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JP4237275B2 - ポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法及びその製造装置 Download PDF

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JP4237275B2 JP29564995A JP29564995A JP4237275B2 JP 4237275 B2 JP4237275 B2 JP 4237275B2 JP 29564995 A JP29564995 A JP 29564995A JP 29564995 A JP29564995 A JP 29564995A JP 4237275 B2 JP4237275 B2 JP 4237275B2
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法及びその製造装置に関し、得られたフィルム又はシートは食品、医薬品等の包装用に利用できる。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、ポリプロピレン樹脂シート(又はフィルム)の透明化技術として、金属製のエンドレスベルトを使用するプロセスが数多く提案されるようになってきている。
金属製エンドレスベルトを使用する最大の利点は、金属製エンドレスベルトの鏡面を連続的にシート表面に転写して、シート両面の高光沢化が効率良く得られる点にある。
しかし、ポリプロピレン樹脂シートの透明度を上げるには、前記高光沢化に加えて、シート内部のヘイズ(曇り度)を低くすることも必要である。
【0003】
従来、透明度を向上させるための種々の方法、装置が提案されている。
例えば、特開平6-170919号公報によれば、金属ロールと、表面が弾性体で被覆された弾性ロールとの間に金属製エンドレスベルトを巻装しておき、金属製エンドレスベルトを介してこの弾性ロールと冷却ロールの間にシートを通した後、引き続きこのシートを冷却ロールの周面の一部に押し付けながら冷却するようにした溶融シートの冷却・固化装置が開示されている。
この装置の場合、冷却ロールと金属製エンドレスベルトとで押圧されたシートの急冷効果が不十分であるうえ、弾性ロールの弾性体の硬度が高く、面状圧接状態とはなっていないため、樹脂バンクが発生したり、シートの良好な透明性が得られない。
【0004】
また、特開平6-166089号公報及び特開平6-170919号公報においても、金属ロールと、表面が弾性体で被覆された弾性ロールとの間に金属製エンドレスベルトを巻装しておき、同様にシートを冷却する方法が開示されているが、冷却温度が高く、かつ弾性体の硬度も高いため、急冷効果が不十分となって、造核剤を含む原料を使用しないと透明なポリプロピレンシートが得られない。
【0005】
更に、特開平6-55613 号公報によれば、造核剤等を含む溶融状態のシートを、冷却ロールと金属製エンドレスベルトとの中間に導入し、このシートを冷却ロールと金属製エンドレスベルトに接触させながら移動させた後、金属製エンドレスベルトの内側から冷却ロールでシートを前記冷却ロールに対して押圧するようにした熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法が開示されている。
【0006】
この製造方法の場合、シートの急冷が、冷却ロールと金属製エンドレスベルトの両者間に挟まれて開始するようになっているため、急冷開始点において十分な面圧がかからず、良好な急冷効果及びシートの良好な表面光沢が得にくい。この結果、造核剤等の添加によって透明度を上げるようにしているが、造核剤等の添加がないと、透明度が不足する虞れがある。
【0007】
そこで、本発明は、高透明性の面状ポリプロピレン樹脂を高速度で製造することができるポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明は、表面が弾性材で被覆された第1の冷却ロールと、第2の冷却ロールとの間に表面が鏡面の金属製エンドレスベルトが巻装され、面状ポリプロピレン樹脂と前記金属製エンドレスベルトを介して前記第1の冷却ロールと接触する、表面が鏡面の第3の冷却ロールが、前記金属製エンドレスベルトで押圧された前記面状ポリプロピレン樹脂を抱き込むようにして設けられた製造装置を使用したポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