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JP4247285B2 - 沈水植物群落の再生方法及びそれによる水質浄化方法 - Google Patents

沈水植物群落の再生方法及びそれによる水質浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は、沈水植物群落、典型的には湖沼、池等の閉鎖性水域の沈水植物群落を再生する方法及びこの沈水植物群落利用した水質浄化技術に関する。
湖沼や池等の閉鎖性水域の水質汚濁対策として、湖沼水質保全特別措置法(以下、湖沼法)が1984年に公布されて以後、工場及び事業場の排水や、生活排水の負荷量規制など、特定汚染源対策がこれまでに実施されてきたが、それにも拘らず、指定湖沼等の閉鎖性水域の水質には、顕著な改善が殆どみられないのが現状である。これに対し、平成17年6月に湖沼法が改正され、面源負荷削減のための流出水対策地区や、自然浄化機能の活用を推進するための湖辺環境(湖辺植物)の保護地区の指定が新たに追加されるなど、閉鎖性水域の水質改善のための湖辺植生帯の保全・再生事業は、今後ますます拡大してくるものと予想される。
このような閉鎖性水域の水質改善に、近年、沈水植物群落を利用することが試みられている。詳しくは、湖辺植生帯は、葦(ヨシ)などの抽水植物帯や、ヒシなどの浮葉植物帯や、クロモなどの沈水植物帯からなり、このうち沈水植物は、水面下に根・茎・葉のすべてが存在する植物であり、水質汚濁の原因となるアオコ等の発生を助長する窒素や燐などの栄養塩の取り込み機能や、アオコを捕食する水質浄化作用の高いミジンコなどの動物プランクトンを魚から保護する隠れ家構造となることで、これらの動物プランクトンの増殖を促す機能や、植物プランクトン等の懸濁物質の沈降促進機能などを有するため、水質浄化機能が大きい。そして他の植生帯が、湖沼等において水際の線を形成するのに対し、沈水植物は4m程度の水深まで生育できることから、沈水植物群落による広大な面を形成することができるなど、水質に与える量的な効果が大きい。しかも、沈水植物の群落は、上述の水質浄化機能だけでなく、水鳥の餌としての機能、魚類の産卵礁機能、稚魚や底生動物の棲み家機能など、生態系回復作用といった質的な効果も大きい。
このように、沈水植物は湖沼等の水質、生態系に対してその量及び質的な効果が他の植生帯より優れているため、沈水植物群落を再生することによって、閉鎖性水域の水環境の回復を加速化することが期待できる。
しかしながら沈水植物は、わが国における高度経済成長期前後の時期に、湖沼等の閉鎖性水域で栄養塩が大量に流れ込んで負荷が増大し、アオコ等植物プランクトンが大量に発生して水域の透明度が急激に低下したことにより、植物の生育に必要不可欠な光条件が悪化したことや、農地で過剰に散布された除草剤などの農薬が湖沼、池沼等の閉鎖性水域へ流入するなどの影響によって、沈水植物は、その大部分が消失または衰退し、現在に至っては絶滅危惧種となっている植物種も少なくない。特に中小規模の湖沼、池沼では沈水植物が完全に消失してしまった水域が殆どである。
これまで、工場及び事業場からの排水や生活排水の負荷量規制や農薬規制等がなされてきたため、現状では沈水植物群落を再生するための主要な制限因子は水中の光環境であり、一部波浪も制限因子であることがわかっている。光環境によって沈水植物群落の再生が制限されるのは、上述のように、アオコ等植物プランクトンが大量に発生していると、水底の植物の成長に必要な太陽光が水底に届かないからであり、波浪により再生が制限されるのは、大規模な湖沼等の中には波浪の影響が大きく、沈水植物が水底に根をしっかりと張る前に巻き上げられてしまうからである。
従来、沈水植物群落の再生手法としては、水底の底泥中に眠る在来種の植物の種子や殖芽などの土壌シードバンクを水底に撒き出す方法が実施されてきたが、上述のように、水中の光環境が劣悪なため、浅い場所には在来種がいったん再生するが、そのような浅い水深は葦などの抽水植物や浮葉植物なども成長できるため最終的には光の競合に負け、再消失してしまう。したがってこのような方法では、沈水植物群落の再生は困難である。
