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JP4742597B2 - 非調質高張力鋼の製造方法 - Google Patents

非調質高張力鋼の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、引張強さが570MPa以上の非調質高張力鋼の製造方法に関し、特に材質安定性に優れ橋梁、建築、土木、造船、海洋構造物、タンクおよび圧力容器等の用途に好適なものに関する。
橋梁,建築,土木,造船,海洋構造物,タンク,圧力容器等の厚鋼板は,これまでにもその高強度化や高靭性化など,種々の特性改善が図られてきたが,近年,これらの特性が同一鋼材内の各部位で均一,かつ複数の鋼材間において特性のばらつきが小さいことが要求されている.
この種の高強度高靭性厚鋼板は,制御圧延制御冷却法,いわゆるTMCP法によって製造されるのが通例となっている.しかしながら,このTMCP法によって鋼材を製造すると,圧延後の冷却処理における冷却速度が鋼材の位置,表面からの深さ,または各鋼材間で異なることに起因して鋼組織が変化するため,鋼材の位置あるいは複数の鋼材間において材質ばらつきが生じ易い.
特に、引張り強さが570MPaを超える高強度厚鋼板では、強度確保のために合金を多量に添加するか,あるいは加速冷却を強化することが一般的であるため、低温靭性の劣化や,強度,靭性等の材質ばらつきが大きくなる.このため、強度および低温靭性のばらつきの少ない高張力鋼板の製造方法が要望されている。
このような要望に対して,例えば,特許文献1,特許文献2,特許文献3には,高強度高靭性厚鋼板の製造方法が提案されている。特許文献1には、Nb、Ti添加量の適正化と,オーステナイト未再結晶域の強圧下後に高冷却速度の加速冷却とを組合わせることにより,ベイナイトラスを微細化し,高強度と高靭性の両立を図る技術が提案されている。
また,特許文献2には,未再結晶域圧延前のオーステナイト粒を細粒化したうえで,未再結晶域の強圧下後加速冷却を行う技術が提案されている.また,特許文献3には、Ti窒化物を微細分散させて,加熱オーステナイト粒の粗大化を抑制するとともに,オーステナイト未再結晶温度域を拡大するのに有効なB、MoおよびNbの複合添加により,オーステナイト未再結晶域圧延でのオーステナイト粒内組織微細化を効果的に図る技術が提案されている。
しかしながら,いずれの技術においても,圧延条件もしくは冷却条件によって,ミクロ組織がフェライトとベイナイトの混合組織,あるいはベイナイトとマルテンサイトの混合組織となり,鋼材の位置あるいは複数の鋼材間における材質のばらつきが避けられない.
すなわち,特許文献1,特許文献2,特許文献3に記載された技術によっても,引張り強さが570MPa以上の高強度と低温靭性をばらつきなく保持させることは困難であった。
特開平10−158778号公報 特開2001−123222号公報 特開2000−256777号公報
本発明は,上記した従来技術の問題を解決し,鋼材内での位置または複数の鋼材間における材質のばらつきが少なく,従って圧延後の冷却速度について制約が少ない、引張強さが570MPa以上の高強度で、材質安定性に優れる非調質高張力鋼の製造方法を提案することを目的とする。
ここで材質安定性に優れるとは、−40℃でのシャルピー吸収エネルギー(vE-40):100J以上が安定して得られることを指す。
本発明者らは,上述した課題を達成するために,強度および低温靭性に及ぼす各種要因について鋭意研究した。その結果,冷却速度の変化に起因した強度のばらつきを回避するためには,広い冷却速度範囲で均質の組織を得ることが肝要で、極低炭素系の成分組成においてNbおよびBを適量添加すると,広い冷却速度範囲にわたってベイナイト単相組織が得られることを知見した。
さらに,上記のように成分調整した鋼素材に対して,優れた低温靭性を得るためには,加熱オーステナイト粒を細粒化するための,オーステナイト再結晶域での1次圧延温度範囲と累積圧下率バランスの適正化と,ベイナイト粒内組織微細化を目的としたオーステナイト未再結晶域での2次圧延温度範囲と累積圧下率の適正化とを組合わせることが肝要であることを知見した。
本発明は、上述した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
1.質量%で、C:0.005〜0.03%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.6〜3.0%、P:0.025%以下、S:0.0050%以下、Al:0.1%以下、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.03%、B:0.0005〜0.0030%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1050〜1250℃に加熱後、各パスの圧延温度T(℃)で累積圧下率:RX1(%)が30〜80%の一次圧延を行い、次いで、各パスの圧延温度が700〜950℃で累積圧下率:RX2(%)の2次圧延を行った後、空冷することを特徴とする引張強さ(TS)が570MPa以上となる材質安定性に優れる非調質高張力鋼の製造方法。
