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JP4477865B2 - イオントフォレーシス装置 - Google Patents

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JP4477865B2
JP4477865B2 JP2003405500A JP2003405500A JP4477865B2 JP 4477865 B2 JP4477865 B2 JP 4477865B2 JP 2003405500 A JP2003405500 A JP 2003405500A JP 2003405500 A JP2003405500 A JP 2003405500A JP 4477865 B2 JP4477865 B2 JP 4477865B2
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Description

本発明は、生体内成分を生体内から非侵襲的に取り出すためのイオントフォレーシス装置に関するものである。
従来から、超音波やCTスキャン、X線などを用いて、非侵襲的に体外から診断を行う方法が知られている。これに加えて、侵襲的に血液を取りだし、その中に含まれる酵素、タンパク、糖、脂質、抗体、抗原等を測定する方法もまた広く利用されている。しかし、この方法は侵襲的であるため、穿刺時に痛みを伴うこと、あるいはその後穿刺部位から感染が生ずるおそれがあることなどの問題があった。
一方、イオントフォレーシスを利用して、非侵襲的に生体内のグルコース濃度を測定する装置が、例えば、特許文献1に開示されている。
この装置は、皮膚に電極を貼付し電流を流すことで、電極−皮膚−生体内−皮膚−電極の経路でイオンや水の流れを生じさせ、この流れによって生体内のグルコースを取りだし、その量を測定するものである。これにより糖尿病の診断や血糖値のモニタリングを行うことができる。この場合、皮膚の代わりに口腔等の粘膜に電極を貼付することができる。また、この装置は、センサ装置を備えることにより、抽出物質の検出や定量を行うことができる。
特表平10−506293号公報
また、特許文献2には、イオントフォレーシスデバイス構造体及び生体内成分の検出方法が開示されている。
この装置は、イオントフォレーシスにより生体内成分を吸着するように構成された検出用部材を有するアプリケーターを備え、皮膚または粘膜に適用して、イオントフォレーシスにより移動した生体内成分を免疫学的方法または化学的方法により検出するものである。この方法では、生体内成分を吸着させた検出用部材を処理することにより、例えば、染色された細胞の色の濃さ及びその数により定性的な測定を行うことができる。
特開平11−347014号公報
ところで、皮膚は外部からの異物の侵入を防ぐバリアー機能を有するとともに、生体内の水分の揮散等を防ぐ役割も果たすので、皮膚適用の非侵襲的生体内成分の測定機器では生体内からの成分の抽出が十分でなく、測定誤差や感度に問題がある。上述したイオントフォレーシス装置は、皮膚だけでなく粘膜にも適用することができるとされているが、特に粘膜に適用する場合に適した装置構造については示されていない。口腔等の粘膜にイオントフォレーシス用の電極を貼付することは、皮膚の場合とは違って、それを付ける者にとっては負担が大きいので、実用上この負担を和らげることが望まれる。
従って本発明の目的は、生体内成分を生体内から非侵襲的に取り出すための、粘膜に用いるのに好適なイオントフォレーシス装置を提供することにある。
上記目的は、複数の電極構造体と、前記電極構造体に接続された電源装置とを備えた、生体内成分を生体内から非侵襲的に取り出すためのイオントフォレーシス装置であって、少なくとも1つの前記電極構造体が粘膜に適用される生体内成分抽出用パッドを有し、前記電源装置により電気的エネルギーを生体に負荷する時間が30秒〜20分に設定されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置により、達成される。ここで、生体内成分抽出用パッドを有する電極構造体は、イオン交換樹脂またはイオン交換膜を備えることができる。また、生体内成分抽出用パッドを有する電極構造体は、生体内成分を定量する装置または定性的に測定する装置を備えることができる。この生体内成分は、治療のために投与された薬物でもよい。
