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JP4364941B2 - ウトロフィン遺伝子プロモーター - Google Patents

ウトロフィン遺伝子プロモーター Download PDF

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Description

本発明はヒトのウトロフィン遺伝子及びマウスのウトロフィン遺伝子のゲノムプロモーター領域のクローン化に基づく。
重症の筋るいそう疾患であるデュシェーヌ筋ジストロフィー(DMD)及びそれよりも衰弱させないベッカー筋ジストロフィー(BMD)は、それぞれ、ジストロフィンの欠乏またはジストロフィンの端を切り取った形の異常な発現を生ずるジストロフィン遺伝子の変異による。ジストロフィンは、筋内で、筋鞘の細胞質表面、神経筋接合部(NMJ)及び筋腱接合部(MTJ)に位置する、大きな細胞骨格タンパク質(125nmの長さの427kDa)である。それは、ジストロフィン会合糖タンパク質複合体(DGC)と呼ばれる、筋鞘に広がるタンパク質と糖タンパク質の複合体に結合する。ジストロフィン機能の喪失または損傷の結果、この複合体の一体性の崩壊は、筋の退化及びDMD表現型をもたらす。
ジストロフィン遺伝子は今までのところ、ヒトにおいて同定されたもっとも大きい遺伝子であって、2.7メガ塩基に及び79のエキソンを含有する。相当する14kbのジストロフィンmRNAは主として、骨格筋、心臓筋及び平滑筋で発現され、脳では低レベルである。異なる組織における転写は、第1エキソンの相違を起こす、脳プロモーター(主として神経細胞において活性)または筋プロモーター(分化した筋肉細胞、及び最初の神経膠細胞)のいずれかで調節される。筋プロモーター及びジストロフィンの第2エキソンの間の第3プロモーターは小脳のパーキンジェ(Purkinje)ニューロンにおける発現を調節する。最近〔1,2,3〕に評論が書かれた。
モデル系としてmdxマウスを用いる、DMDの遺伝子治療に採用された種々のアプローチがある。しかしながら、ジストロフィン陽性にすることができる多数の筋細胞、遺伝子の発現レベル及び発現の持続に関するかなりの問題がある〔4〕。ジストロフィンのカルボキシ末端を発現する、単純に再導入する遺伝子は、DGCが筋鞘で再確証されるようであるけれども、ジストロフィン表現型に影響を持たないことも明らかになった〔5,6〕。
これらのいくつかの問題を回避するために、関係するタンパク質を用いてジストロフィンの喪失を埋め合わせる可能性が、ジストロフィン遺伝子治療の代替ルートとして探究されている。鎌状赤血球貧血の患者における冒された成人−グロブリン鎖を埋め合わせるために、胎児のヘモグロビンを上方調節する臨床実験において、最近同様な戦略が評価されている〔7,8〕。
ウトロフィンは染色体6q24に位置する多エキソンの1MbのUTRN遺伝子によりコードされた395kDaのタンパク質である〔9〕。現在では、ウトロフィンの組織調節は完全には分かっていない。ジストロフィンと違って、今までたった1つのプロモーターが検出された。ジストロフィン欠失mdxマウスにおいては、筋内のウトロフィンレベルは、正常なマウスと比較して誕生後すぐに上昇したままである。一旦、ウトロフィンレベルが成人のレベル(誕生後約1週)に低下すると、筋繊維壊死の最初の徴候が検出される。しかしながら、小さな直径の筋では、継続的な増加したレベルのウトロフィンが筋鞘でDGC複合体(または抗原性に関係する複合体)と反応することができ、したがって、これらの筋が正常にみえる結果とともに複合体の喪失を防ぐことを示唆する証拠がある。正常な筋においてはウトロフィンは筋鞘に局在可能であることを示す実質的に多数の証拠もある。ヒトでは18週まで、マウスでは20日の懐胎までの、胎児の筋の発育の間、筋鞘に局在した、増加したウトロフィンの発現がある。この時期の後、ウトロフィンの筋鞘の染色は着実に著るしく低い成人のレベルに低下して、誕生の少し前にはウトロフィンはほとんどまったくNMJにのみ局在する。ウトロフィン発現の低下はジストロフィンの増加した発現と同時に起こる。評論〔1,2,3〕を参照。
このように、特定の状況では、ウトロフィンは、アクチン及びDGCとの相互作用を通して、ジストロフィンとたぶん同じ結合部位で筋鞘に局在することができる。したがって、ウトロフィンの発現が十分に上昇するなら、DGCを維持し、したがって、DMD/BMD患者における筋肉退化を緩和し得る〔11〕。
しかしながら、ウトロフィン発現の巧妙な取り扱い及び発現を高める調節をすることができる分子のスクリーニングはクローン化されていないウトロフィンプロモーターにより妨たげられる。ウトロフィンのための配列をコードするcDNAを利用できるけれども、その上流の翻訳されない領域の配列はなく、そして、ウトロフィン遺伝子において多数のイントロンが与えられたけれども〔9〕、ウトロフィンプロモーターの成功した同定及び単離は報告されていないことは驚くべきことではない。
我々は今やウトロフィンプロモーターをクローン化し、本発明の種々な面及び態様は本明細書において得られ、そして提供された配列情報に基づく。
プロモーターの1つの主要な用途は、その活性を調節することができる物質のスクリーニングである。新規な薬の同定をもたらす薬学の研究は、先導する化合物が見つかった前及び後でさえも、非常に多数の候補物質のスクリーニングを包含することが良く知られている。これは、薬学の研究を非常に費用がかかり、時間がかかるものとする1因である。スクリーニングの過程において援助する方法または手段は、かなりな商業的な重要性及び有用性を有するだろう。ウトロフィンプロモーターの上方調節剤(upregulator)と同定された物質は、それらが生体内で使用するための治療剤の設計及び研究の基礎を提供するので、筋ジストロフィーに対する戦いにおける進歩を示す。
第1の面によると、本発明はウトロフィン遺伝子プロモーターを含む核酸単離物を提供する。
