JP4585081B2 - 軽油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硫黄分含有量の少ない軽油組成物に関するものであり、より詳しくはディーゼル排出ガス中のパティキュレート量をエンジンの全負荷範囲で大幅に低減させることが可能な軽油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル排出ガスに含まる成分としては、主に窒素酸化物(以降NOxと表示)と粒子状物質(以降PMと表示)が問題視されている。
NOxは主に空気中の窒素がエンジン内で酸素と反応し生成する物質であり、これにはNOやNO2等が含まれる。PMは排出ガス中の微粒子であり、燃焼によるすす(煤)や燃料または潤滑油に含まれる高沸点、高分子の未燃焼成分が排出されたものである。これらの物質は大気汚染や酸性雨の原因となっており、早急な低減対策が求められている。また最近ではホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを含むアルデヒドも人体の健康への悪影響や臭気面から注目されている。
【0003】
平成9年10月以降、ディーゼルエンジンの燃料として使用されている軽油は、自動車へのSOF触媒(有機溶剤可溶分酸化触媒)およびNOx還元触媒等の後処理装置搭載を前提として、その硫黄分含有量が500質量ppm以下に下げられている。しかし、これらの後処理装置は、その効率が低いことや耐久性等の問題があり、実用化されているものは非常に少ないのが現状である。
現在、市場には最新の排出ガス低減対策を施した車両が投入されつつあるが、既販車との置き換わりにも多くの時間を必要としているため、その根本的な解決には至っていない。
また、2003年以降は更に厳しい排出ガス規制が導入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、2003年以降の厳しい排出ガス規制が実施されることから、また市場に最新の排出ガス低減技術を施した車両が普及するまでには多大な時間を要することからも、排出ガスの低減には、燃料の品質を向上させることが即効性が高く、非常に有効であると考えられる。そして燃料としては、既存のディーゼル車に有効なだけでなく、DPF装着などの排出ガス対策が進んだ車両に対しても有効な燃料が求められている。
排出ガス低減のための燃料の改良方法としては幾つか考えられるが、含酸素化合物を配合した燃料はエンジン部材等への悪影響も懸念され、本格的な使用には多くの問題を解決しなければならない。
従って、本発明の目的は、ディーゼル排出ガスに含まれるパティキュレートの排出をエンジンの全負荷範囲で大幅に低減させることが可能な軽油組成物を提供することにある。特にDPF装着車に対しても排出ガスの低減(中でもPM濃度低減)に有効な軽油組成物を提供することでもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、初留点が145℃以上、95容量%留出温度が270℃以下、かつ硫黄分含有量が80質量ppm以下の軽油基材を50〜85容量%含有するベース軽油にセタン価向上剤を組成物全量基準で500質量ppm以上含有し、かつセタン指数が45以上、90容量%留出温度が280℃〜315℃、硫黄分含有量が500質量ppm以下、15℃における密度が802〜820kg/m 3 、二環以上の芳香族分含有量が3容量%以下、そして30℃における動粘度が1.7mm2/s以上である軽油組成物にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の軽油組成物は、ベース軽油とセタン価向上剤とを含有し、該ベース軽油が、初留点(IBP)が145℃以上、95容量%留出温度(T95)が270℃以下、かつ硫黄分含有量が80質量ppm以下の性状を有する軽油基材を含有する。
まず、軽油基材について説明する。
一般に初留点(IBP)が低くなると、排出ガス中の炭化水素量は増加しやすくなる。本発明では、145℃以上の軽油基材を用いることにより、排出ガス中の炭化水素量を低減させることができる。一方、初留点が高すぎると、低温始動性及び低温安定性(低温運転性)に不具合が生じ易くなる。このため、本発明の軽油基材の初留点は150℃以上であることが好ましく、155℃以上であることが更に好ましい。一方、初留点の上限は、210℃以下であることが好ましく、更に好ましくは200℃以下である。
また95容量%留出温度(T95)については、一般にT95が高すぎると、排出ガス中のPM濃度低減効果が十分得られにくくなる。本発明では、T95が270℃以下の軽油基材を用いることにより、より大きな排出ガス中のPM濃度低減効果を得ることができる。一方、T95が低すぎると、潤滑性能が低下しやすくなる。このため、本発明の軽油基材の95容量%留出温度は220℃以上であることが好ましく、230℃以上であることが更に好ましい。一方、95容量%留出温度の上限は、265℃以下であることが好ましく、更に好ましくは250℃以下である。
【0007】
軽油基材中の硫黄分含有量は、排出ガスの後処理装置の耐久性を維持させるために少ないことが好ましい。本発明では、硫黄分含有量は50質量ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは30質量ppm以下、特に10質量ppm以下である。
【0008】
本発明で用いる軽油基材は、上記の性状を有するものであるが、それら以外の性状は、下記の通りであることが好ましい。
10容量%留出温度(T10) :170〜250℃
50容量%留出温度(T50) :185〜210℃
90容量%留出温度(T90) :210〜260℃
蒸留終点(EP) :230〜280℃
密度@(15℃) :780〜805kg/cm3
芳香族分含有量 :23容量%以下
引火点 :40〜55℃
煙点 :23℃以上
【0009】
本発明で用いる軽油基材の性状について更に詳述する。