これに対し、近年は、沈水植物の供給と経済的な光環境の改善技術を組み合わせた方法、例えばバイオマニピュレーションによる方法や、水位制御による方法や、植生浮島による方法が開発されてきた。このうち、バイオマニピュレーションは、光環境を悪化させているアオコ等植物プランクトンを捕食するミジンコなどの動物プランクトンを捕食する魚類を除去するなどの生態系の操作により透明度を改善する方法であり、これに土壌シードバンクの撒き出しや苗株の移植などの方法を組み合わせて沈水植物群落を再生する。また、水位制御による方法は、沈水植物群落の再生初期は湖沼等の水位を例えば30cm程度に下げることによって、沈水植物の成長に十分な太陽光を水底に供給し、植物の成長と共にその水位を上昇させることで沈水植物群落を再生する方法である。また、植生浮島による方法は、下記の特許文献に開示されているように、抽水植物を植栽した植生浮島と沈水植物を植栽した植生浮島を水面に浮かべ、抽水植物の浮島で透明度を改善し、沈水植物の植生浮島で植物を栽培し、透明度の改善と共にその栽培水深を徐々に増加していき、最終的に水域の水底に沈水植物群落を再生する方法である。
特開2007−29058号公報
しかしながら、バイオマニピュレーションによる方法は、湖沼等の水域の特性によってその生態系が異なるため、透明度の改善が図れない場合の事例も数多くあり、また魚類の除去などは漁業等利水制限に左右され、大規模湖沼では魚類の大部分の除去は非常に困難であり、しかも生態系への悪影響を及ぼすおそれがあるといった問題が指摘される。また、波浪の影響がある湖沼では適さない。
また、水位制御による方法は、漁業及び農業など利水上の制約条件がある湖沼では採用が困難であり、大規模湖沼での水位制御は困難であり、さらに、波浪の影響がある湖沼では適さない。
また、植生浮島による方法は、利水制限にはほとんど左右されず、波浪についてもある程度の消波効果があり、経済的に安価で有効な方法ではあるが、大規模湖沼を対象とする際には、植生浮島の設置数量が増大するため、費用が高くなるおそれがある。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、生態系への悪影響を殆ど与えずに、大規模湖沼でも容易かつ低コストで沈水植物群落の再生を行い、ひいては、これによって閉鎖性水域の水質浄化を図ることにある。
上述の技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る沈水植物群落を再生する方法は、水域内に、この水域の一部を他部から隔離する囲いを設けて、この隔離された水域の透明度を改善してから、前記隔離された水域の中で沈水植物を生育させ、前記沈水植物の群落が前記隔離された水域における所定の面積まで成長したら、前記囲いによって隔離する水域の面積を適宜拡大して引き続き前記沈水植物を生育させるといった工程を繰り返すものである。この方法によれば、水域に、その一部を他部から隔離する囲いを設けて沈水植物を栽培することで、アオコなどの植物プランクトンが発生した周りの汚濁水又はアオコなどの植物プランクトンが発生しやすい周りの汚濁水の流入を防ぎ、波浪を遮ることができるため、囲い内で確実に沈水植物を成長させて群落を形成し、その繁茂領域を囲いによって漸次拡大させていくことができる。
また、請求項2の発明に係る沈水植物群落を再生する方法は、請求項1に記載の方法において、囲いが、水面から50cm以深を囲うものである。
また、請求項3の発明に係る沈水植物群落を再生する方法は、請求項1に記載の方法において、囲いが、水面から水底までを囲うものである。
また、請求項4の発明に係る沈水植物群落を再生する方法は、請求項1に記載の方法において、囲いが、粒径が2μm以上の粒子を通さない材質からなるものである。このような材質のものを用いれば、アオコなどの植物プランクトンが殆ど通過できなくなる。
また、請求項5の発明に係る沈水植物群落を再生する方法は、請求項1に記載の方法において、囲いが、遮水性を有する材質からなるものである。このような材質のものを用いれば、例えば窒素やリンが非常に高濃度で含まれアオコが発生しやすい汚濁水や、洗剤、農薬など、沈水植物の生育に悪影響を与える物質が溶解している汚濁水が囲い内へ侵入するのを、有効に遮断できる。
また、請求項6の発明に係る沈水植物群落を再生する方法は、請求項1に記載の方法において、囲いが、囲い本体と、この囲い本体の上部を水面もしくは水面上に支持するためのフロートと、前記囲い本体の下部を水底に繋着するシートアンカーと、前記フロートを水底に繋着するフロートアンカーとからなるものである。
