100】
本表示装置を線順次駆動したところ、良好な表示特性を得ることができた。第一電極のエッジ部分が絶縁層で覆われているために、電界集中による短絡は認められなかった。また、断面が順テーパー形状であることから、絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなく、スムーズに成膜されたので、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。また、耐久性試験として、85℃で250時間保持した後の発光特性を評価したところ、初期と比べて発光領域が小さくなることなく良好な発光を示した。
【0101】
実施例2
ポジ型感光性ポリイミドからなる絶縁層を形成するまでは実施例1と同様にした。次に、第一電極および絶縁層が形成された基板上にネガ型感光性ポリイミド前駆体(東レ(株)製、UR−3100)をスピンコートし、クリーンオーブン中の窒素雰囲気下で80℃、1時間プリベークした。この膜にフォトマスクを介してUV露光した後、現像液(東レ(株)製、DV−505)で非露光部分のみを溶解させることで現像し、純水でリンスした。その後クリーンオーブン中の窒素雰囲気下で180℃、30分間、さらに220℃で30分間加熱してキュアした。第一電極と直交する隔壁を形成した。この電気絶縁性の隔壁は絶縁層上に位置しており、長さ104mm、幅30μm、高さ4μmであり、300μmピッチで201本配置されている。
【0102】
薄膜層の形成は実施例1と同様にした。第二電極の形成には隔壁法を用いた。すなわち、基板を蒸着源に対して傾けて設置した状態で斜め蒸着を行い、240nmのアルミニウムを蒸着した。蒸着物に対して隔壁の陰となる部分には蒸着物が付着しないので、これにより、ストライプ状の第二電極をパターニングした。封止については実施例1と同様にした。
【0103】
このようにして、幅80μm、ピッチ100μm、本数816本のITOストライプ状第一電極上に、パターニングされた緑色発光層、赤色発光層および青色発光層が形成され、第一電極と直交するように幅約270μm、ピッチ300μmのストライプ状第二電極が200本配置された単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。実施例1と同様に、本発光装置も300μmピッチで272×200画素を有し、1つの発光領域は幅70μm、長さ250μmの長方形である。
【0104】
本表示装置を線順次駆動したところ、実施例1と同様に良好な表示特性を得ることができた。第一電極のエッジ部分が絶縁層で覆われているために、電界集中による短絡は認められなかった。また、断面が順テーパー形状であることから、絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなく、スムーズに成膜されたので、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。また、耐久性試験として、85℃で250時間保持した後の発光特性を評価したところ、初期と比べて発光領域が小さくなることなく良好な発光を示した。
【0105】
実施例3
第一電極のパターニングまでは実施例1と同様にした。次に、ポジ型感光性ポリイミド前駆体(東レ(株)製、PW−1000)の濃度調整を行い、実施例1と同様にパターニングを行うことで、厚さが約3μmであること以外は実施例1と同様の感光性ポリイミドからなる絶縁層を形成した。
【0106】
その後は実施例1と同様にして単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、実施例1と同様の良好な表示特性を得ることができた。第一電極のエッジ部分が絶縁層で覆われているために、電界集中による短絡は認められなかった。また、断面が順テーパー形状であることから、実施例1よりも絶縁層の厚さが厚くなったにも関わらず、絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなくスムーズに成膜され、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。さらに、絶縁層がより厚くなったために、実施例1に比べてマスク蒸着におけるマスク傷の影響をさらに受けにくくなり、マスク傷により発光が不安定になった発光領域はほとんど認められなかった。
【0107】
実施例4〜7
ポジ型感光性ポリイミド前駆体(東レ(株)製、PW−1000)の代わりに、ワニスA(実施例4)、ワニスB(実施例5)、ワニスC(実施例6)、ワニスD(実施例7)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0108】
何れのワニスを用いた場合も、本表示装置を線順次駆動したところ、良好な表示特性を得ることができた。第一電極のエッジ部分が絶縁層で覆われているために、電界集中による短絡は認められなかった。また、断面が順テーパー形状であることから、絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなく、スムーズに成膜されたので、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。また、耐久性試験として、85℃で250時間保持した後の発光特性を評価したところ、初期と比べて発光領域が小さくなることなく良好な発光を示した。
【0109】
実施例8〜11
ポジ型感光性ポリイミド前駆体(東レ(株)製、PW−1000)の代わりに、ワニスA(実施例8)、ワニスB(実施例9)、ワニスC(実施例10)、ワニスD(実施例11)を用いた以外は、実施例3と同様に、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、実施例3と同様の良好な表示特性を得ることができた。第一電極のエッジ部分が絶縁層で覆われているために、電界集中による短絡は認められなかった。また、断面が順テーパー形状であることから、実施例1よりも絶縁層の厚さが厚くなったにも関わらず、絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなくスムーズに成膜され、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。さらに、絶縁層がより厚くなったために、実施例1に比べてマスク蒸着におけるマスク傷の影響をさらに受けにくくなり、マスク傷により発光が不安定になった発光領域はほとんど認められなかった。また、耐久性試験として、85℃で250時間保持した後の発光特性を評価したところ、初期と比べて発光領域が小さくなることなく良好な発光を示した。