さらに、本発明に係るイオントフォレーシス装置は、2つの電極構造体と、各電極構造体をそれぞれ固定する固定部材と、回転可能に交差して配置された前記固定部材間に設けられたバネ部材と、前記各電極構造体に接続された電源装置とを備え、少なくとも1つの前記電極構造体が粘膜に適用される生体内成分抽出用パッドを有するものである。前記電極構造体の一方は口腔粘膜適用側の電極構造体とし、他方は皮膚適用側の電極構造体とすることができる。
また、本発明に係る生体内成分の分析方法は、イオントフォレーシスを用いて生体内成分を生体内から非侵襲的に取り出して分析するためのものであって、生体内成分抽出用パッドを粘膜に適用し、前記パッドを介してイオントフォレーシスにより電気的エネルギーを生体に30秒〜20分間負荷し、前記パッドで抽出された生体内成分を定量し、または定性的に測定するものである。ここで、生体内成分抽出用パッドは、口腔粘膜に適用することができ、例えばグルコースの抽出に用いることができる。
このように構成することにより、生体由来成分や投与した薬物などの生体内成分を生体内から非侵襲的に取り出して定量的または定性的に評価するための、粘膜、特に口腔粘膜に用いるのに好適なイオントフォレーシス装置を得ることができる。
本発明によれば、生体内成分を生体内から非侵襲的に取り出すための、粘膜に用いるのに好適なイオントフォレーシス装置を得ることができる。
図1は、本発明に係るイオントフォレーシス装置の一実施形態を示す図である。本装置は、口腔粘膜適用側の電極構造体11と、皮膚適用側の電極構造体12と、各電極構造体の固定部材13、14と、回転可能に交差して配置された固定部材間に設けられたバネ部材15と、各電極構造体11、12に接続された電源装置16とを備える。
図2は口腔粘膜適用側の電極構造体11の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)〜(e)は別の断面図である。図2(a),(b)に示すように、電極構造体11は、生体内成分(物質)を抽出する抽出用パッド21と、抽出用パッドを取り囲むリング部22と、抽出用パッドおよびリング部を支持する支持体24と、抽出用パッドと支持体間に配置された電極部25と、電極部に接続された電極端子26とを備える。抽出用パッド21には粘膜より抽出され生体内成分が集められる。リング部22は抽出用パッド21が外れないように確実に固定するために必要である。電極端子26は抽出用パッド直下部分の電極部25と一連の構造となっており、電源装置と接続する部分以外は絶縁体27で覆われている。
抽出用パッド21の材料としては、例えば、不織布、ガーゼ、脱脂綿などの繊維や寒天、ゼラチン、ポリアクリル酸およびこの塩、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルピロリドンとビニルアセテートとの共重合体、メチルセルロースおよびこの誘導体、ペクチン、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコールおよびこの誘導体またはこれらのケン化物、アクリル、シリコン系、SlS系、SBS系、ウレタン系、天然ゴム系粘着剤およびこれらの混合物、さらにはこれら粘着剤にロジン、水添ロジン、ロジンエステル、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油系樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。このようなものが挙げられるがこれに限定されない。これらの中で、水性の基剤を用いることが望ましい。
