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JP4661321B2 - 織物裏地 - Google Patents

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JP4661321B2
JP4661321B2 JP2005124883A JP2005124883A JP4661321B2 JP 4661321 B2 JP4661321 B2 JP 4661321B2 JP 2005124883 A JP2005124883 A JP 2005124883A JP 2005124883 A JP2005124883 A JP 2005124883A JP 4661321 B2 JP4661321 B2 JP 4661321B2
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Description

本発明は、熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維を使用した織物裏地生機、織物裏地およびその製造方法に関するものである。
セルロースおよびセルロースエステル、セルロースエーテル等のセルロース誘導体は、地球上で最も大量に生産されるバイオマス系材料として、また、環境中にて生分解可能な材料として昨今の大きな注目を集めつつある。現在商業的に利用されているセルロースエステルの代表例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート等が挙げられ、プラスチック、フィルター、塗料など幅広い分野に利用されている。
衣料の分野でも化繊裏地等様々な商品が販売されているが、その繊維の製造方法はレーヨンの様にセルロースを二硫化炭素等の特殊な溶媒系で溶解させ湿式紡糸法での製糸を行うか、セルロースアセテートの様にセルロースを誘導体化して、塩化メチレンやアセトン等の有機溶媒に溶解させた後、この溶媒を蒸発させながら紡糸する乾式紡糸法での製糸を行うしか方法がなかった。これらの湿式紡糸法あるいは乾式紡糸法では、紡糸速度が遅いため生産性が低いという問題があるだけでなく、使用する二硫化炭素、アセトン、塩化メチレン等の有機溶剤が環境に対して悪影響を及ぼす懸念が強い。
他方従来の有機溶媒を用いて製造されるセルロースアセテート繊維はセルロース繊維が親水性に優れる素材であるために洗濯後の寸法安定性に劣ることが問題であり、樹脂加工を施し寸法安定性を付与する方法が採られている(特許文献2参照)。しかしながら樹脂加工を施すことで素材本来の特長を生かしきれなくなるばかりでなく、樹脂加工によるホルマリンの問題が発生する懸念もあった。
それに対し溶融紡糸法を用いる方法としては、セルロースアセテートにポリエチレングリコールのような水溶性可塑剤を配合して溶融紡糸を行い、中空糸用の繊維を製造するものが開示されている(特許文献1参照)。しかし、平均分子量200〜1000のポリエチレングリコールを多量に使用した場合、紡糸の際の断糸率の点から、低い紡糸ドラフトでないと溶融紡糸は困難である。また製造された繊維は強度が0.5g/d以下と非常に弱く衣料用テキスタイルに使用できない特性を有する繊維であった。
このように従来の有機溶媒を用いて製造されるセルロースアセテートは繊維は、織編物にした時に絹のような優雅な光沢を有する素材となるが、環境には調和出来ておらず、また溶融紡糸法で製造されたセルロース繊維は実用に耐えられないのが現状である。
特開昭51-70316号公報 特開平8-100346号公報
本発明の課題は上記のような問題点を克服した織物裏地を提供する事にある。さらには裏地の要求特性である制電性および/または寸法安定性を兼ね備えた織物裏地を提供することにある。
上述した本発明の課題は、セルロースアセテートプロピオネート80〜95重量%と、下記一般式(1)で表されるポリエーテル化合物5〜20重量%とを少なくとも含んでなることを特徴とする熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維を少なくともタテまたはおよびヨコ糸に用いた織物裏地用生機とすることで解決することができる。
さらに同生機から布帛の状態でポリエーテル化合物を除去し、残留水溶性可塑剤を布帛重量に対し0から1.0重量%とする事で良好な織物裏地が得られる。
R1-O-{(CH2)nO}m-R2 ・・・(1)
(但し、R1、R2はH、アルキル基、アシル基よりなる群から選ばれた同一または異なる
基を表す。nは2〜5の整数、mは3〜30の整数)
