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JP4019335B2 - 顔料分散水性インク組成物 - Google Patents

顔料分散水性インク組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、信頼性のある印刷が可能であり、かつ品質の優れた画像が得られる、インクジェットプリンターに好ましく用いられる顔料分散水性インク組成物に関する。
【0002】
背景技術
インクジェット印刷は、プリンターがコンピュータにより発生するデジタル信号等のデジタル信号に応答してインク滴を生成する非インパクト印刷法である。インク滴は、紙や透明フィルム等の基材に付着する。インクジェットプリンターは、印字品質、低コスト、比較的静かな動作、グラフィック形成能により、広く普及している。サーマル(バブルジット)および圧電ドロップ・オン・デマンドプリンターは、市場において特に成功し、オフィスおよび家庭でのパソコン用プリンターとして広く用いられてきている。
【0003】
インクジェットプリンターに使用されるインクは、染料系インクまたは顔料系インクに分類できる。染料系インクは、種々の点において満足できるものであるが、一般的に耐光性、耐水性に劣ることがある。印刷物にはある程度の耐久性が期待されるので、染料系インクにより得た印刷画像が耐光性、耐水性において劣ることは問題となる。一方、顔料系インクは、耐光性および耐水性に優れる。したがって、耐久性が求められる印刷物においては、染料系インクよりも顔料系インクが一般的に好ましい。
【0004】
インクジェット記録において主に次の三つの事柄が重要とされている。すなわち、(1)信頼性、(2)乾燥速度、および(3)印刷物品質である。信頼性は一般に以下の4つの基準で評価される。その第一は、インク滴重量が経時的に変化せず、かつ良好な方向性が維持されることを内容とする、連続印刷条件における耐久性である。良好な方向性は、ノズルから吐出されたインク滴の角度のずれがノズル面に対して垂直から約±0.5゜内であることを意味する。その第二は、ノズルが印刷の停止している間に閉塞しないことを内容とする、断続印刷条件下における耐久性である。その第三は、ノズルに対して限定された量の吸引操作を行うことにより、最初の印刷動作と変わらない印刷動作(インク滴重量および良好な方向性)を回復できることを内容とする、プリントヘッド内でのインクの長期保存耐久性である。そして、その第四は、2つの極端な温度条件下における保存、さらには極端な温度に繰り返しさらされたときに、長時間にわたりインクがその化学的および物理的安定性を保持することを内容とする、保存安定性である。
【0005】
またさらに、インクの乾燥速度はプリンターの処理速度を決定する重要な因子である。ページプリンターでは、印刷された用紙上のインクは、次の用紙が接触する前に乾燥状態になければならない。もしインクが乾燥しないならば、汚れが生じる。
【0006】
印刷物の品質は、一般に、(1)カラー特性、および(2)非カラー画像特性の2つの因子により定義される。インクのカラー特性は、光学濃度、および色相を決定する色座標により測定される。また、画像の精細度を決定する非カラー特性とは、解像度(単位面積当たりの液滴数)、1滴当たりの被覆面積、エッジの鋭さ若しくは鮮鋭度およびサテライト(印刷文字の周囲の漂遊液滴)若しくはヒゲ等のドット周囲の欠陥を意味する。
【0007】
インクジェット記録において重要なことは、エッジが鋭く、または画像が鮮鋭で、かつできるだけヒゲと呼ばれるにじみの少ない印刷物を、「普通紙」において得ることができるかどうか、ということである。ここで「普通紙」とは、広範な多種多様な市販の紙、とりわけ静電コピーに用いられる紙を意味する。このような市販の紙は、インクジェットプリンターに適合された独特の構造、組成または狭い特性のものとはされていない。最近、普通紙に優れた印刷物品質を実現できるインクジェットプリンターが、益々求められている。
【0008】
普通紙に良好な品質の印刷物を得られるよう、適切に構成された顔料系インクは、従来の顔料系インクや染料系インクよりも好ましい。インク滴が、インクジェット印刷により適用され、紙面に接触すると、インクが接触点から広がり、紙に浸透する。ほとんどの普通紙に存在するセルロース繊維は、毛管作用により、個々の繊維の長さ方向に沿って液体を吸い込む芯の役割りを果たす。
【0009】
着色剤を溶剤に均一に溶解した染料系インクの場合、着色剤は広がり、浸透し、セルロース繊維の長さ方向に沿って、着色剤は溶剤と全く同じ程度に吸い込まれる。染料系インクを用いた場合、得られる着色ドットのエッジの明瞭性が悪くヒゲを伴うことがある。
【0010】
着色剤を液体に均一に分散した顔料系インクの場合、着色剤の分散安定性が紙との接触により失われない限り、着色剤は広がり、浸透し、セルロース繊維の長さ方向に沿って、溶剤とほぼ同じ程度にまで吸い込まれる。通常の顔料系インクを用いた場合、得られる着色ドットのエッジの明瞭性が悪くヒゲを伴うことがある。これに対して、着色剤の分散安定性が紙との接触により失われてしまうように構成された顔料系インクでは、着色剤はひろがらず、浸透せず、すなわちセルロース繊維の長さ方向に沿って吸い込まれない。この種のインクでは、着色剤は溶剤から効果的に分離する。その結果、エッジの境界が鮮明で、ヒゲは無視できる程度の着色ドットが得られる。
【0011】
水に顔料を分散させる分散剤は当業者に周知であり、塗料等の被膜を種々の基材に適用するのに使用されてきた。安定な顔料の分散は、立体構造的な安定化のみによるか、または立体構造的な安定化とイオン安定化との両方の組み合わせにより安定性を付与する顔料分散剤を用いることにより得られる。
【0012】
立体構造的な安定化のみを付与するポリマー分散剤としては、例えば、非イオン性水溶性ポリマーに属するものであって、ポリビニルアルコール、セルロース樹脂、エチレンオキシド変性フェノールおよびエチレンオキシド/プロピレンオキシドポリマーなどが挙げられる。このようなポリマーを含有する顔料分散体は紙と接触しても分散安定性を失わない。従って、エッジの明瞭性が悪く、ヒゲの生じた印刷画像が得られることがある。
【0013】
立体構造的な安定化とイオン安定化との両方を付与するポリマー分散剤としては、例えば、中和したアクリル酸、マレイン酸またはビニルスルホン酸のモノマーから構成されたものが挙げられる。適切に構成されたこの種のポリマー分散剤を含有する顔料分散体は、紙と接触すると分散安定性を失い、エッジ境界が鮮明でヒゲが無視できる印刷画像が得られる。紙と接触したときに、この種のポリマー分散体が分散安定性を失う機構を、以下に説明する。
【0014】
