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JP4840749B2 - (5s)−または(5r)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3h)−フラノンからなる香料、その製法およびそれを含有する香料組成物 - Google Patents

(5s)−または(5r)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3h)−フラノンからなる香料、その製法およびそれを含有する香料組成物 Download PDF

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JP4840749B2 JP2001129380A JP2001129380A JP4840749B2 JP 4840749 B2 JP4840749 B2 JP 4840749B2 JP 2001129380 A JP2001129380 A JP 2001129380A JP 2001129380 A JP2001129380 A JP 2001129380A JP 4840749 B2 JP4840749 B2 JP 4840749B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(5S)−または(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノン(以下、(5S)−1または(5R)−1ともいう)からなる香料、該化合物の製造法およびそれらの化合物を含有することを特徴とする香料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンについては、すでにその合成法が報告されている(J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1993, 499-500およびJ. Org. Chem. 1991, 56, 5357-5360)。しかし、これらはラセミ体についてのものであり、個々の光学活性体(鏡像異性体)の合成、および該化合物が有する香気に関する記述は全くない。更には該化合物の香料素材としての利用は全くなされていない。
【0003】
また、上記化合物と類似の化合物として、式(2)で表されるラクトンが知られている。
【0004】
【化5】
Figure 0004840749
【0005】
この式(2)で表される化合物は、グリ−ン、ジャスミン調の香気を有し、調合香料素材として利用されている(「合成香料」印藤元一著、化学工業日報社発行、p557−558、1996年)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、消費者のニ−ズはより天然志向へシフトしており、ナチュラルかつ特徴的な飲食品または香粧品の開発が要求されている。これらの原料素材の一つである香料についても、同様に強いキャラクタ−を有し、好ましい天然感を演出する調合香料の開発が懸案となっていた。また、このような観点から、天然に存在する光学活性な香料物質の効率的な製造法(不斉合成)の確立が待ち望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アップル果汁の香気成分を精査した結果、5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンを微量成分として単離、構造決定した(特願2000-360422)。
【0008】
更に、本発明者らは、今回、該化合物のアップル果汁における鏡像異性体比率をキラルGC分析(Hewlett Packard 5890, β−DEX 225, 30m×0.25mm, 0.25μm)で行った結果、(5S)−1 : (5R)−1 = 77 : 23であることを見い出した。そこで、個々の鏡像異性体を効率的に合成すべく鋭意検討を重ねた結果、不斉の発現に高価で毒性を有する重金属錯体触媒などを用いることなく高いエナンチオ選択性が得られ、続く工程も安価な原料系、かつ高収率であり、工業化にも充分に堪え得る式(5S)−1及び(5R)−1で表される化合物の製造法を確立した。
【0009】
更に、本発明者らは、上記各化合物の香気について調べた結果、本発明化合物の(5S)−1はフル−ティ、フロ−ラル、みずみずしいピ−チの果肉様、(5R)−1はスウィ−ト、ミルキ−、ナッティなラクトン様の香気香味特性を有し、これらの1種または2種を食品香料、または香粧品香料に添加・使用することにより、好ましい天然感とボリュ−ムが賦与されることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は一般式(1)
【0010】
【化6】
Figure 0004840749
【0011】
で表される(5S)−または(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンを提供するものである。具体的には、以下の発明を提供する。
【0012】
項1. 下記式
【0013】
【化7】
Figure 0004840749
【0014】
で表される(5S)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンからなる香料。
【0015】
項2. 下記式
【0016】
【化8】
Figure 0004840749
【0017】
で表される(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンからなる香料。