法であって、前記面状ポリプロピレン樹脂と直接接触している前記金属製エンドレスベルト及び前記第3の冷却ロールの温度を23℃以下、露点以上に保ちながら、前記面状ポリプロピレン樹脂を、前記第1の冷却ロールと接触している前記金属製エンドレスベルトと、前記第3の冷却ロールとに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間に導入し、前記第1と第3の冷却ロールの間の押圧力で前記弾性材を弾性変形させながら前記第1と第3の冷却ロールとで前記面状ポリプロピレン樹脂を面状に圧接して冷却し、引き続き、この面状ポリプロピレン樹脂を前記金属製エンドレスベルトで第3の冷却ロールに対して面状に圧接して冷却することを特徴とする。
【0009】
前記面状ポリプロピレン樹脂とは、押出機より押出し成形された直後の面状ポリプロピレン樹脂のことである。
本発明における面状ポリプロピレン樹脂には、冷却固化されたポリプロピレン樹脂のフィルム及びシートを含む。
前記ポリプロピレン樹脂としては、ポリプロピレンのホモポリマー、エチレンとのコポリマー(ブロック、ランダム)、これらの混合物等を使用できる。特に、エチレンとのランダムコポリマーは透明性に優れている。なお、この樹脂中には、ソルビトール系、安息香酸アルミニウム系、ナトリウム系等の造核剤が含まれていてもよい。
また、フィルムやシートは、ポリプロピレン樹脂の単層又はポリプロピレン樹脂層を含む多層であってもよい。
【0010】
本発明において、面状ポリプロピレン樹脂を冷却するための金属製エンドレスベルト及びロールの温度が50℃を超える場合には、良好な透明性が得られなくなる。好ましくは、30℃以下である。また、露点より低い場合には、シートに水滴斑が発生する。
【0011】
面状ポリプロピレン樹脂を、第1の冷却ロールと接触している金属製エンドレスベルトと、第3の冷却ロールとに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間に導入することにより、面状ポリプロピレン樹脂の圧接と冷却を同時に行うことが可能になり、面状ポリプロピレン樹脂の透明性を高めることができる。仮に、面状ポリプロピレン樹脂を金属製エンドレスベルト又は冷却ロールに先に接触させた場合、シート両面への鏡面転写がなされる前に面状ポリプロピレン樹脂の冷却、固化が進んでしまうことになる。
【0012】
本発明において、金属製エンドレスベルト及びロールの鏡面の度合いは、表面粗さが0.5 S以下であることが好ましい。
エンドレスベルトの材質としては、ステンレス、炭素鋼、チタン合金等を使用できる。エンドレスベルトの厚さは任意であるが、強度的に0.3mm 以上が好ましい。
【0013】
前記弾性材の材質としては、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、EPDM等を使用できる。また、弾性材の厚さは、弾性変形して良好な面圧を得るために、3mm以上が好ましい。
本発明では、前記弾性材の弾性変形を伴って前記面状ポリプロピレン樹脂を面状に圧接して冷却するため、鏡面転写と冷却の効率が高まる。
【0018】
本発明の第発明に係るポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法は、第1発明において、前記弾性材の弾性変形を伴って前記面状ポリプロピレン樹脂を面状圧接する際の面圧を、0.1MPa〜20.0MPa とし、前記弾性材の弾性変形を伴わないで前記面状ポリプロピレン樹脂を面状圧接する際の面圧を、0.01MPa 〜0.5MPaとすることを特徴とする。
面圧を前記0.1MPa又は0.01MPa より低くすると、鏡面転写と冷却の効率が劣るようになる。また、面圧を前記20.0MPa 又は0.5MPaより高くするという事は、ベルト張力が高くなるため、ベルト寿命の点から好ましくない。
【0019】
本発明の第発明に係るポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造装置は、表面が弾性材で被覆された第1の冷却ロールと、第2の冷却ロールとの間に表面が鏡面の金属製エンドレスベルトが巻装され、押出機のTダイから押出された面状ポリプロピレン樹脂と前記金属製エンドレスベルトを介して前記第1の冷却ロールと接触する、表面が鏡面の第3の冷却ロールが、前記金属製エンドレスベルトで押圧された前記面状ポリプロピレン樹脂を抱き込むようにして配設され、かつ、前記押出機のTダイから押出された前記面状ポリプロピレン樹脂が略同時に、前記第3の冷却ロールと前記金属製エンドレスベルトに接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間に導入されるように、前記第1の冷却ロールと接触している前記金属製エンドレスベルトと、前記第3の冷却ロールが配設され、前記金属製エンドレスベルト及び前記第3の冷却ロールの温度が 23 ℃以下、露点以上に保たれていることを特徴とする。