本発明のセルロースアセテートプロピオネートを用いてなる裏地は、良好な裏地風合いと制電性・寸法安定性を有する。
以下、さらに詳しく本発明の織物裏地について説明する。
本発明の織物裏地には、熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維を用いる。
本発明におけるセルロースアセテートプロピオネートとは、セルロースの水酸基の少なくとも一部がアセチル基およびプロピオニル基によって置換されているものを言う。具体的なアシル化剤としては、酸塩化物、酸無水物、カルボン酸化合物、カルボン酸化合物誘導体などが挙げられるが特に限定されない。本発明において用いられるセルロースエステルの製造方法に関しては、従来公知の方法にて行えばよく、特に限定されない。アセチル基のみで置換されたセルロースアセテートはそれ自身の熱可塑性が不十分であるため、良好な熱流動性を有するためには多量の可塑剤を添加する必要がある。プロピオニル基によりセルロースをアシル化することにより、セルロースエステルの製造時にブチリル基より長鎖のアシル基によってアシル化するよりも反応性が高いため生産性が良い。
熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維中のセルロースアセテートプロピオネートの含有量は80〜95重量%である。含有量を95重量%以下にすることにより、ポリエーテル化合物を加えたことによる熱可塑化効果が増し、溶融成形性が良好になる。含有量を80重量%以上にすることで、セルロースエステルの有する特徴である強度が増し、機械的特性の優れた繊維が得られる。
本発明は、一般式(1)で表されるポリエーテル化合物を可塑剤として用いる。
R1-O-{(CH2)nO}m-R2 ・・・(1)
(但し、R1、R2はH、アルキル基、アシル基よりなる群から選ばれた同一または異なる基を表す。nは2〜5の整数、mは3〜30の整数)
これは、一般式(1)で示されるポリエーテル化合物がセルロースアセテートプロピオネートとの相溶性に優れるため熱可塑化効果が顕著に表れるばかりか、ポリエーテル化合物自身の耐熱性が良好なため、添加したポリマーの色調も良好になる効果を有するからである。さらには、一般式(1)で示されるポリエーテル化合物は生分解性の低いフェニル基、アルキルフェニル基、アリールフェニル基などの芳香族で置換されていないため生分解性が良好である特徴も有している。
具体的なポリエーテル化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンジメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンジオレートなどが挙げられるがこれに限定されない。
この中でも、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジラウレートが好ましい。
ポリエーテル化合物の分子量としては、200〜1000であることでポリエーテル化合物の揮発が抑えられ、セルロースアセテートプロピオネートとの相溶性も良好となるため好ましい。300〜800がより好ましい。
ポリエーテル化合物の配合量は、5〜20重量%である。配合量を20重量%以下とすることにより、機械的特性が良好となり、加熱時のポリエーテル化合物の揮発が抑えられる。また、溶融紡糸性の点から強度が高くなり紡糸断糸率が低下する。一方、配合量を5重量%以上とすることにより、熱流動性の点から、成形温度を低くすることができ、組成物の熱分解が抑制され得られるポリマーの色調が良好になる。
本発明においては必要に応じて要求される性能を損なわない範囲内で、熱劣化防止用、着色防止用の安定剤として、エポキシ化合物、弱有機酸、ホスフェイト、チオフォスフェイト等を単独または2種類以上混合して添加してもよい。また、その他有機酸系の生分解促進剤、滑剤、帯電防止剤、染料、顔料、潤滑剤、艶消剤等の添加剤を配合することは何らさしつかえない。
本発明の熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維の強度は、0.5〜4.5cN/dtexであることが好ましい。強度を0.5cN/dtex以上とすることで、製織時など高次加工工程を通過させることが可能となり、また最終製品の強力も不足することがないので好ましい。さらに好ましくは良好な強度特性の観点から、強度は0.7cN/dtex以上であることが好ましく、1.0cN/dtex以上であることが最も好ましい。
