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JP4763265B2 - メト化防止剤を含有する人工酸素運搬体 - Google Patents

メト化防止剤を含有する人工酸素運搬体 Download PDF

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本発明は、L-チロシンを含むメト化防止剤、及び該メト化防止剤を含有する人工酸素運搬体に関する。具体的には、二分子膜構造を持つ脂質小胞体に内包されたヘモグロビン等が酸化されてメトヘモグロビン含量が増加することを防止し、長期保存に適した人工酸素運搬体製剤に関する。
同種血を静脈内に注入する現行の輸血システムは、次のような問題点が指摘されている:
1) 感染(肝炎、エイズウィルスなど)の可能性があること;
2) 赤血球の保存期間が3週間であること;
3) 高齢化社会の到来で、輸血患者のうち高齢者の割合が高くなる一方、健康献血者総数
が低下し続けていること;
4) 保存中に汚染の危険があること;
5) 信仰上の理由で輸血を拒否する患者に対して適用できないこと;
6) 災害時の緊急需要に対応できないこと;
7) 血液型の不適合による輸血事故が発生し得ること。
従って、血液型に関係なく何時でも即応できる代替物に対する要求が大きく、その一つとして、従来電解質輸液、膠質輸液などの輸液製剤が広く使用されてきた。しかし、これらの輸液製剤は血液の最も重要な機能、すなわち酸素を運搬する赤血球機能の代替機能を有していないため、この酸素運搬能をも代替する物質(酸素輸液、人工酸素運搬体)の開発が課題になっている。
酸素の結合解離機能を有するヘモグロビン(ヒトヘモグロビン、ウシヘモグロビン及び遺伝子組換えヘモグロビンなど)を用いた酸素輸液の開発も進められており、分子内架橋ヘモグロビン、水溶性高分子結合ヘモグロビン、分子間架橋した重合ヘモグロビンなどについて臨床試験が欧米で進行している。この臨床試験において非細胞型構造に起因する各種の副作用が指摘されるようにつれ、ヘモグロビンを小胞体あるいはカプセルに内包したいわゆる細胞型構造の重要性が明確になってきた。
生体成分であるリン脂質が脂質小胞体(リポソーム)を形成することが発見され、DjordjevichとMiller(Fed. Proc. 36, 567, 1977)がリン脂質/コレステロール/脂肪酸からなるリポソームを利用したヘモグロビン小胞体を検討して以来、本発明者らのグループを含む幾つかのグループで、ヘモグロビン小胞体の研究が展開されている。
ヘモグロビン小胞体は、1) ヘモグロビンを修飾せずにそのまま使えること;2) 粘度、膠質浸透圧および酸素親和度を任意の値に調節できること;3) 血中滞留時間が延長されること;4) 各種添加剤を小胞体内水相に高濃度で封入できる等の利点を有する。これらのうち、特に4)の利点は本発明において重要である。本発明者等は、これまでにヘモグロビン小胞体の効率的な調製法を独自に確立し、諸物性値が血液に極めて近いヘモグロビン小胞体輸液を得ており、これについては動物投与試験でも優れた酸素運搬能を確認している(Tsuchida ed. Blood Substitutes Present and Future Perspective, Elsevier, Amsterdam, 1998)。
ヘモグロビンは4個のヘムを含有しており、そのヘム鉄が二価鉄(Fe(II))であるときには酸素を可逆的に結合できるが、ヘム鉄が酸化型の三価鉄(Fe(III))になったときは(これをメト化という)、メト化されたヘモグロビン(メトヘモグロビン)は酸素と結合できない。また、酸素を結合したヘモグロビン(オキシヘモグロビン)のメト化に伴うスーパーオキシドラジカルアニオンの生成により、これが酸化剤として作用し、メトヘモグロビンの生成を促進する。赤血球内にはメトヘモグロビン還元系および活性酸素消去系が存在し、メトヘモグロビン含量が増大しない機構が働くが、精製ヘモグロビンを用いるヘモグロビン小胞体では、ヘモグロビンの精製工程でこれらの酵素系をすべて除去しているため、保存中および投与後にヘモグロビンの酸化が生じて酸素運搬能が低下する。
