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JP4114392B2 - 検査センター装置、端末装置、聴力補償方法、聴力補償方法プログラム記録媒体、聴力補償方法のプログラム - Google Patents

検査センター装置、端末装置、聴力補償方法、聴力補償方法プログラム記録媒体、聴力補償方法のプログラム Download PDF

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JP4114392B2
JP4114392B2 JP2002126808A JP2002126808A JP4114392B2 JP 4114392 B2 JP4114392 B2 JP 4114392B2 JP 2002126808 A JP2002126808 A JP 2002126808A JP 2002126808 A JP2002126808 A JP 2002126808A JP 4114392 B2 JP4114392 B2 JP 4114392B2
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Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話などの通話装置において、個人の聴力に合わせた、周波数特性やダイナミックレンジ圧縮特性を持たせて聴力補償を行ない、高齢者や聴力弱者でも良好な通話が選られる通話装置、および、その方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢者や難聴者のように聴力障害を有する人は、聴力の障害の程度に対応した補聴器を用いて聴力補償を行なうことができる。補聴器の使用者は、専門の医療機関などに出向いて聴力を測定検査してもらい、測定や検査結果に基づいて、聴力補償特性を、補聴器に組み込んでもらうのが一般的である。補聴器の聴力補償特性を、使用者の聴力障害に合わせこむことを補聴器フィッティングと呼んでいる。携帯電話などの通話装置を使用する場合も、補聴器を使って聴力補償を行ないながら使用するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
聴力障害の程度は、高齢者の場合、徐々に進行する場合がある。また、障害の程度が日々安定しない場合もある。このような場合、一旦行なった補聴器フィッティングが適合しなくなるので、聴力補償性能の低下を招き、補聴器フィッティングをやり直す必要があった。また、障害の程度が日々安定しない場合には、頻繁に補聴器フィッティングを行なうとよいが、専門医にたびたび行くのは困難であり、実現は困難であった。また、携帯電話などの通話装置を使う場合は、携帯電話のスピーカから補聴器のマイクロフォンへの伝送特性が安定しない場合もあり、最適の聴力補償ができない場合があった。
【0004】
本発明は、このような課題を解決できる、聴力補償システム、装置及び方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、本発明の聴力補償システム、装置およびその方法は、以下のようなシステム、装置、方法、記録媒体、およびプログラムを採用する。
【0006】
聴力検査用音源部、聴力検査プログラム部、聴力補償特性算出部、音声信号処理プログラム部、送受信部を備えた検査センター装置であって、伝送路を介して端末装置と通信し、端末装置に、聴力検査プログラムにしたがって聴力検査用の音源信号を送信し、使用者が音源信号を聴いて答えた検査結果を、端末装置から受信し、検査結果を記憶して聴力検査データを得、聴力検査データから、聴力補償特性算出部において聴力補償特性を算出し、聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込んで、端末装置に送信し、端末装置が、受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なえるようにしたことを特徴とする検査センター装置である。
【0007】
聴力検査用音源部、聴力検査プログラム部、聴力補償特性算出部、送受信部を備えた検査センター装置であって、伝送路を介して端末装置と通信し、端末装置に、聴力検査プログラムにしたがって聴力検査用の音源信号を送信し、使用者が音源信号を聴いて答えた検査結果を、端末装置から受信し、検査結果を記憶して聴力検査データを得、聴力検査データから、聴力補償特性算出部において聴力補償特性を算出し、聴力補償用のパラメータを端末装置に送信し、端末装置が、受信した聴力補償用のパラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで使用して聴力補償を行なえるようにしたことを特徴とする検査センター装置である。
【0008】
検査センター装置と伝送路を介して通信する聴力補償用の端末装置であって、音声信号処理部、送受信部、操作部をそなえ、検査センター装置から、聴力検査プログラムにしたがって、送信される聴力検査用の音源信号を受信して、使用者に音声信号を提示し、使用者が音源信号を聴いて答えた検査結果を、送受信部が操作部から受取って検査センター装置に送信し、検査センター装置において、収集した聴力検査データから聴力補償特性を算出し、聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込み、音声信号処理プログラムを端末装置に送信し、端末装置は、送受信部において音声信号処理プログラムを受信し、音声信号処理部に格納し、格納した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0009】
検査センター装置と伝送路を介して通信する聴力補償用の端末装置であって、音声信号処理プログラムを格納した音声信号処理部、送受信部、操作部をそなえ、検査センター装置から、聴力検査プログラムにしたがって、送信される聴力検査用の音源信号を受信して、使用者に音声信号を提示し、使用者が音源信号を聴いて答えた検査結果を、送受信部が操作部から受取って検査センター装置に送信し、検査センター装置において、収集した聴力検査データから聴力補償特性を算出して求めた聴力補償用のパラメータを、検査センター装置から、端末装置に送信し、端末装置は、送受信部において聴力補償用のパラメータを受信し、受信した聴力補償用のパラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで、聴力補償を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0010】
複数の聴力補償特性を記憶する聴力補償特性記憶部、音声信号処理プログラム部、送受信部を備えた検査センター装置であって、伝送路を介して端末装置と通信し、聴力補償特性を選定して、聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込んで、端末装置に送信し、端末装置が、受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なえるようにしたことを特徴とする検査センター装置である。
【0011】
複数の聴力補償特性を記憶する聴力補償特性記憶部、送受信部を備えた検査センター装置であって、伝送路を介して端末装置と通信し、聴力補償特性を選定して、聴力補償用のパラメータを端末装置に送信し、端末装置が、受信した聴力補償用のパラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで使用して聴力補償を行なえるようにしたことを特徴とする検査センター装置である。
【0012】
検査センター装置と伝送路を介して通信する聴力補償用の端末装置であって、音声信号処理部、送受信部、操作部をそなえ、検査センター装置は、選定した聴力補償特性を組み込んだ音声信号処理プログラムを端末装置に送信し、端末装置は、送受信部において音声信号処理プログラムを受信し、音声信号処理部に格納し、格納した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0013】
検査センター装置と伝送路を介して通信する聴力補償用の端末装置であって、音声信号処理プログラムを格納した音声信号処理部、送受信部、操作部をそなえ、検査センター装置は、聴力補償特性を選定して、聴力補償用のパラメータを端末装置に送信し、端末装置は、送受信部において聴力補償用のパラメータを受信し、受信した聴力補償用のパラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで、聴力補償を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0014】