この種のポリマーは、部分的または完全に中和した酸官能基を有し、アニオン性高分子電解質として分類できる。典型的に、アニオン性高分子電解質は、マグネシウム、カルシウム、およびアルミニウム等の多価カチオンと結合する。多価カチオンが結合する強度および感度は、線電荷密度と高分子電解質の構造に依存する。部分的または完全に中和した酸官能基を有するポリマーを含有する適切に構成された顔料分散体では、ポリマーは、一般に普通紙の表面に存在する多価カチオンに結合する。もし多価カチオンの結合が十分であるならば、分散剤のアニオン電荷密度が部分的または完全に中和される。電荷の中和により、イオン安定化が失われるとともに、着色剤の分散安定性がなくなる。上記したように、着色剤の分散安定性がなくなると、着色剤が溶剤から分離する。その結果、ヒゲの無い、エッジの境界が鮮明な印刷画像が得られることとなる。
【0015】
高分子電解質に多価カチオンが結合する強度および感度は、高分子電解質の線電荷密度および構造に依存する。一般的に、高分子電解質の線電荷密度が大きいほど、高分子電解質と多価カチオンとの間の結合相互作用が大きい。中和した酸官能基が隣接モノマー単位上にあるポリマーの線電荷密度は、中和した酸官能基が非イオン性モノマー単位をはさんで点在するモノマー単位上にあるポリマーよりも大きい。例えば、ポリアクリル酸の線電荷密度は、アクリル酸とスチレンとのランダムポリマーよりも大きい。高分子電解質の構造も、また、多価カチオンが結合する強度と感度に影響を及ぼす。もし、高分子電解質上の結合部位が多価カチオンのイオン半径に最適に整合する形状および配位環境を有するならば、高分子電解質と多価カチオンとの間の結合相互作用は、特別の構造上の特徴を有しない類似の高分子電解質よりも大きい。Ca2+(イオン半径:1.14オングストローム;六配位)について最適である結合部位は、Mg2+(イオン半径:0.86オングストローム;六配位)に対しては必ずしも最適ではないことは明らかである。一方で、Ca2+(イオン半径:1.14オングストローム;六配位)について最適である結合部位は、一価Na+ (イオン半径:1.16オングストローム;六配位)によく結合することは容易に理解される。
【0016】
しかしながら、親水性である中和されたアクリル酸、マレイン酸、またはビニルスルホン酸のモノマーのみから構成されているポリマー分散剤は、安定な顔料分散体を生じない。その理由は、親水性官能基が通常の顔料の表面に十分に付着しないからである。安定な顔料分散体を得ることができるのは、ポリマー分散剤も顔料の表面に吸着しかつ付着する一つ以上の疎水性部分を含有する場合のみである。従って、立体構造的な安定化とイオン安定化との両方を付与するポリマー分散剤は、疎水性部分と親水性部分との両方を含有しなければならない。
【0017】
米国特許第4,597,794号には、顔料を、親水性に中和されたカルボン酸官能基と顔料表面に付着する疎水性芳香族環官能基とを有するランダムポリマーを用いて分散した、インクジェットプリンター用水性インク分散体が記載されている。このポリマーはランダムコポリマーであるので、線電荷密度は低く、典型的な普通紙の表面上の多価カチオンに対する感度は低いと思われる。
【0018】
米国特許第5,085,698号には、顔料をABまたはBABブロックコポリマーを用いて分散した、インクジェットプリンター用水性インク分散液が記載されている。このブロックコポリマーの部分Aは、アクリル酸エステルまたはアクリル酸アミドの疎水性水不溶性ホモポリマーまたはコポリマーである。また、このブロックコポリマーの部分Bは、アクリル酸、アクリル酸アミドまたはエステルのアルコール部が親水性を有するアクリル酸エステルの親水性水溶性ホモポリマーまたはコポリマーである。アクリル酸を有する部分Bを有するブロックコポリマーでは、酸官能基は、有機塩基、アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選択される中和剤で中和される。この公報に記載されている実施例および比較例は、独立した疎水性部分と親水性部分とを有するABまたはBABブロックコポリマー顔料分散体を用いて配合されたインクが、疎水性モノマーと親水性モノマーとのランダムコポリマーを用いて配合されたインクよりも、印字性能において優れることを示している。さらに、ブロックコポリマーが疎水性部分B上に高線電荷密度を有することから、上記したランダムコポリマーよりも、一般的な普通紙の表面上の多価カチオンに対し感度がよいと思われる。しかし、親水性部分Bは高線電荷密度を有しているが、多価カチオンへの結合に有利に働く特別な構造上の特徴を有していない。
【0019】
一方で、ポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸が多価カチオンとの結合に適した構造を有することを報告する文献はいくつか存在する。例えば、ポリグルタミン酸が、その構造的な適合性から、ポリビニルスルホン酸と比較して炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムの沈殿を遅らせることが報告されている(Journal of Crystal Growth, vol.35,145-52(1976))。また、ポリアスパラギン酸については、硫酸カルシウムの沈殿を抑制する点において、ポリアクリル酸よりも優れることが報告されている(Adv.Chem.Ser.,vol.248,99-111(1996))。しかしながら、これら文献は、ポリアスパラギン酸またはポリグルタミン酸を疎水性ポリマーと組み合わせること、さらにはそのようなポリマーが顔料分散剤として機能することを開示も示唆もしていない。
【0020】
【発明の概要】
本発明者は、今般、新規なポリアミノ酸誘導体が顔料分散剤として優れ、かつこの誘導体を含んだインク組成物によれば良好な画像が実現できるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0021】
従って、本発明は、信頼性のある印刷性能が得られるとともに、とりわけ普通紙において品質の優れた画像が得られる顔料分散水性インク組成物の提供をその目的としている。
【0022】
そして、本発明による顔料分散水性インク組成物は、
(a)水と水溶性有機溶剤とを少なくとも含んでなる溶媒と、
(b)顔料と、そして
(c)アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの混合物からなるポリアミノ酸のアミノ末端に、疎水性ポリマーが共有結合されてなるポリアミノ酸誘導体とを含んでなるものである。
【0023】
【発明の具体的説明】
インク組成物
