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JP4715991B2 - フッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤 - Google Patents

フッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素及び/又はホウ素を効果的に吸着・不溶化する吸着剤を提供するものであり、殊に、石炭灰中のフッ素及び/又はホウ素を吸着するものであり、共存イオンが存在しても、迅速に効率よく、フッ素及び/又はホウ素を吸着・不溶化できる吸着剤を提供する。
従来、石炭をエネルギー源として用いた後の石炭灰は、資源の有効利用の観点から、セメント原料、土壌改良材等に用いられている。
しかしながら、石炭灰中には、可溶性フッ素及び/又は可溶性ホウ素が環境基準以上に含まれており、セメント原料以外の用途に使用した場合、二次汚染の可能性を含んでいる。
従来、水系および土壌中の有害イオンを吸着除去・不溶化する環境技術が数多く提案されているが、広い濃度範囲のフッ素及び/又はホウ素などの有害アニオンを環境に負荷を与えずに、効率的、選択的かつ安価に処理できる材料は現在のところ知られていない。
そこで、無害・安価であって、効率よく石炭灰中のフッ素及び/又はホウ素を吸着・不溶化する材料が要求されている。
従来、カルシウムアルミネートを用いてフッ素などを吸着する技術(特許文献1〜5)や、カルシウムシリケートを用いてフッ素などを吸着する技術(特許文献6)が知られている。
特開2000−93927号公報 特開2000−225383号公報 特開2000−335946号公報 特開2000−336421号公報 特開2003−211118号公報 特開2004−41890号公報
石炭灰中のフッ素及び/又はホウ素を効率よく吸着できる材料は、現在、最も要求されているところであるが、この要求を満たすような吸着剤は未だに提供されていない。
即ち、前出特許文献1乃至5には、カルシウムアルミネートを用いて製鋼スラグなどの固形分中の重金属又はフッ素等を固定化することが記載されているが、カルシウム量が少ないカルシウムアルミネート単独ではフッ素・ホウ素を十分に除去することが困難である。
前出特許文献6には、カルシウムシリケートを用いてフッ素を固定化する技術が記載されているが、カルシウムアルミネートを用いておらずフッ素・ホウ素を十分に除去することが困難である。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、フッ素及び/又はホウ素を含有する固形分のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記吸着剤はカルシウムアルミネートを含有し、且つ、吸着剤中のカルシウムの含有量が酸化物(CaO)換算で40〜90重量%であることを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤である(本発明1)。
また、本発明は、カルシウムアルミネートがCa12Al1433及び/又はCaAlであることを特徴とする請求項1記載のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1又は2のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記吸着剤は少なくともカルシウムアルミネートと酸化カルシウムとを含有することを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1乃至3のいずれかのフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記吸着剤は少なくともカルシウムアルミネートとケイ酸カルシウムとを含有することを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤である(本発明4)。
また、本発明は、本発明4のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記ケイ酸カルシウムが3CaO・SiO又は2CaO・SiOのいずれかであることを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤である(本発明5)。
また、本発明は、本発明1乃至5のいずれかのフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記吸着剤は更に、硫酸カルシウム及び/又は硫酸カルシウム水和物を含有することを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤である(本発明6)。
また、本発明は、フッ素及び/又はホウ素を含有する固形分が、石炭灰又は焼却灰であることを特徴とする本発明1乃至6のいずれかのフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤である(本発明7)。
