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JP4035191B2 - ケモカインの吸着材、吸着除去方法および吸着器 - Google Patents

ケモカインの吸着材、吸着除去方法および吸着器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体液中のケモカインを吸着除去するための吸着材、前記吸着材を用いた体液中のケモカインの吸着除去方法、および体液中よりケモカインを吸着除去するためのケモカインの吸着器に関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫担当細胞は免疫応答を引きおこす際に種々の活性物質を産生する。その一部はサイトカインと呼ばれる蛋白性物質であり、種々の抗原特異的、非特異的免疫炎症反応に深く関わる生体防御因子として非常に重要な役割を果たしている。本来サイトカインは生体の恒常性の維持に必要不可欠なものであるが、炎症などの病態では過剰に産生され、炎症の病態形成、遷延に関わっている。
【0003】
サイトカインのなかでも、とくに走化性(Chemotaxis)を有するものはケモカイン(Chemokine)と総称されている。走化性とは、化学走性ともいい、化学物質の濃度差が刺激となる走性のことを指す。ケモカインと呼ばれる物質はその構造上の特徴から、1つのファミリーを形成しているものとして知られている。
【0004】
ケモカインの特徴としては、約6,000から10,000の分子量を有する蛋白質として主に存在することがあげられるが、ケモカインの種類により、溶液中では2量体や4量体を形成、またはO−グリコシル化により分子量が前記の範囲よりも大きい状態で存在するものもある。またケモカインは、その構造上の特徴から以下の2つのサブファミリーに分類されている。すなわち、エム・バッギオリニ(M. Baggiolini)らがその総説「シー・シー・ケモカインズ・イン・アレルギック・インフラメーション(CC CHEMOKINES IN ALLERGIC INFLAMMATION)」、イムノロジー・トゥディ(Immunology Today)、第15巻、127頁、1994年に示しているように、ケモカインは分子内の非常に保存された位置に4つのシステイン残基(以下、Cという)を有しているが、4つのCをN末端から順にC1、C2、C3、C4とすると、C1とC2のあいだに任意のアミノ酸(以下、Xという)が1つ存在するCXCサブファミリーと、C1とC2のあいだにアミノ酸が存在しないCCサブファミリーに分類されている。さらに各サブファミリー内のケモカインは、C以外のアミノ酸の配列においても相同性(homology)を有していることが示されている(たとえば茆原の報告、臨床免疫、第27巻[Suppl.16]、162〜171頁、1995年参照)。
【0005】
CXCサブファミリーは、白血球のなかでも概ね好中球に作用し、CCサブファミリーは、概ね単球、好酸球、好塩基球およびリンパ球に作用するとされていたが、近年ではその効果は多岐にわたることが示唆されている。たとえば、インターロイキン−8はインターロイキン類のなかでも走化性を有するインターロイキンであり、CXCサブファミリーに分類されるケモカインであるが、その機能は好中球のみならず、リンパ球、好塩基球、好酸球、皮膚角化細胞、メラノーマ細胞、繊維芽細胞、血管内皮細胞にもその生物活性を示すことが知られている(松島、臨床免疫、第27巻[Suppl.16]、147〜154頁、1995年参照)。
【0006】
また、たとえばヒト単球上には、CCサブファミリーに分類されるケモカインの1つであるmonocyte chemoattractant protein-1(以下、MCP−1という)およびマクロファージ炎症性蛋白質−1(macrophage inflammatory protein-1(以下、MIP−1という))に対するそれぞれ特異的な受容体が存在するだけでなく、MCP−1、MIP−1、RANTESというCCサブファミリーに分類される3種類のケモカインに対する共通の受容体が存在していることが示唆されており、サブファミリー内で同一の受容体を介して同一の生理活性を示すものが存在していることが知られている(松島、臨床免疫、第27巻[Suppl.16]、147〜154頁、1995年参照)。
【0007】
生体が外部より侵襲を受けると、生体防御反応としての炎症が引きおこされ、炎症局所への白血球浸潤が生じる。このような炎症局所への白血球浸潤は、炎症部位で産生された白血球走化性因子によって引きおこされる。この白血球浸潤を引きおこす因子としてケモカインがその役割を果たしていることが知られている。実際、ウサギ急性炎症モデルにおいて、ケモカインの1つであるインターロイキン−8に対する抗体(抗インターロイキン−8抗体)の投与により好中球浸潤をブロックし、急性炎症に伴う臓器障害を阻止することが証明されている(セキド(Sekido)ら、ネイチャー(Nature)、第365巻、654〜657頁、1993年参照)。
【0008】
さらに近年、全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome(SIRS))という概念で包括される病態においては、種々のサイトカインが過剰に産生されることによりサイトカインネットワークが活性化され、それに伴いケモカインが過剰に産生されることにより好中球の誘導、活性化が引きおこされることが報告されており(遠藤ら、集中治療、第4巻、1357〜1365頁、1992年参照)、それに伴い全身性の炎症反応が進行し、ショック、組織障害および多臓器不全が引きおこされ、ひいては死にいたることが示唆されている。
【0009】
また、アレルギー性炎症の病変局所においてもRANTES、血小板第4因子(platelet factor-4(以下、PF−4という))およびマクロファージ炎症性蛋白質−1α(macrophage inflammatory protein-1α(以下、MIP−1αという))などのケモカインを中心とした作用によりリンパ球、好酸球をはじめとした種々の炎症細胞が浸潤することが示唆されている。
【0010】