但し、T(℃)は下記(1)式、RX2(%)は下記(2)式による。
1040−0.05(RX1−30)<T<1160−0.05(RX1−30)
(1)
(80−RX1)/(120−RX1)<RX2/100<(92−RX1)/(100−RX1)(2)
2.鋼組成に更にCu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.5%以下、Mo:0.7%以下、V:0.2%以下、REM:0.02%以下、Ca:0.005%以下、Mg:0.005%以下の一種または二種以上を添加することを特徴とする1記載の引張強さ(TS)が570MPa以上となる材質安定性に優れる非調質高張力鋼の製造方法。
3.1または2記載の製造方法による鋼を冷却後、400℃以上、Ac1変態点以下に焼戻すことを特徴とする引張強さ(TS)が570MPa以上となる高張力鋼の製造方法。
本発明によれば、引張強さが570MPa以上の高強度鋼において鋼材内での試験片採取位置または複数の鋼材間における材質のばらつきが少なく,安定した引張強さと優れた低温靭性を安定して併せ持つ材質安定性に優れた非調質高張力鋼を工業的に安定して製造することが可能となり,産業上格段の効果を奏する。
[成分組成]
本発明で使用する鋼素材の組成限定理由について具体的に説明する.なお,成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.005〜0.03%
Cは,冷却速度に依存せずにベイナイト単相組織とするため、および後述するNbの効果を発現させるために添加する。しかしながら、含有量が0.005%に満たないとその添加効果に乏しく、一方、0.03%を超えると組織にセメンタイトを含むパーライトが出現するため、冷却速度依存性が大きくなり材質の均質性が損なわれやすくなる。このため、Cは0.005〜0.03%の範囲に限定する。なお、好ましくは0.010〜0.025%である。
Si:0.05〜0.50%
Siは、脱酸材として作用し、製鋼上,少なくとも0.05%必要であるが0.50%を超えて含有すると母材の靭性が劣化する。このため、Siは0.05〜0.50%の範囲に限定する。なお、好ましくは0.05〜0.35%である。
Mn:0.6〜3.0%
Mnは、鋼の強度を増加させる効果を有しており、本発明では、引張強度570MPa以上を確保するために0.6%以上の含有を必要とする。一方、3.0%を超えて含有すると母材の靭性が著しく劣化する。このため、Mnは0.6〜3.0%の範囲に限定する。なお、好ましくは1.0〜2.0%である。
P:0.025%以下
Pは、鋼の強度を増加させ靭性を劣化させる元素であり,とくに溶接部の靭性を劣化させるので、できるだけ低減することが望ましい。Pが0.025%を超えて含有されると、この傾向が顕著となるため、上限とした。なお、過度のP低減は精錬コストを高騰させ経済的に不利となるため、0.005%以上とすることが望ましい。
S:0.0050%以下
Sは靭性を劣化させる不純物元素であり、できるだけ低減することが望ましい。Sが0.0050%を超えて含有されるとこの傾向が顕著となるため、Sは0.0050%以下に限定した。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用し、高張力鋼の溶鋼脱酸プロセスに於いて、もっとも汎用的に使われる.また、鋼中のNをAlNとして固定し、Bの焼入れ性を確保する効果も有する。しかしながら、0.1%を超える含有は母材の靭性が低下するとともに、溶接時に溶接金属部に混入して靭性を劣化させる。このため、Alは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.07%である。
Nb:0.005〜0.1%
Nbは圧延時におけるオーステナイト未再結晶温度域を拡大し,微細な粒内組織を得るのに有効に寄与する。また、ベイナイト変態温度を低下させることにより、靭性の優れたベイナイト組織を得る上でも有用な元素である。このような効果を得るためには0.005%以上の添加が必要である。
しかしながら、0.1%を超えるとその効果は飽和し、さらに、圧延時におけるオーステナイト再結晶温度域を著しく縮小させることにより、加熱オーステナイト粒の再結晶細粒化を阻害して低温靭性の劣化を招く。このためNbは0.005〜0.1%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.05%である。
Ti:0.005〜0.030%
Tiは、Nとの親和力が強く凝固時にTiNとして析出し、鋼中のNを固定することによってBの効果を有効に発揮させる有用元素である。また、素材加熱時ならびに溶接熱影響部でのオーステナイト粒成長を抑制して組織を微細化する効果もある。
このような効果を得るためには、0.005%以上の含有が必要である。一方、0.030%を超えて含有すると鋼の清浄性や靭性が低下する。このため、Tiは0.005〜0.030%の範囲に限定する。なお、好ましくは0.010〜0.030%である。