端末装置において、音声信号処理プログラムが、マイクからの音声信号に対して聴力補償を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0015】
端末装置において、音声信号処理プログラムが、携帯電話器の受信信号に対して聴力補償を行なうことを特徴とする、端末装置である。
【0016】
聴力検査プログラム部は、最小可聴閾値検査、ダイナミックレンジ検査、語音追随速度検査、雑音マスキング検査のうち少なくともひとつの検査プログラムを格納していることを特徴とする検査センター装置である。
【0017】
聴力検査プログラムは、最小可聴閾値検査、ダイナミックレンジ検査、語音追随速度検査、雑音マスキング検査のうち少なくともひとつの検査プログラムであることを特徴とする端末装置である。
【0018】
検査センター、端末装置の少なくとも一方に、現在使用中の聴力補償特性データを算出した聴力検査データまたは聴力補償特性を記憶し、今回の聴力検査データまたは聴力補償特性と比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムを用いることを特徴とする検査センター装置である。
【0019】
端末装置が受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力の改善度検査を行ない、聴力補償前の聴力検査データまたは聴力補償特性と、改善度検査による聴力検査データまたは聴力補償特性とを比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムを用いることを特徴とする検査センター装置である。
【0020】
端末装置が受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力検査を行なうとともに、端末装置がこれまで使用中の旧音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力検査を行ない、旧音声信号処理プログラムにより聴力補償を行なった場合と、今回受信した音声信号処理プログラムを使用して行なった場合とを比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムを用いることを特徴とする検査センター装置である。
【0021】
聴力検査プログラムを複数回実行することを特徴とする検査センター装置である。
【0022】
検査センター、端末装置の少なくとも一方に、現在使用中の聴力補償特性データを算出した聴力検査データまたは聴力補償特性を記憶しておき、今回の聴力検査データまたは聴力補償特性と比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムにしたがって、聴力検査を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0023】
端末装置が受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力の改善度検査を行ない、聴力補償前の聴力検査データまたは聴力補償特性と、改善度検査による聴力検査データまたは聴力補償特性とを比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムにしたがって、聴力検査を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0024】
端末装置が受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力検査を行なうとともに、端末装置がこれまで使用中の旧音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力検査を行ない、旧音声信号処理プログラムにより聴力補償を行なった場合と、今回受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なった場合とを比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムにしたがって、聴力検査を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0025】
聴力検査を複数回実行するようにした聴力検査プログラムにしたがって、聴力検査を行なうことを特徴とする端末装置である。
【0026】
現在使用中の旧音声信号処理プログラムと、今回受信した音声信号処理プログラム、または今回受信した聴力補償パラメータを組み込んだ音声信号処理プログラムとを格納し、選択して使用することを特徴とする端末装置である。
【0027】
聴力検査プログラム手順、音源信号送信処理、検査結果受信格納、音源信号切替処理、補償特性算出処理、信号処理プログラム組込処理、信号処理プログラム送信処理より成り、聴力検査プログラム手順にしたがって、伝送路を介して端末装置と通信し、端末装置に、音源信号送信処理と音源信号切替処理により、聴力検査用の音源信号を送信し、使用者が音源信号を聴いて答えた検査結果を、検査結果受信格納処理により、端末装置からの検査結果を受信、記憶して聴力検査データを得、補償特性算出処理により、聴力検査データから聴力補償特性を算出し、信号処理プログラム組込処理により、聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込んで、信号処理プログラム送信処理により、音声信号処理プログラムを端末装置に送信し、端末装置が、受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なえるようにしたことを特徴とする聴力補償方法である。
【0028】
聴力検査プログラム手順、音源信号送信処理、検査結果受信格納、音源信号切替処理、補償特性算出処理、補償特性送信処理より成り、聴力検査プログラム手順にしたがって、伝送路を介して端末装置と通信し、端末装置に、音源信号送信処理と音源信号切替処理により、聴力検査用の音源信号を送信し、使用者が音源信号を聴いて答えた検査結果を、検査結果受信格納処理により、端末装置からの検査結果を受信、記憶して聴力検査データを得、補償特性算出処理により、聴力検査データから聴力補償用のパラメータを算出し、補償特性送信処理により、聴力補償用のパラメータを端末装置に送信し、端末装置が、受信した聴力補償用のパラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで聴力補償を行なえるようにしたことを特徴とする聴力補償方法である。
【0029】
音源信号受信提示処理、聴取結果送信処理、信号処理プログラム受信格納処理から成り、音源信号受信提示処理により、検査センター装置から聴力検査プログラム手順にしたがって送信される聴力検査用の音源信号を受信して、使用者に音声信号を提示し、聴取結果送信処理により、使用者が音源信号を聴いて答えた検査結果を、検査センター装置に送信し、検査センター装置が収集した聴力検査データから聴力補償特性算出により算出した聴力補償特性を組み込んだ音声信号処理プログラムを、信号処理プログラム受信格納処理により、検査センター装置から受信、格納し、格納した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なうことを特徴とする聴力補償方法である。
【0030】
音源信号受信提示処理、聴取結果送信処理、補償特性受信格納処理から成り、音源信号受信提示処理により、検査センター装置から聴力検査プログラム手順にしたがって送信される聴力検査用の音源信号を受信して、使用者に音声信号を提示し、聴取結果送信処理により、使用者が音源信号を聴いて答えた検査結果を、検査センター装置に送信し、検査センター装置が収集した聴力検査データから聴力補償特性算出により算出した聴力補償用パラメータを、補償特性受信格納処理により、検査センター装置から受信、格納し、聴力補償用パラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで使用して聴力補償を行なうことを特徴とする聴力補償方法である。
【0031】
補償特性選定処理、信号処理プログラム組込処理、信号処理プログラム送信処理より成り、補償特性選定処理により、聴力補償特性を選定し、信号処理プログラム組込処理により、聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込んで、信号処理プログラム送信処理により、音声信号処理プログラムを端末装置に送信し、端末装置が、受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なえるようにしたことを特徴とする聴力補償方法である。
【0032】
