JP4894115B2 - 低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池用基板に好適に用いられる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、太陽電池用透明導電基板に用いられる透明導電膜として、ガラス基板上に形成させた酸化スズ膜や酸化インジウム膜などが知られており、中でも、酸化スズ膜は化学的に安定な材料であり、また低価格であるため、主としてアモルファス太陽電池用基板用について活発な研究が行われている。このような透明導電膜においては、導電性をできるだけ高く維持しつつ透明化を図ることが重要である。
【0003】
ガラス基板上に酸化スズ膜を形成させる一般的な方法としては、四塩化スズを用いたスプレー法およびCVD法(化学気相蒸着法)が挙げられるが、特に高性能な導電膜を形成する場合には、活剤としてフッ素(F)をドーピングした酸化スズ膜をCVD法で成膜する方法が用いられる。
【0004】
しかしながら、このようにフッ素をドーピングする場合、酸化スズ膜の比抵抗は10-4Ω・cm台にまで低減され、導電性の高い膜が比較的容易に得られるという利点を有するが、逆に透過率の高い膜が得にくいという傾向があった。これは、フッ素を用いた場合、電導電子密度を比較的容易に増大させることが低抵抗化を可能にしている訳であるが、電導電子の増加は光学吸収を招くため透過率は逆に減少してしまうためである。逆に、電導電子密度の小さい膜では透過率は向上するものの、抵抗が著しく増大し、太陽電池等に用いることができる程度に低抵抗の膜は得にくかった。また、電導電子密度の小さい膜を低抵抗化するためには膜厚を厚くする必要があるが、これは吸収増大を招く。結果的に、高透明と低抵抗の両立は困難であった。
【0005】
このような低抵抗かつ高透明という酸化スズ膜に対する要求に対し、特開平2−168507号公報においては、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含み、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるフッ素ドープ酸化スズ膜を基板上に形成し、フッ素ドープ酸化スズ膜を窒素等の非酸化性雰囲気に曝露することによりフッ素ドープ酸化スズ膜を低抵抗化する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記公報の方法によれば、低抵抗かつ高透明のフッ素ドープ酸化スズ膜が得られる。
しかしながら、本発明者が、上記公報の方法を実用化すべく鋭意検討した結果、以下のようなことが分かった。即ち、上記公報の方法は、非酸化性雰囲気の酸素濃度が極めて低い場合、例えば、真空チャンバを用いて密閉系で非酸化性雰囲気に曝露した場合には、低抵抗かつ高透明のフッ素ドープ酸化スズ膜が得られるものの、非酸化性雰囲気の酸素濃度がある程度高い場合には、太陽電池用の透明導電膜に要求される程度に低抵抗な膜を実現することができないことが分かったのである。
【0007】
透明導電基板の量産設備として、一般に、基板上に酸化スズ膜をCVD法により成膜した後、連続的にアニール処理(熱処理)および冷却を行う、トンネル型マッフル炉(以下、単に「トンネル炉」という。)が用いられているが、このトンネル炉は密閉系の装置ではないため、成膜直後に雰囲気を置換するなどして酸素濃度を最も低くした場合でも、酸素濃度は0.2〜0.3vol%程度であり、上記公報の方法を適用するのに十分低い酸素濃度を実現することは困難である。また、トンネル炉の先端側に真空装置をインラインでつけることは、設備コストが高くなってしまう。
即ち、本発明者は、トンネル炉を用いた場合のように、酸素濃度がある程度高い場合に、上記公報の方法を適用することは困難であることを知見したのである。
【0008】
また、本発明者は、上記公報の方法により、基板温度150℃以上で非酸化性雰囲気に曝露して酸化スズ膜を低抵抗化した場合、その後、基板を冷却する工程で、酸化スズ膜が酸化性ガス(例えば、酸素)を含有する雰囲気に曝露されると、酸化スズ膜の抵抗値が上昇することを知見した。
しかしながら、上述したトンネル炉において、冷却を行う部分(冷却ゾーン)の酸素濃度を極めて低くすることは、非酸化性雰囲気に曝露する際の酸素濃度を低くするのと同様に、困難である。
【0009】
したがって、本発明は、酸素濃度の比較的高い雰囲気を用いることができるため、トンネル炉等の気密性の低い簡易な設備を用いて行うことができる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、熱処理により低抵抗化した酸化スズ膜の抵抗値を冷却工程で上昇させないで、低抵抗のまま維持し、または更に低抵抗化することができる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法を提供することを第二の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記第一の目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定のフッ素ドープ酸化スズ膜を非酸化性雰囲気で曝露する際に、雰囲気に非酸化性ガスと水蒸気とをともに含有させることにより、雰囲気の酸素濃度が比較的高くても、太陽電池用として十分低い抵抗値の酸化スズ膜を得ることができることを見出し、本発明の第一の態様を完成した。