本発明によるインク組成物は、インク組成物を用いた記録方式に用いられる。インク組成物を用いた記録方式とは、例えば、インクジェット記録方式、ペン等による筆記具による記録方式、その他各種の印字方式が挙げられる。特に本発明によるインク組成物は、インクジェット記録方法に好ましく用いられる。
【0024】
ポリアミノ酸誘導体
本発明によるインク組成物に含まれるポリアミノ酸誘導体は、ポリアミノ酸部分と、そのポリアミノ酸部分のアミノ末端に共有結合された疎水性ポリマーとからなる。そして、このポリアミノ酸部分は、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの混合物からなる。
【0025】
このポリアミノ酸誘導体は、本発明によるインク組成物中において、顔料を良好に分散させる機能を担っているものと考えられる。さらに、このポリアミノ酸誘導体の添加によって、本発明によるインク組成物は良好な印字特性を有し、かつ高品質の印刷画像を実現する。その理由は定かではないが、このポリアミノ酸誘導体は疎水性部分と親水性部分を合わせ持つものであり、従来知られたこの二つの部分を有するタイプの分散剤と同様の機序ではあるが、より改善された機序によって顔料を安定に分散させ、かつヒゲのない良好なドットを形成可能としているためであると予想される。
【0026】
より具体的には、まず、疎水性ポリマー部分が顔料表面に吸着し、顔料粒子を水性溶媒中に良好に分散させる。一方、ポリアミノ酸誘導体のポリアミノ酸部分は、多価カチオンと選択的かつ強力に結合する構造を有しているものと考えられる。そして、この結合はポリアミノ酸誘導体の電荷を中和させるのに十分なものであり、この結合により顔料粒子を安定に分散させていた状態が破壊される。従って、本発明によるインク組成物が紙などの記録媒体上に付着すると、紙上に存在している多価カチオンとポリアミノ酸部分とが結合し、インク組成物の分散状態が破壊され、着色剤が溶媒と分離する。その結果、着色剤が記録媒体上において広がらず、ヒゲのない良好なドットが形成されるものと考えられる。以上の理論はあくまで予想であって、本発明はこの理論に拘束されるものではない。
【0027】
本発明によるインク組成物におけるこのポリアミノ酸誘導体の添加量は、本発明の効果が得られる範囲で適宜決定されてよいが、約0.1〜30重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%である。
【0028】
ポリアミノ酸部分
本発明において、ポリアミノ酸部分は、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの混合物からなる。このポリアミノ酸部分は、上記したような本発明による有利な効果が得られる限りにおいて、アスパラギン酸およびグルタミン酸以外のアミノ酸を含んでなることができる。本発明の好ましい態様によれば、ポリアミノ酸部分のアスパラギン酸および/またはグルタミン酸の含量は、90重量%を超えるのが好ましい。
【0029】
本発明において使用されるポリアミノ酸部分の数平均分子量は、約700〜10,000である。より好ましくは約800〜約4000である。
【0030】
本発明においてポリアミノ酸中に存在するアスパラギン酸はD−体であってもL−体であってもよく、またそれらが混在していてもよい。また、アスパラギン酸と隣り合うアミノ酸とのペプチド結合は、アスパラギン酸のα位のカルボキシル基を介するものであってもよく、またβ位のカルボキシル基を介するものであってもよい。また、グルタミン酸についても、ポリアミノ酸中に存在するグルタミン酸はD−体であってもL−体であってもよく、またそれらが混在していてもよい。さらに、グルタミン酸と隣り合うアミノ酸とのペプチド結合は、α位のカルボキシル基を介するものであってもよく、またγ位のカルボキシル基を介するものであってもよい。
【0031】
ポリアスパラギン酸は、L−アスパラギン酸を出発原料として二工程からなる工業的方法により調製することができる。まず、第一の工程において、結晶L−アスパラギン酸を200℃以上の温度において加熱重合させ、ポリコハク酸イミドを得る。この反応は単純な縮合反応であり、副生成物は水のみである。第二の工程において、ポリコハク酸イミドを50〜60℃の加熱水性スラリーとし、化学量論的に当量の塩基の存在下において加水分解を行い、ポリアスパラギン酸を塩の形態で得る。典型的には、水酸化ナトリウムをスラリーのpHが10を超えない量加える。この方法の詳細はAdvances in Chemistry Series,vol.248,pp.99-111(1996)に記載がある。この方法によって得られたポリアスパラギン酸は、β位のカルボン酸を介したペプチド結合が70%程度であり、α位のカルボン酸を介したペプチド結合が30%程度であり、かつ数平均分子量が約2,000である。より低分子のポリアスパラギン酸は、スラリーのpHを12以上とし加水分解を行うことによって得ることができる。
【0032】
一方、ポリグルタミン酸は種々の微生物学的な方法によって得ることができる。典型的なポリグルタミン酸を産生可能な微生物としては、Bacillus lichenformis ATCC 9954aが挙げられる。この微生物により産生されるポリグルタミン酸は、ペプチド結合のほぼ全てがγ位のカルボキシル基を介したものであり、かつ数平均分子量が約100,000以上のものである。本発明において好ましく用いられる分子量のポリグルタミン酸は、高分子のポリグルタミン酸を加水分解酵素、例えば Aspergillus属由来のポリグルタメートハイドロラーゼ、Myrothecium属由来のポリグルタミン酸ハイドロラーゼと反応させて得ることができる。
【0033】
また、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、およびポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸のコポリマーは、モノベンジルエステルで保護されたα−アミノ酸のN−カルボキシ無水物(NCA)を用いて製造することも可能である。アスパラギン酸のモノベンジル保護体は市販されており、例えばL−アスパラギン酸β−ベンジルエステルは Sigma Chemical 社から入手可能である。また、グルタミン酸のモノベンジルエステルも市販されており、例えばL−グルタミン酸γ−ベンジルエステルは Sigma Chemical 社から入手可能である。これらのモノベンジルエステル保護体は、例えば保護体をTHFに溶解し、これとベンゼン中のホスゲンとを反応させることによって、対応するNCA誘導体に変換できる(例えば、Biopolymers,Vol.15,1869-71(1976)を参照)。
【0034】
