JP4744025B2 - ガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器に関する。詳しくは、ガスセンサ及びガスセンサの接続状態の異常を瞬時に判別して報知することができるガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における定電位電解式ガスセンサは、ガスセンサの作用極と対極に一定電位を印加し、目的ガスの流入により生じる電解電流を検出するものであるが、目的ガスが存在しない状態においては極めて高いインピーダンスを持っており、センサの各電極の接続不良または断線が発生した場合において、ガス濃度値に変化をきたさないか、異常に高い値若しくは異常に低い値を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような定電位電解式ガスセンサでは、作用極と対極に一目的ガスが存在しない状態でセンサの各電極の接続不良または断線が発生してもガス濃度値に変化をきたさない、異常に高い値または低い値を示すかの何れかであるため、センサに示された値がガス濃度を示したものであるか、断線などによるものであるのか判別が困難であるという問題がある。
【0004】
また、従来技術においてはポテンショスタット回路を介して対極及び参照極のみの電位変更パルスを印加していたため、作用極と対極及び参照極との間で電位差が発生し、電解液を介して強制電流が流れ、パルス電位、パルス幅を大きくするとガス濃度ゼロ点安定度が悪化するという問題が発生する。
【0005】
従って、定電位電解式ガスセンサにおいて、ガスセンサ(の対極、参照極、作用極)の不良または断線発生などの接続異常を判別して報知すること、ガス濃度ゼロ点安定度の悪化を防止すること、に解決しなければならない課題を有する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係るガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器は次のような構成にすることである。
【0007】
(1) 作用極と対極および参照極を電解液中に相対して配置した定電位電解式のガスセンサを有し、
前記参照極の電位を負帰還して前記作用極の電位を前記参照極の電位に対して一定電位に保つように前記対極の電位を出力するポテンショスタット回路と、
前記作用極の電位を負帰還して、作用極の電位を出力するガス濃度増幅回路と、
電位設定器から出力する電位変更パルスを制御すると共に、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路の出力電圧をサンプリングし、該サンプリングした出力電圧の電位差を算出すると共に予め設定されている基準電位との比較をする機能を備えたマイクロプロセッサと、
を備え、
前記ポテンショスタット回路及びガス濃度増幅回路の非反転入力側に電位設定器からの電位変更パルスを同時に印加するようにし、
前記電位変更パルスの印加前と印加中の前記ポテンショスタット回路の出力電圧及び前記ガス濃度増幅回路の出力電圧を測定し、
前記測定したポテンショスタット回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第1の電位差及び前記測定したガス濃度増幅回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第2の電位差を算出し、
該算出した第1の電位差及び第2の電位差と予め定めた基準電位とを比較することにより、ガスセンサの異常及びガスセンサの接続異常を判別し、
異常の場合は警報を発し、正常の場合は前記測定したガス濃度増幅回路の電位変更パルス印加前の出力電圧に基づいてガス濃度を算出して表示するようにしたことを特徴とするガスセンサの接続状態判定方法。
(2) 前記電位変更パルスは、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の周期で印加するようにしたこと
を特徴とする(1)に記載のガスセンサの接続状態判定方法。
(3) 作用極と対極および参照極を電解液中に相対して配置した定電位電解式のガスセンサを有し、
前記接続コードを介して、前記参照極の電位を負帰還して前記作用極の電位を前記参照極の電位に対して一定電位に保つように前記対極の電位を出力するポテンショスタット回路と、
前記接続コードを介して、前記作用極の電位を負帰還して、作用極の電位を出力するガス濃度増幅回路と、
電位設定器から出力する電位変更パルスを制御すると共に、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路の出力電圧をサンプリングし、該サンプリングした出力電圧の電位差を算出すると共に予め設定されている基準電位との比較をする機能を備えたマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサの設定に従って前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の電圧を印加する電位設定器と、
前記マイクロプロセッサによって前記電位設定器を制御して前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に予め設定した電位変更パルスを同時に印加し、
前記電位変更パルスの印加前と印加中のポテンショスタット回路の出力電圧及びガス濃度増幅回路の出力電圧を測定し、
該測定したポテンショスタット回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第1の電位差及び該測定したガス濃度増幅回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第2の電位差を算出し、
該算出した第1の電位差及び第2の電位差と予め定めた基準電位とを比較することにより、ガスセンサの異常及びガスセンサの接続異常を判別する異常検出手段と、
を備えたこと
を特徴とする定電位電解式ガス測定器。
(4) 前記電位変更パルスは、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の周期で印加するようにしたこと
を特徴とする(3)に記載の定電位電解式ガス測定器。
【0008】
(5) 作用極と対極および参照極を電解液中に相対して配置した定電位電解式のガスセンサを有し、
前記ガスセンサと接続コードで接続し、前記ガスセンサを制御する機器であって、
前記接続コードを介して、前記参照極の電位を負帰還して前記作用極の電位を前記参照極の電位に対して一定電位に保つように前記対極の電位を出力するポテンショスタット回路と、
