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JP4165053B2 - 反応槽内の付着物の除去方法 - Google Patents

反応槽内の付着物の除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応槽内の付着物の除去方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、オレフィン重合用固体触媒の固体成分を合成する反応に用いた反応槽内のバッフル及び攪拌機軸に付着した付着物を除去する方法であって、反応槽の開放や、高圧水によるジェット洗浄をせずに、短時間で経済的に除去することができるという優れた特徴を有する反応槽内の付着物の除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン重合用固体触媒の固体成分の合成反応での攪拌機の回転数は、固体成分の粒径を制御する因子となっている。固体成分の合成反応時、攪拌の混合効果を向上する目的で、還元槽にバッフルが備えられるが、反応槽内の液面レベル付近から上部のバッフル部、攪拌機軸には攪拌による飛沫などにより、飛散した固体成分が付着し、徐々に大きく成長する。
【0003】
バッフルに固体成分が付着し成長した場合、還元槽の混合状態が付着していない場合と違ってくるため、制御したい固体成分の粒径に収斂しない現象がおこる。また、攪拌機軸に固体成分が付着し成長した場合は、攪拌機回転時のバランスが崩れ、軸固定部を破壊する等機械トラブルを引き起こす原因となる。
【0004】
付着物した固体成分の除去のために、反応槽を開放し、高圧水によるジェット洗浄等による物理的な力で付着物を壊しながら、除去するのが一般的な方法であった。この方法は、反応槽の開放のための準備として、反応槽内を窒素等不活性ガスで置換を行なったり、高圧水によるジェット洗浄後の廃水処理も行わなければならず、経済的負担も大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、オレフィン重合用固体触媒の固体成分を合成する反応に用いた反応槽内のバッフル及び攪拌機軸に付着した付着物を除去する方法であって、反応槽の開放や、高圧水によるジェット洗浄をせずに、短時間で経済的に除去することができるという優れた特徴を有する反応槽内の付着物の除去方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の極性溶剤を使用することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、オレフィン重合用固体触媒の固体成分を合成する反応に用いた反応槽内のバッフル及び攪拌機軸に付着した付着物を除去する方法であって、一般式R1OH(R1は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるアルコール、一般式R2COR3(R2及びR3は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表されるケトン及びアセチルアセトンからなる群から選ばれる少なくとも一種である極性化合物を含む溶剤中に付着物を溶解して除去する反応槽内の付着物の除去方法に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
オレフィン重合用固体触媒の固体成分としては、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を含有し、かつ該固体触媒の平均粒径が3〜60μmのものを例示することができる。一般にオレフィン重合用固体触媒は、例えばSi−Oを有する有機系ケイ素化合物及びエステル化合物の存在下、一般式Ti(OR1a4-a(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、aは、0<a<=4の数字を表す。)で表されるチタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体成分に、エーテル化合物と四塩化チタン混合物、もしくはエーテル化合物と四塩化チタンとエステル化合物の混合物で処理することで得られる3価のチタン化合物含有固体触媒があげられる。
【0008】
オレフィン重合用固体触媒の固体成分の合成反応では、適当な溶剤に溶解もしくは希釈したチタン化合物、有機ケイ素化合物及びエステル化合物を投入した反応槽に、攪拌しながら有機マグネシウム化合物を添加する方法、あるいは、逆に、適当な溶剤に溶解もしくは希釈した有機マグネシウム化合物の溶液を投入した反応槽に、攪拌しながらチタン化合物、有機ケイ素化合物及びエステル化合物の混合物を添加する方法がある。溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン用の脂肪族炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等エーテル化合物があげられる。
【0009】
本発明においては、一般式R1OH(R1は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるアルコール、一般式R2COR3(R2及びR3は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表されるケトン及びアセチルアセトンからなる群から選ばれる少なくとも一種である極性化合物を含む溶剤中に付着物を溶解して除去する。
【0010】
一般式R1OH(R1は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、iso−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−ヘキサノール、sec−ヘキサノール、シクロへキサノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノールで等をあげることができ、汎用性、取り扱い性の容易さの観点から、n−ブタノールが好ましい。
【0011】
一般式R2COR3で表されるケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチル−イソブチルケトン、ジイソブチルケトン等をあげることができる。
【0012】
溶剤は上記の極性化合物と不活性炭化水素の混合液であることができる。不活性炭化水素としては、トルエン、キシレン、ケロシン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等をあげることができる。極性化合物/不活性炭化水素の混合比率は、容量で1/15〜1/60であることが好ましい。該比が過小であると 付着物の溶解が不十分となり、付着物除去が達成されない場合があり、一方該比が過大であると 除去作業終了後、極性化合物の反応槽からの置換のために多くの時間と多量の洗浄用溶媒を使用し、経済上不利となる場合がある。
【0013】
付着物の溶解を行う具体的な方法の例としては、次の方法をあげることができる。
▲1▼バッフル、攪拌機軸に付着物が付着している反応槽に、バッフル、攪拌機軸の付着物の両者が浸る量の不活性炭化水素を、反応槽に備えられている内部観察窓で確認しながら、積算流量計を介して供給する。攪拌機は起動していても、していなくともよい。
▲2▼続いて、供給された不活性炭化水素の量を分母とし、1/30〜1/60の割合の量の極性化合物を積算流量計を介して、反応槽に供給し、混合液とする。
▲3▼不活性炭化水素、極性物質の反応槽への供給終了後、攪拌機が起動していない場合は、起動する。攪拌機の回転数は、反応槽内で混合液が流動していることが内部観察窓から確認できる程度の回転数でよい。反応槽の圧力は、反応槽の設計耐圧以下となるよう混合液の温度を調整する。
【0014】
溶解時の溶剤の温度は、室温〜200℃であることが好ましい。該温度が低すぎると付着物の溶解に要する時間が長くなる場合がある。一方該温度が高すぎると反応槽内圧力が高くなり、圧力調整のため脱ガス量が多くなるため、反応槽の混合液量の減少し、付着物が混合液に浸らなくなる場合がある。
【0015】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例のみに限定されるものではない。
ここであげるオレフィン重合用固体触媒の固体成分の合成反応では、水分及び酸素の存在しない不活性溶媒、不活性ガス中での反応を行うことが、必須のものである。
【0016】
実施例1
[固体成分の還元反応]
特開平10−212312号公報に記載の実施例1の内容に準じてオレフィン重合用固体触媒の固体成分の還元反応を反応槽でおこなった。還元反応はバッチ方式で行った。
内径1.2mで、容積が約3m3のジャケット付反応槽を露点−70℃の窒素で充分に置換と乾燥を行った後、脱水したヘキサン1160リットルとテトラブトキシチタン36kgとフタル酸ジイソブチル14kgとテトラエトキシシラン349kgを投入し、攪拌機の回転数130rpmで攪拌し均一溶液とした。つぎに、n−ブチルマグネシウムクロライドのジーn―ブチルエーテル溶液852リットルを反応槽の温度を8℃に保ち、5時間かけて徐々に投入した。
投入終了後8℃で1時間攪拌した後、20℃でさらに1時間攪拌した。
かかる合成反応を反応槽で、10数バッチ行ったところ、反応槽のバッフルと攪拌機軸の液面付近又は、それらの上部に直径で約20cm大の付着物が形成されていることが、反応槽に備えられている内部確認用の窓から確認された。
[付着物の除去]
固体成分の付着物が付着した反応槽にヘキサン2500リットルを加え、室温で、160rpmの回転数で、3時間 攪拌を継続した。続いて、このヘキサンを反応槽から抜き出し、反応槽に備えられている内部確認用の窓から反応槽内部を確認したところ、付着物は攪拌によって崩れることもなく洗浄する前と特に変化はなかった。
次に固体成分の付着物が付着した反応槽にヘキサン2500リットルとn−ブタノール100リットルを加え、室温で、160rpmの回転数で、約3時間 攪拌を継続した。続いて、この混合液を反応槽から抜き出し、反応槽に備えられている内部確認用の窓から反応槽内部を確認したところ、付着物は全くなくなっていた。
反応槽の使用を再開するにあたっては、n−ブタノールがオレフィン重合用固体触媒の重合活性を低下させる被毒物となることから、これを完全に除くために、露点−70℃の乾燥窒素を反応槽に毎分約1〜2m3で約2〜3時間通気させた。
以上、反応槽へn−ブタノールの投入から反応槽の乾燥窒素の通気による乾燥終了までに要した時間は約7時間であった。
【0017】
比較例1
付着物した固体成分の除去のために、反応槽を開放し、高圧水によるジェット洗浄による物理的な力で付着物を壊しながら除去した例について説明する。
▲1▼オレフィン重合用固体触媒の固体成分の合成反応を行う反応槽の開放する場合、反応槽内部が炭化水素溶媒やハロゲン化合物が残留しているので、窒素ガスを反応槽に通気させ、これらを槽内部から完全に除去した。
▲2▼続いて、反応槽内に空気を通気させ、反応槽内の窒素を空気と置換を行った。
▲3▼続いて、反応槽のマンホール部を開放し、高圧水によるジェット洗浄を行い、付着物の除去を行う。▲4▼高圧水によるジェット洗浄終了後、反応槽のマンホール部を閉じ、反応槽内部の水分を完全に除去するため、露点が−70℃近辺の乾燥窒素を通気させた。水分の除去完了は、通気させている乾燥窒素の排気窒素の露点が−65℃以下とした。
以上の▲1▼〜▲4▼までの一連の作業には、約60時間を要した。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、オレフィン重合用固体触媒の固体成分を合成する反応に用いた反応槽内のバッフル及び攪拌機軸に付着した付着物を除去する方法であって、反応槽の開放や、高圧水によるジェット洗浄をせずに、短時間で経済的に除去することができるという優れた特徴を有する反応槽内の付着物の除去方法を提供することができた。