また、請求項7の発明に係る沈水植物群落を再生する方法は、請求項1に記載の方法において、囲いが、囲い本体と、この囲い本体を固定する支持枠と、前記囲い本体の下部を水底に固定するシートアンカーとからなるものである。
また、請求項8の発明に係る沈水植物群落を再生する方法は、請求項1に記載の方法において、囲いの拡大は、この囲いによって隔離される水域の面積に対して、前記囲い内の沈水植物群落の占有面積が10〜40%が確保されるようにするものである。
また、請求項9の発明に係る水質浄化方法は、請求項1〜8のうちいずれかの方法により再生される沈水植物群落によって閉鎖性水域の水質を浄化するものである。
本発明によれば、波浪の影響の大きい水域や、大規模湖沼でも容易に沈水植物の群落を再生することができ、しかも、大型のプラント等の物理化学的な装置や、薬剤を必要としないため、湖沼等閉鎖性水域の生態系に悪影響を与えずに、低コストで沈水植物群落を再生することができる。
また、本発明によれば、沈水植物群落の再生によって、湖沼等閉鎖性水域の水質を有効に浄化することができる。しかも、沈水植物群落の再生によって、水質浄化だけでなく、水鳥の餌としての機能、アオコを除去するミジンコなどの動物プランクトンの隠れ家機能、魚類の産卵礁機能、稚魚や底生動物の棲み家機能などによって、生態系の回復も期待することができる。
以下、本発明に係る沈水植物群落の再生方法及びそれによる水質浄化方法の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明を工程順に示す説明図、図2は、本発明で適用する囲いの構造の一例を示す斜視図及び側面図、図3は、本発明で適用する囲い1の構造の他の例を示す斜視図及び側面図、図4は、囲い1の初期設置時の大きさを決定する方法を示す側面図、図5は、本発明において囲いを設置した初期状態を示す湖沼の平面図、図6は、本発明において囲い内で沈水植物が繁茂した状態を示す湖沼の平面図、図7は、本発明において沈水植物群落が再生された状態を示す湖沼の平面図である。
本発明の方法では、まず図1における(A)に示されるように、初めに、沈水植物群落の再生対象の湖沼に、その水域の一部(以下、隔離水界という)aを他部(以下、外部水界という)bから隔離する囲い1を設置し、この囲い1による隔離水界aで沈水植物2を生育させる。
初期設置時の囲い1による隔離水界aは、アオコ等植物プランクトンによる透明度の低い水質となっているため、隔離水界aに沈水植物2を確実に再生するには、隔離水界aの透明度を改善してから、沈水植物2を供給することが必要である。この場合の透明度改善方法としては、初期設置時の囲い1による隔離水界aの面積が小さいため、沈水植物2の成長を阻害するような薬剤等を用いる方法でなければどのような方法を用いて構わない。例えば先に従来技術として説明したバイオマニピュレーションによる方法や、水位制御による方法、植生浮島による方法や、水質浄化装置を用いる方法や、小型のプラントを用いる方法でも構わないし、囲い1の中に清浄水を供給して、汚濁水と入れ替える方法を用いても構わない。
囲い1による隔離水界a内への沈水植物2の供給方法としては、対象水域内に残存している在来種や、この対象水域に流入する河川、又は対象水域から流出する河川など、周辺水域の河川等に自生している種に錘をつけるなどして散布する方法や、植生浮島を用いる方法でも良いし、水域の底泥中に眠る在来種の種子や殖芽などの土壌シードバンクを水底に撒き出す方法も採用可能である。
囲い1は、隔離水界aの四方を囲むものでも良いし、図1(A)のように、岸cを囲い1の一辺として他の三辺を囲む方法でも良い。隔離水界aの大きさは特に限定しないが、光条件が好ましくなる構造や、沈水植物2の再生目標規模と再生期間に応じて設定するのが好ましい。
また、植物プランクトンの中でも最も水域の透明度を悪化させるのは、一般的にアオコと呼ばれる藍藻であり、これらのアオコは水面に粉状に発生する。このため、水面に浮かせた浮体にシート等を水面より50cm以深に下垂した構造でも、外部水界bよりも隔離水界a内の透明度を高く維持する効果を得ることはできるが、アオコ以外の植物プランクトンはそれよりも深い水深に分布できるため、水面から水底までを囲い込む構造とするのが最も好ましい。