前記接続コードを介して、前記作用極の電位を負帰還して、作用極の電位を出力するガス濃度増幅回路と、
電位設定器から出力する電位変更パルスを制御すると共に、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路の出力電圧をサンプリングし、該サンプリングした出力電圧の電位差を算出すると共に予め設定されている基準電位との比較をする機能を備えたマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサの設定に従って前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の電圧を印加する電位設定器と、
前記ガスセンサと接続するための接続コードに所定の電圧を印加するコード電位設定部と、
前記マイクロプロセッサによって前記電位設定器を制御して前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に予め設定した電位変更パルスを同時に印加し、
前記電位変更パルスの印加前と印加中のポテンショスタット回路の出力電圧及びガス濃度増幅回路の出力電圧を測定し、
該測定したポテンショスタット回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第1の電位差及び該測定したガス濃度増幅回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第2の電位差を算出し、
該算出した第1の電位差及び第2の電位差と予め定めた基準電位とを比較することにより、ガスセンサの異常及びガスセンサの接続異常を判別する異常検出手段と、
を備えたこと
を特徴とする定電位電解式ガス測定器。
(6) 前記電位変更パルスは、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の周期で印加するようにしたこと
を特徴とする(5)に記載の定電位電解式ガス測定器。
【0009】
このようなガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器において、マイクロプロセッサによりプログラムされた所定の周期に従い、定常の電位を印加されているポテンショスタット回路の出力電圧を測定し、次に予め設定されたガスセンサへの動作電位を変える電位変更パルスをポテンショスタット回路に印加し、印加中のポテンショスタット回路の出力電圧を測定する。マイクロプロセッサは、測定した出力電圧同士の電位差を求め、あらかじめ定められた基準電位(規格値)と比較演算することにより、センサ部(ガスセンサの対極、参照極)の異常または接続異常を瞬時に判定し、この判定に基づいて異常の場合に異常表示および警報を発生させることができる。
【0010】
上述同様、マイクロプロセッサによりプログラムされた所定の周期に従い、定常の電位を印加したガス濃度増幅回路の出力電圧を測定し、次にあらかじめ設定されたガスセンサへの動作電位を変える電位変更パルスをガス濃度増幅回路に印加し、印加中のガス濃度増幅回路の出力電圧を測定する。マイクロプロセッサは、測定した出力電圧同士の電位差を求め、予め定められた基準電位(規格値)と比較演算することにより、センサ部(ガスセンサの作用極、増幅抵抗回路)の異常または接続異常を瞬時に判定し、この判定に基づいて異常の場合は異常表示および警報を発生し、判定結果が正常な場合は、定常の電位を印加時のガス濃度増幅回路の出力電圧に基づいてガス濃度を算出して表示する。
【0011】
また、ポテンショスタット回路とガス濃度増幅回路に対して印加する定常の電位と電位変更パルス(パルス幅)を同じタイミングで印加することにより、ガスセンサの各電極に電位差が発生しないので、電位変更パルスの電位やパルス幅の制限条件がなくなるのでガス濃度ゼロ点安定度の悪化を防止することができる。
【0012】
更に、センサ部をガス測定器と別体とした定電位電解式ガス測定により、遠方位置のガス濃度を測定することが可能であり、この場合も上述と同様に、センサ部(ガスセンサ)及びセンサ部とガス測定器を接続する接続コード(の各接続線)の断線などの異常を検知できるは勿論のこと、ガス測定器に設けたコード電位設定器により接続コード(例えば、シールドケーブルのシールド線)に所定電圧を印加しておくことで、センサ部〜接続コード(の各接続線)〜ガス測定器間が短絡している場合の検知を行うことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器の実施の形態を図面を参照して説明する。但し、図面は専ら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
第1の実施例として、図1に示す定電位電解式ガス測定器は、センサ部10と、センサ制御部200とから構成される。
【0015】
センサ部10は、封入した電解液中に対極111および参照極112と作用極113が相対配置してあるガスセンサ110と、増幅抵抗回路120とから構成され、増幅抵抗回路120は、ガスセンサ110の作用極113からの電圧を増幅する増幅抵抗R1と、温度特性を測定するためのサーミスタ121と、サーミスタ121の出力を増幅する増幅抵抗R2とから構成されている。
【0016】
センサ制御部200は、ポテンショスタット回路20と、ガス濃度増幅回路30と、A/Dコンバータ40と、電位設定器50と、マイクロプロセッサ60と、表示部70と、警報部80とから構成されている。
【0017】
ポテンショスタット回路20は、電位設定器50に印加された電圧とガスセンサ110の対極111からの電圧との差を出力電圧としてA/Dコンバータ40に送る。ガス濃度増幅回路30は、電位設定器50に印加された電圧とガスセンサ110の作用極113の電圧との差を出力電圧としてA/Dコンバータ40に送る。A/Dコンバータ40は、ポテンショスタット回路20やガス濃度増幅回路30からの出力電圧やガスセンサ110(の参照極112)やサーミスタ121からの出力を読み取ってデジタル値に変換してマイクロプロセッサ60へ出力する。電位設定器50は、マイクロプロセッサ60に従ってポテンショスタット回路20やガス濃度増幅回路30に所定の電圧を所定の周期で印加する。マイクロプロセッサ60は、プログラムに従いA/Dコンバータ40からの出力電圧の読み取り、電位設定器50の制御を行うと共に、その結果を表示部70や警報部80へ出力する。表示部70は、マイクロプロセッサ60から送られてくる測定結果やセンサの異常等の情報を表示する。警報部80は、マイクロプロセッサ60から送られてくる測定結果やセンサの異常等の情報に基づき音などによって報知する。