軽油基材の10容量%の留出温度(T10)については、この温度が低すぎると、排出ガス中の炭化水素量が増加し易くなり、一方、その温度が高すぎると、低温始動性及び低温安定性に不具合が生じ易くなる。このため、本発明で用いる軽油基材の10容量%の留出温度は、170℃以上であることが好ましく、更に好ましくは175℃以上である。一方、10容量%の留出温度の上限は、250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは200℃以下である。
軽油基材の50容量%の留出温度(T50)については、この温度が低すぎると、排出ガス中の炭化水素量が増加し易くなり、一方、その温度が高すぎると、排出ガス中のPM濃度が増加し易くなる。このため、本発明で用いる軽油基材の50容量%の留出温度は185℃以上であることが好ましく、更に好ましくは195℃以上である。一方、50容量%の留出温度の上限は、210℃以下であることが好ましく、更に好ましくは205℃以下である。
【0010】
軽油基材の90容量%の留出温度(T90)については、この温度が高すぎると、排出ガス中のPM濃度が増加し易くなる。一方、その温度が低すぎると、潤滑性能が低下し易くなる。このため、本発明で用いる軽油基材の90容量%の留出温度は210℃以上であることが好ましく、更に好ましくは220℃以上である。一方、90容量%の留出温度の上限は、260℃以下であることが好ましく、更に好ましくは240℃以下である。
軽油基材の蒸留終点(EP)については、この温度が高すぎると、排出ガス中のPM濃度が増加し易くなる。一方、その温度が低すぎると、潤滑性能が低下し易くなる。このため、本発明で用いる軽油基材の蒸留終点は230℃以上であることが好ましく、更に好ましくは240℃以上である。一方、蒸留終点の上限は、280℃以下であることが好ましく、更に好ましくは260℃以下である。
【0011】
軽油基材中の芳香族分含有量は、排出ガスに含まれるNOxおよびPMの各濃度に関係し、この含有量が多すぎると、排出ガス中のNOxおよびPMの各濃度が増加しやすくなる。このため、芳香族分含有量は、23容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは15容量%以下である。ここで、芳香族分含有量は、JIS K 2536に規定する「石油製品−成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法に準拠して測定される芳香族分の容量%を意味する。
【0012】
軽油基材の15℃における密度については、その値が小さすぎると、十分な燃料消費率および加速性が得られにくくなる。一方、その値が、大きすぎると排出ガス中のPM濃度低減効果が十分に得られにくくなる。このため、本発明で用いる軽油基材の密度は780kg/m3以上であることが好ましい。一方、軽油基材の密度の上限は、805kg/m3以下であることが好ましく、更に好ましくは800kg/m3以下である。ここで密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0013】
軽油基材の引火点については、その値が高すぎると、排出ガス中のPM濃度低減効果が十分に得られにくくなる。一方、この値が低すぎると、排出ガス中の炭化水素量が増加し易くなる。このため、本発明で用いる軽油基材の引火点は40℃以上であることが好ましく、更に好ましくは45℃以上である。一方、軽油基材の引火点の上限は、55℃以下であることが好ましく、更に好ましくは50℃以下である。ここで引火点とは、JIS K 2265「原油及び石油製品―引火点試験方法」により測定される引火点を意味する。
【0014】
軽油基材の煙点については、その値が低すぎると、排出ガス中のPM濃度低減効果が十分得られにくくなる。このため、本発明で用いる軽油基材の煙点は23mm以上であることが好ましく、更に好ましくは27mm以上である。ここで煙点とは、JIS K 2537「石油製品―航空タービン燃料油及び灯油―煙点試験方法」により測定される煙点を意味する。
【0015】
本発明で用いる軽油基材は、ベース軽油中に少なくとも50容量%以上含有する。その上限は、目的の性能の軽油組成物によって調整されるが、その上限値は好ましくは99容量%であり、更に好ましくは95容量%であり、特に好ましくは90容量%であり、最も好ましくは85容量%である。
【0016】
本発明で用いるベース軽油は、主成分である上記性状の軽油基材とその他の性状の軽油基材とを最終目的の性状となるように混合することで調製することができる。また本発明の軽油基材及びその他の軽油基材は、公知の方法で得られた各種の軽油を用いて調製することができる。
軽油基材としては、例えば、原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油;常圧蒸留装置から得られる直留重質油や残査油を減圧蒸留装置にかけて得られる減圧軽油;減圧蒸留装置から得られる減圧軽油を水素化精製して得られる水素化精製軽油;直留軽油を通常の水素化精製より苛酷な条件で一段階または多段階で水素化脱硫して得られる水素化脱硫軽油;脱硫または未脱硫の減圧軽油、減圧重質軽油あるいは脱硫重油を接触分解して得られる接触分解軽油;原油の常圧蒸留により得られる直留灯油;直留灯油を水素化精製して得られる水素化精製灯油;原油の常圧蒸留によって得られる軽油留分を分解して得られる分解灯油などの1種もしくは2種以上が使用可能である。
なお、本発明で用いる軽油基材中の硫黄分含有量が80質量ppmを越えている場合には、水素化精製などの適当な手段(脱硫処理)を用いることで所定の硫黄分にすることができる。
また、本発明の軽油組成物を調製する際に、ベース軽油の硫黄分含有量が500質量ppmを越えている場合には、セタン価向上剤などの配合に先立って、上記のような脱硫処理を行って硫黄分含有量を500質量ppm以下に低減する。
【0017】
本発明の軽油組成物は、上記のベース軽油にセタン価向上剤を含有してなる。