この対応するNCA誘導体を重合させ、その後保護基であるベンジル基をのぞくことによって、ポリアスパラギン酸またはポリグルタミン酸を得ることができる。同様に、アスパラギン酸とポリグルタミン酸とのコポリマーは、対応するNCA誘導体の混合物を重合させ、その後保護基であるベンジル基をのぞくことによって得ることができる。一般的には、NCA誘導体単独の重合またはその混合物の重合は、例えばジオキサンまたは塩化メチレンのような溶媒中で、トリエチルアミンまたはベンジルアミノのようなアミン開始剤を用いて行うことができる。α位のカルボキシル基を介したペプチド結合を有する比較的高い分子量のポリマー(例えば約100,000)は、このような方法によって好ましく製造することができる。ベンジル基の脱保護は、トリフルオロ酢酸およびメタンスルホン酸との混合物を用いて実施することができる。室温における約30分以上の反応により、得られたポリマー中のベンジル基は0.1%以下とすることができる。トリフルオロ酢酸とメタンスルホン酸の混合物によるベンジル基の脱保護反応が起こると同時に、競争反応としてポリマー鎖の切断が生じる。0℃から常温の間には、ポリマー鎖の切断反応速度がベンジル基の脱保護反応速度より遅い。従って、時間と温度を注意深く制御することによって、本発明において好ましい範囲にある分子量を有するポリアミノ酸を得ることができる。
【0035】
疎水性ポリマー部分
本発明において疎水性ポリマー部分は、スチレンまたはスチレン誘導体、ビニルピリジンまたはビニルピリジン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエンおよびイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーから調製されるホモポリマーまたはコポリマーである。モノマーは適宜選択されてよいが、その例としては、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、3−ニトロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−トリメチルシロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、p−トリルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、フェニルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−トリメチルシロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、p−トリルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエンおよびイソプレンが挙げられる。
【0036】
本発明における疎水性ポリマーは、通常のアニオン重合法を用いて調製できる。アニオン重合は「リビング」高分子カルバニオンを使用することから、酸素、湿気および他の不純物に関して厳しい条件を重合反応中維持しなければならない。したがって、溶媒およびモノマーは重合前に厳密に精製しなければならない。
【0037】
通常のアニオン重合法を用いて調製した疎水性ポリマーは、分子量分布が極めて狭い。ポリマーの重量平均分子量を数平均分子量で割った分散度で表したとき、典型的なポリマーの分散度は、1.5未満であり、一般的には1.0〜1.3の範囲である。ポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の両方とも、既知分子量のポリマー標準を用いて校正したカラムを用いて、サイズクロマトグラフィーから得ることができる。本発明の好ましい態様によれば、本発明において疎水性ポリマーの数平均分子量は10,000以下が好ましく、より好ましくは5,000以下であり、最も好ましくは2,000以下である。また、本発明において疎水性ポリマーの数平均分子量は300以上であるのが好ましい。従って、好ましい数平均分子量は300〜2,000の範囲である。
【0038】
アニオン重合についての技術分野において周知のように、多数の求電子剤が「リビング」高分子カルバニオンと反応して官能基末端ポリマーを生じさせる。疎水性高分子部分をポリアミノ酸のアミノ末端へ共有結合させるためには、このような官能基末端ポリマーが望ましい。カルボキシ末端、ヒドロキシ末端およびアミノ末端ポリマーが、常法により容易に調製できる。
【0039】
疎水性高分子部分をポリアミノ酸のアミノ末端へ共有結合させるためには、カルボキシ末端疎水性ポリマー、すなわちN−アシル化アミノ末端ポリアミノ酸に対して結合させうるものの利用が好ましい。カルボキシ末端疎水性ポリマーは、二酸化炭素と、「リビング」アニオン性ポリマーとを反応させることによって得ることができる。カルボキシ末端疎水性ポリマーは、常法に従い容易にN−アシル化誘導体(例えば、カルボキシルハライド末端ポリマーまたはカルボン酸無水物末端ポリマー)に変換することができる。
【0040】
ポリアミノ酸誘導体の製造
上記したように、米国特許第5,085,698号には、疎水性(A)部分と親水性(B)部分を有するABまたはBABブロックコポリマーからなる顔料分散剤の利用が、ランダムコポリマーと比較した場合に有利であることが明瞭に示されている。一種類の疎水性ポリマーをポリアミノ酸のアミノ末端へ共有結合させることにより、米国特許第5,085,698号の分類によりABブロックコポリマーとして分類できるポリアミノ酸誘導体が得られる。また、二種類の疎水性ポリマーをポリアミノ酸の複数のカルボキシル基へ共有結合させることにより、上記特許の分類では分類できないポリアミノ酸誘導体が得られる。本発明において利用される、一種の疎水性ポリマーがポリアミノ酸のアミノ末端へ有結合された構造を有するポリアミノ酸誘導体は、以下に説明する方法によって好ましく製造することができる。
【0041】
上に記載したポリアミノ酸は、疎水性ポリマーを化学的に結合可能な二種の官能基を有している。すなわち、アスパラギン酸単位およびグルタミン酸単位ごとに存在する複数のカルボキシル基と、ポリアミノ酸の末端に存在する唯一のアミノ基である。ここで、カルボキシル基への疎水性ポリマーのカルボキシ基への結合は、ポリアミノ酸の多価カチオンへの結合に悪影響を及ぼすことが予想される。
【0042】
従って、疎水性ポリマーを結合させてよいポリアミノ酸の唯一の官能基は末端のアミノ基である。よって、疎水性ポリマーを末端アミノ基へ共有結合させることにより、本発明において用いられるポリアミノ酸誘導体を製造する。アミノ基はポリアミノ酸の末端に存在するので、疎水性ポリマーの共有結合は、ポリアミノ酸部分と普通紙の表面に存在する多価カチオンとの間の結合相互作用を遮るものとはならない。