【0011】
本発明の第一の態様は、基板上に形成された、フッ素(F原子換算)を酸化スズ(SnO2 換算)に対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるフッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露することにより低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を得る、低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法を提供する。
即ち、本発明の第一の態様は、基板上に形成された、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるフッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露することにより低抵抗化する、フッ素ドープ酸化スズ膜の低抵抗化方法である。
【0012】
また、本発明者は、上記第二の目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の熱処理の後の冷却工程において雰囲気に水蒸気を含有させることにより、特定の熱処理により低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を低抵抗のまま維持し、または更に低抵抗化することができることを見出し、本発明の第二の態様を完成した。
【0013】
本発明の第二の態様は、基板上に形成された、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるフッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度が150〜600℃で、非酸化性雰囲気に曝露するか、基板温度が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露するかして得られる低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を、曝露後に0.1vol%以上の水蒸気を含有する雰囲気で冷却して、低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を得る、低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法を提供する。
即ち、本発明の第二の態様は、基板上に形成された、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるフッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度が150〜600℃で、非酸化性雰囲気に曝露するか、基板温度が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露するかして得られる低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を、曝露後に0.1vol%以上の水蒸気を含有する雰囲気で冷却する、低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜の冷却方法である。
【0014】
特に、本発明の第一の態様と第二の態様を組み合わせた低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法が好ましい。
即ち、基板上に形成された、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるフッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露し、その後、0.1vol%以上の水蒸気を含有する雰囲気で冷却して、低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を得る、低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法は、本発明の好適な態様の一つである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。初めに、本発明の第一の態様について説明する。
本発明の第一の態様に用いられるフッ素ドープ酸化スズ膜は、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3である。
【0016】