即ち、本発明は、第1発明の製造方法を実施するための製造装置である。
【0024】
本発明の第発明に係るポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造装置は、第3発明において、前記弾性材は、その硬度(JIS K6301 A 形に準拠)が60度以下であることを特徴とする。
前記硬度が60度より大きい場合には、弾性力が弱くなり、面状ポリプロピレン樹脂を、冷却ロールと金属製エンドレスベルト又は金属製エンドレスベルト同士に略同時に接触させる際に樹脂バンクが生じやすくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
図1を参照して本実施形態に係る面状ポリプロピレン樹脂であるポリプロピレン樹脂シート11の製造方法及び製造装置を説明する。
先ず、本実施形態のポリプロピレン樹脂シート11の製造装置の構成を説明する。
【0026】
この製造装置は、押出機のTダイ12と、第1の冷却ロール13と第2の冷却ロール14との間に巻装された金属製エンドレスベルト15と、ポリプロピレン樹脂シート11と金属製エンドレスベルト15を介して第1の冷却ロール13と接触する第3の冷却ロール16と、第2の冷却ロール14の近傍に設けられた第4のロール17とを備えて構成されている。
なお、図1に鎖線で示したように、第1のロール13の前に別の冷却ロール15A を設け、エンドレスベルト15の内側から接触させることで、エンドレスベルト15を更に冷却するようにしてもよい。
【0027】
前記第1の冷却ロール13は、その表面にフッ素ゴム等の弾性材18が被覆されている。この弾性材18は、その硬度(JIS K6301 A 形に準拠)が60度以下、厚さが3mm以上のものである。
前記金属製エンドレスベルト15は、ステンレス等よりなり、表面粗さが0.5 S以下の鏡面を有している。
第1と第2の冷却ロール13,14 の少なくとも一方は、その回転軸19が回転駆動手段(図示せず)と連結されている。
【0028】
前記第3の冷却ロール16も、表面粗さが0.5 S以下の鏡面を有している。そして、この冷却ロール16は、ポリプロピレン樹脂シート11と金属製エンドレスベルト15を介して第1の冷却ロール13と接触し、しかもエンドレスベルト15でこの冷却ロール16側に押圧されたポリプロピレン樹脂シート11を抱き込むようにして設けられている。即ち、金属製エンドレスベルト15とこのエンドレスベルト15と接触しているポリプロピレン樹脂シート11は、第3の冷却ロール16の周面の一部に巻き付くようにして蛇行している。
【0029】
前記第4のロール17は、ポリプロピレン樹脂シート11がエンドレスベルト15を介して第2の冷却ロール14に圧接されるように樹脂シート11をガイドするものである。
前記各冷却ロール13,14,16には、表面の温度調整を可能とする水冷式等の温度調整手段(図示せず)が設けられている。
【0030】
次に、上記製造装置を使用した本実施形態のポリプロピレン樹脂シート11の製造方法を説明する。
先ず、ポリプロピレン樹脂シート11と直接接触している金属製エンドレスベルト15及び第3の冷却ロール16の表面温度が50℃以下、露点以上に保たれるように、各冷却ロール13,14,16の温度制御をしておく。
【0031】
そして、押出機のTダイ12より押出されたポリプロピレン樹脂シート11を、第1の冷却ロール13と接触しているエンドレスベルト15と、第3の冷却ロール16とに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロール13,16 の間に導入し、第1と第3の冷却ロール13,16 とで樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却する。この際、第1と第3の冷却ロール13,16 間の押圧力で弾性材18が圧縮されるようにして弾性変形し、弾性材18が弾性変形している両ロール13,16 の中心からの角度θ1 部分において樹脂シート11は、両ロール13,16 による面状圧接となっている。この際の面圧は、0.1MPa〜20.0MPa である。