第2の面によると、本発明は、プロモーターを含む核酸単離物を提供し、そのプロモーターは図2または図5に示されたヌクレオチド配列(配列番号1〜3)を含むものである。そのプロモーターは、遺伝子の発現を促進するのに十分な、図2または図5に示された配列の1または複数のフラグメントを含むことができる。そのプロモーターは、図2もしくは図5(ヒトについて)における、5′から位置898へのヌクレオチドの配列、またはマウスにおける同等な配列を含むかまたは本質的にそれからなることができる。好ましくは上記プロモーターは、図2に示された配列(配列番号1)もしくは図5のヒトの配列(配列番号2)における、746〜944の番号を付されたヌクレオチドまたは図5の同等なマウスの配列(配列番号3)を含むか、または本質的にそれからなる。図2または図5の配列のこの部分のもっと小さな部分ですら、プロモーター活性を維持する限りにおいては用いることができる。制限酵素又はヌクレアーゼを核酸を消化するのに用い、続いて、適当なアッセイ(たとえば本明細書に説明されたように、ルシフェラーゼ構築体を用いる)により、必要な最小配列を決定し得る。本発明の好ましい態様は、プロモーター活性のために必要な図2または図5に示された最小ヌクレオチド配列を有する核酸単離物を提供する。最小プロモーター要素は、ヒトの配列においては、それぞれ746bp及び942bpに位置し、マウスの配列においては、それぞれ1486bp及び1645bpに位置する、SmaI及びEagI制限部位の間に位置する(図5参照)。
そのプロモーターは、発現の出現及び/または組織特異的調節を与える1または複数の配列モチーフまたは要素を含むことができる。たとえば、そのプロモーターは筋特異的発現のための配列、たとえばE−ボックス要素/myoD結合部位、たとえばCANNTG、好ましくはCAGGTGを含むことができる。これは上述のようにプロモーター配列の上流(5′)、たとえば、図2の番号を用いるとヌクレオチド498〜503であり得る。そのプロモーターは、シナプス発現のための配列、たとえばTTCCGG、を含んでもよく、それは、上述のようにプロモーター配列の上流(5′)、たとえば図2の番号を用いるとヌクレオチド591〜596であってもよい。他の調節配列は、たとえば、適当な発現系における変異もしくは消化アッセイによって、または利用できる情報、たとえば、コンピューターを用いてオン−ラインデータベースを検索して、配列の比較によって同定して、含めてもよい。
「プロモーター」により、操作可能に下流(すなわち、2本鎖DNAのセンス鎖の3′方向)に結合されたDNAの、そこから転写が開始されるヌクレオチド配列を意味する。
「操作可能に結合された」は、同じ核酸分子の部分として、プロモーターから開始される転写のために、適当に位置し、方向づけられて結合していることを意味する。操作可能にプロモーターに結合されたDNAは、そのプロモーターの「転写開始制御下」にある。
本発明は、本明細書に提供されたプロモーターのヌクレオチドの付加、挿入、置換もしくは欠失による、アレレ、突然変異体、変異体または誘導体であるヌクレオチド配列を有するプロモーターに及ぶ。そのヌクレオチド配列を改変するために核酸の計画性のある、または、手当り次第の変異誘発を、当業者に公知の任意の技術を用いて実施することができる。本発明によるプロモーター配列に対する、1または複数の変更は、プロモーター活性を増加もしくは低下、またはプロモーター活性を調節することができる物質の効果の大きさを増加もしくは減少するかもしれない。
「プロモーター活性」は転写を開始させる能力に関して用いる。プロモーター活性のレベルは、たとえば、プロモーターからの転写により産生されたmRNAの量の評価またはプロモーターからの転写により産生されたmRNAの翻訳により産生されたタンパク質産物の量の評価により定量できる。発現系に存在する特異的mRNAの量は、たとえば、mRNAとハイブリダイズでき、標識化されている特異的オリゴヌクレオチドを用いて測定できるか、または、特異的増幅反応、たとえばポリメラーゼ連鎖反応中で用いることができる。さらに下述する、レポーター遺伝子を用いることは、タンパク質生産との関係により、プロモーター活性の測定を容易にする。
本発明の種々の態様において、1または複数のヌクレオチドの付加、挿入、欠失もしくは置換による、図2に示されたプロモーターまたは図5に示されたマウスのプロモーターの配列の、フラグメント、突然変異体、アレレ、誘導体または変異体である配列を有するプロモーターは、示された配列の1方または両方と少なくとも約60%の相同性、好ましくは少なくとも約70%の相同性、より好ましくは少なくとも約80%の相同性、より好ましくは少なくとも約90%の相同性、より好ましくは少なくとも約95%の相同性を有する。本発明の態様に従って、その配列は、示された配列の1方もしくは両方と、またはその相補配列とハイブリダイズし得る(一般にDNAは二本鎖だから)。その配列は筋細胞、たとえば、ヒト筋細胞の転写(すなわち、「プロモーター活性」を有する)または筋特異的転写を促進する能力を有することができる。
さらに本発明によって、異種遺伝子、たとえばコード配列に操作可能に結合された、ウトロフィンプロモーター領域または転写を促進できる、そのフラグメント、突然変異体、アレレ、誘導体または変異体を提供する。「異種」はウトロフィン以外の遺伝子を意味する。ウトロフィンの修飾形は一般に除外される。一般に、遺伝子はmRNAに転写でき、mRNAはペプチド産物またはポリペプチド産物に翻訳でき、ペプチド産物またはポリペプチド産物は、発現後に検出及び好ましくは定量できる。そのコードされた産物を発現後に検定できる遺伝子を「レポーター遺伝子」、すなわち、プロモーター活性について「報告する」遺伝子という。
レポーター遺伝子は、検出可能なシグナル、好ましくは可視的に検出可能なシグナル、たとえば着色生成物を生成する反応を触媒する酵素をコードする。β−ガラクトシダーゼ及びルシフェラーゼを包含する、多くの例が公知である。β−ガラクトシダーゼ活性は基質上の青色の生成により検定でき、その検定法は目によって、または分光光度計を用いることにより吸収を測定するものである。たとえば、ルシフェラーゼ活性の結果生成する、蛍光を分光光度計を用いて定量できる。たとえばクロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ(これは、非放射性検定にも用いることができる)を用いる放射性検定を用いることができる。レポーター遺伝子からの発現により生ずる遺伝子産物の存在及び/または量は、その産物に結合できる分子、たとえばその抗体またはフラグメントを用いて測定できる。結合する分子を任意の標準技術を用いて、直接または間接的に標識できる。
