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JP4386611B2 - ヨウ素消毒の際の不安定なタンパク質の保護 - Google Patents

ヨウ素消毒の際の不安定なタンパク質の保護 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本出願は、血液、血液画分、酵素及びワクチンのような、タンパク質を含有する溶液を消毒するための物質を含有するヨウ素の使用に関する。
【0002】
【関連技術の説明】
輸血や性的接触によって伝染する外来性の新たな病原体がほぼ連日のように発見されている。ヒト免疫不全ウイルス(HIV、AIDSの原因因子)や極めて多くの新たな肝炎ウイルスが思い浮かぶが、同様の態様で伝染する他の多くの深刻な病原因子が絶えず発見されている。食物を調理するという習慣によって、人類は、血液間の伝染を必要とする多くのウイルスから長い間守られてきたものと思われる。輸血や血液及び組織の画分を用いるようになって、現代医学はこのような保護を取り去ってしまった。血液や他の医療用物質からウイルスやその他の病原因子を除去するために、多くの労働者は様々な消毒用の化学的及び物理的手段を用いて作業を行っている。
【0003】
ヒト血液、ヒト血漿又はその画分といった、特にタンパク質を含有する溶液中に存在する広範囲の微生物(細菌、ウイルス、及び他の病原体)を殺菌又は不活化する遊離の元素状ヨウ素の利用に基づいた非常に多くの発明を、本発明者は開示してきた。読者は、本発明者による米国特許第5,019,495号、第5,128,149号、第5,128,150号、第5,186,945号、第5,360,605号、第5,370,869号、第5,589,072号、及び第5,609,864号を参照されたい。これらの特許の内容は、参考文献として、本明細書に援用される。
【0004】
過剰量の遊離(元素状態)ヨウ素又は結合したヨウ素が消毒された製品に残存することを危惧して、最初はこれらのヨウ素法に反対する労働者がいたが、本発明者は、クロマトグラフィーによる「捕獲(capture)」技術がこのような反対を打ち消し得ることを実証することができた。捕獲とは、捕獲用の物質を貫流する溶液から遊離のヨウ素を全て効果的に除去できるほどヨウ素を強く結合する樹脂その他の物質を使用することを意味する。もちろん、遊離又は元素状ヨウ素を結合する捕獲用物質(capture material)は共有結合したヨウ素は除去できないが、ヨウ素を共有結合させる有機反応は比較的遅いことが実験によって示されている。ヨウ素源に接触させた後、即座に効果的な捕獲用物質を通過させることによって、タンパク質溶液を素早くヨウ素で処理すれば、共有結合するヨウ素の量は無視できる程度に留まる。
【0005】
従って、ヨウ素系に伴う主要な問題は最終産物中にヨウ素が存在することではなく、たとえ、ほとんど又は全く結合した状態でヨウ素が残存しないとしても、タンパク質とヨウ素との相互作用がタンパク質の永久的な変化をもたらす可能性があるということに存する。おそらくかかる変性は酵素の失活において最も顕著であろう。ヒト血漿が血餅を形成する複雑なシステムは特にこのような損傷を受けやすい。物質が組織培養中で細胞の成長を補助する効果がヨウ素処理によって弱まった場合などのように成長因子が欠乏すると、微細な損傷も生じるかもしれない。
【0006】
【発明の概要】
ヨウ素源樹脂とヨウ素捕獲樹脂の混合物は、タンパク質を含有する血漿などの溶液を効果的に消毒することが見出された。これらの混合物は、血液凝固因子のような不安定なタンパク質への損傷を最小にしながら、タンパク質を含有する溶液を効果的に消毒するクロマトグラフィーのカラム中で使用することができる。等量のヨウ素源とヨウ素捕獲とを含有する混合樹脂(50:50混合物)は、多くの場合、タンパク質にほとんど損傷を与えずに、完全に効果的に消毒を行うことができる。タンパク質への損傷がなお存在する場合には、これより少量のヨウ素を含有する混合物が理想的な混合物となり得るであろう(例えば、25:75、又は極端には5:95)。消毒能が不十分であるならば、比率を増加させることができる(例えば、80:20)。驚くべきことに、前記混合樹脂は赤血球や血小板のような組織成分も吸着する。ある場合には、混合樹脂は、処理期間の最後に遠心又は濾過によって前記樹脂を除去するバッチ操作においてさえ有用である。ヨウ素処理した樹脂とヨウ素処理していない樹脂とを混合することにより、ヨウ素処理していない成分を加えずに使用した際には効果がないレベルのヨウ素でも、効果的な消毒を行うことが可能となる。本発明者はこのような矛盾した効果を「くもの巣(spider web)」と命名した。ヨウ素消毒における制限因子はヨウ素の全割合ではなく、その上をヨウ素が拡散する表面積であると理論付けられる。ヨウ素処理していない捕獲樹脂は、消毒に効果的であるヨウ素の表面コーティングを迅速に取り去るので、ヨウ素処理していない捕獲樹脂とヨウ素処理した樹脂を混合することにより、有効面積が著しく増加する。同時に、ヨウ素処理していない物質はヨウ素の「溜め(sink)」として機能し、消毒する物質が過度にヨウ素処理されるのを防ぐ。「くもの巣」効果は、フルーツジュース、ミルク、及び他の液状食物中に存在するような不安定な味も保護することが検査によって示された。これにより、味などを損なわずに液体食物製品を消毒するための非加熱法が提供される。