セタン価向上剤としては、当業界でセタン価向上剤として知られる各種の化合物を任意に使用することができる。例えば、硝酸エステルや有機過酸化物等を挙げることができる。本発明で用いるセタン価向上剤は硝酸エステルであることが好ましい。硝酸エステルには、例えば、2−クロロエチルナイトレート、2−エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレート、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、第二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第一ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、n−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレート、2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシルナイトレート、及びエチレングリコールジナイトレートなどの種々のナイトレート等が包含される。これらの中でも、炭素数6〜8のアルキルナイトレートであることが好ましい。セタン価向上剤としては1種類の化合物を単独で用いても良く、2種以上の化合物を組み合わせて用いても良い。
【0018】
本発明の軽油組成物におけるセタン価向上剤の含有量は、組成物全量基準で500質量ppm以上であって、これに満たない場合はディーゼルエンジン排出ガスのNOx濃度、PM濃度、アルデヒド濃度等を満足できる程度に低下させることができない。本発明の軽油組成物にあっては、組成物全量基準で規定されるセタン価向上剤の含有量は600質量ppm以上であることが好ましく、700質量ppm以上であることがより好ましく、800質量ppm以上であることが特に好ましく、900質量ppm以上であることが最も好ましい。セタン価向上剤の含有量の上限値は、本発明では特には限定されないが、軽油組成物全量基準で1400質量ppm以下であることが好ましく、1250質量ppm以下であることがより好ましく、1100質量ppm以下であることが特に好ましく、1000質量ppm以下であることが最も好ましい。
【0019】
なお、セタン価向上剤と称して市販されている商品は、セタン価向上に寄与する有効成分、つまり、セタン価向上剤を適当な溶剤で希釈した状態で入手されるのが通例である。こうした市販品を使用して本発明の軽油組成物を調製する場合には、軽油組成物中の前記有効成分の含有量が、組成物全量基準で500質量ppm以上であることが肝要である。
【0020】
本発明の軽油組成物のセタン指数は45以上である。セタン指数が45に満たない場合には、排出ガス中のNOx、PM、アルデヒドの各濃度が高くなる恐れがある。本発明では、そのセタン指数は、47以上であることが好ましく、48以上であることがより好ましく、50以上であることが最も好ましい。
【0021】
ここでセタン指数とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した値を意味する。なお、上記JIS規格におけるセタン指数は、セタン価向上剤を添加したものに対しては適用されないが、本発明ではセタン価向上剤を添加したもののセタン指数も、上記「8.4変数方程式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した値を意味する。
【0022】
本発明の軽油組成物においては、そのセタン価に関して特に制限はないが、前記のセタン価向上剤を添加することにより、そのセタン価は45以上に調整されていることが好ましく、48以上であることがより好ましく、50以上であることが最も好ましい。45以上のセタン価とすることで、排出ガス中のNOx、PM、アルデヒドの各濃度をより低減させることが出来る。ここでセタン価とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「7.セタン価試験方法」に準拠して測定されるセタン価を意味する。
【0023】
本発明の軽油組成物は、90容量%留出温度(T90)は330℃以下である。
T90が330℃を超える場合には、排出ガス中のPMの濃度が高くなる恐れがある。本発明では、そのT90は325℃以下であることが好ましく、320℃以下であることがより好ましく、315℃以下であることが特に好ましい。T90の下限値については特に制限はないが、燃費をより向上させ、エンジンの出力をより高めるために、T90は280℃以上であることが好ましく、285℃以上であることがより好ましい。
【0024】
本発明の軽油組成物は、T90以外の蒸留性状について特に制限はないが、下記の性状を満たしていることが望ましい。
初留点 :135〜180℃
10容量%留出温度(T10):155〜210℃
30容量%留出温度(T30):175〜250℃
50容量%留出温度(T50):190〜270℃
70容量%留出温度(T70):220〜300℃
95容量%留出温度(T95):290〜360℃
蒸留終点 :320〜360℃
【0025】
本発明の軽油組成物の蒸留性状について更に詳述する。
軽油組成物の初留点が低すぎる場合には、一部の軽質留分が気化して噴霧範囲が広がりすぎ、未燃分として排出ガスに同伴される炭化水素量が増加する恐れがあることから、初留点は135℃以上であることが好ましく、更に好ましくは140℃以上、特に好ましくは145℃以上である。一方、初留点が高すぎる場合は、低温始動性および低温運転性に不具合を生じる可能性があるため、初留点の上限は180℃であることが好ましく、更に好ましくは170℃である。
【0026】
軽油組成物のT10が低すぎる場合は、初留点が低すぎる場合と同様な理由から、排出ガスに同伴される炭化水素量の増大が懸念されるため、T10は155℃以上であることが好ましく、更に好ましくは160℃以上、特に好ましくは165℃以上である。一方、これが高すぎると、低温始動性および低温運転性に不具合を生じる心配があるため、T10は210℃以下であることが好ましく、更に好ましくは205℃以下、特に好ましくは200℃以下である。