抽出用パッド21中または他の適当な位置に、イオン交換樹脂またはイオン交換膜を備えることが好ましい。図2(c)では、イオン交換樹脂28が抽出用パッド21中に分散および/または混合されている。図2(d)では、イオン交換膜29が抽出用パッド21中に電極部25と平行に配置されている。これは、抽出した生体内成分が電極部25と接触すると定量に影響を及ぼす場合もあるので、抽出した生体内成分と電極部25とを分離するために設けられる。イオン交換樹脂としては陽イオン交換樹脂または陰イオン交換樹脂を用いることができる。
陽イオン交換樹脂としては、例えば、Amberlite XT−1004,IR120B,IR−122,IR−124,252,XT−1031,200C,IRC−50,IRC−76(オルガノ社製)、Diaion SK−1B,SK−104,SK−110,PK−208,PK−216,WK−10,WK−11,WK−20(三菱化成社製)、Dowex HCR−S,HGR−W2,88,MWC−1H(ダウ・ケミカル社製)、Duolite C−20,C−26,C−264,C−3,C−433,C−464(ローム&ハース社製)、Imac C−12,C−16P,Z−5,GT−73,Lewatit S−100,SP−112,SP−120,S−109,CNP−80(バイエル社製)、或いは無機イオン交換体である、例えばBio−Rad ZP−1,ZM−1,ZT−1,AMP,KCF−1,HZO−1,HTO−1(Bio−Rad社製)、AMD−Erba,HMD−Erba,HAP−Erba,ZPH−Erba,TDO−Erba,COX−Erba,AAO−Erba,CUC−Erba,CUS−Erba(Carlo Erba社製)、Zerwat,Allasion Z(Dia−Prosim社製)、Ionac C100,C101,C102,M−50(Ionac.Chem.Comp.社製)、Decalsco(F,Y),Zeo−Dur,Zeroliteグリーンサンド(Permit社製)、IXE−300,IXE−400,IXE−100,IXE−500,IXE−1000(東亜合成化学工業社製)等を挙げることができる。
陰イオン交換樹脂としては、例えば、Amberlite IRA−400,IRA−401,IRA−402,IRA−420,XT−5007,IRA−900,IRA−904,IRA−938,IRA−458,IRA−958,IRA−410,IRA−411,IRA−416,IRA−910,IRA−68,IRA−35(オルガノ社製)、DiaionSA−10A,SA−11A,SA−12A,PA−306,PA−312,PA−318,SA−20A,SA−21A,PA−406,PA−412,PA−418(三菱化成社製)、Dowex SBR,SBR−P,11,MSA−1,SAR,MSA−2,66,WGR−2(ダウ・ケミカル社製)、Duolite A−113プラス,A−147,A−161,A−132,A−116プラス、A−162,A−368,A−7(ローム&ハース社製)、Imac A−34,A−33,A−31,A−32,A205,A−28,Lewatit M−500,MP−500,AP−247A,M−600,MP−600,MP−62,OC−1059,CA−9222(バイエル社製),コレスチラミンなどが使用される。本発明においては、これらの何れも使用されるが、好ましくは陰イオン交換樹脂が用いられ、さらに好ましくは陰イオン交換樹脂において塩素イオンを含む四級アンモニウム塩が用いられる。また、高分子基体としてはスチレン系、アクリル系、メタクリル系などが一般に使用されるが、これらに限定されることなく、イオン交換樹脂用の高分子基体であれば使用される。また、機能性に影響なければ溶解型の樹脂であっても難溶性の樹脂であっても使用可能である。
またイオン交換膜としては陽イオン交換膜または陰イオン交換膜を用いることができる。陽イオン交換膜としては、例えば、ジビニルベンゼンとスチレンの共重合体にスルフォン基を含有するもの等が挙げられる。陰イオン交換膜としては、例えば、ジビニルベンゼンとスチレンの共重合体にアミノ基を含有するもの等が挙げられる。
