JP4270571B2 - 蓄熱効果を利用する自発的フロンタルポリメリゼーションによる屈折率分布型光伝送体の作製方法 - Google Patents
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Description
すなわち特許976507号公報では、あらかじめ重合反応進行過程にある透明ゲル状固体に、これと異なる屈折率を有する重合体を形成するモノマーを拡散浸透させた後、全体の重合反応を完結させ、屈折率分布型光伝送体を得る方法を示している。
また特許1858593号公報では、2種類のモノマーのモノマー反応性比r1とr2の相違に着目し、屈折率勾配(屈折率分布)を有する光伝送体の作製方法を提案している。反応性比とは共重合における重合のしやすさの目安となるものである。
また特開平5−173026号公報や特開平5−241036号公報では、重合容器自体が重合体から形成されており、重合容器内に、重合容器を溶解させるようなモノマーとそれよりも分子サイズの大きなモノマーあるいは重合に関与しないような低分子化合物の混合液を注入し、重合容器の内壁をゲル状態にさせ、重合容器の外部からエネルギーの照射を行うことにより、重合容器内壁でゲル効果を誘発させて、重合を重合管内壁から開始させ、徐々に中心軸方向に進行させる方法を示している。モノマーのみを用いる場合は共重合になる。このとき重合管内壁に形成されるゲル層の中には、分子サイズの小さなモノマーが入りやすくなるため、最終的に形成される重合体の中心軸付近には、分子サイズの大きなモノマーあるいは低分子化合物がより多く存在することになり、中心軸付近から周辺方向にかけてモノマー分子同士、あるいはモノマーと低分子の組成分布が形成される。このとき共重合の場合には、用いるモノマーとしてポリマーになったときに異なる屈折率を示すような、モノマーの組み合わせを用いることにより、最終的に作製される光伝送体は屈折率分布を有することになる。また、低分子化合物を用いる場合も、低分子化合物の屈折率と、用いるモノマーが重合してポリマーになったときの屈折率とが、異なるような組み合わせを用いることにより、屈折率分布型光伝送体を作製することが可能となる。
また特開平6−186441号公報では、2重同心円状の吐出孔を有する紡出金口の外側吐出孔から重合率50〜90%の重合体モノマー混合物を、内側吐出孔から無色透明の高屈折率化合物を含有するモノマー混合物、あるいは重合率50%以下の重合体モノマー混合物を吐出させて鞘状複合のロッド状態とした後、内層混合物内の高屈折率化合物を外層混合物中へ拡散させ、さら重合させることにより屈折率分布型光伝送体を得る方法を示している。
また特開平6−194530号公報では、重合容器に重合させるためのモノマー溶液を徐々に滴下しながら進行させるが、このときの屈折率分布の形成方法は特開平5−173026号公報や特開平5−241036号公報と同様に、重合容器内壁から重合を開始させる方法を示している。
また特開平8−54520号公報では、円筒状重合容器の内側に、モノマーに高屈折率化合物を溶解させた溶液を注入し、回転させながら重合させることによってコアの一部を形成し、しかる後この操作を複数回繰り返すことより屈折率分布を有する光伝送体を作製する方法を示している。
また特開平8−62434号公報では、屈折率分布型光伝送体であるプラスチック光ファイバー母材の製造方法において、高屈折率のポリマーロッドを形成し、その外側に屈折率の高い低分子化合物と有機低分子材料の配合比を変えて屈折率を低くした溶液を注入し必要に応じて回転させながら重合させしかる後この操作を数回繰り返すことにより、屈折率分布型の光伝送体を得る方法を示している。
また特開平9−269424号公報では、重合容器に重合溶液を充填した後に、圧力をかける装置を用いて、周辺から重合した場合に形成される中心部付近での空洞の形成を防ぐようにしながら光伝送体を作製する方法である。
以上のように、屈折率分布を形成させるためには、さまざまな方法がある。
特許0976507号公報では、あらかじめ作製しておく透明ゲル状固体の形状を保持するために、これを多官能性モノマーで作製する必要があり、このために、透明ゲル状固体をあらかじめ作成しておく必要があることと、作製された重合体は、3次元の網目構造を有するために、熱可塑性がほとんどなく、後加工が難しい点が上げられる。たとえば実用的な高分子光ファイバーは、その製造過程において延伸処理を施し、引っ張り強度を与えることが望ましいが、上記の方法で作製される光伝送休は、3次元網目構造を有するために、延伸することが不可能である。また特許1858593号公報では、モノマー同士の反応性比の違いを利用する方法であるが、反応性比r1とr2の値が異なれば異なるほど屈折率分布が形成されやすくなるにもかかわらず、その結果として、反応性の高いモノマーがホモ重合体を生成してしまうため、最終的に得られる光伝送体中には、ホモ重合体の巨大分子が分散されて存在する状態(相分離状態)となり、得られた光伝送体が白濁してしまい、光伝送効率が減少してしまう。一方、反応性の低いモノマーは、反応性が低いことから、なかなか重合が完了せず、重合操作が終了した後も、残存モノマーとして残ってしまい、これを取り除くための後処理が必要になる場合もある。更に、残存モノマーが存在すると、光伝送体の引っ張り強度、伸びなどの機械的強度を劣化させ、また残存モノマーの後重合や分解などによる光伝送体の長期安定性に悪影響を及ぼすことがある。また、特開平5−173026号公報や特開平5−241036号公報、また特開平6−194530号公報では、重合が重合容器内壁から開始されるため、重合による体積収縮により、光伝送体の中心軸近傍に空洞ができやすいという欠点がある。