補償特性選定処理、補償特性送信処理より成り、補償特性選定処理により、聴力補償用のパラメータを選定し、補償特性送信処理により、聴力補償用のパラメータを端末装置に送信し、端末装置が、受信した聴力補償用のパラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで聴力補償を行なえるようにしたことを特徴とする聴力補償方法である。
【0033】
信号処理プログラム受信格納処理から成り、検査センター装置において選定した聴力補償特性を組み込んだ音声信号処理プログラムを、信号処理プログラム受信格納処理により、検査センター装置から受信、格納し、格納した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なうことを特徴とする聴力補償方法である。
【0034】
補償特性受信格納処理から成り、検査センター装置において選定した聴力補償用パラメータを、補償特性受信格納処理により、検査センター装置から受信、格納し、聴力補償用パラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで使用して聴力補償を行なうことを特徴とする聴力補償方法である。
【0035】
音声信号処理プログラムは、マイクからの音声信号に対して聴力補償を行なうことを特徴とする聴力補償方法である。
【0036】
音声信号処理プログラムは、携帯電話器の受信信号に対して聴力補償を行なうことを特徴とする聴力補償方法である。
【0037】
聴力検査プログラム手順は、最小可聴閾値検査、ダイナミックレンジ検査、語音追随速度検査、雑音マスキング検査のうち少なくともひとつの検査プログラムであることを特徴とする聴力補償方法である。
【0038】
聴力検査プログラム手順は、最小可聴閾値検査、ダイナミックレンジ検査、語音追随速度検査、雑音マスキング検査のうち少なくともひとつの検査プログラムであることを特徴とする聴力補償方法である。
【0039】
検査センター、端末装置の少なくとも一方に、現在使用中の聴力補償特性データを算出した聴力検査データまたは聴力補償特性を記憶し、今回の聴力検査データまたは聴力補償特性と比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムを用いることを特徴とする聴力補償方法である。
【0040】
端末装置が受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力の改善度検査を行ない、聴力補償前の聴力検査データまたは聴力補償特性と、改善度検査による聴力検査データまたは聴力補償特性とを比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムを用いることを特徴とする聴力補償方法である。
【0041】
端末装置が受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力検査を行なうとともに、端末装置がこれまで使用中の旧音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力検査を行ない、旧音声信号処理プログラムにより聴力補償を行なった場合と、今回受信した音声信号処理プログラムを使用して行なった場合とを比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムを用いることを特徴とする聴力補償方法である。
【0042】
聴力検査プログラムを複数回実行することを特徴とする聴力補償方法である。
【0043】
検査センター、端末装置の少なくとも一方に、現在使用中の聴力補償特性データを算出した聴力検査データまたは聴力補償特性を記憶しておき、今回の聴力検査データまたは聴力補償特性と比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムにしたがって、聴力検査が行なわれるを特徴とする聴力補償方法である。
【0044】
端末装置が受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力の改善度検査を行ない、聴力補償前の聴力検査データまたは聴力補償特性と、改善度検査による聴力検査データまたは聴力補償特性とを比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムにしたがって、聴力検査が行なわれることを特徴とする聴力補償方法である。
【0045】
端末装置が受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力検査を行なうとともに、端末装置がこれまで使用中の旧音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう状態で、聴力検査を行ない、旧音声信号処理プログラムにより聴力補償を行なった場合と、今回受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なった場合とを比較し、検査誤りがあると判定された場合は、聴力検査を再度行なうようにした聴力検査プログラムにしたがって、聴力検査が行なわれることを特徴とする聴力補償方法である。
【0046】
聴力検査を複数回実行するようにした聴力検査プログラムにしたがって、聴力検査が行なわれることを特徴とする聴力補償方法である。
【0047】
現在使用中の旧音声信号処理プログラムと、今回受信した音声信号処理プログラム、または今回受信した聴力補償パラメータを組み込んだ音声信号処理プログラムとを格納し、選択して使用することを特徴とする聴力補償方法である。
【0048】
処理を、コンピュータに機能させるためのプログラムを記録した聴力補償方法プログラム記録媒体である。
【0049】
処理を、コンピュータに機能させるためのプログラムとした聴力補償方法のプログラムである。
【0050】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の聴力補償システムおよび装置のブロック図である。図1において、検査センター10は、制御部1、聴力検査用音源部2、聴力検査プログラム部3、聴力補償特性算出部4、音声信号処理プログラム部5、送受信部6により構成される。端末装置である補聴器20は、マイク11、イヤフォン12、音声信号処理部13、送受信部14、操作部15、表示部16、SW1、SW2、SW3により構成される。検査センター10と補聴器20とは、伝送路30を介して通信しあえるようになっている。
【0051】
検査センター10において、聴力検査プログラム部3は、後述する聴力検査手順を記憶しており、制御部1の指示を受けながら聴力検査を実行してゆく。聴力検査用音源部2は、聴力検査に使用する各種音源信号を発生するもので、音源信号波形を記憶しており、聴力検査プログラム部3の指示により、所定の音源信号を選択して、送受信部6から補聴器20に送る。聴力補償特性算出部4は、聴力検査プログラム部3が補聴器20から収集した聴力検査データを元にして、使用者40に適した聴力補償特性を計算する。音声信号処理プログラム部5は、内蔵する聴力補償用の音声信号処理プログラムに、聴力補償特性算出部4で計算された補償特性を組み込んで、送受信部6から補聴器20の送受信部14に送る。
【0052】
補聴器20は、通常の使用時には、SW1がマイク11の側に、SW2、SW3が音声信号処理部13の側に接続されており、マイク11の音を音声信号処理部13で聴力補償し、イヤフォン12から使用者40に与えるように動作する。
【0053】
補聴器20の使用者40が、補聴器20を操作し、伝送路30を介して聴力検査を申し込むと、検査センター10は聴力検査手順を実施する。補聴器20の送受信部14は、検査手順の説明文の受信と表示部16への表示、検査用の音源信号の受信と音源信号波形の再生、聴力補償用信号処理プログラムの受信と音声信号処理部13への格納、操作部15の操作内容の送信などを行なう。
【0054】
使用者40が操作部15を操作して聴力検査を申し込むと、送受信部14が、補聴器20、使用者40の識別コードを含む聴力検査要求メッセージを、伝送路30を介して、送受信部6に送信する。検査センター10の送受信部6は、聴力検査要求メッセージを制御部1に送る。制御部1は、聴力検査要求メッセージ受けとると、補聴器20、使用者40の識別コードを調べ、使用者が本システムのユーザであることを確認する。制御部1は、聴力検査の実行が可能の場合は、聴力検査受諾メッセージを、送受信部6、伝送路30を介して、送受信部14に送る。送受信部14は、SW1を送受信部14側、SW2、SW3を音声信号処理部13のバイパス側に切り替える。送受信部14は、準備完了メッセージを送受信部6に送る。送受信部6が、準備完了メッセージを制御部1に送ると、制御部1は、聴力検査プログラム部3に、聴力検査プログラムの起動を指示する。
【0055】
聴力検査プログラム部3は、検査手順の説明文を送受信部6、伝送路30を介して送受信部14に送る。