【0032】
引き続き、このポリプロピレン樹脂シート11を前記鏡面のエンドレスベルト15で第3の冷却ロール16に対して圧接して50℃以下に冷却する。エンドレスベルト15でこの冷却ロール16側に押圧された樹脂シート11は、冷却ロール16の中心からの角度θ2 で冷却ロール16に抱き込まれ、樹脂シート11は、この抱き角度θ2 部分においてエンドレスベルト15と第3の冷却ロール16により面状に圧接されている。この際の面圧は、0.01MPa 〜0.5MPaである。
【0033】
次に、ポリプロピレン樹脂シート11をエンドレスベルト15に重なるように沿わせた状態でエンドレスベルト15の回動と共に第2の冷却ロール14に移動させ、この樹脂シート11をエンドレスベルト15を介して第2の冷却ロール14に対して圧接して50℃以下に冷却する。第4のロール17でガイドされてこの冷却ロール14側に押圧された樹脂シート11は、冷却ロール14の中心からの角度θ3 部分においてエンドレスベルト15に面状に圧接されている。この際の面圧は、0.01MPa 〜0.5MPaである。
【0034】
本実施形態によれば、弾性材18が弾性変形している第1と第3のロール13,16 の角度θ1 部分における両ロール13,16 によるシート11の面状圧接と冷却、抱き角度θ2 部分における金属製エンドレスベルト15と第3の冷却ロール16によるシート11の面状圧接と冷却及び角度θ3 部分におけるエンドレスベルト15と第2の冷却ロール14によるシート11の面状圧接と冷却によって、高透明性のポリプロピレン樹脂シート11を高速度で製造することができる。
【0035】
〔第2の実施形態〕
図2を参照して本実施形態に係るポリプロピレン樹脂シート11の製造方法及び製造装置の実施形態を説明する。
先ず、本実施形態の製造装置の構成を説明する。
この製造装置は、押出機のTダイ12と、第1の冷却ロール21と第2の冷却ロール22との間に巻装された第1の金属製エンドレスベルト23と、第3の冷却ロール24と第4の冷却ロール25との間に巻装された第2の金属製エンドレスベルト26と、第4の冷却ロール25の近傍に設けられた第5のロール27と、エンドレスベルト23,26 への付圧手段として設けられた2対のロール28,29 とを備えて構成されている。
【0036】
前記第1の冷却ロール21は、その表面にフッ素ゴム等の弾性材18が被覆されている。この弾性材18は、その硬度(JIS K6301 A 形に準拠)が60度以下、厚さが3mm以上のものである。
前記第1と第2の金属製エンドレスベルト23,26 は、第1と第2のロール21, 22間及び第3と第4のロール24,25 間において、ポリプロピレン樹脂シート11を挟んで並走するように設けられている。これらのエンドレスベルト23,26 は、それぞれステンレス等よりなり、表面粗さが0.5 S以下の鏡面を有している。
【0037】
前記付圧手段となる2対のロール28,29 は、第1と第2のロール21, 22間及び第3と第4のロール24,25 間の略中間において両エンドレスベルト23,26 を挟んで対向するようにして設けられている。上下のロール28,29 間には、多少間隔があいている。なお、対となっている各ロール28,29 は、対向させないで互いにずらせて配置してもよい。
【0038】
前記第5のロール27は、ポリプロピレン樹脂シート11が第2のエンドレスベルト26を介して第4の冷却ロール25に圧接されるように樹脂シート11をガイドするものである。
前記各冷却ロール21,22,24,25 には、表面の温度調整を可能とする水冷式等の温度調整手段(図示せず)が設けられている。
【0039】
次に、上記製造装置を使用した本実施形態のポリプロピレン樹脂シート11の製造方法を説明する。
先ず、ポリプロピレン樹脂シート11と直接接触している金属製エンドレスベルト23,26 の表面温度が50℃以下、露点以上に保たれるように、各冷却ロール21, 22,24,25の温度制御をしておく。
【0040】
そして、押出機のTダイ12より押出されたポリプロピレン樹脂シート11を、第1の冷却ロール21と接触している第1の金属製エンドレスベルト23と、第3の冷却ロール24と接触している第2の金属製エンドレスベルト26とに略同時に接触するようにして第1と第2の金属製エンドレスベルト23,26 の間に導入し、第1と第3の冷却ロール21,24 でポリプロピレン樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却する。この際、第1と第3の冷却ロール21,24 間の押圧力で弾性材18が圧縮されるようにして弾性変形し、弾性材18が弾性変形している両ロール21,24 の中心からの角度θ1 部分において樹脂シート11は、両ロール21,24 によって面状に圧接されている。この際の面圧は、0.1MPa〜20.0MPa である。