また特開平6−186441号公報で示された方法は、前もって押し出すための高分子溶液を作成する必要があり、さらに連続押し出しのための装置も必要であり、さらに押し出した後に拡散重合させるための装置も必要となるため、非常に手間がかかる。またこの方法では大口径な屈折率分布型レンズを得ることが難しい。
また特開平8−54520号公報で示された方法は、光伝送体外側から屈折率分布を形成していくが、1層ずつ数回にわたって徐々に屈折率分布を形成させていくために、手間と時間がかかる。
また特開平8−62434号公報では、重合体中心軸付近から重合させていく方法が示されているが、この場合も、重合体を1層ずつ外側に形成していくために、重合には非常に時間がかかるのと同時に、中心軸対称な光伝送体を得るためには、位置決めに注意を払う必要がある。
また特開平9−269424号公報では、重合容器に圧力をかけるために耐圧性の重合容器が必悪となり、また圧力をかけるためにも大掛かりな装置が必要となる。
以上のように、これまで報告されてきた屈折率分布型光伝送体を作製する方法は、前処理が必要であったり、大掛かりな装置が必要であったり、できた光伝送体中に気泡や空洞の混入があったり、また透明性に優れないものであった。
さらに、屈折率分布型光伝送体を眼内レンズ等として用いる場合、該伝送体の装着のためには、該伝送体は柔軟であり室温付近でも形状を変化させることができることが望ましいが、従来柔軟性を有する屈折率分布型光伝送体を作製することはできなかった。
特許文献1 特許976507号公報
特許文献2 特許1858593号公報
特許文献3 特開平5−173026号公報
特許文献4 特開平5−241036号公報
特許文献5 特開平6−186441号公報
特許文献6 特開平6−194530号公報
特許文献7 特開平8−54520号公報
特許文献8 特開平8−62434号公報
特許文献9 特開平9−269424号公報
本発明者らは、従来法では容易に製造することができなかった気泡や空洞の混入がなく、透明性に優れた屈折率分布型の光伝送体を簡易に製造する方法を確立すべく鋭意検討を行った。
本発明者らは、自触媒化学系の非線形動力学解析の立場より重合反応について検討を行なっていく中で、メタクリル酸メチルのフリーラジカル重合において、トロムスドルフ効果及び熱暴走の2種の反応自己促進効果の結果、反応系中心部に反応が進行して高温の領域が出現し、フロントと呼ばれる周辺部との界面が形成され、これが周辺部へ移動する現象を見出した。このようなフロント形成は、通常は反応系の一部を故意に過熱し、人為的に温度勾配を形成させることで観察されるが、蓄熱効果による自発的フロント形成が可能であることを見出した。このフロント形成を利用して、以下のような方法により、目的とする屈折率分布型光伝送体が製造できることを見出し本発明を完成させるに至った。すなわち、屈折率が中心から外形方向に向かって徐々に変化する屈折率分布型光伝送体を製造する方法において、重合容器の中に、モノマーと、このモノマーが重合してポリマーとなった場合に示す屈折率とは異なる屈折率を有する低分子化合物を充填し、適切な重合開始剤、重合温度を設定して重合を行う際、重合容器中心部で蓄熱効果を誘起させ、重合容器内のどの部分よりも重合容器中心での温度を上昇させることにより、自発的に重合容器の中心から重合体の形成を促進させる。重合が進行するに従い、形成された重合体を多く含む部分とモノマーを多く含む部分の境界面がフロントとなり、これが徐々に重合容器内壁方向へ進行していくことにより、重合体形成の段階で、重合容器内のモノマーが低分子化合物に比べて重合体中心に集まり、屈折率に分布を有するような屈折率分布型光伝送体となる重合体を形成することができる。
一般に重合反応において、まず重合初期に重合体によるフロントが形成されて、これが移動しながら重合が進行していく重合形態をフロンタルポリメリゼーションというが、本発明は、蓄熱効果を利用して、自発的に重合容器の中心部でフロントを形成させ、徐々に外形方向に重合を進行させていくことを特徴とする。
さらに、本発明者ら重合体を形成させるモノマーとしてガラス転移温度が低いものを用いることにより柔軟性を有し室温付近でも形状を変化させることができる屈折率分布型の光伝送体を作製できることを見出した。
このように、本発明者らはこの自発的フロント形成現象を利用して、屈折率分布型光学材料を作製することに成功した。本発明により、従来型の界面ゲル共重合法及びドープ法と比較して、圧倒的に作製コストを引き下げることが可能となった。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)屈折率が中心軸から徐々に変化する屈折率分布型の光伝送体の作製方法において、モノマー、該モノマーが重合してポリマーとなった場合に示す屈折率とは異なる屈折率を有する低分子化合物および重合開始剤を重合容器内に充填し、重合容器を加熱し重合容器中心部での蓄熱効果を利用して、容器中心部から容器内壁に向かって、フロント形成重合反応を進行させることを特徴とする屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(2) 低分子化合物の屈折率が、モノマーが重合してポリマーとなった場合に示す屈折率よりも低い(1)の屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(3) モノマーおよび/または低分子化合物を2種類以上重合容器内に充填する、(1)または(2)の屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(4) 