当業者は、遺伝子活性を測定するのに用いることができる多数の可能性のあるレポーター遺伝子及び検定技術を良く知っている。いかなる適切なレポーター/検定法も用いることができ、特別な選択は本発明に本質的でないか、本発明を限定するものではないことを認識すべきである。
プロモーターからのレポーター遺伝子の発現は試験管内発現系にあるか、細胞内(生体内)であり得る。発現は、一般に、転写を開始するプロモーターに加えて、翻訳開始領域並びに転写及び翻訳停止領域の存在を必要とする。mRNAプロセシングシグナル(たとえば、スプライス部位)と共に、1または複数のイントロンが遺伝子中に存在してもよい。
多数の異なる宿主細胞におけるクローン化及びポリペプチドの発現のための系が周知である。適切な宿主細胞は一般に細菌、哺乳動物細胞、酵母及びバキュロウイルス系を包含する。哺乳動物の細胞は本発明で用いるのに好ましい。異種ポリペプチドの発現のためにこの分野で利用可能な哺乳動物の細胞系は、チャイニーズハムスターの卵巣細胞、ヒーラー細胞、赤ちゃんハムスターの腎臓細胞、ヒト神経膠腫細胞及び他のヒト細胞系を包含する、他の多くのものを包含する。普通の好ましい細菌の宿主は大腸菌である。
本発明は本明細書に開示したプロモーターを含む核酸ベクターも提供する。上記ベクターは、それに操作可能に結合されるプロモーターに対して異種の配列のベクターへの挿入のための適切に位置した制限部位または他の手段を含むことができる。
適切なベクターは、プロモーター配列、ターミネーターフラグメント、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子及び他の適当な配列を包含する、適当な調節配列を含有するように、選択または構築できる。さらに詳細には、たとえば「Molecular cloning:a Laboratory Manual:2版」Sambrook他、1989年(Cold Spring Harbor Laboratory Press)参照。細胞にDNAを導入するための手順は、用いる宿主に依存するが、周知である。
このように、本発明のさらなる面は、異種遺伝子に操作可能に結合した、本明細書に開示したプロモーター要素を含む核酸構築体を含有する宿主細胞を提供する。なお、さらなる面は、上記構築体を宿主細胞に導入することを含む方法を提供する。導入は、真核細胞のための、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラントランスフェクション、エレクトロポーレーション、リポソーム仲介トランスフェクション及びレトロウイルスを用いる導入を包含する、いかなる利用し得る技術を用いてもよい。
導入に続けて、たとえば遺伝子の発現のための条件下で宿主細胞を培養することにより、プロモーターの制御下で異種遺伝子の発現を引き起こすか、または発現させることができる。
1つの態様では、プロモーター及び遺伝子を含む構築体を宿主細胞のゲノム(たとえば染色体)に組込む。組込みは、標準技術に従って、組換えを促進する配列の構築体中に、ゲノムを封入することにより促進できる。
たとえば核酸構築体の調製、変異誘発、配列決定、細胞へのDNAの導入及び遺伝子発現のための核酸の巧妙な取り扱い、並びに、タンパク質の分析のための多くの公知の技術及び手順が、詳細に、「Short Protocols in Molecular Biology、第2版」(Ausubel他編、John Wiley & Sons,1992年、この開示は参照により本明細書に組み入れる)に開示されている。
本発明による核酸分子、構築体及びベクターは、ウトロフィンをコードする配列がないか、もしくは実質的にないか、または、当該種の核酸もしくは遺伝子、もしくはそのプロモーター配列以外の起原がないか、または実質的にない、実質的に純粋または均質な形で、(すなわち、自然環境から)単離及び/または精製して提供することができる。本発明の核酸は、全体的にまたは部分的に合成でよい。用語「単離物」はすべてのこれらの可能性を包含する。
プロモーター(本明細書に開示された)及び異種遺伝子(レポーター)を含む核酸構築体は、そのプロモーターの活性を調節することができる物質をスクリーニングするのに用いることができる。治療の目的、たとえば筋ジストロフィーの治療のために、そのプロモーターの発現を上方調節できる物質を捜すことができる。ウトロフィンプロモーターの活性を調節する物質の能力をスクリーニングする方法は、本明細書に開示された核酸構築体を含有する発現系、たとえば宿主細胞を試験物質または候補物質と接触させ、異種遺伝子の発現を測定することを含むことができる。
試験物質の存在下の発現のレベルを、試験物質の不存在下の発現のレベルと比較することができる。試験物質の存在下の発現における相違は、その物質の遺伝子の発現を調節する能力を表わす。本明細書に開示されたプロモーターに結合していない他の遺伝子の発現と比較して、異種遺伝子の発現の増加はウトロフィンプロモーターの調節のための物質の特異性を表わす。
プロモーター構築体は、ゲノムに組込まれたレポーター構築体を含有する安定な細胞系を生産すると過去に記載されたいかなる技術をも用いて細胞系に移入してもよい。細胞を試験化合物と共に異なる時間、増殖及びインキュベートすることができる。その細胞を多数の化合物の分析を容易にするために、96ウェルのプレート中で増殖させてもよい。次いでその細胞を洗浄し、レポーター遺伝子の発現を分析し得る。いくつかのレポーター、たとえばルシフェラーゼについて、細胞を溶解させ、ついで分析するだろう。内因性ウトロフィンタンパク質についてのグルココルチコイドの影響及び筋芽細胞におけるRNAのレベルを試験する過去の実験はすでに記載されており〔12,13〕、それらの実験で用いられた技術を同様に用いることができる。