また、たとえば透析療法など血液体外循環を行なう際の人工材料との接触、透析液中の菌体内毒素に代表される刺激物質、血中または組織中に存在する種々の刺激因子などによる免疫担当細胞への刺激によりケモカインが過剰に産生される可能性が指摘されており、たとえば長期透析療法に伴う合併症である透析アミロイド症や手根管症候群において、MCP−1やMIP−1αが過剰に産生され、病態形成にかかわっている可能性が示唆されている(イノウエ(Inoue)ら、ネフロロジー・ダイアリシス・トランスプランテーション(Nephrology Dialysis Transplantation)、第10巻、2077〜2082頁、1995年参照)。
【0011】
さらに痛風性関節炎、乾癬、接触性皮膚炎、突発性肺線維症、成人呼吸窮迫症候群、炎症性腸疾患、免疫性血管炎、尿路感染症、心筋梗塞、喘息、気道感染症、周産期感染、移植臓器拒絶症などの疾患においては、ケモカインの1つであるインターロイキン−8が炎症局所または全身血中から正常人に比して異常に高濃度で検出されている(免疫薬理、第12巻、1号、15〜21頁、1994年参照)。
【0012】
また、慢性関節リウマチにおいてはインターロイキン−8、RANTES、MCP−1、MIP−1αおよびマクロファージ炎症性蛋白質−1β(macrophage inflammatory protein-1β(以下、MIP−1βという))が、半月体形成性腎炎においてはMCP−1、MIP−1αおよびMIP−1βが、慢性糸球体腎炎においてはインターロイキン−8およびMCP−1が、ループス腎炎ではMCP−1が異常に発現し、その病態形成に関与していることが示唆されている。
【0013】
このような多様な機能を有する体液中のケモカインを除去する方法としては、これまでのところほとんど報告が見当たらないが、しいてあげれば、特開平6−312017号公報に、表面に陽性官能基を有する多孔質担体からなるエンドトキシンおよび/または該エンドトキシンに起因するサイトカインの吸着材により血液を浄化する方法が開示されている。しかしながら、その実施例においてサイトカインの測定またはサイトカインの吸着に関してはいっさい開示されていない。
【0014】
また、ケモカインに対する抗体や、ケモカインがレセプターに結合することを阻害する物質を投与することにより、ケモカインの作用を抑制する、いわゆる抗サイトカイン療法の適用も考えられる。しかしながら、前記の慢性関節リウマチのような慢性的な炎症を伴う病態では多種類のケモカインが異常に発現していることが示唆されており、抗体などの投与によりこれらの作用を抑制するためにはそれぞれに対する抗体を作製し投与する必要がある。また、投与する抗体などは人体に悪影響を与えるものであってはならず、その開発には長い時間と多大な費用を要すると考えられ、適切な治療法とはいい難い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、体液中に種々存在するケモカインを効率よく吸着除去することが可能な吸着材、前記吸着材を用いたケモカインの吸着除去方法、および前記吸着材を用いたケモカインの吸着器を開発することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、体液中に存在するケモカインを効率よく吸着除去できる吸着材について鋭意検討した。その結果、水不溶性担体にlogP(Pはオクタノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を固定化した物質が体液中に存在するケモカインを効率よく吸着除去できることを発見し、本発明を完成した。
【0017】
なお、本出願人は、水不溶性担体にlogP(Pはオクタノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を固定してなるインターロイキン類の吸着材について、先に出願している(特願平7−66565号)が、本発明においては、インターロイキン類のうち走化性を有するインターロイキン−8(CXCサブファミリーに属するケモカイン)は排除している。
【0018】
すなわち本発明は、(1)水不溶性担体にlogP(Pはオクタノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を固定してなることを特徴とする体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材に関する。
【0019】
さらに本発明は、(2)水不溶性担体が親水性担体である前記(1)項記載の体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材に関する。
【0020】
さらに本発明は、(3)水不溶性担体が多孔構造を有する前記(1)または(2)項記載の体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材に関する。
【0021】
さらに本発明は、(4)水不溶性担体の、球状蛋白質の排除限界分子量が1万以上60万以下である前記(1)、(2)または(3)項記載の体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材に関する。
【0022】
さらに本発明は、(5)体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)を吸着除去するための吸着器の製造のための前記(1)項記載のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材の使用に関する。
【0023】
さらに本発明は、(6)液の入口および出口を有し、かつ吸着材の容器外への流出防止手段を備えた容器内に、前記(1)項記載のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材を充填してなることを特徴とする体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着器に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明における体液とは、血液、血漿、血清、腹水、リンパ液、関節内液など生体由来の液性成分をいう。
【0025】