この酸化反応を抑制する方法として、(i) グルタチオン、ホモシステインおよび/またはアスコルビン酸などの還元剤、並びにカタラーゼおよび/またはスーパーオキシドディスムターゼなど活性酸素を消去する酵素を添加する方法(Sakai et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 1994(非特許文献1);Takeoka et al., Bioconjugate Chem., 8, 539-544, 1997(非特許文献2))、(ii)電子伝達物質としてメチレンブルーを小胞体膜に導入し、小胞体の外水相に添加したNADHからの電子移動により小胞体に内包されたメトヘモグロビンを還元する方法(Takeoka et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 70, 1171-1178, 1997(非特許文献3))、あるいは(iii)近紫外領域の光照射によるメトヘモグロビンを還元する方法(Sakai et al., Biochemistry, 39, 14595-14602, 2000(非特許文献4))などが試みられている。また、ヘモグロビン小胞体を長期間安定に保存する方法として(棚保存)、完全に酸素を除去してデオキシ型で保存する手法が試みられている(Sakai et al., Bioconjugate Chem, 11, 425-432, 2000(非特許文献5))。
しかしながら、上記に述べた酸化したヘモグロビン小胞体の従来の還元法又は保存方法には以下の点で改良すべき余地が残されている。
まず、血液を原料として使用する場合、ヘモグロビンの精製工程においてウィルスの不活性化が必要とされるため、アルブミン製剤と同様にヘモグロビンについても60℃で10時間以上の加熱が望まれる。その際に、赤血球内に存在しているメトヘモグロビン還元酵素系も変性して失活する。これらの酵素系の活性を利用するために低張溶血法による穏和な精製を行なえば、得られるヘモグロビン小胞体の酸化速度の抑制は可能となるが、ウィルスの不活性化を達成することが困難である。また、酵素系は化学的に不安定であるため、長期間に亘る保存中に活性が低下する懸念がある。
上記で述べたようにグルタチオンやホモシステイン等の還元剤をヘモグロビン小胞体に内包させることにより、形成したメトヘモグロビンが還元され、相対的に酸化反応を抑制させることも可能である。しかし、還元剤は、メトヘモグロビンが存在していない場合でも空気中の酸素と反応することで酸化されて次第に失活し(自動酸化)、さらにこの反応により生じたスーパーオキシドラジカルアニオンあるいは過酸化水素などの活性酸素種により、かえってヘモグロビンのメト化が促進されてしまう。
また、ヘモグロビンを長期間保存するにあたり、酸素を完全に除去することで、密封状態に限りヘモグロビン小胞体のメト化を抑制できる。しかし、実際に酸素運搬体としてヘモグロビン小胞体を利用する場合においては、当然酸素が存在するオキシヘモグロビンの状態で使用することになるために、この方法ではヘモグロビン小胞体のメト化を解決する手段にはならない。例えば移植臓器の潅流液としてヘモグロビン小胞体を利用する場合や体外循環液として利用する場合では、大気下にて一定時間さらされることになるために、上記メト化が生じることとなる。
Sakai et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 1994 Takeoka et al., Bioconjugate Chem., 8, 539-544, 1997 Takeoka et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 70, 1171-1178, 1997 Sakai et al., Biochemistry, 39, 14595-14602, 2000 Sakai et al., Bioconjugate Chem, 11, 425-432, 2000
従って、酸素が存在する状態で、ヘモグロビン小胞体のメト化速度を抑制でき、しかも還元剤と異なり、添加物は酸素と反応することなく安定に存在している分散液系が望まれている。
発明者らは長年に亘って人工酸素運搬体の系統的研究を重ね、ヘモグロビン小胞体のメト化速度の抑制方法を開発すべく努力を続けた結果、上記の問題を解決できる本発明に想到したものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)(1)チロシンを含むメト化防止剤。チロシンとしては、例えばL-チロシンが挙げられる。
L-チロシンの濃度は0.01mM〜20mM、好ましくは1mM〜20mM、さらに好ましくは8mM〜20mMである。
(2)上記(1)記載のメト化防止剤及びヘムタンパク質が内包された脂質小胞体からなる人工酸素運搬体。
(3)上記(1)記載のメト化防止剤及びヘムタンパク質を脂質小胞体に内包することを特徴とする人工酸素運搬体の製造方法。
(4)上記(1)記載のメト化防止剤及びヘムタンパク質を脂質小胞体に内包することを特徴とするヘムタンパク質のメト化防止方法。