加熱温度が50℃以下である、(1)から(3)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(5) 重合開始剤の10時間半減期温度が20℃から50℃である(4)の屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(6) 重合開始剤が、有機過酸化物、過硫酸塩類およびアゾ系化合物からなる群から選択される(5)の屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(7) モノマーが、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルである(1)から(6)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(8) 低分子化合物が、プロピオン酸系エステルまたはイソ酪酸系エステルである(1)から(7)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(9) モノマーおよび低分子化合物が生体適合性である(1)から(6)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(10) モノマーが、メタクリル酸ヒドロキシエチルまたはグリセリンモノメタクリレートであり、低分子化合物がH2Oまたはアジピン酸エステル系化合物である(9)の屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(11) さらに、柔軟性を有する(1)から(6)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(12) 20℃の温度条件下で直径15mm、厚さ1.5mmの大きさのレンズを折り曲げることができる程度の柔軟性を有する(11)の屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(13) モノマーのガラス転移温度が300K以下である、(11)または(12)の屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(14) モノマーが、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−3,5,5−トリメチルヘキシルおよびメタクリル酸−3−オキサブチルからなる群から選択される(11)から(13)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(15) 柔軟性調整剤としてジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)、ポリメタクリル酸エチレングリコール(PEGDMA)、ヘキサン2酸ジビニル(DAP)およびジビニルベンゼン(DBz)からなる群から選択される多官能性モノマーを添加する、(11)から(14)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(16) 重合容器の形状により重合開始場所を制御し、かつモノマーおよび低分子化合物の種類および混合比により屈折率分布を制御する(1)から(15)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(17) さらに、光伝送体の端面に曲率を持たせることにより、色収差を調節する(1)から(16)のいずれかの屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(18) W型の屈折率分布を有する(1)から(16)のいずれかの光伝送体の作製方法、
(19) さらに、延伸または研磨により任意の形状に加工することを含む(1)から(16)のいずれかに記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法、
(20) (1)から(19)のいずれかに記載の方法により作製される、屈折率分布型光伝送体、
(21) (11)から(15)のいずれかの方法により作製される、柔軟性を有する屈折率分布型光伝送体、
(22) (20)の屈折率分布型光伝送体よりなる、動物の水晶体の屈折率分布と同等の屈折率分布を有する人工眼内レンズ、
(23) (21)の柔軟性を有する屈折率分布型光伝送体よりなる、動物の水晶体の屈折率分布と同等の屈折率分布を有する人工眼内レンズ、
(24) 屈折率が中心軸から徐々に変化する屈折率分布型の光伝送体であって、中心軸からの距離がrの点の屈折率n(r)が、n(r)=K−Ar2(KおよびAはそれぞれ、中心軸での屈折率、屈折率分布定数を示す)で示される屈折率分布型光伝送体、
(25) さらに、周辺部まで屈折率分布が認められ、気泡を有しない(24)の屈折率分布型光伝送体、
(26) 柔軟性を有し室温で形状を変化させることができる、(24)または(25)の屈折率分布型光伝送体、ならびに
(27) 眼内レンズである(26)の屈折率分布型光伝送体。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2003−024565号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
図2は、モノマーとしてメタクリル酸メチルを、低分子化合物としてイソ酪酸メチルを用いて本発明の方法により作製した光伝送体の写真である。