【0056】
送受信部14は、受信した説明文を表示部16に表示し、使用者40に検査手順を知らせる。
【0057】
次に、聴力検査プログラム部3は、聴力検査用音源部2から、検査手順にしたがって音源信号を選択し、聴力検査用音源部2は、指示のあった音源信号を送受信部6、伝送路30を介して、送受信部14に送る。
【0058】
送受信部14は、受信した音源信号をSW1、SW3を介してイヤフォン12に出力する。使用者40は、音源信号を聴き、聞き取れた場合は操作部15を操作する。操作部15は、確認結果を送受信部14から伝送路30を介して送受信部6に送る。
【0059】
送受信部6は、確認結果を聴力検査プログラム部3に送る。聴力検査プログラム部3は、確認結果を記憶し次の検査手順に進む。聴力検査用音源部2につぎの音源信号を指示する。聴力検査用音源部2は、指示された音源信号を送受信部6、伝送路30を介して送受信部14に送る。
【0060】
このような手順を繰り返し、一連の音源信号に対する、使用者40の反応を調べ、聴力検査データが聴力検査プログラム部3に蓄積される。検査手順が終了すると、聴力検査プログラム部3は、検査結果を聴力補償特性算出部4に送り、制御部1に検査終了を知らせる。制御部1は、聴力補償特性算出部4に聴力補償特性の計算を指示する。計算が終わると、聴力補償特性算出部4は計算結果を音声信号処理プログラム部5に送り、制御部1に計算終了を知らせる。制御部1は、音声信号処理プログラム部5に、計算結果の音声信号処理プログラムへの組み込みと、補聴器20への送信を指示する。音声信号処理プログラム部5は、制御部1の指示に基づき、聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込んで、送受信部6、伝送路30を介して、送受信部14に送る。
【0061】
送受信部14は、受信した音声信号処理プログラムを、音声信号処理部13に格納し、表示部16に検査終了メッセージを表示し、SW1をマイク11の側に、SW2、SW3を音声信号処理部13の側に切り替える。
【0062】
以上の動作により、補聴器20は、使用者40の現在の聴力に対応した聴力補償特性に更新される。
【0063】
聴力障害には、聴力感度の全体的な低下、高音域、低音域での低下、小さい音だけでなく大きな音も聴き取り難くなる、ダイナミックレンジの低下、話速追随能力の低下などいくつかの現象があり、これらが組み合わさっている場合もある。聴力補償は、これらのそれぞれに対して適した補償を行なうので、聴力検査も複数種類が行なえるようにしておく。
【0064】
上記で説明した聴力検査は、使用者40が、騒音の少ない室内で行われることが好ましい。しかし、突発的に室外から騒音が入る、回答操作を誤るなどの原因により、聴力検査データに誤りが混入し、適正な聴力補償特性が得られないことが有り得る。このような場合に対する対策を、次に説明する。
【0065】
第1番目の対策では、以前の聴力補正特性と今回算出した新聴力補正特性を検査センターで比較して、その妥当性をチェックし、妥当でない場合は聴力検査をやり直すようにする。
【0066】
このためには、検査センター10に診断データ記憶部を設けて、使用者40のこれまでの聴力補償特性、現在使用中の聴力補償特性などの履歴データを、診断記録として記憶しておく。制御部1は、診断データ記憶部から、現在使用中の聴力補正特性を呼び出し、今回算出した新聴力補償特性と比較を行なう。その差が所定の範囲を超えている場合は、検査誤りがあったものとして、補聴器20に再検査実施のメッセージを伝送し、上記説明した聴力検査を再度実行する。
【0067】
第2番目の対策では、新聴力補償特性を使って、期待どおりの改善度が得られているかどうかの改善度検査を行なう。
【0068】
このためには、検査センター10は、検査終了メッセージ送信後に、改善度検査開始メッセージを送信し、補聴器20は、SW1を送受信部14側のまま、SW2、SW3を音声信号処理部13側に切り替え、聴力検査を再度行なう。後述する各種聴力検査について、上記の最初の聴力検査データと確認検査データを比較し、改善度を判定する。一般的に、確認検査データは聴力正常者に近づく。確認検査データが悪化していたり、改善度が不十分な場合は、上記第2の対策の場合と同様の動作により再検査を行なう。
【0069】
第3の対策では、現在使用中の古い聴力補償特性を用いて、改善度検査を行ない、使用者40の現在の障害度合いに対する、古い聴力補償特性による改善度を検査する。この検査結果データと、新聴力補償特性による改善度検査データとを比較し、その差異から改善度を求めて、もしも悪化している場合は、検査に誤りがあったものとして、再検査を実行するようにする。このためには、音声信号処理部13に、現在使用中の聴力補償特性による音声信号処理プログラムと、新聴力補償特性による音声信号処理プログラムとを格納し、検査センター10からの指令により、音声信号処理プログラムを切り替えられるようにしておく。
【0070】
第4の対策では、上記の初回の検査や改善度検査を2回以上実施し、検査結果に大幅な差異が無い場合に、正常な検査が行なわれたものと判定し、聴力補償特性の算出や比較判定を行なう。
【0071】
第5の対策では、音声信号処理部13に、現在使用中の聴力補償特性による音声信号処理プログラムと、新聴力補償特性による音声信号処理プログラムの両方とを格納しておき、使用者40が、操作部15から音声信号処理プログラムを選択できるようにする。使用者40は、改善度が高い方の音声信号処理プログラムを使用することができる。このためには、音声信号処理プログラムの格納エリアを、2倍用意しておく。
【0072】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2の聴力補償システムおよび装置のブロック図であって、携帯電話器に、本発明を適用したものである。
【0073】
図2において、検査センター10は、図1の場合と同様の構成である。端末装置である携帯電話器50は、マイク11、スピーカ17、音声信号処理部13、送受信部14、操作部15、表示部16により構成される。
【0074】
通常の使用時には、SW1、SW2が音声信号処理部13の側になっている。電話を掛ける場合は、操作部15から相手の電話番号を入力し、送受信部14は、電話番号を電話局に送って電話回線を結び、マイク11から入力した音声信号を送受信部14から相手に送り、相手から受信した音声信号を音声信号処理部13で聴力補償し、スピーカ17から使用者40に与えるように動作する。
【0075】
聴力検査を行なう場合は、使用者40が操作部15を操作して、聴力検査を申し込む。SW1とSW2は、音声信号処理部13をバイパスする側に切り替えられる。送受信部14が、聴力検査要求メッセージを、伝送路30を介して送受信部6に送信する。この後は、図1の補聴器20の場合と同様の手順が実行され、聴力検査が行われ、検査結果に基づく音声信号処理プログラムが送受信部14に送られてくる。最新の音声信号処理プログラムは音声信号処理部13に格納され、SW1、SW2は、音声信号処理部13側に切り替えられる。
【0076】
以上の動作により、携帯電話器50は、現在の使用者40の聴力に対応した、聴力補償ができるようになる。
【0077】
外部からの突発的な騒音や、回答操作の誤りによる聴力検査データの誤りに対しては、実施の形態1において説明した、第1から第5の対策を適用できる。改善度検査の際は、SW1、SW2を音声信号処理部13側に切り替えればよい。
【0078】
次に聴力検査について説明する。聴力は、図3に示すようなオージオグラムによって表される。縦軸は聴力レベルで、20dB刻みである。横軸は周波数で、倍々のオクターブ刻みである。周波数毎に提示される音源信号に対する聴力レベルの値が、オージオグラム上に記録される。
【0079】
純音聴力検査は、音源信号として正弦波信号を提示して、最小可聴閾値を求める検査である。ISOが1986年に制定した「基本的純音聴力検査法」や、日本聴覚医学会が定めた「聴覚検査法(1990)1.標準型オージオメータによる純音聴力(閾値)レベル測定法」などが知られている。
【0080】
所定の周波数の正弦波信号を、弱いレベルから提示してゆき、聞こえるという反応「YES」が得られるまでレベルを徐々に上昇してゆく上昇法が一般に用いられる。聞こえるという反応「YES」が得られたレベルが最小可聴閾値となる。聞こえるという反応が得られれば、レベルを一旦下げておき、次の周波数に移る。周波数は、普通、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHzの正弦波信号を使用し、1kHz、2kHz、4kHz、8kHzの順に提示し、次に、1kHz、500Hz、250Hz、125Hzの順に提示する。このようにして、各周波数毎に聞き取れる最小のレベルを測定する。
【0081】
