図1は、本発明に係る画像投射システムの基本構成例を示すものであり、複数の画像投射装置による投射画像を重ね合わせて表示画像を生成するシステムを示している。
スタッキングによる画像合成では、2台以上の画像投射装置による画像が同じ場所に投射されるが、以下では、説明の簡単化のために2台の画像投射装置1_1、1_2を用いることとし、一つのスクリーン「SCN」に対して各装置の投射画像を重ね合わせて表示する場合を想定する。
図中の「D1」、「D2」は、画像投射装置1_1や1_2の照明プロファイルに関する測定信号を示しており、これらはプロファイル測定部1aに送られる。つまり、画像投射装置1_1が前記したプロジェクタAに相当し、測定信号D1がプロファイル測定部1aに送られ、また、画像投射装置1_2が前記したプロジェクタBに相当し、測定信号D2がプロファイル測定部1aに送られる。プロファイル測定部1aは、画像投射装置毎の照明プロファイルを集計して光源色別に投射光全体の照明プロファイルを算出するために設けられており、色別に合成された投射光全体の照明プロファイルが得られる。
補正プロファイル生成部1bは、投射光全体の照明プロファイルにおいて光強度を均一化させるために、光強度の最低値に基づいて画像投射装置毎の補正プロファイル情報を生成するものである。
図2は、本発明に係る色ムラ補正についての説明図である。尚、R、G、Bの各色光源の波長は画像投射装置1_1と1_2の間でそれぞれ同じか又は両者の差が許容誤差範囲内に収まっているものとする。
左上の(a)図が画像投射装置1_1に関するキャリブレーション前の分布例を示し、図21の(a)図と同じものである。
また、左下の(b)図が画像投射装置1_2に関するキャリブレーション前の分布例を示し、図21の(b)図と同じものである。
(a)図や(b)図に右側に示す図(a+b)は、(a)図と(b)図とを合成した場合においてキャリブレーション前の分布例を示している。
そして、右端に位置する(c)図が、画像投射装置1_1及び1_2を用いたスタッキング時において、キャリブレーション後の分布例を示している。
尚、各図における横軸及び縦軸の意味や、「Gc」(c=r、g、b)の意味は前述の通りである。
画像投射装置1_1では、(a)図に示すように、緑色光が最低値3000lmを示し、画像投射装置1_2では、(b)図に示すように、青色光が最低値3000lmを示す。
(a+b)図では、光源色毎の総和的な輝度(強度)分布を示しており、例えば、画像投射装置1_1に係るプロファイルを「Pc_1」(c=r、g、b)と記し、画像投射装置1_2に係るプロファイルを「Pc_2」(c=r、g、b)と記すとき、下式に示すPc_sum(c=r、g、b)を用いて表現される。
Pr_sum=Pr_1+Pr_2
Pg_sum=Pg_1+Pg_2
Pb_sum=Pb_1+Pb_2
つまり、Pc_sumは、c=r、g、bで区別される色毎に強度の総和値を表しており、一次元光変調素子に係る画素位置を「x」と記すとき、xの関数「Pc_sum(x)」で表現することができる。
(a+b)図において、各色光の総和値に関する最低値は下記の通りである。
・赤色光(Gr参照):7500lm
・緑色光(Gg参照):7000lm
・青色光(Gb参照):7000lm。
従って、(c)図に示すように、3者の最低輝度は緑色光や青色光の光束値によって決まり、最低輝度での光束値を「PT_min」と記すとき、本例ではPT_min=7000lmとされる。キャリブレーション後には、光強度分布が画素位置xには無関係に均一化される。即ち、各装置に係る照明プロファイルを色毎に合成した結果に基づいて色ムラの補正を行うことができ、しかも従来のように光束利用率の低下を伴うことがなくなる。
図1に示す補正プロファイル生成部1bでは、「Pc_sum」(c=r、g、b)を求め、(a+b)図に示される結果から、最低輝度(PT_min)を決定した上で装置毎の照明プロファイルに係る補正用情報(以下、「補正プロファイル」といい、「RefPc_i」と記す。尚、「c」は光源色を区別するための指標であり、「i」は装置の識別番号を示す。)を生成して画像投射装置1_1、1_2にそれぞれ送出する(尚、具体的な構成及び制御等については後で詳述する。)。
図1では、プロファイル測定部1aや補正プロファイル生成部1bを画像投射装置1_1や1_2の外部に設けることで共通化した形態を示しているが、これに限らず各部の機能を分割して各装置に設けて内蔵させた形態とし、有線式又は無線式の通信によって装置間で照明プロファイルデータ等を含む必要情報を交換し合えるように構成しても良い。
画像投射システムに用いられる画像投射装置は、例えば、下記に示す画像投射モードを有する。
(I)他の画像投射装置との協同によってそれぞれの投射画像を重ね合わせて一つの表示画像を生成する画像投射モード(スタッキングモード)
(II)各装置を単独で使用する場合の画像投射モード。
上記(I)の場合、特定の画像投射装置は各色光源の強度分布を示す照明プロファイルの情報を計測するとともに、他の画像投射装置を構成する各色光源の照明プロファイルの測定情報との総計として合成される投射光全体の照明プロファイルを算出する。R、G、Bの光源色毎の該照明プロファイルを比較することにより光強度の最低値(PT_min)を算定し、これに基づいて画像投射装置毎に照明プロファイルを変更するための補正プロファイル情報を、必要に応じて他の画像投射装置に送出する。
補正プロファイル情報を受け取った画像投射装置は、該補正プロファイル情報に従って装置内の各色光源の照明プロファイルを変更する。これにより、表示画像を生成する投射光全体の照明プロファイルにおいて光強度を均一化させることができる。
また、上記(II)の場合には、装置内の色光源の強度分布を示す照明プロファイルの情報を計測した結果に基づいて、プロファイル補正を行う。つまり、光強度分布の測定データに基づいて光変調素子に係る駆動信号を補正することにより画素配列方向における光強度を均一化させる。
先ずは、各画像投射装置の基本的な構成例について説明する。
図3は、上記画像投射装置1_1(又は1_2)の構成について概要を示したものであり、以下では一次元光変調素子を用いてレーザ光を変調することにより画像生成を行う構成を説明する。
画像投射装置の光学系において、光源2からの出射光が、照明光学系3を経て光変調部4に到達し、ここで変調された光が色合成部5、空間フィルタ6を経て光走査部7に到達する。
光源2としては、例えば、R、G、Bの色毎に半導体レーザや固体レーザ等を用いたレーザ光源2R、2G、2Bが設けられており、図示しない電源部からの電力供給を受けて各色に応じた波長のレーザビームをそれぞれ出力する。
照明光学系3は、各レーザ光源から出力されるビームを一次元の線状ビームに変換する役目を有し、ビーム拡大光学系やラインジェネレータ等を用いて構成される。尚、R、G、Bの各色に応じた光学系3R、3G、3Bがそれぞれに用いられる。
光変調部4は、R、G、Bの各色に対応した一次元光変調素子4R、4G、4Bを用いて構成され、上記光学系3R、3G、3Bを経てほぼ均一化されたプロファイル(所謂「トップハット」分布)の線状ビームが各素子に照射される。