(5)上記(1)記載のメト化防止剤及びヘムタンパク質を脂質小胞体に内包することを特徴とする人工酸素運搬体の保存方法。
(6)上記(3)〜(5)記載の方法において、ヘムタンパク質としては、例えばヘモグロビンが挙げられる。また、本発明の方法においてさらに酵素類(例えばカタラーゼ、メトヘモグロビン等)を脂質小胞体に内包させることもできる。
本発明において、ヘムタンパク質としては、例えば酸素を可逆的に結合できるヘモグロビンが挙げられる。また、上記脂質小胞体には、さらに酵素類(例えばカタラーゼ)を含めることができる。さらに、メトヘモグロビンもチロシンを基質としたペルオキシダーゼ活性を示すので、これに含めることができる。さらには、上記脂質小胞体は単層又は多層膜により構成されており、これらの脂質小胞体の膜は、ポリエチレングリコール等により修飾されていてもよい。さらに、本発明の人工酸素運搬体又は方法において、上記(1)記載のメト化防止剤及びヘムタンパク質が内包された脂質小胞体を37℃、酸素分圧5〜300Torrで60時間放置したときのメト化率は、50%以下であることが好ましい。また、上記(1)記載のメト化防止剤及びヘムタンパク質が内包された脂質小胞体に過酸化水素を添加して60分経過後のメト化率は、20%以下であることが好ましい。
本発明により、L-チロシンを含むメト化防止剤、並びに前記メト化防止剤及びヘムタンパク質を内包した小胞体からなる人工酸素運搬体が提供される。そして、本発明の人工酸素運搬体は、膜構造を持つ脂質小胞体に内包されたオキシヘモグロビンが酸化されてメトヘモグロビン含量が増加することを防止できるため、使用時の有効期間の長い人工酸素運搬体として有用である。
以下、本発明の方法を詳細に説明する。本発明は、チロシン(特にL-チロシン)がメト化を防止する性質を有する点に着目して完成されたものであり、チロシンを人工酸素運搬体又は血液のメト化防止剤に適用しようとするものである。ここで、メト化とは、ヘモグロビンの補欠分子族であるプロトヘムの中心鉄が2価(Fe2+)から3価(Fe3+)に酸化されることを意味する。
赤血球中のヘモグロビンのメト化を防止(メト化の上昇防止を含む)するためのチロシンの使用目的は、特に限定されるものではなく、例えば、術前血液希釈、体外循環、臓器保存、液体換気などのほか、鎌形赤血球貧血病、卒中、一酸化炭素中毒、癌治療、誤飲による中毒症、その他の臨床医療を使用目的とすることができる。但し、これらの使用目的に限定されるものではない。
チロシンを上記使用目的に適用するために、チロシンをリポソームなどの脂質小胞体に内包することができる。
本発明において、「脂質小胞体」とは、脂質及び/又はリポタンパク質によって、共有結合を介さずに、水性媒質中における分子間の相互作用(疎水性相互作用、静電気的相互作用、水素結合など)により構成された膜を持つ小胞体構造の分子集合体を意味し、その膜は、単層又は多層(例えば二層)を形成するものである。
本発明における脂質小胞体は、リン脂質単独、あるいはリン脂質とコレステロール又は脂肪酸との混合脂質として使用することができる。小胞体は、本発明者らが既に公表した方法(Sakai et al., Biotechnol. Progress, 12, 119-125, 1996; Bioconjugate Chem., 8, 23-30, 1997)によって調製することができる。具体的には、先ず精製ヘモグロビン溶液にアロステリック因子としてピリドキサール5'リン酸とL-チロシンを適量添加し、混合脂質粉末を混合して水和させる。このヘモグロビン脂質混合溶液を高圧押出し装置を用いて孔径3μmから0.22μmまでのフィルターを段階的に透過させて粒径制御を行ない、遠心分離により未内包のヘモグロビンを除去し、ヘモグロビン小胞体を調製する。
本発明においては、上記方法以外にも小胞体を製造するための一般的手法、例えば超音波照射法、強制撹拌(ホモジナイザー)法、ボルテックス法、凍結融解法、有機溶媒注入法、界面活性剤除去法、逆相蒸発法、マイクロフルイダイザー法などを採用することができる。例えば、凍結融解法は、ピリドキサール5'リン酸とL-チロシンを精製ヘモグロビン溶液に添加し、混合脂質粉末と混合して水和させた後、凍結(-197℃)と融解(40℃)操作を3回繰り返し、ヘモグロビン小胞体を調製する。また、有機溶剤注入法では、混合脂質をクロロホルムあるいはジエチルエーテル/メタノール混合溶媒に溶解させ、ピリドキサール5'リン酸とL-チロシンを添加した精製ヘモグロビン溶液に注入し、減圧して溶媒を除去することで、ヘモグロビン小胞体を調製する。超音波照射法では、ピリドキサール5'リン酸とL-チロシンを精製ヘモグロビン溶液に添加し、混合脂質粉末を混合して水和させた後、プローブ型超音波照射装置を用いて照射し、ヘモグロビン小胞体を調製する。