【0018】
項3. 下記式
【0019】
【化9】
Figure 0004840749
【0020】
(式中、Rは水酸基の保護基を、Xはハロゲン基を示す。)で表される(3S)−又は(3R)−のハライドを、有機金属試薬及び二酸化炭素の存在下、閉環反応を行うことにより、
【0021】
【化10】
Figure 0004840749
【0022】
で表される(5S)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンまたは(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンを製造する方法。
【0023】
項4. 一般式(1)で表される(5S)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンまたは(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノン。
【0024】
項5. 項1に記載の(5S)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンからなる香料又は項2に記載の(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンからなる香料を含有する香料組成物。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の両鏡像異性体である(5S)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノン((5S)−1)
【0026】
【化11】
Figure 0004840749
【0027】
及び(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノン((5R)−1)
【0028】
【化12】
Figure 0004840749
【0029】
は、例えば、ゲラニオール又はネロールを出発原料として下記のごとく製造することができる。
【0030】
【化13】
Figure 0004840749
【0031】
ゲラニオールを出発物質とした場合、より具体的には以下の通りである。
【0032】
(5S) 1 の場合
【0033】
【化14】
Figure 0004840749
【0034】
即ち、香料素材として安価に市販されている式3で表されるゲラニオ−ル((E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オ−ル)を原料として、Sharplessの不斉エポキシ化の条件下で反応させることにより式(2S,3S)−4で表されるエポキシアルコールを得る。このものを還元条件下にオキシラン環を開裂させて式(3S)−5で表される1,3−ジオ−ルを得る。続いて1級水酸基を式(3S)−6で表されるトシレ−トに変換後、3級水酸基部位に保護基を導入すると共に、トシレートの脱離基をハロゲン化し、式(3S)−7で表されるハライドを得る。該ハライドを有機金属試薬に変換して二酸化炭素と反応させた後、酸処理で閉環させることにより式(5S)−1で表される化合物を得る。
【0035】
(5R) 1 の場合
【0036】
【化15】
Figure 0004840749
【0037】
即ち、香料素材として安価に市販されている式3で表されるゲラニオ−ルを原料として、Sharplessの不斉エポキシ化の条件下で反応させることにより式(2R,3R)−4で表されるエポキシアルコールを得る。このものを還元条件下にオキシラン環を開裂させて式(3R)−5で表される1,3−ジオ−ルを得る。続いて1級水酸基を式(3R)−6で表されるトシレ−トに変換後、3級水酸基部位に保護基を導入すると共に、トシレートの脱離基をハロゲン化し、式(3R)−7で表されるハライドを得る。該ハライドを有機金属試薬に変換して二酸化炭素と反応させた後、酸処理で閉環させることにより式(5R)−1で表される化合物を得る。
【0038】
即ち、本発明の各化合物は、
(A)ゲラニオ−ルまたはネロ−ルを出発原料として、Sharpless不斉エポキシ化(不斉補助基の存在下にエポキシ化剤を反応させる。)によってエポキサイドを得、
(B)該エポキサイドを還元することにより、1,3−ジオ−ルを得、
(C)該ジオールの1級水酸基を脱離基に変換させた後に、
(D)3級水酸基部位に保護基を導入すると共に、脱離基をハロゲンに変換して1級ハライドを得、
(E)ハライドを有機金属試薬に変換し、二酸化炭素と反応させた後、酸で処理することによって得ることができる。以下に各工程について詳述する。
【0039】
工程(A)
出発原料は、香料素材として安価に市販されている式3で表されるゲラニオ−ルを用いることができる。該Sharplessの不斉エポキシ化反応(Katsuki, T. and Sharpless, K. B. J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 5974-5976)において、出発原料である該アリルアルコールは(E)−体には限定されず、(Z)−体であるネロール((Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オ−ル)であっても良いが、その際には反応中間体の3−位、および最終生成物の5−位における絶対配置は(E)−体を原料としたときの逆となる。即ち、
【0040】
【化16】
Figure 0004840749
【0041】