図3は、モノマーとしてメタクリル酸メチルを、低分子化合物としてイソ酪メチルを用いて本発明の方法により作製した光伝送体の屈折率分布を示す図である。
図4は、モノマーとしてメタクリル酸メチルを、低分子化合物としてカプリル酸メチルを用いて本発明の方法により作製した光伝送体の屈折率分布を示す図である。
図5は、モノマーとしてメタクリル酸メチルを、低分子化合物としてカプリル酸メチルを用いて本発明の方法により作製した光伝送体の屈折率分布を示す図である。
図6は、モノマーとしてメタクリル酸メチルを、低分子化合物としてカプリル酸メチルを用いて本発明の方法により作製した光伝送体のW型の屈折率分布を示す図である。
図7は、モノマーとしてメタクリル酸オクチルを、共重合モノマーとしてメタクリル酸ベンジルを用いて本発明の方法により作製した柔軟性を有する光伝送体の屈折率分布を示す図である。
図8は、図5に示した重合体の柔軟性を示す写真である。重合体を直径15mm、厚さ1.5mmに加工し、折り曲げたものである。
本発明の方法は、任意の形状の重合容器を用いて、任意の形状および任意の屈折率分布を有する、屈折率分布型光伝送体の製造を可能とする。
本発明に用いる重合容器の形状は、中空の球形状、あるいは中空の卵のような形状、さらには、円筒状など、蓄熱効果が誘発されるような形状であればよい。例えば、動物の水晶体を模した人工レンズを作製しようとする場合、水晶体の形状を有する容器を作製し重合容器として用いればよい。ここで、蓄熱効果とは内部に光伝送体の原料を含んだ重合容器を加熱した場合、加えた熱により開始する重合反応の反応熱が、重合容器周辺部分よりも中心部分において蓄熱されやすいことを言う。すなわち、上記の蓄熱効果が誘発されるような形状とは重合に伴う反応熱が容器中心部に集中し得る形状をいう。重合容器の形状により、蓄熱される中心部分が決まるため、重合容器形状を設計して任意の位置から重合を開始させることができる。また、重合容器自体の反応性は必要としないため、金属、プラスチック、ガラス、陶磁器、セラミック等どのような材質のものでも用いることができる。さらに、可塑性の材質を用いることにより任意の形状を形成させることができる。
本発明の光伝送体の材料は、モノマー、このモノマーが重合して高分子となった場合に示す屈折率とは異なる屈折率を有する低分子化合物(ドーパントとも称する)および重合開始剤等であり、これらの物質を重合容器内部に充填する。加熱による反応熱の蓄熱効果により重合容器内の中心が一定温度以上になると、重合開始剤が作用し重合容器内の中心部でモノマーの重合が促進され重合体によるフロントが形成され、フロントが中心部から重合容器内壁に向かって移動しながら重合が進行していく(フロンタルポリメリゼーション)。図1にフロンタルポリメリゼーションが進行する様子を表している写真を示す。重合体形成の際、モノマーが重合してポリマーとなった場合に示す屈折率とは異なる屈折率を有する低分子化合物が重合体の中に分布するが、低分子化合物に比べモノマーが重合体中心に集まるため、屈折率分布型光伝送体ができる。また、本発明の屈折率分布型光伝送体は作製した時点で、光伝送体の周辺部まで屈折率が分布しており、また内部に気泡が認められないという特徴を有する。このような、周辺部まで屈折率が分布しており、内部に気泡が認められない屈折率分布型光伝送体は従来の方法では作製することはできなかった。また、本発明の屈折率分布型光伝送体は屈折率分布を広くすることができるという特徴も有する。例えば、屈折率分布が1.8から1.28の範囲にある屈折率分布型光伝送体が含まれる。光伝送体の屈折率分布の測定は、公知の方法で測定することができ、例えば横方向干渉パターン法、後方散乱パターン法、収束法、空間フィルタリング法、ニアフィールドパターン法等の非破壊測定法と縦方向干渉パターン法等の破壊測定法がある。本発明の光伝送体の屈折率は、中心軸から周辺方向に向かって屈折率が徐々に変化するが、典型的には、中心軸からの距離がrの点の屈折率n(r)は、n(r)=K−Ar2(KおよびAはそれぞれ、中心軸での屈折率、屈折率分布定数を示す)で示される。また、中心軸から周辺方向に向かっての屈折率の変化を任意にコントロールすることができる。例えば、図6に示すように中心部より周辺部の屈折率が高く、屈折率分布が中心部から周辺に向かうにつれ、一旦下がり、さらに周辺に向かうにつれ屈折率が上昇する、屈折率分布がW型の光伝送体を作製することもできる。このようなW型の光伝送体は中心部付近で凸レンズの特性を示し、周辺部付近で凹レンズの特性を示す。
さらに、屈折率分布型光伝送体端面に曲率を持たせることにより(普通のレンズのように、例えば切削研磨により端面を凹凸形状にする)、色収差(色のにじみ)を減らすこと、あるいは、増加させることができることができる。本発明は、このような光伝送体および光伝送体の作製方法をも包含する。