【0007】
【好ましい形態の詳細な説明】
以下の記述は、全ての当業者が本発明を生産し、及び使用することができるようにするために与えられ、本発明が想定する、本発明を実施するための最良様式が示されている。しかしながら、本明細書には、本発明の一般的な原則は、不安定な酵素又は他の構成成分を損傷させずに、タンパク質を含有する溶液を消毒する混合樹脂システム(ヨウ素源:ヨウ素捕獲)を提供することであると明記されているのであるから、当業者であれば様々な変更を為し得ることが容易に理解できるであろう。
【0008】
上記説明のように、本発明者は、タンパク質を含有する溶液をヨウ素処理した後に遊離のヨウ素を除去することが、タンパク質溶液中に含まれるウイルス性混在物と細菌性混在物の両者を消毒する注目すべき消毒剤であることを発見した。この技術には、不安定なタンパク質に対してヨウ素が損傷を与える可能性があるという懸念がある。多くのタンパク質は消毒濃度のヨウ素に対して安定であるようだが、それ以外のタンパク質は完全に不安定である。このことは、ヨウ素による損傷が味の変化として現れる液体食物についても当てはまる。過度のヨウ素処理には、ヨウ素との接触時間が減少するように利用可能なヨウ素の濃度を低下させることによって、及び消毒すべき溶液の溶出速度を増加させることによって対処することができる。残念なことに、これらのアプローチは何れも不十分なヨウ素処理しか為し得ず、十分な消毒が得られない。利用可能なヨウ素の量が極めて限られている場合でも、過度のヨウ素を取り込んでしまう物質もあり得る。
【0009】
これらの問題は、特に細胞又は細胞の構成成分を含有する液体の消毒を試みる際に顕著となる。例えば、赤血球(RBC)を含有する溶液をヨウ素処理すると、RBCは即座に大量のヨウ素を吸収する。このことは、RBCの色が暗くなった後、直ちに溶血が顕著に増加することによって示される。20mlの新鮮な全血を、1gのヨウ素化したQセファロース(10重量%の元素状ヨウ素)(Q−セファロースはAmersham−Pharmacia Biotech製の炭化水素ベースのゲル濾過媒体である)と混合し、樹脂を安定させると、過剰なヨウ素が血球中に輸送されるであろう。まず、前記細胞が著しく暗化することによって、過剰なヨウ素が示される。処理された全血は、24時間以内に、著しく溶血する。これに対して、20mlの新鮮な血液を1gのPurodine樹脂(10重量%の元素状ヨウ素)(Purolite Corporation製のヨウ素化されたスチレンジビニルベンゼンイオン交換樹脂)と混合すると、溶血があるとしても、(対照の血液と比較して)24時間後にはほとんど溶血は見られない。これらの差は、ヨウ素がQセファロースよりもPurolite樹脂に強く結合することであるらしい。おそらく、Purolite樹脂はRBCより多くのヨウ素を結合する。これによりRBCが過剰なヨウ素を取り込むことを阻止する。もちろん、ヨウ素源が過剰な親和性でヨウ素を結合すれば、サンプルが過剰にヨウ素処理されるのを防ぎ得るのであろうが、同時に、混在する微生物がヨウ素処理されることまで阻止してしまうであろう。これでは消毒が非効率的になる可能性がある。本明細書で使用する「親和性」という用語は、ある物質が他の物質に結合する強さを表すために使用される。本明細書では、一般的に元素状ヨウ素の不溶性ヨウ素源物質への結合を記載するために本用語を用いる。
【0010】
ヨウ素親和性の差の効果を更に実証するために、高い親和性(Purolite)樹脂と、これより低い親和性の(Sepharose)樹脂の殺菌能力を全血に対してテストした。濃い大腸菌の懸濁液を血液に混入させた。遠心管中に分取した混入血液20mlに、Purolite又はヨウ素化したSepharoseのうちの何れかのサンプル(1g)を加えた。前記チューブを完全に混合し、室温で30分間インキュベートした。CF−150(Merocel Corporation of Mystic, CT製のポリビニルアセタールスポンジ)を通した濾過によって、前記樹脂を除去し、1mlの前記血液サンプルを分取して、寒天培地上に播種し、37℃で24時間インキュベートした。該インキュベート後、細菌の増殖についてプレートを観察した。濾過したサンプルをプレート上に置いた時点で、溶血を判定した。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004386611