また、電極構造体11は、生体内成分を定量する装置または定性的に測定する装置を備えることができる。生体内成分を定量する装置としては、例えば、グルコースセンサー等を挙げることができる。生体内成分を定性的に測定する装置としては、例えば、一般的な抗原抗体のセンサー等を挙げることができる。
図2(e)では、口腔粘膜適用側の電極構造体にグルコースセンサーを備える。グルコースセンサーは、少なくとも2つの電極41,42と電極間に接続された検出器43を有する。2つの電極41,42の一方の表面(例えば電極41)にはグルコースオキシダーゼ(GO)が固定化されている。イオントフォレーシス装置により所定時間通電すると、抽出用パッド21に口腔粘膜からグルコース(G)が抽出される。ここで、グルコースオキシダーゼが固定化されている電極41には、グルコースオキシダーゼの触媒作用によりグルコースが酸化され、このときに電子が発生する。これを電極41,42間の電位差として検出器43で検出することにより、グルコースを定量することができる。検出器43は、電位差の増幅、演算、表示等のための回路を含み、これらの回路は電源装置16と共通の基板上に実装することができる。また、抗原抗体センサーもこれと同様に構成することができる。
電気的エネルギーとして用いるイオントフォレーシスの適用電流密度は抽出効率、電流による皮膚刺激の面から0.01〜2mA/cmがよく、好ましくは0.05〜1mA/cmがよい。この時の電圧は50V以下、好ましくは20V以下、より好ましくは10V以下がよい。通電パターンとしては特に限定はないが、一般に用いられる直流、パルス、またはパルス脱分極などが挙げられる。また、電極部の材料としては、特に限定はないが白金、金、カーボンなどが挙げられ、また陽極に銀、陰極に銀/塩化銀を用いることができる。電極部の材料はコストの面からはカーボンが望ましく、通電によりpHの変化を起こさないという観点からは銀、銀/塩化銀が望ましい。
図3は皮膚適用側の電極構造体12の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。電極構造体12は、上述の抽出用パッド21と対をなす対照パッド31と、抽出用パッドを取り囲むリング部32と、対照パッドおよびリング部を支持する支持体34と、対照パッドと支持体間に配置された電極部35と、電極部に接続された電極端子36とを備える。電極端子36は絶縁体37で覆われている。
対照パッド31の材料としては、上述した口腔粘膜側の電極構造体11におけるものと同様なものを用いることができる。この場合も水性基剤を用いることが望ましい。
本イオントフォレーシス装置は次のようにして使用される。図1において、まず、バネ部材15の引張り力に逆らって固定部材13、14の端部を広げる。これに伴い、電極構造体11、12間の間隔が開くので、電極構造体11を口腔側に、そして電極構造体12を頬側に持っていき、バネ部材15の引張り力により両電極構造体で頬を挟み込むようにして固定する。ここでは、電極構造体11は口腔粘膜に適用され、電極構造体12は頬の皮膚に適用される。その後、電源装置16の作動を開始し、電極構造体11、12を介して電気的エネルギーを生体に負荷する。電源装置16による電気的エネルギーの負荷時間については後述する。電気的エネルギーを所定時間負荷したのち、電源装置16の作動を停止し本イオントフォレーシス装置を生体から取り外す。その後、電極構造体11の抽出用パッド21に抽出された生体内成分を分析する。抽出された生体内成分を測定するための方法は特に限定はないが、酵素による反応によりまたは電気化学的に測定することができる。これらの測定装置は抽出用パッドに装着しても良いし、抽出用パッド外に配置しても良い。
イオントフォレーシスにより抽出される生体内成分としては、イオン性であることが望ましいが、それに限定されない。水に溶解さえすれば通電により生じる水の流れにしたがって抽出されるので、グルコースなどの抽出が可能である。特にグルコースの測定は糖尿病患者にとっては必須で、頻回測定が必要であり、本発明の装置は非常に有用である。