【0027】
軽油組成物のT30が低すぎる場合は、上に述べたと同じ理由から、排出ガスに同伴される炭化水素量の増大が懸念される。従って、T30は175℃以上であることが好ましく、更に好ましくは180℃以上、特に好ましくは185℃以上である。一方、これが高すぎる場合は、低温始動性および低温運転性に不具合を生じる可能性があることから、T30は250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは230℃以下、特に好ましくは210℃以下である。
【0028】
軽油組成物のT50は、燃費およびエンジン出力の面から、190℃以上であることが好ましく、更に好ましくは195℃以上、特に好ましくは200℃以上である。そして、排出ガス中のPM濃度を低減させる上で、T50は270℃以下であることが好ましく、更に260℃以下、250℃以下、240℃以下の順に好ましく、特に好ましくは230℃以下であり、最も好ましくは225℃以下である。
【0029】
軽油組成物のT70もT50と同様、燃費とエンジン出力を左右する。燃費をより向上させ、エンジンの出力をより高めるために、T70は220℃以上であることが好ましく、更に好ましくは225℃以上、特に好ましくは230℃以上である。そして排出ガス中のPM濃度をより低減させる上で、T70は300℃以下であることが好ましく、更に290℃以下、280℃以下、そして270℃以下の順に好ましく、特に好ましくは265℃以下であり、最も好ましくは260℃以下である。
【0030】
軽油組成物のT95は290℃以上であることが望ましいが、排出ガス中のPM濃度をより低減させるためには、T95は360℃以下であることが好ましく、更に355℃以下、350℃以下、そして345℃以下の順で好ましく、特に好ましくは342℃以下であり、最も好ましくは340℃以下である。
【0031】
軽油組成物の蒸留終点は320℃以上が望ましい。しかし、排出ガス中のPM濃度をより低減させるためには、蒸留終点は360℃以下であることが好ましく、更に好ましくは355℃以下、特に好ましくは350℃以下である。
本発明でいう蒸留性状(初留点、T10、T30、T50、T70、T90、T95、蒸留終点)は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定される値である。
【0032】
本発明の軽油組成物の硫黄分含有量は500質量ppm以下である。軽油組成物の硫黄分含有量が500質量ppmを超える場合は、排出ガスの後処理装置の耐久性を悪化させたり、エンジン内部の腐食を招く恐れがある。本発明では、この値は350質量ppm以下であることが好ましく、200質量ppm以下であることが更に好ましく、150質量ppm以下であることがさらにより好ましく、100質量ppm以下であることが特に好ましく、50質量ppm以下であることが最も好ましい。ここで硫黄分含有量とは、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定される軽油組成物全量基準の硫黄分の含有量を意味する。
【0033】
本発明の軽油組成物の30℃における動粘度は1.7mm2/s以上である。1.7mm2/sに満たない場合は、燃料噴射時期の制御が困難になる心配があり、またエンジンに付設された分配型燃料噴射ポンプの潤滑性が損なわれ易くなる。この動粘度は1.72mm2/s以上であることが好ましく、1.73mm2/s以上であることが更に好ましく、1.75mm2/s以上であることがさらにより好ましく、1.78mm2/s以上であることが特に好ましく、1.80mm2/s以上であることが最も好ましい。
【0034】
30℃における動粘度の上限値については特に制限はないが、排出ガス中のPM濃度をより一層低減させることができることから、3.5mm2/s以下であることが好ましく、3.0mm2/s以下であることが更に好ましく、2.5mm2/s以下であることがさらにより好ましく、2.4mm2/s以下であることが特に好ましく、2.2mm2/s以下であることが最も好ましい。ここで動粘度とはJIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される動粘度を意味する。
【0035】
本発明の軽油組成物の15℃における密度については特に制限はない。しかし、燃料消費率および加速性をより向上させることができることから、その値は802kg/m3以上であることが好ましい。一方、15℃における密度の上限値は、排出ガス中のPM濃度をより低下させることができるから、840kg/m3以下であることが好ましく、835kg/m3以下であることが更に好ましく、830kg/m3以下であることがさらにより好ましく、820kg/m3以下であることが特に好ましく、815kg/m3以下であることが最も好ましい。ここで密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0036】
本発明の軽油組成物において、飽和分、オレフィン分および芳香族分の各含有量は特に制限はないが、下記の組成であることが望ましい。
飽和分含有量 :60〜95容量%
オレフィン分含有量: 0〜 5容量%
芳香族分含有量 : 5〜40容量%
軽油組成物の飽和分含有量は、排出ガス中のNOxおよびPMの各濃度を低下させるうえで、60容量%以上であることが好ましく、更に好ましくは65容量%以上、特に好ましくは70容量%以上、最も好ましくは75容量%以上である。一方、低温始動性および低温運転性を良好に維持するうえで、飽和分含有量は、95容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは90容量%以下、特に好ましくは85容量%以下である。
【0037】
軽油組成物のオレフィン分含有量は、当該組成物の安定性の観点から、0〜5容量%の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0〜1容量%の範囲にある。