上記小胞体の構成成分であるリン脂質は、飽和リン脂質、不飽和リン脂質のいずれでもよい(第2936109号特許)。例えば、卵黄レシチン、水添レシチン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジリノレオイルホスファチジルコリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトールなどを利用することができる。これらのリン脂質は、エン(二重結合)、イン(三重結合)、ジエン、ジイン、スチレンなどの重合性基を有する重合性リン脂質から選ばれる。このような重合性リン脂質としては、例えば、1,2-ジ(オクタデカ-trans-2,trans-4-ジエノイル)ホスファチジルコリン、1,2-ジ(オクタデカ-2,4-ジエノイル)ホスファチジン酸、1,2-ビスエレオステアロイルホスファチジルコリンなどが挙げられる。脂肪酸としては、炭素数12〜20の飽和及び不飽和脂肪酸が用いられる。例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、オクタデカ-2,4-ジエン酸などである。
本発明において、上記脂質分子集合体の膜に適当な添加剤を添加してその膜を修飾することもできる。膜を修飾するための添加剤としては、例えば、シアル酸、糖結合脂肪酸、ポリオキシエチレン結合リン脂質、ポリオキシエチレン結合脂肪酸などが挙げられ、ポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)で修飾することが好ましい。ポリエチレングリコールの分子量は、400 Daから12000 Da程度、好ましくは1000Daから5000Daである。
上記脂質小胞体に内包させるヘムタンパク質としては、例えばヘモグロビン、ミオグロビン、アルブミン−ヘムなどが挙げられる。精製ヘモグロビンは、当分野において既知の方法(日本生化学会編、続生化学実験講座8巻「血液」上、東京化学同人、1987年; Methods in Enzymology, Volume 76, 1981, Academic Press, New York; The Chromatograph of Hemoglobin, 1983, Dekker, New Yorkなど)を利用して製造することができる。例えば、溶血法によりヘモグロビンを精製する場合は、洗浄赤血球に低張溶液を加え浸透圧差により溶血させ、遠心分離により赤血球膜成分を除去する。そして、限外ろ過法、結晶化法やHPLC法などを用いて高純度ヘモグロビンを得る。
また、一酸化炭素をヘモグロビンに結合させることにより(HbCO)、メト化を抑制するとともに高温安定度を向上させることができる。この場合、溶剤処理(例えば四塩化炭素、トルエン、クロロホルム、ジエチルエーテル等)により精製したときの残存溶剤を完全除去させるのに有効である。さらに、ヘモグロビンに付随して存在するタンパク質は、加熱により除去できる。HbCOは加熱に対して安定であるため、夾雑タンパク質や共存ウイルスを不活性化させることができる。
本発明においては、水溶性物質としてヘモグロビンを内包した小胞体をヘモグロビン小胞体という。以下、L-チロシンを内包したヘモグロビン小胞体を例に説明するが、これに限定されるものではない。
本発明において、L-チロシンを適用するときは、L-チロシンがヘモグロビン小胞体に内包されていることが好ましい。従って、本発明のヘモグロビン小胞体に内包するL-チロシンは、ヘモグロビン小胞体を調製した後に水溶性物質に混合することも可能であるが、ヘモグロビン小胞体を作製する際に、水溶性物質(分散液)中にあらかじめL-チロシンを含有させておくことが小胞体のメト化抑制率が高い点で好ましい。そして、本発明においてはL-チロシンを単量体で使用することが好ましい。
また、ヘモグロビン小胞体のメト化抑制効果は、L-チロシン濃度の増加に伴い増大する。従って、本発明において、L-チロシンをメト化防止剤として使用するときの添加濃度はできるだけ高い方がよい。本発明において、L-チロシンの添加濃度は少なくとも0.01 mMであり、1.0mM以上が好ましい。さらに、8.0mM以上の添加がより好ましいく、例えば、およそ20 mMまでL-チロシンを溶解させることができる。
本発明のメト化防止剤を使用するにあたり、ヘモグロビン小胞体の分散液を生理塩水溶液で所定の成分濃度(例えば、ヘモグロビン濃度5g/dL)に希釈する。このとき、ヘモグロビン小胞体分散液を希釈しても、小胞体内水相の成分濃度は希釈されずにそのまま維持される。このことは、本発明の方法を適用する上で極めて有利である。体外循環液又は組織培養液として利用する場合を想定して、37℃で大気下又は酸素分圧の低い条件下で振とうすることで、L-チロシンを内包したヘモグロビン小胞体のメト化速度は、未内包のヘモグロビン小胞体と比較すると抑制される。例えば、低酸素分圧条件下で60時間放置したときのメト化率は50%以下である。ここで、酸素分圧の低い条件(低酸素分圧条件)とは、37℃で5〜300Torrの場合、好ましくは40Torrをいう。
