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JP4146364B2 - 塑性加工部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は時効硬化型のアルミニウム合金からなる塑性加工部材及びその製造方法に関するものであり、特に、コンプレッサ用のスクロール部材に用いられる塑性加工部材の製造方法に関するものである。
従来、コンプレッサ等に用いられるスクロール部材は、アルミニウム合金を原料として鍛造で製造されている。ここで用いられるアルミニウム合金としては、例えば、Cuの析出硬化で最終的な強度を持たせたAl−Si−Cu−Mg系の時効硬化型合金等を例示できる。
図13にスクロール部材の斜視図を示し、図14にスクロール部材を製造する際に使用する金型の斜視図を示す。図13に示すように、スクロール部材(塑性加工部材)1は、円盤状のフランジ2と、このフランジ2の一面2a上に立設された渦巻き状のフィン3とから構成されている。また図14に示すように、スクロール部材1の製造に使用する金型(工具)4は、スクロール部材1のフィン3を成型するための下型5と、下型5にアルミニウム合金からなるビレット(合金塊)6を押し込んで鍛造する上パンチ7とから構成されている。
また、図15にスクロール部材1の従来の製造工程を示す。従来のスクロール部材1の製造工程は、鍛造工程と、溶体化処理工程と、時効硬化処理(T6)工程とから構成されている。
鍛造工程では、まず連続鋳造で鋳造棒を製造し、この鋳造棒を輪切りにしてビレット6とする。次にこのビレット6を図14に示した金型4で鍛造する。鍛造の際には、金型4を予め200〜350℃に予熱しておき、次いでビレット6を400℃程度まで加熱してから、ビレット6を下型5に入れて上パンチ7を上から押し込んで鍛造し、この鍛造材を金型4から取り出して空冷する。
次に、溶体化処理工程では、鍛造材を例えば510℃で5時間の条件で加熱することによりCuを完全に固溶させ、続いて水焼き入れにより急冷して固溶体とする。そのあと、時効硬化処理工程として、170℃、6時間の条件でT6処理を行うことによりAlCu化合物を析出させる。その後、最終的な仕上げ加工を行って、図13に示すようなスクロール部材1が得られる。
上述したように、従来の製造方法では、所定の形状に加工する塑性加工(鍛造)と溶体化処理とを別々に行っていたが、最近では工程を省力化すべく、塑性加工と溶体化処理とを連続して行うことが試みられている。下記特許文献1〜3には、塑性加工と溶体化処理とを連続して行う方法が開示されている。
特開2000−212708号公報 特開2000−239810号公報 特開平11−12705号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の方法では、塑性加工後の製品の温度が540〜560℃と高温であり、また後段の冷却漕に達するまでの間、製品温度を520℃以上に維持するため、冷却されるまでに長時間を要する。この間に、塑性加工による歪みが解放されて再結晶および粒成長が生じて粗大結晶粒組織となり、十分な靱性が得られないという課題があった。
また、特許文献3に記載の方法においても、熱間鍛造後のアルミニウム合金が420℃未満になる前に焼き入れ処理を行うため、焼き入れまでの間に塑性加工による歪みが解放されてしまい、これにより再結晶粒が粗大化し、十分な靱性が得られないという課題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、結晶粒径が小さく靱性に優れた時効硬化型アルミニウム合金からなる塑性加工部材、製造工程を大幅に省略しながら製造する方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、時効硬化型アルミニウム合金からなる合金塊を鋳造した後、合金塊を予め400℃以上融点未満に加熱してから、予め−100〜100℃に保持された工具によって合金塊を塑性加工することにより時効析出元素が固溶されるとともに、高密度の転位がそのまま維持されてなる過飽和かつ過冷却状態の成型材を得る工程と、成型材に対して時効硬化処理を行う工程と、を備えたことを特徴とする塑性加工部材の製造方法を提供する。なお、時効硬化処理は、合金組成に対応させてT5処理、T6処理などを選択できる。