また本発明の熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維の伸度は、2〜50%であることが好ましい。伸度を2%以上とすることにより、製織や製編時など高次加工工程において糸切れが多発することがない。また、50%以下では低い応力であれば変形することがなく、製織時の緯ひけなどにより最終製品の染色欠点を生じることがないため好ましい。良好な伸度としては、5〜45%であることがより好ましく、10〜40%であることが最も好ましい。
本発明では溶融紡糸法が好ましく用いられる。溶融紡糸法では、前記した組成物を公知の溶融紡糸機において、加熱溶融した後に口金から押出し、紡糸し、必要に応じて延伸し巻取ることができる。この際紡糸温度は200℃〜280℃が好ましく、さらに好ましくは240℃〜270℃である。紡糸温度を200℃以上とすることにより、溶融粘度が低くなり溶融紡糸性が向上するので好ましい。また280℃以下にすることにより、組成物の熱分解が抑制されるため好ましい。
本発明のセルロースアセテートプロピオネート繊維は、優れた機械的特性および繊度の均一性を有し、生分解性に優れており、前記繊維を製造する際に熱流動性が優れるため紡糸時の断糸率が極めて少なく、生産性に優れている。
本発明のこれら熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維は、丸断面あるいは扁平、三〜八葉、C型、H型、中空などの異型断面であっても良いし、少なくとも1成分が熱可塑性セルロースアセテートプロピオネートからなる芯鞘型、偏心芯鞘型、サイドバイサイド型、割繊維分割型など、あるいは海島型などの1成分を溶出するタイプの複合繊維であっても良い。また、通常のフラットヤーン以外に仮撚加工糸、強撚糸、タスラン加工糸、太細糸、混繊糸等のフィラメントヤーンであっても良く、ステープルファイバーやトウ、あるいは紡績糸などの各種形態の繊維であっても良い。
本発明の熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維の単糸繊度の範囲は、0.5〜5dtexが分散染料の繊維内部への均染性および繊維構造物の発色性、布帛としてのハリ、コシが優れているので好ましく、布帛の風合いの観点から1.0〜3dtexの範囲がより好ましい。
本発明では繊維もしくは織物裏地用生機を水系処理して織物裏地とすることが重要である。水系処理とは、繊維を、水を主成分とする液中に浸漬することを意味し、その方法は特に限定されないが、紡出後の繊維を連続で水浴中に走行させても良いし、繊維をチーズに成形してバッチ式のチーズ染色機で処理してもよい。また、整経した後、あるいは布帛化した後に同様に連続またはバッチ式のビーム処理、または液流染色機などによるバッチ式の水系処理を行うことも出来る。
水系処理を行う際に用いられる溶液は、水が主成分である液体であれば特に限定されるものではなく、単に水のみからなる液体であっても良いし、油剤やサイジング糊剤等を効率よく脱落させることを目的とした添加剤、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物や、非イオン系界面活性剤や陰イオン系界面活性剤等の精練剤が添加された水を主成分とする液体であってもよい。
本発明において、ポリエーテル化合物からなる水溶性可塑剤を含有した状態のセルロース混合エステル繊維は、親油性の高い界面活性剤を吸尽しやすい性質があるため、好ましくは、初めに精練剤を含有しない水系処理を行って水溶性可塑剤を除去した後に、改めて、精練剤を含む水系処理液で処理し油剤や糊剤を除去することが望ましい。
また、水系処理の処理温度は15℃〜80℃が好ましく、より好ましくは20℃〜70℃である。処理温度が20℃以上であれば、可塑剤の除去が短時間で行うことができ、また、70℃以下であれば、繊維の光沢が失われないため好ましい。
水溶性可塑剤は一回の処理でセルロース混合エステル繊維中から全てを除去しても良いし、多段階に分けて、例えば、糸加工の段階で含有量の一部を除去し、さらに布帛化後の精練染色工程で残りの可塑剤を除去するという方法でも良い。また、可塑剤を除去する処理時間は、処理装置の方式や、糸、チーズあるいは織物という繊維構造物の形態によって異なり、装置の能力や作業性、コスト面から適宜決定することができる。処理時間は0.2秒という短時間から、1時間程度まで任意に実施出来るが、本発明の布帛に含有されるセルロース混合エステル繊維においては、平均直径5〜50μm程度である場合、表面積が広く、水溶性可塑剤の除去は非常に速やかに行われ、どのような処理方式を用いても、通常5分以内に含有する量の70重量%以上は除去されるため好ましい。
