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JP4169845B2 - マウス分泌型ホスホリパ−ゼa2 - Google Patents

マウス分泌型ホスホリパ−ゼa2 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、マウス分泌型ホスホリパーゼA2;本発明タンパク質をコードするDNA;本発明DNAを含む発現ベクター;本発明発現ベクターを有する形質転換体;本発明形質転換体を用いたマウス分泌型ホスホリパーゼA2の製造方法;本発明タンパク質を用いた化合物のスクリーニング方法;本発明スクリーニング方法より得られる化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホスホリパ−ゼA2(PLA2; EC 3.1.1.4)は、3-sn-ホスホグリセリドの2-アシルエステル結合を加水分解するリン脂質分解酵素の総称である。PLA2は、食物中のリン脂質消化や生体膜リン脂質の新生と代謝などに関わるとともに、プロスタグランジンなどの脂質メディエーター産生にいたるアラキドン酸カスケードの開始酵素として機能する。哺乳動物では多様なPLA2の存在が明らかになっており、その局在性、カルシウムイオン(Ca2+)要求性、基質特異性に基づいて、分泌型PLA2、細胞質型PLA2、Ca2+非依存型PLA2、ならびにPlatelet-Activating Factor-アセチルヒドロラーゼの4つのファミリーに分類されている(Balsindeら、J. Biol. Chem. 272, 16069-16072 (1997))。
【0003】
このうち分泌型PLA2ファミリーは、細胞外に分泌される低分子量(13,000 〜 15,000)のPLA2分子群であり、IB型、IIA型、IIC型、V型、ならびにX型の5種類が知られている。いずれの分子種も、その構造中に12〜16個のCys残基を持ち、分子内ジスルフィド結合を形成しており、またHis-Asp残基からなる活性中心部位が保存されている。さらに、共通のCa2+結合領域を持ち、酵素活性の発現にはmMオーダーのCa2+を要求する(Tischfieldら、J. Biol. Chem. 272, 17247-17250 (1997)、およびCupillardら、J. Biol. Chem. 272, 15745-15752 (1997))。
【0004】
IB型は、膵臓等で消化酵素として機能するほか、その特異的なレセプターへの結合を介してエンドトキシンショックなどの炎症病態の形成に関与していると考えられている。一方、IIA型は、血小板や滑膜細胞などに存在し、炎症性サイトカインの刺激で発現が増強されることから、種々の炎症反応に関与していると考えられている。しかしながら、IIA型を遺伝的に欠損しているマウス種でも炎症反応は通常どおり起こることから、その病態生理学上の意義に疑問が提示されている。V型は、心臓とともに炎症系細胞に発現している。またX型は、脾臓、胸腺など免疫系の組織に発現している。両者とも生体防御や炎症反応への関与が示唆されているが、その生体内での重要性については十分明らかにされていない(花崎ら、細胞工学、17, 694-701 (1998))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規なマウス分泌型ホスホリパーゼA2;本発明タンパク質をコードするDNA;本発明DNAを含む発現ベクター;本発明発現ベクターを有する形質転換体;本発明形質転換体を用いたマウス分泌型ホスホリパーゼA2の製造方法;本発明タンパク質を特異的に認識する抗体;本発明タンパク質を用いた化合物のスクリーニング方法;本発明スクリーニング方法より得られる化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、マウスX型PLA2の生理機能の解明を目指して鋭意研鑚を重ねてきたが、その過程で、Expressed Sequence Tags(EST)データーベースの遺伝子配列中に、マウスX型PLA2と相同性のある部分配列を見出し、その配列を基に、マウス脾臓cDNAライブラリーより新規分泌型PLA2タンパク質をコードするDNA配列を見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、
配列番号14の1位のGlyから125位のCysまでのアミノ酸配列を含むタンパク質;
配列番号14の−19位のMetから125位のCysまでのアミノ酸配列を含む本発明のタンパク質;
本発明のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入または付加されたアミノ酸配列を含み、かつホスホリパーゼA2活性を有するタンパク質;