本発明で用い得るモノマーとしては、アリル基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基のような二重結合を1つあるいはそれ以上有する多官能性モノマーであって、透明な重合体を与えるものであれば限定されず、スチレン(1.592、373)、パラクロロスチレン(1.610、383)、アクリロニトリル(1.520、370)、メタクリロニトリル(1.520)、フェニル酢酸ビニル(1.567)、安息香酸ビニル(1.578、314)、ビニルナフタレン(1.682)、アクリル酸メチル(1.480、283)、メタクリル酸メチル(1.490、378)、アクリル酸エチル(1.469、249)、メタクリル酸エチル(1.485、338)、アクリル酸ブチル(1.463、219)、メタクリル酸ブチル(1.483、293)、メタクリル酸シクロヘキシル(1.507、356)、メタクリル酸フェニル(1.571、383)、メタクリル酸ベンジル(1.568、327)、メタクリル酸ナフチル(1.635)、メタクリル酸トリフルオロエチル(1.437、95℃)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(1.512、311(80%it)または391(58%st))、メタクリル酸オクチル(1.516(計算値)、248)、メタクリル酸ドデシル(1.474、208)、メタクリル酸ヘキシル(1.481、268)、メタクリル酸−3,5,5−トリメチルヘキシル(1.531(計算値)、274)、メタクリル酸−3−オキサブチル(1.526(計算値)、289)等が挙げられる。かっこ内にはそれぞれのモノマーが重合したときの屈折率およびそれぞれのモノマーのガラス転移温度(K)(一部℃で表示)を示す。
この中でもスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等のアルキル(メタ)アクリレート系モノマーが特に好ましい。また、複数のモノマー、例えば限定されないがメタクリル酸オクチルとメタクリル酸ベンジル等を用いて、モノマーを共重合させてもよい。共重合させるモノマーの種類によって、光伝送体の屈折率分布や柔軟性等を調節することができる。
また、ガラス転移温度(TG)が低いモノマーを用いた場合、柔軟性を有し室温付近でも自由に形状を変えることができる屈折率分布型の光伝送体を得ることができる。ここで、室温付近とは、10℃から30℃の間の温度をいう。従来の界面ゲル重合法等では、容器としてモノマーの重合体でできた管を用いるためガラス転移温度が低いものは使用できなかったので、柔軟性を有する伝送体の作製は不可能であった。柔軟性を有する光伝送体を作製する場合に用いるモノマーのガラス転移温度は、300K以下、好ましくは250K以下である。そのようなモノマーとして、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−3,5,5−トリメチルヘキシル、メタクリル酸−3−オキサブチル等が挙げられる。但し、柔軟性が大きすぎると伝送体として用いることができなくなるので、後述の多官能性モノマーの種類および添加濃度を適宜選択し、多少の硬さを持たせるのが望ましい。本発明の柔軟性を有する屈折率分布型の光伝送体の柔らかさは限定はされず、用途に応じて任意の柔らかさにすることができるが、例えば眼内レンズとして用いる場合、レンズを折り曲げて眼内に装着するため、ピンセットを用いて直径15mm、厚さ1.5mmのレンズを完全に折り曲げることができる程度の硬さである。
軟らかさは、例えば以下のようにして評価することができる。
直径15mm、厚さ1.5mmの本発明のレンズをピンセットを用いて室温(18℃〜27℃)にて完全に折り曲げたときに、余分な力をかけずに折り曲がる場合はA、力をかけないと折り曲がらない場合はB、折り曲げることができない場合はCとして評価する。本発明の柔軟性を有するレンズは好ましくはAまたはBの評価の柔軟性を有するものであり、さらに好ましくはAの評価の柔軟性を有するものである。
また、本発明のレンズは、このようにして折り曲げた場合、放置することにより容易に元の形状に復元するという形状回復性を有する。例えば、本発明の柔軟性を有するレンズの上述の条件で折り曲げた後に放置した場合、数秒から十数分でほぼ元の形状に回復する。
本発明で用い得る低分子化合物(ドーパント)としては、限定されないが高分子材料との相溶性を考えるとプロピオン酸系エステルおよびイソ酪酸系エステルあるいはフタル酸系エステルやアジピン酸系エステル等が挙げられる。低分子化合物の分子量は、用いるモノマーの分子量より大きい。低分子化合物としては、イソ酪酸メチル(1.384)、カプリル酸メチル(1.417)、H2O(1.333)、等が挙げられる。かっこ内は屈折率を示す。
低分子化合物の屈折率は、用いるモノマーが重合して高分子となった場合に示す屈折率とは異なるが、モノマーが重合してできた高分子の屈折率よりも大きくても小さくてもよいが、光ファイバー、人工眼内レンズ等として使用するためには、低分子化合物の屈折率はモノマーからできた重合体の屈折率よりも小さい。小さい場合は、中心軸から外側に向かって屈折率が減少する屈折率分布型光伝送体が得られ、大きい場合は、中心軸から外側に向かって屈折率が増加する屈折率分布型光伝送体が得られる。用いるモノマーの種類、低分子化合物の種類およびモノマーと低分子化合物の混合比を変えることにより、所望の屈折率分布を有する光伝送体を作製することができる。この際、モノマーが重合してできた高分子化合物および低分子化合物の屈折率、溶解度、モノマーの重合のしやすさ等を考慮して用いるモノマーおよび低分子化合物の種類、混合比を決定することができる。
また、モノマー、低分子化合物ともに複数の種類を含んでいてもよく、種類の異なるモノマーの混合比、種類の異なる低分子化合物の混合比も限定されない。例えば、複数種類のモノマーを用いる場合、より重合しやすいモノマーが光伝送体のより中心部で重合する。用いるモノマーの屈折率、溶解度、重合のしやすさ等を考慮し、モノマーおよび低分子化合物の種類を選択することにより所望の屈折率分布を有する光伝送体を作製することができる。
さらに、屈折率分布を形成させるために用いる低分子化合物は、用いているモノマーと異なる屈折率を与えるものであれば、モノマーと反応性であっても、あるいは、それ自身で反応するような物質を用いてもよい。