また、本発明におけるケモカインとは、走化性を有する物質で、かつその物質をコードする遺伝子が、CXCサブファミリーに属するケモカインはヒト第4染色体(q12〜21)に、またCCサブファミリーに属するケモカインはヒト第17染色体(q11〜12)に存在していることを特徴とする物質を指す。ただし、インターロイキン−8は除く。松島の報告(臨床免疫、第27巻[Suppl.16]、147〜154頁、1995年参照)および茆原の報告(臨床免疫、第27巻[Suppl.16]、162〜171頁、1995年参照)などを参考に、現在までに知られているヒトケモカインを列挙すると、CXCサブファミリーに分類されるものとして、GROα、GROβ、GROγ、好中球活性化蛋白質−2(neutrophil activating protein-2(NAP−2))、好中球活性化蛋白質−4(NAP−4)、epithelial-cell derived neutrophil-activating protein-78(ENA−78)、PF−4、interferon-inducible protein-10(IP−10)、granulocyte chemotactic protein-2(GCP−2)、β−トロンボグロブリン(β-thromboglobulin(βTG))および前B細胞増殖刺激因子(pre-B cell growth stimulating factor(PBSF))があげられる。また、CCサブファミリーに分類されるものとして、MCP−1、HC14、monocyte chemoattractant protein-3(MCP−3)、I−309、MIP−1α、MIP−1β、RANTESがあげられる。しかしながら、ケモカインはその名称が統一されていないばあいがあり、同一物質であっても異なる名称で呼ばれるばあいがある。たとえばGROβ、GROγはそれぞれマクロファージ炎症性蛋白質−2α(macrophage inflammatory protein-2α(MIP−2α))、マクロファージ炎症性蛋白質−2β(macrophage inflammatory protein-2β(MIP−2β))とも呼ばれ、また、MCP−1は単球走化活性化因子(monocyte chemotactic and activating factor(MCAF))とも呼ばれ、HC14はmonocyte chemoattractant protein-2(MCP−2)とも呼ばれていることが、京都府立医科大学微生物教室により編集された成書(「サイトカインデータマニュアル」、南江堂、1995年)に記されている。このため、前記のケモカインがほかの名称で呼ばれるばあいもケモカインとして含まれることは当然のことである。さらには、今後新たに発見され、ケモカインの定義の範疇に入ることが認められた物質も含まれることはいうまでもない。
【0026】
本発明のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く、以下同様)の吸着材は、logP値が2.50以上の化合物を水不溶性担体に固定化してなることを特徴とするものである。
【0027】
logP値は化合物の疎水性のパラメーターとなり、代表的なオクタノール−水系での分配係数Pの求め方はつぎのとおりである。まず、化合物をオクタノール(もしくは水)に溶解し、これに等量の水(もしくはオクタノール)を加え、グリッフィン・フラスク・シェイカー(Griffin flask shaker)(グリッフィン・アンド・ジョージ・リミテッド(Griffin & George Ltd.)製)で30分間振とうする。そののち2,000rpmで1〜2時間遠心分離し、オクタノール層および水層中の化合物濃度の測定を分光学的またはGLCなどの種々の方法により測定することにより次式で求められる。
【0028】
P=Coct/Cw
Coct:オクタノール層中の化合物濃度
Cw :水層中の化合物濃度
これまでに多くの研究者らにより種々の化合物のlogP値が実測されているが、それらの実測値はシー・ハンシュ(C. Hansch)らによって整理されている(「パーティション・コエフィシエンツ・アンド・ゼア・ユージズ(PARTITION COEFFICIENTS AND THEIR USES)」、ケミカル・レビューズ(Chemical Reviews)、第71巻、525頁、1971年参照)。
【0029】
また、実測値の知られていない化合物についてはアール・エフ・レッカー(R. F. Rekker)がその著書(「ザ・ハイドロフォビック・フラグメンタル・コンスタント(THE HYDROPHOBIC FRAGMENTAL CONSTANT)」、エルセビア・サイエンティフィック・パブリッシング・カンパニー(Elsevier Sci. Pub.Com.)、アムステルダム(Amsterdam)、1977年)中に示している疎水性フラグメント定数fを用いて計算した値(Σf)が参考となる。疎水性フラグメント定数は数多くのlogP実測値をもとに、統計学的処理を行ない決定された種々のフラグメントの疎水性を示す値であり、化合物を構成するおのおののフラグメントのf値の和はlogP値とほぼ一致すると報告されている。本発明においてlogP値というとき、logP値が知られていない化合物についてはΣf値を意味する。
【0030】
ケモカインの吸着に有効な化合物の探索にあたり、種々のlogP値を有する化合物を固定し検討した結果、logP値2.50以上、好ましくは2.70以上、さらに好ましくは2.90以上の化合物がケモカインの吸着に有効であり、logP値2.50未満の化合物は殆どケモカイン吸着能を示さないことがわかった。たとえばアルキルアミンを固定化したばあい、アルキルアミンをn−ヘキシルアミン(logP=2.06)からn−オクチルアミン(logP=2.90)に変えると、このあいだでケモカイン吸着能は飛躍的に上昇することがわかった。これらの結果より、本発明の吸着材へのケモカインの吸着は、logP値2.50以上の化合物の固定により担体上に導入された原子団とケモカインとのあいだの疎水性相互作用によるものと考えられ、logP値2.50未満の化合物では疎水性が小さすぎるためにケモカインの吸着能を示さないと考えられる。
【0031】