本発明によれば、所定温度に加熱した合金塊を、予め−100〜100℃に保持された工具によって所定の形状に成型すると同時に、温度の低い工具によって合金塊が急冷されることにより、過飽和かつ過冷却状態の固溶体(成型材)が得られる。この成型材にはCu等の時効析出元素が固溶している。またこの成型材には、合金塊が高温で塑性変形を受けたことにより蓄積された高密度の転位がそのまま維持(本願明細書では組織凍結という)できている。このような特殊な状態の成型材に対して時効硬化処理を行うと、Cu等の時効析出元素の析出と、(高密度)転位部を起点とする再結晶とが同時に起こり、析出したAlCu化合物によって再結晶粒界がピン止めされて再結晶粒の粗大化が抑制される。その結果、平均結晶粒径が10μm以下というきわめて微細結晶組織が得られると同時にAlCu化合物の時効析出による強化も可能である。このように本発明によれば、成型材の時効析出強化と微細結晶粒組織を同時に達成することができ、高強度且つ靭性に優れた塑性加工部材を提供することができる。
また本発明によれば、予め−100〜100℃に保持された工具を用いるため、塑性加工と溶体化処理が同時に行われることになるため、塑性加工後に溶体化処理を行っていた従来よりも工程を短縮することができる。なお、塑性加工と同時になされる合金塊の冷却は、塑性加工直後の合金塊温度を170℃以下にすることが本発明の効果を享受する上で望ましい。
また、本発明においては、前記工具を予め−10〜10℃の範囲に保持することが望ましい。そうすることにより、成型材の組織中に凍結される転位が過剰になることがなく、時効析出元素の析出と再結晶粒の析出とをバランスよく起こすことができ、平均粒径が5μm以下のより微細な微細結晶組織を得ることができる。
また、本発明においては、工具により合金塊を塑性加工してから成型材を水中に投入して急冷処理(以下、水中急冷)することもできる。この構成により、工具の温度が比較的高い場合でも合金塊を十分に急冷することができ、過飽和かつ過冷却状態の固溶体を容易に得ることができる。なお、水中急冷する場合には、塑性加工終了後に成型材を工具にて実質的に保持する必要がない場合もある。
さらに本発明では、塑性加工終了後、数秒から数分の間保持して成型材が十分に冷却された後に成型材を工具から取り出しても良い。また、塑性加工としては、鍛造、押し出し等の手法を用いることができる。更に、工具としては、鍛造用の金型や、押し出し成型用の金型を例示することができる。
また、本発明において合金塊を加熱する温度は、Cu等の添加元素の固溶温度より低めの温度でも良いが、固溶温度より高温であってもよく、例えば、400℃以上、さらには500℃以上にしてもよい。さらに、結晶粒を十分に微細化するために、時効処理の条件として保持温度が160〜180の範囲で、所定時間保持する条件とすることが望ましい。
また、本発明に適用可能な時効硬化型アルミニウム合金としては、塑性加工できる程度の強度と伸びを有するものであればよい。特に、時効析出元素としてCu等を含有するものが望ましい。具体的には、2000系、6000系アルミニウム合金または7000系アルミニウム合金を用いることが望ましい。また、JISで規定される鋳物用アルミニウム合金、例えばAC8C等を用いることもできる。
本発明の塑性加工部材の製造方法によれば、塑性加工部材の金属組織に平均粒径10μm以下の微細結晶粒を析出させることができ、靭性に優れた塑性加工部材を製造することができる。また、塑性加工と溶体化処理を同時に行うので、従来の方法と比べて製造工程を省略することができ、塑性加工部材の生産性を向上することができる。
また、本発明により製造される塑性加工部材によれば、平均結晶粒径10μm以下の微細結晶組織を有しており、靭性を向上することができる。