ある提示音のレベルで、聞こえるという反応「YES」があると、それより10dB下げ、聞こえなかったら5dB上げるという提示の仕方を繰り返し、3分の2の反応が確かめられた値を、最小可聴閾値とする方法が取られることもある。
【0082】
正弦波の代わりに、バンドノイズやウォーブルトーンを使うこともある。また、閾値を測定する方法としては、極限法、調整法、恒常法などの精神物理学的測定法を用いてもよい。
【0083】
図3に示すように、難聴者の場合、聴力正常者より最小可聴閾値が上昇するのが一般的であり、聴力補償が必要になる。最小可聴閾値が上昇して小さい音が聞こえにくい場合は、最小可聴閾値の上昇分に対して所定のレベルだけその周波数の音を大きくするように、フィルターの周波数特性を設定する聴力補償が行われる。
【0084】
次にダイナミックレンジの測定について説明する。聴覚障害を有する場合、最小可聴閾値が上昇して、小さい音が聞こえ難くなるだけでなく、「快適レベル」(MCL)、「不快レベル」(UCL)が通常値から変化する場合がある。「快適レベル」は、音の大きさが、ちょうど良い、聴きやすい、疲れないと感じるレベルである。「不快レベル」は、音がうるさい、耳に響く、疲れると感じるレベルで、健康な耳にくらべ、最少可聴閾値を基準としてみると、小さい値となる。したがって、「不快レベル」と最小可聴閾値の間の幅であるダイナミックレンジは、健康な耳に比べて狭くなる傾向がある。
【0085】
ダイナミックレンジを測定するには、所定の周波数、例えば、2kHz、4kHzなどの正弦波信号や、無意味な言葉や音節を、複数の音量レベルで、被験者に聞かせ、7段階の主観評価(大変うるさい、うるさい、ややうるさい、普通、やや小さい、小さい、かなり小さい)などで評価させる。この評価結果より、「不快レベル」、「快適レベル」やその範囲を求める。
【0086】
図4の(A)は聴力正常者のダイナミックレンジの例、(B)は難聴者のダイナミックレンジの例である。難聴者の場合「快適レベル」の範囲が狭くなっている。最小可聴閾値の上昇に対する周波数特性の補償を行なうだけでは、少し大きな音は「不快レベル」に到達してしまい、苦痛を感じることになる。そこで、ダイナミックレンジが減少している場合、可変利得増幅器によって、入力音声信号のレベル変化を聞きやすい範囲に制限するように補償する。図5に入出力利得特性の一例を示す。各周波数の「快適レベル」範囲の狭まりの状況に応じて、周波数領域毎に可変利得特性を設定して、ダイナミックレンジを調整する。
【0087】
次に語音聴力検査について説明する。普段聴きなれない正弦波信号ではなく、単音節を数個並べた意味の無い語音を被験者に聞かせ、各音節が聞き取れる最小レベルを最小可聴閾値として測定したり、音節の音を答えさせて明瞭度試験と同じ正答率を求め、50%の正答率のレベルを語音聴取閾値とする検査を使う場合がある。語音聴力検査の結果を併用すれば、実際の会話により適した聴力補償を行なうことができる可能性がある。
【0088】
次に語音弁別の適応速度の測定について説明する。通常よりゆっくりと話さないと、言葉を理解し難くなる症状の聴力障害が存在する。このような障害者には、話速変換技術により音声の再生速度を遅くして聞かせることにより、言葉の認知度を改善することができる。
【0089】
話速に対する適応度(適応速度または追随速度)の測定は、次のようにして行なえる。上記の単音節を組み合わせた無意味語を被験者に聞かせ、聞こえた言葉を回答してもらう。無意味語の提示は、早口、すなわち、話速の速い方から開始し、徐々に遅くして正解を得るまで続け、正しく聞き取れる速度を求める。
【0090】
聴力補償法としては、測定した適応速度値に応じて入力音声の再生速度を遅くする。音声の再生速度を変更するための話速変換技術は、種々の方式が提案されており、詳しい説明は省くが、たとえば、マイクからの入力信号を一旦記憶し、再生する際に、母音の部分の波形を繰り返し再生して、言葉がゆっくり再生されるようにする方法、短時間の波形を取り出し、これを次の波形の前に挿入して、言葉の波形を延長する方法などが採用できる。
【0091】
次に騒音下での聴力の測定について説明する。騒音下では、マスキング効果により、最小可聴閾値が健常者でも多少上昇するが、聴力障害者では、その影響が顕著になり聞き取りができなくなることがある。騒音下での聴力を測定するためには、カフェテリアノイズ、街頭雑音、スピーチと同等の帯域の雑音であるスピーチノイズ、擬似音声雑音などを、上記測定に際して、音源信号に加えて提示し、最小可聴閾値の変化や正答率の変化から、騒音下での聴力を測定する。加える雑音のレベルは種々変化させてもよい。
【0092】
騒音の影響を防止する補償法としては、増幅器の入出力特性の低レベル領域に、不感帯領域を設けて、雑音を抑圧する方法が取られる場合がある。不感帯の幅は、加えた雑音によるマスキングの強さに応じて決められる。
【0093】
本発明では、上記の各種聴力検査法の手順を、聴力検査プログラム部3に用意しておき、上記音源信号を使用者に聞かせて、聞き取りの結果を操作部15から入力してもらい、各聴力検査のデータを集めて使用者の聴力検査データとする。また、聴力検査データにしたがって、障害の程度に応じた聴力補償特性を算出するプログラムを聴力補償特性算出部4に用意しておく。このプログラムは、補聴器のフィッティングの専門家が行なう知識を、プログラム化したものである。
【0094】
上記聴力検査の種類により、使用者の回答方法は異なる。純音聴力検査やダイナミックレンジの測定では、操作部15として「YES」、「NO」を入力する押しボタンを使えばよい。音源信号が聞こえない場合に、使用者が反応を示さなくてよい場合は、聞こえたことを回答するための「YES」の押しボタンのみでもよい。
【0095】
ダイナミックレンジの測定検査では、7段階のどれかを入力する必要がある。携帯電話では、数字ボタンを利用できる。補聴器の場合は、スイッチを設けてもよいが、このような入力装置は、外付けのタイプとするのが好ましい。
【0096】
語音の聴き取り検査では、認識した言葉を回答する必要がある。この場合は、携帯電話器では、日本語入力機能を使えばよい。補聴器の場合は、日本語入力用のキーボード、手書き文字認識ツールなどを併用する。
【0097】
使用者がマイク11を通じて音声で回答してもよい。検査センター10では、使用者の回答内容を音声認識により識別することになる。操作部15に入力された「YES」、「NO」、日本語入力機能により入力された文字データ、あるいは使用者40の回答の音声信号が、送受信部14を通じて検査センター10に送られる。
【0098】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における聴力補償方法の手順を示すフローチャートである。フローチャートにおいて、(Sxx)は、検査センター10が行なう処理、(Ay)は、補聴器または携帯電話器が行なう処理を示す。点線の矢印は、次の手順に移るまでの待機状態を表す。一点鎖線の矢印は、伝送路30を介した通信を示す。
【0099】
検査センター10は、上述した聴力検査プログラム手順を記憶しており、聴力検査を実行してゆく。すなわち、聴力検査に使用する各種音源信号を記憶しており、聴力検査プログラム手順にしたがって所定の音源信号を選択して、補聴器20や携帯電話器50に送る。聴力検査プログラムが補聴器20や携帯電話器50から収集した聴力検査データを元にして、使用者40に適した聴力補償特性を算出する。内蔵する聴力補償用の音声信号処理プログラムに、計算された補償特性を組み込んで、補聴器20や携帯電話器50に送る。
【0100】
補聴器20は、通常の使用時には、図1に示したSW1がマイク11の側に、SW2、SW3が音声信号処理部13の側に接続されている。また、携帯電話器50の場合、通常の使用時には、図2のSW1、SW2が音声信号処理部13の側になっている。
【0101】
補聴器20や携帯電話器50の使用者40が、補聴器20や携帯電話器50を操作し、聴力検査申請処理(A1)を起動して、伝送路30を介して、補聴器20、携帯電話器50、使用者40の識別コードを送り、聴力検査を申し込む。
【0102】
検査センター10は、聴力検査申請を、伝送路30を介して受信すると、受付け処理(S1)を行なう。受付け処理(S1)において、補聴器20、携帯電話器50、使用者40の識別コードを調べ、これまでの聴力補償特性などの履歴データを呼び出し、使用者が、本システムのユーザであることを確認する。確認されると、検査説明送信処理(S2)において、補聴器20または携帯電話器50に、聴力検査申請受理済みであることを知らせ、検査手順の説明書を送る。
【0103】
補聴器20または携帯電話器50は、検査終了受信表示処理(A7)において、検査説明書を表示して、使用者40に、これから行なう聴力検査の内容と、回答の操作法を知らせる。また、図1のSW1、SW2、SW3や図2のSW1、SW2を、聴力検査側に切り替え、検査体制を確立する。次に、検査開始要求処理(A3)において、検査センター10に、検査開始要求メッセージを送信する。