【0043】
疎水性ポリマーをポリアミノ酸の末端アミノ基に共有結合させるために数多くの方法が有効であるが、本発明において好ましい方法は、カルボキシルハライド末端ポリマーまたはカルボン酸無水物末端ポリマーを用いたN−アシル化である。ポリアミノ酸の末端アミノ基のN−アシル化によりアミドが形成される。アミドは化学的に強力な結合であり、強い酸性またはアルカリ条件下においてのみ加水分解される。このような化学的に強力な結合は、インク組成物の用途、とりわけインクジェット記録用インク組成物の用途において十分なものである。
【0044】
カルボキシルハライドおよびカルボン酸無水物のようなアシル化剤を用いたアミノ基のアシル化のための一般的な方法は種々知られており、これら一般的な方法をカルボキシルハライド末端ポリマーまたはカルボン酸無水物末端ポリマーに適用することができる。例えば、Inoue らは、ジエチレントリアミノペンタ酢酸無水物を用いて、ピリジン中65℃、24時間で、キトサンをN−アシル化している(Adv.Chitin Science,vol.1,271(1996))。この方法を、ジエチレントリアミノペンタ酢酸無水物に代えてカルボン酸無水物末端疎水性ポリマーに適用することで、ポリアミノ酸のアミノ基をアシル化することができる。また、Georgらは、低分子量の有機酸クロライドを用い、炭酸水素ナトリウムをpH緩衝液として用いたSchotten-Baumann条件下で、N−無ベンゾイルタキソールをN−アシル化している(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,Vol.4,No.2,335(1994))。この方法を、低分子量の有機酸クロライドに代えてカルボキシルハライド末端ポリマーに適用することで、ポリアミノ酸のアミノ基をアシル化することができる。
【0045】
上記以外の方法の種々の方法によっても疎水性ポリマーをポリアミノ酸の末端アミノ基に導入することが可能である。例えば、グリコ複合体の合成およびスクリーニングに使用されている手法もポリアミノ酸に適用できる。この方法の第一工程において、大過剰のホモ二官能試薬、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)を用いて、末端アミノ基を選択的にアミド化する。この結果、一つのN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルがそのまま残り、さらに誘導化できる。そして、第二工程では、DSS変性グリコシルアミン誘導体を、アミン官能化疎水性ポリマーを用いて選択的にアミド化する。最終的に、8炭素スペーサ基により、一つの疎水性ポリマーがアミノ酸のアミノ末端に単共有結合することとなる。
【0046】
顔料
本発明において用いられる顔料は、有機または無機顔料のいずれかまたはその混合物であってよい。本明細書で使用される用語「顔料」は、不溶性顔料を意味する。
【0047】
顔料粒子は、顔料分散インクがインクジェット印刷装置、とりわけ直径が典型的に10〜50μmである吐出ノズルを通って自由に流れるに十分な程度に小さいものであることが望ましい。顔料の粒径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
【0048】
選択された顔料は、乾燥または未乾燥の形態で使用できる。通常、顔料は、水性媒体中で製造され、この顔料は水湿潤プレスケーキとして得られる。このプレスケーキの形態では、顔料は、乾燥形態である程度には凝集しない。未乾燥プレスケーキの形態での顔料は、インクの製造工程において乾燥顔料ほどの解凝集を必要としない。
【0049】
本発明において利用可能な顔料としては、以下のものなどが挙げられる:シムラーファーストイエローGF(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー12)、シムラーファーストイエローGFR(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー13)、シムラーファーストイエロー5GF(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー14)、Irgalite Yellow CG(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントイエロー16)、シムラーファーストイエローHGF(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー17)、シムラーファーストイエロー4117(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロ−73)、シムラーファーストイエロー4191N(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー74)、シムラーファーストイエロー4181(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー83)、Chromophthal Yellow 3G(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントイエロー93)、Chromophthal Yellow GR(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントイエロー95)、シムラーファーストイエロー4186(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー97)、Hansa Brilliant Yellow 10GX(Hoechst Celanese社製;C.I.ピグメントイエロー98)、Permanent YellowG3R−01(Hoechst Celanese社製;C.I.ピグメントイエロー114)、Chromophthal Yellow 8G(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントイエロー128)、Irgazin Yellow 5GT(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントイエロー129)、Hostaperm Yellow H4G(Hoechst Celanese社製;C.I.