更に本発明により製造される塑性加工部材を適用したスクロール部材によれば、靭性及び疲労強度が高く、高性能なスクロール部材とすることができる。
以下、本発明の塑性加工部材の製造方法を、コンプレッサ用のスクロール部材に適用した例について説明する。この製造方法は、図1に示すように、合金塊を鍛造・溶体化処理して成型材を得る工程と、成型材を時効硬化処理してスクロール部材を得る工程とから構成されている。以下、各工程について図1を参照しつつ説明する。
まず、合金塊を鍛造・溶体化処理する工程では、時効硬化型アルミニウム合金からなる合金塊を鋳造し、この合金塊を予め400℃〜融点の温度範囲に加熱してから、−100〜100℃に保持した金型によって鍛造(塑性加工)する。金型を−100〜100℃の範囲に保持しているため、合金塊は鍛造開始と同時に急冷される。この急冷は、例えば時効硬化処理の保持温度である170℃以下まで行う。この工程により、Cu等の時効析出元素が固溶されるとともに、高密度の転位がそのまま組織凍結されてなる過飽和かつ過冷却状態の固溶体(成型材)が得られる。
素材としての時効硬化型アルミニウム合金には、少なくとも添加元素としてCuを有するものを用いることができる。また、鍛造等の塑性加工が可能な程度に強度や伸びを有するものが好ましい。このような合金の具体例として例えば、JIS 2000系、JIS 6000系の合金(例えば、A6061、A6063)やJIS 7000系(例えば、A7075)の合金を例示することができる。また、Cuを含有する鋳物用アルミニウム合金を用いることもできる。
合金塊は予め、400℃以上、好ましくは450℃以上、より好ましくは500℃以上に加熱しておく。合金塊を加熱しておくことで、鍛造前において合金塊に含まれる添加元素を固溶させることができる。なお、合金塊をアルミニウムの融点温度以上にすると、合金塊の鍛造が困難になるので好ましくない。
次に、鍛造に用いる工具として、図14に示す金型4を用いることができる。この金型4は、予め−100〜100℃の範囲に維持しておくことが望ましく、−10〜10℃の範囲にしておくのがより望ましい。金型4の温度を低くするには、例えば、液体窒素中に金型4を浸積させればよい。このようにして金型4を予め−100〜100℃の範囲にしておくことで、鍛造するのと同時に合金塊を急冷させることができる。これにより、Cu等の時効析出元素をアルミニウムに固溶させたままにしておくことができる。また、合金塊が高温で塑性変形を受けたことにより蓄積される高密度の転位を組織凍結させることができる。こうすることで、後述する時効硬化処理を行ったときに、スクロール部材の組織中に微細結晶粒組織を発現させることができる。
金型4の温度が100℃を超えると、合金塊を十分に冷却できず、Cu等の添加元素が析出してしまい、完全な固溶体が得られないので好ましくない。また金型4の温度が−100℃より低くなると、組織中に過剰な転位が形成され、却って結晶粒が粗大化してしまうので好ましくない。
また、鍛造後の成型材が高温状態であると、鍛造により生じた転位が解放されるとともに、Cuが析出してしまう虞がある。従って鍛造と同時に成型材を170℃以下、より好ましくは100℃以下まで急冷することが望ましい。通常、金型4の温度を50℃以下に冷やしておけば、成型材を170℃以下に容易に冷却できるが、万一、成型材が170℃以下まで冷却されない場合には、金型4から成型材を取り出してすぐに水中急冷することが望ましい。
成型材が170℃以下、好ましくは100℃以下に冷却されていれば、直ちに時効硬化処理に移すことが望ましい。こうすることで、成型材が室温まで冷却された場合と比べて、時効硬化処理時の昇温時間が短くなり、製造コストを低減することができる。
また、鍛造後の成型材が170℃以下に冷却されると見込める場合でも、水中急冷を更に行うことにより、成型材を室温まで冷却させ、これにより成型材のハンドリングを容易にして生産性を高めることもできる。
また、成型材を十分に冷却するには、鍛造してから60秒程度の間、成型材を金型4内に保持しておいても良い。成型材を金型4に接触させておくことで、成型材の熱を金型4に放熱させて成型材を冷却するのである。ただし、60秒に限るものではなく、60秒を超えても同等の効果が得られるし、60秒未満でも効果が得られる場合がある。