【0104】
検査開始要求メッセージを受信した検査センター10は、検査手順開始処理(S3)において、記憶してある検査手順プログラムを起動する。まず、音源信号送信処理(S4)において、最初の音源信号を、所定のレベルで送信する。
【0105】
補聴器20または携帯電話器50は、音源信号受信提示処理(A4)において、音源信号を受信し、使用者40に対して、イヤフォン12またはスピーカ17から、音源信号を再生、提示する。使用者40が、音源信号を聴いた反応を、操作部15から入力すると、聴取結果送信処理(A5)において、入力内容を検査センター10に送信する。
【0106】
検査センター10は、検査結果受信格納処理(S5)において、使用者40からの反応を受信し、検査結果をメモリの聴力検査データエリアに記憶格納する。検査手順終了判定(S6)において、検査が終わったかどうか判定し、終わっていなければ、「No」に分岐する。音源信号切替処理(S7)において、次の音源信号に切り替え、音源信号送信処理(S4)にもどる。
【0107】
次の音源信号とは、聴力検査の種類と、検査の進行過程により決まる。同じ周波数でレベルの異なる信号、周波数の異なる信号、所定の語音の信号、所定の速度で発音される語音の信号、所定の雑音を加えた信号などである。
【0108】
実施の形態2で説明した聴力検査のうちのひとつを終了したら、つぎの聴力検査に進み、新たな音源信号群によって、音源信号送信処理(S4)、音源信号受信提示処理(A4)、聴取結果送信処理(A5)、検査結果受信格納処理(S5)、検査手順終了判定(S6)、音源信号切替処理(S7)が、繰り返される。
【0109】
必要とする聴力検査がすべて終わると、検査手順終了判定(S6)は、「Yes」となり、補償特性算出処理(S8)に移る。
【0110】
聴力検査データが、聴力検査データエリアに蓄積されたので、補償特性算出処理(S8)において、聴力検査データを元に、聴力補償特性を算出する。聴力補償特性算出プログラムは、補聴器のフィッティングの専門家が行なうフィッティングの知識を、プログラム化したものである。算出が終わると、信号処理プログラム組込処理(S9)において、使用する音声信号処理プログラムを選択し、算出結果をその音声信号処理プログラムに組み込む。信号処理プログラム送信処理(S10)において、使用者40に適合された音声信号処理プログラムを、補聴器20または携帯電話器50に送信する。
【0111】
補聴器20または携帯電話器50は、信号処理プログラム受信格納処理(A6)において、受信した音声信号処理プログラムを格納する。
【0112】
検査センター10は、次に、検査終了通知処理(S11)において、補聴器20または携帯電話器50に検査の終了を通知する。
【0113】
補聴器20または携帯電話器50は、検査終了受信表示処理(A7)において、検査センター10からの検査終了の通知を受けると、表示部16に検査終了メッセージを表示し、図1のSW1をマイク11の側に、SW2、SW3を音声信号処理部13の側に、また、図2のSW1、SW2を音声信号処理部13側に切り替える。音声信号処理がプログラムにより行われる場合は、各SWの機能を音声信号処理プログラムの側に切り替える。
【0114】
以上の動作により、補聴器20または携帯電話器50に、使用者40の現在の聴力に対応した聴力補償特性に更新される。
【0115】
既に説明したとおり、聴力障害には、(1)聴力感度の全体的な低下、高音域、低音域での低下、(2)小さい音だけでなく大きな音も聴き取り難くなる、ダイナミックレンジの低下、(3)話速追随能力の低下など、いくつかの現象があり、これらが組み合わさっている場合もある。聴力補償は、これらのそれぞれに対して、適した補償を行なうので、聴力検査も複数種類が行なえるようにしておく。
【0116】
聴力検査プログラム手順は、これらの聴力検査を行なえるようにした一連のプログラムであり、音源信号送信処理(S4)、検査結果受信格納処理(S5)、検査終了通知処理(S11)、音源信号切替処理(S7)を繰り返すことにより、実行できる。
【0117】
なお、実施の形態2において説明した純音聴力検査の場合、提示した音源信号が聞こえないときは、使用者40の反応が無い。音源信号受信提示処理(A4)において、音源信号を提示してから一定時間内に、使用者40から、聞き取れたという「YES」の反応がない場合は、聞こえなかったものとして、聴取結果送信処理(A5)において、「NO」の結果を検査センター10に送信すればよい。
【0118】
上記で説明した聴力検査の手順は、使用者40が、騒音の少ない室内で行われることが好ましい。しかし、突発的に室外から騒音が入る、回答操作を誤るなどの原因により、聴力検査データに誤りが混入し、適正な聴力補償特性が得られないことが有り得る。このような場合に対する対策を次に説明する。
【0119】
第1番目の対策では、以前の聴力補正特性と今回算出した新聴力補正特性を検査センターで比較してその妥当性をチェックし、妥当でない場合は聴力検査をやり直すようにする。図7に、手順のフローチャートを示す。図6のステップ(S8)、(A5)以降を示す。
【0120】
検査センター10に、診断データ記憶部を設けて、使用者40のこれまでの聴力補償特性、現在使用中の聴力補償特性などの履歴データを、診断記録として記憶しておく。旧補償特性読出処理(S12)において、診断データ記憶部から、現在使用中の旧聴力補正特性を呼び出し、補償特性比較処理(S13)において、今回算出した新聴力補償特性と比較を行なう。その差が所定の範囲を超えていて、異常と判定される場合は、誤り判定処理(S14)において、検査誤りがあったものとして、補聴器20に、再検査実施のメッセージを伝送し、聴力検査処理(SA10)において再検査を行なう。聴力検査処理(SA10)は、上記説明した(S3)〜(S6)、(A4)、(A5)と同様の手順である。再検査の検査データから、補償特性算出処理(S15)において聴力補償特性を算出し、ステップ(S13)において再度比較を行なう。検査誤り判定処理(S14)において、検査誤りが無かったと判定されると、図6の場合と同じくステップ(S9)に移る。
【0121】
第2番目の対策では、今回の検査により算出した新聴力補償特性を使って、期待通りの改善度が得られているかどうかの改善度検査を行なう。図8に、手順のフローチャートを示す。図6のステップ(S10)、(A6)以降の手順を示す。
【0122】
検査センター10は、改善度検査開始処理(S20)において、改善度検査開始メッセージを端末装置に送信する。端末装置は、SW切替処理(A20)において、補聴器20の場合は、SW1を送受信部14側、SW2、SW3を音声信号処理部13側に切り替え、携帯電話器50の場合は、SW1、SW2を音声信号処理部13側に切り替える。そして、聴力検査処理(SA20)において、聴力検査を再度行なう。改善度算出処理(S21)において、上記の今回の聴力検査で得たデータ、すなわち使用者の聴力障害の程度を示すデータと、音声信号処理プログラムを用いて聴力補償を行なった場合の聴力を示す確認検査データを比較し、改善度を判定する。十分な改善度が得られたと判定されると、検査誤り判定処理(S22)において、ステップ(S11)に進む。
【0123】
一般的に、確認検査データは、聴力正常者に近づいている。もしも、確認検査データの方が悪化していたり、改善度が不十分な場合は、検査誤り判定処理(S22)において検査誤りがあったものとして、図6のステップ(S3)に戻り、再検査を行なう。
【0124】
第3の対策では、現在使用中の旧聴力補償特性を用いて、改善度検査を行ない、使用者40の現在の障害度合いに対する、旧聴力補償特性による改善度を検査する。この検査結果データと、新聴力補償特性による改善度検査データとを比較し、その差異から改善度を求めて、もしも、悪化している場合は、検査に誤りがあったものとして、再検査を実行するようにする。図9に、手順のフローチャートを示す。図6のステップ(S10)、(A6)以降を示す。
【0125】
このためには、音声信号処理部13に、現在使用中の聴力補償特性による音声信号処理プログラムと、新聴力補償特性による音声信号処理プログラムとを格納し、検査センター10からの指令により、音声信号処理プログラムを切り替えられるようにしておく。改善度検査開始処理(S30)、SW切替処理(A30)、聴力検査処理(SA30)は、図8の、改善度検査開始処理(S20)、SW切替処理(A20)、聴力検査処理(SA20)と同様である。
【0126】
新聴力補償特性の改善度検査が、ステップ(SA30)において終わると、検査センター10は、つぎに、旧補償特性検査開始処理(S31)において、旧聴力補償特性による聴力改善度の検査を開始する準備を行ない、端末装置に、開始の通知を行なう。端末装置では、旧プログラム選択処理(A31)において、これまで使用していた旧音声信号処理プログラムに切り替える。