一次元光変調素子としてGLV素子を使った適用例において、反射型回折格子の場合、複数の可動リボン及び固定リボンが所定の方向に沿って交互に配置されている。例えば、1画素を構成する6本のリボン素子が設けられていて、3本ずつの可動リボンと固定リボンとが1つおきにそれぞれ配置されている場合に、1ライン分の1080画素では6480本のリボン素子が一次元方向(長軸方向)に沿って配列される。レーザ光の照射面に対して、可動リボンの表面である第1面と、固定リボンの表面である第2面については、アルミニウム銅(AlCu)合金等が用いられ、各面が交互に配置されるとともに、後述する駆動手段(13)からの駆動信号を受けて可動リボンが移動されてその第1面がレーザ光の照射方向に沿う方向に位置制御される。つまり、画像信号に応じた駆動電圧の印加に応じた変位量をもって可動リボンが移動し、この状態(所謂ピクセルオン時)では入射光に対する反射型回折格子が構成される(1次回折光の発生)。また、可動リボンを動かさずに固定リボンとの間で変位量を揃えた状態(所謂ピクセルオフ時)では、1次回折光が発生しない(入射光に対する正反射のみ)。
このように一次元光変調素子に照射された照明光の反射光や回折光が発生されて、色合成部5では、変調された各色光が合成された後、空間フィルタ6に送られる。
空間フィルタ6は、特定次数の回折光成分を選別する役目をもち、本例では、一次元光変調素子を用いて変調された光のうち、±1次回折光をとり出すためにシュリーレンフィルタを用いている(画像表示に用いない0次光が遮光される。)。
次段の光走査部7には、例えば、ガルバノメータが用いられ、一次元像の入射光を受けて二次元中間像を形成する。即ち、一次元像の形成方向を「第一の方向」とするとき、該方向は一次元光変調素子の長軸方向に対応しており、該第一の方向に対して直交する「第二の方向」に沿って光走査を行うことにより二次元中間像が形成される。尚、走査方式については、一方向性スキャン方式と双方向性スキャン方式が挙げられる。前者の方式では、例えば、表示画面の左端縁が走査開始位置とされ、右端縁が走査終了位置とされており、左端縁から光走査が開始されて上記第一の方向に延びる縦ラインが上記第二の方向に沿って走査された後、右端縁に達すると再び左端縁に戻って光走査が繰り返される。また、後者の方式では、表示画面の左端縁及び右端縁が走査開始位置及び走査終了位置とされ、例えば、左端縁から光走査が開始されて、上記第一の方向に延びる縦ラインが上記第二の方向に沿って走査された後、右端縁に達すると、今度は反対方向に光走査が行われ、元の左端縁に達すると左端縁から再び光走査を開始するという動作が繰り返される。
このような光走査によって得られる二次元中間像が光拡散部8を経た後、投射光学系9によってスクリーン「SCN」上に投影されることで映像が表示される。
尚、光拡散部8は、スペックルノイズ低減等のためにディフューザ(diffuser)を用いて拡散光を得るために設けられ、また、投射光学系9は投影レンズを含む二次元投射光学系である。
投射光学系9に対して光検出装置10が設けられており、該投射光学系から出射される光を受光して光強度を検出するものである。
次に、画像処理系や制御系統について説明する。
図中に「VIDEO」で示す映像信号は、信号処理部11を経て補正処理部12に送出される。
信号処理部11において映像信号は色差信号からRGBの色信号に変換される。そして、γ(ガンマ)特性等の非線形特性が付与されている場合には、逆補正を行うことで線形特性への変換を行った後、照明光源の色再現範囲への対応のための色空間変換処理を行う。
補正処理部12は、後述する補正データ算出部(16)からの情報を参照して信号補正を行うものであり、映像信号に応じて生成される上記一次元光変調素子への駆動信号を制御する。
駆動手段13は一次元光変調素子4R、4G、4Bを駆動するために設けられており、素子駆動回路を含み、補正処理部12からの指令に応じた駆動信号を生成して上記光変調部4の一次元光変調素子にそれぞれ供給する。駆動手段13による光変調素子の駆動制御によって、各色のレーザ光の変調が行われる。
光強度分布計測処理部14は上記光検出装置10からの検出情報を処理して一次元光変調素子の長軸方向、つまり画素配列方向の光強度分布を測定するために設けられたものであり、光検出装置10とともに光強度分布測定手段15を構成する。即ち、投射光学系9から出射される光を受けて強度分布を測定するとともに、計測結果を補正データ算出部16に送出する。
光走査制御部17は、光走査部7とともに光走査手段18を構成しており、一次元光変調素子を用いて光を変調することにより得られる一次元画像を走査するための制御を行う。つまり、図中に「SYNC」で示す同期信号や光強度分布計測処理部14からの指令(光走査位置の指示信号)に従って制御信号を光走査部7に送出し、その動作(ガルバノミラーの回転)を制御する。尚、一次元光変調素子4R、4G、4Bの駆動タイミングと、光走査部7を構成するガルバノミラーの回転位相(光走査位置)との同期制御等については、CPUを用いた既知の制御手段の管理下に置かれている。
本例において、補正データ算出部16は、記憶手段19や補正処理部12とともに補正手段20を構成しており、CPU(中央処理装置)やメモリ等のハードウェア及び処理プログラムを用いて実現される。即ち、補正手段20は、光強度分布計測処理部14からの測定データに基づいて一次元光変調素子に係る駆動信号を補正する。補正方法については後で詳述するが、駆動手段13を制御することにより光強度を均一化させるための補正が行われる。
光強度分布測定手段15から補正データ算出部16に送られる測定データに基づいて算出される補正データは補正処理部12に送出されて参照される。
光強度の測定用画像を表示して光強度分布測定手段15により計測を行う場合に、例えば、画像投射前の準備段階として、キャリブレーション等を行う段階で測定用画像を投射光学系9から出力し、光検出装置10で検出する形態が挙げられる。あるいは、画像投射を行いつつ、画像表示に悪影響を与えないように測定用画像を投射光学系9から出力し、光検出装置10で検出する形態も可能である。
図4は、画像投射装置に係る光学系について要部を例示した概略図である。
R、G、Bの各色に対応した一次元光変調素子4R、4G、4Bには、図示しない照明光源からの線状ビームがそれぞれ照射される。
変調された各レーザ光は、色合成ミラー21、22を用いて光学的に合成された後、オフナーリレー系23を介してガルバノスキャナ26に到達して光走査を受ける。
オフナーリレー系23は主鏡(凹面鏡)24と副鏡(凸面鏡)25を用いて構成され、色合成後の光は、先ず、主鏡24で1回目の反射を受けた後で、副鏡25で反射され、さらに主鏡24で2回目の反射を受けてから、ガルバノスキャナ26に向けて出射される。副鏡25にシュリーレンフィルタの機能(正反射光成分と回折光成分とを分離して、特定次数の回折光だけをとり出す機能)を持たせるか又はシュリーレンフィルタを副鏡25に付設することにより、1次回折光と0次回折光を分離し、1次回折光を選別して通過させることができる。本形態は、光学的な構成が簡単であって小型化等に好適であり、また、収差低減等に有効である。
オフナーリレー系23からガルバノスキャナ26に到達する一次元像の形成方向は、図4の紙面に垂直な方向とされ、光走査によって二次元中間像「g2」が形成される。本例では、二次元像の像面湾曲を除去するために、ガルバノスキャナ26の後に像面湾曲補正光学系27を配置している。尚、本例では、光走査後に画像投射を行う形態を採っているが、投射光学系の後段に光走査手段を配置した形態でも構わない。