また、鍛造の際には、上パンチ7の押出速度を20mm/秒以上とすることが好ましい。押出速度が低すぎると、鍛造途中で冷却が進むことにより変形抵抗が高くなり、成形中割れが生じて上手く成形できなくなる恐れ等があるためである。
次に、鍛造後の成型材に対して時効硬化処理を行う。この工程により、成型材の組織中に平均結晶粒径が10μm以下の微細結晶組織が形成される。と同時に析出強化できる。
時効硬化処理は、合金組成に対応させてT5処理、T6処理を選択できる。時効硬化処理としてT6処理を行う場合は、160℃以上180℃以下の保持温度で、2時間以上の範囲で保持することが望ましい。保持温度及び保持時間が不十分だと、AlCuの時効析出と再結晶が不十分であるので好ましくなく、保持温度及び保持時間が過剰になると、結晶粒が粗大化するおそれがあるので好ましくない。
鍛造・溶体化処理された成型材に対して時効硬化処理を行うと、Cu等の時効析出元素の析出と、組織凍結された転位を起点とする再結晶化とが同時に起こり、析出したAlCuによって再結晶粒界がピン止めされて再結晶粒の粗大化が抑制される。このようにして、平均結晶粒径が10μm以下の微細結晶組織を有するスクロール部材1が得られる。得られたスクロール部材1は、靭性が高く、疲労強度に優れたものとなる。
得られたスクロール部材1は、平均結晶粒径が10μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下の微細結晶組織を備えた時効硬化型の鍛造品である。従来から、時効硬化型アルミニウム合金で、時効効果処理後に於いてこれほど微細な結晶粒組織を有する鍛造品は他に例がない。塑性加工を繰り返すことによって結晶粒を微細化させた塑性加工品は従来からあるが、このような従来の塑性加工品は熱処理工程を経ていないため、加熱されると結晶粒が容易に粗大化して靭性が大幅に低下してしまう。本発明に係るスクロール部材1は、析出したAlCu化合物によって再結晶粒界がピン止めされているので、熱処理しても結晶粒の粗大化が起こりにくい。従って、本発明に係る塑性加工部材と従来品とを区別するには、熱処理してから結晶組織を観察すればよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
鋳物用のアルミニウム合金(JIS AC8C−T6相当品(Al−9Si−2Cu−0.4Mg)を鋳造して鋳造棒とし、この鋳造棒にピーリング、輪切り加工を施すことにより、直径79mm、厚さ28mmの円板状の合金塊を製造した。次に、図14に示す金型4を室温(25℃)程度に保持しておき、金型4の上パンチ7と下型5の間に500℃に加熱した合金塊を配置し、20mm/秒の押出速度で上パンチ7を下型5に向けて約1秒間押し込んで鍛造を終了した後に、そのままの状態で30秒間保持することにより成型材を得た。30秒保持後の成型材の温度は110℃であり、金型4から成型材を取り出してすぐに成型材を水中急冷した。
次に、得られた成型材に対して、保持温度170℃、保持時間6時間の条件でT6熱処理を行った。このようにして実験例1(実施例)のスクロール部材を製造した。
次に、実験例2(比較例)のスクロール部材を以下の工程により製造した。
まず、図14に示す金型4を250℃に加熱しておき、金型4の上パンチ7と下型5の間に、500℃に加熱した先程と同じ合金塊を配置し、20mm/秒の押出速度で上パンチ7を下型5に向けて 約1秒間押し込んで鍛造を終了した後に成形体を直ちに取り出した。取り出し直後の成型材の温度は360℃であり、金型4から成型材を取り出してから空冷した。次に、空冷後の成型材に対して、保持温度510℃、保持時間5時間、保持後に水焼き入れする条件で溶体化処理を行った。更に溶体化処理後の成型材に対して、実験例1と同様にT6熱処理を行った。このようにして実験例2(比較例)のスクロール部材を製造した。