囲い1の構造は、隔離水界a内に、アオコ等の植物プランクトンが大量発生している外部水界bの汚濁水を流入させない構造であれば、どのようなものでも構わない。例えば、後述するように、土木工事等で用いられる鋼矢板や木板、杭、あるいは遮水シート等で囲う方法が考えられる。また、一般に植物プランクトンのサイズ分布の殆ど(8割以上)は2〜200μmであるため、透水性で粒径が2μm以上の粒子は通さない材料からなる膜又はシートで囲うことも好ましく、これによって、隔離水界a内へ、アオコ等の植物プランクトンで汚濁した水が流入するのを防止することができる。つまり、アオコが発生した汚濁水を隔離水界a内に流入させないためには、2μm以上の粒子が通らないもので囲うのが望ましく、また例えば近くに排水口があるような場合に、アオコが発生しやすい窒素やリンが非常に高濃度に含まれる汚濁水や、洗剤、又は農薬など沈水植物の生育に悪影響を与える物質が溶解した汚濁水を隔離水界a内に流入させないためには、遮水性の材質を選定することが望ましい。
具体的な例としては、例えば図2に例示される囲い1は、水域の一部(隔離水界a)を取り囲んで他部(外部水界b)から隔離する囲い本体11と、この囲い本体11の上部を水面WLもしくは水面WL上に支持するためのフロート12と、囲い本体11の下部を水底Gに繋着するシートアンカー13と、フロート12をロープ又はワイヤ14を介して水底に繋着するフロートアンカー15とからなる。
この構成において、囲い本体11は、水を通さず、又は透水性であるが2μm以上の粒子を通さない膜又はシートであれば素材を問わない。例えば、一般的に遮水シート材として、合成ゴム、塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、アスファルト系、ベントナイト系のものがあるので、対象水域の波、風、流速等の条件に応じてその素材、厚みを選定するのが好ましい。
フロート12は、囲い本体11の重量を支えることのできる浮力を有するものであれば材質や種類を問わない。例えば、中空のプラスチック製の枠、あるいは発泡スチロールや発泡塩化ビニル等からなるブイや中空管状のものでも構わないが、容易に破損しないものを選択するのが好ましい。
シートアンカー13は、囲い本体11が対象水域の波、流速、囲い本体11の浮力等によって水底Gから離れないものであれば、材質を問わない。例えば、鋼製のチェーン、鋼製の棒や管、鋼製の錘、砂利等を充填した土嚢等が好適に使用可能である。
フロートアンカー15は、水底Gに固定されるものであって、フロート12が水域の波、風、流速により流されないように、固定力を発揮するものであれば良い。例えば、鋼製やコンクリート製のブロックや錨、チェーン、土嚢などが好適に使用可能である。
また、囲い1は、フロート12及び囲い本体11の末端と末端を連結して隔離水界aを包囲する閉構造にすれば、囲い1を拡張する際に、その連結部をはずし、新たな拡張分を追加するだけで済むため、実用的である。また、汚濁防止膜やシルトフェンス、オイルフェンスとして既に市場に出回っている製品は、フロートと、粒径が5μm以上のシルトを通さないシートがセットになっているものがあるが、植物プランクトンのサイズや物理的な水域の条件に適合するならば、このような製品を用いても構わない。
そして、図2に示される構造によれば、大きな土木工事は殆ど発生せず、囲い1の拡張作業や撤去作業も容易であるが、風、波、流速によって流されたりしないように、囲い本体11及びフロートアンカー15をしっかり固定する必要がある。
一方、図3に例示される囲い1は、水域の一部(隔離水界a)を取り囲んで他部(外部水界b)から隔離する囲い本体11と、棒材又はパイプ材で組み立てられて囲い本体11が張設固定される支持枠16と、囲い本体11の下部を水底Gに固定するシートアンカー13とからなるものである。囲い本体11は、先に説明した図2の例と同様のものが使用可能である。
支持枠16を構成する棒材又はパイプ材は、囲い本体11を支持可能で水底(底泥)Gに差し込むのに必要かつ十分な剛性があり、かつ水中で溶解、分解などにより劣化しないものであれば、鋼製、木製、プラスチック製等、材質を問わない。例えば、単管を単管クランプ等で図示の枠状に組み立てて、これに囲い本体11を張設する構成とすれば良い。また、シートアンカー13は、先に説明した図2の例と同様のものを選択することができる。