本発明において使用するL-チロシンは、上記のように、ヘモグロビン小胞体のメト化速度を抑制できるので、長期間にわたり、酸素運搬体として機能させる時間を延長することができる。例えば、血液希釈液、体外循環液、組織培養液などの各種の適用において、上記ヘモグロビン小胞体を利用すると、そのメト化速度が抑制されるために大幅に酸素運搬体としての機能時間を延長させることができ、長時間の利用が可能である。また、オキシ状態におけるヘモグロビン小胞体の保存法として、上記ヘモグロビン小胞体を利用することで、長期間にわたりメトヘモグロビン濃度の上昇を抑制できる。
以上説明したように、本発明によれば、L-チロシンを内包したヘモグロビン小胞体は、そのメト化速度の抑制がみられる。
オキシ状態にあるヘモグロビンがメトヘモグロビンに酸化される際、過酸化水素が発生し、それがヘモグロビンのメト化を促進することが知られている。発明者らの最近の研究により、メトヘモグロビンはL-チロシンをジチロシンに特異的に酸化する際に過酸化水素を消費する酵素活性、いわゆるペルオキシダーゼ活性があることが明らかとなっている。このため、系内の過酸化水素濃度が低下するためヘモグロビンの過酸化水素によるメト化が抑制される機序が現在のところ考えられている。
従って、L-チロシンとオキシ状態のヘモグロビンが内包されている小胞体に適当量のメトヘモグロビンを予め内包させると、オキシ状態のヘモグロビンのメト化を大幅に抑制できる。
また、L-チロシンとヘモグロビンとは、直接的には相互作用しないことが考えられる。実際に、等温滴定型微小熱量測定法を用いて、L-チロシンとヘモグロビンとの相互作用(結合)に伴い発生する結合熱を測定しても、ほとんど観測されなかった。そして、L-チロシンを混合したヘモグロビンの酸素解離曲線からは、特にアロステリック効果への影響もみられず、酸素親和度の変化も認められなかった。
さらに、本発明においてはヘモグロビン小胞体に各種酵素類を内包することができる。酵素類としては、例えばカタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼなどがあげられる。添加量は、カタラーゼでは10000unit/mLから50000unit/mL、スーパーオキシドジスムターゼでは1000unit/mLから10000unit/mLでメト化抑制に効果的に作用する。
L-チロシンとカタラーゼを混合したヘモグロビン溶液と、カタラーゼを混合したヘモグロビン溶液のメト化速度を比較したところ、前者の方がさらにメト化速度の抑制が認められたが、これはカタラーゼの高い過酸化水素消去能による。例えば、メト化防止剤及びヘムタンパク質が内包された脂質小胞体に過酸化水素を添加して60分経過後のメト化率は20%以下であり(実施例参照)、420分経過した後であっても、メト化率は40%以下である。
また、L-チロシンを混合したヘモグロビン溶液を37℃で振とう後、UV-visスペクトル測定、蛍光測定、HPLCにより解析したところ、わずかにジチロシンが確認された。この実験を、L-チロシンを混合したメトヘモグロビン溶液に過酸化水素を添加して行ったところ、多量のジチロシンが確認された。これはメトヘモグロビンのペルオキシダーゼ活性によるものである。さらに、冷蔵保存(4℃)におけるメトヘモグロビン濃度変化を観察したところ、L-チロシンを内包したヘモグロビン小胞体([L-チロシン]=1mM)(内包系)では、未内包系と比較すると(いずれも調製時のメト化率は3.0%)、それぞれ1か月で4.4、9.3%、3か月で10.2、24.3%であり、内包系ではメト化が大幅に抑制されていた。このことは、ヘモグロビン小胞体を長期間安定に保存できることを示している。
以上説明したように、本発明によれば、L-チロシンを内包したヘモグロビン小胞体ではメト化速度が抑制され、酸素運搬時間を延長させることができる。
また、本発明においては、チロシンを適当な緩衝液に添加してこれを注射用製剤(静脈、動脈若しくは皮下注射用液体製剤又は体外処理用液体製剤)とすることもできる。上記製剤には、各種添加剤を添加することも可能である。添加剤としては、例えば保存剤、緩衝剤、溶剤等が挙げられる。