1または複数の発生段階の(developmental)及び/または時間特異的調節モチーフ(言及したような)を含む構築体を、そのプロモーター活性の相当する面、たとえば、筋及び/またはシナプス−特異的発現を調節することができる物質をスクリーニングするのに用いてもよい。
ウトロフィンプロモーター活性を調節またはそれに影響を与える物質を同定後、その物質をさらに研究することができる。さらに、それは製造及び/または組成物、たとえば、薬、医薬組成物または薬剤の調製、すなわち、製造または配合において用いることができる。これらを個体に投与することができる。
したがって、本発明は、本明細書に開示されたことにしたがって、ウトロフィンプロモーター活性の活性調節因子として核酸分子を用いて同定された物質だけではなくて、上記物質を含む医薬組成物、薬、薬剤もしくは他の組成物、たとえば筋ジストロフィーの治療において、たとえば、ウトロフィンの発現を増加するために上記組成物の患者への投与を含む方法、たとえば筋ジストロフィーの治療において、たとえばウトロフィンの発現を増加するための投与のための組成物の製造における上記組成物の使用並びに、上記物質と医薬として許容できる補形剤、ビヒクル、もしくは担体及び任意に他の成分とを混合することを含む医薬組成物を製造する方法の種々の面にわたる。
投与は好ましくは「治療上有効な量」であって、これは患者に役立つことを示すのに十分なものである。上記利益は少なくとも1つの症状の少なくとも改善でよい。実際の投与量、投与の速度及びタイムコースは、治療されるものの性質及び重症度に依存するだろう。治療の処方箋、たとえば、投与量等の決定は、一般開業医及び他の医師の責任の内である。
組成物は治療される状態に依存して、単独でまたは他の治療といっしょに、同時にまたは連続的のいずれかで投与できる。
本発明による医薬組成物及び本発明による使用のための医薬組成物は、活性成分に加えて、医薬として許容できる、補形剤、担体、緩衝液、安定剤または他の当業者に周知材料を含んでよい。上記材料は非毒性であるべきであって、活性成分の効能を妨げてはならない。担体または他の材料の正確な性質は投与の方法に依存し、それは経口であるか、または注射、たとえば、皮膚、皮下もしくは静脈内注射によってもよい。
経口投与のための医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末または液体形であり得る。液体医薬組成物は一般に液体担体、たとえば、水、石油、動物もしくは植物油、鉱油または合成油を含む。生理的食塩水溶液、デキストロースもしくは他の糖類溶液またはグリコール、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールが包含される。
静脈内、皮膚もしくは皮下注射、または苦痛の部位での注射のために、活性成分は、発熱物質のない、適当なpHと、等張性と安定性を有する非経口的に許容し得る水溶液の形にあるであろう。当業者は、たとえば、等張性ビヒクル、たとえば、塩化ナトリウム注射液(Sodium Chloride Injection)、リンゲル注射液(Ringer’s Injection)、乳酸塩化リンゲル注射液(Lactated Ringer’s Injection)を用いて上手に適当な溶液を調製できる。保存剤、安定剤、緩衝液、酸化防止剤及び/または他の添加剤を、必要なら包含させることができる。
本明細書に開示されたプロモーターを用いて同定された物質の代りに、模擬のまたは模倣の物質を製薬用途に設計し得る。公知の薬学的に活性な化合物への模倣物を設計することは、「先導(lead)」化合物に基づく医薬の開示への公知のアプローチである。これは、活性化合物を合成するのが困難または高価である場合、またはそれが特定の投与方法に適さない場合(たとえば、ペプチドは消化管中のプロテアーゼにより速やかに分解する傾向があるので、経口組成物には不適切な活性剤である)には望ましいかもしれない。模倣物の設計、合成及び試験は、目標とする性質について多数の分子をランダムにスクリーニングするのを回避するのに用いることができる。
与えられた目標とする性質を有する化合物からの模倣物の設計には一般に数段階がとられる。まず、目標とする性質を決定するのに決定的及び/または重要な化合物の特定の部分を決定する。ペプチドの場合これは、ペプチド中のアミノ酸残基を組織的に変化させること、たとえば各残基を順番に置換することによってなすことができる。その化合物の活性領域を構成するこれらの部分または残基は、その「薬理作用基(pharmacophore)」として知られている。
一旦、薬理作用基が見つかると、その構造を、その物理的性質、たとえば立体化学、結合、大きさ及び/または電荷に従って、源からの範囲からのデータ、たとえば、分光分析技術、X線回折データ及びNMRを用いて、型どりされる。コンピューター分析、類似点マッピング(これは、原子間の結合よりも、薬理作用基の電荷及び/または容積を型どる)及び他の技術をこの型どり過程で用いることができる。このアプローチの変形では、リガンド及びその結合の相手方の三次元構造を型どる。これは、リガンド及び/または結合相手方が結合によりコンフォメーションを変化させるところでは特に有用であり得て、これを考慮に入れて、モデルに模倣物の設計をさせる。次に、薬理作用基を模倣する化学基がグラフトできる鋳型分子を選択する。鋳型分子とその上にグラフトされる化学基は、模倣物が合成しやすく、医薬として許容でき、そして、体内で分解しない1方、先導化合物の生物活性を保持するように適宜、選択することができる。このアプローチにより見いだされた模倣物または模倣物群はそれらが目標とする性質を有しているかどうかを、または、それらがその性質をどの程度示すかを調べるためにスクリーニングすることができる。さらに次いで、体内または臨床試験のために1または複数の最終模倣物に到達するように最適化または修飾を実施する。
本明細書に開示されたスクリーニング法を用いて、ウトロフィンプロモーター活性を調節する能力を有するものと同定された物質の模倣物は、本発明の範囲内に包含される。