【0127】
次に、聴力検査処理(SA31)において、聴力検査を行なう。旧音声信号処理プログラムを使用しているので、旧音声信号処理プログラムにより改善された聴力のデータが得られる。改善度算出処理(S32)において、新旧の音声信号処理プログラムを使ったときの聴力を比較する。通常は、新音声信号処理プログラムによる方が良好な聴力になっている。この場合は、検査誤り判定処理(S33)において、十分な改善度が得られたと判定され、ステップ(S11)に進む。新音声信号処理プログラムによる方が悪化していたり、改善度が不十分な場合は、検査誤り判定処理(S33)において検査誤りがあったものとして、図6のステップ(S3)に戻り再検査を行なう。
【0128】
第4の対策では、上記の初回の検査や改善度検査を、2回以上実施し、検査結果に大幅な差異が無い場合に、正常な検査が行なわれたものと判定し、聴力補償特性の算出や、比較判定を行なう。端末装置を初めて使用する場合は、旧聴力補償特性が、検査センター10には無いので、この方法を採用することが好ましい。
【0129】
第5の対策では、音声信号処理部13に、現在使用中の聴力補償特性による音声信号処理プログラムと、新聴力補償特性による音声信号処理プログラムの両方とを格納しておき、使用者40が、操作部15から音声信号処理プログラムを選択できるようにする。使用者40は、改善度が高い方の音声信号処理プログラムを使用することができる。このためには、音声信号処理プログラムの格納エリアを、2倍用意しておく。聴力検査において何らかの異常が生じた場合に、聴力補償機能が全く失われるのを防止できる。
【0130】
図10は、聴力補償方法を実行するコンピュータシステムの構成図で、検査センター10側と、端末装置である補聴器または携帯電話器側を示している。
【0131】
検査センター10側は、CPU60、ROM61、RAM62、表示部63、操作部64、音声インタフェース65、送受信部6、ハードディスク70よりなり、これらは、バスラインに接続されている。ハードディスク70の中には、既に説明した聴力検査プログラム72、聴力補償特性算出プログラム73、音声信号処理プログラム74、全体の制御プログラム71が格納される。聴力検査データエリアがRAM62内に設けられる。ROM61には起動プログラムが格納されており、CPU60は、まず、起動プログラムを読み出し、補聴器又は携帯電話器からの通信の受信待ち状態に入る。補聴器又は携帯電話器との通信は、送受信部6により行なわれる。聴力検査申請処理(A1)により、聴力検査要求を受信すると、送受信部6は、要求をCPU60に伝え、CPU60は、制御プログラム71を呼び出して、図6のフローチャートにおいて説明した一連の手順を実行する。表示部63、操作部64、音声インタフェース65は、検査センター10のシステム動作監視、管理用に使われる。
【0132】
補聴器または携帯電話器側は、CPU80、ROM81、RAM82、表示部16、操作部15、音声インタフェース85、送受信部14よりなり、これらはバスラインに接続されている。ROM81の中には、既に説明した聴力検査申請処理(A1)、検査説明表示処理(A2)、検査開始要求処理(A3)、音源信号受信提示処理(A4)、聴取結果送信処理(A5)、信号処理プログラム受信格納処理(A6)、検査終了受信表示処理(A7)のプログラムや起動プログラムが格納されている。RAM82には、音声信号処理プログラムが格納される。また、受信内容の保存エリアや、作業用の記憶エリアもRAM82内に設けられる。音声インタフェース85は、AD変換器、DA変換器、マイクアンプ、イヤフォンまたはスピーカ用のアンプを備え、マイク11からの信号の増幅とAD変換、イヤフォン12、スピーカ17での再生のためのDA変換と電力増幅を行なう。図1、図2の各SWの動作も、ROM81の中に、信号処理のプログラムとして格納されている。また、ROM81には、補聴器としての動作プログラムや、携帯電話器としての各種動作プログラムも記憶されている。
【0133】
CPU80は、まず、起動プログラムを読み出し、待機状態に入る。使用者が操作した操作部15からの聴力検査要求を受けると、聴力検査申請処理(A1)に入り、以降、既に説明した各処理手順を順次実行してゆく。
【0134】
送受信部6、送受信部14は、有線通信方式でも、無線通信方式でもよい。インタネット網を介した回線でもよい。携帯電話器の場合は、携帯電話の通信回線を使うことができる。
【0135】
端末装置が補聴器の場合は、耳に装着するので、小型、軽量、低消費電力であることが要求される。図1の補聴器20のうち、送受信部14、操作部15、表示部16は外付けとし、それ以外の、補聴器本体部分とは、聴力検査を行なうときに、ケーブルで接続するようにすることが好ましい。ケーブルの代わりに、近距離用の無線通信部を、補聴器本体と、外付け部分とに設けて、ワイヤレスで結合して通信するようにしてもよい。
【0136】
上記説明では、音源信号波形をそのまま伝送するようにしたが、音源信号波形を、検査センター10において圧縮して送り、端末装置の送受信部14において、圧縮を解いて再生するようにしてもよい。また、聴力検査用音源部2で、音源信号を圧縮波形として記憶しておいてもよい。
【0137】
聴力検査用音源部2の音源信号が純音の場合は、正弦波を1波形とその持続時間長データと提示レベルデータを、端末装置に送り、送受信部14において、1波形を持続時間分だけ繰り返して、提示レベルデータの振幅にして、音源信号としてもよい。このようにすれば、音源信号のデータ量が少なくなり、伝送時間が短くて済む。
【0138】
また、音源信号の1回の提示時間分を送り、あとは、提示レベルデータのみを送り、送受信部14では、受信した音源信号の1回の提示時間分の波形を記憶しておき、提示レベルデータが送られるたびに、記憶しておいた波形を読み出して、提示レベルデータを掛け算して、指示された提示レベルの音源信号として、再生し、提示するようにしてもよい。
【0139】
上記実施の形態では、音声信号処理プログラム部5において、聴力補正特性を組み込んだ音声信号処理プログラムを送信するようにしたが、次のようにしてもよい。聴力補償特性算出部4で算出した聴力補償特性である周波数特性や利得可変特性などの聴力補償用のパラメータを、送受信部6より送受信部14に送信し、音声信号処理部13に格納してある音声信号処理プログラムにパラメータを組み込むようにする。この場合は、音声信号処理プログラム選択部5は無くともよくなる。パラメータは、音声信号処理プログラムよりもデータ量が小さいのが一般的であるので、伝送時間が短くて済む。
【0140】
上記方法の実施の形態の場合でも、信号処理プログラム送信処理(S10)において、聴力補正特性を組み込んだ音声信号処理プログラムを送信するようにしたが、次のようにしてもよい。補償特性算出処理(S8)で算出した聴力補償特性である周波数特性や利得可変特性などの聴力補償用のパラメータを、信号処理プログラム送信処理(S10)に代わる補償特性送信処理により、端末装置に送信し、信号処理プログラム受信格納処理(A6)に代わる補償特性受信格納処理により、聴力補償用のパラメータを受信、格納し、音声信号処理プログラムに聴力補償用のパラメータを組み込むようにする。信号処理プログラム組込処理(S9)は、端末装置側で行われることになる。聴力補償用のパラメータは、音声信号処理プログラムよりもデータ量が小さいのが一般的であるので、伝送時間が短くて済む。
【0141】
本発明に適用する聴力検査と、聴力補償法は、上記説明したものに限らない。今後開発される新しい聴力検査法を聴力検査プログラムとして適用し、その結果に基く新たな、また進歩した聴力補償法を適用して、音声信号処理プログラムとして組み込んでも、本発明の目的が達成され、本発明の効果を実現できる。
【0142】
図2の実施の形態においては、使用者40が、補聴器を装着しない状態で、携帯電話器50を使用する場合について説明した。別の使用法として、使用者40が、左耳に従来の補聴器を装着した状態で、本発明の携帯電話器50を使って聴力検査を行ない、算出された聴力補正特性を、携帯電話器50に組み込むようにしてもよい。この場合は、携帯電話器50と従来の補聴器全体の系での、聴力補償が行われる。携帯電話器50では、従来の補聴器に対して付加的な聴力補償を行なうことになる。
【0143】
上記説明では、使用者40が、聴力検査の要求を行なうようにしたが、主治医が、検査センター10から、端末装置に対して聴力検査の実施を指示するようにしてもよい。
【0144】