本発明において、チロシンを、臨床医療を目的として患者に投与する場合は、その有効成分としての投与量は、1日あたり100μg/kg〜1000mg/kg、好ましくは500μg/kg〜10mg/kgである。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体の調製と大気下自動酸化(37℃)
無菌的雰囲気下において、献血由来のヒト赤血球から精製して得た高純度ストロマフリーヘモグロビン溶液(36g/dL)に、アロステリック因子であるピリドキサール5'リン酸(PLP、[PLP]/[Hb]=2.5)とL-チロシンを濃度50、100、250、500μMとなるように添加し、あるいは無添加のままで調製した。RemolinoTM(日本Millipore社製)を用いて孔径0.22μmのFMミクロフィルター(富士フィルム社製)でろ過し、仕込みヘモグロビン溶液を得た。混合脂質粉末(ホスファチジルコリン/コレステロール/DPEAの混合物、日本精化社製)を脂質濃度が4.5wt%となるように少量ずつ添加し、4℃で12時間攪拌してヘモグロビン内包多重層小胞体を得た。Remolinoを用いたエクストルージョン法により粒径及び被覆層数の制御を行った。FMミクロフィルターを孔径3、0.8、0.65、0.45、0.3、0.22μmの順に使用した。得られたヘモグロビン小胞体分散液を生理食塩水で希釈し、超遠心分離(50,000g, 40min)後に上澄みヘモグロビン溶液を吸引除去した。生理食塩水に分散させたポリオキシエチレン結合脂質[N-(モノメトキシポリエチレングリコール-カルバミル)ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン;N-(monomethoxy polyethylenegllycol-carbamyl)distearoyl phosphatidyl ethanolamine、ポリエチレングリコール鎖の分子量は5300]を、小胞体外表面の脂質の0.3mol%分を添加し、25℃で2時間攪拌後、ヘモグロビン小胞体の表面をポリエチレングリコールで修飾した。ヘモグロビン濃度を10g/dLとし、Dismic-25:0.45μmフィルター(ADVANTEC)でろ過し、ポリエチレングリコール修飾ヘモグロビン小胞体を得た。
L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体([L-チロシン]=50、100、250、500μM)あるいはヘモグロビン小胞体分散液を大気下において37℃で振とうし、経時的に各試料を採取後、ヘモグロビン小胞体分散液の405nm、430nmの吸光度比からメト化率を算出した。その結果、L-チロシンの添加濃度の増加に伴い、L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体のメト化速度の抑制が認められた。メト化率が50%になる時間をT1/2と定義すると、T1/2は、L-チロシン未内包ヘモグロビン小胞体では18時間であるのに対して、L-チロシン濃度が50、100、250、500μMのL-チロシン内包ヘモグロビン小胞体ではそれぞれ20、24、27、30時間であり、T1/2が大幅に延長した。
L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体の酸素分圧40Torrでの自動酸化(37℃)
実施例1で調製したL-チロシン内包ヘモグロビン小胞体([L-チロシン]=50、100、250、500μM)あるいはヘモグロビン小胞体分散液を40Torrの酸素分圧において37℃で振とうし、経時的に各試料を採取後、吸光度比からメト化率を算出した。その結果、L-チロシンの添加濃度の増加に伴い、L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体のメト化速度の抑制が認められた。メト化率が50%になる時間T1/2は、L-チロシン未内包ヘモグロビン小胞体では12.5時間であるのに対して、L-チロシン濃度が50、100、250、500μMのL-チロシン内包ヘモグロビン小胞体では、それぞれ14、15、16、18.5時間であり、T1/2が大幅に延長した。
L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体の大気下での自動酸化(4℃)
実施例1で調製したL-チロシン内包ヘモグロビン小胞体([L-チロシン]=1mM)あるいはヘモグロビン小胞体分散液を大気下において4℃で保存し、経時的に各試料を採取後、吸光度比からメト化率を算出した。その結果、L-チロシンの添加濃度の増加に伴い、L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体のメト化速度の抑制が認められた。L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体と未内包ヘモグロビン小胞体のメト化率は、調製時においてはそれぞれ3.0%であるが、1か月で4.4、9.3%、3か月で10.2、24.3%であり、L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体において大幅にメト化速度の抑制が認められた。