本発明のタンパク質をコードするDNA;
配列番号13の93位のGから467位のCまでの塩基配列を含む本発明のDNA;
配列番号13の36位のAから467位のCまでの塩基配列を含む本発明のDNA;
本発明の塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、ホスホリパーゼA2活性を有するタンパク質をコードするDNA;
本発明のDNAを有する発現ベクター;
本発明の発現ベクターを宿主に導入して得られる形質転換体;
宿主が哺乳類細胞株である本発明の形質転換体;
本発明の形質転換体を培養する工程、および生産された組換えタンパク質を培養培地から回収する工程を包含する、組換え分泌型ホスホリパーゼA2の製造方法;
本発明のタンパク質を特異的に認識する抗体;
本発明のタンパク質を用いた、ホスホリパーゼA2活性を特異的に阻害する化合物のスクリーニング方法;および
本発明のスクリーニング方法より得られる化合物、に関する。
【0008】
アミノ酸配列のうち一部が置換、欠失、挿入または付加されたタンパク質を得るためには、例えばMolecuar Cloning: A Laboratory Manual第2版第1−3巻 Sambrook, J.ら著、Cold Spring Harber Laboratory Press出版New York 1989年に記載の部位特異的変異誘発法やPCR法などの方法を用い、本発明のDNA配列に変異を導入する。適当なベクターおよび宿主系を用いて、例えばMolecuar Cloning: A Laboratory Manual第2版第1−3巻 Sambrook, J.ら著、Cold Spring Harber Laboratory Press出版New York 1989年に記載の方法により、変異を導入したDNAを遺伝子工学的に発現させればよい。
【0009】
本発明において「ホスホリパーゼA2活性を有する」とは、「タンパク質は、3-sn-ホスホグリセリドの2-アシルエステル結合をCa2+依存的に加水分解するリン脂質分解活性を有する」ことを意味する。
【0010】
本発明のDNAには、「本発明のDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA」も包含される。「DNA分子にストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA」コード領域のDNAをプローブとして用いることにより得ることが出来る。ここで、「ストリンジェントな条件でハイブリダイズする」とは、例えば、6xSSC、0.5%SDSおよび50%ホルムアミドの溶液中で42℃にて加温した後、0.1xSSC、0.5%SDSの溶液中で68℃にて洗浄する条件でも依然として陽性のハイブリダイズのシグナルが観察されることを表す。
【0011】
本発明のDNAを用いて、組換えタンパク質を生産するには、例えば、前述のMolecular Cloning等の多くの教科書や文献に基づいて実施することができる。具体的には、発現させたいDNAの上流に翻訳開始コドンを付加し、下流には翻訳終止コドンを付加する。さらに、転写を制御するプロモーター配列(例えば、trp、lac、T7、SV40初期プロモーター)等の制御遺伝子を付加し、適当なベクター(例えば、pBR322、pUC19、pSV・SPORT1など)に組み込むことに、宿主細胞内で複製し、機能する発現プラスミドを作製する。
【0012】
次に、発現プラスミドを適当な宿主細胞に導入して、形質転換体を得る。宿主細胞としては、大腸菌などの原核生物、酵母のような単細胞真核生物、昆虫、哺乳類などの多細胞生物の細胞などが挙げられる。好ましくは、哺乳類の細胞であり、哺乳類の細胞としては、CHO細胞、293細胞、COS-7細胞などが例示できる。
【0013】
本発明の抗体は、モロクローナル抗体とポリクローナル抗体のいずれをも含む。モノクローナル抗体の作製にあたっては、まずハイブリドーマを作製する。具体的には、本発明のタンパク質を抗原としてマウスやラットを免疫し、脾臓またはリンパ節からリンパ球を取り出し、ミエローマー細胞と融合させてKoherとMilsteinの方法(Nature, 256, 495-497(1975))に従ってハイブリドーマを作製する。該ハイブリドーマからモノクローナル抗体を産出させることができる。ポリクローナル抗体は、例えば、Antibodies; A Laboratory Manual, Lane,H.D.ら編、Cold Spring Harber Laboratory Press出版 New York 1989年などに記載の方法に従って作製することが出来る。つまり、精製した本発明のタンパク質を抗原として用いて、適切な方法で動物を免疫することにより、抗原となるタンパク質を特異的に認識する抗体を容易に作製し、精製することができる。