Claims (7)

  1. オレフィン重合用固体触媒の固体成分を合成する反応に用いた反応槽内のバッフル及び攪拌機軸に付着した付着物を除去する方法であって、一般式R1OH(R1は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)で表されるアルコール、一般式R2COR3(R2及びR3は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表されるケトン及びアセチルアセトンからなる群から選ばれる少なくとも一種である極性化合物を含む溶剤中に付着物を溶解して除去する反応槽内の付着物の除去方法。
  2. 一般式R1OHで表されるアルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、iso−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−ヘキサノール、sec−ヘキサノール、シクロへキサノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール又は2−オクタノールである請求項1記載の方法。
  3. 一般式R2COR3で表されるケトンが、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチル−イソブチルケトン又はジイソブチルケトンである請求項1記載の方法。
  4. 溶剤が請求項1記載の極性化合物と不活性炭化水素の混合液である請求項1記載の方法。
  5. 不活性炭化水素がトルエン、キシレン、ケロシン、ブタン、ペンタン、ヘキサン又はヘプタンである請求項4記載の方法。
  6. 付着物の溶解を室温〜200℃の範囲で加熱して行う請求項1記載の方法。
  7. オレフィン重合用固体触媒の固体成分が、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を含有し、かつ該固体触媒の平均粒径が3〜60μmである請求項1記載の方法。
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