像面湾曲補正後の二次元中間像g2は投射光学系9によってスクリーン上に拡大投影されるが、その光強度分布を測定するために測定装置28が用いられる。この測定装置28は上記した光強度分布測定手段15の光検出装置10を構成するものであり、投射光学系9の出射口近傍に位置され、投射光学系9からの出射光を集光した後に平均化された光強度を検出する。
本例では、集光用の光学素子29、積分球30、光検出手段31を備えており、投射光学系9からの出射光を光学素子29によって集光して積分球30に導入するとともに、積分球30により平均化された光強度の検出が光検出手段31によって行われる。
フレネルレンズ等の集光レンズを用いた光学素子29は、投影レンズから出射する光を全て集光して再結像させる機能を有する。
光学素子29によって集光されたレーザ光は、積分球30に形成された開口(図示せず。)から導入され、内部での多重反射によって積分球30内での光強度が均一化される。つまり、積分球30は平均化手段を構成しており、平均化された光強度が光検出手段31によって検出される。
光検出手段31を構成する光センサは、受光信号を電気信号に変換して出力し、検出信号が光強度分布計測の基礎データとされる(上記光強度分布計測処理部14に送出されて処理される。)。
測定装置28の設置形態としては、例えば、測定装置を画像生成装置の本体部に対して取り付け可能にした構成形態において、測定用画像を用いた光強度分布の測定時にのみ測定装置を本体部に設置し、該測定後には測定装置を取り外せるようにした構成が挙げられる。また、可動ステージ等の移動手段を用いて測定装置の位置決め制御を行えるようにした構成形態では、光強度分布測定時に測定装置28を投射光学系9の近傍位置に移動させることで、投射光学系9の出射光を測定装置28内の積分球30に導入することができる。尚、画像投射時には表示への影響を及ぼさない退避位置まで測定装置28を移動させる必要がある。
一次元光変調素子においては、その長軸方向の画素数に応じた数の測定が行われ、例えば、一次元方向に1080個の画素配列とされるGLV素子の場合、1番目の画素から始って1080番目の画素まで、1画素ずつ個別に点灯(ピクセルオンの状態)にして光センサの出力を記録する処理を逐次に行って測定データを収集する。これにより、各画素に関して独立した光強度の測定が可能となる。尚、画素配列方向に直交する方向を含めた二次元の測定データを収集するには、ガルバノスキャナ26の動作制御により光走査位置を変更しながら上記と同様の測定を行えば良い(例えば、可動ステージ等を動かして積分球30及び光センサの位置制御を行う等。)。
次に、上記測定によって得られる光強度分布の計測データに基づいて、一次元光変調素子に係る駆動信号を補正し、強度ムラや色ムラ(照射光分布の不均一性)を除去するための処理について説明する。
以下では、一次元光変調素子の長軸方向に対応した画素配列方向に関する補正処理について説明する。尚、この補正は、一次元光変調素子の特性や駆動回路の特性等にバラツキがあったり、周囲温度や経時変化等によって照明光が不均一化するといった要因に対して必要とされる。即ち、使用する一次元光変調素子において画素毎に対応する構成素子の変調特性にバラツキが存在せず、一次元光変調素子に対する照明光が均一とされる状況が常に成立するならば、画像信号に応じた素子の駆動制御によって理想的な画像表示を行うことが可能である。しかし、現実の一次元光変調素子には製造上の精度等に起因する素子自体の特性バラツキや、素子の駆動回路に係る特性のバラツキ等が存在する。
図5は一次元光変調素子としてGLV素子32を例示しており、3本ずつの固定リボンRs、Rs、…と可動リボンRm、Rm、…が交互に配置され、合計6本のリボンを一組として1ピクセルが形成される。つまり、リボンの幅方向に沿ってGLVに必要な画素数分、例えば、1080画素では、6480本のリボンを一次元方向に沿って配置することで空間変調素子が構成される。
(A)図では、駆動電圧が印加されていない場合に、リボンの位置的なバラツキが生じている様子を例示している。図の「Δh1」、「Δh2」に示すように(図には、ずれ量を誇張的に示す。)、可動リボンRmが本来位置すべき場所からずれているために、位置(基板からの高さ)のバラツキが問題となる。つまり、可動リボンや固定リボンの間に相対的な位置ずれが存在しない場合には、照明光がGLVに入射されたときに、正反射のみで回折光は発生しないので、スクリーン上での照度は最低レベル(例えば、黒レベル)となる。しかし、上記リボン位置の不揃いによって回折光が発生した場合に、可動リボンの位置誤差に応じて、意図しない明るさのレベルで表示されてしまう。これが光走査に伴って走査方向(横方向)に縞状に現出すると画面のコントラストの低下原因となる虞がある。
また、(B)図は、ある駆動電圧が印加されたときの様子を示しており、可動リボンがの固定リボンに対して移動されることで回折格子が形成される。
可動リボン群の位置は同一の駆動電圧に対して本来同じはずであるが、本例では図の「ΔH1」、「ΔH2」に示すように、可動リボンRmに位置ずれが生じている(図には、ずれ量を誇張的に示す。)。
複数の可動リボンと固定リボンが交互に配置されたGLVを一次元アレイ上に配置した構成では、電圧印加等の制御によって可動リボンの反射面を、固定リボンの反射面に対して相対的に移動させることにより光変調が行われるので、上記したリボン位置の不揃いが顕著な場合には、スクリーン上での輝度や色合いのバラツキを引き起こし、画質劣化の原因になる虞がある。
尚、本例においては、可動リボン及び固定リボンの各リボンについて、それらの反射面面が互いに平行な関係をもった構成とされているが、各反射面がその基準面(例えば、GLV素子の基板面と平行な面)から所定の角度をもって傾斜した状態で配置された構成(所謂ブレーズ型GLV。入射光の波長を「λ」と記すとき、それぞれ一平面上に並列したリボン群と他の一平面上に並列したリボン群との光路差がそれぞれλ/2となるように動作させることで、1次回折光のみが出射される。)でも上記と同様にリボン位置のバラツキが問題とされる。
(B)図におけるリボンの位置ずれは、リボン素子自体の製造上のバラツキの他、駆動回路の特性のバラツキがさらに加わった場合に複雑な様相を呈することになる。
この他、レーザ光源を用いて一次元光変調素子への照明光を得る場合には、照明プロファイルとして一次元方向に均一な明るさの強度分布(所謂「トップハット形状」)が必要とされるが、経年変化等による照明条件への影響が生じた場合に、画面上の輝度や色表示の不均一性の原因となる。例えば、単色光源を用いる場合においてさえ均一な照明光を充分な精度で得ることが難しいことや、3原色の色毎に波長の異なる全レーザ光源について均一な照明光を常に実現することは困難である。
そこで、一次元光変調素子に係る変調特性や該一次元光変調素子照明プロファイルの影響が、一次元像を形成する光の強度に反映されることを考慮して、光強度を検出するために上記測定装置28を用いて計測を行う。計測データのうち、一次元光変調素子の長軸方向に対応する一次元方向でのデータは、各画素位置での輝度や色の不均一性(均一状態からのずれ)を表すので、該データを測定することで、不均一性を除去すべく補正することができる(つまり、光強度分布の測定値を用いる代わりに、設計値やシミュレーション結果等から判明している分布特性を利用した補正も考えられるが、レーザ光源等の経時変化への対応を考慮した場合に、実測データに基づく補正処理が望ましい。)。