本発明に係るフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤は、広い濃度範囲のフッ素及び/又はホウ素を吸着・捕捉できるので、石炭灰に予め添加しておくことで、無害化処理した石炭灰を有効利用する場合、またそのまま廃棄を行う場合においても、処理後の石炭灰が雨水や地下水などの水分に接した場合でも、フッ素及び/又はホウ素の溶出を環境基準値以下に抑制することができるので、フッ素及び/又はホウ素の吸着剤として好適である。
また、本発明に係るフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤によって処理された石炭灰を、路盤材、土壌改良材等に再利用した場合でも、本吸着剤自体が無害・無毒であるので、環境への負荷は小さいものである。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係るフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤(以下、「吸着剤」とする。)について述べる。
本発明に係る吸着剤はカルシウムアルミネートとともに、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム及び硫酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上を含有するものである。
カルシウムアルミネートとしては、Ca12Al1433、CaAl及びCaAl等であり、好ましくはCa12Al1433、CaAlである。
本発明1に係る吸着剤中のカルシウム含有量は酸化物(CaO)換算で40〜90重量%である。吸着剤中のカルシウム含有量が前記範囲外の場合には、フッ素・ホウ素の吸着・不溶化の効果が十分とは言い難い。好ましくは40〜85重量%、より好ましくは40〜80重量%である。
本発明3に係る吸着剤は、少なくともカルシウムアルミネートと酸化カルシウムとからなる。酸化カルシウムを含有することによって、特にフッ素の吸着効果が高くなり、高濃度のフッ素を含有する固形分に対しても高い吸着・不溶化の効果を示す。
本発明3に係る吸着剤において、カルシウムアルミネートと酸化カルシウムとの含有割合は、吸着剤のX線回折のピーク強度比で、カルシウムアルミネートを100としたとき、酸化カルシウムが1〜2000であることが好ましい。1未満の場合には、フッ素・ホウ素の吸着・不溶化能が低下するため好ましくない。2000を越える場合には、カルシウムアルミネートの有害アニオンを固定するサイトが少なく十分な効果が発揮できない。より好ましくは3〜1500である。
本発明4又は5に係る吸着剤は、少なくともカルシウムアルミネートとケイ酸カルシウムとからなる。ケイ酸カルシウムを含有することによって、フッ素・ホウ素の吸着効果がより高くなる。
本発明におけるケイ酸カルシウムとしては、3CaO・SiO、CaSiO、2CaO・SiO・HO、2CaO・SiO等が好ましく、より好ましくは3CaO・SiO及び/又は2CaO・SiOが好ましい。
本発明4又は5に係る吸着剤のカルシウムアルミネートとケイ酸カルシウムとの含有割合は、吸着剤のX線回折のピーク強度比で、カルシウムアルミネートを100としたとき、ケイ酸カルシウムが10〜2000であることが好ましい。10未満の場合には、ケイ酸カルシウムを添加したことによる十分な効果が得られない。2000を越える場合には、カルシウムアルミネートの有害アニオンを固定するサイトが少なくなり十分な効果が発揮できない。より好ましくは20〜1000、更により好ましくは20〜700である。
本発明6に係る吸着剤は、少なくともカルシウムアルミネートと硫酸カルシウムとからなる。硫酸カルシウムを含有することによってより吸着効果が高くなる。
本発明における硫酸カルシウムとしては、CaSO又はCaSO・nHOが好ましい。
本発明6に係る吸着剤のカルシウムアルミネートと硫酸カルシウムとの含有割合は、吸着剤のX線回折のピーク強度比で、カルシウムアルミネートを100としたとき、硫酸カルシウムが10〜2000であることが好ましい。10未満の場合には、硫酸カルシウムを添加したことによる十分な効果が得られない。2000を越える場合には、カルシウムアルミネートの有害アニオンを固定するサイトが少なくなり十分な効果が発揮できない。より好ましくは20〜1000、更により好ましくは20〜700である。
本発明に係る吸着剤の粒子形状は板状ないし粒状である。
本発明に係る吸着剤の平均粒子径は0.1〜50.0μmが好ましい。本発明に係る吸着剤は、各種原料粉末を850〜1200℃の高温下で焼成して調製する方法又はあらかじめカルシウムアルミネート、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム又は硫酸カルシウム等を作製した後、所定の割合で混合する方法によって得られるが、いずれの方法おいても高温焼成を伴うので、0.1μm以下の粒子を工業的に生産することは困難である。平均粒子径が0.1μm未満でも機能的な問題はないが、粉末の取扱いが困難である。50μmを超える場合には、有害アニオンと吸着剤との接触効率が低下するので好ましくない。好ましくは0.2〜10.0μmである。