【0018】
このような構成からなる定電位電解式ガス測定器は次のような接続状態となっている。
【0019】
まず、センサ部10内の接続状態を説明する。ガスセンサ110の対極111は、接続端子▲2▼10bを介してポテンショスタット回路20の出力端子23に接続されている。ガスセンサ110の参照極112は、接続端子▲1▼10aを介してポテンショスタット回路20のマイナス(−)入力端子22に接続されている。ガスセンサ110の作用極113は、増幅抵抗回路120の増幅抵抗R1と接続されており、また、接続端子▲3▼10cを介してガス濃度増幅器30のマイナス(−)入力端子32に接続されている。
【0020】
次に、増幅抵抗回路120内の接続状態を説明する。増幅抵抗R1は、一方がガスセンサ110の作用極113と接続されていると共に接続端子▲3▼10cを介してガス濃度増幅器30のマイナス(−)入力端子32と接続され、他方はサーミスタ121及び増幅抵抗R2と接続されている。サーミスタ121は、増幅抵抗R2と並列接続されていると共に、一方が増幅抵抗R1、他方は接続端子▲4▼10dを介してガス濃度増幅器30の出力端子33に接続されている。
【0021】
続いて、制御部200の接続状態を説明する。ポテンショスタット回路20は、プラス(+)入力端子21が電位設定器50と接続され、マイナス(−)入力端子22がセンサ部10の接続端子▲1▼10aを介してガスセンサ110の参照極112と接続され、出力端子23はA/Dコンバータ40と接続されていると共に、センサ部10の接続端子▲2▼10bを介してガスセンサ110の対極111に接続されている。
【0022】
ガス濃度増幅回路30は、プラス(+)入力端子31が電位設定器50と接続され、マイナス(−)入力端子32がセンサ部10の接続端子▲3▼10cを介してガスセンサ110の作用極113と接続され、出力端子33はA/Dコンバータ40と接続されていると共に、センサ部10の接続端子▲4▼10dを介して増幅抵抗回路部120のサーミスタ121及び増幅抵抗R2と接続されている。
【0023】
A/Dコンバータ40は、一方(入力側)には、ポテンショスタット回路20の出力端子23及びガス濃度増幅回路30の出力端子33が接続され、他方(出力側)には、マイクロプロセッサ60が接続されている。
【0024】
マイクロプロセッサ60は、A/Dコンバータ40(の出力側)と接続され、また、電位設定器50・表示部70・警報部80(の各入力側)と接続されている。
【0025】
電位設定器50は、一方(入力側)は、マイクロプロセッサ60(の出力側)と接続され、他方(出力側)は、ポテンショスタット回路20のプラス(+)入力端子21及びガス濃度増幅回路30のプラス(+)入力端子31と接続されている。
【0026】
表示部70及び警報部80は、マイクロプロセッサ60(の出力側)と接続されている。
【0027】
次に、このような接続状態である定電位電解式ガス測定器の接続判定の方法について図2を参照しながら説明する。
【0028】
まず、ガスセンサ110との接続状態が正常時の場合について説明する。図2(a)に示すように、ポテンショスタット回路20のプラス(+)入力端子21には、電位設定器50により定時電圧1.25[V]を印加されている。マイクロプロセッサ60がタイミングt1にて定時電圧印加時のポテンショスタット回路20の出力端子23の電位の読み取りを行い、この時の出力端子23の電位がA/Dコンバータ40を介してデジタル値に変換され、電位aとしてマイクロプロセッサ60内に記憶される。
【0029】
一方、ガス濃度増幅回路30のプラス(+)入力端子31にも前述同様に電位設定器50により定時電圧1.25[V]が印加されており、マイクロプロセッサ60が前述と同じタイミングt1で定時電圧印加時のガス濃度増幅回路30の出力端子33の電位の読み取りを行うと、ガス濃度増幅回路30の出力端子33の電位がA/Dコンバータ40を介してデジタル値に変換され、電位cとしてマイクロプロセッサ60内に記憶される。
【0030】
マイクロプロセッサ60は、プログラムに従って出力端子23及び出力端子33の電位a、電位cの読み取りに続き、電位設定器50に対して電位変更パルス(電圧)を発生するように指示を行う。
【0031】
電位設定器50は、マイクロプロセッサ60の指示により定時電圧1.25[V]から50[mV]低い電圧の1.20[V]の電位変更パルスを発生させて、ポテンショスタット回路20のプラス(+)入力端子21及びガス濃度増幅回路30のプラス(+)入力端子31に印加する。
【0032】
マイクロプロセッサ60は、タイミングt2で電位変更パルス印加時のポテンショスタット回路20の出力端子23及びガス濃度増幅回路30の出力端子33の電位の読み取りを行う。ポテンショスタット回路20の出力端子23の電位はA/Dコンバータ40を介してデジタル値に変換された電位b、ガス濃度増幅回路30の出力端子33の電位はA/Dコンバータを介してデジタル変換された電位dとしてマイクロプロセッサ60内に記憶される。そして、A/Dコンバータ40により各出力端子23/33の電位(電位b、電位d)のサンプリングが終了したら、プログラムに従い電位設定器50に対して定時電圧1.25[V]が発生するよう指示を行う。
【0033】
マイクロプロセッサ60は、記憶している電位a、b、c、dにもとづき電位変更パルス印加前と印加中の各出力端子23/33の電位差を算出し、所定の基準値(10〜90[mV]内の範囲)と比較してガスセンサ110(の各極111〜113)の異常や、センサ部10の接続端子▲1▼〜▲4▼(10a〜10d)と他の回路との接続異常の判定を行う。
【0034】
このようなプロセスによってガスセンサ110及びガスセンサ110との接続状態の良否判定を行う場合における詳細な動作について説明する。
【0035】
まず、ガスセンサ110及びガスセンサ110との接続状態が正常である場合について説明する。上述したように、最初は電位設定器50により定時電圧1.25[V]が印加されている状態のポテンショスタット回路20の出力端子23の電位a及びガス濃度増幅回路30の出力端子33の電位cをタイミングt1で読み取り、マイクロプロセッサ60内に記憶する。続いて、電位変更パルス1.20[V]を印加した時のポテンショスタット回路20の出力端子23の電位b及びガス濃度増幅回路30の出力端子33の電位dをタイミングt2で読み取り、マイクロプロセッサ60が記憶する。
【0036】