本発明の変更及び本発明のさらなる面及び態様は当業者に明らかとなるだろう。本明細書に言及されたすべての文献は参照により組み込まれる。
本発明のための実験の基礎及び本発明の態様はここに、限定ではない例及び次の図を参照して、より詳細に説明する。
図1は、ヒトのウトロフィンの完全なゲノム領域を含む、酵母の人工オーバラップ染色体(YAC)を示す。
図2は、1246bp HindIIIフラグメントの核酸配列であって、レポーター構築体を駆動するのに用い得る制限エンドヌクレアーゼを包含する、ヒトウトロフィンプロモーター及び第1ウトロフィン遺伝子エキソン並びに推定の転写因子結合部位を含む核酸配列を示す。
図3は、図2の1246bp HindIIIフラグメントの制限エンドヌクレアーゼ地図及び各構築体がその1246bp領域の異なるフラグメントに操作可能に結合したルシフェラーゼ遺伝子(陰影をつけた棒で示す)を含んでなる、ウトロフィンプロモーターの機能アッセイに用いられる種々の構築体を示す。H=HindIII,X=XhoI,P=PstI,E=EagI“+”及び“=”はルシフェラーゼ活性に関連する。
図4は、pHH構築体の活性の百分率で表わされた、図3に示されたウトロフィンプロモーター構築体の転写に起因する、正規化されたルシフェラーゼ活性を示す。ヒストグラムはトランスフェクション実験からの結果の平均値を示す。
図5は、ウトロフィンのプロモーター領域及び翻訳されないエキソン1の配列及び系統分類保存を示す。ヒトの配列を上に印刷し、マウスの配列を下に印刷する。プライマー伸長アッセイ及び5′RACE分析による、ヒトにおける主要な転写開始部位の位置は、それぞれ、内部を黒く塗りつぶした三角▼及び白ぬきの三角▽で示す。RNアーゼ保護による、マウスについて見出された主要なキャップ部位を白ぬきの円○で示す。推定の制御モチーフはボックスに入れてある。マウスにおけるRT PCRのために用いられるプライマーA及びBを示し、エキソン1−イントロン1のためのスプライス結合に印をつけてある。
ウトロフィンプロモーターの単離
ヒトのウトロフィンの完全なゲノム領域は、図1に示されたように、一連のオーバラップ酵母人工染色体(YAC)中にクローン化された。YAC 4X23E3(YAC23)は、稀切断酵素のクラスターを含有するのはもちろん、唯一のヒトのウトロフィンエキソン1及び2を含有することが明らかになった。相当するゲノム領域はメチル化されていないことが分かった〔9〕。これらの結果を考慮すると、YAC23はウトロフィンプロモーターを含有すると考えられた。
YAC23を、ランダムにλGEM-11中にサブクローン化し、ライブラリーを生成させた。ウトロフィンcDNAの最大5′配列を含有する350bpのSacIIフラグメントを用いるスクリーニング後、多数の陽性ハイブリダイズファージをさらにpUC18プラスミド中にサブクローン化した。これらのサブクローンの1つである1246bpのHindIIIフラグメントを配列決定し、推定のウトロフィンプロモーター及び第1エキソンを含有することを示した。図2はこの配列を示し、推定の転写因子結合部位を包含する。
レポーター遺伝子の発現
ウトロフィンのプロモーター要素を同定するために、ウトロフィン遺伝子の5′UTRの異った領域を含有する一連のレポーター構築体を転写活性について検定した。
ホタルのルシフェラーゼをレポーター遺伝子として用い、pGL2-Basicベクター(Promega)中にホタルのルシフェラーゼをコードするcDNAのポリリンカー部位5′中に、ウトロフィン遺伝子の5′UTRの種々のフラグメントをクローン化することによりプラスミドを構築した。ヒトの細胞系(IN157)細胞を50μgの試験プラスミド及びSV40プロモーターにより駆動されるβ−ガラクトシダーゼを含有する10μgの内部調節プラスミドpSV-β-gal(Promega)を用いてトランスフェクトした。トランスフェクションは、0.25V及び960μFの静電容量で、3×106細胞の、0.4cm2のキュベットの0.8mlの容量で、エレクトロポーレーションにより行った。細胞は4mlの増殖培地に入れる前に氷上で1分間回収させた。トランスフェクション後24時間で細胞を収集し、400μlの1×Reagent Lysis Buffer(Promega)中で溶解した。
ルシフェラーゼ活性アッセイを、20μlの細胞溶解物と100μlのルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)とを混合することにより開始し、放射された光を光度計(Turner design)で10秒間隔で統合し、光単位として表わした。β−ガラクトシダーゼ活性を、等容量の2×Assay Reagent(Promega)と混合した。50μlの同じ細胞溶解物を用い、37℃で3時間インキュベートし、分光光度計を用いて、420nmで吸収を測定して、検定した。ルシフェラーゼ活性を共トランスフェクトした内部対照プラスミドから駆動されたβ−ガラクトシダーゼに対して標準化し、トランスフェクション効率の相違について補正した。
図3はウトロフィンプロモーターの機能のアッセイ中で用いられた種々の構築体を図解する。図4では、ウトロフィンプロモーター構築体の転写に起因する正規化されたルシフェラーゼ活性をpUPB-LUC構築体の活性の百分率として表わす。ヒストグラムは、各3回ずつ行なわれた3つのトランスフェクション実験からの結果の平均値を示す。
いくつかの構築体は、ウトロフィンプロモーターの存在の結果として、転写活性を表わす。構築体間の活性の比較は、最小限度の要素は200bpのPstI−EagIフラグメントに存在することを証明する(図4)。
保存されたE−ボックス(ヌクレオチド498〜503)及びTTCCGGモチーフ(ヌクレオチド591〜596)を包含する、5′−フランキング配列内の他の領域の欠損は、IN157細胞中のウトロフィンプロモーターの活性を感知できるほどに影響を及ぼさない。しかしながら、これは、そのDNAモチーフと相互作用し得るIN157中に適切な転写因子が存在しないことにより説明できるだろう。
プロモーター領域の分析