本発明においては、フッ素ドープ酸化スズ膜が水蒸気を含有する非酸化性雰囲気に曝露されることによって、酸化スズ膜から酸素原子が一部除去され酸素不足の状態となって粒界近傍のキャリア濃度が増大し、ホール移動度が増大するため、低抵抗化が促進されるものと考えられる。
そして、このような効果は、フッ素が酸化スズに対し4mol%以下含有され、キャリア濃度が4×1020cm-3以下であるようなフッ素ドープ酸化スズ膜において、最も顕著であると考えられる。
【0017】
本発明において、酸化スズ膜中のフッ素濃度が酸化スズに対し4mol%以下であるときに顕著な低抵抗化が認められるのは、フッ素が4mol%より多く含有されていると、膜中にSn−F結合ができたり、粒界にFが偏析したりするために、酸素原子が除去されてホール移動度が増大するのが妨げられるからと考えられる。フッ素濃度が0.01mol%未満であると、酸化スズ膜の結晶性が悪くなり、抵抗値が高くなってしまう。
フッ素濃度が酸化スズに対し0.01mol%以上かつ4mol%以下であると、熱処理した場合に、低抵抗化し、かつ、高い透過率を維持することができる。好ましくは、フッ素を酸化スズに対し0.1mol%以上含有する。この場合、特に高透明かつ低抵抗の優れた透明導電膜が得られる。
【0018】
また、電導電子密度が4×1020cm-3以下であるときに顕著な低抵抗化が認められるのは、4×1020cm-3を超えると、Fの粒界への偏析が発生し、上記と同様に、酸素原子が除去されてホール移動度が増大するのが妨げられるからと考えられる。また、電導電子密度が4×1020cm-3を超えると、自由電子による光の吸収が多くなり、透過率が低くなってしまうという欠点もある。
また、抵抗値は電導電子密度と移動度の積に反比例するため、電導電子密度が5×1019cm-3未満であると、抵抗値の絶対値が高くなり、低抵抗の透明導電膜として実用的でなくなるため、好ましくない。
電導電子密度が5×1019cm-3以上かつ4×1020cm-3以下であると、非酸化性雰囲気に曝露した場合に、低抵抗化し、かつ、高い透過率を維持することができる。好ましくは、電導電子密度が1×1020以上である。この場合、特に高透明かつ低抵抗の優れた透明導電膜が得られる。
【0019】
フッ素ドープ酸化スズ膜の膜厚は、太陽電池の透明電極の用途に、透過率および抵抗値を満足するようにするためには、500nm以上であるのが好ましく、600nm以上であるのがより好ましく、また、1500nm以下であるのが好ましく、1200nm以下であるのがより好ましい。このような比較的厚い膜厚の範囲において、本発明による低抵抗化の効果が特に顕著に表れる。
なお、フッ素ドープ酸化スズ膜の膜厚は、熱処理(例えば、後述する水蒸気を含有する雰囲気での曝露)や、冷却(例えば、後述する水蒸気を含有する雰囲気での冷却)を行った後でも、ほぼ同じである。
【0020】
上記フッ素ドープ酸化スズ膜が形成される基板は、透光性基板であれば特に限定されないが、透明性、光学的特性、耐久性、電気的特性等の点で、ソーダライムシリケートガラス板、アルミノシリケートガラス板、ホウケイ酸塩ガラス板、リチウムアルミノシリケートガラス板等のアルカリ含有ガラス板;低アルカリ含有ガラス板;無アルカリガラス板;石英ガラス板が好ましい。場合によっては、透明性プラスチック板や透明性プラスチックフィルムを使用することもできる。
なお、ソーダライムシリケートガラス板等のアルカリ含有ガラス板、または低アルカリ含有ガラス板においては、その表面のアルカリ成分が溶出して、その上に形成される酸化スズ膜にヘイズ(曇り)が発生する場合があるので、これを防止するために基板の酸化スズ膜形成面に、SiO2 、Al2 O3 、ZrO2 等の酸化物を主体とするアルカリ成分の拡散を防止するコート(アルカリバリヤーコート)を形成した後に酸化スズ膜を形成するのが好ましい。
【0021】
基板上にフッ素ドープ酸化スズ膜を形成する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、スプレー法;CVD法;真空蒸着、スパッタリング等のPVD法を用いることができる。中でも、量産性が高く良質な膜が容易に得られる点で、CVD法が好ましい。
【0022】
本発明の第一の態様においては、上記基板上に形成された、上記フッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度200〜500℃で水蒸気を含有する雰囲気に曝露することにより、低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を得る。以下、水蒸気を含有する雰囲気での曝露の条件について、詳細に説明する。
【0023】
本発明の第一の態様に用いられる非酸化性雰囲気は、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する。
非酸化性ガスは、特に限定されず、例えば、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、窒素(N2 )、二酸化炭素(CO2 )、一酸化炭素(CO)、二酸化窒素(NO2 )が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、コストおよび取扱い易さの点で、窒素が好ましい。