この時、マイクロプロセッサ60が記憶した電位は、電位a=1.25[V]、電位b=1.20[V]であり、電位aと電位bの電位差を算出すると、電位a−電位b=50[mV]であるので、基準値(正常時規格)10[mV]〜90[mV]と比較し、この範囲内であるので正常と判定する。同じく、電位c=1.25[V]、電位d=1.20[V]であり、電位cと電位dの電位差を算出すると、電位c−電位d=50[mV]であるので、基準値(正常時規格)10[mV]〜90[mV]の範囲内であるので正常と判定する。この結果、どちらも正常であるので、ガスセンサ110及びガスセンサ110との接続状態は正常と判定し、マイクロプロセッサ60で電位cをガス濃度表示変換して表示部70に送り、表示部70によりガス濃度値が表示される。
【0037】
続いて、ガスセンサ110及びガスセンサ110との接続状態が異常である場合の動作について説明する。
【0038】
まず、第1の異常検出状態として、接続端子▲1▼10a(1ピン)及びこれに接続されている部分が断線した場合について説明する。
【0039】
この場合、ポテンショスタット回路20のマイナス(−)入力端子がオープンであり、ハイインピーダンス入力のため電位不定となり、ポテンショスタット回路20内のオペアンプは増幅率無限のコンパレータとして働く。この時の出力端子23の電位がオペアンプのオフセット電位を含めプラス(+)入力端子21の電位と比べて、電位が高いときはマイナス(−)入力端子22(オペアンプ電源電圧のマイナス電位)と同じ電位になり(図2(c)参照)、電位が低きときはプラス(+)入力端子21(オペアンプ電源電圧のプラス電位)と同じ電位となる(図2(e)参照)。つまり、どちらの場合も電位aと電位bの電位差=0[V]となり、基準値(正常時規格)10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定される。
【0040】
次に、マイクロプロセッサ60がタイミングt1又はタイミングt2でポテンショスタット回路20の出力端子23の電位を読み取った時に異常を検出した場合の動作について説明する。
【0041】
ポテンショスタット回路20に定時電圧(1.25[V])を印加されている状態で、読み取りタイミングt1におけるマイナス(−)入力端子22の電位が、プラス(+)入力端子21の電位より高いとき、出力端子23の電位はマイナス(−)入力端子22(電源電圧のマイナス電位)と同じ電位になる。また、ポテンショスタット回路20に電位変更パルスが印加されている時の読み取りタイミングt2のときも同様に出力端子23の電位はマイナス(−)入力端子22(電源電圧のマイナス電位)と同じ電位になる。従って、電位aと電位bの電位差=0[mV]となり、10[mV]以下であるので基準値(正常時規格)10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する(図2(c)参照)。
【0042】
一方、上述とは逆に、読み取りタイミングt1におけるマイナス(−)入力端子22の電位がプラス(+)入力端子21の電位より低いとき、且つ、オペアンプのオフセット電圧も含めて50[mV]以内の場合は、出力端子23の電位はプラス(+)入力端子21(電源電圧のプラス電位)となるが、読み取りタイミングt2のときはプラス(+)入力端子21に印加される電位が50[mV]下がるために出力端子23の電位は反転のマイナス(−)入力端子22(電源電圧のマイナス電位)と同じ電位になる。従って、電位aと電位bの電位差は90[mV]以上となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する。この状態の時は出力端子23(オペアンプ出力)に接続されているガスセンサ110の対極111に同信号が伝わるので、参照極112に容量的に影響して定常の電位(定時電圧1.25[V])に戻ってもすぐにはプラス電位にはならない(図2(d)参照)。
【0043】
また、タイミングt1において、マイナス(−)入力端子22の電位がプラス(+)入力端子の電位より低いとき、且つ、オペアンプのオフセット電圧も含めて50[mV]以上の場合は、読み取りタイミングt2のときの出力端子23の電位は反転のプラス(+)入力端子21(電源電圧のプラス電位)と同じ電位になる。従って、電位aと電位bの電位差=0[mV]となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する(図2(e)参照)。
【0044】
続いて、第2の異常検出状態として、接続端子▲3▼10c(2ピン)に接続されている部分)が断線した場合について説明する。
【0045】
この場合、ポテンショスタット回路20のオペアンプフィードバック制御が行われなくなるため、ガスセンサ110の参照極112はハイインピーダンスとなり接続端子▲1▼10aを介して接続されている(オペアンプの)マイナス(−)入力端子22の電位は、プラス(+)入力端子21とほぼ同じになる。この時にマイナス(−)入力端子22の電位がオフセット電圧を含めプラス(+)入力端子21の電位より高いとき、出力端子23の電位はマイナス(−)入力端子22と同じ電位(オペアンプ電源電圧のマイナス電位)になり(図2(c)参照)、マイナス(−)入力端子22の電位がプラス(+)入力端子21の電位より低いとき、出力端子23の電位はプラス(+)入力端子21と同じ電位(オペアンプ電源電圧のプラス電位)になる(図2(e)参照)。つまり、どちらの場合も電位aと電位bの電位差=0[mV]となり、基準値(正常時規格)10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定される。
【0046】
次に、マイクロプロセッサ60がタイミングt1及びタイミングt2でポテンショスタット回路20の出力端子23の電位を読み取った時に異常を検出した場合の動作について説明する。
【0047】
ポテンショスタット回路20に定時電圧(1.25[V])を印加されている状態で、タイミングt1におけるマイナス(−)入力端子22の電位がプラス(+)入力端子21の電位より高いとき、出力端子23の電位はマイナス(−)入力端子22(電源電圧のマイナス電位)と同じ電位になる。また、ポテンショスタット回路20に電位変更パルスが印加されている時の読み取りタイミングt2のときも同様に出力端子23の電位はマイナス(−)入力端子22(電源電圧のマイナス電位)と同じ電位になる。従って、電位aと電位bの電位差=0[mV]となり、10[mV]以下であるので基準値(正常時規格)10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する(図2(c)参照)。
【0048】