ピグメントイエロー151)、シムラーファーストイエロー4192(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー154)、Hostaperm Orange GR(Hoechst Celanese社製;C.I.ピグメントオレンジ43)、Paliogen Orange(BASF社製;C.I.ピグメントオレンジ51)、シムラーブリリアントカーミン(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントレッド57:1)、 ファーストゲンスーパーマゼンタ(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントレッド122)、Paliogen Red L3870(BASF社製;C.I.ピグメントレッド123)、Hostaperm Scarlet GO(Hoechst Celanese社製;C.I.ピグメントレッド168)、Permanent Rubine F6B(Hoechst Celanese社製;C.I.ピグメントレッド184)、Monastral Magenta(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントレッド202)、Monastral Scarlet(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントレッド207)、ファーストゲンブルーGP−100(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントブルー15:2)、ファーストゲンブルーGNPR(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントブルー15:3)、ファーストゲンブルーGNPS(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントブルー15:4)、Micracet Blue R(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントブルー60)、ファーストゲングリーンS(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントグリーン7)、ファーストゲングリーン2YK(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントグリーン36)、ファーストゲンスーパーレッド(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントバイオレット19)、ファーストゲンスーパーバイオレット(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントバイオレット23)、Monastral Maroon RT−229−D(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメントバイオレット42)、Raven 1170(Columbian Chemicals社製C.I.ピグメントブラック7),スペシャルブラック4A(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック7)、FW10(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック7)、およびColour Blacks(Degussa社製ピグメントブラック7)。
【0050】
本発明組成物中における顔料の量は、約0.1〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
【0051】

水は、本発明の顔料分散水性インク組成物のための主要溶媒である。本発明によるインク組成物中の水性キャリア媒体の量は70〜99.8重量%であるのが好ましい。インク組成物に含ませることができる追加成分をさらに以下に示す。
【0052】
塩基
顔料分散剤のポリアミノ酸部分を水性媒体に可溶化するために、カルボン酸官能基の一部分または全ての中和を必要とすることがある。このための適当な塩基としては、有機塩基、アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物およびそれらの混合物などが挙げられる。適当な塩基としては、例えば、以下のものが挙げられる:メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−モノエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウム。
【0053】
水溶性補助溶媒
上記した成分の他に、インクは、任意に一種以上の水溶性有機溶媒を含有できる。水溶性有機溶媒は、よく知られており、(1)イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、(2)アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、(3)テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、(4)エチルアセテート、プロピレンカルボネート等のエステル類、(5)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、グリセロール等の多価アルコール類、(6)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−イソブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、、エチレングリコールモノ−n−アミルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルおよびジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等の多価アルコール類の低級アルキルエーテル、(7)尿素、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素含有化合物、(8)ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド等のイオウ含有化合物などがある。インクに使用される補助溶媒の総量は特に限定されないが、好ましくは、補助溶媒は0.5〜40重量%の範囲で存在する。
【0054】
他の成分