【0014】
本発明において「スクリーニング方法」としては、例えば本発明のタンパク質を用いたハイ・スループット・スクリーニングが挙げられる。たとえば、Reynoldsらの方法(Anal. Biochem. 204, 190-197 (1992))に従って、96-穴プレート内に、試料とリン脂質基質(racemic diheptanoyl thio-phosphatidylcholine)ならびに発色試薬(5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid))を入れる。本タンパク質を加えて40℃で適当な時間インキュベートし、その吸光度(OD:405 nm)の変化を測定する。試料を加えない場合での値と比較することにより、その試料の本分泌型PLA2に対する阻害活性を評価し得る。分泌型PLA2は、脂肪酸(例えば、アラキドン酸)の放出に関与している。過剰な脂肪酸の放出は、敗血症ショック、成人呼吸困難症候群、膵炎、外傷、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性関節リウマチ等の疾病の原因となる。本発明のスクリーニング方法により得られる化合物は、分泌型PLA2の活性を阻害する。従って、該化合物は、過剰な分泌型PLA2の生産に起因する敗血症ショックなどの治療に有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を工程の順に説明する。
(1)マウス分泌型PLA2をコードするDNAの配列決定
本発明のマウス分泌型PLA2をコードするDNA断片の配列決定方法を以下に例示する。マウスX型PLA2と相同性を示す配列をESTデーターベースから見出し、その配列に対してプライマーを作製して、マウス脾臓由来のcDNAライブラリー等を鋳型としてPCR(Polymerase Chain Reaction)を行う。得られたDNA断片をDNAシークエンシングにより分析することにより、マウス分泌型PLA2をコードするDNA断片が決定され得る。
【0016】
(A)新規PLA2 cDNA断片の単離とマウス組織での発現パターンの解析
DNA断片が由来する遺伝子と、その遺伝子がコードするタンパク質の機能を解析するためには、この断片から5’側および3’側につながる未同定のcDNAを単離し、同時にこの断片自身の配列を再確認する必要がある。そのためには、まず、その遺伝子の発現量の多い組織を材料に用いることが実験操作上有利である。
【0017】
組織における発現の有無ならびに組織間での相対発現量は、各組織から抽出したmRNAを固定したシートを放射標識したDNA断片(プローブ)とハイブリダイゼーションすることによって確認することができる(ノザン解析)。マウス各組織における発現量をノザン解析によって比較するためには、プローブとして用いるPLA2 cDNA断片を得る必要がある。このような断片は、例えば、ESTデータベースの塩基配列を基に作製したプライマーから、マウス組織由来のcDNA試料を鋳型とするPCRによって単離することが可能である。得られたcDNA断片(配列番号1)をプローブとしたノザン解析を行なった。その結果、該遺伝子は、マウス脾臓に多く発現していることが判明した。
【0018】
(B)マウス分泌型PLA2をコードする全長cDNAの単離
cDNAの既知部分(中央部)の情報から、cDNAの5’端3’端を含む上流下流部分の配列は、例えば、あらかじめ5’端3’端にある特定の配列からなるアダプターDNAが付加されているcDNA試料を鋳型にして、この特定の配列に対応するオリゴマーとPLA2 cDNA断片に特異的なオリゴマーのペアーでPCRを行うことによって得ることができる(Rapid Amplification of cDNA End: RACE法)。cDNA試料としては、発現量の多いマウス脾臓由来のMarathon-ready cDNA(Clontech社)を用いた。配列表の配列番号13と配列番号14に、このようにして得られたマウス分泌型PLA2タンパク質遺伝子を有するDNAの配列とそれによってコードされるアミノ酸配列を示す。
【0019】
(2) 組換え型PLA2タンパク質の発現
本発明のマウス分泌型PLA2タンパク質遺伝子は、適当なベクターに組み込まれて、各分泌型PLA2タンパク質を発現させるための発現ベクターとされる。
この発現ベクターを、例えば、細菌、酵母、昆虫細胞、および動物細胞に導入して、形質転換体が作成される。この形質転換体を培養することにより本発明のマウス分泌型PLA2タンパク質が産生され得る。