【0038】
軽油組成物の芳香族分含有量は、燃料消費率およびエンジン出力に関係するので、5容量%以上であることが好ましく、更に好ましくは8容量%以上、より好ましくは10容量%以上、更により好ましくは12容量%以上、最も好ましくは15容量%以上である。一方、この芳香族分含有量は、排出ガスに含まれるNOxおよびPMの各濃度に関係することから、この含有量は40容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは35容量%以下、特に好ましくは30容量%以下、最も好ましくは25%以下である。
【0039】
本発明の軽油組成物においては、上記芳香族分含有量のうち、二環以上の芳香族分含有量は3容量%以下であることが好ましい。これにより、排出ガスに含まれる炭化水素(HC)、NOxおよびPMの各濃度をより低減させることができる。この含有量は2容量%以下であることが更に好ましく、特に好ましくは1容量%以下、最も好ましくは0.5容量%以下である。また同様の理由から、三環以上の芳香族分含有量は1容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5容量%以下、特に好ましくは0.3容量%以下である。
【0040】
ここで、飽和分含有量、オレフィン分含有量および芳香族分含有量は、JISK 2536に規定する「石油製品−成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法に準拠して測定される飽和分、オレフィン分および芳香族分の容量百分率(容量%)を意味する。また二環以上の芳香族分含有量は、石油学会規格 JIS 5S 49−97に規定する「石油製品−炭化水素タイプ試験方法―高速液体クロマトグラフ法」により測定される二環以上の芳香族分の容量%を意味する。
【0041】
本発明の軽油組成物は、その流動点について特に制限はない。しかし、低温始動性ないしは低温運転性の観点から、組成物の流動点は−5℃以下であることが好ましく、−10℃以下であることがより好ましく、−20℃以下であることが特に好ましく、−30℃以下であることが最も好ましい。ここで流動点とは、JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」により測定される流動点を意味する。
【0042】
本発明の軽油組成物は、その目詰まり点については特に限定条件はない。しかし、組成物の目詰まり点は−1℃以下であることが好ましく、−5℃以下であることがより好ましく、−12℃以下であることがさらにより好ましく、−19℃以下であることが最も好ましい。ここで目詰まり点とは、JIS K 2288「軽油−目詰まり点試験方法」により測定される目詰まり点を意味する。
【0043】
本発明の軽油組成物には上記セタン価向上剤以外の添加剤を必要に応じて配合することができる。特に、潤滑性向上剤および/または清浄剤を配合することが好ましい。
潤滑性向上剤としては、例えば、カルボン酸系、エステル系、アルコール系およびフェノール系の各潤滑性向上剤の1種又は2種以上が任意に使用可能である。この中でも、カルボン酸系、エステル系の潤滑性向上剤が好ましい。
カルボン酸系の潤滑性向上剤としては、例えば、リノール酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸及び上記カルボン酸を挙げることができる。
エステル系の潤滑性向上剤としては、例えば、グリセリンのカルボン酸エステルが挙げられる。カルボン酸エステルを構成するカルボン酸は、1種であっても2種以上であってもよく、その具体例としては、リノール酸、オレイン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及びヘキサデセン酸等を挙げることができる。
【0044】
潤滑性向上剤の配合量には特に制限はない。しかし、配合した潤滑性向上剤の効能を引き出すためには、具体的には、分配型噴射ポンプを搭載したディーゼルエンジンにおいて、運転中のポンプの駆動トルク増を抑制し、ポンプの摩耗を低減させるためには、潤滑性向上剤の配合量は、組成物全量基準で35質量ppm以上であることが好ましく、50質量ppm以上であることがより好ましい。そして、配合量の上限値はそれ以上加えても添加量に見合う効果が得られないことから、140質量ppm以下であることが好ましく、105質量ppm以下であることがより好ましい。
【0045】
清浄剤としては、例えば、イミド系化合物;ポリブテニルコハク酸無水物とポリアミン類とから合成されるポリブテニルコハク酸イミドなどのアルケニルコハク酸誘導体;ペンタエリスリトールなどの多価アルコールとポリブテニルコハク酸無水物から合成されるポリブテニルコハク酸エステルなどのコハク酸エステル;ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピロリドンなどとアルキルメタクリレートとのコポリマーなどの共重合系ポリマー、カルボン酸とアミンの反応生成物(塩など)などを挙げることができる。これらの無灰清浄剤は、任意に選ばれる1種または2種以上が使用可能であって、これらの中でも、アルケニルコハク酸誘導体及び/又はカルボン酸のアミン塩を使用することが好ましい。
【0046】
アルケニルコハク酸誘導体は、下記の一般式(1)〜(4)で表される化合物であることが好ましい。
【0047】
【化1】
【0048】
(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であり、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、そしてmは、1〜100の整数を表す。)
【0049】
【化2】
【0050】
(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であり、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、そしてmは、1〜100の整数を表し、nは、1〜10の整数を表す。)