【0024】
本発明の第一の態様においては、雰囲気が水蒸気を含有することが必須であり、その含有量は、0.1vol%以上である。雰囲気中に水蒸気が上記範囲で含有されることにより、雰囲気中の酸素濃度が比較的高くても酸化スズ膜の低抵抗化を実現できる。
また、雰囲気中の水蒸気の含有量の上限は、特に限定されず、非酸化性ガスおよび酸素以外がすべて水蒸気であってもよい。水蒸気含有量が多いほど、フッ素ドープ酸化スズ膜を低抵抗化する効果が大きいので好ましい。
なお、雰囲気中の水蒸気の含有量は、後工程の冷却時に結露が生じない程度であるのが好ましく、特に、水蒸気の含有量が20vol%以下であると、後工程で60℃程度まで冷却した場合においても、結露が生じないので好ましい。水蒸気の含有量は、10vol%以上であるのが好ましく、また、15vol%以下であるのが好ましい。
【0025】
なお、特開平2−168507号公報には、非酸化性雰囲気の成分の例示においてH2 Oが記載されているが、実施例を含め具体的な記載は一切なく、特に、非酸化性ガスと水蒸気とを併用することは何ら示唆されていない。
したがって、非酸化性雰囲気が非酸化性ガスとともに特定量の水蒸気を含有する場合に、水蒸気を含有しない場合と比べて、著しく低抵抗化できることは、本発明の第一の態様に特有の顕著な効果である。
【0026】
酸素の含有量は、100volppm〜21vol%である。本発明の第一の目的は、トンネル炉等の気密性の低い簡易な設備を用いて行うことができる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法の提供である。気密性の低い簡易な設備を用いて酸素の含有量を100volppm未満とするのは、現実的ではない。また、気密性の低い簡易な設備においても、酸素の含有量が、大気の酸素濃度である21vol%を超えることは考えにくい。
酸素の含有量は、気密性の低い簡易な設備においても容易に実現できることから、2000volppm以上であるのが好ましく、また、得られる酸化スズ膜の抵抗値が十分低いことから、1vol%以下であるのが好ましい。
【0027】
非酸化性雰囲気の全圧は、気密性の低い簡易な設備においては、ほぼ大気圧(1.013×105 Pa)であるが、特に限定されない。
【0028】
基板温度(最高基板温度)は、200〜500℃とする。特に、低抵抗化が顕著となることから、200〜450℃、更には、300〜450℃とすることが好ましい。なお、最高基板温度を保持する時間は1〜20分程度が好ましい。
【0029】
本発明の第一の態様によれば、酸素濃度がある程度高い場合であっても、太陽電池用として十分な程度まで、フッ素ドープ酸化スズ膜を低抵抗化できるので、気密性の低い簡易な設備を用いることができる。特に、トンネル炉を用いると、量産が可能となるので有用である。
上述したように、フッ素ドープ酸化スズ膜が非酸化性ガスを含有する雰囲気に曝露されると、酸化スズ膜から酸素原子が一部除去され酸素不足の状態となって粒界近傍のキャリア濃度が増大し、ホール移動度が増大するため、低抵抗化が促進されるものと考えられている。本発明の第一の態様において、雰囲気中に水蒸気が含有されると、酸素濃度が高くてもフッ素ドープ酸化スズ膜を低抵抗化できる理由は明らかではないが、酸化スズ膜の表面付近で水蒸気が膜状のものを形成し、酸化スズ膜から一旦除去された酸素原子が再度酸化スズ膜に取り込まれるのをブロックしているという機構が推定される。
【0030】
本発明の第一の態様により得られた低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜は、その後、冷却されて、太陽電池用等の種々の用途に用いられる。この冷却の方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、後述する本発明の第二の態様により冷却されるのが好ましい。
【0031】
本発明の第一の態様により得られる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜は、比抵抗が1×10-3Ω・cm以下であるのが好ましく、8×10-4Ω・cm以下であるのがより好ましい。上記範囲であると、十分に抵抗が低く、太陽電池用として実用的である。
【0032】
本発明の第一の態様を実施する装置は、特に限定されず、例えば、量産設備として一般的なトンネル炉を好適に用いることができる。トンネル炉を用いることにより、フッ素ドープ酸化スズ膜の成膜と、本発明の第一の態様による熱処理と、その後の冷却とを連続的に行うことができる。その場合、冷却方法として、本発明の第二の態様を用いることができる点でも好ましい。
【0033】
つぎに、本発明の第二の態様について説明する。
本発明の第二の態様に用いられるフッ素ドープ酸化スズ膜は、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であり、本発明の第一の態様に用いられるフッ素ドープ酸化スズ膜と全く同様である。また、本発明の第二の態様に用いられる基板も、本発明の第一の態様に用いられる基板と全く同様である。