また一方で、n−オクチルアミンを、さらにアルキル鎖長が長く、より疎水性が高いと考えられるセチルアミン(Σf=7.22)に変えると、ケモカインの吸着能はさらに上昇することがわかった。これらの結果より、本発明のケモカイン吸着材へのケモカインの吸着は、logP値2.50以上の化合物の固定により達成されるが、化合物のlogP値は大きいほど好ましいことがわかり、たとえば、セチルアミンよりもさらにアルキル鎖長が長く、より疎水性が高いと考えられるオクタデシルアミン(Σf=8.28)のような化合物の固定により、セチルアミンを固定したばあいと同等またはそれ以上のケモカインの吸着を示すものと考えられる。logP値の上限値はとくに制限されないが、実用上15程度である。
【0032】
本発明において、水不溶性担体に固定される化合物としては、logP値が2.50以上の化合物であれば特別な制限なしに用いることができる。ただし、担体上に化合物を化学結合法によって結合するばあいには、化合物の一部が脱離することが多いが、この脱離基が化合物の疎水性に大きく寄与しているばあい、すなわち脱離により担体上に固定される原子団の疎水性がΣf=2.50より小さくなるようなばあいには本発明の主旨から考えて、本発明に用いる化合物としては不適当である。その代表例を一つあげると、安息香酸イソペンチルエステル(Σf=4.15)をエステル交換により水酸基を有する担体上に固定するばあいがあげられる。このばあい、実際に担体上に固定される原子団はC65CO−であり、この原子団のΣfは1以下である。このような化合物が本発明で用いる化合物として適当かどうかは、脱離基の部分を水素に置き換えた化合物のlogP値が2.50以上かどうかにより判断すればよい。
【0033】
logP値が2.50以上の化合物のなかでも、炭素数7〜20個、なかんづく8〜18個の炭化水素部位を有するものが好ましく、さらに不飽和炭化水素、アルコール、アミン、チオール、カルボン酸およびその誘導体、ハロゲン化物、アルデヒド、イソシアナート、グリシジルエーテルなどのオキシラン環含有化合物、ハロゲン化シランなどのように担体への結合に利用できる官能基を有する化合物が好ましい。
【0034】
前記不飽和炭化水素としては、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどがあげられる。
【0035】
前記アルコールとしては、n−オクチルアルコール、ドデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、1−オクテン−3−オール、ナフトール、ジフェニルメタノール、4−フェニル−ブタノールなどがあげられる。
【0036】
前記アミンとしては、n−オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ナフチルアミン、2−アミノオクテン、ジフェニルメチルアミンなどがあげられる。
【0037】
前記チオールとしては、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、テトラデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオールなどがあげられる。
【0038】
前記カルボン酸およびその誘導体としては、n−オクタン酸、ノナン酸、2−ノネン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、オレイン酸、ジフェニル酢酸などがあげられ、その誘導体としては前記カルボン酸の酸ハロゲン化物、エステル、アミド、ヒドラジドなどがあげられる。
【0039】
前記ハロゲン化物としては、塩化オクチル、臭化オクチル、塩化デシル、塩化ドデシルなどがあげられる。
【0040】
前記アルデヒドとしては、オクチルアルデヒド、n−カプリンアルデヒド、ドデシルアルデヒドなどがあげられる。
【0041】
前記イソシアナートとしては、ドデシルイソシアナート、ヘキサデシルイソシアナート、オクタデシルイソシアナートなどがあげられる。
【0042】
前記グリシジルエーテルとしては、ドデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテルなどがあげられる。
【0043】
前記ハロゲン化シランとしては、n−オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシランなどがあげられる。
【0044】
これらのほかにも、前記の例示化合物の炭化水素部分の水素原子がハロゲン、チッ素、酸素、イオウなどのヘテロ原子を含有する置換基、ほかのアルキル基などで置換された化合物のうち、logP値が2.50以上の化合物、前述のシー・ハンシュ(C.Hansch)らの総説「パーティション・コエフィシエンツ・アンド・ゼア・ユージズ(PARTITION COEFFICIENTS AND THEIR USES)」、ケミカル・レビューズ(Chemical Reviews)、第71巻、525頁、1971年の中の555頁から613頁の表に示されているlogP値が2.50以上の化合物などを用いることができるが、本発明においてはこれらのみに限定されるものではない。
【0045】
なお、これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、任意の2種類以上を組み合わせてもよく、さらにはlogP値が2.50未満の化合物との組み合わせで用いてもよい。
【0046】
本発明の吸着材における水不溶性担体とは、常温常圧で固体であり水不溶性であることを意味する。また、本発明における水不溶性担体の形状としては、粒状、板状、繊維状、中空糸状などがあげられるが、その形状は問わず、その大きさもとくに限定されない。
【0047】
本発明の吸着材における水不溶性担体としては、ガラスビーズ、シリカゲルなどの無機担体、架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリアクリルアミド、架橋ポリスチレンなどの合成高分子やセルロース類、架橋アガロース、架橋デキストリンなどの多糖類からなる有機担体、さらには、これらの組み合わせによってえられる有機−有機、有機−無機などの複合担体などが代表例としてあげられる。
【0048】