該反応によって、チタンアルコキサイドの存在下、ゲラニオール又はネロールに不斉補助基である光学活性酒石酸エステル及びエポキシ化剤を反応させることによって、光学活性エポキサイドを得ることができる。
【0042】
即ち、式(5S)−1で表される化合物及び式(5R)−1で表される化合物を製造する場合の出発物質及び光学活性な酒石酸エステルの組み合わせは以下の通りである。
【0043】
【表1】
Figure 0004840749
【0044】
反応に用いるチタンアルコキサイドについて、テトライソプロポキサイド[Ti(Oi-Pr)4ともいう]以外には、例えばテトラエトキサイド、テトラプロポキサイドなどが挙げられ、その使用量は式3又は3'で表されるアリルアルコール1モルに対し、一般的には約0.001〜5モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約0.01〜1モルの範囲で使用できる。
【0045】
不斉補助基として使用する光学活性酒石酸エステルについて、ジエチルエステル(DETともいう)以外には、例えばジメチル、ジイソプロピルエステルなどが挙げられ、その使用量は式3又は3'で表されるアリルアルコール1モルに対し、一般的には約0.001〜5モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約0.01〜1モルの範囲で使用できる。
【0046】
エポキシ化剤として用いるt−ブチルハイドロパ−オキサイドの使用量は式3又は3'で表されるアリルアルコール1モルに対し、一般的には約1〜10モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約1〜3モルの範囲で使用できる。また、この溶媒についてはトルエン溶液などの炭化水素類には限定されず、エ−テル類、ハロゲン化溶媒類など場合に応じて適宜溶媒を選択することができる。
【0047】
脱水剤として用いるモレキュラ−シ−ブ(MSともいう)の細孔サイズは特に限定されないが、4Aを用いることが好ましく、その使用量は反応スケ−ルに応じて適宜調整できる。また、脱水剤としてモレキュラ−シ−ブ以外には、例えばシリカゲルなどが挙げられる。
【0048】
反応溶媒としてはジクロロメタンなどのハロゲン化溶媒類以外には、例えばテトラハイドロフラン(THFともいう)、エ−テル類、炭化水素類などを挙げることができる。使用量としては、式3又は3'で表されるアリルアルコール1部に対し、一般的には約1〜100部好ましくは、約5〜50部である。
【0049】
反応条件としては、一般的には約−40℃〜20℃の温度範囲内で、約2〜10時間の条件が挙げられる。
【0050】
工程(B)
次に、工程(A)で得られたエポキサイドのエポキシ基を還元する。
【0051】
還元工程で用いる試薬としてRed−Al以外には、例えばリチウムアルミニウム ハイドライド、ス−パ−ハイドライドなどが挙げられ、その使用量は式4(式(2S,3S)−4、式(2R,3R)−4、式(2R,3S)−4、式(2S,3R)−4)で表されるエポキサイド1モルに対し、一般的には約0.1〜10モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約0.5〜5モルの範囲で使用できる。
【0052】
反応溶媒としてTHF以外には、例えばエ−テル類、炭化水素類などを挙げることができる。使用量としては、式4で表されるエポキサイド1部に対し、一般的には約1〜100部好ましくは、約5〜50部である。
【0053】
反応条件としては、一般的には約−100℃〜50℃の温度範囲内で、約1〜10時間の条件が挙げられる。
【0054】
工程(C)
続いて、工程(B)で得られた式5で表される1,3−ジオールの1級水酸基を脱離基となるよう修飾する。
【0055】
脱離基導入に用いる試薬としてパラ−トルエンスルホニルクロライド(トシル クロライドともいう)などのベンゼン系スルホニルハライド類以外には、例えばメタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホニルクロライドなどが挙げられ、その使用量は式5(式(3S)−5又は式(3R)−5)で表されるジオ−ル1モルに対し、一般的には約1〜10モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約1〜5モルの範囲で使用できる。
【0056】
反応溶媒としてピリジンなどのアミン類以外には、例えばエ−テル類、ハロゲン化溶媒類、炭化水素類などを挙げることができるが、反応系中で生成するハロゲン化水素を補足するアミン類などの塩基の添加は必須であり、ピリジン以外にはトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。使用量としては、式5で表されるジオ−ル1モルに対し、一般的には約1〜100モル好ましくは、約1〜30モルである。
【0057】
反応条件としては、一般的には約−20℃〜50℃の温度範囲内で、約1〜10時間の条件が挙げられる。
【0058】
工程(D)
工程(D)においては、工程(C)で得られた式6(式(3S)−6又は式(3R)−6)で表される化合物の3級水酸基部位に保護基を導入すると共に、トシレートの脱離基をハロゲンに変換し、式7(式(3S)−7又は式(3R)−7)で表されるハライドを得る。
【0059】