光伝送体を、動物の水晶体の屈折率分布を模した人工眼内レンズとして用いる場合、モノマーおよび低分子化合物は生体適合性物質である必要がある。ここで、生体適合性とは長期間にわたって生体に悪影響も強い刺激も与えず、本来の機能を果たしながら生体と共存できる材料の属性をいう。生体適合性モノマーとしては(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、グリセリンモノメタクリレート等が、生体適合性低分子化合物としてはH2O、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジノルマルアルキル(アルキル部分の炭素数6,8,10など)等のアジピン酸エステル系化合物等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
重合開始剤は、モノマーおよび低分子化合物に混合して用いる。重合開始剤としては公知のものを用いることができるが、本発明の重合反応は比較的低温、好ましくは50℃以下で進行するため重合開始剤も比較的低温で作用するものが好ましく、10時間半減期温度が重合時の温度以下、例えば40℃程度のものが好ましい。用いる重合開始剤は、重合を進行させる温度により10時間半減期温度を指標に適宜選択することができる。重合開始剤の例として、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物、パーオキシカーボネート類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物、過硫酸塩類等が挙げられ、これらを単独でまたは適宜組合わせて用いることができる。重合開始剤は、モノマーに対して0.1〜10重量%混合すれば良い。
このうち過硫酸塩類は主に水系の重合開始剤として用いられ、過硫酸塩類として過硫酸アンモニウムや、過硫酸ナトリウム、あるいは過硫酸カリウムが挙げられる。また、パーオキシカーボネート類としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(10時間半減期温度40.5℃)、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(40.5℃)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(40.8℃)、ジ(2エトキシエチル)パーオキシジカーボネート(43.4℃)、ジ(2エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(43.5℃)等が、パーオキシエステル類としては、クミルパーオキシネオデカノエート(36.5℃)、1,1,3,3テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(40.7℃)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(44.5℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(46.4℃)等が挙げられる。
必要に応じて分子量調整剤を単独でまたは適宜に組み合わせて適宜用いることもできる。分子量調整剤として、例えば四塩化炭素、四臭化炭素等のアルキルハライド類あるいはブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−ヒドロキシエチルメルカプタンあるいはチオグリコール酸オクチル等のメルカプタン類等が挙げられる。
また、作製される重合体の透明性を阻害しない限り、多官能性モノマーを架橋剤として添加してもよい。こうすることにより、作製される重合体の剛性が増大すると同時に、耐薬品性にも優れたものとなる。特に、柔軟性を有する屈折率分布型の光伝送体を作製する目的でガラス転移温度の低いモノマーを用いる場合、伝送体の柔軟性が大きくなりすぎるのを防止するために多官能性モノマーを添加することが望ましい。多官能性モノマーとしてはエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)、ポリメタクリル酸エチレングリコール(PEGDMA)、ヘキサン2酸ジビニル(別名アジピン酸ジビニル)(DAP)、ジビニルベンゼン(DBz)、等が挙げられる。このうち、柔軟性を有する光伝送体を作製するために、モノマーとしてメタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−3,5,5−トリメチルヘキシルメタクリル酸−3−オキサブチル等を用いる場合には、多官能性モノマーとして、ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)、ポリメタクリル酸エチレングリコール(PEGDMA)、ヘキサン2酸ジビニル(別名アジピン酸ジビニル)(DAP)を用いることが望ましい。多官能性モノマーの添加量は、得られる光伝送体に要求される剛性、硬さに応じて変えればよい。
多官能性モノマーは、伝送体が柔軟性を有している必要が無い場合は、モノマーに対して20重量%程度添加すればよく、柔軟性を有する伝送体を作製する場合であって、モノマーとしてメタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−3,5,5−トリメチルヘキシル、メタクリル酸−3−オキサブチル等を用いる場合は、所望の柔軟性に応じ、5重量%以下、好ましくは2重量%以下添加すればよい。
また、酸化防止剤を添加してもよく、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等が挙げられる。