B:0.0005〜0.0030%
Bは、微量の添加によって旧γ粒界エネルギーを減少させてフェライトの核生成を抑制するのに有効に寄与する。この効果を発揮させて鋼組織をベイナイト単相とするためには0.0005%以上の添加が必要である。
一方、0.0030%を超える含有は焼入れ性を著しく増加させ、母材の靭性、延性の劣化をもたらす。このため、Bは0.0005〜0.0030%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.0005〜0.0020%である。
本発明では,更に、所望の特性を向上させる場合、上述した基本成分系に加えて、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下の1種または2種、および/またはCr:1.5%以下、Mo:0.7%以下、V:0.2%の1種または2種以上、および/またはREM:0.02%以下、Ca:0.005%以下およびMg:0.005%以下の1種または2種以上を含有することができる。
Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下の1種または2種
CuおよびNiは高靭性を保ちつつ強度を増加させることが可能な元素であり、HAZ靭性への影響も小さいため高強度化のために有用な元素である。
Cuを添加する場合、0.1%以上含有することが好ましいが、含有量が1.0%を超えると熱間脆性を生じて鋼板の表面性状を劣化させる。このため、Cuは1.0%以下に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.7%である。
Niを添加する場合、0.1%以上含有することが好ましいが、2.0%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利になる。このため、Niは2.0%以下に限定した。なお、好ましくは0.2〜1.7%である。
Cr:1.5%以下、Mo:0.7%以下、V:0.2%以下の1種または2種以上
Cr、MoおよびVはいずれも鋼の強度向上に寄与する元素である。Crを添加する場合は、0.05%以上含有することが好ましいが、1.5%を超える含有は母材およびHAZ靭性を劣化させる。このため、Crは1.5%以下に限定することが望ましい。
Moを添加する場合は、0.05%以上含有することが好ましいが、0.7%を超える含有は母材靭性およびHAZ靭性に悪影響を及ぼす。このため、Moは0.7%以下に限定することが望ましい。
Vを添加する場合は、0.01%以上含有することが好ましいが、 0.2%を超える含有は、HAZ靭性を劣化させる。このため、Vは0.2%以下に限定することが望ましい。
REM:0.02%以下、Ca:0.005%以下およびMg:0.005%以下の1種または2種以上
REM、CaおよびMgはいずれも靭性向上に寄与する元素である。REMを添加する場合は、0.002%以上含有することが好ましいが 、0.02%を超えて含有しても効果が飽和するため0.02%を上限とした。
Caを添加する場合は、0.001%以上含有することが好ましいが、0.005% を超えて含有しても効果が飽和するため0.005%を上限とした。
Mgは結晶粒の微細化を介して靭性を向上させる有用な元素である。Mgを添加する場合は0.001%以上含有することが好ましいが、0.005%を超えて含有しても効果が飽和するため、0.005%を上限とした。
なお,上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
[製造条件]
本発明における製造方法について説明する。本発明は、オーステナイト再結晶温度域の1次圧延の温度範囲と圧下率の関係の最適化と、オーステナイト未再結晶温度域の2次圧延における圧延温度範囲と累積圧下率の関係の最適化を組合わせることを製造条件における特徴とする。なお、温度に関する「℃」表示は特に断らない限り板厚1/2t部の温度を意味するものとする。
本発明では、上述した組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の周知の装置を用いて常法により溶製ー鋳造後鋼素材(スラブ)とし、1050〜1250℃に再加熱する。
再加熱温度が1050℃未満では、熱間圧延での変形抵抗が高くなり1パス当たりの圧下率が大きく取れなくなることから、圧延パス数が増加し、圧延能率の低下を招き、所定の圧延温度範囲や累積圧下率を確保することが困難になる。また、鋼素材(スラブ)中の鋳造欠陥を圧着することができない場合も生じる。
一方、再加熱温度が1250℃を超えると、加熱時のスケールによって表面疵が生じやすく、圧延後の手入れ負荷が増大する。このため、鋼素材の再加熱温度は1050〜1250℃の範囲とするのが好ましい。
本発明では、1050〜1250℃に加熱後、下記(1)式で定義される温度T(オーステナイト再結晶温度)の範囲内で行う累積圧下率30〜80%の、複数パスからなる1次圧延と、700〜950℃のオーステナイト未再結晶温度域で下記(2)式で定義される累積圧下率RX2の、複数パスからなる2次圧延を効果的に利用することにより、変態前のオーステナイト状態を制御して、強度および低温靭性のばらつきを少なくするのに最適なベイナイト組織を得ることができる。