【0041】
引き続き、両エンドレスベルト23,26 が並走する区間において、付圧手段となる2対のロール28,29 で両エンドレスベルト23,26 に挟まれたポリプロピレン樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却する。上下のロール28,29 間における両エンドレスベルト23,26 で挟まれた樹脂シート11は、対のロール28,29 の押圧力によって面状に圧接されている。この際の面圧は、0.01MPa 〜0.5 MPa である。
【0042】
次に、前記ポリプロピレン樹脂シート11を両エンドレスベルト23,26 の回動と共に第4の冷却ロール25に移動させ、この樹脂シート11を第2のエンドレスベルト26を介して第4の冷却ロール25に対して圧接して50℃以下に冷却する。第5のロール27でガイドされてこの冷却ロール25側に押圧されたポリプロピレン樹脂シート11は、冷却ロール25の中心からの角度θ3 部分においてエンドレスベルト26に面状に圧接されている。この際の面圧は、0.01MPa 〜0.5MPaである。
【0043】
本実施形態によれば、弾性材18が弾性変形している第1と第3のロール21,24 の角度θ1 部分における両ロール21,24 によるシート11の面状圧接と冷却、付圧手段となる2対のロール28,29 間におけるシート11の面状圧接と冷却及び角度 θ3 部分における第2の金属製エンドレスベルト26と第4の冷却ロール25によるシート11の面状圧接と冷却によって、高透明性のポリプロピレン樹脂シート11を高速度で製造することができる。
【0044】
〔第3の実施形態〕
図3を参照して本実施形態に係るポリプロピレン樹脂シート11の製造方法及び製造装置の実施形態を説明する。
先ず、本実施形態の製造装置の構成を説明する。
この製造装置は、第2実施形態の製造装置と比べて下記の点が異なる。
【0045】
この製造装置では、第3の冷却ロール24にも、その表面に弾性材18が被覆されている。
また、エンドレスベルト23,26 への付圧手段として、ロール31を使用し、第3と第4のロール24,25 間の略中間においてこのロール31が両金属製エンドレスベルト23,26 を第3と第4のロールロール24,25 間側に蛇行させるように配置されている。このロール31も冷却機能を有している。
【0046】
この製造装置を使用したポリプロピレン樹脂シート11の製造方法は、第2実施形態と同様であるが、第1と第3のロール21,24 による面状圧接及び両エンドレスベルト23,26 が並走する区間における面状圧接が異なる。
即ち、Tダイ12より押出されたポリプロピレン樹脂シート11を、第1のエンドレスベルト23と第2のエンドレスベルト26とに略同時に接触するようにして第1と第2のエンドレスベルト23,26 の間に導入した際、第1と第3の冷却ロール21, 24間の押圧力で両方の弾性材18が圧縮されるようにして弾性変形し、弾性材18が弾性変形している両ロール21,24 の中心からの角度θ1 部分において樹脂シート11は、両ロール21,24 によって面状に圧接される。この際の面圧は、0.1MPa〜20.0MPa である。
【0047】
そして、ポリプロピレン樹脂シート11が第1と第3のロール21,24 側から第2と第4のロール22,25 側に移動する際、第2のエンドレスベルト26により前記ロール31側に押圧されたポリプロピレン樹脂シート11は、角度θ2 でロール31に抱き込まれ、この抱き角度θ2 部分においてエンドレスベルト23,26 に挟まれた樹脂シート11は、ロール31側に面状に圧接される。この際の面圧は、0.01MPa 〜 0.5MPaである。
【0048】
本実施形態によれば、両弾性材18が弾性変形している第1と第3のロール21, 24の角度θ1 部分における両ロール21,24 によるシート11の面状圧接と冷却、抱き角度θ2 部分における第2のエンドレスベルト26と付圧手段となるロール31によるシート11の面状圧接と冷却及び角度θ3 部分における第2のエンドレスベルト26と第4の冷却ロール25によるシート11の面状圧接と冷却によって、高透明性のポリプロピレン樹脂シート11を高速度で製造することができる。
【0049】