チロシン誘導体、抗酸化剤及びフェノール誘導体を内包した小胞体を用いたメト化時間の測定
チロシン誘導体、各種抗酸化剤及び各種フェノール誘導体を所定の濃度で内包したヘモグロビン小胞体分散液を作製し、実施例1と同様にしてメト化速度を測定した。
結果を表1に示す。下記表1は、チロシン誘導体、抗酸化剤及びフェノール誘導体のメト化初速度と50%メト化時間を示すものである。ヘモグロビン小胞体のメト化抑制は、L-チロシンが最も効果的であった。
Figure 0004763265
L-チロシンとD-チロシンを用いたメト化抑制試験
D-チロシン、又はL-チロシンを含むオリゴペプチドを内包したヘモグロビン小胞体分散液を作製し、実施例1と同様にして50%メト化速度を測定した。
その結果、L-チロシンがメト化抑制に有効であることが確認された (図1)。
酵素類を併用したときのメト化抑制試験(1)
0.25mLのL-チロシンを含むヘモグロビン小胞体分散液、50000unit/mLのカタラーゼを含むヘモグロビン小胞体分散液、及び0.25mLのL-チロシンと50000unit/mLのカタラーゼを混合したヘモグロビン小胞体分散液を調製し、実施例1と同様にして50%メト化時間を測定した。
結果を表2に示す。
Figure 0004763265
上記表2は、Tyrによるメト化抑制効果、及びカタラーゼによるメト化抑制効果を示すものである。L-チロシンは、コントロール(L-チロシン及びカタラーゼ無添加)と比較してメト化率は大幅に抑制された。カタラーゼの添加により、さらにメト化率の抑制が増強された。
酵素類を併用したときのメト化抑制試験(2)
5 g/dLオキシ状態のヘモグロビン溶液([ヘモグロビン] = 775 μM)に、0.5 wt%メトヘモグロビン/1 mM L-チロシンを添加した。この溶液に大気下、37℃、撹拌条件下、10分おきに60分まで310 μM 過酸化水素 (メトヘモグロビンのヘムと同濃度)を添加した。各過酸化水素添加直前に採取したサンプル300 μLそれぞれにカタラーゼ20 μL(5000 unit)を即座に添加し過酸化水素を消去後、シアノメトヘモグロビン法によりメト化率を算出した。
結果を図2に示す。オキシヘモグロビン溶液、あるいはオキシヘモグロビン/L-チロシン混合溶液に過酸化水素を添加した系では、添加回数の増加とともにメト化率は直線的に増加し、60分で約80 %に達した。また、オキシヘモグロビン溶液/メトヘモグロビン混合溶液では、添加した過酸化水素によるメトヘモグロビンの変性に起因するメト化の促進が認められ、60分でオキシヘモグロビンが100 %メトヘモグロビンとなった。他方、オキシヘモグロビン/メトヘモグロビン/L-チロシン混合溶液ではメト化率の上昇は非常に緩やかで、60分後でも40 %であり、メト化したオキシヘモグロビンは30 %に止まった。この結果より、メトヘモグロビンがL-チロシンの共存によりカタラーゼ様に安定に過酸化水素を消去し、オキシヘモグロビンのメト化を抑制していることが確認された。
高濃度L-チロシン、メトヘモグロビン内包ヘモグロビン小胞体の調製
無菌的雰囲気下において、献血由来のヒト赤血球から精製して得た高純度ストロマフリーヘモグロビン溶液(36g/dL)に、アロステリック因子であるピリドキサール5'リン酸(PLP、[PLP]/[Hb]=2.5)を添加した。更に、フェリシアン化カリウムを用いてメト化させ、フェリシアン化カリウムをゲル浸透クロマトグラフィーにて除去したメトヘモグロビン溶液を、限外ろ過法にて36wt%まで濃縮したメトヘモグロビン溶液を終濃度で4wt%となるように添加した。更に、L-チロシンを濃度8.5mMとなるように添加し、あるいは無添加のままで調製した。RemolinoTM(日本Millipore社製)を用いて孔径0.22μmのFMミクロフィルター(富士フィルム社製)でろ過し、仕込みヘモグロビン溶液を得た。混合脂質粉末は、ジパルミトイルホスファチジルコリン/コレステロール/1,5-O-ジヘキサデシル-N-スクシニル-L-グルタメート/N-(モノメトキシポリエチレングリコール-カルバミル)ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンの組成の混合物(日本精化社製)であり、ポリエチレングリコール鎖の分子量は5300である。上記混合脂質粉末を脂質濃度が4.5wt%となるように少量ずつ添加し、4℃で12時間攪拌してヘモグロビン内包多重層小胞体を得た。RemolinoTMを用いたエクストルージョン法により粒径及び被覆層数の制御を行った。FMミクロフィルターを孔径3、0.8、0.65、0.45、0.3、0.22μmの順に使用した。得られたヘモグロビン小胞体分散液を生理食塩水で希釈し、超遠心分離(50,000g, 40min)後に上澄みヘモグロビン溶液を吸引除去したヘモグロビン濃度を10g/dLとし、Dismic-25: 0.45μmフィルター(ADVANTEC)でろ過し、ポリエチレングリコール修飾ヘモグロビン小胞体を得た。