1040−0.05(RX1−30)<T<1160−0.05(RX1−30)
(1)
ここで、RX1:一次圧延の累積圧下率(%)、T:温度(℃)
(80−RX1)/(120−RX1)<RX2/100<(92−RX1)/(100−RX1) (2)
ここで、RX2:2次圧延の累積圧下率(%)
以下、圧延条件について具体的に説明する。鋼素材を加熱後、上記(1)式で定義されるオーステナイト再結晶温度域で累積圧下率30〜80%の1次圧延を施し、オーステナイト粒を再結晶により十分細粒化する。
さらに、引き続く700〜950℃のオーステナイト未再結晶温度域で下記(2)式で定義される累積圧下率の2次圧延を施し、1次圧延で細粒化されたオーステナイト結晶粒内に多数の歪を導入することにより、ベイナイト組織の微細化を実現する。
1次圧延は、累積圧下率が30%以下になると、再結晶による細粒化が不十分であり、また、累積圧下率が80%以上になると、2次圧延の累積圧下率が不足するためオーステナイト結晶粒内の微細化が不十分となり低温靭性が劣化する。このため、1次圧延の累積圧下率は30〜80%の範囲に限定する。
本発明では、累積圧下率と圧延温度範囲のバランスが重要で(1)式で定義される温度より圧延温度が高くなると、オーステナイト粒は再結晶するものの、効果的に細粒化されず、低温靭性が不利になる。
一方、上記(1)式で定義される温度より圧延温度が低くなると、十分にオーステナイト粒が再結晶せず、一部で粗大なオーステナイト粒が残存するようになるために、低温靭性が劣化するとともにばらつきが生じる。このため、1次圧延は(1)式の温度範囲に限定する。
2次圧延は、圧延開始温度が950℃以上になるとオーステナイト結晶粒内への歪の導入が不足し組織が微細化されず、低温靭性が不利になる。
一方、圧延終了温度が700℃未満では、変形抵抗が高くなりすぎて圧延荷重が増大し、圧延機への負担が大きくなるだけでなく、機械的性質に異方性が生じ、さらには、フェライトの生成が促進されて強度が低下するようになる。
また、厚肉材の圧延終了温度を700℃未満まで低下させるためには、圧延途中で待機させる時間が著しく長くなり、生産性を大きく阻害する。このため、2次圧延の温度範囲を700〜950℃とした。
また、2次圧延における累積圧下率は1次圧延における累積圧下率との関係において最適化することが重要となる。 2次圧延における累積圧下率が(2)式で定義される範囲を超えて、より高くなると、機械的性質に異方性が生じ、さらにはフェライトの生成が促進されて強度が低下するようになる。
一方、2次圧延における累積圧下率が (2)式で定義される範囲を超えて、より低くなると、オーステナイト結晶粒内の微細化が不十分となり、低温靭性が劣化する。このため、2次圧延の累積圧下率は(2)式の範囲に限定する。
なお、1パスあたりの圧下率については規定しないが、1パスあたりの圧下率が5%未満になると圧延パス数が増加し、圧延能率の低下を招き、上記の圧延温度範囲や累積圧下率を確保することが困難となるため、1パスあたりの圧下率は5%以上とすることが好ましい。
また、板厚が60mmを超える極厚鋼板の場合には、ザク圧着のために1次圧延において1パスあたりの圧下率が15%以上となる圧延パスを少なくとも1パス以上確保することが望ましい。
本発明において圧延終了後の冷却方法は、上述した基本組成と圧延条件の組合わせにより、ほぼ均一な組織を広い冷却速度範囲において得ることができるため、空冷をしても加速冷却をしてもよく特に規定しない。なお、加速冷却を施す場合は冷却停止温度を室温以上とすることが好ましい。
本発明により厚鋼板を製造する場合、焼戻し処理を施してもよい。厚鋼板の場合、400℃以上Ac1変態点以下の焼戻し処理により、冷却時に生成した脆い硬化相の靭性を向上できる。尚、焼戻しは室温まで冷却した後に、オフラインの熱処理設備で施しても、インラインで冷却後、インライン加熱設備で施しても良い。
このような効果を得るためには、焼戻し温度を400℃以上とする必要があるが、 600℃を超えると強度低下を招くため、焼戻し処理は400〜600℃で行うことが望ましい。
上述した組成の鋼素材に上述した条件の熱間圧延を施すことを特徴とする本発明によれば、引張強さ570MPa以上の高強度において、安定した強度と低温靭性を兼備する非調質高張力鋼を容易に製造することができる。以下、本発明の効果を実施例をもって示す。
本発明に係る鋼板を製造条件を変えて複数枚製造し、各鋼板間での材質のバラツキを調査した。転炉−取鍋精錬−連続鋳造法で,表1に示す組成に調製された鋼素材を種々の製造条件(熱間圧延工程、冷却方法)により厚鋼板とした。表2に熱間圧延条件、冷却条件および得られた厚鋼板の板厚を示す。前記厚鋼板はいずれも成分組成が本発明範囲内で、熱間圧延条件、冷却条件も本発明範囲内で種々に変化させた本発明に係る鋼である。