〔第4の実施形態〕
図4を参照して本実施形態に係るポリプロピレン樹脂シート11の製造方法及び製造装置の実施形態を説明する。
本実施形態の製造装置は、第1実施形態の製造装置と比べて下記の点が異なる。
この製造装置では、第1実施形態に係る第4のロール17が設けられていないで構成されており、弾性材18が被覆されている第1の冷却ロール13、第2の冷却ロール14、金属製エンドレスベルト15及び第3の冷却ロール16は同様に備えている。
【0050】
この製造装置を使用したポリプロピレン樹脂シート11の製造方法は、第1実施形態に係る、第4のロール17でガイドされた樹脂シート11のエンドレスベルト15への面状圧接と冷却がない点が第1実施形態と異なる。
即ち、押出機のTダイ12で押出されたポリプロピレン樹脂シート11を、第1の冷却ロール13と接触しているエンドレスベルト15と、第3の冷却ロール16とに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロール13,16 の間に導入し、第1と第3の冷却ロール13,16 とで樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却し、引き続き、このポリプロピレン樹脂シート11を前記鏡面のエンドレスベルト15で第3の冷却ロール16に対して圧接して50℃以下に冷却する。
【0051】
本実施形態によれば、弾性材18が弾性変形している第1と第3のロール13,16 の角度θ1 部分における両ロール13,16 によるシート11の面状圧接と冷却及び抱き角度θ2 部分における金属製エンドレスベルト15と第3の冷却ロール16によるシート11の面状圧接と冷却によって、高透明性のポリプロピレン樹脂シート11を高速度で製造することができる。
【0052】
〔第5の実施形態〕
図5を参照して本実施形態に係るポリプロピレン樹脂シート11の製造方法及び製造装置の実施形態を説明する。
本実施形態の製造装置は、第2実施形態の製造装置と比べて下記の点が異なる。
この製造装置では、第2実施形態に係る第5のロール27が設けられていないで構成され、第1の冷却ロール21、第2の冷却ロール22、第1の金属製エンドレスベルト23、第3の冷却ロール24、第4の冷却ロール25、第2の金属製エンドレスベルト26及び付圧手段として設けられた2対のロール28,29 は同様に備えている。
【0053】
この製造装置を使用したポリプロピレン樹脂シート11の製造方法は、第2実施形態に係る、第2の金属製エンドレスベルト26と第4の冷却ロール25によるシート11の面状圧接と冷却がない点が第1実施形態と異なる。
即ち、押出機のTダイ12より押出されたポリプロピレン樹脂シート11を、第1の金属製エンドレスベルト23と、第2の金属製エンドレスベルト26とに略同時に接触するようにして第1と第2の金属製エンドレスベルト23,26 の間に導入し、第1と第3の冷却ロール21,24 でポリプロピレン樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却し、引き続き、2対のロール28,29 で両エンドレスベルト23,26 に挟まれたポリプロピレン樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却する。
【0054】
本実施形態によれば、両弾性材18が弾性変形している第1と第3のロール21, 24の角度θ1 部分における両ロール21,24 による樹脂シート11の面状圧接と冷却及び付圧手段となる2対のロール28,29 間におけるシート11の面状圧接と冷却によって、高透明性のポリプロピレン樹脂シート11を高速度で製造することができる。
【0055】
【実施例】
〔実施例1〕
上記第1実施形態において、製造装置及び製造方法の具体的条件を下記の通りとした。
押出機の直径…90mm、Tダイの幅…800mm
ポリプロピレン樹脂…出光ポリプロF-205S(商品名、出光石油化学
株式会社製)
ポリプロピレン樹脂シートの厚さ…0.3mm
弾性材の材質…シリコーンゴム、厚さ…10mm、硬度…30度
シートの引取り速度…16m/min
シートと接触しているエンドレスベルトとロールの表面温度…20〜23℃
【0056】
〔実施例2〕
実施例1の製造方法において、シートの原料のみを変えた。
即ち、使用した樹脂は、出光ポリプロF-205Sに造核剤であるゲルオールDH(新日本理化学株式会社製)を3000ppm 添加したものである。
【0057】
〔比較例1〕