なかでも、親水性担体が非特異的吸着が比較的少なくケモカインの吸着選択性が良好であるため好ましい。ここでいう親水性担体とは、担体を構成する物質を平板状にしたときの水との接触角が60度以下の担体を指す。水の接触角の測定方法は種々知られているが、たとえば池田が、その著書(「実験化学選書・コロイド化学、第4章、界面の熱力学」、裳華房、75〜104頁、1986年)に示しているごとく、被測定物質の平板上に水滴を置き測定する方法が最も一般的である。前記の方法で測定した水の接触角が60度以下である担体としては、セルロース、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸グラフト化ポリエチレン、ポリアクリルアミドグラフト化ポリエチレン、ガラスなどからなる担体が代表例としてあげられる。
【0049】
なお、前記セルロースにおいては、水の接触角は約18度であることが成書に示されている(筏義人、「医用高分子材料」、共立出版、65頁、1989年参照)。
【0050】
これらの水不溶性担体は、適当な大きさの細孔を多数有する、すなわち多孔構造を有する担体であることがより好ましい。多孔構造を有する担体とは、基礎高分子母体が微小球の凝集により1個の球状粒子を形成する際に微小球の集塊によって形成される空間(マクロポアー)を有する担体のばあいは当然であるが、基礎高分子母体を構成する1個の微小球内の核と核との集塊のあいだに形成される細孔を有する担体のばあい、または三次元構造(高分子網目)を有する共重合体が混和性のある有機溶媒で膨潤された状態のときに存在する細孔(ミクロポアー)を有する担体のばあいも含まれる。
【0051】
また、吸着材の単位体積あたりの吸着能から考えて、多孔構造を有する水不溶性担体としては、表面多孔性よりも全多孔性のものが好ましく、また空孔容積および比表面積は、吸着性が損なわれない程度に大きいことが好ましい。
【0052】
これらの好ましい要件を満たす担体としてセルロース類からなる多孔質のゲルがあげられる。セルロース類からなる多孔質のゲルは、(1)機械的強度が比較的高く、強靭であるため撹拌などの操作により破壊されたり微粉を生じたりすることが少なく、カラムに充填したばあい、体液を高速で流しても圧密化しないので高流速で流すことが可能となり、また細孔構造が高圧蒸気滅菌などによって変化を受けにくい、(2)ゲルがセルロース類で構成されているため親水性であり、リガンドの結合に利用しうる水酸基が多数存在し、非特異的吸着も少ない、(3)空孔容積を大きくしても比較的強度が高いため軟質ゲルにおとらない吸着容量がえられる、(4)安全性が合成高分子ゲルなどに比べて高いなどのすぐれた点を有しており、本発明に用いる最も適した担体の1つである。
【0053】
本発明でいうセルロース類とは、天然セルロース、再生セルロースおよびセルロース誘導体の少なくとも1種のことであり、例えば天然セルロースとしては木綿繊維を脱脂したもの、麻類の繊維、木材からリグニンやヘミセルロースなどを除去してえられるパルプ、該パルプをさらに精製してえられる精製セルロースなどがある。また、再生セルロースとは天然セルロースをいったんセルロース誘導体にしたのち加水分解などにより再生させたセルロースのことである。セルロース誘導体としては、例えば天然または再生セルロースの水酸基の一部または全部がエステル化および/またはエーテル化されたものなどが挙げられる。前記セルロースの水酸基の一部または全部がエステル化されたものの具体例としては、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、セルロースのジカルボン酸エステルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また前記セルロースの水酸基の一部または全部がエーテル化されたものの具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノエチルセルロース、オキシエチルセルロースなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0054】
本発明においては前述の担体はそれぞれ単独で用いてもよいし、任意の2種類以上を混合して用いてもよい。
【0055】
また、前述のような多孔構造を有する水不溶性担体は、吸着対象の物質はある程度大きな確率で細孔内に侵入できるが、ほかの蛋白質の侵入はできる限りおこらない特徴を有することがより好ましい。すなわち、本発明の吸着材の吸着対象であるケモカインは分子量約6,000〜10,000の蛋白質として存在することが多く、この蛋白質を効率よく吸着するためには、ケモカインはある程度大きな確率で細孔内に侵入できるが、ほかの蛋白質の侵入はできる限りおこらないことが好ましい。細孔内に侵入可能な物質の分子量の目安として排除限界分子量が一般に用いられている。排除限界分子量とは、成書(たとえば、波多野博行、花井俊彦著、「実験高速液体クロマトグラフ」、化学同人)などに述べられているごとく、ゲル浸透クロマトグラフィーにおいて細孔内に侵入できない(排除される)分子の内、最も小さい分子量をもつものの分子量をいう。排除限界分子量は一般に球状蛋白質、デキストラン、ポリエチレングリコールなどについてよく調べられているが、本発明に用いる担体のばあい、球状蛋白質を用いてえられた値を用いるのが適当である。
【0056】
種々の排除限界分子量の担体を用いて検討した結果、ケモカインの吸着に適当な球状蛋白質の排除限界分子量の範囲は、1万以上60万以下であることが明らかとなった。すなわち、球状蛋白質の排除限界分子量が1万未満である担体を用いたばあいには、ケモカインの吸着量は小さくその実用性が低下し、また60万をこえるものでは、ケモカイン以外の蛋白質(主としてアルブミン)の吸着が大きくなり、選択性の点でその実用性が低下する。したがって、本発明に用いる担体の球状蛋白質の排除限界分子量の好ましい範囲は1万以上60万以下、さらに好ましくは2万以上50万以下、とくに好ましくは3万以上40万以下である。
【0057】
さらに、担体にはリガンドの固定化反応に用いうる官能基を有していることが好ましい。これらの官能基の代表例としては水酸基、アミノ基、アルデヒド基、カルボキシル基、チオール基、シラノール基、アミド基、エポキシ基、ハロゲン基、スクシンイミド基、酸無水物基、トレシル基などがあげられるが、これらに限定されるわけではない。
【0058】
本発明に用いる担体としては硬質担体、軟質担体のいずれも用いることができるが、体外循環用の吸着材として使用するばあいには、カラムに充填し、通液する際などに目詰まりを生じないことが重要であり、そのためには充分な機械的強度が要求される。したがって本発明に用いる担体は硬質担体であることがより好ましい。ここでいう硬質担体とは、たとえば粒状ゲルのばあい、後記参考例に示すごとく、ゲルを円筒状カラムに均一に充填し、水性流体を流した際の圧力損失ΔPと流速の関係が0.3kg/cm2までの直線関係にあるものをいう。