また、本発明の重合に際しては溶媒を使用することもできるが、溶媒を使用した場合には、重合後の溶媒除去工程が必要となり、また溶媒除去による弊害が生ずるため、通常は溶媒を用いずにモノマーそれ自体あるいは、低分子化合物を溶媒の代わりとして重合反応を行うことが望ましい。
本発明の方法において、重合容器に上記モノマー、低分子化合物および重合開始剤等を所定の混合比で混合したものを充填し、重合を開始させる。また、混合は充填と同時に行ってもよいし、重合容器内に充填してから行ってもよい。この際、混合物中の酸素による重合の抑制を防止するために混合物は窒素置換しておくことが望ましい。充填後重合容器を静置し加熱する。加熱は、例えば、材料を含んだ重合容器を所定の温度雰囲気下に置くことにより行えばよい。本発明の方法では重合を中心から開始させているため、重合時の体積収縮などで、重合容器内壁付近で気泡の発生が生じやすくなる。この原因は重合容器加熱によるモノマーの重合に伴う粘度上昇に由来するモノマーの供給停止であるが、低温で重合することにより、モノマーの重合が起こりにくくなるために、粘度が上昇せず、モノマーの供給が維持できるため、気泡の発生が抑制される。また高温での重合では、重合溶液自身の対流や、重合体自身が発生する重合熱による蓄熱効果の暴走が起こりやすくなるため、安定なフロントの形成が阻害されてしまい、連続的に変化する屈折率分布が得られなくなるため、より低温で重合することが望ましい。本発明の方法における加熱温度は、60℃以下、好ましくは50℃以下、特に好ましくは45℃以下である。
重合容器を加熱することにより、熱が容器外側から容器内部に伝導していき、重合が開始されるが、このとき発生した反応熱が容器外へ拡散しにくいため、容器中心部に蓄熱される。ここで容器の中心とは容器が容器表面のすべての点から等距離にある点、または容器表面がそれに対して対称となる点をいう。但し、容器形状や加熱の仕方により常に正確に容器の中心で蓄熱されるとは限らず、重合は容器中心付近で促進される。本明細書において、容器中心部とは上記定義の容器の中心付近の部分をさす。蓄熱され容器中心部が一定温度に達したときにその部分で重合が促進される。重合が促進される温度は前述のように、特定の10時間半減期温度を有する重合開始剤を選択することで適宜調節することができる。例えば、10時間半減期温度が20℃から50℃の重合開始剤を用いればよい。
容器中心部で重合が促進され重合体ができると重合体のフロントが形成され、フロントが容器中心部から重合容器の内壁へ進行しながら重合が進んでいく。容器内部で重合が完了するまで、温度を一定に保つ。重合が完了するまでの時間は、容器形状や容器の大きさ等により異なるが数時間から数日である。
前述のように、重合は重合容器中心部から開始されるため、容器の形状により重合開始部位が決まり、重合開始部位すなわち、屈折率が最大または最小の部分が所望の部分になるように適宜容器形状を設計することができる。
本発明の作製方法により屈折率が中心軸より徐々に変化する屈折率分布型光伝送体を得ることができるが、上述のように用いるモノマー、低分子化合物の種類を変えることにより屈折率分布の制御が可能であり、所望の屈折率分布を有する光伝送体を得ることができる。
本発明の作製方法により得られる屈折率分布型光伝送体は、所望の形状を有する重合容器を用いて作製することにより加工せずに一括成型することもできるし、適当な形状の重合容器を用いて作製し、加工により所望の形状の光伝送体を得ることもできる。例えば、本発明の方法により得られた光伝送体を母材として研磨してレンズ形状に加工することができるし、延伸して光ファイバーとして用いることもできる。本発明の方法により作製された屈折率分布型光伝送体は、光ファイバー、眼鏡用レンズ、コンタクトレンズ等として利用可能である。
さらに、本発明の方法によれば、任意の形状および任意の屈折率分布を有する光伝送体を作製することが可能であり、例えば動物特にヒトの水晶体を模した眼内レンズを作製することができる。眼内レンズを作製するためには生体適合性材料を用いる必要があり、また屈折率が1.3〜1.4と低いため重合したときの屈折率が低いモノマーおよび屈折率の低い低分子化合物を用いる必要がある。これらの要件を満たすモノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチルが、低分子化合物としてH2Oが挙げられる。水晶体の形状や屈折率分布は公知であり、例えば劉龍輝ら、光学30,6(2001)407−413の記載に従って、眼内レンズの形状および屈折率分布を設計することができる。また、眼内レンズは折り曲げて眼内に装着するので、本発明の任意の形状および任意の屈折率分布を有し、かつ柔軟性を有する光伝送体は自由に折り曲げて眼内に装着可能な眼内レンズとして用いることができる。本発明の眼内レンズの柔軟性は上述のとおりである。勿論、該柔軟性を有する光伝送体は、眼内レンズのみならず種々の用途に用いることができる。
さらに、本発明の眼内レンズは、ベントリアゾール系の紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤を含んでいてもよく、また黄色色素(例えば、ソルベントイエロー等)、橙色色素(例えば、ソルベントオレンジ)等の色素を含んでいてもよい。
作製された屈折率分布型光伝送体の写真を図2に、その伝送体が有する半径方向の屈折率分布を図3に示す。
屈折率分布の縦軸は屈折率を、横軸は、規格化半径を示しており、0のところが、重合体の中心軸を意味する。
作製された屈折率分布型伝送体が有する半径方向の屈折率分布を図4に示す。