【0034】
本発明の第二の態様に用いられる低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜は、上記フッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度(最高基板温度)が150〜600℃で、非酸化性雰囲気に曝露するか、基板温度(最高基板温度)が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露するかして得られる。この場合の非酸化性雰囲気での曝露の条件は、特に限定されず、例えば、特開平2−168507号公報に記載されている水素プラズマ、アルゴンまたは窒素を非酸化性雰囲気として用いる方法が挙げられる。
中でも、本発明の第一の態様である、基板温度が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露する方法が、雰囲気の酸素濃度が比較的高い場合にも、低抵抗化を実現することができる点で好ましい。
【0035】
本発明の第二の態様においては、上述したように、特定のフッ素ドープ酸化スズ膜を熱処理して得られる低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を、熱処理後に0.1vol%以上の水蒸気を含有する雰囲気で冷却して、低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を得る。以下、水蒸気を含有する雰囲気での冷却の条件について、詳細に説明する。
【0036】
本発明の第二の態様においては、冷却の際の雰囲気が水蒸気を含有することが必須であり、その含有量は、0.1vol%以上である。冷却の際の雰囲気が水蒸気を上記範囲で含有することにより、酸素濃度がある程度高い場合であっても、低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜が再び高抵抗化することを防止できる。
また、雰囲気中の水蒸気の含有量の上限は、特に限定されず、雰囲気が実質的にすべて水蒸気であってもよい。水蒸気含有量が多いほど、フッ素ドープ酸化スズ膜を低抵抗のまま維持し、または更に低抵抗化する効果が大きいので好ましい。
なお、雰囲気中の水蒸気の含有量は、結露を生じない程度であるのが好ましく、特に、水蒸気の含有量が20vol%以下であると、60℃程度(例えば、一般のトンネル炉の出口付近の雰囲気温度)まで冷却した場合においても、結露が生じないので好ましい。水蒸気の含有量は、10vol%以上であるのが好ましく、また、15vol%以下であるのが好ましい。
【0037】
冷却の際の雰囲気は、水蒸気のほかに、非酸化性ガス、酸化性ガス等を含有していてもよい。
非酸化性ガスは、特に限定されず、例えば、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、窒素(N2 )、二酸化炭素(CO2 )、一酸化炭素(CO)、二酸化窒素(NO2 )が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、コストおよび取扱い易さの点で、窒素が好ましい。
【0038】
酸化性ガスとしては、通常、酸素が含有される。酸素の含有量は、特に限定されないが、通常、100volppm〜21vol%である。トンネル炉等の気密性の低い簡易な設備を用いて冷却を行う場合には、酸素の含有量を100volppm未満とするのは、現実的ではない。また、気密性の低い簡易な設備においても、酸素の含有量が、大気の酸素濃度である21vol%を超えることは考えにくい。
酸素の含有量は、気密性の低い簡易な設備においても容易に実現することができる点で、2000volppm以上であるのが好ましく、また、得られる酸化スズ膜の抵抗値が十分低い点で、1vol%以下であるのが好ましい。
【0039】
冷却の際の雰囲気の全圧は、気密性の低い簡易な設備においては、ほぼ大気圧(1.013×105 Pa)であるが、特に限定されない。
【0040】
冷却時の基板温度は、熱処理工程に導入される際の基板温度にもよるが、通常、冷却開始時において200〜500℃とし、また、冷却終了時において60〜200℃とする。
【0041】
本発明の第二の態様によれば、酸化性ガスの濃度がある程度高い場合であっても、太陽電池用として十分な程度に低く、フッ素ドープ酸化スズ膜の抵抗率を維持し、または更に低抵抗化することができるので、気密性の低い簡易な設備を用いることができる。特に、トンネル炉を用いると、量産が可能になるので有用である。
上述したように、熱処理されて低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜が、冷却工程において酸化性ガスを含有する雰囲気に曝露されると、酸化スズ膜の抵抗値が上昇する。この理由は明らかでないが、雰囲気中に含有される酸化性ガスの原子・イオン(例えば、酸素原子や酸素イオン)が、酸化スズ膜に取り込まれ、粒界近傍のキャリア濃度が低下し、ホール移動度が低下するため、再び高抵抗化するものと考えられる。