【0059】
本発明の吸着材は、logP値が2.50以上の化合物を水不溶性担体に固定してえられるが、その固定化方法としては公知の種々の方法を特別な制限なしに用いることができる。しかしながら、本発明の吸着材を体外循環治療に供するばあいには、滅菌時または治療時においてのリガンドの脱離溶出を極力抑えることが安全上重要であり、そのためには共有結合法により固定化することが好ましい。
【0060】
また、本発明における吸着材は、logP値が2.50以上の化合物を適量固定化したものであることが好ましい。固定量が少なすぎるとケモカインの吸着が見られず、多すぎると体液として血液を用いたばあいに血小板などの粘付着がおこりうる。よって、logP値が2.50以上の化合物の固定量は、好ましくは水不溶性担体の乾燥重量(1g)当たり10〜1000μmolであり、さらに好ましくは50〜500μmolであり、最も好ましくは100〜300μmolである。
【0061】
本発明の吸着材としては、logP値が2.50以上の化合物を固定したセルロース類(以下、C−セルロース類という)と水とからなるコロイド質固相を持つヒドロゲルであることが好ましく、さらにC−セルロース類と水の重量比が1:9から3:7の範囲にあることが好ましい。以下、この吸着材について説明する。
【0062】
セルロース類に対してlogP値が2.50以上の化合物を固定する方法には、公知の種々の方法、例えば物理的に結合させる方法、イオン結合を介して結合させる方法、共有結合を介して結合させる方法などを用いることができるが、結合した化合物が脱離しにくいことが重要であることから、共有結合を介して固定することが最も好ましい。具体的な手段としては、セルロース類の水酸基を利用して直接的に該化合物をエステル結合、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、ウレタン結合等を介して結合させる方法や、セルロース類にアミノ基、アルデヒド基、エポキシ基、カルボキシル基などの官能基を導入することにより反応性の高い状態とした(活性化)後、該化合物を結合させる方法が挙げられる。また、セルロース類に官能基を導入して活性化する具体的な方法としては、臭化シアン法、エポキシ法、トレシルクロリド性、過ヨウ素酸酸化法などが具体例として挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0063】
本発明でいうヒドロゲルとは、前述の通り水または水溶液を必須成分とするコロイド質固相のことをいい、ヒドロゲルを乾燥して水分を除去した後に残されるゲル骨格、すなわちキセロゲルは本発明でいうヒドロゲルの概念から外れるものである。
【0064】
C−セルロース類と水の重量比は、ヒドロゲルの付着水やヒドロゲル粒子間の間隙水を吸引濾過法や遠心法などにより除去したときの重量(湿潤重量Ww)と、続いて乾燥させて重量が変化しなくなったときの重量(乾燥重量Wd)とから求められる。すなわち、Wd:(Ww−Wd)が本発明でいうC−セルロース類と水の重量比となる。具体的な湿潤重量を求める方法としては、例えばヒドロゲルをグラスフィルターにとり、アスピレーターを用いて吸引し、吸引時間と重量の関係を示す重量減少曲線を作成した際に曲線の傾きが緩やかになる吸引時間経過後に重量を測定する方法が挙げられる。また、乾燥方法としては、恒量化が達成できる方法であれば特に制限はないが、105℃程度の温度での常圧乾燥が特別な装置が不要で簡便に採用できる。本発明のヒドロゲルを構成するC−セルロースと水の重量比は1:9〜3:7の範囲にあるが、この重量比は、ケモカイン吸着器に体液を通液した際の圧力損失によるヒドロゲルの変形、およびこれに伴う圧密化を防ぐという観点から、C−セルロース類の割合が1/9以上あることが望ましく、さらに浄化速度の低下を防ぐという観点からC−セルロース類の割合が3/7以下にあることが望ましいことに基づく。
【0065】
本発明のケモカイン吸着器に収納される球状ヒドロゲル粒子、とくに血液浄化器として使用するケモカイン吸着器に収納されるヒドロゲル粒子の形状は球状であるのが好ましく、ここで球状とは真球状のものはもちろんのこと、広く回転楕円体を含む。この種のヒドロゲルの平均粒子径に関しては、一般に血漿の如き細胞成分をほとんど含まない体液を処理する場合には、300μm以下のものが浄化速度が高いという観点から採用され、また、直接血液灌流方式で用いる場合には、血球成分の充分な通過流路を確保するために250〜1000μmのものが好ましく用いられている。本発明の球状ヒドロゲル粒子、とくに血液浄化器として使用されるケモカイン吸着器に収納される球状ヒドロゲル粒子については、血球成分の通過性および浄化速度の両立の観点から300〜600μmのものがより好ましい。ここでいう平均粒子径とは、数平均粒子径のことを指し、たとえば実体顕微鏡にて10倍から50倍程度の倍率で20〜50個のヒドロゲル粒子の粒子径を観察・測定し、えられた測定値を平均することにより求められる。ヒドロゲル粒子が回転楕円体の場合は、その長径を粒子径とし、前述と同様の方法により平均粒子径を求める。粒子径が上述の範囲にあれば粒径分布に関しては特別な制限なく用いることが可能であるが、例えば特開昭63−117039号公報などに記載された振動法を用いて均一液滴を形成し、適切な条件で凝固させて作製される粒径分布の狭い粒子は特に直接血液灌流方式で用いる場合好ましい。
【0066】
本発明のC−セルロース類からなるヒドロゲル粒子を作製する方法としては、セルロース類をC−セルロース類としたのち成形してヒドロゲル粒子とする方法、セルロース類のヒドロゲル粒子を作製してこれにlogP値が2.50以上の化合物を固定する方法のいずれの方法も可能である。
【0067】
具体的にセルロース類をC−セルロース類としたのち成形してヒドロゲル粒子とする方法を挙げると、セルロース類にlogP値が2.50以上の化合物を固定してC−セルロース類としたのち、該C−セルロース類を溶剤に溶かして溶液化した後、液滴化し凝固させてヒドロゲル粒子とする方法、また該C−セルロース類を溶液化するのに適当な溶剤がない場合は、C−セルロース類に対しさらにエステル化やエーテル化を行い溶剤に溶けやすいものとしたのち、ヒドロゲル粒子とする方法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0068】