一方、上述とは逆に、読み取りタイミングt1におけるマイナス(−)入力端子22の電位がプラス(+)入力端子電位より低いとき、且つ、オペアンプのオフセット電圧も含めて50[mV]以内の場合は、出力端子23の電位はプラス(+)入力端子21(電源電圧のプラス電位)となるが、読み取りタイミングt2のときプラス(+)入力端子21に印加される電位が50[mV]下がるために出力端子23の電位は反転のマイナス(−)入力端子22(電源電圧のマイナス電位)と同じ電位になる。従って、電位aと電位bの電位差は90[mV]以上となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する(図2(d)参照)。
【0049】
また、読み取りタイミングt1において、マイナス(−)入力端子22の電位がプラス(+)入力端子の電位より低いとき、且つ、オペアンプのオフセット電圧も含めて50[mV]以上の場合は、読み取りタイミングt2のときに出力端子23の電位は反転のプラス(+)入力端子21(電源電圧のプラス電位)と同じ電位になる。従って、電位aと電位bの電位差=0[mV]となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する(図2(e)参照)。
【0050】
第3の異常検出状態として、接続端子▲3▼10c(3ピン)及びこれに接続されている部分が断線した場合について説明する。この場合、前述の第1の異常検出状態で説明した動作と全く同じであり、ポテンショスタット回路20→ガス濃度増幅回路30、プラス(+)入力端子21→プラス(+)入力端子31、マイナス(−)入力端子22→マイナス(−)入力端子32、出力端子23→出力端子33に置き換えた説明と同じであるのでその説明を省略する。
【0051】
第4の異常検出状態として、接続端子▲4▼10d(4ピン)及びこれに接続されている部分が断線した場合について説明する。この場合も同様に、前述の第2の異常検出状態で説明した動作と全く同じであり、ポテンショスタット回路20→ガス濃度増幅回路30、プラス(+)入力端子21→プラス(+)入力端子31、マイナス(−)入力端子22→マイナス(−)入力端子32、出力端子23→出力端子33に置き換えた説明と同じであるのでその説明を省略する。
【0052】
次に、第2の実施例として、遠方位置のガス濃度を測定する為にセンサ部が別体である定電位電解式ガス測定器についてのガスセンサ異常及び接続異常の判定を行う場合を説明する。
【0053】
図3に示す定電位電解式ガス測定器は、第1の実施例で説明した定電位電解式ガス測定器のセンサ部がセンサ制御部とは別体となっており、接続コードでセンサ部とガス測定器本体との接続を行って遠方位置のガス濃度を測定することができる定電位電解式ガス測定器の一例であり、センサ部10’と、測定器200’と、センサ部10’と測定器200’を接続する接続コード300とから構成される。
【0054】
センサ部10’は、封入した電解液中に対極111’および参照極112’と作用極113’が相対配置してあるガスセンサ110’と、増幅抵抗R1’と、増幅抵抗R2’と、温度特性を測定するためのサーミスタ121’とからなる増幅抵抗回路120’とから構成される。
【0055】
ガス測定器200’は、ポテンショスタット回路20’と、ガス濃度増幅回路30’と、A/Dコンバータ40’と、電位設定器50’と、マイクロプロセッサと60’、表示部70’と、警報部80’と、シールド線電位設定器90とから構成される。
【0056】
ポテンショスタット回路20’は、電位設定器50’に印加された電圧とガスセンサ110’の対極111’からの電圧との差を出力電圧としてA/Dコンバータ40’に送る。ガス濃度増幅回路30’は、電位設定器50’に印加された電圧とガスセンサ110’の作用極113’の電圧との差を出力電圧としてA/Dコンバータ40’に送る。A/Dコンバータ40’は、ポテンショスタット回路20’やガス濃度増幅回路30’の出力電圧やガスセンサ110’(の参照極112’)やサーミスタ121’からの出力を読み取ってデジタル値に変換してマイクロプロセッサ60’へ出力する。電位設定器50’は、マイクロプロセッサ60’に従ってポテンショスタット回路20’やガス濃度増幅回路30’に所定の電圧を所定の周期で印加する。マイクロプロセッサ60’は、プログラムに従いA/Dコンバータ40’からの出力電圧の読み取り、電位設定器50’の制御を行うと共に、その結果を表示部70’や警報部80’へ出力する。表示部70’は、マイクロプロセッサ60’から送られてくる測定結果やセンサの異常等の情報を表示する。警報部80’は、マイクロプロセッサ60’から送られてくる測定結果やセンサの異常等の情報に基づき音などによって報知する。シールド線電位設定器90は、接続コード300のシールド線305に所定の電位を印加する。
【0057】
接続コード300は、センサ部10’の接続端子▲1▼〜▲4▼(10a’〜10d’)と測定器200’の接続端子▲1▼〜▲4▼(210a〜210e)を接続するための各芯線301〜304とシールド線305を有するシールドケーブルである。
【0058】
このような定電位電解式ガス測定器は次のような接続状態となっている。
【0059】
まず、センサ部10’内の接続状態を説明する。ガスセンサ110’の対極111’は、接続端子▲2▼10b’→接続コード300(芯線302)→測定器200’の接続端子▲2▼210bを介して測定器200’内のポテンショスタット回路20’の出力端子23’に接続されている。ガスセンサ110’の参照極112’は、接続端子▲1▼10a’→接続コード300(芯線301)→測定器200’の接続端子▲1▼210aを介して測定器200’内のポテンショスタット回路20’のマイナス(−)入力端子22’に接続されている。ガスセンサ110’の作用極113’は、増幅抵抗回路120’の増幅抵抗R1’と接続されており、また、接続端子▲3▼10c’→接続コード300(芯線303)→測定器200’の接続端子▲3▼210cを介して測定器200’内のガス濃度増幅器30’のマイナス(−)入力端子32’に接続されている。
【0060】
次に、増幅抵抗回路120’内の接続状態を説明する。増幅抵抗R1’は、一方がガスセンサ110’の作用極113’と接続されていると共に接続端子▲3▼10c’→接続コード300(芯線303)→測定器200’の接続端子▲3▼210cを介して測定器200’内のガス濃度増幅器30’のマイナス(−)入力端子32’と接続され、他方はサーミスタ121’及び増幅抵抗R2’と接続されている。サーミスタ121’は、増幅抵抗R2’と並列接続されていると共に、一方が増幅抵抗R1’、他方は接続端子▲4▼10d’→接続コード300(芯線304)→測定器200’の接続端子▲4▼210dを介して測定器200’内のガス濃度増幅器30’の出力端子33’に接続されている。
【0061】