例えば、pSVL SV40後期プロモーターの下流に本発明のマウス分泌型PLA2遺伝子を含むベクターを、サル由来細胞COS-7に導入することによって形質転換体を作成し、この形質転換体を5% CO2存在下、37℃で3日間培養することにより、組換え分泌型PLA2タンパク質が産生され得る。
上記で得られた組換え分泌型PLA2タンパク質産生培養物と組換え分泌型PLA2タンパク質を含まないコントロール培養物を、3H-オレイン酸で標識した大腸菌膜リン脂質画分と反応させる。遊離された3H-オレイン酸の量を測定すれば、培養物中の組換え分泌型PLA2の量を表すことができる。
【0020】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに説明する。
本発明の各工程において用いた一般的な実験手法(DNAのアガロースゲル電気泳動、ライゲーション反応、大腸菌の形質転換、DNAの制限酵素による消化、ノザン解析等)はCurrent Protocols in Molecular Biology (F. M. Ausubel et al. Ed., John Wiley & Sons. Inc.)によった。DNAオリゴマーは国際試薬(株)より購入した。データの解析はソフトウェアー開発(株)のGENETYX-SV/RCを用いて行った。また、DNA配列の決定には常に複数のクローンの配列を解析し、PCR反応中に起こる可能性あるmisincorporationの影響を排除した。
【0021】
配列表の配列番号1に、ESTデータベース中に検出されたPLA2をコードすると考えられるcDNA断片の配列を示す。この配列はあくまでも部分配列である。この断片が由来する遺伝子そのものと、その遺伝子がコードする蛋白質の機能を解析するためには、この断片から5’側および3’側につながる未同定のcDNAを単離すると同時にこの断片自身の配列を再確認する必要がある。全長cDNAをクローニングするためには、その遺伝子の発現量の多い組織を材料に用いることが実験操作上有利である。マウス各組織における発現量をノザン解析によって比較するためには、プローブとして用いるPLA2 cDNA断片を得る必要があるが、このようなPLA2 cDNA断片はマウス組織由来のcDNA試料を鋳型とするPCRによって単離することが可能である。
【0022】
実施例1 マウス新規 PLA 2 cDNA 断片の単離
配列番号1のDNA配列をもとに配列番号2から5に示す短鎖DNAオリゴマーを準備した。これらのDNAオリゴマーは図1に示すような位置関係にある。配列番号2と3のオリゴマーペアーからは462塩基対、配列番号4と5のオリゴマーペアーからは400塩基対のPLA2 cDNA断片がPCRによって増幅されると予想できる。さらに、初めに配列番号2と3のオリゴマーで増幅した産物を鋳型とし、続いて配列番号4と5のオリゴマーによるPCRを行えば、高い特異性と感度をもってPLA2 cDNAを増幅することができると期待できる(Nested-PCR)。
【0023】
まず、129/SvJ系統のマウスの組織(脳、心臓、腎臓、脾臓、胃等)から抽出したmRNAを逆転写してcDNA試料を調製した。このcDNA試料を鋳型に、配列番号2と3のオリゴマーを用いてPCRを行った。酵素は宝酒造(株)のTaKaRa Ex Taqを用い、反応組成は当酵素の使用説明書に従った。増幅装置はPerkin Elmer Cetus社のThermal Cyclerを使用し、94℃ 1分、55℃ 1分、72℃ 3分を30サイクルで増幅を行った。反応後、反応溶液の1μlを鋳型として配列番号3と4のオリゴマーで2回目のPCRを行った。反応条件は1回目と同じである。PCR反応液を1.2% アガロースゲル電気泳動にかけ、増幅産物を分離した。その結果、調べたすべての臓器由来のcDNAから、予想されるサイズにDNAが増幅されていた。
【0024】
このDNA断片をゲルから切り出し、スペルコ社のGenElute Agarose spin columnによってDNAの精製を行った。このDNAをInvitrogen社のベクターpCRIIとライゲーションし、ライゲーション液で大腸菌SURE株(Stratagene社)を形質転換した。得られた組み換え大腸菌を培養し、プラスミドDNAを調製した(Pharamcia Biotech社のGFX Micro Plasmid Prep Kit)。ベクターに挿入されたインサート部分の塩基配列をPE Applied Biosystems社のPRISM 310 Genetic Analyzerによって解析した。その結果、配列番号1に示す配列に対応する配列からなるDNAがPCRによって増幅されていたことが明らかとなった。
【0025】
実施例2 マウス各組織における該分泌型 PLA 2 mRNA 発現パターンの解析