上記で記載した成分の他に、インクは、アニオン性または非イオン性界面活性剤からなる群から選択される一種以上の浸透性付与界面活性剤を任意に含有してよい。アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホネートおよび高級アルコールリン酸エステル塩などが挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、アセチレンジオールのエチレンオキシド付加物、高級アルコールのエチレンオキシド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキシド付加物、脂肪族エチレンオキシド付加物、高級アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物、脂肪酸アミドのエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールのエチレンオキシド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステル、アルカノールアミン脂肪酸アミドおよびエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーなどが挙げられる。米国、18195、ペンシルベニア州アレンタウンにあるAir Products and Chemicals社より入手できるアセチレン系ジオールのエチレンオキシド付加物が好ましく使用される。これらの例としては、サーフィノール465(エトキシル化テトラメチルデシンジオール)、サーフィノールCT−136(アセチレン系ジオールとアニオン界面活性剤との配合物)、サーフィノールGA(アセチレン系ジオール配合物)およびサーフィノールTG(エチレングリコールへのアセチレン系ジオールの配合物)が挙げられる。インクにおける浸透性付与界面活性剤の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、0.01〜5重量%の範囲である。上記浸透性付与界面活性剤の他に、pH緩衝剤、殺生剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤および酸化防止剤等の添加剤を含有してよい。インクの全ての組成物の量は、インクの粘度が20℃で10cps未満であるように選択される。
【0055】
インクの調製
本発明のインク組成物は、適当な方法を用いて上記した成分を分散・混合することにより一工程で調製できる。また、インク組成物は、1)上記した成分の一部分を分散・混合し、2)その後、残りの成分を分散液に添加・混合することにより、二工程で調製することもできる。分散工程は、ボールミル、サンドミル、アトリッター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジェナイザー、ジェットミルまたはオングミルを用いて行い、均一分散液を得ることができる。
【0056】
まず着色インクを濃縮形態で調製した後、この濃縮分散液を希釈してインクジェットプリンターに使用するのに適当な濃度としてよい。また、一般的に、顔料分散水性インク組成物を、好ましくは金属メッシュフィルターまたはメンブレンフィルターを用いて、濾過することが望ましい。濾過は、濾過されているインク組成物に圧力を加えるか、濾過装置の受容端の圧力を減少することによって行ってもよい。また、遠心分離を使用して、インクジェットプリンターのプリントヘッドのノズルの障害を生じることのある大きな粒子を除去してもよい。
【0057】
【実施例】
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0058】
以下の実施例において、有機溶媒は一般的な方法によって精製されたものを用いる。1,4−ジオキサンは水酸化カリウムで予備的に乾燥した後、アルゴン下ナトリウムワイヤーの存在下蒸留する。トリエチルアミンはフタル酸無水物の存在下還流し、その後蒸留する。トリフルオロ酢酸は、1%トリフルオロ酢酸無水物と共に還流した後、蒸留する。メタンスルホン酸、酢酸エチル、アニソール、およびイソプロピルエーテルは Aldrich Chemical 社から入手し、そのまま用いる。
【0059】
ポリアミノ酸の製造
以下の実施例に使用するポリアスパラギン酸は、以下の一般的な方法を用いて調製することができる。β−ベンジル−L−アスパラギン酸エステルのN−カルボン酸無水物は、β−ベンジル−L−アスパラギン酸(Aldrich Chemical 社から入手可能)を出発原料として、Fuller et al.の方法(Biopolymers, Vol.15,1869-71(1976))により、収率約80%で得ることができる。66gのβ−ベンジル−L−アスパラギン酸エステルのN−カルボン酸無水物を2リットルの1,4−ジオキサンにアルゴン雰囲気下撹拌しながら溶解する。この溶液に、1,4−ジオキサン1リットルに1mlのトリエチルアミンを溶解した溶液を加える。この溶液をアルゴン雰囲気下で10時間、室温で撹拌する。次に、イオン交換水2リットルを、上記の1,4−ジオキサン溶液に加え、混合液を1時間撹拌する。溶液の容量が80%減るまで溶媒を減圧下留去し、精製した固形物を濾取する。得られた固形物を水で数回洗い、減圧下乾燥する。収率は約70%程度である。
【0060】
ポリ(β−ベンジル−L−アスパラギン酸)のベンジルの脱保護および低分子量化は次のように実施する。46gのポリ(β−ベンジル−L−アスパラギン酸)をトリフルオロ酢酸(375ml)およびアニソール(68ml)の混合液に溶解する。この溶液をアイスバスで0℃まで冷却する。冷却したこの溶液に、メタンスルホン酸(375ml)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌する。アイスバスをはずし、攪拌を60分間続けながら溶液の温度を室温まで上げる。次に、反応液を6.5リットルのイソプロピルエーテルに加える。生じた析出物を濾取し、イソプロピルエーテルで数回洗い、減圧下乾燥する。
【0061】
以下の実施例に使用するポリグルタミン酸は、以下の一般的な方法を用いて調製することができる。γ−ベンジル−L−グルタミン酸エステルのN−カルボン酸無水物は、γ−ベンジル−L−グルタミン酸(Aldrich Chemical 社から入手可能)を出発原料として、Fuller et al.の方法(前掲文献)により、収率約90%で得ることができる。70gのγ−ベンジル−L−グルタミン酸エステルのN−カルボン酸無水物を2リットルの1,4−ジオキサンにアルゴン雰囲気下撹拌しながら溶解する。この溶液に、1,4−ジオキサン1リットルに1mlのトリエチルアミンを溶解した溶液を加える。この溶液をアルゴン雰囲気下で10時間、室温で撹拌する。次に、イオン交換水2リットルを、上記の1,4−ジオキサン溶液に加え、混合液を1時間撹拌する。溶液の容量が80%減るまで溶媒を減圧下留去し、精製した固形物を濾取する。得られた固形物を水で数回洗い、減圧下乾燥する。収率は約70%程度である。