本発明における可塑剤除去後のセルロースアセテートプロピオネート繊維(以下、可塑剤除去後の繊維を「除去後セルロース繊維」という)は、可塑剤除去を行う前に比べて、ガラス転移点Tgが高くなるという特徴を有する。可塑剤除去によるガラス転移点Tgの上昇は、60℃以上あることが望ましい。ガラス転移点Tgが60℃以上上昇すれば、可塑剤除去前は溶融紡糸が可能であり、可塑剤除去後は明らかに耐熱性が向上して、アイロンなどによる熱圧処理を行った場合の布帛表面のテカリや融着を抑えることができる。
本発明の除去セルロースアセテートプロピオネート繊維の初期引張抵抗度は、30〜100cN/dtexであることが好ましい。30cN/dtex以上であれば、除去セルロース繊維を含有する布帛の風合いが、ハリコシを有するものとなり、100cN/dtex以下であれば、除去セルロース繊維を含有する布帛の風合いが適度な柔らかさを有するものとなる。衣料用布帛としての柔軟かつハリコシのある風合いの観点からは、除去セルロース繊維の初期引張抵抗度度は35〜90cN/dtxであることがより好ましく、40〜80cN/dtexであることが最も好ましい。
また、本発明の除去セルロース繊維の式2で示される単糸繊度CV(変動係数)は10%以下であることが好ましい。繊度CVは、マルチフィラメントを構成する単糸1本1本の繊度バラツキを示す一般的に用いられるパラメーターであり、繊維の側面を電子顕微鏡で観察し、その繊維軸直角方向の繊維の幅を実測して得られる単繊維直径の標準偏差と平均値から次式5によって求めることが出来る。
繊度CV(%)=単繊維直径の標準偏差/単繊維直径の平均値 (式2)
例えば一般的な溶融紡糸法からなるポリエチレンテレフタレート繊維では5%以下であるのに対し、メルトブロー方式からなる繊維であれば、繊度CVは大きく、30〜40%が一般的である。
本発明においては、単糸繊度のバラツキが小さく、単糸繊度CVが10%以下であれば、布帛を構成したときの表面に均一感があり、光沢と色にムラがないため、衣料用布帛として好ましい美麗な外観を呈することができる。
また、本発明において除去セルロース繊維は、実質的に空孔を生じていないことが好ましい。本発明において空孔とは、繊維内部に長径が0.01〜2μmの空洞がある状態を意味する。本発明では、20本の繊維の断面を電子顕微鏡で観察した際に、このような空孔が、繊維内部に5個以上存在しない場合、繊維内部が実質的に均一で空孔がない状態であると言う。濾過用中空糸のように可塑剤を除去することによって非常に多数の空孔を生じる場合は、濾過用途としては優れているものの、その空孔の大きさや数量によっては強度が低下したり摩擦に弱い性質になるが、本発明においては空孔を生じないため、布帛の摩擦強度も高く、品位が悪化しにくい。
本発明では水系処理を行っていない熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維を少なくともタテまたは/およびヨコ糸に使用する。タテ糸またはヨコ糸いずれかにのみ使用する場合、他方の繊維に特に規定はないが、分散染料で染めることの出来るポリエステル系繊維が同色性および汚染を防止出来る観点から好ましい。ポリエステル系繊維の断面形状・繊維形態も特に規定はないが、裏地の滑り感を実現するためにはフラットヤーンが好ましい。
また繊維の状態で水系処理を行った除去セルロース繊維を、タテまたは/およびヨコ糸に使用することもできる。タテ糸またはヨコ糸いずれかにのみ使用する場合、他方の繊維に特に規定はない。特に繊維の状態で水系処理を行うと同時に先染め糸とすることで、さらに多様な織物裏地に対応することが可能である。
本発明における織物裏地の織組織は特に限定されるものでないが、平組織、綾組織、朱子組織が好ましい。さらに本発明の織物裏地の繊維総繊度は、30〜135dtexが好ましい。繊度が30dtex未満では布帛引き裂き強度が低下する傾向があり、また135dtexを越えると布帛が厚くなり裏地として適さない場合がある。また該織物の経糸と緯糸のカバーファクターの和が1000から2000が好ましい。なおここでカバーファクターは下記式3によって求められる。
K=d1/2 × D (3)
式中Kはカバーファクター、Dは密度(本/吋)、dは総繊度(dtex)である。
本発明における前記カバーファクターとは、本発明の織物裏地の経糸方向の経糸のカバーファクターと緯糸方向の緯糸のカバーファクターを式3を用いて夫々算出し、算出さた両カバーファクターの和を意味する。このカバーファクターの和が1000未満では得られる織物の組織がずれやすくなり、目ずれが起こる場合がある。また、2000を越えると風合が粗硬になる傾向がある。
さらに洗濯による寸法変化率がタテヨコそれぞれ2.5%以下であることが好ましい。