水酸基への保護基導入に用いる試薬としては、トリメチルシリル クロライド(TMSClともいう)などのトリアルキルシリル ハライド以外には、例えばメトキシメチル クロライド、メトキシエトキシメチル クロライド、ジヒドロピランなどが挙げられ、その使用量は式6で表されるトシレ−ト1モルに対し、一般的には約1〜10モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約1〜5モルの範囲で使用できる。従って、保護基としては、トリアルキルシリル基、アルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基が例示できる。即ち、化3で示される化合物中Rとして表される保護基として、トリアルキルシリル基、アルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基が挙げられる。
【0060】
反応に用いる塩基はイミダゾ−ルなどのアミン類以外には、例えば金属アルコキサイド、アルカリ金属、アルカリ土類金属、金属ハイドライド、金属アミドなどが挙げられ、その使用量は式6で表されるトシレ−ト1モルに対し、一般的には約1〜10モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約1〜5モルの範囲で使用できる。
【0061】
また、脱離基の交換に用いる塩として塩化リチウム以外には、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、ピリジン塩酸塩、イミダゾ−ル塩酸塩などが挙げられ、その使用量は式6で表されるトシレ−ト1モルに対し、一般的には約1〜100モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約1〜10モルの範囲で使用できる。従って、Cl、Br、I等のハロゲン基が導入される。即ち、化3で示される化合物中Xとして表されるハロゲンとして、Cl、Br、I等が挙げられる。
【0062】
前記の、水酸基に保護基を導入する工程およびトシレートの脱離基をハロゲンに変換する工程に用いられる反応溶媒としてはジメチルホルムアミド(DMFともいう)などのアミド類以外には、例えばハロゲン化溶媒類、THF、エ−テル類、炭化水素類、ケトン類、ジメチルスルホキシド(DMSOともいう)などを挙げることができる。使用量としては、式6で表されるトシレ−ト1部に対し、一般的には約1〜100部好ましくは、約5〜20部である。
【0063】
また、前記の両工程の反応条件としては、水酸基への保護基導入工程は、一般的には約0℃〜50℃の温度範囲内で、約30分から3時間の条件が挙げられ、脱離基をハロゲンに変換する工程は、一般的には約20℃〜120℃の温度範囲内で、約2から10時間の条件が挙げられる。
【0064】
上記水酸基への保護基導入工程及び脱離基をハロゲンに変換する工程は、どちらを先に行ってもよい。好ましくは、水酸基への保護基を導入後、脱離基をハロゲンに変換するのがよい。
【0065】
工程(E)
最後に、工程(D)で得られたハライド(式7)のハロゲン基を有機金属に置換し、二酸化炭素と反応後、酸で処理することによって閉環させ、所望の化合物(1)を得る。
【0066】
有機金属試薬としては、好ましくはグリニャ−ル試薬が挙げられる。これに用いるマグネシウムの使用量は式 7(式(3S)−7又は式(3R)−7)で表されるハライド1モルに対し、一般的には約0.5〜10モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約0.9〜3モルの範囲で使用できる。
【0067】
反応に用いる二酸化炭素の形状は特に限定されないが、ガスもしくはドライアイスの使用が好ましく、その使用量は反応当量数以上であればとくに限定されない。
【0068】
反応停止に用いるプロトン源として塩酸以外には、例えば塩化アンモニウム、水などが挙げられる。その使用量としては、マグネシウム1モルに対して、一般的には約1〜100モル、好ましくは、約1〜10モルである。
【0069】
反応溶媒としてTHF以外には、例えばエ−テル類、炭化水素類などを挙げることができる。その使用量としては、式7のハライド1部に対して、一般的には約1〜100部、好ましくは、約2〜20部である。
【0070】
反応条件としては、一般的には約−70℃〜100℃の温度範囲内で、約2〜10時間の条件が挙げられる。
【0071】
又は、別法として、ハロゲン−メタル交換によって有機金属試薬を調製することもできる。用いる試薬として、例えばリチウム、t−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなどが挙げられ、その使用量は式7で表されるハライド1モルに対し、一般的には約1〜20モルの範囲を挙げることができるが、好ましくは約1〜約10モルの範囲で使用できる。また、基質のハライドの水酸基が保護されているかについては、特に限定されない。溶媒、反応温度、反応時間等は上記反応と同様である。
【0072】
各工程で用いる副反応防止の為の不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素などが挙げられる。また、各工程における分離・精製法としては、例えば常圧または減圧蒸留、順相または逆相カラムクロマトグラフィ、順相または逆相高速液体クロマトグラフィ(HPLCともいう)、無極性または極性カラムを装着したガスクロマトグラフィ(GCともいう)などが挙げられる。
【0073】
光学純度(鏡像異性体過剰率ともいう)の決定法としては、例えば旋光度からの計算、光学活性カラムを装着したHPLCもしくはGCなどが挙げられる。
【0074】