金属ロールと、表面が弾性体で被覆された弾性ロールとの間に金属製エンドレスベルトを巻装しておき、金属製エンドレスベルト(80℃)を介してこの弾性ロールと冷却ロール(80℃)の間にシートを通し、このシートを冷却ロール面の一部に圧接した後、冷却ロールとベルトにより圧接冷却するようにした製造方法(特開平6-170919号公報参照)において、使用した樹脂原料を前記出光ポリプロF-205Sとした。
【0058】
〔比較例2〕
比較例1と同様の製造方法であるが、使用したシート原料を前記ゲルオールDHが添加された出光ポリプロF-205Sとした。
【0059】
〔比較例3〕
金属ロール(30℃)と表面が弾性体で被覆された弾性ロールの間に金属製エンドレスベルト(30℃)を巻装しておき、金属製エンドレスベルトを介してこの弾性ロールと冷却ロールの間にシートを通し、このシートが冷却ロール面の一部に圧接されるようにした製造方法(ドイツ特許3319279A1 、実開平3-6919号公報公報参照)において、使用した樹脂原料を前記出光ポリプロF-205Sとした。
【0060】
前記実施例1、2及び比較例1〜3について、得られたポリプロピレン樹脂シート11の総ヘイズと内部ヘイズを測定し、またロール側の面とベルト側の面の表面光沢度を測定した。それらの結果を下記の表1に示す。
【0061】
ヘイズは、ヘイズ測定機(例えば、NDH-300A、日本電色工業株式会社製)を使用し、シートに光を照射して透過した光線の全量を表す全光線透過率(Tt )と、シートによって拡散された透過した拡散光線透過率(Td )との比によって下記式で求める。前記全光線透過率(Tt )は、入射光と同軸のまま透過した平行光線透過率(Tp )と拡散光線透過率(Td )との和である。
ヘイズ(H)=Td /Tt ×100
【0062】
そして、総ヘイズは、シートに光を照射した際に得られたTd 及びTt より求めた。また、内部ヘイズは、シートの両面にシリコーンオイルを塗布した後、ガラス板でこのシートの両面を挟み、シート外側の影響を消去して測定した。
総ヘイズ=内部ヘイズ+外部ヘイズ
【0063】
前記表面光沢度は、自動式測色色差計(例えば、AUD-CH-2型-45,60、スガ試験機株式会社製)を使用し、シートに光を入射角60度で照射し、同じく60度で反射光を受光したときの反射光束ψs を測定し、屈折率1.567 のガラス表面からの反射光束ψos との比により、下記の通り求めた。
表面光沢度(Gs )=(ψs /ψos )×100
【0064】
【表1】
Figure 0004237275
【0065】
表1より、実施例1によれば、弾性材18が弾性変形している第1と第3のロール13,16 の角度θ1 部分における両ロール13,16 によるシート11の面状圧接と冷却、抱き角度θ2 部分における金属製エンドレスベルト15と第3の冷却ロール16によるシート11の面状圧接と冷却及び角度θ3 部分におけるエンドレスベルト15と第2の冷却ロール14によるシート11の面状圧接と冷却によってポリプロピレン樹脂シート11を製造しているため、高速で製造しても、総ヘイズも内部ヘイズも低く、透明性が高いポリプロピレン樹脂シート11が得られることがわかる。また、表面光沢度がシート11のロール側の面及びベルト側の面のいずれも高いことがわかる。
【0066】
実施例2によれば、得られたポリプロピレン樹脂シート11は、実施例1と略同様の特性が得られているが、ヘイズに関しては実施例1より若干向上している。従って、本発明によれば、樹脂原料中に造核剤を添加することにより、シート11の透明性を更に改善することができる。
【0067】
一方、比較例1によれば、急冷開始点において十分な面圧がかからず、良好な急冷効果が得にくいため、得られたシートの透明性が低く、表面光沢度も低いことがわかる。
比較例2によれば、樹脂原料中に造核剤を添加したことにより、比較例1と比べて、得られたシートの透明性と表面光沢度に或る程度の改善が見られる。
比較例3によれば、シートの金属製エンドレスベルトとの面圧区間が短いため、得られたシートの透明性が不良であり、シートのベルト側の面の表面光沢度が低いことがわかる。
【0068】
【発明の効果】