上記(II)のように画像投射装置を単独に使用する場合において、光強度分布測定手段15からの測定データに基づいて補正手段20は一次元光変調素子に係る駆動信号をそれぞれ補正する。そして、補正後の駆動信号に従う駆動手段13の制御により画素配列方向における光強度が均一化される(強度ムラの低減)。
処理の概要は以下の通りである。
(S1)表示輝度や色の不均一性について計測する
(S2)(S1)の計測データから一次元光変調素子に係る駆動制御の補正データを算出する
(S3)画像投射時には(S2)の補正データを用いて一次元光変調素子に係る駆動信号の補正制御を行う。
尚、(S1)では、例えば、各レーザ光源による光をこれに対応する一次元光変調素子に順次照射するとともに、該一次元光変調素子において各画素を構成するそれぞれの素子(例えば、1画素分のリボン群)には、測定用画像を表示させるための駆動信号(テスト信号)を供給し、各素子について光強度を計測する。例えば、GLV素子の場合、その駆動電圧を最小電圧から最大電圧まで段階的に変化させることで階調表示を制御できるので、各駆動電圧のレベル(階調段階)に応じて照明光を変調したときの光強度を知ることができる。
また、(S2)では、画素位置及び階調の違いに応じて個別に計測されるデータを、変調特性のバラツキ等がないとした場合に本来的に得られるはずのデータ(理想的なデータあるいは基準データ)と照合し、比較する。これにより、補正データの算出、つまり、どの程度の補正をすれば、現実の光強度を所定値(あるいは規定値)にすることができるかを把握できる。
(S3)では、算出された補正データを用いて実際に一次元光変調素子に駆動信号を供給して動作させる。
以下では、先ず、一次元光変調素子に係る変調特性による強度分布への影響と、照明条件の変化等による強度分布への影響とを区別することなく、総合的な影響が測定装置28による計測データに反映されているものとした場合の形態について説明する。
強度分布測定の手順例は、下記の通りである。
(S1−a)測定準備(測定装置28の位置設定等)
(S1−b)光源の点灯
(S1−c)変調特性の測定
(S1−d)光源を消灯する
(S1−e)別の光源に切り替えて(S1−b)、(S1−c)、(S1−d)の手順を繰り返す。
先ず、(S1−a)において測定装置28の位置決め等が行われる。
(S1−b)では、レーザ光源を点灯させると、照明光学系を経た線状ビームが該光源に対応する一次元光変調素子を照明する。
そして、(S1−c)では一次元光変調素子に係る全画素位置について、各画素の構成素子の変調特性、つまり、駆動電圧に対する変調光の輝度特性について測定する。
図6は測定用画像を表示するために一次元光変調素子の構成素子に印加する駆動信号電圧「DV」と、上記光検出手段31を構成する光センサの出力「PV」について説明するための図である。尚、横軸に時間「t」をとっており、(A)図の縦軸に「DV」を示し、(B)図の縦軸に「PV」を示しており、縦軸についてはいずれも相対値で示す。
本例において、測定用画像の表示に用いるテスト信号は、DVのレベル(相対値)が、0、1、…、254、255の段階で右肩上がりに変化する駆動電圧(三角波を量子化した階段波)とされ、各レベルに応じた駆動電圧が測定対象の構成素子に印加されて駆動される。これにより変調されたレーザ光は上記したように投射光学系9から測定装置28に導入された上で強度が測定される。
(A)図に示すように、テスト信号の駆動電圧が時間経過につれて一定の増分をもって変化する階段状とされるのに対して、変調光の強度変化は線形特性を示さず、図示のように、駆動電圧の低い範囲において強度がゼロであり、駆動電圧がある値(閾値)を超えた場合に強度がゼロではなくなって急に増加する特性を示す。
このような変調特性の測定は、各画素位置について上記と同様に行われるので、画素数とDVの階調段階数との積に等しい数のデータが収集される。
尚、上記の例では、レーザ光源を切り替えて上記の処理を個別に行っているが、例えば、R、G、Bの各レーザ光源を全て点灯させた上で、色毎の波長分離された強度を計測できるようにした構成形態では、レーザ光源の切り替えが不要であり、処理時間が速い。
単色光源を想定した場合には、画素位置と階調レベル(駆動電圧)を変数とした強度分布データが取得できるので、該データを予め用意されている基準データ(理想値や設計目標値)と比較することで、素子駆動の補正データを簡単に得ることができる。これは、実際の分布データに基づいて、ある画素位置における各階調の駆動電圧について過不足の度合を把握できるからである(例えば、強度不足の場合には該不足を補う方向に駆動電圧を補正すれば良い。)。
しかし、カラー表示の場合には明るさだけでなく色再現性等についての考慮が必要であるためやや複雑であり、色同士の関係を無視した均一性では不十分である。
図7は、横軸に画素位置をとり、縦軸に光センサ出力(相対値)をとって色毎の照明プロファイルを概略的に示したものである。
テスト信号における特定の駆動電圧(DV)を素子に印加して各画素位置での強度分布を測定した場合に、図の「Ic」(c=r、g、b)が照明プロファイルを示し(図には強度の不均一性を誇張して示している。)。
変調光の強度分布は、変調特性のバラツキや照明条件に起因するプロファイルのバラツキ等の諸要因によって支配されるため、各色の変調光の強度分布を完全に一致させることは事実上不可能であり、このことは経年変化や温度等の環境変化等による影響を考えれば明らかである。
そこで、以下に示す手順に沿って補正処理を行う。
(S2−a)変調特性に係る輝度値への変換
(S2−b)最大白輝度の算定
(S2−c)目標変調特性の算出
(S2−d)補正データの算出。
図7の各照明プロファイル「Ic」(c=r、g、b)は、光センサの出力(電圧値)として得られ、駆動電圧DVを表すパラメータを「v」と記し、一次元方向(素子の長軸方向)における画素位置を表すパラメータを「x」と記すとき、両者の関数「Ic(v,x)」(c=r、g、b)を用いて表現することができる。例えば、図6に示すデータに基づいて、あるレーザ光源の使用時に画素位置xを特定の位置「x=x1」に固定した場合の特性「Ic(v,x1)」を得ることができ、また、図7の各「Ic」は、vを所定値に固定した場合において、画素位置xを一次元方向において変更することによって得られる特性を示す。
先ず、(S2−a)では、上記Ic(v,x)で表されるデータ(電圧値)を、輝度値に変換する。
具体的には、目標とする白色光が得られるように、R、G、B各色の混合比Rm、Gm、Bmを求めて、それぞれの値でIc(v,x)を割れば良い。
3原色の各三刺激値を、R(Xr,Yr,Zr)、G(Xg,Yg,Zg)、B(Xb,Yb,Zb)とし、白の三刺激値を、W(Xw,Yw,Zw)とするとき、Rm、Gm、Bmとの関係は下式のように定義される。
つまり、白色の三刺激値を成分とする列ベクトルが、R、G、Bの三刺激値を列ベクトルとする3行3列の行列と、混合比を成分とする列ベクトルとの積で表される。
R(Xr,Yr,Zr)、G(Xg,Yg,Zg)、B(Xb,Yb,Zb)は使用するレーザ光源によって決められ、また、白についても色温度(例えば、6500K)から(Xw,Yw,Zw)が決められるので、実際の数値を[数1]式にして、Rm、Gm、Bmを算出することができる。例えば、下式のように、上記した3行3列の行列の逆行列を求めて、白色の三刺激値を成分とするベクトルとの積演算を行えば良い。
輝度を「Y」を記すとき、所定の色温度の白色について輝度「Y=1」で実現するための各色レーザ光についての混合量が算出される。