【0011】
これらの結果は、ヨウ素に対して高い親和性を示す樹脂は全く溶血を引き起こさなかったが、低い親和性の樹脂に比べて殺菌能が低かったことを示している。おそらく、ヨウ素化したQ−セファロースによる殺菌は、樹脂の量又はインキュベート時間を増加させることによって改善され得るものと思われるが、より多くの溶血が生じることになろう。Purodine樹脂殺菌も同様にして改善される可能性があるが、樹脂の量及び/又は必要なインキュベート時間は現に過剰であるかもしれない。各々の場合に樹脂の量を0.2gまで増加させると、溶血の増加を伴うが、ヨウ素化したQ−セファロースでは完全に殺菌され、Purodineでは殺菌力が向上した。このQ−セファロース濃度は、添加されたStaphylococcus epidermidis、及びPseudomonas aeruginosaに対しても同様に効果的であることも実証され得るであろう。ポリビニルアセタールと架橋されたポリビニルピロリドン、及びヨウ素化されたポリビニルアセタールとヨウ素化し架橋されたポリビニルピロリドンも、それぞれ、ヨウ素捕獲及びヨウ素源として使用し得ることに留意すべきである。
【0012】
少なくとも論理的には、過剰なヨウ素化を伴わない消毒を確実に実施するために、任意の消毒すべき物質を、もっとも正確な親和性のヨウ素源とマッチさせることは可能である。もちろん親和性以外にも様々な変数が存在する。より多くのヨウ素がヨウ素源に結合するにつれて、ヨウ素源は飽和して余分なヨウ素に対する親和性が低くなるので、ヨウ素源物質上のヨウ素の割合は重要である。従って、比較的ヨウ素の割合が高いヨウ素源の場合、ヨウ素源に対するヨウ素の結合よりも、媒質中のヨウ素の溶解度によって、ヨウ素源からのヨウ素の除去が制御される。ヨウ素は多くの水性溶媒中で極めて溶解度が低い。従って、有効ヨウ素レベルを実際に制御するのは(ヨウ素源が飽和しているとして)、消毒すべき物質の停留時間(すなわち、ヨウ素源を通過する前記物質の流速)及び消毒すべき前記物質におけるヨウ素結合物質の存在である。すなわち、多くのタンパク質は即座にかなりのヨウ素を結合する。タンパク質溶液が飽和したヨウ素源を比較的ゆっくりと流れると、タンパク質分子は飽和状態になるであろう。タンパク質がヨウ素の存在下で多少とも不安定であるなら、タンパク質に損傷を与える前にヨウ素捕獲因子がヨウ素を除去することができなければ、タンパク質は損傷を受けるであろう。他の極めて重要な要素は、ヨウ素供給物質の有効表面積である。ヨウ素は僅かに溶解し得るにすぎないので、おそらく病原体の不活性化の多くはヨウ素源(該ヨウ素源の中で、致死量のヨウ素が病原体へ移動する)との接触を通じて起きるものと思われる。従って、体積の大きな比較的ヨウ素レベルが低い樹脂は、体積がこれより小さく、ヨウ素レベルが高い樹脂よりもはるかに効果的であろう。
【0013】
他の変数は比較的少ない。溶解したタンパク質(又は懸濁した細胞成分)の消毒を最大にするために、ヨウ素源は消毒すべき物質よりも低い親和性でヨウ素を結合しなければならない。しかしながら、過度のヨウ素処理による損傷を防ぐためにヨウ素源は十分な親和性で結合しなくてはならない。更に、消毒すべき物質全てに効果的に接触するために、ヨウ素の表面積は十分でなければならない。過度のヨウ素処理による損傷は、ヨウ素源と消毒すべき物質との接触時間を減少させることによって(流速をより速くする)、減少させ、又は防ぐことが可能である。ヨウ素処理をした物質から即座に遊離したヨウ素を奪うのに十分な親和性をヨウ素結合(捕獲)物質に与えることによっても、損傷を減少させ、又は防ぐことが可能である。これらの要素を正確に均衡させることが困難であるという問題は残る。ヨウ素源物質の親和性を容易に調整し得るなら、比較的速い流速を用いて消毒を行うことは可能となるはずである。しかしながら、かかる目的に使用される通常のクロマトグラフィーカラムでは、ヨウ素源からヨウ素結合(捕獲)物質までサンプルが流れるのに要する時間内に、弱いタンパク質は損傷を受けてしまうので、十分な消毒を保証するために、親和性が十分に低いヨウ素源を用いると、しばしばタンパク質に損傷がもたらされる。流速の増加又は有効ヨウ素量の減少は損傷を軽減し得るが、不十分な消毒ももたらすおそれがある。
【0014】