組織における発現の有無ならびに組織間での相対発現量は、各組織から抽出したmRNAを固定したシートを放射標識したDNA断片(プローブ)とハイブリダイゼーションすることによって確認することができる(ノザン解析)。実施例1でPCR増幅後精製したDNA断片を、Stratagene社のPrime-It IIを用いて放射標識した。この断片をプローブとしてClontech社のマウスMultiple tissue northern blotをハイブリダイゼーションした。適当な濃度の塩を含む水溶液で洗浄後、オートラジオグラフィーを行った。その結果、調べた臓器の中では脾臓において該PLA2 mRNAが最も多く発現し、1.2kbおよび2.4kbからなる2種類のmRNAが存在することが判明した。
【0026】
実施例3 マウス分泌型 PLA 2 cDNA 全一次構造の決定
cDNAの既知部分(中央部)の情報からcDNAの5’端3’端を含む上流下流部分は、以下のような方法によって単離することができる。既知部分の配列よりアンチセンスオリゴマーならびにセンスオリゴマーをいくつか用意する。cDNA試料として、あらかじめその5’端3’端にある特定の配列からなるアダプターDNAが付加されているものを鋳型にして、この特定の配列に対応するオリゴマーとPLA2特異的なオリゴマーのペアーでPCRを行うことによって、未知部分を含むcDNAを増幅することができる(RACE法)。
cDNA試料としてはClontech社のMarathon-ready cDNA (Mouse spleen)を用いた。RACE法に用いたオリゴマーを配列番号6から10に示す。このうち配列番号6、7、8は5’上流域を単離するためのアンチセンスオリゴマー、配列番号9と10は下流域を単離するためのセンスオリゴマーである。
【0027】
RACE法も中央部分のPCR増幅と同様にNested PCRで行なった。5’側RACEには、1回目のPCRでは配列番号6のオリゴマーとClontech社のcDNA試料に添付のオリゴマーAP-1を、2回目のPCRには配列番号7のオリゴマーとcDNA試料(Clontech)添付のAP-2を用いた。3’側RACEには、1回目には配列番号9のオリゴマーとAP-1、2回目には配列番号10のオリゴマーとAP-2を用いた。酵素はTaKaRa Ex Taqを使用し、1回目は94℃ 1分、60℃ 1分、72℃ 2分を30サイクル、2回目は94℃ 1分、62℃ 1分、72℃ 2分を同じく30サイクルで増幅を行った。PCR後、電気泳動を行い増幅産物を分離した。その結果、5’側RACEからは約220塩基対、3’側RACEからは約950塩基対のバンドが検出された。これらのDNAを実施例1と同様にクローニングし、その塩基配列を決定した。
【0028】
5’側RACEについては、ここまでの過程で明らかになった配列から新たにアンチセンスオリゴマー(配列番号8)を準備し、Nested-PCRの2回目に先の配列番号7のオリゴマーに代わって配列番号8のオリゴマーを用いたPCRを行って、さらに上流域を含むクローンを得た。
ここまでの過程で、PLA2 cDNAを上流域、中央部、下流域の3つの領域で部分的に単離した。これらのcDNAが連続した1つのcDNAとして存在していることを確認する目的で、配列番号11と12に示すオリゴマーを準備し、Clontech社のMarathon-ready cDNA (Mouse spleen)を鋳型にしたPCRを行った。酵素はStratagene社のNative Pfu polymeraseを用い、94℃ 1分、60℃ 1分、72℃ 4分を30サイクルで増幅を行った。増幅されたDNAを、先述したようにクローニングし、塩基配列の決定を行った。決定されたcDNAの配列を配列番号13に、それによってコードされるアミノ酸配列を配列番号14に示す。
【0029】
タンパク質をコードしている部分の鎖長からPLA2タンパク質のアミノ酸残基数は145であることがわかった。本タンパク質は、分泌型PLA2ファミリー分子間で保存されている全ての構造的特徴(PLA2活性中心部位、Ca2+結合部位の配列、Cys残基数)を保持していた。しかしながら、本タンパク質は、既知の分泌型PLA2と異なる配列から構成されており、アミノ酸レベルでの相同性は、マウスIB型と40.0%、マウスIIA型と46.3%、マウスIIC型と40.0%、マウスV型と41.4%、マウスX型と37.6%であった。
【0030】
実施例4 組み換え型 PLA 2 の発現