セルロース類のヒドロゲル粒子を作製してこれにlogP値が2.50以上の化合物を固定する方法において、セルロース類のヒドロゲル粒子を作製する方法としては、セルロース類を溶剤に溶解した後、液滴化し凝固させてヒドロゲル粒子を作製する方法が挙げられるが、セルロース類としてセルロース誘導体を用いる方法が溶剤の種類が多様化するために製造条件の選択範囲も広くなり、好ましく用いられる。セルロース誘導体としては、前述のセルロースの水酸基の一部または全部がエステル化および/またはエーテル化されたものが挙げられるが、なかでも酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースなどのセルロースエステルが多種の溶剤に溶解するためより好ましく用いられる。これらのセルロース誘導体をヒドロゲル粒子化したのち、そのままあるいは必要に応じ加水分解反応を行った後、logP値が2.5以上の化合物を固定することによりC−セルロース類のヒドロゲル粒子が作製される。
【0069】
本発明の吸着材を用いて体液中よりケモカインを吸着除去する方法には種々の方法がある。最も簡便な方法としては体液を取り出してバッグなどに貯留し、これに吸着材を混合してケモカインを吸着除去したのち、吸着材を濾別してケモカインが除去された体液をうる方法がある。ほかには体液の入口と出口を有し、出口には体液は通過するが吸着材は通過しないフィルターを装着した容器に吸着材を充填し、これに体液を流す方法がある。いずれの方法も用いることができるが、後者の方法は操作も簡便であり、また体外循環回路に組み込むことにより患者の体液、とくに血液から効率よくオンラインでケモカインを除去することが可能であり、本発明の吸着材はこの方法に適している。
【0070】
ここでいう体外循環回路では本発明の吸着材を単独で用いることもできるが、ほかの体外循環治療システムとの併用も可能である。併用の例としては、人工透析回路などがあげられ、透析療法との組み合わせに用いることもできる。
【0071】
つぎに、前記ケモカイン吸着材を用いた本発明のケモカイン吸着器を、一実施例の概略断面図である図1にもとづき説明する。
【0072】
図1中、1は体液の流入口、2は体液の流出口、3は本発明のケモカインの吸着材、4および5は体液および体液に含まれる成分は通過できるが前記ケモカイン吸着材は通過できないフィルター、6はカラム、7はケモカインの吸着器である。しかしながら、ケモカイン吸着器はこのような具体例に限定されるものではなく、液の入口および出口を有し、かつケモカイン吸着材の容器外への流出防止具を備えた容器内に、前記吸着材を充填したものであれば、どのようなものでもよい。
【0073】
前記流出防止具には、メッシュ、不織布、綿栓などのフィルターがあげられる。また、容器の形状、材質、大きさにはとくに限定はないが、好ましい具体例としては、たとえば容量150〜500ml程度、直径4〜10cm程度の透明または半透明の筒状容器などがあげられる。材料としては、とくに好ましくは耐滅菌性を有する素材であるが、具体的にはシリコンコートされたガラス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリメチルペンテンなどがあげられる。
【0074】
【実施例】
以下、実施例において、本発明についてさらに詳細に述べるが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。また以下の実施例では、吸着対象のケモカインとして、CCサブファミリーの1つであるMIP−1αを例にとりあげたが、そのほかのケモカインについても同様に実施が可能であることはいうまでもない。
【0075】
参考例
両端に孔径15μmのフィルターを装着したガラス製円筒カラム(内径9mm、カラム長150mm)にアガロースゲル(バイオラッド(Bio−rad)社製のバイオゲル(Biogel)A−5m、粒径50〜100メッシュ)、ビニル系ポリマーゲル(東ソー(株)製のトヨパールHW−65、粒径50〜100μm)およびセルロースゲル(チッソ(株)製のセルロファインGC−700m、粒径45〜105μm)をそれぞれ均一に充填し、ペリスタティックポンプにより水を流し、流速と圧力損失ΔPとの関係を求めた。その結果を図2に示す。
【0076】
図2に示すごとく、トヨパールHW−65およびセルロファインGC−700mが圧力の増加にほぼ比例して流速が増加するのに対し、バイオゲル(Biogel)A−5mは圧密化を引きおこし、圧力を増加させても流速が増加しないことがわかる。本発明においては前者のごとく、圧力損失ΔPと流速の関係が0.3kg/cm2までの直線関係にあるものを硬質ゲルという。
【0077】
実施例1
セルロース系多孔質担体であるセルロファインGC−700m(チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量400,000)170mlに水を加え全量を340mlとしたのち、2M水酸化ナトリウム水溶液90mlを加え40℃とした。これにエピクロルヒドリン31mlを加え、40℃で撹拌下2時間反応させた。反応終了後、充分に水洗し、エポキシ化担体をえた。
【0078】
このエポキシ化担体10mlにn−オクチルアミン(logP=2.90)200mgを加え、50(v/v)%エタノール水溶液中、45℃で静置下、6日間反応させた。反応終了後、50(v/v)%エタノール水溶液、エタノール、50(v/v)%エタノール水溶液、水の順に充分に洗浄し、n−オクチルアミン固定化担体をえた。n−オクチルアミンの固定量は、担体の乾燥重量(1g)当たり184μmolであった。
【0079】
この固定化担体およびセルロファインGC−700mそれぞれ0.5mlに対し、健常人血清(大日本製薬(株)製)にヒト遺伝子組み替えMIP−1α(アール・アンド・ディー・システムズ(R&D systems)社製)を加えて調製したMIP−1α加健常人血清(MIP−1α濃度1.1ng/ml)3mlを加え、37℃で2時間振盪下で吸着させた。吸着前後の上澄み溶液のMIP−1αの濃度をアール・アンド・ディー・システムズ社製ヒトMIP−1α測定キットを用いて測定し、次式により吸着率を算出した。