高濃度L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体の酸素分圧40Torrでの自動酸化(37℃)
実施例8で調製したL-チロシン/メトヘモグロビン内包ヘモグロビン小胞体([L-チロシン]=8.5mM)あるいはヘモグロビン小胞体分散液を40Torrの酸素分圧において37℃で振とうし、経時的に各試料を採取後、吸光度比からメト化率を算出した。その結果、約18時間後にメト化率が20%に達し、60時間後では50%であった。L-チロシン/メトヘモグロビン未内包ヘモグロビン小胞体では、同条件にて約13時間後にメト化率が50%になるので、高濃度L-チロシン/メトヘモグロビン内包ヘモグロビン小胞体は、メト化速度の大幅な抑制効果が認められた。
高濃度L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体の過酸化水素連続添加
実施例8で調製したL-チロシン/メトヘモグロビン内包オキシヘモグロビン小胞体([L-チロシン]=8.5mM)あるいはオキシヘモグロビン小胞体分散液5wt%に、過酸化水素(310μM、内包メトヘモグロビンと同濃度)を10分毎に添加した(37℃、大気下)。
測定結果を図3に示す。図3に示すように、オキシヘモグロビン小胞体の5wt%分散液に過酸化水素を10分毎に添加させた場合は、30分にてメト化率が50%に達した(図3の(〇))。これに対して、小胞体に内包させた40wt%のヘモグロビンのうち4wt%がメトヘモグロビンとなるようにし、さらに1mMのL-チロシンを内包させたヘモグロビン小胞体の5wt%分散液に同様に過酸化水素を10分毎に添加した場合は、60分にてメト化率が50%に達し(図3の(■))、約2倍の延長効果を示した。さらに、8.5mMのL-チロシンを内包させると、過酸化水素添加420分後でもメト化率は40%にしか到達しなかった(図3の(●))。これは高濃度のL-チロシンの内包による顕著な効果の増大を示す結果である。
ヘモグロビン小胞体を含む分散液は、医学および薬学において広く応用が可能であり、特に、種々の添加物を加えて臨床医療における血液代替物として利用される。
L-TyrとD-TyrによるHbのメト化抑制効果の比較を示す図。 L-Tyr(〇)、D-Tyr(●)。L-Tyrのみがヘモグロビンのメト化を抑制しており、D-チロシンでは効果がない。これは、ヘモグロビンとL-Tyrと特異的に相互作用していることを示す結果である。 メトヘモグロビンとL-チロシンを予め共存させたオキシヘモグロビン溶液に対して過酸化水素の頻回添加によってメトヘモグロビンを生成させた実験結果を示す図。オキシヘモグロビンにメトヘモグロビンとL-チロシンを共存させた系(●)は、コントロールであるオキシヘモグロビンのみ(○)と比較して、大幅にメト化率の上昇が抑制された。オキシヘモグロビンにL-チロシンのみを添加した系(□)ではコントロールとほぼ同じメト化率上昇の挙動であり、オキシヘモグロビンにメトヘモグロビンのみを添加した系(■)では、添加した過酸化水素によるメトヘモグロビンの変性による鉄イオン遊離などにより引き起こされる副反応(フェントン反応等)によりメト化が促進された。これらの結果は、メトヘモグロビンのL-チロシンを基質とするペルオキシターゼ活性により、過酸化水素が消去されることを示している。 高濃度メトヘモグロビン/L-チロシン内包ヘモグロビン小胞体への過酸化水素連続添加を示す図。

Claims (4)

  1. チロシンを含むメト化防止剤。
  2. チロシンがL-チロシンである請求項1記載のメト化防止剤。
  3. L-チロシンの濃度が0.01mM〜20mMである請求項2記載のメト化防止剤。
  4. さらに、メトヘモグロビンを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のメト化防止剤。
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