実施例3で単離したマウス分泌型PLA2の cDNAを鋳型にして、配列番号15と16に示すオリゴマーを用いてPCRを行い、cDNA配列のなかでアミノ酸をコードする部分(コーディング領域)を増幅した。配列番号15に示すオリゴマーは制限酵素NotIで認識される配列とmRNAからタンパク質への翻訳を促進する配列(Kozak sequence)持ち、配列番号16に示すオリゴマーは制限酵素XbaIで認識される配列を持つ。コーディング領域にはNotIとXbaIが認識する配列はない。従って、PCRで増幅されたcDNA断片をこれらの制限酵素で消化すると、コーディング領域に対応するcDNAが翻訳開始点の上流にKozak配列を含み、さらにNotIとXbaIによって切断された切り口をそれぞれ上流側、下流側の末端にもつcDNAとして調製される。
【0031】
PLA2発現ベクターは、このcDNAを哺乳動物細胞用の発現ベクターであるpcDNA 3.1(+) (Invitrogen社)のプロモーター下流に順方向になるようNotI、XbaIサイト間に挿入して作成した。プロモーターからPLA2 cDNAにかけての塩基配列を再決定し、構築上人為的な変異が導入されていないことを確認した後、PLA2発現ベクターをサル腎臓由来の培養細胞であるCOS-7細胞に導入した。導入には、Gibco BRL社のLipofectAMINEトランスフェクション試薬を用い、方法は使用説明書に従った。導入3日後に、培養上清および細胞ライセート中のPLA2活性を測定した。PLA2活性の測定は、3H-オレイン酸で標識した大腸菌膜リン脂質画分を基質として、(Elsbachら、Methods Enzymol. 197, 24-31 (1991))の方法に従って行った。その結果、PLA2 cDNAを挿入していないコントロールプラスミドを導入した細胞に比べて、有意に高いPLA2活性が培養上清中に検出され、分泌型PLA2であることが確認された(図2)。また、その酵素活性の発現には高濃度のCa2+が必須であった(図3)。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、マウス分泌型PLA2;マウス分泌型PLA2をコードするDNA;該DNAを含む発現ベクター;該発現ベクターを有する形質転換体;該形質転換体を用いたマウス分泌型PLA2の製造方法が提供される。
本発明の分泌型PLA2を用いることで、分泌型PLA2が関与する疾病の解析手段を提供するとともに、本酵素を特異的に阻害する化合物の探索手段をも提供するものである。その抗体を用いた測定系は、種々の疾患の診断に応用することが可能である。
【0038】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 配列番号2、3、4および5のオリゴマーの相対的な位置関係を示す略図である。
【図2】 本発明のマウスPLA2をコードする遺伝子を有する形質転換体と、PLA2を有さない形質転換体のPLA2活性を示す図である。
【図3】本発明のマウスPLA2をコードする遺伝子を有する形質転換体の培養上清中のPLA2活性のCa2+依存性を示す図である。

Claims (13)

  1. 配列番号14の1位のGlyから125位のCysまでのアミノ酸配列を含むタンパク質。
  2. 配列番号14の−19位のMetから125位のCysまでのアミノ酸配列を含む請求項1記載のタンパク質。
  3. 請求項1または2に記載のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入または付加されたアミノ酸配列を含み、かつホスホリパーゼA2活性を有するタンパク質。
  4. 請求項1、2または3のいずれかに記載のタンパク質をコードするDNA。
  5. 配列番号13の93位のGから467位のCまでの塩基配列を含む請求項4記載のDNA。
  6. 配列番号13の36位のAから467位のCまでの塩基配列を含む請求項5記載のDNA。
  7. 請求項5また6に記載の塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、ホスホリパーゼA2活性を有するタンパク質をコードするDNA。
  8. 請求項4から7のいずれかに記載のDNAを有する発現ベクター。
  9. 請求項8記載の発現ベクターを宿主に導入して得られる形質転換体。
  10. 宿主が哺乳類細胞株である請求項9記載の形質転換体。
  11. 請求項9または10に記載の形質転換体を培養する工程、および生産された組換えタンパク質を培養培地から回収する工程を包含する、組換え分泌型ホスホリパーゼA2の製造方法。
  12. 請求項1、2または3のいずれかに記載のタンパク質を特異的に認識する抗体。
  13. 請求項1、2または3に記載のタンパク質を用いた、ホスホリパーゼA2活性を特異的に阻害する化合物のスクリーニング方法。
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