実験例1及び2のスクロール部材について、光学顕微鏡により金属組織観察を行った。図2に実験例1の顕微鏡写真を示し、図3に実験例2の顕微鏡写真を示す。また、実験例1及び2のスクロール部材について、T6熱処理時の時効硬化曲線を測定した。図4には、実験例1及び2について、ビッカース硬度(Hv)と熱処理時間との関係をグラフで示す。
図2に示すように、実験例1(実施例)では、平均粒径が2〜3μm程度の微細結晶組織が形成されていることが分かる。一方、図3に示すように、実験例2(比較例)では、平均粒径が100μm以上の粗大な結晶粒が形成されていることが分かる。実験例2(比較例)で結晶粒が粗大化したのは、鍛造後の空冷によってAlCu化合物相が形成され、このAlCu化合物相が溶体化処理によっても溶体化せずにそのまま残存し、完全な固溶体が得られなかったためと解される。
また、図4に示すように、実験例1(実施例)ではT6熱処理の開始とともに硬度が直ちに上昇し、Hv150以上の硬度が得られているが、実験例2(比較例)では硬度の上昇が緩慢で、硬度もHv140程度と実験例1(実施例)よりも低くなっている。これは、結晶粒の大きさの違いによるものと考えられる。
鍛造終了後の金型内での保持時間を0秒としたこと以外は上記実験例1と同様にして実験例3(実施例)のスクロール部材を製造した。
また、鍛造終了後の金型内での保持時間を15秒としたこと以外は上記実験例1と同様にして実験例4(実施例)のスクロール部材を製造した。
さらに上記実験例1と同様にして、鍛造終了後の金型内での保持時間が30秒である実験例5(実施例)のスクロール部材を製造した。
さらにまた、鍛造終了後の金型内での保持時間を60秒としたこと以外は上記実験例1と同様にして実験例6(実施例)のスクロール部材を製造した。
実験例3(実施例)のスクロール部材について、光学顕微鏡により金属組織観察を行った。図5及び図6に実験例3の顕微鏡写真を示す。また、実験例2(比較例)及び実験例3〜6(実施例)のスクロール部材について、T6熱処理時の時効硬化曲線の測定結果を図7に示す。
図5及び図6に示すように、実験例3(実施例)では、平均粒径が2〜3μm程度の微細結晶組織が形成されており、図3の実験例2(比較例)よりも微細な結晶粒組織を有していることが分かる。
また、図7に示すように、実験例3〜6(実施例)ではT6熱処理の開始とともに硬度が直ちに上昇し、Hv145以上の硬度が得られているが、実験例2(比較例)では硬度の上昇が緩慢で、硬度もHv140程度と実験例3〜6(実施例)よりも低くなっている。これは、結晶粒の大きさの違いによるものと考えられる。また、実験例3〜6(実施例)の間では、鍛造時の保持時間の違いの影響は特に見られない。
合金塊の温度を420℃とし、金型を液体窒素で冷却して−50℃とし、鍛造終了後の金型内での保持時間を0秒としたこと以外は実験例1と同様にして成型材を得た。鍛造終了直後の成型材を金型から取り出してすぐに水中急冷した。
次に、水中急冷後の成型材に対して、保持温度170℃、保持時間6時間の条件でT6熱処理を行った。このようにして実験例7(実施例)のスクロール部材を製造した。
実験例7(実施例)のスクロール部材について、光学顕微鏡により金属組織の顕微鏡観察を行った。結果を図8及び図9に示す。また、実験例7(実施例)及び上記の実験例2(比較例)のスクロール部材について、T6熱処理時の時効硬化曲線を測定した。結果を図10に示す。
図8及び図9に示すように、実験例7(実施例)では、平均粒径が3〜4μm程度の微細結晶組織が形成されており、図3の実験例2(比較例)よりも微細な結晶粒組織を有していることが分かる。
また、図10に示すように、実験例7(実施例)では熱処理時間が5時間を超えると硬度が低下していることが分かる。従って、実験例7の製造条件ではT6熱処理を5時間程度にするのが良いことがわかる。
また、実験例7の製造条件では、金型を−50℃にしているため、成型材を十分に急冷することができる。このため、成型材の金型内保持を省略することができ、工程の所要時間を大幅に低減することができる。