本発明の織物裏地はこの特性を得るために熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維の吸湿性を温度30℃、湿度65%の環境化で吸湿率0.5%以上7.0%以下とする事が好ましく、より好ましくは4.0%以上6.0%以下とし、少なくともタテまたは/およびヨコ糸に使用することが寸法安定性と制電性を両立する上で好ましい。一般に市販されている再生セルロース繊維は吸湿性が10%またはそれ以上あるため吸湿による膨潤効果により2.5%以下の寸法安定性は得ることが出来ず、繊維を疎水化させるために樹脂加工を施す等処理が必要であるが風合いが粗硬化する傾向がある。しかしながら本発明の除去セルロース繊維を用いた裏地は素材の吸湿性が軽微であるため、繊維の吸湿による寸法変化が少なく、ひいては織物の寸法安定を得ることが出来る。より寸法安定性を要求される場合には、通常セルロース系繊維に用いられる樹脂を用いて、より寸法安定性を向上させても良い。
また本発明の織物裏地は摩擦耐電圧3KV以下とする事が好ましい。本発明の除去セルロース繊維は適度な吸湿性を保持していることにより摩擦耐電圧を下げる効果があり、織物設計を作成する際、その混率を30%以上、より好ましくは40%以上とすることにより本効果を生み出すことが出来る。また織物裏地の仕上げ工程で帯電防止加工を施すことはより効果的である。なお摩擦耐電圧は3KVを超えると着用時に静電気による不快感が発生し、また冬場等の低湿度での使用条件を加味すると1KV以下とすることがより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、セルロースアセテートプロピオネートの強伸度は以下の方法で評価した。
(1)強伸度
オリエンテック社製テンシロンUCT-100型を用い、試料長20cm、引張速度20mm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重を示した点の応力を繊維の強度(cN/dtex)とした。また、破断時の伸度を繊維の伸度(%)とした。
(2)摩擦耐電圧
JIS-L-1094B法に準ずる。測定は20℃×30%RHにて実施した。
(3)洗濯収縮率
JIS-L-0217法に準ずる。
合成例1
セルロース(日本製紙ケミカル(株)製溶解パルプ、NDP−S)1.0kgに、酢酸5.0kgとプロピオン酸1.0kgを加え、50℃で30分間攪拌した。混合物を15℃まで冷却した後、無水酢酸0.7kg、無水プロピオン酸4.3kgおよび硫酸を0.05kg加えてエステル化反応を行った。240分間攪拌を行った後、酢酸3.3kgと水1.7kgの混合溶液を60分間かけて添加し、反応を停止させた。続いて40℃で24時間攪拌を継続し、加水分解処理を行った。
その後、ドープに大過剰の水を添加して、セルロースアセテートプロピオネートを析出させた。析出した粉体は濾過した後、水洗、濾過を5回繰り返して洗浄し、さらに0.02%の希硫酸中で50℃、1時間の処理を行い、水洗、濾過を3回繰り返し行った。
得られたセルロースアセテートプロピオネートのアセチル置換度は0.3、プロピオニル置換度は2.5であった。
実施例1
合成例1により得られたセルロースアセテートプロピオネート(CAP1)90wt%と、可塑剤のポリエチレングリコール(三洋化成(株)製、PEG600)10wt%を、30mmφエクストルーダーを用いて混合し、熱可塑性組成物のペレットを得た。得られたペレットの240℃、1000sec−1における溶融融粘度は、86.7Pa・secであった。
続いてペレットを真空乾燥した後、エクストルーダー式溶融紡糸機で、紡糸温度235℃にて溶融し、0.20mmφ-0.30mmLの口金孔を36ホール有する口金より紡出した。紡出糸は25℃のチムニー風により冷却した後、600m/minの速度でゴデットローラーにより引き取り、ワインダーにて巻き取ったところ、紡糸糸切れは認められなかった。本組成物の製糸性は非常に良好であった。
得られた繊維は、110dtex-36Fであり強度が1.3cN/dtex、伸度が23%であり、機械的特性に優れていた。またこの繊維の20℃65%RHの時の吸湿率は1.5%であり、かつ繊度CV%は7%と良好であった。
この繊維をタテヨコ糸に用い73×68本/inの平織物を作成し、三洋化成(株)製界面活性剤グランアップUS-20を1g/L、炭酸ナトリウム1g/Lを含む精練溶液で60℃×20分間精練を行った後、130℃×2分間乾熱セットを施した。この様にして得られた該織物を用いて、以下の染色を行った。
染料Kayalon Polyester Blue EBL-E(日本化薬(株)製)
染料濃度 1.0%owf、浴比 1:30、 染液pH 5
染色時間 60分、 染色温度 90℃