続いて、測定器200’内の各部の接続状態を説明する。まず、ポテンショスタット回路20’は、プラス(+)入力端子21’が電位設定器50’と接続され、マイナス(−)入力端子22’が接続端子▲1▼210a→接続コード300(芯線301)→センサ部10’の接続端子▲1▼10a’を介してガスセンサ110’の参照極112’と接続され、出力端子23’はA/Dコンバータ40’と接続されていると共に、接続端子▲2▼210b→接続コード300(芯線302)→センサ部10’の接続端子▲2▼10b’を介してガスセンサ110’の対極111’に接続されている。
【0062】
ガス濃度増幅回路30’は、プラス(+)入力端子31’が電位設定器50’と接続され、マイナス(−)入力端子32’が接続端子▲3▼210c→接続コード300(芯線303)→センサ部10’の接続端子▲3▼10c’を介してガスセンサ110’の作用極113’と接続され、出力端子33’はA/Dコンバータ40’と接続されていると共に、接続端子▲4▼210d→接続コード300(芯線304)→センサ部10’の接続端子▲4▼10d’を介して増幅抵抗回路部120’のサーミスタ121’及び増幅抵抗R2’と接続されている。
【0063】
A/Dコンバータ40’は、一方(入力側)には、ポテンショスタット回路20’の出力端子23’及びガス濃度増幅回路30’の出力端子33’が接続され、他方(出力側)には、マイクロプロセッサ60’が接続されている。
【0064】
マイクロプロセッサ60’は、A/Dコンバータ40’(の出力側)と接続され、また、電位設定器50’・表示部70’・警報部80’(の各入力側)と接続されている。
【0065】
電位設定器50’は、一方(入力側)は、マイクロプロセッサ60’(の出力側)と接続され、他方(出力側)は、ポテンショスタット回路20’のプラス(+)入力端子21’及びガス濃度増幅回路30’のプラス(+)入力端子31’と接続されている。
表示部70’及び警報部80’は、マイクロプロセッサ60’(の出力側)と接続されている。
【0066】
シールド線電位測定器90は、一方が接地され、他方が接続端子▲5▼210eを介して接続コード300のシールド線305に接続されている。
【0067】
次に、このような接続状態である定電位電解式ガス測定器の動作について説明する。
【0068】
ここでは、接続コード300の各芯線301〜304、シールド線305が短絡している場合を検出を行うときの動作について説明する。なお、センサ部10’〜接続ケーブル300〜測定器200’間の接続異常、断線などの異常検出時の動作については、前述の第1の実施例で説明した第1の異常検出状態〜第4の異常検出状態と同様の動作で異常を判定するのでその説明は省略する。なお、その他の説明においても第1の実施例と同様である箇所の説明は省略する。
【0069】
第1の短絡検出状態として、シールド線305がグランド(=0[V])の時、測定器200’の接続端子▲1▼10a’〜センサ10’の接地端子▲1▼210a間又は測定器200’の接続端子▲3▼10c’〜センサ10’の接地端子▲3▼210c間と、シールド線305(接続端子▲5▼)が短絡している場合について説明する。
【0070】
ポテンショスタット回路20’及びガス濃度増幅回路30’には定時電圧(1.25[V])を印加されている状態であり、マイクロプロセッサ60’の読み取りタイミングt1において、マイナス(−)入力端子22’/32’の電位がプラス(+)入力端子の電位より低いとき、且つ、オペアンプのオフセット電圧も含めて50[mV]以上の場合は、タイミングt2のときの出力端子23’/33’の電位は、反転のプラス(+)入力端子21’/31’(電源電圧のプラス電位)と同じ電位になる。従って、電位aと電位bの電位差=0[V]となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する(図2(e)参照)。
【0071】
第2の短絡検出状態として、シールド線305がグランド(=0[V])の時、測定器200’の接続端子▲2▼10b’〜センサ10’の接地端子▲2▼210b間又は測定器200’の接続端子▲4▼10d’〜センサ10’の接地端子▲4▼210d間と、シールド線305(接続端子▲5▼)が短絡している場合について説明する。
【0072】
この場合、ポテンショスタット回路20’及びガス濃度増幅回路30’の出力端子23’/33’の電位(オペアンプの出力)が強制的に0[V]になるので、タイミングt1、t2で読み取る出力端子23’/33’の電位は、電位aと電位b並びに電位cと電位dはすべて同じ電位0[V]であるので、電位差も0[V](電位a−電位b=電位c−電位d=0[V])となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常を検出できる。
【0073】
第3の短絡検出状態として、シールド線電位設定器90によりシールド線305に定時電圧(1.25[V])が印加されている時、測定器200’の接続端子▲1▼10a’〜センサ10’の接地端子▲1▼210a間又は測定器200’の接続端子▲3▼10c’〜センサ10’の接地端子▲3▼210c間と、シールド線305(接続端子▲5▼)が短絡している場合について説明する。
【0074】
この場合、マイクロプロセッサ60’がポテンショスタット回路20’/ガス濃度増幅回路30’の出力端子23’/33’の電位を読みとるタイミングt1において、マイナス(−)入力端子22’/32’の電位がプラス(+)入力端子電位より低いとき、且つ、オペアンプのオフセット電圧も含めて50[mV]以内の場合は、出力端子23’/33’の電位はプラス(+)入力端子21’/31’(電源電圧のプラス電位)となるが、読み取りタイミングt2のときにプラス(+)入力端子21’/31’に印加される電位が50[mV]下がるために出力端子23’/33’の電位はマイナス(−)入力端子22’/32’と同じ電位(電源電圧のマイナス電位)になる。従って、電位aと電位bの電位差は90[mV]以上となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する(図2(d)参照)。
【0075】
また、読み取りタイミングt1において、マイナス(−)入力端子22’/32’の電位がプラス(+)入力端子21’/31’の電位より低いとき、且つ、オペアンプのオフセット電圧も含めて50[mV]以上の場合は、読み取りタイミングt2のときに出力端子23’/33’の電位はプラス(+)入力端子21’/31’と同じ電位(電源電圧のプラス電位)になる。従って、電位aと電位bの電位差=0[mV]となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定する(図2(e)参照)。
【0076】