上記反応によって得られる本発明化合物の(5S)−1はフル−ティ、フロ−ラル、みずみずしいピ−チの果肉様、(5R)−1がスウィ−ト、ミルキ−、ナッティなラクトン様の香気香味特性を有する。本発明の香料化合物の光学純度は、100%eeが望ましいが、60%ee以上、更には85%ee以上が好ましい。
【0075】
本発明化合物は上記のようにそれ自体で特有の香気を有するものであるが、公知の香料組成物に本発明化合物を含有させることにより、該香料組成物は夫々の化合物の香気特性を生じながら、該香料組成物自身の香気ときわめて効果的な調和を示し、各香料組成物の香気の改善および増強に優れた効果を示す。
【0076】
例えば、(5S)−1からなる香料をフロ−ラル系調合香料に添加・使用することにより、華やかな拡散性のあるトップノ−トが賦与され、ボリュ−ムと天然感を賦与する。また、例えば(5R)−1からなる香料をフル−ツ系調合香料に添加・使用することにより、拡がりのあるマイルドな甘さが賦与され、果汁感や果肉感をエンハンスしてまとまりと天然感を賦与する。また、例えば(5S)−1からなる香料と(5R)−1からなる香料の混合物をバニラ、ミルク、ウッディ、シトラス系などの調合香料に添加・使用することにより、いずれもボディ感および天然感が向上し、夫々のキャラクタ−がエンハンスされる。
【0077】
即ち本発明の香料組成物は、本発明化合物の(5S)−1からなる香料、(5R)−1からなる香料またはそれらの混合物を含有することを特徴とする香料組成物である。好ましくは、(5S)−1からなる香料または(5R)−1からなる香料を含有する香料組成物である。その含有量は、一般的には香料組成物全重量の約0.001〜20重量%、好ましくは約0.1〜10重量%の範囲が挙げられるが、これによって限定されるものではなく、対象となる香料組成物の種類によって、その含量は適宜調整できる。尚、(5S)−1からなる香料と(5R)−1からなる香料の混合物における混合割合は特に限定されず、夫々の混合割合に応じた効果を発揮する。好ましくは、本発明化合物の両化合物をラセミ体の状態で含む組成物は除く。
【0078】
本発明化合物を用いて香料組成物を調製する場合、他に使用される香料化合物としては、例えばリモネン、カリオフィレン、ピネンなどの各種炭化水素類;アセトアルデヒド、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、シトラ−ルなどの各種アルデヒド類;マルト−ル、ベンジルアセトン、ダマセノンなどの各種ケトン類;ブタノ−ル、ベンジルアルコール、リナロ−ルなどの各種アルコール類;ゲラニルエチル エ−テル、ロ−ズオキサイド、フルフラ−ルなどの各種エ−テル・オキサイド類;エチル アセテ−ト、ベンジル アセテ−ト、リナリル アセテ−トなどの各種エステル類;γ−デカラクトン、クマリン、スクラレオライドなどの各種ラクトン類;インド−ル、2−イソプロピル−4−メチルチアゾ−ル、フェニルアセトニトリルなどの各種ヘテロ化合物類;ジャスミンアブソリュ−ト、シダ−ウッドオイル、オリスコンクリ−トなどの各種天然素材類が挙げられる。使用する溶剤としては、例えばエタノ−ル、ジプロピレングリコ−ル(DPGともいう)、ベンジル ベンゾエ−ト(BBともいう)、水、トリアセチン、トリエチル シトレ−ト(TECともいう)などが挙げられる。
【0079】
本発明の香料組成物は、下記の飲食品類および香粧品類に用いることによって、その特徴的な香気または香気香味特性を商品に賦与し、消費者のニ−ズにあった、かつユニ−クな商品を提供できる。
【0080】
飲食品類としては、例えば、酒類、柑橘飲料類、フル−ツ飲料類、乳飲料類、炭酸飲料類、茶飲料などの各種飲料類;アイスクリ−ム、アイスシャ−ベット、アイスキャンディなどの各種冷菓類;タバコ、チュ−インガム、キャンディ、プリン、ゼリ−などの各種嗜好品類;和風ス−プ、洋風ス−プなどの各種ス−プ類;インスタント食品類、スナック食品類、動植物エキス類などが挙げられる。
香粧品類としては、例えばパルファム、オ−ドパルファム、オ−ドトワレなどの香水類;シャンプ−類、リンス類、トリ−トメント類、石鹸類、ボディシャンプ−類などの各種トイレタリ−製品類;線香、ろうそく、練り香などの各種香類;染毛剤類、ブリ−チ剤類、ヘアトニック類などの各種毛髪料類;ファンデ−ション、化粧水、口紅などの各種化粧品類;室内芳香剤類、車内芳香剤類などの各種芳香剤類;食器洗剤類、洗濯洗剤類、柔軟剤類などの各種洗剤類などが挙げられる。
【0081】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これによって限定されるものではない。
【0082】
尚、実施例においては、旋光度に基づく光学活性も併せて記載した。
【0083】
【実施例】
合成例 1 (2S, 3S) ( ) 2,3 −エポキシ− 3,7 −ジメチル− 6 −オクテン− 1 オ−ル [(2S, 3S) ( ) 4] の合成