本発明の第二の態様においては、酸化スズ膜の表面付近で水蒸気が膜状のものを形成し、冷却の際の雰囲気の含有する酸素原子等が酸化スズ膜に取り込まれるのをブロックしているという機構が推定される。
【0042】
本発明の第二の態様においては、熱処理されて低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜が、熱処理後に水蒸気を含有する雰囲気で冷却され、抵抗値を維持し、または更に低抵抗化するが、「抵抗値を維持」することには、抵抗値を実質的に上昇させないことのほか、目的に応じた限度で抵抗値の上昇を許容することが含まれる。したがって、冷却条件その他の諸条件によっては、冷却により抵抗値が多少上昇する場合もありうるが、冷却後の抵抗値が目的を達成しうる値であれば、本発明の範囲に含まれる。
【0043】
本発明の第二の態様により得られる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜は、比抵抗が1×10-3Ω・cm以下であるのが好ましく、8×10-4Ω・cm以下であるのがより好ましい。上記範囲であると、十分に抵抗が低く、太陽電池用として実用的である。
【0044】
本発明の第二の態様を実施する装置は、特に限定されず、例えば、量産設備として一般的なトンネル炉を好適に用いることができる。トンネル炉を用いることにより、フッ素ドープ酸化スズ膜の成膜と、低抵抗化のための熱処理と、その後の本発明の第二の態様による冷却とを連続的に行うことが可能となる。その場合、低抵抗化のための熱処理の方法として、本発明の第一の態様を用いることができる点でも好ましい。
また、本発明の第二の態様を実施する装置は、雰囲気中の水蒸気含有量が位置によって異なる装置であってもよい。具体的には、例えば、炉壁で結露が生じないように、炉壁温度に応じて水蒸気含有量が各場所の温度での飽和水蒸気量以下で分布するトンネル炉が挙げられる。即ち、炉壁温度が高い部分(一般に、冷却工程の開始部分)では水蒸気含有量が高く、炉壁温度が低い部分(一般に、冷却工程の終了部分)では水蒸気含有量が低くなっていて、いずれの部分においても結露を生じないトンネル炉である。このようなトンネル炉を用いれば、炉壁温度が高い部分において、炉壁温度が低い部分よりも水蒸気含有量を高くすることができるので、水蒸気によりフッ素ドープ酸化スズ膜を低抵抗化のまま維持し、または更に低抵抗化する効果がより強くなるので好ましい。
具体的に説明すると、炉壁温度が冷却工程の開始部分から終了部分に向かって100℃程度から60℃程度まで下がっていくようなトンネル炉においては、炉内の気圧を約1気圧と考えた場合、冷却工程の開始部分では水蒸気含有量の上限を100vol%とすることができ、冷却工程の終了部分では水蒸気含有量の上限を結露が生じない限度内の20vol%とすることができる。そして、その間においては、20vol%以上で結露が生じない限度(各場所の温度での飽和水蒸気量)まで水蒸気含有量を多くすることができる。
【0045】
本発明の第一および第二の態様で得られる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜は、用途を特に限定されないが、本発明の第一および第二の態様で得られる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜が形成された基板を用いて、従来公知の方法により、太陽電池を製造できる。
図6に、本発明の第一および第二の態様で得られる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜を透明電極として用いた太陽電池の一例の一部縦断面図を示す。図6に示すように、太陽電池30は、透光性基板12と、アルカリバリヤーコート32と、本発明の第一および第二の態様で得られる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜からなる第1透明電極14と、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)からなる光電変換層34と、第2導電膜36とを備え、導線38によって光電変換層34において得られた起電力を取り出すことができる。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0047】
1.フッ素ドープ酸化スズ膜の形成
アルカリバリアーコートとして膜厚約100nmのシリカ膜が形成されたガラス基板(10cm×10cm×1mm)を用意し、十分に洗浄した後、常圧CVD法により四塩化スズを主原料とし、フッ化水素酸をドーパントとして、水との加水分解反応により、膜厚約1000nmのフッ素ドープ酸化スズ膜をシリカ膜上に形成させた。成膜時の基板温度は500〜600℃であった。
得られたフッ素ドープ酸化スズ膜は、フッ素含有量が酸化スズに対しおよそ1.0mol%であり、電導電子密度がおよそ1.6×1020cm-3であり、比抵抗が2.13×10-3Ω・cmであった。