よって、変調光を混合した場合に実現可能な白の輝度を、Ywr、Ywg、Ywbで表すと、下式のようになる。
尚、光強度の計測に用いる光センサが波長感度を有する場合や、測定効率等を考慮する場合には、それらの影響を考慮した補正係数として、輝度変換係数「Kc」(c=r、g、b)を、上記「Ywc」(c=r、g、b)に乗算することで下式を得る。
IYr、IYg、IYbは、輝度変換係数を考慮した場合に実現可能な白色の輝度を、光源毎に示している。
図8は、横軸に画素位置(x)をとり、縦軸に輝度をとってIYr、IYg、IYbを概略的に示したものであり、駆動電圧値(v)として特定の値を選らんでいる。
この図では、IYr、IYg、IYbのうち、ある画素位置でIYbが最低値「IY0」を示しているので、実現可能な白の最大輝度がIYbによって制限されることが分かる(つまり、IYbにより輝度実現上の拘束条件が課せられるため、IY0よりも大きい白色輝度を実現することができない。)。
尚、ここでは、v値を固定して説明したが、IYr、IYg、IYbについてはvとxの関数であるから(IYc(v,x)、但し、c=r、g、b)、各駆動電圧値vに対してIY0のような最小値を探索する。これにより、上記(S2−b)において最大白輝度(これを「IYmax」と記す。)が決まる。
次に(S2−c)では、目標とする変調特性、即ち、駆動電圧値vに対する輝度特性(以下、これをvの関数「IT(v)」と記す。)を決める。
画像入力信号のγ特性に応じて、一次元光変調素子の構成素子には、理想的な変調特性が存在し、これを駆動電圧vの関数「IV(v)」で表すと、上記IT(v)は、「IT(v)=(IYmax)・(IV(v))」である。
図9は、目標とする変調特性IT(v)を例示したものであり、横軸に駆動電圧値vを示し、縦軸に輝度を示す。
IT(v)の示す特性を「目標変調特性」と呼ぶことにすると、例えば、該特性については設計段階で事前に調べておき、そのデータに基づく参照テーブルや計算式等を装置に組み込んでおく形態と、画像信号の選択に応じてユーザによる指定や選択を行えるように目標変調特性に係るデータの参照テーブルや計算式等を装置に組み込むようにした形態が挙げられる。
次に、目標変調特性を基準して行われる上記(S2−d)の補正処理について、図10を用いて説明する。
図10の左側に示す(A)図は、上記IT(v)を示しているが、縦軸(輝度軸)に関して図9とは鏡像関係となるように駆動電圧軸の向きを逆(左向き)に設定している。また、右側に示す(B)図は、強度分布測定によって得られる変調特性を示しており、横軸の駆動電圧軸を右向きにとり、縦軸に変調光の輝度をとっている。尚、図には代表例として、L画素目、M画素目、N画素目について各画素位置での特性IYc(v、x)を示す。
事前に用意されるか又はユーザにより指定された目標変調特性IT(v)の横軸は、補正前の駆動電圧値を表しており、例えば、図中の「Vin」で示す値に対して輝度「Y」の値が決まる。
(B)図において、横軸は補正後の駆動電圧値を表しており、図中の「Vout_l」、「Vout_m」、「Vout_n」は、上記輝度「Y」を目標輝度とする駆動電圧値を、L画素目、M画素目、N画素目についてそれぞれ示している。即ち、目標輝度「Y」を得るために必要な駆動電圧値は、一般に画素位置によって異なっており、各画素位置に応じた駆動電圧値をもって一次元光変調素子の画素毎に構成素子を駆動する必要がある。
図11は、横軸に補正前の駆動電圧軸(図10の(A)図の横軸に相当する。)をとり、縦軸に補正後の駆動電圧軸(図10の(B)図の横軸に相当する。)をとって両者の関係について例示したものである。
補正前にVinに対して、L画素目ではVout_l、M画素目ではVout_m、N画素目ではVout_nがそれぞれに算出される。
このように、補正前の駆動電圧値を示す任意のVinについては、画素位置の違いに応じて決まる駆動電圧値(Vout_l等)を算出することで補正されたデータの算出が可能である。例えば、Vinに対する画素位置に応じた補正データの関係を求めて、それらのデータテーブルを作成する形態が挙げられる。あるいは、データ量の削減や処理時間の短縮等のために、駆動電圧値や画素位置に応じた全ての補正データではなく、代表的なデータだけを保存しておき、補間計算等で推定される補正データを用いる形態等、各種の実施態様が可能である。
図12及び図13は、以上に説明した補正処理を実現するための構成例を示すものであり、図12は構成の概要を示し、図13は補正演算構成の要部を示す。
図12に示す構成例33において、信号処理部11に映像信号VIDEOが入力されると、内部の逆γ補正回路や色空間変換回路等を経て三原色の色信号が出力されて、後段のデータ補正部34に送られる。
また、測定装置28からの検出情報は検出信号処理部35に送られ、ゲイン調整回路35a、A/D変換回路35bにより処理される。ゲイン調整回路35aは、変調光の検出信号について光センサにおける検出感度の相違を補正するために設けられている。また、A/D変換回路35bはゲイン調整後のアナログ信号をディジタル信号に変換してデータ補正部34内の計測データ記憶部34aにデータを送出して蓄積するものである。尚、検出信号処理部35は上記光強度分布計測処理部14を構成している。
データ補正部34は、計測データ記憶部34aと、補正値演算部34bと、データテーブル記憶部34cと、選択部34dを有する。
一次元光変調素子における各画素の構成素子について測定されたデータは計測データ記憶部34aに格納されており、補正値演算部34bは、測定用のテスト信号を用いた画像表示に関して画素毎のデータを用いて上記した変調特性を求めるとともに、照明プロファイルを導出する。
そして、補正値演算部34bは上記(S2−a)乃至(S2−d)の処理を行うことにより得られる補正データをデータテーブル記憶部34cに送出して記憶領域に記憶させる。
データテーブル記憶部34cは、図11に説明したように補正前の駆動信号を受けた場合に、補正用に記憶されているデータを読み出して駆動信号を出力するものである。本例では、データテーブルを参照して補正データを読み出す形態を採っているが、補間計算等の演算処理を用いて補正後の駆動信号を算出する形態では、データテーブル記憶部34cを演算処理手段に置換すれば良い。
選択部34dはデータテーブル記憶部34cからの出力と測定用のテスト信号を切り替えて駆動部36に送出するものである。つまり、強度分布の測定時にはテスト信号(TEST)が選択され、また、画像表示時にはデータテーブル記憶部34cの出力が選択される。
選択部34dの出力は、駆動部36を構成するD/A変換回路36a、次段の駆動回路36bを経た上でGLV素子を用いた光変調部に送出される。尚、D/A変換回路36aはデータ補正部34から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換するために設けられており、駆動回路36bは変換後のアナログ信号を入力信号として信号電圧に応じたGLV素子に駆動電圧を供給するものである。
制御部37は、信号処理部11、データ補正部34、検出信号処理部35等の各構成部に制御信号を送出することにより、タイミングの制御や信号切替等を行ったり、また、レーザ光源の点消灯や強度分布測定時の光走査制御等を行う等の役目を有する。
図13は、補正値演算部34bの構成例を示したものであり、下記の要素を備えている(括弧内の数字は符号を示す。)。