本発明者は上記方法を制御する更なる方法に想到した。ヨウ素源及びヨウ素結合(捕獲)物質の連続したカラムを提供する代わりに、ヨウ素源と捕獲物質の両者の混合ベッドを用いると非常に有利な点がある。該混合ベッドシステムでは、ヨウ素源から捕獲物質へヨウ素を直接移動させ、前記消毒すべき物質を短絡させると予想されるので、該システムは本質的に直感に反するように思われるかもしれないが、ヨウ素はタンパク質が存在しない液体溶媒中では実質的に不溶性であることに思い至ると、ヨウ素源から捕獲物質へのヨウ素の移動は消毒すべき物質を通過させる回路を形成することが明らかになる。すなわち、消毒すべき物質はヨウ素源においてヨウ素を獲得し、獲得した該ヨウ素をほぼ即座に捕獲物質に受け渡す。しかしながら、該「受け渡し(pass−through)」プロセスにおいて、ウイルス及び他の微生物はヨウ素に暴露され、ウイルス及び細菌は完全な消毒を実施するのに十分長い時間と十分な量の該ヨウ素を保持し得る。ヨウ素源と捕獲物質は、何れも、ヨウ素に対して同程度の親和性を有していると仮定すると、ある混合物における捕獲物質に対するヨウ素源の割合を減少させると、ヨウ素に対するヨウ素源物質の親和性を増加させる効果があるであろう。すなわち、消毒すべき物質の観点からは、あたかもヨウ素源の親和性が増加したかのように、結合可能なヨウ素が減少するであろう。必要であれば、様々なヨウ素源及び捕獲物質を利用することによって、さらに広い範囲の「親和性」を利用することが可能になる。これより自明度の低い本アプローチの利点としては、本アプローチによって、ヨウ素消毒が生じ得る表面積が著しく増加することがある。これは、加えられた捕獲物質が表面ヨウ素成分を素早く捕獲するからである。捕獲物質の親和性は、多くの場合、ヨウ素源物質と類似しているため、捕獲物質は物理的に接触する状態になったウイルス及び他の病原体にヨウ素処理を施すことが可能となる。従って、比較的少量のヨウ素が広い領域に広がり、通過する病原体を標的とする「くもの巣」として作用することができる。
【0015】
Qセファロースはヨウ素に対して比較的低い親和性を有する。もし、比較的大量のヨウ素を急速に放出させたいなら、これは有益である。Qセファロースはヨウ素を除去するための捕捉物質としても機能し得るが、かかる比較的低い親和性のため、効果的にヨウ素を捕捉するには比較的大量のQセファロースを必要とする。45mlのQセファロース(30mlセファロース+15ml水)を250mlの血漿全体に添加し、入念に混合すると、過剰なヨウ素に対する保護作用を与えることが見出された。セファロース−血漿混合物に40mlのヨウ素化/非ヨウ素化混合セファロース(重量比10%のヨウ素を含むセファロース1ml+非ヨウ素化セファロース4ml+水35ml)を添加し、完全に混合した。サンプルを15分間隔で取り出し、次いで前記セファロースを濾過によって除去した。15分間のサンプルから濾過したセファロースはまだ茶色のヨウ素色を示した。検査により、15分間のサンプルは、第VIII因子(ヨウ素に対して非常に不安定な凝固因子)の活性を示した。その後のサンプルからは、実質的に全ての第VIII因子の活性が喪失していた。この実験は、源物質と捕捉物質の混合物が、凝固因子の過度のヨウ素化を調節するのに有効であることを示した。
【0016】
ウイルスを混入させた血漿にも同様のアプローチを試行した。ウイルス(脳心筋炎ウイルス(EMC)又はブタパルボウイルス(PPV)のいずれか)を50mlのヒト血漿に添加した。50mlの試料各々に対し、ヨウ素化Qセファロース(重量比10%のヨウ素)1.0ml+非ヨウ素化Qセファロース4.0mlとする一定分量を添加し、室温でサンプルを60分間混合した。次に前記セファロースを濾過により除去し、ウイルスエンドポイントアッセイ(VEPA)によって、被処理サンプルの段階希釈を調製した。すなわち、前記希釈液を被検細胞(被検ウイルスに応じて、vero、pk15又はbt)の単層を含有する栄養性のプレートに添加した。適切なインキュベーション時間の後(1〜5日)、ウイルス複製(プラークの形成)について、プレートをアッセイした。スコア4は最大のプラーク形成である。スコア1は僅かなプラークを示し、スコア0はウイルスによる損傷の兆候を示さない。全ての場合において、細胞毒性は示さなかった。これはいかなるサンプルにおいても、遊離のヨウ素が実質的に存在していなかったことを意味する。添付の表2に示されているように、前記処理は、前記ウイルスを実質的に全て死滅させた。
【表2】
Figure 0004386611
【0017】
これらの結果は、ヨウ素化樹脂と非ヨウ素化樹脂の混合物は、前記被処理サンプル中に遊離のヨウ素を実質的に残さずに、ウイルスを有効に死滅させ得ることを示している。
【0018】
表3は、ウシ下痢ウイルス(BVD)も含まれるように、本実験を拡張して再度実施したものを示している。この実験では、ヨウ素化樹脂と非ヨウ素化樹脂の比率は1:3であった。
【表3】
Figure 0004386611
【0019】
これらの結果は様々なウイルスによって感受性が異なることを示している。おそらく、ヨウ素化樹脂の量又はインキュベーション時間を増やせば、より生存能の高いウイルスも死滅させることができるであろう。
【0020】