各厚鋼板の板厚1/4および1/2位置から、JIS4号引張試験片を採取し、JISZ2241の既定に準拠して引張試験を実施し、引張特性を調査した。また、得られた各厚鋼板の板厚1/4および1/2位置から、JISZ2202の規定に準拠してVノッチシャルピー衝撃試験片を採取し、JISZ2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を試験温度ー40℃で実施し、シャルピー衝撃吸収エネルギーを求め、母材の低温靭性を評価した。尚、シャルピー衝撃試験は板厚1/4および1/2位置で各5本とした。
表3に引張試験結果、シャルピー衝撃試験結果を示す。本発明に係る鋼は製造条件が変動しても各鋼材間での特性のばらつきが少なく、引張強さ570MPa以上の高強度において、安定した高強度と、−40℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーが個値で100J以上の安定した低温靭性を有している。
Figure 0004742597
Figure 0004742597
Figure 0004742597
表4に示す成分組成の鋼を転炉−取鍋精錬−連続鋳造法で鋼素材(スラブ)とし、種々の製造条件(熱間圧延工程、冷却条件)により厚鋼板とした。一部の厚鋼板には、焼戻し工程を施した。表5に熱間圧延条件、冷却条件を示す。
得られた各厚鋼板の板厚1/4、1/2および3/4位置からJIS4号引張試験片を採取し,JISZ2241の既定に準拠して引張試験を実施し、引張特性を調査した。また、得られた各厚鋼板の板厚1/4、1/2および3/4位置から、JISZ2202の規定に準拠してVノッチシャルピー衝撃試験片を採取し、JISZ2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を試験温度ー40℃で実施し、シャルピー衝撃吸収エネルギーを求め、母材の低温靭性を評価した。尚、シャルピー衝撃試験は各採取位置で各5本とした。
表6−1、表6−2に引張試験結果、シャルピー衝撃試験結果を示す。本発明例はいずれの厚鋼板も板厚1/4、1/2および3/4の各鋼材内位置で引張強さ570MPa以上の高強度において、安定した高強度とー40℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーが個値で100J以上の安定した低温靭性の母材特性を有する。
一方、成分組成または製造条件の一部が本発明の範囲を外れる比較例では、板厚1/4、1/2および3/4の各鋼材内位置のいずれかまたは全てにおいて、母材強度が570MPa未満(比較例No.3−3、No.6−2、No.13、No.15、No.16)となったり、母材強度が570MPa以上となるものは−40℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギーが100J未満となる個値が生じたりして安定した低温靭性が得られない(比較例No.1−2、No.1−3、No.1−4、No.3−2、No.4−2、No.8−2、No.8−3、No.11、No.12、No.14、No.17、No.18)。
Figure 0004742597
Figure 0004742597
Figure 0004742597
Figure 0004742597

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.005〜0.03%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.6〜3.0%、P:0.025%以下、S:0.0050%以下、Al:0.1%以下、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.03%、B:0.0005〜0.0030%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1050〜1250℃に加熱後、各パスの圧延温度T(℃)で累積圧下率:RX1(%)が30〜80%の一次圧延を行い、次いで、各パスの圧延温度が700〜950℃で累積圧下率:RX2(%)の2次圧延を行った後、空冷することを特徴とする引張強さ(TS)が570MPa以上となる材質安定性に優れる非調質高張力鋼の製造方法。
    但し、T(℃)は下記(1)式、RX2(%)は下記(2)式による。
    1040−0.05(RX1−30)<T<1160−0.05(RX1−30)
    (1)
    (80−RX1)/(120−RX1)<RX2/100<(92−RX1)/(100−RX1)(2)
  2. 鋼組成に、質量%で、更にCu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.5%以下、Mo:0.7%以下、V:0.2%以下、REM:0.02%以下、Ca:0.005%以下、Mg:0.005%以下の一種または二種以上を添加することを特徴とする請求項1記載の引張強さ(TS)が570MPa以上となる材質安定性に優れる非調質高張力鋼の製造方法。
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