【0051】
【化3】
【0052】
(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であり、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、mは、1〜100の整数を表し、そしてnは、1〜10の整数を表す。)
【0053】
【化4】
【0054】
(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエチル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であり、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、mは、1〜100の整数を表し、そしてnは、1〜10整数を表す。)
【0055】
上記一般式(1)〜(4)で表されるアルケニルコハク酸誘導体について詳述する。
Aは、n−ブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。より優れた清浄性が得られることから、tert−ブチル基であることが好ましい。
R1〜R4は、それぞれ水素原子、メチル基またはエチル基を示す。そして、このR1〜R4の合計炭素数は2である。
本発明においては、より優れた清浄性が得られることから、R1およびR3が共に水素原子であり、かつR2およびR4が共にメチル基である場合、またはR1およびR3が共にメチル基であり、かつR2およびR4が共に水素原子である場合が好ましい。
【0056】
R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表す。R5は、好ましくは炭素数1〜18のアルキレン基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。炭素数1〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブチレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基などが挙げられる。これらの中でも、R5は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基)またはトリメチレン基である場合が最も好ましい。
【0057】
一般式(1)〜(4)におけるmは1〜100の整数を示す。mは軽油組成物への分散性保持、清浄性保持の点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。また、粘度上昇によるバルブスティックや熱分解性悪化による燃焼室デポジットへの影響の点から、50以下が好ましく、40以下がより好ましい。
nは、1〜10の整数を表す。nは、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3の整数である。
【0058】
なお、下記式(5)で表される基は、下記式(6)で表される基を構成単位とする、一般式(1)〜(4)で表されるアルケニルコハク酸誘導体の重合骨格を示すものである。
【0059】
【化5】
【0060】
(上記式(5)および(6)におけるR1、R2、R3、R4およびmは、一般式(1)〜(4)におけるR1、R2、R3、R4およびmと同一の基、整数を示す。
)
【0061】
上記式(1)〜(4)および(5)において、上記式(6)で表されるm個の基は同一分子中で同じでも異なっていてもよい。つまり、上記式(1)〜(4)で表される化合物および上記式(5)で表される基は、単独重合体であっても、共重合体であっても良い。共重合体は、ランダム共重合体、交互重合体、あるいはブロック共重合体のいずれであっても良い。
【0062】
また、アルケニルコハク酸誘導体の数平均分子量については何ら制限はないが、軽油組成物中への分散性保持、清浄性保持の点から、その数平均分子量は500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、1500以上であることがさらにより好ましく、2000以上であることが最も好ましい。また、粘度上昇によるバルブスティックや熱分解性悪化による燃焼室デポジットへの影響の点から、その数平均分子量は6000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。
【0063】
アルケニルコハク酸誘導体としては、一般式(1)〜(4)で表される化合物から選ばれる1種のみの化合物を単独で用いてもよく、2種以上の化合物を混合して用いてもよい。
2種以上を用いる場合には、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の混合物であることが好ましい。その際の混合比(質量比)は、(2):(3)=1:99〜99:1であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好ましく、20:80〜80:20であることがさらにより好ましく、30:70〜70:30であることが最も好ましい。
【0064】
アルケニルコハク酸誘導体の好ましい具体例を以下に挙げる。
【0065】
【化6】
下記式で表される化合物1(数平均分子量:2000〜3000)
(A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、R2、R4:メチル基、
R5:トリメチレン基)
【0066】
【化7】
下記式で表される化合物2(数平均分子量:2000〜3000)
(A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、R2、R4:メチル基、
R5:エチレン基、n:1〜3)
【0067】
【化8】