アルゴン雰囲気下、チタンテトライソプロポキサイド(36.0g, 0.12mol)、L−(+)−DET(酒石酸ジエチルエステル) (26.0g, 0.12mol)、およびモレキュラ−シ−ブ4A (20.0g)のジクロロメタン(500mL)懸濁液に、式3で表されるゲラニオ−ル(186.0g, 1.20mol)のジクロロメタン(500mL)溶液を−25℃で30分を要して滴下した。次に2.93M t−ブチルハイドロパ−オキサイドのトルエン溶液(620mL, 1.80mol)を、同温で1時間を要して滴下した後、更に2時間攪拌して反応を完結させた。硫酸第1鉄(300.0g)とL−(+)−酒石酸(100.0g)の水溶液(1.50L)を0℃以下で加えて反応を停止した。反応混合物を氷水に注ぎ、1度分液処理を行った後にメチル t−ブチル エ−テル(MTBEともいう, 1.00L)で1回抽出した。合わせた有機層を水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。これを無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して粗生成物を243.6g得た。これを10%水酸化ナトリウム水溶液(1.2kg, 3.00mol)およびMTBE (1.00L)と混合し、0℃で1時間攪拌してL−(+)−DETを加水分解した。反応混合物に氷水を加え、1度分液処理を行った後にMTBE (1.00L)で1回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。これを無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して粗生成物を209.2g得た。これを減圧蒸留に付し、沸点105〜110℃ / 2mmHgでGC (Hewlett Packard 5890, DB−1, 60m×0.25mm, 0.25μm)純度97.8%の(2S, 3S)−(−)−4を183.5g得た(収率87.8%)。以下に比旋光度、IR、および1H NMR等の各種スペクトルデ−タを示す。
【0084】
(2S, 3S) ( ) 4 のスペクトルデ−タ
比旋光度:[α]19 D = −4.9°(CHCl3, c = 3.0)
IR (film, cm-1):3420, 2960, 2930, 1450, 1390, 1040, 860
1H NMR (300MHz, CDCl3, δ ppm):1.30 (3H, s), 1.42〜1.73 (2H, m), 1.61 (3H, s), 1.68 (3H, s), 2.05〜2.12 (2H, m), 2.97 (1H, dd, J = 4.2 and 6.7 Hz), 3.68 (1H, dd, J = 6.7 and 12.0 Hz), 3.83 (1H, dd, J = 4.2 and 12.0 Hz), 5.05〜5.11 (1H, m)。
【0085】
合成例 2 (3S) ( ) 3,7 −ジメチル− 6 −オクテン− 1,3 −ジオ−ル [(3S) ( ) 5] の合成
アルゴン雰囲気下、Red−Al 70%トルエン溶液(578.0g, 2.00mol)のTHF (600mL)溶液に、式(2S, 3S)−(−)−4で表されるエポキサイド(174.0g, 1.00mol)のTHF (400mL)溶液を10℃で1時間を要して滴下した。同温で30分間攪拌を続けて反応を完結させた。反応混合物に水を加えて反応を停止させた後、氷水に注ぎ、1度分液処理を行った後にMTBE (2.00L)で1回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。これを無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して粗生成物を183.8g得た。これを減圧蒸留に付し、沸点120〜122℃ / 2mmHgでGC純度99.0%の(3S)−(+)−5を174.2g得た(収率100.0%)。以下に比旋光度、IR、および1H NMR等の各種スペクトルデ−タを示す。
【0086】
(3S) ( ) 5 のスペクトルデ−タ
比旋光度:[α]19 D = +3.8°(CHCl3, c = 3.0)
IR (film, cm-1):3350, 2960, 2930, 1450, 1380, 1120, 1060, 1030
1H NMR (300MHz, CDCl3, δ ppm):1.25 (3H, s), 1.52〜1.60 (2H, m), 1.62 (3H, s), 1.69 (3H, s), 1.75〜1.84 (2H, m), 2.01〜2.07 (2H, m), 3.85〜3.93 (2H, m), 5.12〜5.15 (1H, m)。
【0087】
合成例 3 (3S) 3 ―ハイドロキシ― 3,7 −ジメチル− 6 −オクテン− 1 −イル トシレ−ト [(3S) ( ) 6] の合成
アルゴン雰囲気下、式(3S)−(+)−5で表されるジオ−ル(174.2g, 1.00mol)のピリジン(500mL)溶液に、トシルクロライド(276.0g, 1.40mol)のピリジン(500mL)溶液を、0℃で30分を要して滴下した。同温で5時間攪拌して反応を完結させた。反応混合物を氷冷した希塩酸に注ぎ、MTBE (1.00L)で2回抽出した。合わせた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。これを無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して粗生成物を378.5g得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(CC, シリカゲル1.50kg, ヘキサン / 酢酸エチル = 90 / 10)に付し、純粋な(3S)−(+)−6を311.9g得た(収率95.6%)。以下に比旋光度、IR、および1H NMR等の各種スペクトルデ−タを示す。
【0088】
(3S) ( ) 6 のスペクトルデ−タ
比旋光度:[α]19 D = +5.5°(CHCl3, c = 3.0)
IR (film, cm-1):3550, 2960, 2920, 2850, 1600, 1360, 1190, 1180, 960