ウトロフィン遺伝子プロモーターの活性を調節し得るDNA要素を描写するために、均等なマウスのプロモーターを単離した。マウスのゲノムファージのライブラリーを、ヒトの0.6Kbのプローブでスクリーニングした。陽性のファージをさらにプラスミド中にサブクローン化し、2.2KbのEcoRIサブクローン(M2.2)を配列決定した。
図5は、ヒト及びマウスのエキソン1を横切る限定された全部の保持を見せる、2つの相当する配列の整列を示し、それは、非コード配列の低い方の展開の束縛を反映するかもしれない。エキソン1のコンセンサススプライス部位はヒト及びマウスのゲノム配列の間に保持される。
第1エキソンの配列及び5′フランキング配列は非常に高いGC含有量を有する。ヒトのウトロフィン配列のデータベース調査は、クロス(Cross)他により記載された方法(14)に従ってCpG島(island)として同定されて、特徴付けられていないGCに富む配列に対して99%の一致性を明らかにした。この配列は、ヒトのウトロフィン遺伝子のエキソン1中にある位置988〜1212(図5)に相当し、ウトロフィンの5′UTRがメチル化されていない(9)という我々の過去の発見と相互関係がある。
配列分析は、真核のプロモーターに一般的なTATA及びCAATモチーフの不在及び転写因子Sp1についてのいくつかの可能性のある結合部位の存在を明らかにする。しかしながら、Sp1結合部位はヒト及びマウスの間に保持されておらず、これらの部位がウトロフィンの転写制御に包含されていないのか、または種の間に保持されるべき位置についての束縛がないことを示すのかもしれない。
筋肉遺伝子発現を制御するのに包含される、コンセンサスE−ボックス要素(CANNTG)(17)は、両種の間に保持される(図5)。マウスのアセチルコリン受容体であるδ−サブユニットのシナプス発現を調節するようにみえる、最近に同定されたDNA要素(TTCCGG)は、異なった位置にあるけれども、ヒト及びマウスのウトロフィン遺伝子の両方の5′フランキング配列中に存在する(図5)。
推定の転写開始部位の同定
種々のレベルのウトロフィンの発現が、カルボキシ末端に由来するプローブを用いるRNアーゼ保護により、ヒト細胞系において観察された。ウトロフィンは、けい管がんHela細胞系、成人腎臓CL11T47細胞系、成人筋芽細胞初代培養及び横紋筋肉腫IN157細胞系で種々のレベルで発現され、IN157及びCL11T47が最も高いレベルで発現されることが明らかになった。IN157は、次のヒトの転写開始を同定するアッセイにおいて用いられた細胞系であった。
プライマー伸長
ヒトのウトロフィン遺伝子のエキソン1中のヌクレオチド1088で開始する5′末端を有する22単量体のオリゴヌクレオチド(U25)を、Hela細胞、CL11T47腎臓細胞及び横紋筋肉腫IN157細胞から単離されたRNAを用いるプライマー伸長アッセイのために用いた。伸長により生じたバンドのサイズは190bp及び138bpであって、それはそれぞれヒトの配列の898及び950のヌクレオチドでの転写開始に相当する(図5)。より大きいバンドは、単離された最も大きい5′ウトロフィンcDNAの5′末端から37bp上流へ転写の開始を拡長する。ヌクレオチド898で開始部位を表わす、より大きい産物は分析されたすべての細胞系で観察された。しかしながら、より小さい産物は、IN157横紋筋肉腫細胞及びCL11T47腎臓細胞においてのみ生じた。
5′RACE
ヒト転写体の5′末端を特徴づけるために、上記プライマー伸長のために記載した、オリゴヌクレオチドU25をcDNA合成及びIN157横紋筋肉腫細胞系からのRNAのPCR増幅のために用いた。増幅された生成物をサブクローン化し、ウトロフィンの5′末端を含有する0.6KbのcDNAフラグメントとハイブリダイズさせた。陽性のクローンの配列分析はヒトの配列上の907位置に推定の開始部位を示した(図5)。これはプライマー伸長アッセイで生じた主要なバンドから予想された開始部位から9bp下流である。
エキソン2(翻訳されていない領域中の)の開始から170bp下流に相当する5′末端を有する20単量体のオリゴヌクレオチド(U71)もIN157細胞からのRNAを用いるRACE分析に用いられた。陽性のハイブリダイズするサブクローン化された産物の配列は、ヌクレオチド1214の推定開始部位を予想させた。これは、プライマー伸長アッセイ中で同定されたより小さい産物と関連はないけれども、より大きい3′転写開始部位を表わすことができる。
ヒトのウトロフィン転写物の転写開始のための最も大きい5′部位はヌクレオチド898bpに推定のキャップ部位(それは翻訳開始コドンから587bp上流である)を予想し、エキソン1のサイズを495bpと見積る。さらなる転写の推定の開始の同定は、ウトロフィン転写物のための複数の密集したキャップ部位を表わすことができる。ウトロフィンmRNAの主要な転写開始部位はヒトの配列(図5)の898〜916の間の位置またはマウスの配列の1604〜1622の間の位置にある。
RNアーゼ保護
たぶん非常にGC含有量が高いため、ヒトのウトロフィンの5′UTRを横切るRNアーゼ保護分析を適用するのに我々は技術的な困難を経験した。ヒトのDp71ジストロフィンイソ型のGCに富むプロモーターの分析においても問題が記載されている(16)。この問題を回避するために我々はマウスの転写物(これはGC富化がより少ない)をRNアーゼ保護アッセイに用いた。相補性RNAプローブを位置743〜1051(図5)からのSmaI−PstIフラグメント(それはヒトの推定のキャップ部位にかかっている)を囲んで合成した。ウトロフィン発現のための対照としてカルボキシ−末端ドメインの内の配列に相補性であるRNAプローブを用いて、我々は、ウトロフィン転写物はマウスの肺に豊富なレベルで存在するが、しかしながら、42℃及び50℃のハイブリダイズ温度でSmaI−PstI RNAプローブを用いると保護された産物を検出できなかったことを証明することができた。約130bpの主要なバンドは55℃のハイブリダイズ温度でのみ現われ始め、ハイブリダイズ温度が上昇するにつれて強度が増加した。認められた保護されたフラグメントは、転写の開始がいくつかのヌクレオチドにわたって変ることを示唆して、再生産可能に広いバンドであった。