染色後の布帛は十分水洗の後、三洋化成(株)製界面活性剤グランアップUS-20を1g/L含んだ洗浄液で、60℃20分洗浄を行い、水洗、乾燥した。得られた布帛の残留ポリエーテル化合物は0.4%であった。
同布帛は裏地として適切な風合い・発色を有していた。さらに摩擦耐電圧を測定した結果、経方向2000V、緯方向2700Vと良好な制電性を有していた。洗濯寸法変化はタテ、ヨコそれぞれ-0.2%、-1.0%と衣服として問題ないレベルであった。
実施例2
セルロースアセテートプロピオネートを85重量%、可塑剤としてポリエチレングリコール(三洋化成(株)製、PEG600)を15重量%を用い、口金孔のホール数を24ホールとした以外は実施例1と同様にして溶融紡糸し、84デシテックス24フィラメントの繊維を得た。この繊維の20℃65%RHの時の吸湿率は1.4%、かつ繊度CV%は7%と良好であった。その後、この繊維からなる95×90本/inのツイル織物(2/2)を作成し、実施例1と同様に精練、乾熱セットを施した。この様にして得られた該織物を用いて、染料濃度が2.0%owfである以外は実施例1と同様にして染色を行った。染色後の布帛は実施例1と同様に水洗、洗浄を行い、乾燥した。得られた布帛の残留ポリエーテル化合物は0.7%であった。
得られた染色後の織物はソフトな手触りを有しており、さらに実施例1と同様に摩擦耐電圧を測定した結果、経方向1800V、緯方向2900Vと良好であり、また洗濯寸法変化率はタテ、ヨコそれぞれ-0.5%、-1.2%であった。
実施例3
実施例1と同様のポリマーを用い、口金孔の断面形状を三角断面にした以外は実施例1と同様に溶融紡糸し、84デシテックス36フィラメントの繊維を得た。この繊維の20℃65%RHの時の吸湿率は1.5%、かつ繊度CV%は9%と良好であった。その後、この繊維からなる160×80本/inのサテン織物を作成し、実施例1と同様に精練、乾熱セットを施した。この様にして得られた該織物を用いて、実施例1と同様にして染色を行った。染色後の布帛は実施例1と同様に水洗、洗浄を行い、乾燥した。得られた布帛の残留ポリエーテル化合物は0.5%であった。得られた染色後の織物はソフトな手触りおよび高光沢を有しており、さらに実施例1と同様に摩擦耐電圧を測定した結果、経方向1900V、緯方向2600Vと良好であり、また洗濯寸法変化率はタテ、ヨコそれぞれ-1.0%、-1.8%であった。
比較例1
セルローストリアセテート(屈折率1.47、アセチル置換度2.9、炭素数3〜18のアシル基は無し、総置換度2.9、平均重合度270)をメチレンクロライド及びメタノールの混合溶媒に溶解させ、乾式紡糸して得られた、110デシテックス36フィラメントの繊維(20℃65%RHの時の吸湿率5.9%)を用い、実施例1と同様にして平織物を作成し、実施例1と同様に精練、乾熱セットを施した。この様にして得られた織物を用いて、染色温度が110℃である以外は実施例1と同様にして染色を行った。
得られた染色後の織物はソフトな手触りを有していた。また摩擦耐電圧を測定した結果、経方向2400V、緯方向1700Vと良好であったが、洗濯寸法変化率はタテ、ヨコ3.4×0.7%と実用上洗濯できない状態であった。

Claims (4)

  1. セルロースアセテートプロピオネート100〜99.0重量%と、下記一般式(1)で表されるポリエーテル化合物0〜1.0重量%とを含む熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維を少なくともタテまたは/およびヨコ糸に使用してなることを特徴とする織物裏地。
    R1-O-{(CH2)nO}m-R2 ・・・(1)
    (但し、R1、R2はH、アルキル基およびアシル基よりなる群から選ばれた同一または異なる基を表す。nは2〜5の整数、mは3〜30の整数。)
  2. 摩擦帯電圧が3KV以下であることを特徴とする請求項に記載の織物裏地。
  3. 洗濯による寸法変化率がタテヨコそれぞれ2.5%以下であることを特徴とする請求項またはに記載の織物裏地。
  4. セルロースアセテートプロピオネート80〜95重量%と、下記一般式(1)で表されるポリエーテル化合物5〜20重量%とを含む熱可塑性セルロースアセテートプロピオネート繊維に水系処理を行い水溶性可塑剤を除去し、該繊維重量に対する水溶性可塑剤の含有量を0から1.0重量%とした後、製織を行うことを特徴とする織物裏地の製造方法。
    R1-O-{(CH2)nO}m-R2 ・・・(1)
    (但し、R1、R2はH、アルキル基およびアシル基よりなる群から選ばれた同一または異なる基を表す。nは2〜5の整数、mは3〜30の整数。)
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