ヨウ素化樹脂と非ヨウ素化樹脂の混合物が全血に対して及ぼす効果を検査した。上記説明のように、全血に対し多量のヨウ素を加えると、RBCにひどい溶血が生じる。ここで、ヨウ素化Qセファロース(ルゴール溶液(5%ヨウ素−10%ヨウ化カリウム)40mlに樹脂10mlを24時間混合して調製)及び非ヨウ素化Qセファロースの「Big Beads」を採用した。40mlの一定分量の新鮮な全血を50mlの遠心分離用チューブに入れた。1mlのヨウ素化セファロース、又は9mlの非ヨウ素化セファロースと1mlヨウ素化セファロースとの混合物のいずれかをこれに添加した。前記サンプルを60分間インキュベートし、セファロースを遠心分離により除去して、前記サンプルの溶血を観察した。予想通り、ヨウ素化したセファロースのみを用いたサンプルではRBCsの暗色化と顕著な溶血を示した。ヨウ素化セファロースと非ヨウ素化セファロースの混合物はわずかな溶血を示したにすぎなかったが、対照(セファロースなし)では、溶血を示さなかった。これは、混合樹脂がRBCsに対し、重要な保護作用を提供し得ることを示す。ヨウ素化樹脂とのインキュベーションを非常に長時間行ったので、これは最悪の場合のシナリオである。クロマトグラフィー処理(本発明の使用に好ましい方法)においては、接触時間はさらに著しく限定され得る。しかしながら、60分未満のインキュベーション時間であっても、混合樹脂によるアプローチもバッチ操作として相当に有望であることを示す。これらのアプローチは全血を消毒する方法を提供するので、輸血によってウイルスが伝染する危険性をなくす。細胞内ウイルスを死滅させ得ることを示す幾つかのデータが存在している。しかしながら、白血球がなおウイルスを蓄積している可能性が残存している。本発明者は、好ましくはヨウ素処理の前に、消毒した全血から白血球細胞を除去することを検討した。多くの白血球フィルターが本分野で公知である。読者は米国特許第5,639,376号、及びこれに詳細に引用された参考文献を参照されたい。
【0021】
本発明は、一つにはヨウ素源の有効表面積を増加することによって効果を発揮するので(理論的には)、極めて低いヨウ素レベルで有効な消毒を与え得ることが証明された。ヨウ素化DEAEセファデックス(Amersham−Pharmacia Biotech製の架橋したデキストランポリマーの陰イオン交換誘導体)及びヨウ素化DEAEセルロース(非ヨウ素化型の各物質が捕捉物質として機能した)を使用して、バッチモード実験に着手した。おそらく陰イオン交換物質がヨウ素イオンに結合して、次にヨウ素イオンが元素状のヨウ素の可溶性を高めて、樹脂を通過させ得るので、陰イオン交換物質はヨウ素の捕捉剤として特に有効であることが明白である。ヨウ素化及び非ヨウ素化物質の量は、表4に示すように、50mlの無菌チューブに入れて計量した。
【表4】
Figure 0004386611
【0022】
20mlのVSV(水泡性口内炎ウイルス)の懸濁液を各々のチューブに分配して、連続的な混合を行いながら室温でインキュベートした。30分間静置してから、上記で実行したように、各チューブのサンプルをVEPAアッセイにかけた。DEAEセファデックス実験の結果が表5に示されており、DEAEセファロースの結果は表6に示されている。
【表5】
Figure 0004386611
【0023】
【表6】
Figure 0004386611
【0024】
これらの結果は、ヨウ素の表面積を増加させるために捕捉物質と組み合わせると、低レベルのヨウ素(0.5%)であっても有効に溶液を消毒し得ることを示している。従来技術で報告されているように、ウイルス粒子が無処置のDEAE樹脂(plain DEAE resin)に結合すると、ウイルス数が3桁まで減少するようである。
【0025】
次に、同様の実験を上記に示したように、陰イオン交換樹脂(Purolite)などの親和性樹脂を用いて実施した。この実験に対しては、50mlチューブ中に、以下の物質を計量した。
【0026】
a)4.0gのDEAEセファデックス
b)5%ヨウ素DEAEセファデックス/無処置DEAE樹脂の50:50混合物4.0g
c)4.0gのDEAEセファロース
d)ヨウ素化DEAEセルロースと無処置のDEAEセルロースの50:50の混合物4.0g
e)4.0g陰イオン交換樹脂(Purolite A606)
f)5%ヨウ素の陰イオン交換樹脂(Purolite A605)と無処置の陰イオン交換樹脂(Purolite 「Purodine」A605)の50:50混合物4.0g
各々一定分量の樹脂を、組織培地中に25mlのVSVウイルスと共に混合した。すでに述べたように、チューブを室温で60分間混合した後、30分間静置してから、サンプルをVEPAにかけた。結果を表7に示す。
【表7】
Figure 0004386611
【0027】
これらの結果は「くもの巣」アプローチが非常に有効であることを示す。(e)ヨウ素捕捉樹脂の重量と等しい半分の量のヨウ素源樹脂を用いた場合と異なり、高親和性樹脂のみを使用した結果が最も興味深い。ヨウ素の重量のため、捕捉樹脂の体積がヨウ素源樹脂の体積をかなり超えた。このことは、病原体を死滅させるためには、十分な表面積を有することが重要であることを示す。
【0028】