・電圧−輝度変換部(38)
・輝度分布解析部(39)
・理想変調特性関数生成部(40)
・乗算部(41)
・補正テーブル生成部(42)
・データテーブル記憶部(43)
先ず、一次元光変調素子に係る変調特性「Ic(v,x)」(c=r、g、b)の各データは、電圧−輝度変換部38において上記のように変換され、輝度の関数「IYc(v,x)」(c=r、g、b)が得られる。この関数のデータは輝度分布解析部39に送られて解析されるとともに、補正テーブル生成部42に送出される。
輝度分布解析部39は、画素位置に対する輝度分布を示すIYc(v,x)のデータから上記のように最小値を探して最大白輝度IYmaxを決定する。
また、理想変調特性関数生成部40は、上記IV(v)のデータを生成して乗算部41に送る。
乗算部41ではIV(v)のデータと、輝度分布解析部39からのIYmaxのデータとを掛け算する。つまり、目標変調特性IT(v)のデータを算出して、これを補正テーブル生成部42の各構成部42c(c=r、g、b)に送出する。
補正テーブル生成部42は、IT(v)のデータと、上記IYc(v,x)(c=r、g、b)のデータに基づいて、図10、図11で説明したように駆動信号の補正処理を行う。その結果得られたデータがデータテーブル記憶部43の各構成部43c(c=r、g、b)にそれぞれ送られ、色毎に用意された記憶領域に書き込まれる。
上記に説明した測定及び補正処理によって各色レーザ光源に係る輝度プロファイルが同じレベルに揃えられ、目標とする色温度の白を正しく表現することができる。
尚、本例では、一次元光変調素子に係る変調特性や照明プロファイルの強度分布への影響を区別せずに測定装置28による計測データを取得して補正処理を行ったが、これに限らず、両者の影響を各別に計測して補正処理を行う形態が可能である。
例えば、照明光の不均一性を排除した条件下で一次元光変調素子の構成素子に係る変調特性について強度分布を事前に測定しておく。そして、レーザ光源の照明プロファイルについては画像表示前や画像表示を行いながら強度分布を測定する。このような各別の測定結果に基づいて駆動信号の補正データを得ることができる(つまり、前記の例は、両者の影響を1回の測定で取得するものであるが、原因別に2回の測定に分けることが可能である。)。
例えば、GLV素子の製造誤差や駆動回路の特性誤差等については経時変化や温度変化等による影響が少ないのに対して、光源に関する照明条件については経時変化や温度変化等の影響が大きい。即ち、GLV素子の変調特性のバラツキについては最初に1回か少数回の測定を行っておけば、その後の変化が少ないのに対して、照明条件の変化については時間が経過したり周囲環境が変化した場合にはその都度測定を行う必要が生じる。
そこで、両者の影響を弁別し、照明条件の影響を含まないように配慮して素子の変調特性を測定する工程を先に行っておき、実際に装置を使用する前あるいは使用中に素子への照明プロファイルの測定を行う方法を採用すれば、毎回の補正処理にかかる負担や処理時間の短縮等に有効である。
手順例は下記の通りである。
(ST1)一次元光変調素子に係る変調特性について測定する
(ST2)一次元光変調素子に対する照明プロファイルについて測定する
(ST3)(ST1)及び(ST2)で得られた計測データに基づいて補正データを算出する
(ST4)画像投射時には(ST3)の補正データを用いて一次元光変調素子に係る駆動信号の補正制御を行う。
先ず、(ST1)では、一次元光変調素子の構成素子について照明光の不均一性を排除した場合の変調特性を測定する。
例えば、図14に示すような専用装置44を用いて、R、G、B各色のレーザ光源(基準光源)を含む光源部45からの光を照明光学系46でビーム整形した後、ミラー47で反射させてから一次元光変調素子(GLV素子)を照射する。
照明光学系46は光源部45からの単色レーザ光をスポット状にしてから、GLV素子における各画素の構成素子を対象として素子毎に光を照射するために設けられている。
GLV素子の構成素子のうち、ビームスポットの照射対象とされる素子については、前記したようなテスト信号に従う駆動電圧が印加され、これによって変調された光はミラー48で反射した後、結像用のレンズ49、空間フィルタ50を経て光検出部51に到達して検出される。つまり、空間フィルタ50によって特定次数の回折光、例えば、1次回折光が選別されて、光検出部51を構成する光センサにより受光される。
GLV素子は、該素子に係る位置の固定及び調整のための支持装置52に載置されており、GLV素子に設けられた位置合わせ用のマークを基準として測定時における素子位置と照明光との設定状況等が調整される。
測定処理においては、前記と同様に画素位置と駆動電圧値をパラメータとして各色光源について光強度分布を計測するが、対象素子への照明プロファイルの影響が出ないように高精度の均一性をもった強度分布で対象素子への照射が行われる。
(ST1)の測定を終えた素子が画像表示装置に搭載されるとともに、各素子の測定データが装置内の記憶領域に保存されて装置に組み込まれる。
次に(ST2)では、例えば、画像表示の直前の較正段階において、画像表示装置内の各レーザ光源を点灯させて一次元光変調素子への照明を行う。そして、画素毎の構成素子について、テスト信号に従う駆動電圧を印加し、変調された光を上記と同様に測定装置28で計測する。
この計測によって得られるデータには、画素毎の構成素子に係る変調特性の影響が含まれるために、画像表示装置のレーザ光源及び照明光学系のみの影響を反映した照明プロファイルの不均一性だけを測定することはできない。何故なら、装置搭載の一次元光変調素子に照射した後に変調された光を上記測定装置28で測定する場合には、素子固有の変調特性(製造誤差や駆動回路の特性誤差等に依存する。)のバラツキによる影響が常に不可分に存在するためである。
しかしながら、構成素子の変調特性による影響を無視できる程に該素子への駆動電圧を大きくし、光強度を高くした状況では、近似的に照明プロファイルについて測定することが可能である。
例えば、GLV素子を構成する可動リボンの最大変位量が入射光波長λの4分の1であり、青色ではλ=460nm(ナノメートル)として、115nmである。これに対してリボン表面の位置的なバラツキはせいぜい数nm程度であり、可動リボンを最大又はこれに近い範囲の変位量をもって動かす場合には、リボン自体の表面の凹凸や駆動信号値の誤差等に起因する影響が充分に小さいので、無視することができる。
よって、例えば、図6のようなテスト信号の駆動電圧において、階調レベルの高い範囲(240乃至255の範囲)を採用し、大きな駆動電圧を素子に印加して動作させ、そのときの変調光を測定すれば、素子の変調特性の影響を充分に排除した照明プロファイル(つまり、画素位置に応じた強度分布)の測定データを得ることができる。尚、実際上、テスト信号において駆動電圧が高い範囲では、駆動電圧の変化に対して変調光の強度変化があまり大きくないので(飽和的な特性を示す。)、所定の駆動電圧範囲を設定して強度測定を行うことにより照明プロファイルについて画素毎の代表値が得られる。
(ST3)では、素子の変調特性と照明プロファイルについての測定データを総合した上で上記と同様に補正データを算出することができる。即ち、最終的な画像への影響(輝度ムラや色ムラ等)は両者の影響を合成したものであるから、総合的な補正処理が必要である。
処理の手順例は、以下の通りである。
(ST3−a)照明プロファイルの算出