また、生体内の物質の血中濃度測定は、診断のための生体に由来する物質だけでなく、生体外から投与された薬物(生理活性物質)やその代謝物に対しても、必要な場合がある。実際、医療の現場では、薬物(生理活性物質)やその代謝物の有効治療血中濃度と副作用発現域の差が少ない薬物(生理活性物質)に対して、セラピューティックドラッグモニタリング(TDM: Therapeutic Drug Monitoring)と呼ばれる薬物投与後の血中濃度の測定が実施されている。しかし、血液中の薬物等の血中濃度を測定するには穿刺による採血が必要であり、これを頻繁に行うことは患者にとって大きな負担となっていた。本発明は、穿刺に寄らないで生体内の薬物等を抽出するものであり、患者に負担を掛けない有効な方法である。
本発明の装置を用いてTDMを行う薬物例としては、エトスクシミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、ジアゼパム、ニトラゼパム、バルプロ酸ナトリウム、フェニトイン、フェノバルビタール、プリミドン等の抗てんかん薬、クロルプロマジン、ハロペリドール等の向精神薬、塩酸アミトリプチリン、塩酸イミプラミン、塩酸マプロチリン等の抗うつ薬、炭酸リチウム等の抗躁薬、アミノフィリン、コリンテオフィリン、テオフィリン等の気管支拡張薬、ジゴキシン、ジギトキシン等の強心配糖体、アプリンジン、キニジン、ジソピラミド、プロカインアミド、メキシレチン、リドカイン等の抗不整脈薬、硫酸アミカシン、硫酸ゲンタマイシン、トブラマイシン等の抗菌薬、シクロスポリン等の免疫抑制剤、アスピリン等の解熱鎮痛消炎薬、乾燥濃縮ヒトアンチトロンビンIII、ジピリダモール、チクロピジン、ヘパリンナトリウム等の抗血栓薬等が挙げられる。本発明は、以上のような薬物の血中濃度の測定や予測に用いることができるが、これらに限定されない。
ところで、イオントフォレーシスにおいて、皮膚と粘膜への適用を比較した場合、皮膚に比べ粘膜の方が物質の透過性が高い。例えば、カルシトニンをモデル化合物とした実施例では、粘膜からの吸収は皮膚の場合に比べ約6倍高い。このことは、皮膚または粘膜から薬物を投与する場合だけでなく、皮膚または粘膜から生体内成分を取り出す場合もいえることである。つまり、イオントフォレーシスを用いて同じ電流を流す場合、皮膚を介してよりも粘膜を介しての方が、より多くの生体内物質を取り出すことが可能となるのである。さらに、皮膚と粘膜の抵抗を測定したところ、皮膚の方が4.5倍高かった。従って、電圧の上限を同じと考えた場合、4.5倍高い電流を適用することができる。即ち、取りだし部位を皮膚から粘膜へ変えることで、透過性の面および抵抗の面から通電時間の短縮および正確性を上げることが可能となる。皮膚を介して生体内成分を取り出す場合でも、15分間の通電である程度の生体内成分を取り出すことができ、かつ定量することができている。通電時間は長ければ長いほどより多くの生体内成分を取り出すことができるが、本イオントフォレーシス装置のように、粘膜を適用部位にすることにより、次のとおり、通電時間を1分以下とすることが可能である。
即ち、上述したように、皮膚を介しての抽出時間は15分間必要であること、粘膜の抵抗よりも皮膚の抵抗の方が4.5倍高いこと、および粘膜からの吸収は皮膚の場合に比べ約6倍高いことから、粘膜を介しての抽出の時間は、
15×60/(4.5×6)=33.333・・・(約30秒)
必要となる。このことから、粘膜に適用する本イオントフォレーシス装置における電気的エネルギーの負荷時間は最低30秒ということになる。
一方、本イオントフォレーシス装置は粘膜、主に口腔粘膜に適用するので、適用時間は短ければ短いほど良い。そこで、現在利用されている針で採血する侵襲的な測定法と口腔粘膜に適用する装置を比較し、好ましい適用時間を調べた。後述する実験例に示すとおり、1回に適用できる時間は、最大20分以下であれば、現行の侵襲的測定方法と同様、もしくは、侵襲的な測定法よりは良いが時間の短縮が必要(使用し易いが良いとは言えない)という意見が多く、総合するとわずかに優れているという結果であった。15分以下となれば、侵襲的な測定法よりは良いが時間の短縮が必要(使用し易いが良いとは言えない)が半数になり、現行より優れていると言える。