第4の短絡検出状態として、シールド線電位設定器90によりシールド線305に定時電圧(1.25[V])が印加されている時、測定器200’の接続端子▲2▼10b’〜センサ10’の接地端子▲2▼210b間又は測定器200’の接続端子▲4▼10d’〜センサ10’の接地端子▲4▼210d間と、シールド線305(接続端子▲5▼)が短絡している場合について説明する。
【0077】
この場合は、ポテンショスタット回路20’/ガス濃度増幅回路30’の出力端子23’/33’の電位(オペアンプの出力)が強制的に1.25[V]になるので、読み取りタイミングt1及びt2における出力端子23’/33’の電位は、電位aと電位b並びに電位cと電位dはすべて同じ電位1.25[V]であり、電位差は0[V](電位a−電位b=電位c−電位d=0[V])となる。従って、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常を検出できる。
【0078】
第5の短絡検出状態として、シールド線305に定時電圧1.25[V]より高い電位が印加されている時、測定器200’の接続端子▲1▼10a’〜センサ10’の接地端子▲1▼210a間又は測定器200’の接続端子▲3▼10c’〜センサ10’の接地端子▲3▼210c間と、シールド線305(接続端子▲5▼)が短絡している場合について説明する。
【0079】
この場合、ポテンショスタット回路20’/ガス濃度増幅回路30’の出力端子23’/33’の電位がオペアンプのオフセット電位を含めプラス(+)入力端子21’/31’の電位と比べて高いときは、マイナス(−)入力端子22’/32’と同じ電位(オペアンプ電源電圧のマイナス電位)になり(図2(c)参照)、電位が低きときはプラス(+)入力端子21/31と同じ電位(オペアンプ電源電圧のプラス電位)となる(図2(e)参照)。つまり、どちらの場合も電位aと電位bの電位差=0[mV]となり、基準値(正常時規格)10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常と判定される。
【0080】
第6の短絡検出状態として、シールド線305に定時電圧1.25[V]より高い電位が印加されている時において、測定器200’の接続端子▲2▼10b’〜センサ10’の接地端子▲2▼210b間又は測定器200’の接続端子▲4▼10d’〜センサ10’の接地端子▲4▼210d間と、シールド線305(接続端子▲5▼)が短絡している場合について説明する。
【0081】
この場合は、ポテンショスタット回路20’/ガス濃度増幅回路30’の出力端子23’/33’の電位(オペアンプの出力)が強制的にプラス(+)入力端子の電位(電源プラス電位)になるので、タイミングt1、t2で読み取る出力端子23’/33’の電位は、電位aと電位b並びに電位cと電位dはすべて同じ電位となり、電位差は0[V](電位a−電位b=電位c−電位d=0[V])となり、基準値10[mV]〜90[mV]の範囲外であるので異常を検出できる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したようなガスセンサの接続状態判定方法を用いた定電位電解式ガス測定器によって、マイクロプロセッサによりプログラムされた所定の周期で定常の電位を印加した時のポテンショスタット回路及びガスセンサ濃度増幅回路の出力電圧と、予め設定されたセンサの動作電位を変える電位変更パルスを印加した時のポテンショスタット回路及びガス濃度増幅回路の出力電圧を測定し、測定した出力電圧同士の電位差を求めて規格値と比較することで、センサ部(ガスセンサ、増幅抵抗回路)の異常または接続異常を瞬時に判別し、異常の場合は異常表示および警報を発生させ、判定結果が正常な場合は、定常の電位を印加した時のガス濃度増幅回路の出力電圧に基づいて算出したガス濃度を表示するので、測定時にガスセンサ及びその接続状態などが異常であるのか、正常な測定(測定前後で変化なし、測定範囲外の測定値)であるのかを明確に識別することができる。
【0083】
また、ポテンショスタット回路とガス濃度増幅回路に印加する電位変更パルスの電位およびパルス幅、タイミングは同じであるため、ガスセンサの各電極(対極、参照極、作用極)に電位差が発生しないので電位変更パルスの電位およびパルス幅の制限条件がなくなり、ガス濃度ゼロ点安定度が悪化を防止することができる。
【0084】
更に、遠方位置のガス濃度を測定する場合には、センサ部とセンサ制御部を具備したガス測定器が別体となっている定電位電解式ガス測定器を用い、ガス測定器に設けたコード電位設定器によって接続コード(例えばシールコードのシールド線)に所定電圧(基準電圧)を印加しておくことで、センサ部や接続コードの断線などの異常を検知できることは勿論のこと、接続コードの各接続線が短絡している場合の検知を行うことが可能になるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器の構成を略示的に示した構成図である。
【図2】本発明に係るガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器ガスにおいて、センサの各電極の接続不良または断線発生などの接続異常の検出過程を説明する為の説明図である。
【図3】本発明に係るガスセンサの接続状態判定方法及び定電位電解式ガス測定器において、センサ部と測定器を接続コード(シールド線有)で接続して使用する場合の構成を略示的に示した構成図である。
【符号の説明】
10;センサ部、10a〜10d;接続端子110;ガスセンサ、111;対極、112;参照極、113;作用極、120;増幅抵抗回路、R1;増幅抵抗、R2;増幅抵抗、121;サーミスタ、200;センサ制御部、20;ポテンショスタット回路、21;プラス(+)入力端子、22;マイナス(−)入力端子、23;出力端子、30;ガス濃度増幅回路、31;プラス(+)入力端子、32;マイナス(−)入力端子、33;出力端子、40;A/Dコンバータ、50;電位設定器、60;マイクロプロセッサ、70;表示部、80;警報部、10’;センサ部、10a’〜10d’;接続端子110’;ガスセンサ、111’;対極、112’;参照極、113’;作用極、120’;増幅抵抗回路、R1’;増幅抵抗、R2’;増幅抵抗、121’;サーミスタ、20’;ポテンショスタット回路、21’;プラス(+)入力端子、22’;マイナス(−)入力端子、23’;出力端子、30’;ガス濃度増幅回路、31’;プラス(+)入力端子、32’;マイナス(−)入力端子、33’;出力端子、40’;A/Dコンバータ、50’;電位設定器、60’;マイクロプロセッサ、70’;表示部、80’;警報部、90;シールド線電位設定器、200’;測定器、210a〜210e;接続端子、300;接続コード、301〜304;芯線、305;シールド線