なお、膜中のフッ素含有量は、フッ素ドープ酸化スズ膜を亜鉛を含有する塩酸中で溶解した後、ガスクロマトグラフィーにより定量分析を行うことにより得た。また、電導電子密度はホール効果(van der Pauw法)の測定により求めた。
【0048】
2.低抵抗化のための熱処理と冷却
上記で得られたフッ素ドープ酸化スズ膜を、図5に示す装置を用いて、熱処理し、その後、冷却した。
図5に示す装置は、実験用のトンネル炉(トンネル型マッフル炉)10であり、フッ素ドープ酸化スズ膜14が形成された基板12は、ベルトコンベア16でトンネル18内に搬送され、気体供給源20から供給された窒素、酸素および水蒸気からなる雰囲気22のトンネル18内において、上流側の熱処理ゾーン24で熱処理を受け、下流側の冷却ゾーン26で冷却された。基板12の搬送速度は、熱処理ゾーン24に入る時点から冷却ゾーン26を出る時点まで一定であった。なお、搬送速度は10〜2000mm/minの範囲で適宜設定されることが好ましい。この実験用のトンネル炉は気密性を高くすることができ、酸素濃度を10ppm程度にまで減らすことができるようになっている。
ここで、雰囲気22の組成を種々変更し、各種のフッ素ドープ酸化スズ膜を得た。なお、熱処理の際には、加熱装置(図示せず)により、熱処理工程での最高基板温度が第1表に記載の所定温度となるように加熱されていた。冷却終了時の基板温度は60〜200℃であった。
【0049】
3.評価
上記のようにして熱処理および冷却を受けて得られた各種のフッ素ドープ酸化スズ膜について、比抵抗を測定し、評価を行った。結果を第1表および図1〜図4に示す。
なお、各フッ素ドープ酸化スズ膜は、太陽電池用として十分な可視光透過率(約85%)を有していた。
【0050】
【表1】
【0051】
図1は、雰囲気中の水蒸気量が約14vol%の場合と0vol%の場合(水蒸気なし)とにおいて、雰囲気中の酸素濃度を変化させたときの比抵抗の挙動を表したグラフである(基板温度350℃、第1表中のサンプルNo.1〜10)。
図1および第1表から、雰囲気中の水蒸気量が約14vol%の場合(本発明の第一の態様に該当する。)は、水蒸気なしの場合と比べ、すべての酸素濃度範囲(0.054〜21vol%)において比抵抗が小さいことが分かる。そして、酸素濃度が21vol%(大気と同等)のときでも、比抵抗が1.00×10-3Ω・cmであり、太陽電池用として十分に低い抵抗値を示した。これは、トンネル炉等を用いた場合に、最も変動しやすい条件である酸素濃度が多少(100volppm〜21vol%)変動しても、安定して比抵抗が1×10-3Ω・cm以下の酸化スズ膜を生産できることを示している。特に、酸素濃度が1vol%以下では、比抵抗が6×10-4〜8×10-4Ω・cmで安定した酸化スズ膜を得ることができる。また、実用的には、0.2vol%以上とすることが好ましい。
【0052】
これに対し、特開平2−168507号公報の方法のように雰囲気が水蒸気を含有しない場合は、酸素濃度が極めて低いとき(0.1vol%未満のとき)にのみ太陽電池用として十分に低い抵抗値(1×10-3Ω・cm以下)を示し、酸素濃度がある程度高いとき(0.1vol%以上のとき)には、抵抗値が高くなりすぎたことが分かる。特に、比抵抗が6×10-4〜8×10-4Ω・cmで安定した酸化スズ膜を得るためには、酸素濃度が100volppm以下程度であることが必要とされ、トンネル炉での安価な生産が極めて困難であることが分かる。
以上、本発明の第一の態様によれば、太陽電池用として実用的な低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜を、トンネル炉を用いて量産できるということが確認された。
【0053】
図2は、雰囲気中の酸素濃度が約0.3vol%の場合において、雰囲気中の水蒸気量を変化させたときの比抵抗の挙動を表したグラフである(第1表中のサンプルNo.1、8、23および24)。
図2および第1表から、雰囲気中の水蒸気量が多いほど、比抵抗が小さくなることが分かる。また、水蒸気量が0.1vol%以上の範囲で変動しても、安定して比抵抗が1×10-3Ω・cm以下の酸化スズ膜を生産できることが分かる。これらの効果は、従来技術(特開平2−168507号公報)から予測することができるものではなく、極めて顕著な効果である。
なお、水蒸気量が多すぎると、冷却ゾーンの出口で結露が生じることがあるので、本発明の第一および第二の態様においては、水蒸気量の上限を冷却ゾーンの出口付近の温度に応じて決定することができる。例えば、冷却ゾーンの出口付近の温度が60℃程度であれば、少なくともその位置の雰囲気の水蒸気量を20vol%とする。
【0054】
図3は、雰囲気中の水蒸気量が約14vol%の場合と0vol%の場合(水蒸気なし)とにおいて、熱処理工程での最高基板温度を変化させたときの比抵抗の挙動を表したグラフである(酸素濃度約0.3vol%、第1表中のサンプルNo.1、8および11〜22)。
図3および第1表から、雰囲気中の水蒸気量が約14vol%の場合(本発明の第一の態様に該当する。)は、特開平2−168507号公報の方法のように水蒸気を含有しない場合と比べ、すべての温度範囲において比抵抗が小さいことが分かる。特に、最高基板温度が200〜500℃のとき、中でも、300〜450℃のときに本発明の効果が大きいことが分かる。