非常に低量のヨウ素による「くもの巣」アプローチは、ヨウ素消毒へのクロマトグラフィー的アプローチにおいても有効である。この実験では、以下のカラムを二つずつ準備した。a)5%ヨウ素(重量比)のDEAEセファデックス(2.0g)及び非ヨウ素化DEAEセファデックス(2.0g)の50:50混合物、b)2.5%ヨウ素(重量比)のDEAEセファダックス(2.0g)と非ヨウ素化DEAEセファダックス(2.0g)との50:50混合物、並びにc)非ヨウ素化DEAEセファダックス4.0gである。一定分量のヒト血漿(各50ml)に、BVDウイルス又はPPVウイルスのいずれかを添加した。重力によってカラム中を流動させることにより(流速約5ml/分)、サンプルを濾過し得た。該サンプルを直ちにVEPAにかけて、上述のように実行した。結果を下表8に示す。
【表8】
Figure 0004386611
【0029】
これらのデータは樹脂自身が一定量のウイルスを結合するのに対して、十分な表面積が与えられれば、ヨウ素の添加が完全な不活性化を引き起こし得ることを示している。
【0030】
ヨウ素化樹脂と非ヨウ素化樹脂の混合物を使用すると、病原体が死滅させつつ、不安定な細胞又はタンパク質を有効に保護できることを前記実験は実証している。これらの実験も、高親和性の樹脂(例えば、Purolite)又は不十分な親和性を有する樹脂(例えば、セファロース)を使用した場合の課題を明示している。低親和性の樹脂が優れたヨウ素源となり得るのに対して、一般的に捕捉因子には適していない。極めて急速/高親和性の捕捉因子を優れたヨウ素源(すなわち、親和性が高過ぎない)と組み合わせることが必要である。捕捉能の観点からすれば、親和性は必ずしも捕捉の急速性を予測するものではない。Purolite陰イオン交換樹脂は高い親和性でヨウ素と結合し、ゆっくりと放出するにすぎない。しかしながら、同じこれらの物質は、ヨウ素をゆっくりと取り込むにすぎないので、それらは理想的な捕捉物質としては機能しない。本発明者は、Umpqua Research(Myrtle Creek、Oregon)製の一連のヨウ素化樹脂及び捕捉樹脂(スチレン/ジビニルベンゼン陰イオン交換)が、特に、本発明に有効であり得ることを見出した。Umpqua製樹脂は水の精製に使用するように設計された。ヨウ素化樹脂(MCV)は、溶血及び不安定なタンパク質に対する効果(後述)によって判定したところによれば、Puroliteに比べて幾分親和性が劣るようである。捕捉樹脂「ヨードソーブ(Iodosorb)」は、ヨウ素(元素状ヨウ素)とヨウ化物の両者を極めて急速に吸収する吸収体であり、添加したヨウ化物とその反応産物の両者が除去される。現在では、ヨードソーブが公知の他のいかなる捕捉剤よりも迅速にヨウ素及びヨウ化物を除去する点で、これらは最も理想的な樹脂と思われる。これは、過剰なヨウ素化による損傷を最小限に抑えるはずである。
【0031】
最初の実験では、ヨウ素(MCV)用及び捕捉剤(ヨードソーブ)用の各カラムを順に準備し、ヨウ素源カラム、続いて捕捉カラムを通じて、処理すべき液体を迅速に送液し、全ての元素状ヨウ素と遊離のヨウ素イオンを素早く除去した。ヨウ素は極めて迅速に捕捉カラムによって除去されると思われるので、速い流速を使用することによって、過度のヨウ素化による損傷の量が抑えられるであろうと考えた。使用する処理カラムは各750mlであり、サンプルの流速が分速100mlになるように実験を調整した。最初の実験では、凍結したヒトの血漿(500mlのサンプル)を解凍し、前記システムの消毒能の検査として、無添加又はPPVの添加後のいずれかで実施した。VEPAは、実質的にウイルスが完全に死滅していることを実証した。しかしながら、血液の化学分析は、重要な血液酵素の活性がかなり失われていること、及び凝固時間(PT及びaPPT)が極端に増加していることを示した。これは、急速で且つ効果的にヨウ素を捕捉するにもかかわらず、ヨウ素によって誘導される損傷が、ウイルスのタンパク質に対してなお相当生じていることを示している。表9は本実験の結果を示している。
【表9】
Figure 0004386611
【0032】
処理サンプル中には、検出可能な遊離のヨウ素(原子)又はヨウ素イオンは存在しなかった。多くの血液酵素の値は、ヨウ素処理によって著しく減少していることに注意されたい。捕捉物質ヨードソーブは、強い陰イオン交換物質なので、前記減少の一部は、この物質への酵素の選択的結合に起因するものかもしれない。しかしながら、総タンパク質は前記処理によって変化しないので、酵素の減少のほとんどは、酵素に対するヨウ素の損傷が原因であることを示唆する。尿酸の変化は、おそらく、ヨウ素による酸化によるものであろう。塩素イオンの変化は前記ヨードソーブへの塩素イオンの結合によるものであるかもしれない。これはヨウ素化と捕捉物質の特性が完璧であるように思えるにも拘わらず生じるので、このことはいくらか残念である。ヨウ素による損傷を減少させる一つの方法は、ヨウ素の接触時間がさらに減少し得るように、流速を増加させることかもしれない。欠点は、十分に高い流速を確保することが困難なことである。同様に、前記ヨウ化樹脂の容積を減少させることも、前記ヨウ素の効果を減少させ得る。しかしながら、これらの変化も十分に消毒できない(すなわち、ヨウ素が全ての微生物を十分に死滅又は不活性化できない)危険性を伴う。