本発明に係るポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法及び製造装置によれば、高透明性の面状ポリプロピレン樹脂(ポリプロピレン樹脂シート又はフィルム)を高速度で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るポリプロピレン樹脂シートの製造方法で使用する製造装置の概略図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るポリプロピレン樹脂シートの製造方法で使用する製造装置の概略図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るポリプロピレン樹脂シートの製造方法で使用する製造装置の概略図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るポリプロピレン樹脂シートの製造方法で使用する製造装置の概略図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るポリプロピレン樹脂シートの製造方法で使用する製造装置の概略図である。
【符号の説明】
11 ポリプロピレン樹脂シート
13,21 第1の冷却ロール
14,22 第2の冷却ロール
15 金属製エンドレスベルト
16,24 第3の冷却ロール
17,25 第4の冷却ロール
18 弾性材
23 第1の金属製エンドレスベルト
26 第2の金属製エンドレスベルト
28,29,31 付圧手段であるロール

Claims (4)

  1. 表面が弾性材で被覆された第1の冷却ロールと、第2の冷却ロールとの間に表面が鏡面の金属製エンドレスベルトが巻装され、面状ポリプロピレン樹脂と前記金属製エンドレスベルトを介して前記第1の冷却ロールと接触する、表面が鏡面の第3の冷却ロールが、前記金属製エンドレスベルトで押圧された前記面状ポリプロピレン樹脂を抱き込むようにして設けられた製造装置を使用したポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法であって、
    前記面状ポリプロピレン樹脂と直接接触している前記金属製エンドレスベルト及び前記第3の冷却ロールの温度を23℃以下、露点以上に保ちながら、
    前記面状ポリプロピレン樹脂を、前記第1の冷却ロールと接触している前記金属製エンドレスベルトと、前記第3の冷却ロールとに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間に導入し、
    前記第1と第3の冷却ロールの間の押圧力で前記弾性材を弾性変形させながら前記第1と第3の冷却ロールとで前記面状ポリプロピレン樹脂を面状に圧接して冷却し、
    引き続き、この面状ポリプロピレン樹脂を前記金属製エンドレスベルトで第3の冷却ロールに対して面状に圧接して冷却することを特徴とするポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法。
  2. 前記弾性材の弾性変形を伴って前記面状ポリプロピレン樹脂を面状圧接する際の面圧を、0.1MPa〜20.0MPa とし、
    前記弾性材の弾性変形を伴わないで前記面状ポリプロピレン樹脂を面状圧接する際の面圧を、0.01MPa 〜0.5MPaとすることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造方法。
  3. 表面が弾性材で被覆された第1の冷却ロールと、第2の冷却ロールとの間に表面が鏡面の金属製エンドレスベルトが巻装され、押出機のTダイから押出された面状ポリプロピレン樹脂と前記金属製エンドレスベルトを介して前記第1の冷却ロールと接触する、表面が鏡面の第3の冷却ロールが、前記金属製エンドレスベルトで押圧された前記面状ポリプロピレン樹脂を抱き込むようにして配設され、かつ、前記押出機のTダイから押出された前記面状ポリプロピレン樹脂が略同時に、前記第3の冷却ロールと前記金属製エンドレスベルトに接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間に導入されるように、前記第1の冷却ロールと接触している前記金属製エンドレスベルトと、前記第3の冷却ロールが配設され、前記金属製エンドレスベルト及び前記第3の冷却ロールの温度が 23 ℃以下、露点以上に保たれていることを特徴とするポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造装置。
  4. 前記弾性材は、その硬度(JIS K6301 A 形に準拠)が60度以下であることを特徴とする請求項3に記載のポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの製造装置。
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