図3に示される囲い1は、図2のものよりも大掛かりな構造であるが、水底G中に棒材又はパイプ材をしっかりと差し込んで支持枠16を組み立て、この支持枠16で囲い本体11を固定するため、強度の高い安定した構造とすることができる。
したがって、図2のような構造にするか、図3のような構造にするかは、対象水域の特性に応じて選択するのが好ましい。また、更に他の例としては、鋼矢板や木板などによって、面状に組み立てるものであっても良い。
囲い1の初期設置時の大きさを決定する方法としては、光条件に関しては、水深が深い水域の場合、初期設置時の囲い1の面積が小さいと沈水植物2の成育に十分な太陽光Sが届かなくなるため、次式(1)によって沈水植物2の成長に好ましい囲い1の一辺の初期長さを求めることが好ましい。
Figure 0004247285
この式(1)において、θは春分及び秋分時の南中高度である。すなわち、沈水植物が良く育つのは春〜秋にかけてであるため、式(1)は、図4に示されるように、春分及び秋分時に太陽の南中高度θで水底の80%以上に常に太陽光Sが当たるようにして沈水植物2の成長を高めるための望ましい設計条件である。例えばθ=54°である場合、水深1.5mの水域で囲い1の高さを2mとすると、囲い1の一辺の望ましい初期長さは約7.3m以上となり、囲い1が正方形である場合、その面積は、約53m以上となる。但し、囲い1の材質が太陽光Sを十分に通す素材である場合は、このような設計にする必要はない。
また、沈水植物2の再生目標規模と期間に応じた囲い1の初期設置時の好ましい大きさは、次式(2)及び(3)によって導くことができる。
Figure 0004247285
上記式(2)において、対象水域の面積とは、沈水植物群落の再生を対象とする閉鎖性水域(図5〜図7に示される湖沼L)の面積である。目標再生率は、対象とする閉鎖性水域に沈水植物群落を再生する割合、つまり目標再生規模であり、これは対象水域への流入、流出水の水量と水質、水域の滞留時間、水域内での水の流動、対象水域内の物質循環等を考慮した水質予測モデル等において設定するのが最も望ましいが、簡易的には、対象水域面積に対して10〜40%に設定しても良い。すなわち、沈水植物群落が、対象水域面積に対して10〜40%の面積を占有した状態に再生されれば、効果的な水質浄化作用が期待できる。
また、上記式(2)において、拡大回数は年間拡大回数に目標期間を乗じ、最初の囲い分を引いた値となる。年間拡大回数は、植物種、対象水域の水質、底質条件等によって異なるが、一般的には年に1回又は2回、多くても3回と設定するのが好ましい。
なお、上記式(2)及び(3)に基づいて、例えば沈水植物を再生する対象湖沼の面積を1km(1000,000m)とし、設定値を仮に以下のように設定して計算すると、開始時の囲いの好ましい大きさは1,600mとなる。
対象水域の面積:1000,000m
目標再生率:20%
囲いの拡大率:5倍/回
目標期間:5年
拡大回数:1回/年
説明を図1に戻すと、図1(A)に示される初期設置時の囲い1による隔離水界a内では、アオコ等の植物プランクトンが発生した汚濁水の流入が、囲い1によって防止され、かつ波浪も囲い1によって有効に遮断されるので、沈水植物2の成長が妨げられない。したがって、図1(B)に示されるように、やがて隔離水界a内には沈水植物2が繁茂して群落を形成する。
沈水植物2の群落が、囲い1による隔離水界a内の全面に繁茂するまでの期間は、囲い1の規模と、対象の閉鎖性水域(湖沼L)の水質や底質等の特性、沈水植物2の供給量などによって異なるが、沈水植物2の群落が隔離水界a内の全面に繁茂したら、図1(C)又は図5に示されるように、囲い1を拡張する。この場合、大きな囲い1を新たに施工しても良いが、既設の囲い1を開放し、その開放された連結部1aに、新たに拡張する部分の連結部1bを連結するのが経済的である。
このとき、拡張率をどの程度にするかは、閉鎖性水域の特性に応じて、水質予測モデル等で予測するのが最も望ましいが、先に説明した初期設置時の囲い1の大きさ設定と同様の考え方から、簡易的には、拡張後の隔離水界aの面積に対する群落の占有面積が10〜40%となるように、拡張率を2.5〜10に設定することが好ましい。その理由は、沈水植物2の群落の面積が全体の10〜40%占有した状態において、この沈水植物2の群落による浄化作用により拡張後の隔離水界aの透明度が有効に改善されるからである。拡張率を、この範囲を超える倍率に設定した場合は、群落の占有面積が過小であるため、拡張によって悪化した隔離水界aの透明度が改善されにくく、沈水植物2の成育に必要かつ十分な太陽光が水底に届かないため、群落の拡大が遅延するか、最悪の場合は再生した沈水植物群落が再消失するおそれがある。