さらに10分以下となれば、「侵襲的な測定法より優れている。使い易い」という意見もあり、現行よりかなり優れていると言える。適用時間を5分、2分、1分と短くすることで、現行より優れていると言う割合は多くなりかなり優れたものであると言える。また自宅外で使用を想定した場合は、5分以下でなければ、使用する人はおらず、望ましい適用時間は2分以下、さらに望ましくは1分以下であった。即ち、適用時間として、20分以下とするが望ましく、10分以下が好ましく、さらに好ましくは、5分以下で、より好ましくは2分以下、もっとも望ましいのは1分以下である。
(実験例)
実施例1
図1に示すような口腔粘膜に適用するイオントフォレーシス装置を用い、10人に対して適用し、適用可能な時間を調べた。この時、実際には通電はせず、どのくらいの時間適用できるかを調べた。時間の指標として、現在最も用いられている侵襲的な採血によるグルコースの測定(従来法)と比較した。
実施例1の結果
結果を表1に示す。
Figure 0004477865
表1に示すとおり、本装置を30分適用した場合には10人中6人が適用時間が長すぎると感じ、従来の方法が簡便である(侵襲的な測定法の方がよい)と答えた。また4人は時間が長いものの、痛みが無いことから、ほぼ同等の使いやすさ(侵襲的な測定法と同等)であると答えた。総合すると30分適用では有効とは言えない。20分適用にすると、ほぼ同等(侵襲的な測定法と同等)と感じる人が8人、従来法(侵襲的な測定法)より良いと答えた人が2人と総合的には従来法よりやや優れているという結果を得た。さらに15分の適用では半数が従来法と同等、残り半数が従来法よりは良いとの結果を得た。10分の適用であれば、ほとんどの人が従来法より優れているとの回答を得ている。5分以下では従来法より優れていて、さらに使いやすいと答えた人が6人、2分以下とすることで、この人数が8人に増加した。1分以下とすることで10人全員が従来法より優れていて、さらに使いやすいと答えた。
実施例2
実施例1と同様の装置を用いて、自宅外での使用を想定して、適用時間に関する調査を行った。自宅外で本発明の装置を使用した場合、何分以下であれば利用するか。また適当な適用時間は何分であるかを調べた。
実施例2の結果
結果を表2および表3に示す。
Figure 0004477865
Figure 0004477865
表2に示したように、最大許容できる時間は5分であった。さらに表3に示したように望ましい適用時間は2分以下が1名、1分以下と答えた人が9名であった。
実施例3
ビーグル犬をペントバルビタール麻酔下、サーモンカルシトニン1000ユニットを含む陽極電極パッド(口腔粘膜適用側の電極構造体の抽出用パッド)を口腔粘膜へ、陰極電極(皮膚適用側の電極構造体の対照パッド)を耳に適用した。パルス脱分極型のイオントフォレーシス装置より0.2mAの電流を30分間適用し、30分後の血中のサーモンカルシトニン濃度を測定した。定量はRIAキット(ROIK6003、ペニンシュラ)を用いて行った。
比較例1
実施例3と同様に、ビーグル犬をペントバルビタール麻酔下、サーモンカルシトニンの投与実験を行った。ただし、陽極電極パッドは口腔粘膜には投与せず、皮膚(腹)に適用した。陰極電極は耳に適用した。他の条件は実施例と同様に行った。
実施例3、比較例1の結果
図4は、口腔粘膜(実施例3)および皮膚(比較例1)に対して本装置適用後、30分後の血中濃度を示すグラフである。イヌに対してサーモンカルシトニンを、口腔粘膜から投与した場合(実施例3)の30分後の血中濃度は約530pg/mlを示したのに対し、皮膚から投与した場合(比較例1)は約90pg/mlであった。カルシトニンはイオン化するものの分量が大きく、イオントフォレーシスの直接的な電気駆動力により透過するよりも、その時に生じる水の流れ(コンベクティブフロー)によって透過すると言われている。従って、方向は違うものの、グルコースのようなイオン化しない生体内成分であっても、粘膜から透過(抽出)させた方が約6倍高い透過性を示す。
実施例4