【0110】
実施例12
ポジ型感光性ポリイミド前駆体(東レ(株)製、PW−1000)の代わりに、カルボキシル基にo−ニトロベンジルエステル基を導入したポリイミド系ポジ型フォトレジストを用い、現像液に2%水酸化ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に絶縁層のパターン加工を行った。
【0111】
本表示装置を線順次駆動したところ、良好な表示特性を得ることができた。第一電極のエッジ部分が絶縁層で覆われているために、電界集中による短絡は認められなかった。また、断面が順テーパー形状であることから、絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなく、スムーズに成膜されたので、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。また、耐久性試験として、85℃で250時間保持した後の発光特性を評価したところ、初期と比べて発光領域が小さくなることなく良好な発光を示した。
【0112】
なお、上記フォトレジストは、ポジ型感光性樹脂組成物の現像液としてよく用いられる2.38%TMAH水溶液では、現像不良となり、所望のパターンが得られなかった。
【0113】
比較例1
絶縁層にネガ型感光性ポリイミド前駆体(東レ(株)製、UR−3100)を用い、実施例2において隔壁を形成したのと同様にして、ネガ型感光性ポリイミドからなる絶縁層を形成した。絶縁層の厚さは実施例3と同じ約3μmであり、境界部分の断面のテーパー角度θが約90°になったこと以外は、実施例3と同様の絶縁層を得ることができた。
【0114】
その後は実施例1と同様にして単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、第一電極のエッジ部分が絶縁層で覆われているために、電界集中による短絡は認められなかったが、絶縁層の断面がほとんど矩形形状であることから、絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が薄くなる傾向にあり、発光領域内で輝度ムラが認められた。
【0115】
比較例2
ポジ型感光性ポリイミド前駆体(東レ(株)製、PW−1000)の代わりに、ポジ型レジスト OFPR−800(東京応化工業製)を用い、スピンコート法により第一電極を形成した基板上に塗布し、ホットプレート上で80℃で2分間プリベークし、露光、現像、リンスした後、ホットプレートで180℃で8分間キュアをした以外は、実施例1と同様に絶縁層のパターン加工を行った。
【0116】
その後は実施例1と同様にして単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、初期は良好な発光を示したが、耐久性試験として85℃で250時間保持した後の発光特性を評価したところ、発光領域が初期に比べて約80%に小さくなった。
【0117】
【表1】
Figure 0004982927
【0118】
【発明の効果】
本発明の、絶縁層が一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと光酸発生剤を必須成分とするポジ型感光性ポリイミド前駆体をパターン形成し、キュアしてなり、第一電極を露出せしめる境界部分における前記絶縁層の断面が順テーパー形状であることを特徴とする表示装置は、従来技術のようにフォトレジストを使用する必要がなく、ポリイミドからなる絶縁層を簡単で、より少ない工程でパターニングすることができる。さらに、絶縁層の境界部分の断面を容易に順テーパー形状とすることができるので、例えばその上に形成される薄膜層などがスムーズに形成され、表示装置の動作の安定性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁層の形状の一例を示す平面図
【図2】図のX−X’断面図
【図3】図2における絶縁層の境界部分を拡大した断面図
【図4】第一電極がパターニングされた基板を示す断面図
【図5】基板上にポジ型感光性ポリイミド前駆体を塗布した様子を示す断面図
【図6】ポリイミド前駆体膜に露光する様子を示す断面図
【図7】露光後のポリイミド前駆体膜を現像した様子を示す断面図
【図8】発光層パターニング用シャドーマスクを模式的に示す平面図
【図9】第二電極パターニング用シャドーマスクを模式的に示す平面図
【図10】絶縁層の赤外吸収スペクトル

Claims (4)

  1. 基板上に形成された第一電極と、第一電極を部分的に露出せしめるように第一電極上に形成された絶縁層と、第一電極に対向して設けられた第二電極とを含む表示装置であって、前記絶縁層が下記一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと光酸発生剤を必須成分とするポジ型感光性ポリイミド前駆体をパターン形成し、キュアしてなり、第一電極を露出せしめる境界部分における前記絶縁層の断面が順テーパー形状であることを特徴とする表示装置。
    Figure 0004982927
    (R およびR は、少なくとも2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基、R およびR は水素、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまたは炭素数1から20までの有機基を示す。R とR は同じでも異なっていてもよい。mは3から100000までの整数、nは1または2、oは0から2までの整数である。p、qは0から4までの整数である。)
  2. 上記光酸発生剤がo−キノンジアジド化合物であることを特徴とする請求項記載の表示装置。
  3. 絶縁層が第一電極のエッジ部分を覆うように形成されることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 表示装置が、基板上に形成された第一電極と、第一電極上に形成された少なくとも有機化合物からなる発光層を含む薄膜層と、薄膜層上に形成された第二電極とを含む有機電界発光素子からなる表示装置であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
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