上述のように、拡張後の隔離水界aの面積に対する群落の占有面積が10〜40%となるように囲い1を拡張すれば、拡張によって隔離水界aの水質が一時悪化しても、沈水植物2の自然浄化機能によってすぐに透明度が改善されるため、囲い1により面積が拡大した隔離水界a内で、図1(D)又は図6に示されるように、沈水植物2の群落が拡大していく。
拡張した囲い1による隔離水界aの全域に沈水植物2の群落が繁茂したら、再び囲い1を拡張し、沈水植物2の群落を繁茂させる。そして、このような工程を繰り返していくことによって、図7に示されるように、最終的には閉鎖性水域(湖沼L)において、目標とする再生面積まで沈水植物2の群落を再生することができる。目標とする再生面積まで沈水植物2の群落が拡大した後は、囲い1を撤去しても沈水植物2の自然浄化機能が作用が高いため、沈水植物2の群落が消失することはなく、むしろ拡大していく。また、再生した沈水植物2の群落によって、対象水域の水質及び生態系を含めた水環境を急速に回復することができる。
本発明を工程順に示す説明図である。 本発明で適用する囲いの構造の一例を示すもので、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 本発明で適用する囲いの構造の他の例を示すもので、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 本発明で適用する囲いの初期設置時の大きさを決定する方法を示す側面である。 本発明において囲いを設置した初期状態を示す湖沼の平面図である。 本発明において囲い内で沈水植物が繁茂した状態を示す湖沼の平面図である。 本発明において沈水植物群落が再生された状態を示す湖沼の平面図である。
符号の説明
1 囲い
1a,1b 連結部
11 囲い本体
12 フロート
13 シートアンカー
14 ロープ又はワイヤ
15 フロートアンカー
16 支持枠
2 沈水植物
a 隔離水界(水域の一部)
b 外部水界(水域の他部)
L 湖沼(閉鎖性水域)

Claims (9)

  1. 水域内に、この水域の一部を他部から隔離する囲いを設けて、この隔離された水域の透明度を改善してから、前記隔離された水域の中で沈水植物を生育させ、前記沈水植物の群落が前記隔離された水域における所定の面積まで成長したら、前記囲いによって隔離する水域の面積を適宜拡大して引き続き前記沈水植物を生育させるといった工程を繰り返すことを特徴とする、沈水植物群落を再生する方法。
  2. 囲いが、水面から50cm以深を囲うものであることを特徴とする請求項1に記載の沈水植物群落を再生する方法。
  3. 囲いが、水面から水底までを囲うものであることを特徴とする請求項1に記載の沈水植物群落を再生する方法。
  4. 囲いが、粒径が2μm以上の粒子を通さない材質からなることを特徴とする請求項1に記載の沈水植物群落を再生する方法。
  5. 囲いが、遮水性を有する材質からなることを特徴とする請求項1に記載の沈水植物群落を再生する方法。
  6. 囲いが、囲い本体と、この囲い本体の上部を水面もしくは水面上に支持するためのフロートと、前記囲い本体の下部を水底に繋着するシートアンカーと、前記フロートを水底に繋着するフロートアンカーとからなることを特徴とする請求項1に記載の沈水植物群落を再生する方法。
  7. 囲いが、囲い本体と、この囲い本体を固定する支持枠と、前記囲い本体の下部を水底に固定するシートアンカーとからなることを特徴とする請求項1に記載の沈水植物群落を再生する方法。
  8. 囲いの拡大は、この囲いによって隔離される水域の面積に対して、前記囲い内の沈水植物群落の占有面積が10〜40%が確保されるようにすることを特徴とする請求項1に記載の沈水植物群落を再生する方法。
  9. 請求項1〜8のうちいずれかの方法により再生される沈水植物群落によって閉鎖性水域の水質を浄化することを特徴とする水質浄化方法。
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