下記式で表される化合物3(数平均分子量:4000〜6000)
(A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、R2、R4:メチル基、
R5:エチレン基、n:1〜3)
【0068】
【化9】
下記式で表される化合物4(数平均分子量:2000〜3000)
(A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、R2、R4:メチル基、
R5:エチレン基、n:1〜3)
【0069】
次に、カルボン酸のアミン塩について詳述する。
カルボン酸は、炭素数が5〜50のものであることが好ましく、更に好ましくは炭素数7〜30のもの、特に好ましくは炭素数9〜20のものである。カルボン酸は、モノカルボン酸、あるいは多価カルボン酸のいずれであっても良いが、モノカルボン酸であることが好ましい。またカルボン酸は、脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであっても良いが、脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸としては、直鎖のものでも分岐鎖のものでも良く、飽和でも不飽和でも良い。
【0070】
炭素数9〜20の脂肪酸としては、具体的には例えば、以下のものを挙げることができる。直鎖または分岐鎖のノナン酸、直鎖または分岐鎖のデカン酸、直鎖または分岐鎖のウンデカン酸、直鎖または分岐鎖のドデカン酸、直鎖または分岐鎖のトリデカン酸、直鎖または分岐鎖のテトラデカン酸、直鎖または分岐鎖のペンタデカン酸、直鎖または分岐鎖のヘキサデカン酸、直鎖または分岐鎖のヘプタデカン酸、直鎖または分岐鎖のオクタデカン酸、直鎖または分岐鎖のノナデカン酸、直鎖または分岐鎖のイコサン酸、直鎖または分岐鎖のノネン酸、直鎖または分岐鎖のデセン酸、直鎖または分岐鎖のウンデセン酸、直鎖または分岐鎖のドデセン酸、直鎖または分岐鎖のトリデセン酸、直鎖または分岐鎖のテトラデセン酸、直鎖または分岐鎖のペンタデセン酸、直鎖または分岐鎖のヘキサデセン酸、直鎖または分岐鎖のヘプタデセン酸、直鎖または分岐鎖のオクタデセン酸(オレイン酸を含む)、直鎖または分岐鎖のノナデセン酸、直鎖または分岐鎖のイコセン酸等。また、リノール酸等の水酸基を含有する脂肪酸も含まれる。上記のカルボン酸は、1種のカルボン酸を単独で用いても良く、2種以上のカルボン酸を組み合わせて用いても良い。
【0071】
アミンは炭素数1〜30のものであることが好ましい。更に好ましくは炭素数5〜20のものであり、特に好ましくは炭素数8〜18のものである。アミンとしては、例えば、モノアミン、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられるが、モノアミンであることが好ましい。
モノアミンとしては、一つの炭化水素基を有するモノ置換アミン、二つの炭化水素基を有するジ置換アミン、三つの炭化水素基を有するトリ置換アミン等が挙げられるが、モノ置換アミンが好ましい。
【0072】
モノ置換アミンとしては、例えば、アルキルアミン、アルケニルアミン、芳香族置換アルキルアミン、シクロアルキルアミン、及びアルキルシクロアルキルアミン等が挙げれられる。アルキルアミン及びアルケニルアミンであることが好ましい。
炭素数8〜18のアルキルアミンとしては、例えば、直鎖または分岐鎖のオクチルアミン、直鎖または分岐鎖のノニルアミン、直鎖または分岐鎖のデシルアミン、直鎖または分岐鎖のウンデシルアミン、直鎖または分岐鎖のドデシルアミン、直鎖または分岐鎖のトリデシルアミン、直鎖または分岐鎖のテトラデシルアミン、直鎖または分岐鎖のペンタデシルアミン、直鎖または分岐鎖のヘキサデシルアミン、直鎖または分岐鎖のヘプタデシルアミン、直鎖または分岐鎖のオクタデシルアミン等が挙げられる。
【0073】
炭素数8〜18のアルケニルアミンとしては、例えば、直鎖または分岐鎖のオクテニルアミン、直鎖または分岐鎖のノネニルアミン、直鎖または分岐鎖のデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のウンデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のドデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のトリデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のテトラデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のペンタデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のヘキサデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のヘプタデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のオクタデセニルアミン(オレイルアミンを含む)等が挙げられる。
上記アミンは、1種のアミンを単独で用いても良く、2種以上のアミンの混合物を用いても良い。
【0074】
カルボン酸のアミン塩の好ましい具体例としては、オレイン酸を主成分とする炭素数13〜20の混合脂肪酸と炭素数8〜16のアルキル基を有するモノ置換アミン及び炭素数8〜16のアルケニル基を有するモノ置換アミンの混合物との塩を挙げることができる。
【0075】
清浄剤の配合量にも特別な制限はない。しかし、清浄剤を配合した効果、具体的には、燃料噴射ノズルの閉塞抑制効果を引き出すためには、清浄剤の配合量を軽油組成物全量基準で20質量ppm以上とすることが好ましく、60質量ppm以上とすることがより好ましく、80質量ppm以上とすることが特に好ましい。20質量ppmに満たない量を添加しても効果が現れない可能性がある。一方、配合量が多すぎても、それに見合う効果が期待できず、逆にディーゼルエンジン排出ガス中のNOx、PM、アルデヒド等の各濃度を増加させる恐れがあることから、清浄剤の配合量は300質量ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは250質量ppm以下であり、特に好ましくは200質量ppm以下であり、最も好ましくは、180質量ppm以下である。