本発明に係る吸着剤のBET比表面積値は0.1〜10m/gが好ましい。BET比表面積値が0.1m/g未満の場合には、有害アニオンと吸着剤との接触効率が低下するので好ましくない。10m/gを超える吸着剤は、850〜1200℃の高温下で焼成して調製することから工業的に生産することが困難である。また、BET比表面積値が10m/gを超える吸着剤は機能的な問題はないが、粉末としての取扱いが困難である。より好ましくは0.1〜5m/g、更により好ましくは0.2〜5m/gである。
次に、本発明に係る吸着剤の製造法について述べる。
まず、本発明におけるカルシウムアルミネートの製造法について述べる。
本発明におけるカルシウムアルミネートは、カルシウム化合物とアルミニウム化合物とを混合した後、850〜1200℃の温度で酸化性また大気雰囲気で加熱処理して得ることができる。また、必要に応じて更に粉砕処理や、無機物、有機物又はポリマーでの表面処理を行うことができる。
カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硝酸カルシウム等を使用することができ、好ましくは水酸化カルシウム、炭酸カルシウムである。カルシウム化合物の平均粒子径としては、0.2〜20μmのものが好ましい。
アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム等を使用することができ、好ましくは水酸化アルミニウムである。アルミニウム化合物の平均粒子径としては0.1〜20μmのものが好ましい。
カルシウム化合物とアルミニウム化合物との混合割合は、所定の組成割合となるように混合すればよい。
前記製造法における混合機として、らいかい機、ローラー式混合機、振動ミル、ビーズミル、ディスク型湿式攪拌混合槽などが使用できる。
本発明における吸着剤の前駆体である混合物の混合状態は、その後の固相反応を均一に速やかに起させるため、混合機及び混合条件の選定が重要であり、湿式攪拌混合槽などの湿式混合機を用いることが均一混合の面で好ましい。
加熱温度が850℃未満の場合には、混合粉末の脱水反応、脱炭酸反応および固相反応が進行しない又は、進行速度が極めて遅いため好ましくない。また加熱温度が1200℃を超える場合には、生成複合酸化物粒子の粒子サイズが増大して、水系での有害アニオンとの反応性が低下するので好ましくない。加熱処理温度は900〜1150℃がより好ましい。加熱時間は、工業的生産性を考慮すれば、30分〜180分が好ましい。加熱雰囲気は、酸化性または大気性雰囲気であればよい。加熱生成物粒子中に炭酸イオンが多く含まれると水系における有害アニオンとの反応性が低下するので、炭酸ガス中での加熱処理は好ましくない。
また本発明において加熱処理後の粉末を乾式粉砕し、無機物、有機物、ポリマーで表面処理してもよい。
乾式粉砕処理は、加熱処理後の粉末の平均粒子径を小さくすることができるため、本発明の粉末の石炭灰中でのフッ素との反応性を向上させることができる。乾式粉砕処理に使用できる装置として、自由式粉砕機、ハンマーミルなどを使用することができる。
また、加熱処理後の粉末を無機物、有機物又はポリマーなどで表面処理することによって、フッ素及び/又はホウ素との反応性や土壌中、水中での分散性を制御することができる。表面処理剤としては、反応性を促進するためには親水性の有機物、ポリマー、無機物を使用することもできるし、逆に、ロジン化合物、シランカップリング剤、高級脂肪酸等で疎水性にして反応が徐々に進むように制御することもできる。上記の表面処理剤による吸着剤粉末に対する被覆量は、複合酸化物粒子粉末に対してC換算で各々0.1〜5重量%が好ましい。表面処理機としては、らいかい機・振動ミル、ローラー型混合機や、湿式で攪拌機の付いた槽などを使用することができる。
本発明3に係る吸着剤は、前記カルシウムアルミネートの製造法において、カルシウム化合物とアルミニウム化合物との割合を調整してカルシウムを過剰に存在させることによって製造する方法、あらかじめ作製したカルシウムアルミネートと酸化カルシウムとを混合する方法などによって得ることができる。また、必要に応じて更に粉砕処理や、無機物、有機物又はポリマーでの表面処理を行うことができる。
本発明4又は5に係る吸着剤は、カルシウム化合物、アルミニウム化合物及びケイ素化合物とを混合した後、850〜1200℃の温度で酸化性また大気雰囲気で加熱処理して製造する方法、あらかじめ作製したカルシウムアルミネートとケイ酸カルシウムとを混合する方法などによって得ることができる。また、必要に応じて更に粉砕処理や、無機物、有機物又はポリマーでの表面処理を行うことができる。
本発明6に係る吸着剤は、あらかじめ作製したカルシウムアルミネートと硫酸カルシウムとを混合する方法などによって得ることができる。また、必要に応じて更に粉砕処理や、無機物、有機物又はポリマーでの表面処理を行うことができる。
次に、本発明に係る吸着剤を用いた処理方法について述べる。
本発明における処理方法は、溶存している有害アニオンの固定化・分離処理の場合と、有害アニオンを放出させる可能性のある固形物(石炭灰など)に吸着剤を共存させて有害アニオンの水系への溶出を抑制させる場合が含まれる。
本発明において、被処理水と吸着剤を接触させる方法は、特に制限はない。粉末状の吸着剤及び/又は顆粒状の吸着剤が充填された濾過槽やカラムに被処理水を流通させる方法、攪拌槽と沈殿槽を組み合わせた方法などが利用できる。