(ST3−b)素子固有の変調特性データの読み込み
(ST3−c)照明プロファイルを含めた変調特性の算出
(ST3−d)最大白輝度の算定及び目標変調特性の算出
(ST3−e)補正テーブルの算出
先ず、(ST3−a)では、各一次元光変調素子について測定装置28を用いて計測されたデータが得られる。これらを関数「IQc(v,x)」(c=r、g、b)で表すとき、駆動電圧値の大きい範囲で素子を動かしたときの光強度検出データの最大値(電圧値)を抽出するとともに、電圧−輝度変換により、光源別の照明プロファイルを算出する(以下、関数「Pc(x)」(c=r、g、b)と記す。)。
(ST3−b)において、素子及び駆動回路を含めた固有の変調特性(以下、関数「ISc(v,x)」(c=r、g、b)と記す。)のデータを得る。これは画像投射装置に実装される各一次元光変調素子について、上記のように事前に測定済みである。
尚、(ST3−a)と(ST3−b)とは逆順でも構わない。
(ST3−c)では、Pc(x)とISc(v,x)とを合成した変調特性「IYc(v,x)」(c=r、g、b)を算出する。具体的には、両者の乗算によって、「IYc(v,x)=Pc(x)・ISc(v,x)」(c=r、g、b)を得る。
(ST3−d)では、算出されたIYc(v,x)を解析して、最大白輝度を算定する。例えば、図15に示すように、vをある駆動電圧値としたIYc(v,x)において、x方向(画素配列方向)に沿って複数の領域に区分し、各領域について実現可能な白の最大値(以下、関数「IYmax(v,x)」と記す。)を決定する。
前記した例では、IYmaxを画素位置xに依らない一定値としたが、下記のような最大輝度関数を求めることが可能である。
領域1(図の「REG1」参照): IYmax1(v,x)=a・x+b
領域2(図の「REG2」参照): IYmax2(v,x)=c
領域3(図の「REG3」参照): IYmax3(v,x)=−d・x+e
尚、上式中のa、b、c、d、eは定数であり、v値を固定した場合に、本例ではxの一次関数で表されるが、これに限らず、2次以上の高次関数を用いても構わない。
目標変調特性IT(v,x)については、上記と同様に理想変調特性IV(v)とIYmax(v,x)との乗算によって得られる。
(ST3−e)では、IT(v,x)と、IYc(v,x)から前記と同様の手順でVinから補正された駆動電圧値を得ることができるが、本例では、目標変調特性において画素位置xの依存性をもつことに注意を要する。つまり、図10において、L画素目、M画素目、N画素目に応じた目標変調特性を個別に用いて補正データを算出する。
(ST4)では、画像入力信号に応じた補正データから一次元光変調素子への駆動信号を生成して画素毎の構成素子について駆動制御が行われる。
図16は補正値演算部34bの構成例を示したものであり、図13に示した構成例との相違点は下記の通りである。
・「IQc(v,x)」(c=r、g、b)のデータが電圧−輝度変換部38に入力され、照明プロファイルを示す「Pc(x)」(c=r、g、b)が出力されて乗算部53c(c=r、g、b)にそれぞれ供給されること
・「ISc(v,x)」(c=r、g、b)のデータが記憶部54に格納されており、該データが乗算部53c(c=r、g、b)にそれぞれ供給されること
・乗算部53c(c=r、g、b)の各出力が輝度分布解析部39及び補正テーブル生成部42に供給されること
・輝度分布解析部39がIYmax(v,x)を乗算部41に出力することで、目標変調特性IT(v、x)が得られ、これに従うデータが補正テーブル生成部42c(c=r、g、b)にそれぞれ供給されること。
電圧−輝度変換部39では、IQc(v,x)のデータにおいて強度の最大値を取り出すことでv依存性のないデータ(電圧値)を得るとともに、輝度値への変換によりPc(x)のデータを出力する。尚、具体的な変換方法は既述の通りである。
乗算部53c(c=r、g、b)において「IYc(v,x)=Pc(x)・ISc(v,x)」(c=r、g、b)が計算される。
輝度分布解析部39では、IYc(v,x)のデータを解析してIYmax(v,x)を出力し、乗算部41では理想変調特性IV(v)との積として目標変調特性が算出される。
補正テーブル生成部42では、得られた目標変調特性IT(v,x)と、実際に測定された変調特性IYc(v,x)に基づいて、表示画像の輝度や色の不均一性がなくなるように照明光の色毎にかつ各画素位置に応じて駆動信号の補正を行う。こうして得られた補正データがデータテーブル記憶部43の記憶領域に書き込まれる。
画像表示を行う際には、画像入力信号を受けてデータテーブル記憶部43c(c=r、g、b)のデータが参照され、画素位置及び素子の駆動信号レベルに応じた駆動制御(補正制御)が行われる。
本形態において、素子固有の変調特性に関するデータについては事前測定を行って記憶部54に格納しておき、経時変化や環境変化等に影響されやすい照明プロファイルの測定データを適時に測定することにより、補正用テーブルのデータを随時に又は必要に応じて更新していくことができる。
また、IYmaxについて、画素配列方向に区分される領域毎の設定を行えるので、輝度に係る利用効率を高めることができる(例えば、IYmaxの値を画素位置に関係なく一律に規定する場合において、本来的には輝度の利用可能な範囲が使用できなくなる虞がある。)。
画像投射装置1_1や1_2の単独使用時には、以上に説明した補正による輝度ムラや色ムラの除去が可能であるが、図21で説明したように、各画像投射装置について個別的にキャリブレーションを行った結果を合成する場合に、装置毎のキャリブレーション後の輝度分布を加算して合計したのでは、スタッキングによる重ね合わせ画像全体での利用可能な光束が少なくなる。
即ち、画像投射装置を単独に使用する場合と、画像投射装置を他の画像投射装置と組み合わせて使用する場合とでは、色ムラの補正方法を変更する必要があり、後者の場合には、図2で説明したように、装置毎の照明プロファイルを色別の合成した総和的なプロファイルを用いてキャリブレーションを行い、その結果として得られる装置毎の補正照明プロファイル信号を生成して該信号に従って光変調素子の駆動補正を行うことが望ましい。例えば、画像投射を複数のモード別に行えるように構成された装置の場合、前記(II)のモードでは画像投射装置の単独使用時に上記した測定処理及び補正処理が行われ、前記(I)のモード(スタッキングモード)では、下記に示す測定処理及び補正処理が行われる。
(SS1)照明光に係る各色の強度分布を装置毎に計測する
(SS2)(SS1)の計測データから各色のプロファイルを合成して輝度(PT_min)を決定し、装置毎の照明プロファイル(補正プロファイル)を生成する
(SS3)(SS2)で生成された補正プロファイルに基づき、各装置において一次元光変調素子に係る駆動制御の補正データを算出する
(SS4)画像投射時(スタッキング時)には(SS3)で得られた補正データを用いて装置毎の一次元光変調素子に係る駆動信号の補正制御を行う。
図17は補正プロファイル生成の流れを例示したフローチャート図である。
先ず、ステップS1において照明プロファイル測定モードを設定した上で、次ステップS2では、測定装置28を用いて各色の照明プロファイルを測定する。つまり、n台のプロジェクタを用いたスタッキングを想定した場合に、i番目のプロジェクタに係る各色の照明プロファイルを「Pc_i」(c=r、g、b)と記すとき、i=1〜nについての測定データをそれぞれ取得する。尚、「Pc_i」は画素位置xの関数「Pc_i(x)」で表される。