縦軸は屈折率を、横軸は、規格化半径であり、0のところが、重合体の中心軸を意味する。
作製された屈折率分布型伝送体が有する半径方向の屈折率分布を図5に示す。
縦軸は中心軸における屈折率を0とした場合の屈折率差(Δn)を、横軸は、規格化半径であり、0のところが、重合体の中心軸を意味する。
作製された屈折率分布型伝送体が有する半径方向の屈折率分布を図6に示す。図に示すように、屈折率分布がW型である屈折率分布型伝送体が得られた。
縦軸は中心軸における屈折率を0とした場合の屈折率差(Δn)を、横軸は、規格化半径であり、0のところが、重合体の中心軸を意味する。
作製された柔軟性屈折率分布型伝送体が有する半径方向の屈折率分布を図7に示す。
縦軸は屈折率を、横軸は、規格化半径であり、0のところが、重合体の中心軸を意味する。
得られた重合体を厚さ1.5mmのディスク状に加工した写真、さらにそれをピンセットで折り曲げたところ、ピンセットをはすしたところ、元に戻ったところを、それぞれ図8−1〜図8−5に示した。
また、ガラス転移温度が一定値以下のモノマーを材料として用いることにより柔軟性を有し室温付近で形状を変化させることができる光伝送体を作製することができる。
さらに、周辺からの重合では作製の難しかった屈折率分布型眼内レンズも、本発明を用いることにより、容易に実現可能であると思われる。また、これまでいくつかの報告がある屈折率分布型コンタクトレンズにおいても、いずれも母材を作製した後に、切削研磨で形成されていたが、本発明を用いることにより、一括成型で製品を作製することが可能となることが期待される。
本明細書に引用されたすべての刊行物は、その内容の全体を本明細書に取り込むものとする。また、添付の請求の範囲に記載される技術思想および発明の範囲を逸脱しない範囲内で本発明の種々の変形および変更が可能であることは当業者には容易に理解されるであろう。本発明はこのような変形および変更をも包含することを意図している。
Claims (12)
- 屈折率が中心軸から徐々に変化する屈折率分布型の光伝送体の作製方法において、モノマー、該モノマーが重合してポリマーとなった場合に示す屈折率とは異なる屈折率を有する低分子化合物および重合開始剤を重合容器内に充填し、重合容器を加熱し重合容器中心部での蓄熱効果を利用して、容器中心部から容器内壁に向かって、フロント形成重合反応を進行させることを特徴とする屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- モノマーが、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルである請求項1記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- 低分子化合物が、プロピオン酸系エステルまたはイソ酪酸系エステルである請求項1または2に記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- モノマーおよび低分子化合物が生体適合性である請求項1記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- モノマーが、メタクリル酸ヒドロキシエチルまたはグリセリンモノメタクリレートであり、低分子化合物がH2Oまたはアジピン酸エステル系化合物である請求項4記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- さらに、柔軟性を有する請求項1記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- 20℃の温度条件下で直径15mm、厚さ1.5mmの大きさのレンズを折り曲げることができる程度の柔軟性を有する請求項6記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- モノマーが、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸-3,5,5-トリメチルヘキシルおよびメタクリル酸-3-オキサブチルからなる群から選択される請求項6または7に記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- 柔軟性調整剤としてジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)、ポリメタクリル酸エチレングリコール(PEGDMA)、ヘキサン2酸ジビニル(DAP)およびジビニルベンゼン(DBz)からなる群から選択される多官能性モノマーを添加する、請求項6から8のいずれか1項に記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- 重合容器の形状により重合開始場所を制御し、かつモノマーおよび低分子化合物の種類および混合比により屈折率分布を制御する請求項1から9のいずれか1項に記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- さらに、光伝送体の端面に曲率を持たせることにより、色収差を調節する請求項1から10のいずれか1項に記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
- さらに、延伸または研磨により任意の形状に加工することを含む請求項1から10のいずれか1項記載の屈折率分布型の光伝送体の作製方法。
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