1H NMR (300MHz, CDCl3, δ ppm):1.16 (3H, s), 1.42〜1.47 (2H, m), 1.59 (3H, s), 1.67 (3H, s), 1.79〜1.87 (2H, m), 1.95〜2.03 (2H, m), 2.45 (3H, s), 4.20 (2H, t, J = 6.0 Hz), 5.03〜5.09 (1H, m), 7.34 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.79 (2H, d, J = 7.9 Hz)。
【0089】
合成例 4 (3S) ( ) 3 ―トリメチルシロキシ― 3,7 −ジメチル− 6 −オクテニル クロライド [(3S) ( ) 7] の合成
アルゴン雰囲気下、式(3S)−(+)−6で表されるトシレ−ト(257.9g, 0.79mol)およびイミダゾ−ル(76.1g, 1.10mol)のDMF(1.50L)溶液に、TMSCl (105.1g, 0.95mol)を室温で30分を要して滴下した。同温で30分間攪拌後、塩化リチウム(168.0g, 3.95mol)を加えて60℃で4時間攪拌して反応を完結させた。反応混合物を氷水に注ぎ、ヘキサン(1.00L)で2回抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した。これを無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して粗生成物を201.8g得た。これを減圧蒸留に付し、沸点102〜103℃ / 2mmHgでGC純度99.0%の(3S)−(+)−7を191.2g得た(収率92.1%)。以下に(3S)−(+)−7の比旋光度、IRおよび1H NMR等の各種スペクトルデ−タを示す。
【0090】
(3S) ( ) 7 のスペクトルデ−タ
比旋光度:[α]19 D = +1.6°(CHCl3, c = 3.0)
IR (film, cm-1): 2960, 2930, 1460, 1380, 1250, 1050, 840
1H NMR (300MHz, CDCl3, δ ppm):0.11 (9H, s), 1.23 (3H, s), 1.42〜1.49 (2H, m), 1.60 (3H, s), 1.68 (3H, s), 1.83〜2.03 (4H, m), 3.55〜3.61 (2H, m), 5.02〜5.11 (1H, m)。
【0091】
実施例 1 (5S) ( ) 5 −メチル− 5 (4 −メチル− 3 −ペンテニル ) 4,5 −ジヒドロ− 2(3H) −フラノン [(5S) ( ) 1] の合成
アルゴン雰囲気下、式(3S)−(+)−7で表されるクロライド(28.9g, 0.11mol)とマグネシウム(2.4g, 0.1mol)から調製したグリニャ−ル試薬のTHF (50mL)溶液に、乾燥した二酸化炭素ガスを、−20℃で3時間バブリングさせた。反応混合物を氷冷した希塩酸(100ml,0.2mol)に注ぎ、MTBE (1.00L)で2回抽出した。合わせた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。これを無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して粗生成物を10.1g得た。これをCC (シリカゲル100.0g, ヘキサン / 酢酸エチル = 95 / 5)に付し、GC純度99.0%の(5S)−(−)−1を7.8g得た(収率40.2%)。キラルGC分析より、鏡像異性体過剰率は87.6%eeであった。以下に比旋光度、MS、IR、1H NMRおよび13C NMR等の各種スペクトルデ−タを示す。
【0092】
(5S) ( ) 1 のスペクトルデ−タ
比旋光度:[α]19 D = −6.2°(CHCl3, c = 3.0)
EI-MS (m/z, rel. intensity):182 (M+, 3), 167 (9), 122 (17), 109 (100), 99 (99), 81 (48), 68 (99), 55 (36), 43 (58)
IR (film, cm-1):2960, 2930, 2860, 1770, 1460, 1380, 1170, 1080, 940
1H NMR (300MHz, CDCl3, δ ppm):1.39 (3H, s), 1.61 (3H, s), 1.68 (3H and 2H, s and m), 1.95〜2.16 (4H, m), 2.57〜2.64 (2H, m), 5.08 (1H, m)
13C NMR (75MHz, CDCl3, δ ppm):18.05, 22.98, 25.98, 26.04, 29.55, 33.39, 41.29, 87.09, 123.56, 132.84, 177.17
得られた上記物質を逆相系光学異性体分離カラムを用いて、アセトニトリル−水系で分離し、純粋な(5S)−(−)−1を得た。この化合物の比旋光度は、[α]19 D = −6.9゜(CHCl3, c = 3.0) であった。
【0093】
実施例2: (5R) ( ) 5 −メチル− 5 (4 −メチル− 3 −ペンテニル ) 4,5 −ジヒドロ− 2(3H) −フラノン [(5R) ( ) 1] の合成
本発明化合物の(5R)−(+)−1についても、L-(+)-DETに代えてD-(−)-DETを用いる以外は前記の合成例1〜4および実施例1と同様の方法で合成した。以下に各工程における反応中間体、および(5R)−(+)−1の比旋光度を示す。
【0094】
比旋光度