導電性のゲルを用いて、イヌ口腔粘膜に直流電流0.2mAを適用し、抵抗を測定した。
比較例2
導電性のゲルを用いて、イヌの皮膚に直流電流0.2mAを適用し、抵抗を測定した。
実施例4、比較例2の結果
図5は、口腔粘膜(実施例4)および皮膚(比較例2)における抵抗をそれぞれ示すグラフである。実施例4で口腔粘膜の抵抗を測定した結果、約8KΩであったのに対し、皮膚では約36kΩであった。これより皮膚の抵抗の方が口腔粘膜の抵抗に比べ約4.5倍高かった。従って、本装置を皮膚の場合と同じ電圧で粘膜に適用した場合は4.5倍高い電流を負荷することができ、より多くの生体内成分を抽出することができる。
以上のように、本発明は、診断のために、生体内成分を生体内から非侵襲的に取り出すための装置であって、電気的エネルギーを用いて、経粘膜から抽出するものである。その際、抽出するために電気的エネルギーを負荷する時間は、約30秒〜20分であることが望ましく、約30秒〜15分であることがさらに望ましく、約30秒〜10分であることがさらに望ましく、約30秒〜5分であることがさらに望ましく、約30秒〜2分であることがさらに望ましく約30秒〜1分であることがさらに望ましい。電気的エネルギーはイオントフォレーシスを用いて供給される。イオントフォレーシス装置の粘膜適用パッド中にイオン交換樹脂またはイオン交換膜を有することができる。イオン交換膜は陽イオン交換膜または陰イオン交換膜とすることができ、イオン交換樹脂は陽イオン交換樹脂または陰イオン交換樹脂とすることができる。イオントフォレーシス装置内には、生体内成分を定量または定性する装置を兼ね備えることができる。抽出する生体内成分は例えばグルコースである。イオントフォレーシス装置を用いて口腔粘膜から抽出することが好ましい。
本発明は医療分野において利用可能であり、特に生体内成分を生体内から非侵襲的に取り出すための、粘膜に用いるイオントフォレーシス装置に好適に適用される。
本発明に係るイオントフォレーシス装置の一実施形態を示す図である。 口腔粘膜適用側の電極構造体の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)〜(e)は別の断面図である。 皮膚適用側の電極構造体の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 口腔粘膜(実施例3)および皮膚(比較例1)に対して本装置適用後、30分後の血中濃度を示すグラフである。 口腔粘膜(実施例4)および皮膚(比較例2)における抵抗をそれぞれ示すグラフである。
符号の説明
11、12 電極構造体
13、14 固定部材
15 バネ部材
16 電源装置
21 抽出用パッド
22、32 リング部
24、34 支持体
25、35 電極部
26、36電極端子
27、37 絶縁体
31 対照パッド

Claims (3)

  1. 口腔粘膜適用側の電極構造体と、皮膚適用側の電極構造体と、各電極構造体をそれぞれ固定する固定部材と、回転可能に交差して配置された前記固定部材間に設けられたバネ部材と、前記各電極構造体に接続された電源装置とを備え、前記口腔粘膜適用側の電極構造体が粘膜に適用される生体内成分抽出用パッドを有し、かつイオン交換樹脂若しくはイオン交換膜、または生体内成分を定量する装置若しくは定性的に測定する装置を有することを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  2. 前記電源装置により電気的エネルギーを生体に負荷する時間が30秒〜20分に設定されていることを特徴とする請求項1記載のイオントフォレーシス装置。
  3. 生体内成分が、治療のために投与された薬物であることを特徴とする請求項1または2記載のイオントフォレーシス装置。
JP2003405500A 2002-12-06 2003-12-04 イオントフォレーシス装置 Expired - Lifetime JP4477865B2 (ja)

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