更に、実験例7の製造条件では、合金塊の温度を、Cuの固溶温度より低い420℃にしているにもかかわらず、微細結晶粒を析出させることが可能になっている。これにより本発明では、合金塊の温度を比較的低温にすることが可能であり、製造コストを大幅に低減できる。また、合金塊を加熱する際の加熱炉等の設備の長寿命化も図れる。
合金塊の温度を500℃とし、金型を液体窒素で冷却して−10〜10℃程度とし、金型内での保持時間を30秒とする条件で実験例1と同様にして成型材を得た。30秒保持後の成型材の温度は50℃であり、この成型材を金型から取り出してすぐに水で焼き入れした。
次に、焼き入れ後の成型材に対して、保持温度170℃、保持時間6時間の条件でT6熱処理を行った。このようにして実験例8(実施例)のスクロール部材を製造した。
実験例8(実施例)のスクロール部材について、光学顕微鏡により金属組織観察を行った。結果を図11に示す。また、実験例8(実施例)及び上記の実験例2(比較例)のスクロール部材について、T6熱処理時の時効硬化曲線を測定した。結果を図12に示す。
図11に示すように、実験例8(実施例)では、平均粒径が1μm程度の微細結晶組織が形成されており、図3の実験例2(比較例)よりも微細な結晶粒組織を有していることが分かる。
また、図12に示すように、実験例8(実施例)では熱処理時間が3時間の時にHv150を超える硬度を示していることが分かる。更に加熱を続けると硬度は若干低下するが、それでもHv150以上の硬度を示すことが分かる。他の実験例と比較しても、実験例8のスクロール部材は優れた硬度を示していることが分かる。
本発明の実施形態であるスクロール部材の製造方法を説明する工程図である。 実験例1(実施例)の金属組織の光学顕微鏡写真である。 実験例2(比較例)の金属組織の光学顕微鏡写真である。 実験例1(実施例)及び実験例2(比較例)の硬度と熱処理時間との関係を示すグラフである。 実験例3(実施例)の金属組織の光学顕微鏡写真である。 図5の拡大写真である。 実験例2(比較例)及び実験例3〜6(比較例)の硬度と熱処理時間との関係を示すグラフである。 実験例7(実施例)の金属組織の光学顕微鏡写真である。 図8の拡大写真である。 実験例7(実施例)及び実験例2(比較例)の硬度と熱処理時間との関係を示すグラフである。 実験例8(実施例)の金属組織の光学顕微鏡写真である。 実験例8(実施例)及び実験例2(比較例)の硬度と熱処理時間との関係を示すグラフである。 スクロール部材を示す斜視図である。 スクロール部材の鍛造に用いる金型を示す斜視図である。 従来のスクロール部材の製造方法を説明する工程図である。
符号の説明
1…スクロール部材(塑性加工部材)、2…フランジ、3…フィン、4…金型(工具)、5…下型、6…ビレット(合金塊)、7…上パンチ

Claims (5)

  1. 時効硬化型アルミニウム合金からなる合金塊を鋳造した後、前記合金塊を予め400℃以上融点未満に加熱してから、予め−100〜100℃に保持された工具によって前記合金塊を塑性加工することにより時効析出元素が固溶されるとともに、高密度の転位がそのまま維持されてなる過飽和かつ過冷却状態の成型材を得る工程と、
    前記成型材に対して時効硬化処理を行う工程と、
    を備えたことを特徴とする塑性加工部材の製造方法。
  2. 前記工具が予め−10〜10℃に保持されたことを特徴とする請求項1に記載の塑性加工部材の製造方法。
  3. 前記塑性加工終了後に所定時間工具にて前記成型材を保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の塑性加工部材の製造方法。
  4. 前記塑性加工終了後に前記成型材を水中に投入して急冷処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塑性加工部材の製造方法。
  5. 前記塑性加工終了後に前記成型材を前記工具にて実質的に保持することなく、前記成型材を水中に投入して急冷処理することを特徴とする請求項4に記載の塑性加工部材の製造方法。
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