【0033】
これらの選択肢のいくつかを、表10に示す第2の実験によって探究した。この場合にも、750mlのヨウ素化カラムを用いて、分取した500mlの解凍ヒト血漿を処理した(PPVを含有する、及び含有しない同じサンプルを流した)。しかしながら、この場合には、前記カラムは分速50ml、100ml、又は200mlのいずれかで展開し、ヨウ素が確実に素早く中和されるように、溶出液は10mg/mlのアスコルビン酸ナトリウムの溶液中に置いた。ヨウ素の色は全て、アスコルビン酸溶液と接触するとすぐに消失した。中和後、ヨウ素を除去するため、溶液を捕捉剤カラムに通した。中和後と捕捉剤通過後に、血液成分を入念に検査した。
【表10】
Figure 0004386611
【0034】
これらの結果は、血液成分の変化の多くはヨウ素反応によるものであり、捕捉剤による何らかの効果によるものではないことを示している。全てのケースで、処理した血液中には遊離ヨウ素もヨウ化物も検出できなかった。不安定な酵素は、流速が速くなると(ヨウ素接触時間が減少)若干保存される。見かけの尿酸含量の変化でさえ、ヨウ素反応によるものと思われる。塩素イオンの消失は恐らく捕捉カラムによるものである。アスコルビン酸による中和後に得られた異常に高い読み取り値は、アスコルビン酸の干渉作用から得られたものであろう。ヨウ素と何らかの接触をさせることによって、凝固時間(PT及びaPPT)が最も影響を受けた。全てのヨウ素処理において、流速に関係なく、添加したPPVを完璧に死滅させた。
【0035】
次に、ヨウ素源及び捕捉物質を混合することによって、ヨウ素の利用度を低下させる効果を探究するための実験に着手した。各750mlカラムがヨウ素源とヨウ素捕捉樹脂の50:50混合物を含有している点以外は、表4の実験を繰り返した。この場合にも、分取した500mlの解凍した凍結ヒト血漿を(PPV添加のあり、又はなし)カラムにかけた。50:50混合物が十分でなかったかもしれないことが理解されるであろう。もし、より多量のヨウ素が必要なら、ヨウ素源樹脂の比率を増加させることによってこれを達成することができる。もしヨウ素化が過剰であることが明白なら、より多くの割合のヨウ素捕捉剤を使用することができる。二つの樹脂を混合すると、消毒の効果が劣ることになると予想するかもしれないが、前記結果は、非混合樹脂と比較して、混合樹脂システムが同程度か、それ以上に有効でさえあることを示した。ここで、ヨウ素を有する樹脂の総量は以前の実験と同じであった。しかしながら、混合樹脂は、単独で使用した場合には不十分である体積のヨウ素含有樹脂を使用しても、優れた消毒作用を示す。有効なヨウ素消毒は、その上にヨウ素が存在し得る有効表面積と相関しているという説明が考えられる。混合樹脂システムを通じて、タンパク質溶液が流動するにつれて、ヨウ素は急速に前記捕捉表面に運ばれて、有効な消毒剤となる。混合樹脂の結果を表11に示す。
【表11】
Figure 0004386611
【0036】
この場合にも、遊離ヨウ素とヨウ化物イオンは何れも処理サンプル中に検出できなかった。非混合樹脂と比較すると、血液酵素の保存性が非常に顕著である。極めて感受性の高い凝固時間でさえ、正常な範囲内にかろうじて収まる。ヨウ素捕捉樹脂に対する有効作用ヨウ素の比率を微調整することによって、これらの結果が改善されると予測することには十分な合理性が存在する。さらに、混合樹脂カラムは水中に保存すると非常に安定であることが発見された。おそらく、水中でのヨウ素の溶解度が非常に低いからであろう。
【0037】
これと同様の実験を、(解凍した凍結ヒト血漿ではなく)新鮮なヒト血漿を使用して繰り返した。凍結解凍処理は部分的に多くの酵素に損傷を与えることが知られている。無処理の酵素のほうがヨウ素からの攻撃に対して高い耐性を有し得ると考えられた。これらの結果を下表12に示す。この場合にも、実験により、添加したPPVが完全に破壊された。
【表12】
Figure 0004386611
【0038】
全ての検出し得るヨウ素又はヨウ素イオンは前記処理によってサンプルから除去された。ここで、混合樹脂システムは、解凍した凍結血漿を用いた場合に比べて、酵素機能の喪失が少なかった。このことは、ヨウ素によって引き起こされる損傷を最小限に抑えつつ、血漿や他のタンパク質溶液を消毒するために混合樹脂(ヨウ素源/ヨウ素捕捉剤)を使用することが極めて有用であることを示している。
【0039】