上記説明では、聴力検査を、検査センターと端末装置の間でオンラインで行なうようにしたが、病院や診療所などにおいて所定の聴力検査装置を使って聴力検査を行ない、その結果得られた聴力補償特性を、ひとつ又は複数種類だけ、検査センターに格納保存しておき、その後に、端末装置からの要求により、または、検査センターにおける決定により、聴力補償特性を選択し、その聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込んで、端末装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0145】
あるいは、聴力補償特性を選択し、その聴力補償パラメータを、端末装置にダウンロードし、端末装置内で音声信号処理プログラムに組み込むようにしてもよい。検査センターに格納保存する聴力補償特性は、聴力障害者個々人のための聴力補償特性でもよいが、種々の聴力障害の程度に対応して決まる典型的な聴力補償特性を複数種類とし、この中から、医師、検査センター、端末装置の保有者が、選択するようにしてもよい。ダウンロードの動作の要求は、端末装置から行なってもよいし、検査センターから行なうようにしてもよい。これらの仕組みは、医師や検査センターによって、本システムの運用ルールとして決定されることになる。
【0146】
このような方式を実現するためには、複数の聴力補償特性を記憶する聴力補償特性記憶部、音声信号処理プログラム部、送受信部を検査センター装置に設けておき、伝送路を介して端末装置と通信し、聴力補償特性を選定して、聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込んで、端末装置に送信し、端末装置が、受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なえるようにすればよい。
【0147】
また、複数の聴力補償特性を記憶する聴力補償特性記憶部、送受信部を検査センター装置に設けておき、伝送路を介して端末装置と通信し、聴力補償特性を選定して、聴力補償用のパラメータを端末装置に送信し、端末装置が、受信した聴力補償用のパラメータを端末装置内の音声信号処理プログラムに組み込んで使用して聴力補償を行なうようにしてもよい。
【0148】
端末装置には、音声信号処理部、送受信部、操作部を備えておき、送受信部において音声信号処理プログラムを受信し、音声信号処理部に格納し、格納した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なえばよい。
【0149】
または、音声信号処理プログラムを格納した音声信号処理部、送受信部、操作部をそなえておき、送受信部において聴力補償用のパラメータを受信し、受信した聴力補償用のパラメータを端末装置内の音声信号処理プログラムに組み込んで、聴力補償を行なうようにしてもよい。
【0150】
また、検査センターの手順は、補償特性選定処理、信号処理プログラム組込処理、信号処理プログラム送信処理より成り、補償特性選定処理により、聴力補償特性を選定し、信号処理プログラム組込処理により、聴力補償特性を音声信号処理プログラムに組み込んで、信号処理プログラム送信処理により、音声信号処理プログラムを端末装置に送信し、端末装置が、受信した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう聴力補償方法としてもよい。
【0151】
あるいは、検査センターの手順は、補償特性選定処理、補償特性送信処理より成り、補償特性選定処理により、聴力補償用のパラメータを選定し、補償特性送信処理により、聴力補償用のパラメータを端末装置に送信し、端末装置が、受信した聴力補償用のパラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで聴力補償を行なうようにしてもよい。
【0152】
また、端末装置の手順は、信号処理プログラム受信格納処理から成り、検査センター装置において選定した聴力補償特性を組み込んだ音声信号処理プログラムを、信号処理プログラム受信格納処理により、検査センター装置から受信、格納し、格納した音声信号処理プログラムを使用して聴力補償を行なう聴力補償方法でもよい。
【0153】
あるいは、補償特性受信格納処理から成り、検査センター装置において選定した聴力補償用パラメータを、補償特性受信格納処理により、検査センター装置から受信、格納し、聴力補償用パラメータを音声信号処理プログラムに組み込んで使用して聴力補償を行なう聴力補償方法でもよい。
【0154】
なお、本発明のCM提示方法のプログラムを記録した記録媒体は、プログラムを記録したROM、RAM、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、メモリカード、ハードディスクなどの記録媒体をいう。また、電話回線、搬送路などの通信媒体も含む概念である。
【0155】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、以下のような効果が期待できる。
【0156】
補聴器の使用者が、医療機関に出向くことなく、補聴器の特性の調整、いわゆる補聴器のフィッティングを行なうことができる。
【0157】
補聴器の使用者が、医療機関に出向くことなく、補聴器のフィッティングを、随時行なうことができ、常に最適の聴力補償を得ることができる。
【0158】
補聴器の使用者が、携帯電話器を使用する場合も、医療機関に出向くことなく、携帯電話器と補聴器を総合した聴力補償特性の調整を行なうことができる。
【0159】
補聴器の使用者が、携帯電話器を使用する場合も、医療機関に出向くことなく、携帯電話器と補聴器を総合した聴力補償特性の調整を、携帯電話器によって行なうことができる。
【0160】
聴力補償の方式が、改善されたり、変更された場合も、補聴器や、補聴機能付きの携帯電話器を、買いかえることなく、新しい聴力補償特性に対応させることが可能になる。
【0161】
使用者が、生活する場所において、フィッティングを行なえるので、実生活に対応した聴力補償特性を得ることができる。
【0162】
主治医が、検査センターから、リモート検査を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による聴力補償システム、装置を示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態による聴力補償システム、装置を示すブロック図
【図3】聴力検査の結果を表すオージオグラムを説明するための図
【図4】耳のダイナミックレンジを説明する図
【図5】ダイナミックレンジの低下を補償する可変利得特性の図
【図6】本発明の一実施形態による聴力補償方法の手順を示すフローチャート
【図7】本発明の一実施形態による聴力補償方法の手順を示すフローチャート
【図8】本発明の一実施形態による聴力補償方法の手順を示すフローチャート
【図9】本発明の一実施形態による聴力補償方法の手順を示すフローチャート
【図10】本発明の聴力補償方法の手順を実行するコンピュータシステムの構成図
【符号の説明】
1 制御部
2 聴力検査用音源部
3 聴力検査プログラム部
4 聴力補償特性算出部
5 音声信号処理プログラム部
6,14 送受信部
10 検査センター
11 マイク
12 イヤフォン
13 音声信号処理部
15 操作部
16 表示部
17 スピーカ
20 補聴器
30 伝送路
40 使用者
50 携帯電話器

Claims (1)

  1. 検査センター装置であって、
    端末装置から送信された、周波数毎に、ユーザが聞こえるという反応を示す情報を含む検査結果データ、を受信する受信部と、
    受信した前記検査結果データに基づいて、前記周波数毎に最小可聴閾値を取得して聴力検査データを得る手段と、
    前記聴力検査データに基づいて、聴力補正特性を算出する聴力補償特性算出部と、
    算出された前記聴力補正特性を、聴力補償プログラムとして生成する生成手段と、
    前記生成された前記聴力補償プログラムを前記端末装置に送信する手段と、
    を備え、
    前記端末装置は携帯電話であって、
    前記検査結果データは、更に、
    ユーザの聞こえ方の快適さを複数の主観評価値で示す主観結果データを含み、
    前記複数の快適さは、少なくとも、うるさい、及び、普通、を段階として含み、
    前記聴力補償特性算出部は、
    前記主観結果データの種別により、
    (1)前記うるさいで示された主観結果データより不快レベルの上限値を算出し、
    (2)前記普通で示された主観結果データより、前記不快レベルの上限値と前記最小可聴閾値との間の範囲より狭い範囲に、快適レベルの範囲であるダイナミックレンジを算出し、
    (3)前記ダイナミックレンジの狭まりに基づいて可変利得特性を調整して前記聴力補正特性を算出し、
    前記複数の快適さは、前記携帯電話の数字ボタンで入力されること、
    を特徴とする検査センター装置
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