【0080】
【数1】
Figure 0004035191
【0081】
ただし、このばあいの吸着前血清中の濃度とは、あらかじめ担体に含まれる水分を補正した値である。
【0082】
また吸着前後のアルブミン濃度をBCG法により測定した。
【0083】
Figure 0004035191
【0084】
実施例2
n−オクチルアミンをセチルアミン(Σf=7.22)に、固定化反応の溶媒をエタノールに変えたほかは実施例1と同様にしてセチルアミン固定化担体をえた。セチルアミンの固定量は、担体の乾燥重量(1g)当たり189μmolであった。この固定化担体を用いて実施例1と同様にして吸着実験を行ない、MIP−1αの濃度を測定することにより吸着率を算出し、またアルブミン濃度の変化を測定した。
【0085】
Figure 0004035191
【0086】
実施例3
セルロファインGC−700mをセルロファインGC−200m(チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量140,000)に変えたほかは実施例1と同様にしてn−オクチルアミン固定化担体をえた。n−オクチルアミンの固定量は、担体の乾燥重量(1g)当たり189μmolであった。この固定化担体を用いて実施例1と同様にして吸着実験を行ない、MIP−1αの濃度を測定することにより吸着率を算出し、またアルブミン濃度の変化を測定した。
【0087】
Figure 0004035191
【0088】
実施例4
セルロファインGC−700mをセルロファインGC−200mに、n−オクチルアミンをセチルアミンに、固定化反応の溶媒をエタノールに変えたほかは実施例1と同様にしてセチルアミン固定化担体をえた。セチルアミンの固定量は、担体の乾燥重量(1g)当たり189μmolであった。この固定化担体を用いて実施例1と同様にして吸着実験を行ない、MIP−1αの濃度を測定することにより吸着率を算出し、またアルブミン濃度の変化を測定した。
【0089】
Figure 0004035191
【0090】
実施例5
市販の酢酸セルロースをジメチルスルホキシドとプロピレングリコールの混合溶剤に溶解し、この溶液を特開昭63−117039号公報に記載された方法(振動法)により液滴化し、凝固させて、酢酸セルロースの球状ヒドロゲル粒子をえた。この粒子を水酸化ナトリウム水溶液と混和することにより加水分解反応を行ない、セルロースヒドロゲル粒子(球状蛋白質の排除限界分子量は30,000であった。以下、C−lという)をえた。
【0091】
セルロファインGC−700mをC−lに、n−オクチルアミンをセチルアミンに、固定化反応の溶媒をエタノールに変えたほかは実施例1と同様にしてセチルアミン固定化担体をえた。セチルアミンの固定量は、担体の乾燥重量(1g)当たり160μmolであった。この固定化担体を用いて実施例1と同様にして吸着実験を行ない、MIP−1αの濃度を測定することにより吸着率を算出し、またアルブミン濃度の変化を測定した。
【0092】
Figure 0004035191
【0093】
比較例1
n−オクチルアミンをn−ブチルアミン(logP=0.97)に変えたほかは実施例1と同様にしてn−ブチルアミン固定化担体をえた。この固定化担体を用いて実施例1と同様にして吸着実験を行ない、MIP−1αの濃度を測定することにより吸着率を算出し、またアルブミン濃度の変化を測定した。
【0094】
Figure 0004035191
【0095】
比較例2
n−オクチルアミンをn−ヘキシルアミン(logP=2.06)に変えたほかは、実施例1と同様にしてn−ヘキシルアミン固定化担体をえた。この固定化担体を用いて実施例1と同様にして吸着実験を行ない、MIP−1αの濃度を測定することにより吸着率を算出し、またアルブミン濃度の変化を測定した。
【0096】
Figure 0004035191
【0097】
【発明の効果】
本発明の方法による水不溶性担体にlogP値2.50以上の化合物を固定化してなることを特徴とする吸着材を用いることで体液中のケモカインを効率よく吸着除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケモカイン吸着器の一実施例の概略断面図である。
【図2】3種類のゲルを用いて流速と圧力損失との関係を調べた結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 体液の流入口
2 体液の流出口
3 ケモカインの吸着材
4、5 フィルター
6 カラム
7 ケモカインの吸着器

Claims (6)

  1. 水不溶性担体にlogP(Pはオクタノール−水系での分配係数)値が2.50以上の化合物を固定してなることを特徴とする体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材。
  2. 水不溶性担体が親水性担体である請求項1記載の体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材。
  3. 水不溶性担体が多孔構造を有する請求項1または2記載の体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材。
  4. 水不溶性担体の、球状蛋白質の排除限界分子量が1万以上60万以下である請求項1、2または3記載の体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材。
  5. 体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)を吸着除去するための吸着器の製造のための請求項1記載のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材の使用
  6. 液の入口および出口を有し、かつ吸着材の容器外への流出防止手段を備えた容器内に、請求項1記載のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着材を充填してなることを特徴とする体液中のケモカイン(ただし、インターロイキン−8を除く)の吸着器。
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