この130bp産物がウトロフィンに特異的であることを証明するために、SmaI−PstI RNAプローブをマウスの肺及び肝臓からのRNAとハイブリダイズさせ、保護されたフラグメントをカルボキシ末端プローブを用いて認められたのと同様なレベルで検出した。マウスのSmaI−PstIプローブをヒトの横紋筋肉腫IN157細胞から単離されたRNAとハイブリダイズさせた時、保護された産物は検出されず、そのプローブはマウスの転写物に特異的であることを示している。この約130bpの保護されたバンドは転写の開始がヒトの配列上の約ヌクレオチド916にあることを予想させ、それはヒトの転写物についてのRACE及びプライマー伸長アッセイにより予想された最も大きい5′キャップ部位から9bp及び18bp下流である(図5)。これらの発見は、転写開始のための同様な部位がヒト及びマウスにおいて役立つことを示唆する。最も大きい推定のキャップ部位を囲む配列の領域は、2つの種の間で高度に保存されていることに留意すべきである。
RT-PCT
ジストロフィンにおいて、5′プロモーターは完全な長さのイソ型の組織特異的発現を調節し、そのすべてが一般的な第2エキソンにスプライスされる唯一の第1エキソンを有している。その推定のウトロフィンプロモーターが第1の翻訳されていないエキソンを利用する量を試験するために、マウスの脳、骨格筋、小腸、肝臓、肺、脾臓、心臓、腎臓及び眼からのRNAをcDNA合成及びPCR増幅のための鋳型として用いた。
プライマーはエキソン1及びエキソン2にわたる領域を増幅するように設計して、ゲノムDNAによる汚染による偽の陽性のリスクを排除した。エキソン1の位置1230及びエキソン2の開始の172bp下流にそれぞれ相補性の5′末端を有する前進プライマー(BFB)及び逆行プライマー(U71)を用いる増幅は、283bpの予期された産物を生じた。エキソン1の位置894(B2A)及びエキソン2の開始から153bp(U73)に5′末端を有する第2の一対のプライマーは575bpの予期された産物を増幅した。これらの予期された産物は試験したすべてのマウスの組織に認められた。これは、ここに記載されたウトロフィンプロモーターが、試験したすべての組織において翻訳されていない第1エキソン及び第2エキソンを含有する転写物(翻訳開始ATGを有している)の発現を駆動するのに活性であることを示唆する。
さらに、ヌクレオチド894で開始するプライマーを用いる増幅はマウスの転写物はヒトの転写物で予想されたのと同じ位上流まで拡がることを示している。これはRNアーゼ保護アッセイから予想されたものの約20bp上流にマウス転写物の開始部位を拡げ、これはヒトの転写物に認められたように、マウスのウトロフィン転写物についての多数の5′開始部位を表わすことができる。比較的に低いレベルの増幅が、エキソン1におけるさらに下流で開始するプライマー(BFB)に比較して、より5′前方のプライマー(B2A)(これは転写の推定の開始点の近くにある)について認められた。この上流のプライマーがキャップ部位に及び領域に相補性であり、したがって、プライマーは転写物の5′末端に部分的にアニールするだけで、いくつかのPCR条件で認められた弱い増幅を生じるのかもしれないという可能性がある。この提案の支持において、位置894よりもさらに上流の配列に相補性のプライマーはPCR条件の範囲を用いて産物を生じせしめることができ、さらに上流のキャップ部位がないことを示した。
検討
CpG島を有しない筋及び脳のジストロフィン遺伝子のプロモーターに対して、ウトロフィンはCpG島を有する。我々はウトロフィンの第1エキソン及び5′フランキング配列を含有するCpGに豊んだゲノム配列を単離し、特徴づけた。そのフラグメントは種々の細胞系におけるレポーター遺伝子の転写を開始するのに活性であって、ウトロフィンのプロモーター要素を保持していることを示す。一連のウトロフィン上流のフランキング領域の5′欠失フラグメントを最小限プロモーター要素を決定するために生じさせた。
もし、そのプロモーター要素を含有している155bp領域が完全であったとすれば、5′欠失はヒトの横紋筋肉腫IN157細胞における転写活性を有意に変えなかった。したがって、ここに特徴づけられたCpGに富む155bpの領域は、根本的なプロモーター要素として機能することができ、多くの細胞型におけるウトロフィンの転写を駆動し、それはウトロフィン発現のレベルを調節する特異的な転写要素の存在であることができる。種々の細胞の環境におけるこれらの構築体の転写活性へのこれからの調査はウトロフィン発現を調節する調節DNA要素を明らかにするかもしれない。
ウトロフィンプロモーター領域はいくつかの推定のSp1結合部位を有し、TATAまたはCAATモチーフを欠く。プライマー伸長、5′RACE及びRNアーゼ保護分析により、我々は完全な長さのウトロフィン転写物のいくつかの推定のキャップ部位の位置を突き止めた。我々はこれらの追加の産物がプライマー伸長及びRACE分析の間の逆転写酵素による早期終結のために生じた可能性を無視することはできないけれども、これらの結果は広く発現された遺伝子の、CpGに富み、TATAの少ないプロモーターが通常単独の基礎位置よりもむしろかなり大きい領域に広がったいくつかの転写開始部位を含有するという観察と矛盾しないであろう(9)。
CpGに富むプロモーターを有する遺伝子は当初は細胞におけるハウスキーピング機能を備えたタンパク質を発現すると考えられた。しかしながら、プロモーター領域にTATAまたはCAATモチーフを欠くいくつかの遺伝子は、高度に調節されているタンパク質をコードすることが証明された(17,22)。アセチルコリンエステラーゼ遺伝子(これもCpGに富むプロモーターを有している)の発現は筋肉細胞の分化の間調節され、特異的にNMJに局在する(18)。Dp71ジストロフィンのイソ型の典型的な「ハウスキーピング」プロモーターは特異的な細胞型における発現を駆動する(16)。すべての組織に発現するけれども、ウトロフィンも種々の細胞型において調節されるように思われ、たとえば、成人の肺には相対的に多量のレベルで存在し、成人の骨格筋に比べて、胎児の筋には高いレベルで存在する(19)。我々はここに、ウトロフィン転写物は種々のレベルで種々のヒト細胞系統で検出されることを明らかにした。ウトロフィン転写物も、初期の神経管中の蓄積及び種々の部位、たとえば指の腱原基、下垂体甲状腺及び副腎、心筋並びに腎臓及び肺で後に豊富になるという、成長の間に特異的に局在化する(20)。これらの観察をいっしょにすると、ウトロフィンは広く発現されるけれども、特定の組織における成長特異的及び組織特異的調節もあることを示唆している。