【0076】
なお、先のセタン価向上剤の場合と同様、潤滑性向上剤または清浄剤と称して市販されている商品は、それぞれ潤滑性向上または清浄に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈された状態で入手されるのが通例である。こうした市販品を本発明の軽油組成物に配合した場合にあっては、潤滑性向上剤および清浄剤に関して上述した配合量は、有効成分としての配合量を意味する。
【0077】
本発明の軽油組成物には、その性能をさらに高める目的でその他の公知の燃料油添加剤を単独でまたは数種類組み合わせて添加することもできる。これらの添加剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルケニルコハク酸アミドなどの低温流動性向上剤;フェノール系、アミン系などの酸化防止剤;サリチリデン誘導体などの金属不活性化剤;ポリグリコールエーテルなどの氷結防止剤;脂肪族アミン、アルケニルコハク酸エステルなどの腐食防止剤;アニオン系、カチオン系、両性系界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;シリコン系などの消泡剤などを挙げることができる。
これらの添加剤の添加量は任意に決めることができるが、添加剤個々の添加量は、軽油組成物全量基準で通常0.5質量%以下であり、好ましくは0.2質量%以下である。
【0078】
本発明の軽油組成物は公知の方法を利用して製造することができる。通常はベース軽油にセタン価向上剤、及び必要に応じて潤滑油向上剤、清浄剤、その他の添加剤を所定量配合して製造される。
【0079】
【実施例】
以下に実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0080】
下記の性状を有する軽油基材(軽質基材、調合基材)A〜Eを調製した。
【0081】
【表1】
【0082】
軽油組成物の調製
上記表1の基材を用いて表2に示す性状・組成の各軽油組成物を調製した。なお、添加剤は以下のものを使用した。
セタン価向上剤:2−エチルヘキシルナイトレ−ト
潤滑性向上剤 :リノ−ル酸を主成分とするカルボン酸混合物
清浄剤 :オレイン酸を主成分とする炭素数13〜20の混合脂肪酸と炭素数8〜16のアルキル基を有するモノ置換アミン及び炭素数8〜16のアルケニル基を有するモノ置換
アミンの混合物との塩
【0083】
表2に示す各軽油組成物を用いて、(1)エンジン試験1、(2)エンジン試験2、(3)潤滑性試験及び(4)ノズル清浄性試験を行った。試験結果を表2に示す。
(1)エンジン試験1
下記エンジンを用いて、実走行を模擬した3つの条件により排出ガス中のPM、炭化水素(HC)及びNOxを測定した。PMは、堀場製作所製のミニダイリュウショントンネルを用いて、フィルター上に捕集し、PMの重量を測定した。
HC、NOxは排気管より直接サンプリングして測定した。
(エンジン諸元)
エンジン種類:自然吸気式直列6気筒ディーゼル
排気量 :7.1L
内径×行程 :110mm×125mm
圧縮比 :17.5
最高出力 :260ps/2700rpm
最高トルク :77kgf(754.6N)/2700rpm
(条件)
条件1:TRIAS 24−5−1993
条件2:低速走行を模擬したモード
条件3:高速走行を模擬したモード
【0084】
(2)エンジン試験2
下記エンジンの排気管をDPF装置に導き、DPF装置から排出される排出ガス中のPMを、TRIAS 24−5−1993の条件により測定した。PMは、堀場製作所製のミニダイリュウショントンネルを用いて、フィルター上に捕集し、PMの重量を測定した。
(エンジン諸元)
エンジン種類:自然吸気式直列4気筒ディーゼル
排気量 :4.985L
内径×行程 :115mm×125mm
圧縮比 :19.5
最高出力 :150ps/3100rpm
最高トルク :37kgf(362.6N)/1600rpm
【0085】
(3)潤滑性試験
以下の条件でHFRR試験を行い、試験後の試験球についた円状の傷の振動方向の直径と振動方向に垂直な方向の直径を測定し、その平均値を摩耗痕直径(WSD)とした。
試験球
材質 :ANSI 52100
硬度 :645HV30
表面粗さ:0.1μmRa以下
直径 :6.25nm
試験板
材質 :ANSI 52100
硬度 :180HV30
表面粗さ:0.1μmRa以下
荷重 :2N
試験温度 :60℃
ストローク:1.0mm
振動数 :50Hz
時間 :75分
【0086】
(4)ノズル清浄性試験
排気量2Lの4気筒エンジンを使用し、回転1840rpm、トルク36.4Nmの条件において48時間連続運転を行い、試験後のノズルの残存流量割合を測定した。ノズルの残存流量割合とは試験前の新品ノズルの流量に対して試験後のノズル流量の割合を示したものである。
なお、ノズル流量は針弁リフト0.1mm時で測定した。本試験において、ノズル残存流量割合の値が大きい程、清浄性に優れていることを表す。
【0087】
【表2】
Claims (1)
- 初留点が145℃以上、95容量%留出温度が270℃以下、かつ硫黄分含有量が80質量ppm以下の軽油基材を50〜85容量%含有するベース軽油にセタン価向上剤を組成物全量基準で500質量ppm以上含有し、かつセタン指数が45以上、90容量%留出温度が280℃〜315℃、硫黄分含有量が500質量ppm以下、15℃における密度が802〜820kg/m 3 、二環以上の芳香族分含有量が3容量%以下、そして30℃における動粘度が1.7mm2/s以上である軽油組成物。
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