(3R,2R)−(+)−4: [α]19 D = +4.9°(CHCl3, c = 3.0)
(3R)−(−)−5 : [α]19 D = −3.6°(CHCl3, c = 3.0)
(3R)−(−)−6 : [α]19 D = −5.8°(CHCl3, c = 3.0)
(3R)−(−)−7 : [α]19 D = −1.4°(CHCl3, c = 3.0)
(5R)−(+)−1 : [α]18 D = +6.0°(CHCl3, c = 3.0), 88.0%ee,。
【0095】
得られた上記物質を逆相系光学異性体分離カラムを用いて、アセトニトリル−水系で分離し、純粋な(5R)−(+)−1を得た。この化合物の比旋光度は、[α]18 D = +6.9゜(CHCl3, c = 3.0) であった。
【0096】
実施例3:チュベロ−ズタイプ香料の調製
チュベロ−ズタイプの香料組成物として下記表2の各成分(重量部)を混合した。尚、表中、化合物 [(5S)−(−)−1]は、実施例1で製造されたものである。
【0097】
【表2】
Figure 0004840749
【0098】
上記香料組成物について、よく訓練された専門パネラ−10人で比較したところ、全員が実施例3の方が拡散性が増し、若干グリ−ンでみずみずしい生花的な香気を効果的に表現しているとした。
【0099】
実施例4:ガ−デニアタイプ香料の調製
ガ−デニアタイプの香料組成物として下記表3の各成分(重量部)を混合した。尚、表中、アルデヒドC16とは、エチル メチルフェニルグリシデートであり、化合物 [(5R)−(+)−1]は、実施例2で製造されたものである。
【0100】
【表3】
Figure 0004840749
【0101】
上記香料組成物について、よく訓練された専門パネラ−10人で比較したところ、全員が実施例4の方が強く白〜黄色の色彩感が賦与され、スウィ−トなミドルノ−トが効果的にボリュ−ムアップされているとした。
【0102】
実施例5:アップルタイプ香料の調製
アップルタイプの香料組成物として下記表4の各成分(重量部)を混合した。尚、表中、化合物 [(5S)-(−)-1(87.6%ee)]は、実施例1の製造過程で得られたものである。
【0103】
【表4】
Figure 0004840749
【0104】
上記香料組成物について、よく訓練された専門パネラ−10人で比較したところ、全員が実施例5の方がピ−リ−なアップル感が強調されており、若干グリ−ンアップル的なフレッシュ感がエンハンスされているとした。
【0105】
実施例6:マスカットタイプ香料の調製
マスカットタイプの香料組成物として下記表5の各成分(重量部)を混合した。尚、表中、化合物 [(5R)-(+)-1(88.0%ee)]は、実施例2の製造過程で得られたものである。
【0106】
【表5】
Figure 0004840749
【0107】
上記香料組成物について、よく訓練された専門パネラ−10人で比較したところ、全員が実施例6の方が熟した果肉感がエンハンスされ、サワ−、スウィ−トな雰囲気が強調されているとした。
【0108】
【発明の効果】
本発明により提供される5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンの(5S)−体((5S)−1)はフル−ティ、フロ−ラル、みずみずしいピ−チの果皮様、(5R)−体((5R)−1)はスウィ−ト、ミルキ−、ナッティなラクトン様の香気香味特性を有し、香料組成物における有用な調合素材として使用することができる。
【0109】
また、本発明の製法によれば、不斉の発現に高価で毒性を有する重金属錯体触媒などを用いることなく高いエナンチオ選択性が得られ、続く工程も安価な原料系、かつ高収率であり、工業化にも充分に堪え得る式(5S)−1及び(5R)−1で表される化合物を得ることができる。
【0110】
さらに、本発明の香料組成物は夫々の化合物の香気特性を生じながら、例えば天然感とボリュ−ムが賦与される等の改善および増強された優れた香気特性を有する。

Claims (4)

  1. 下記式
    Figure 0004840749
    で表される(5S)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンからなる香料。
  2. 下記式
    Figure 0004840749
    で表される(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンからなる香料。
  3. 下記式
    Figure 0004840749
    (式中、Rは水酸基の保護基を、Xはハロゲン基を示す。)で表される(3S)−又は(3R)−のハライドを、有機金属試薬及び二酸化炭素の存在下、閉環反応を行うことにより、
    Figure 0004840749
    で表される(5S)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンまたは(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンを製造する方法。
  4. 請求項1に記載の(5S)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンからなる香料及び/又は請求項2に記載の(5R)−5−メチル−5−(4−メチル−3−ペンテニル)−4,5−ジヒドロ−2(3H)−フラノンからなる香料を含有する香料組成物(但し、ラセミ体を除く)
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