5′−フランキング配列において同定されたいくつかの推定のDNAモチーフはウトロフィン筋発現の調節中に包含されるかもしれない。我々は保持されたE−ボックスを同定し、それは、MyoD1ミオゲニン、MRF4及びmyf5を包含する、MyoD1ファミリーのらせん−ループ−らせんタンパク質のための結合部位である。E−ボックスモチーフは、a,b及びgアセチルコリンレセプターサブユニット遺伝子を包含する、多くの筋特異的遺伝子のプロモーター中に見出される。NMJでウトロフィンとアセチルコリンレセプターをいっしょに局在化させると、それは筋原性因子が保存されたE−ボックスモチーフとの相互反応によりウトロフィンの発現を調節するかどうかを決定するのに重要であろう。ヒト及びマウスのウトロフィン5′フランキング領域は、N−ボックスのコア配列である、マウスのアセチルコリンレセプターδ−サブユニット遺伝子のシナプス−特異的発現を指示することが立証された要素を含有する(15)。このTTCCGGモチーフは、終板での発現を増強させ、結合領域外におけるサイレンサーとして作用することにより、d−サブユニット遺伝子のNMJへの発現を制限する。このN−ボックスのコア配列に等しい配列は他のAChRサブユニット遺伝子中に存在し、この要素は少なくともこれらの遺伝子のいくつかのシナプス発現を調節する(16)。N-CAM、43k−ラプシン及びs−ラミニンのmRNAレベル(21)は、インサイトウハイブリダイズによりシナプス部位に濃縮されることが明らかになった。配列分析により、我々はN−ボックスのコア配列は、b2−シントロフィンの5′フランキング中に存在し、それはal−シントロフィンの上流配列には欠けているけれども、NMJにも特異的に局在化しており、一般的な筋鞘のいたる所に発現されることと決定した。これは、シナプス核による選択的転写のための一般的メカニズムがあり得ること及びこれはN−ボックス配列を認識できる転写因子の相互作用を包含し得ることを示唆する。
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配列表
(1)一般情報
(iii)配列の数:3
(2)配列番号1
(i)配列の特徴
(A)長さ:1246塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号1
Figure 0004364941
(2)配列番号2
(i)配列の特徴
(A)長さ:1655塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号2
Figure 0004364941
(2)配列番号3
(i)配列の特徴
(A)長さ:1528塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:配列番号3
Figure 0004364941

Claims (14)

  1. 核酸単離物であって、(i)配列番号1のプロモーターのヌクレオチドの配列を含むプロモーターを含み、ウトロフィンコード配列を欠く、前記単離物。
  2. 核酸単離物であって、配列番号1の5′から位置898に示されたヌクレオチドの配列を含むプロモーターから成る、前記単離物。
  3. 配列番号1の746〜994の番号を付されたヌクレオチドから成るプロモーターをコードする核酸単離物。
  4. 核酸単離物であって、配列番号1のプロモーター配列の、1もしくは複数のヌクレオチドの付加、挿入、欠失または置換による、変異体または誘導体であるヌクレオチドの配列を含むプロモーターから成り、そのプロモーターはヌクレオチドの配列と操作可能に結合した時、その配列の転写を開始する能力を有するものであって、前記転写は組織特異的であって、その組織特異性は、
    (a)筋、
    (b)シナプス、及び
    (c)筋及びシナプス
    から選択されるものである、前記単離物。
  5. 異種配列に操作可能に結合した、請求項1〜4のいずれか1項に記載の核酸のプロモーターを含む、核酸構築体。
  6. その異種配列がコード配列である、請求項5に記載の核酸構築体。
  7. その異種配列がレポーター分子をコードする、請求項6に記載の核酸構築体。
  8. 請求項5〜7いずれか1項に記載の核酸構築体を含む、宿主細胞。
  9. 請求項8に記載の宿主細胞をそのプロモーターからの前記異種配列の転写のための条件下で培養することを含む方法。
  10. 前記異種配列がコード配列であって、その宿主細胞をコードされたペプチド産物またはポリペプチド産物の発現のための条件下で培養する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記の異種配列またはコードされた産物の転写の検出を含む、請求項9または請求項10に記載の方法。
  12. ウトロフィンプロモーターの活性を調節する物質の能力をスクリーニングする方法であって、請求項5〜7のいずれか1項に記載の核酸構築体を含有する発現系を試験物質または候補物質と接触させ、その異種配列の転写またはコードされたペプチド産物もしくはポリペプチド産物の発現を測定することを含む、前記方法。
  13. その発現系が前記核酸構築体を含むものである、請求項12に記載の方法。
  14. 操作可能に結合したヌクレオチドの配列の転写を促進するための請求項1〜4のいずれか1項に記載の核酸単離物のin vitroでの使用。
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