これらの実験は50:50(源:捕捉剤)の混合物を実証したが、幅広い混合物が有用であり得ることが明らかである。もし50:50の混合物が所定の流速において許容し得ないタンパク質の損傷を示すのであれば、捕捉剤の比率を増加すべきである。予備的な実験によれば、1:99のような低い比率でも有用な結果を示した。かかる低比率に伴う主要な問題は、ヨウ素源が極めて急速に枯渇することである。これは、サンプルの大きさに比して使用するカラム全体の大きさを増加させることによって、部分的に改善し得る。しかしながら、これはカラム上で過剰なサンプルの損失をもたらす。より良い解決法は、10:90以下の比率に低下させる前に、タンパク質の損傷を低下させるために流速を増加させることである。同様に、もしVEPA検査が50:50混合物での消毒が不十分であることを示すなら、流速を低下させるか、及び/又は比率を増加させるべきである。75:25以上の比率では、タンパク質の損傷という点に関して、むしろ純粋なヨウ素源に近い振る舞いをする傾向があることを予備実験は示している。特別の場合には、90:10の高い比率が有用であるかもしれない。これは、様々な場合に基づいて容易に探究し得る。
【0040】
これらの実験は、主として、ヨウ素源とヨウ素捕捉樹脂が化学的に(例、Umpqua樹脂)ほぼ同等である混合物を用いて行った。しかしながら、異なる物質の混合物を使用することによって、有効な比率の範囲を拡張し得ないはずはない。ヨウ素を素早く結合する捕捉樹脂を用いたときに、最良の結果が得られるであろうと思われる。しかしながら、比較的低いヨウ素親和性を有するヨウ素源を用いることには、別の利点が存在し得る。これによって、低い比率の混合物(例えば、10:90以下)によって効果的な消毒が可能となるであろう。これは極めて不安定なタンパク質に対して有力であり得る。アガロース又はデキストランポリマー(セファロース及びセファデックス、Amersham−Pharmacia−Biotechの製品)のような物質は、親和性の低い理想的なヨウ素源(並びに有用なヨウ素結合物質)であると思われる。血液由来の液体が本明細書には示されているが、前記方法はタンパク質を含有する実質的に全ての溶液を消毒することが実験によって示されている。混合樹脂を用いたくもの巣アプロ−チによって、ほのかな風味などに対する損傷を最小源に抑えつつ、フルーツジュース、ミルク、その他の液体飲料も容易に処理することが可能となる。
【0041】
本発明及び本発明の様々な実施態様を説明するために本明細書で使用されている用語は、かかる用語が有する通常の意味として理解されるのみならず、通常用いられる意味の範疇を超えて、本明細書の構造、物質、又は作用中の特殊な定義をも含むものとして理解されなければならない。ある要素が本明細書の文脈において2以上の意味を含むものとして理解し得る場合には、特許請求の範囲におけるその使用は、本明細書によって及び当該用語自体によって支持される、考えられる全ての意味を包括するものと理解しなければならない。以下に記載される特許請求の範囲の用語又は要素の定義は、従って、逐語的に示された要素の組合せのみならず、実質的に同一の態様で、実質的に同一の機能を実施して、実質的に同一の結果が得られる全ての均等な構造、物質、又は作用をも含むものである。

Claims (5)

  1. 液体中のタンパク質及び他の不安定な成分を不活性化させずに、液体中の微生物を死滅させ、又は不活性化させる方法であって、
    元素状ヨウ素源として作用する元素状ヨウ素含有物質の不溶性粒子と、元素状ヨウ素溜めとして作用する予めヨウ素化されていない不溶性ヨウ素結合物質の不溶性粒子との混合物に、前記液体を接触させる工程と、
    前記液体から前記粒子の混合物を除去する工程とを備えた方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記粒子の混合物に前記液体を接触させることが、前記混合物を通して前記液体を流すことからなる方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法であって、前記元素状ヨウ素含有物質が、ヨウ素化されたアガロース、ヨウ素化された架橋デキストラン、ヨウ素化されたDEAEセルロース、ヨウ素化されたポリビニルアセタール、ヨウ素化されたポリビニルピロリドン、及びヨウ素化されたスチレンジビニルベンゼン陰イオン交換樹脂からなる群から選択される方法。
  4. 請求項1又は2に記載の方法であって、前記ヨウ素結合物質が、アガロース、架橋デキストラン、DEAEセルロース、ポリビニルアセタール、架橋ポリビニルピロリドン、及びスチレンジビニルベンゼン陰イオン交換樹脂からなる群から選択される方法。
  5. 請求項1又は2に記載の方法であって、前記ヨウ素結合物質に対する前記元素状ヨウ素含有物質の比率が重量比で1:99と90:10の間にある方法。
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