吸着剤を接触させるときの液温については、特に制限はないが、本発明の吸着剤は、常温で処理できることが大きなメリットである。極端に低温の場合には吸着剤の反応速度が小さくなるために、有害アニオンの捕捉速度が小さくなる。通常使用される温度範囲は5〜90℃がこのましく、より好ましくは10〜50℃である。また吸着剤と被処理液の接触時間は5分以上、さらに好ましくは30分以上が好ましい。接触時間の上限は特にない。
また、石炭灰などに一定量添加し、混合する処理方法を行うことができる。この場合は、環境庁告示46号に準じた振とう試験を行い、フッ素、ホウ素の溶出量を評価し、処理効果を確認することができる。
吸着剤の固形分に対する添加量は、固形分の種類及びフッ素・ホウ素の含有量に応じて適宜選択すればよいが、0.1〜20重量%が好ましい。0.1重量%未満の場合には、固形分中に均一に混合することが困難であり十分な効果を発揮することができない。20重量%を越える場合には、効果が飽和するので必要以上に添加する意味がない。より好ましくは0.3〜15重量%である。
<作用>
本発明において重要な点は、本発明に係る吸着剤が、排水中又は固形物から溶出するフッ素及び/又はホウ素を、低濃度から高濃度の広い濃度範囲において吸着・捕捉できるということである。
本発明において、カルシウムアルミネート、例えば、Ca12Al1433を例にして示せば、水溶液中で、Ca12Al1433(12CaO7Alと表記できる)中の特定のOが、フッ素及び/又はホウ素と置換することによって、フッ素及び/又はホウ素を除去できると考えられ、置換後は11CaO7AlCaF又は11CaO7AlCaY(Fはフッ素イオン,Yは2価のアニオン)となり固定されるものと本発明者は推定している。
また、酸化カルシウムの働きは十分解明できていないが、一旦、CaF,CaYような形態(吸着サイト)となり、Ca12Al1433に有害な1価または2価のアニオンを橋渡しする機能を発揮しているのではないかと本発明者は考えている。
また、ケイ酸カルシウム及び/又は硫酸カルシウムの機能は十分解明できていないが、水分の存在下で、ケイ酸カルシウム及び/又は硫酸カルシウムと石炭灰の主成分であるケイ酸アルミニウムとによって生ずる水和硬化反応中にフッ素やホウ素が取り込まれるものと本発明者は推定している。
また、本発明においては、本発明に係る吸着剤の粒子サイズがサブミクロンまたはミクロンオーダーで、ポリマーと吸着剤の均一な複合体を作製できるということである。吸着剤とポリマーの複合体を形成できることで、吸着剤の寿命の制御や複合体の親水性のコントロールが任意に行えるということである。すなわちポリマーと吸着剤の複合体を水溶液と接触させた場合には、反応時間を任意に設定することができ、水溶液中の有害アニオンを捕捉、不溶化できるということである。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
吸着剤の平均粒子径は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したものである。
吸着剤の結晶相の同定は、「X線回折装置RINT2500(理学電機(株)製)」(管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:300mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.010°、走査速度:4.00°/min、発散スリット:1/2°、散乱スリット:1/2°、受光スリット:0.15mm)を使用して行った。
吸着剤の構成相の強度比はX線回折のピーク強度において、CaO(斜方晶)の(2 2 0)面の強度、3CaO・SiO(斜方晶)の(2 2 4)面の強度、2CaO・SiO(六方晶)の(1 0 2)面の強度、CaSO(斜方晶)の(0 2 0)面の強度又はCaSO・2HO(単斜晶)の(0 2 1)面の強度をCa12Al1433(立方晶)の(2 1 1)面の強度又はCaAl(斜方晶)の(4 4 0)面の強度の大きい方を100として、それぞれの強度割合で示した。
BET比表面積値はBET法により測定した値で示した。
本発明に係る吸着剤の金属元素の含有量及び石炭灰の含有成分の分析は、該粉末を塩酸などの酸で溶解又はK、NaCO等を用いて融解し、「プラズマ発光分光分析装置 SPS4000(セイコー電子工業(株))」で測定して求めた。なお、石炭灰中のフッ素含有量は過塩素酸蒸留−吸光光度で測定した。
また、石炭灰中の炭素量、硫黄量は「炭素・硫黄分析装置((株)堀場製作所製 EMIA−820W)」で測定した。
石炭灰から溶出するフッ素イオン濃度はイオンクロマトグラフを用いてイオン濃度を測定した。なお、イオンクロマトグラフは「ICA−2000(東亜ディーケーケー(株)製)」を用いた。
石炭灰から溶出するホウ素イオン濃度は前記「プラズマ発光分光分析装置 SPS4000(セイコー電子工業(株))」を用いて評価した。
石炭灰の性状
評価に用いた石炭灰1のフッ素含有量を過塩素酸蒸留−吸光光度で測定した値は103mg/kgであった。
また、環境庁告示46号に準じた振とう試験によって溶出したフッ素及びホウ素の濃度を測定した結果、フッ素イオン濃度が環境基準の0.8mg/Lを上回る1.5mg/Lであり、ホウ素イオン濃度が3.4mg/Lであった。
評価に用いた石炭灰の諸特性を表1に示す。