次ステップS3では、全てのプロジェクタについて測定を終えたか否かを判断し、終了の場合にステップS4に進むが、未測定のプロジェクタが残っている場合には、ステップS2に戻って測定を繰り返す。
ステップS4では各色の照明プロファイルについての総和、即ち、上記「Pc_sum(x)」(c=r、g、b)を算出した後、次ステップS5に進んで、それらの最小値「PT_min」を算出する。
そして、次ステップS6では、「Yc(x)=PT_min」(c=r、g、b)とおいて、iの初期値を1にセットする。
次ステップS7では、「Yc(x)」(c=r、g、b)から、i番目の装置に係る各色の輝度換算プロファイル「Yc_i」(c=r、g、b)を引算したものを新たなYc(x)とする。そして、i値をインクリメントする(i→i+1)。
ステップS8では、「i<n」を満たすか否かを判断し、該条件が真の場合にはステップS9に進むが、該条件が偽の場合にはステップS7に戻る。
ステップS9では、補正プロファイル「RefPc_i(x,v)」(c=r、g、b。i=1〜n)を下式で計算する。
・1≦i≦n−1の場合
RefPc_i(x,v)=Yc_i(x)・IV(v)
・i=nの場合
RefPc_i(x,v)=Yc(x)・IV(v)
尚、n台目のプロジェクタについては、i=1〜n−1のYc_iをPT_minから引算した残りYc(x)が割り当てられる。
ステップS10では全ての色(本例では3色)について補正プロファイルを算出したか否かを判断し、終了時には上記の算出処理を終えるが、未終了の場合にはステップS6に戻って別の色を指定した上で上記の算出処理が繰り返えされる。
本例では、3原色について説明したが、多原色への適用も勿論可能である。
図18は上記補正プロファイル生成部1bの構成例を示したものである。
本例では、2台の画像投射装置1_1、1_2を想定し、それらの照明プロファイル「Pc_1」(c=r、g、b)、「Pc_2」(c=r、g、b)が加算部55c(c=r、g、b)をそれぞれ介して輝度分布解析部39に送られる。つまり、Pc_1とPc_2とが加算部55c(c=r、g、b)で足し算され、Pc_sum(c=r、g、b)が輝度分布解析部39に供給される。
そして、輝度分布解析部39においてPT_minが決定されると、上記した手順に従って輝度換算のプロファイル「Yc_1」(c=r、g、b)、「Yc_2」(c=r、g、b)が算出され、これらと理想変調特性関数生成部40からのIV(v)とが乗算部56c(c=r、g、b)において掛け算される。
こうして、「RefPc_1」(c=r、g、b)、「RefPc_2」(c=r、g、b)に示されるように、各装置に係る補正プロファイルが生成され、それらは画像投射装置1_1、1_2に送出されてそれぞれの基準プロファイルとして使用される。
図19は各装置における補正処理手段の要部(補正値演算部)について説明するためのものであり、図には画像投射装置1_1の場合を例示している。尚、図において装置1_1内では、装置識別用の指標「_1」を省略している。
色毎の測定結果は、「Pc(x)」(c=r、g、b)として乗算部53c(c=r、g、bにそれぞれ送られる。
記憶部54c(c=r、g、b)には、各色に応じたデータ「ISc(v,x)」(c=r、g、b)が記憶部54c(c=r、g、b)にそれぞれ格納されており、該データが乗算部53c(c=r、g、b)にそれぞれ供給される。
乗算部53c(c=r、g、b)の出力データと、上記プロファイル「RefPc_1」(c=r、g、b)のデータが、補正テーブル生成部42c(c=r、g、b)にそれぞれ供給され、ここでは、RefPc_1を目標変調特性として、実際の変調特性「IYc(v,x)」(c=r、g、b)に基づいて照明光の色毎にかつ各画素位置に応じて駆動信号の補正を行う。こうして得られた各補正データがデータテーブル記憶部43c(c=r、g、b)の記憶領域にそれぞれ書き込まれる。
図20は補正テーブルに関する説明図であり、左上の(A)図は、上記RefPc_i(例えば、RefPc_1)を示し、これはvとxに依存する目標変調特性関数である。横軸の駆動電圧軸を左向きにとり、縦軸には輝度を示す。また、右上の(B)図は、強度分布測定によって得られる変調特性を示しており、横軸の駆動電圧軸を右向きにとり、縦軸に変調光の輝度をとっている。尚、図には代表例として、M画素目、N画素目について各画素位置での特性IYc(v、x)を示す。
目標変調特性IT(v)は、装置1_1において「RefPc_1(x,v)=Yc_1(x)×IV(v)」であり、(A)図の横軸は、補正前の駆動電圧値を表しており、例えば、図中の「Vin」で示す値に対して輝度「Y」が決まる。
(B)図において、横軸は補正後の駆動電圧値を表しており、図中の「Vout_m」、「Vout_n」は、上記輝度「Y」を目標輝度とする駆動電圧値を、M画素目、N画素目についてそれぞれ示している。
下方に示す(C)図は、横軸に補正前の駆動電圧軸をとり、縦軸に補正後の駆動電圧軸をとって両者の関係について例示したものであり、画素位置毎の補正テーブルを表している。
補正前にVinに対して、M画素目ではVout_m、N画素目ではVout_nがそれぞれに算出される。
このように、一次元光変調素子に係る画素毎の変調特性について補正用テーブルが各画像投射装置において作成される。該補正用テーブルを用いて画像投射時(スタッキング)に駆動電圧補正が行われることになるが、データテーブルの参照方式に限らず、補間計算等で推定される補正データを用いる形態等が勿論可能である。
上記に説明した補正によって画素配列方向、つまり一次元光変調素子の長軸方向における強度分布の均一性が充分に保証されるが、光走査方向に対応した横方向(水平方向)についても同様に補正を行うことができる。例えば、測定装置28を用いて計測されて輝度に変換されるデータについて、光走査に方向に延びる軸(以下、「y軸」とする。)での位置依存性を考慮する場合に、これを「IYc(v,x,y)」(c=r、g、b)と表わすことができ、同様に、目標変調特性関数についてもy座標値を含む関数とした上で補正テーブルの生成や補間計算による補正データの算出等が可能である(IYc値と目標値とを比較して、水平方向の強度分布が一定となるように素子駆動信号を補正すれば良い。)。尚、画面の横方向における補正は、例えば、一次元像の光走査によって形成される二次元中間像を投射する構成形態において、周辺光量低下を抑制するのに有効である。
以上に説明した構成によれば、例えば、下記に示す利点が得られる。
・スクリーン上に投影される画像の色ムラ等を測定し、計測データに基づいて光変調素子の駆動補正を行うことにより、画質の向上が可能であること。
・複数台のプロジェクタ装置による投影画像を重ね合わせてスクリーン上に表示させるスタッキングにおいて、輝度分布の均一化を実現でき、しかもそのために光束利用率の低下を伴わないこと。
・スタッキングにおいて、各プロジェクタ装置に係る輝度の均一化は不要であり、個々の装置に輝度ムラがあっても構わないこと(つまり、画像全体として色ムラや輝度ムラがなく、照明の均一性の高い画像投射を実現できれば良い。)。
1_1、1_2…画像投射装置、1a…プロファイル測定部、1b…補正プロファイル生成部、4R、4G、4B…一次元光変調素子、9…投射光学系、13…駆動手段、15…光強度分布測定手段、18…光走査手段、20…補正手段