【0055】
図4は、雰囲気中の水蒸気量が(a)14vol%の場合と(b)0vol%の場合(水蒸気なし)とにおいて、比抵抗の経時変化を表したグラフである(基板温度350℃、酸素濃度21vol%、第1表中のサンプルNo.4および10の経時変化)。
図4から、冷却の際の雰囲気中の水蒸気量が14vol%の場合(本発明の第二の態様に該当する。)は、熱処理工程により低下した比抵抗が、冷却工程においても維持されている(または更に低下している)ことが分かる。そして、酸素濃度が21vol%(大気と同等)のときでも、比抵抗が十分に低いことが分かる。これに対して、冷却の際の雰囲気が水蒸気を含有していない場合は、熱処理工程により一旦低下した比抵抗が、冷却工程において再度上昇したことが分かる。したがって、本発明の第二の態様によれば、太陽電池用として実用的な低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜を、トンネル炉を用いて量産できるということが確認された。
【0056】
【発明の効果】
本発明の第一の態様によれば、フッ素ドープ酸化スズ膜を低抵抗化を、酸素濃度の比較的高い雰囲気を用いて行うことができるため、トンネル炉等の気密性の低い簡易な設備を用いて低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜を量産することができる。
また、本発明の第二の態様によれば、低抵抗化のための熱処理をすることにより低抵抗化した酸化スズ膜の冷却をする際に、酸素濃度の比較的高い雰囲気を用いても、低抵抗のまま維持し、または更に低抵抗化することができるため、トンネル炉等の気密性の低い簡易な設備を用いて低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜を量産することができる。
更に、本発明の第一の態様と第二の態様とは、基板の搬送速度を同じにして連続的に行うことができるので、低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜を容易に量産することができ、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 雰囲気中の酸素濃度を変化させたときの雰囲気中の水蒸気量と比抵抗の挙動との関係を表したグラフである。
【図2】 雰囲気中の水蒸気量を変化させたときの比抵抗の挙動を表したグラフである。
【図3】 熱処理工程での最高基板温度を変化させたときの雰囲気中の水蒸気量と比抵抗の挙動との関係を表したグラフである。
【図4】 (a)は、雰囲気中の水蒸気量が14vol%の場合の比抵抗の経時変化を表したグラフである。(b)は、雰囲気中の水蒸気量が0vol%の場合(水蒸気なし)の場合の比抵抗の経時変化を表したグラフである。
【図5】 本発明の実施例における低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法を説明する模式図である。
【図6】 本発明の第一および第二の態様で得られる低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜を透明電極として用いた太陽電池の一例の一部縦断面図である。
【符号の説明】
10 トンネル炉
12 透光性基板
14 フッ素ドープ酸化スズ膜(第1透明電極)
16 ベルトコンベア
18 トンネル
20 気体供給源
22 非酸化性雰囲気
24 曝露ゾーン
26 冷却ゾーン
30 太陽電池
32 アルカリバリヤーコート
34 光電変換層
36 第2導電膜
38 導線
Claims (2)
- 基板上に形成された、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるフッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露することにより低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を得る、低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法。
- 基板上に形成された、フッ素を酸化スズに対し0.01〜4mol%含有し、電導電子密度が5×1019〜4×1020cm-3であるフッ素ドープ酸化スズ膜を、基板温度が150〜600℃で、非酸化性雰囲気に曝露するか、基板温度が200〜500℃で、非酸化性ガスと、0.1vol%以上の水蒸気と、100volppm〜21vol%の酸素とを含有する雰囲気に曝露するかして得られる低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を、曝露後に0.1vol%以上の水蒸気を含有する雰囲気で冷却して、低抵抗化したフッ素ドープ酸化スズ膜を得る、低抵抗化フッ素ドープ酸化スズ膜の製造方法。
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