Claims (6)
- 作用極と対極および参照極を電解液中に相対して配置した定電位電解式のガスセンサを有し、
前記参照極の電位を負帰還して前記作用極の電位を前記参照極の電位に対して一定電位に保つように前記対極の電位を出力するポテンショスタット回路と、
前記作用極の電位を負帰還して、作用極の電位を出力するガス濃度増幅回路と、
電位設定器から出力する電位変更パルスを制御すると共に、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路の出力電圧をサンプリングし、該サンプリングした出力電圧の電位差を算出すると共に予め設定されている基準電位との比較をする機能を備えたマイクロプロセッサと、
を備え、
前記ポテンショスタット回路及びガス濃度増幅回路の非反転入力側に電位設定器からの電位変更パルスを同時に印加するようにし、
前記電位変更パルスの印加前と印加中の前記ポテンショスタット部の出力電圧及び前記ガス濃度増幅回路の出力電圧を測定し、
前記測定したポテンショスタット回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第1の電位差及び前記測定したガス濃度増幅回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第2の電位差を算出し、
該算出した第1の電位差及び第2の電位差と予め定めた基準電位とを比較することにより、ガスセンサの異常及びガスセンサの接続異常を判別し、
異常の場合は警報を発し、正常の場合は前記測定したガス濃度増幅回路の電位変更パルス印加前の出力電圧に基づいてガス濃度を算出して表示するようにしたことを特徴とするガスセンサの接続状態判定方法。 - 前記電位変更パルスは、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の周期で印加するようにしたこと
を特徴とする請求項1に記載のガスセンサの接続状態判定方法。 - 作用極と対極および参照極を電解液中に相対して配置した定電位電解式のガスセンサを有し、
前記参照極の電位を負帰還して前記作用極の電位を前記参照極の電位に対して一定電位に保つように前記対極の電位を出力するポテンショスタット回路と、
前記作用極の電位を負帰還して、作用極の電位を出力するガス濃度増幅回路と、
電位設定器から出力する電位変更パルスを制御すると共に、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路の出力電圧をサンプリングし、該サンプリングした出力電圧の電位差を算出すると共に予め設定されている基準電位との比較をする機能を備えたマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサの設定に従って前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の電圧を印加する電位設定器と、
前記マイクロプロセッサによって前記電位設定器を制御して前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に予め設定した電位変更パルスを同時に印加し、
前記電位変更パルスの印加前と印加中のポテンショスタット回路の出力電圧及びガス濃度増幅回路の出力電圧を測定し、
該測定したポテンショスタット回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第1の電位差及び該測定したガス濃度増幅回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第2の電位差を算出し、
該算出した第1の電位差及び第2の電位差と予め定めた基準電位とを比較することにより、ガスセンサの異常及びガスセンサの接続異常を判別する異常検出手段と、
を備えたこと
を特徴とする定電位電解式ガス測定器。 - 前記電位変更パルスは、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の周期で印加するようにしたこと
を特徴とする請求項3に記載の定電位電解式ガス測定器。 - 作用極と対極および参照極を電解液中に相対して配置した定電位電解式のガスセンサを有し、
前記ガスセンサと接続コードで接続し、前記ガスセンサを制御する測定器であって、
前記接続コードを介して、前記参照極の電位を負帰還して前記作用極の電位を前記参照極の電位に対して一定電位に保つように前記対極の電位を出力するポテンショスタット回路と、
前記接続コードを介して、前記作用極の電位を負帰還して、作用極の電位を出力するガス濃度増幅回路と、
電位設定器から出力する電位変更パルスを制御すると共に、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路の出力電圧をサンプリングし、該サンプリングした出力電圧の電位差を算出すると共に予め設定されている基準電位との比較をする機能を備えたマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサの設定に従って前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の電圧を印加する電位設定器と、
前記ガスセンサと接続するための接続コードに所定の電圧を印加するコード電位設定部と、
前記マイクロプロセッサによって前記電位設定器を制御して前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に予め設定した電位変更パルスを同時に印加し、
前記電位変更パルスの印加前と印加中のポテンショスタット回路の出力電圧及びガス濃度増幅回路の出力電圧を測定し、
該測定したポテンショスタット回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第1の電位差及び該測定したガス濃度増幅回路の電位変更パルス印加前の出力電圧と電位変更パルス印加中の出力電圧との第2の電位差を算出し、
該算出した第1の電位差及び第2の電位差と予め定めた基準電位とを比較することにより、ガスセンサの異常及びガスセンサの接続異常を判別する異常検出手段と、
を備えたこと
を特徴とする定電位電解式ガス測定器。 - 前記電位変更パルスは、前記ポテンショスタット回路及び前記ガス濃度増幅回路に所定の周期で印加するようにしたこと
を特徴とする請求項5に記載の定電位電解式ガス測定器。
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