Figure 0004715991
<吸着剤を適用した石炭灰のフッ素及びホウ素の溶出量の評価方法>
吸着剤3.0gと石炭灰100gとを水に分散させ、振とう機(振とう回数200回/分,振とう幅4.5cm)で6時間振とうして、その後該水溶液から固形分を濾別して、濾液中のフッ素イオン濃度をイオンクロマトグラフ法で測定し、ホウ素イオン濃度を「プラズマ発光分光分析装置 SPS4000(セイコー電子工業(株))」を用いて評価した。
吸着剤1:吸着剤の製造
消石灰粉末50.0g(JIS特号、BET比表面積値15m/g、Ca=0.67molに相当)と水酸化アルミニウム68.6g(住友化学製C−301、BET比表面積値2m/g、Al=0.88molに相当)をライカイ機を用いて1時間混合した。得られた混合粉末70gをアルミナ製るつぼに入れ、空気中、1100℃において2時間マッフル炉で加熱処理した。
加熱処理後の粒子粉末30gと二酸化ケイ素粉末3.3gとをライカイ機を用いて1時間粉砕した。得られた粒子粉末は白色であった。
得られた吸着剤は、カルシウムアルミネート(Ca12Al1433、CaAl)、CaO及びSiOの混合相であり、Ca12Al1433(カルシウムアルミネート)のX線回折における強度を100とした場合、CaAlの強度比は46であり、CaOの強度比は8であった。吸着剤の平均粒子径0.7μm、BET比表面積値2.4m/gであった。なお、吸着剤中のカルシウム含有量はCaO換算で46.1重量%、Alとして36.5%であった。
吸着剤2〜8、
吸着剤1の製造法に対し、原料の種類及び添加割合、加熱温度を種々変更させて吸着剤2〜8を用意した。
得られた吸着剤の諸特性を表2に示す。
吸着剤7は、カルシウムアルミネートを含有せず、CaO、AlSi13などの混合物が主体であり、吸着剤8はCaO、Al及びSiOの混合物である。
Figure 0004715991
吸着試験
実施例1〜11、比較例1〜6:
前記吸着試験において、吸着剤の種類及び添加量を種々変化させて、種々の石炭灰に対して各吸着剤を用いた場合のフッ素及びホウ素の溶出量を測定した。評価結果を表3に示す。
Figure 0004715991
本発明に係る吸着剤は、広い濃度範囲の有害アニオン、殊に、フッ素及びホウ素を吸着・不溶化できるので、石炭灰中の有害アニオンであるフッ素・ホウ素の吸着剤、不溶化剤として好適である。
また、本発明に係る吸着剤を用いたフッ素・ホウ素の不溶化処理では、複雑な処理工程を必要としないので、簡便な処理方法に用いる吸着剤として好適である。更に、フッ素・ホウ素とともに塩化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオンなどのアニオンが共存した石炭灰中のフッ素・ホウ素の吸着・不溶化に対しても、本発明に係る吸着剤は有効である。
さらに、本発明に係る吸着剤は無害な元素または化合物から構成されているので、該吸着剤を用いて処理した石炭灰などの固形分は埋め立て処分した場合も、環境への負荷は小さいものである。

Claims (6)

  1. フッ素及び/又はホウ素を含有する固形分のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記吸着剤は少なくともカルシウムアルミネートと酸化カルシウムとを含有し、且つ、吸着剤中のカルシウムの含有量が酸化物(CaO)換算で40〜90重量%であり、カルシウムアルミネートと酸化カルシウムとの含有割合が吸着剤のX線回折のピーク強度比においてカルシウムアルミネートを100としたとき、酸化カルシウムが1〜2000であることを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤。
  2. カルシウムアルミネートがCa12Al1433及び/又はCaAlであることを特徴とする請求項1記載のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤。
  3. 請求項1又は2に記載のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記吸着剤は少なくともカルシウムアルミネートとケイ酸カルシウムとを含有することを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤。
  4. 請求項3記載のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記ケイ酸カルシウムが3CaO・SiO又は2CaO・SiOのいずれかであることを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤であって、前記吸着剤は更に、硫酸カルシウム及び/又は硫酸カルシウム水和物を含有することを特徴とするフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤。
  6. フッ素及び/又はホウ素を含有する固形分が、石炭灰又は焼却灰であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフッ素及び/又はホウ素を吸着する吸着剤。
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