【0062】
ポリ(γ−ベンジル−L−グルタミン酸)のベンジルの脱保護および低分子量化は次のように実施する。63gのポリ(γ−ベンジル−L−グルタミン酸)をトリフルオロ酢酸(500ml)およびアニソール(90ml)の混合液に溶解する。この溶液をアイスバスで0℃まで冷却する。冷却したこの溶液に、メタンスルホン酸(500ml)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌する。アイスバスをはずし、攪拌を65分間続けながら溶液の温度を室温まで上げる。次に、反応液を9.0リットルのイソプロピルエーテルに加える。生じた析出物を濾取し、イソプロピルエーテルで数回洗い、減圧下乾燥する。
【0063】
ポリアミノ酸誘導体溶液A
N−ポリアスパラルチル−ポリスチレン−ω−カルボキシアミド
20.0gのポリアスパラギン酸と、6.0gの水酸化リチウム一水和物とを500mlのイオン交換水に溶解し、撹拌する。次に、5gの炭酸リチウムを加える。激しく撹拌しているこの炭酸リチウムを分散させたポリアスパラギン酸塩溶液に、20.0gの塩化ω−カルボキシル末端を有するポリスチレン(Mn=1600、Polymer Source 社、Dorval、カナダ)を酢酸エチル400mlに溶解した溶液を、滴下する。滴下後、溶液をさらに4時間撹拌し続ける。アイスバスを用いて溶液を冷却し、濃塩酸を滴下し、過剰の炭酸リチウムを中和する。濃塩酸の添加を溶液のpHが1.5に達するまで続ける。次に、溶液を減圧下蒸発乾固させる。残渣をトルエンで何度か洗い、ポリスチレン誘導体を除く。洗液を捨て、残った固形物を減圧下、恒量となるまで乾燥させる。
【0064】
乾燥した固形物をイオン交換水に入れ、ポリアミノ酸誘導体の40重量%の混合物を得る。この混合物を激しく撹拌し、N,N−ジメチルエタノールアミンを2〜3時間かけて滴下する。その後、混合物のpHが8.0となり変化しなくなるまで激しく攪拌を続ける。少量の不溶物を濾取する。固形物濃度が約25重量%となるようにさらにイオン交換水を加える。
【0065】
ポリアミノ酸誘導体溶液B
N−ポリアスパラルチル−ポリ(2−ビニルピリジン)−ω−カルボキシアミド
塩化ω−カルボキシル末端を有するポリスチレンに代えて、塩化ω−カルボキシル末端を有するポリ(2−ビニルピリジン)(Mn=1500、Polymer Source 社、Dorval、カナダ)を用いた以外は、上記ポリアミノ酸誘導体溶液Aと同様にして調製する。
【0066】
ポリアミノ酸誘導体溶液C
N−ポリグルタミル−ポリスチレン−ω−カルボキシアミド
ポリアスパラギン酸に代えてポリグルタミン酸を用いた以外は、上記ポリアミノ酸誘導体溶液Aと同様にして調製する。
【0067】
ポリアミノ酸誘導体溶液D
N−ポリグルタミル−ポリ(2−ビニルピリジン)−ω−カルボキシアミド
ポリアスパラギン酸に代えてポリグルタミン酸を用いた以外は、上記ポリアミノ酸誘導体溶液Bと同様にして調製する。
【0068】
実施例1
以下に示す成分を混合し、この混合物を、合計重量がこの混合物の1.5倍のガラスビーズ(直径1.7mm)を入れたサンドミル(安川製作所製)によって分散する。微粉砕を2時間実施する。
Figure 0004019335
ガラスビーズを粗ステンレスメッシュで濾去する。得られた混合物97部をビーカーに移し、トリエチレングリコールモノブチルエーテル3部を加え希釈する。混合物を2時間撹拌する。次に、未分散粒子を3ミクロンメンブレンフィルターにより混合物から濾去して、インクジェット印刷用インクを得る。
【0069】
実施例2
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例1と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なインクを得る。
Figure 0004019335
【0070】
実施例3
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例1と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なインクを得る。
Figure 0004019335
【0071】
実施例4
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例1と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なインクを得る。
Figure 0004019335
【0072】
実施例5
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルにより分散する。
Figure 0004019335
ガラスビーズを粗ステンレスメッシュで濾去する。次に、未分散粒子を3ミクロンメンブレンフィルターにより混合物から濾去して、インクジェット印刷用インクを得る。
【0073】
実施例6
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例5と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なインクを得る。
Figure 0004019335
【0074】
実施例7
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例5と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なインクを得る。
Figure 0004019335
【0075】
実施例8
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例5と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なインクを得る。
Figure 0004019335
【0076】
比較例1
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例5と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なインクを得る。
Figure 0004019335
【0077】
比較例2
以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサンドミルで分散する。この例で使用するポリマー分散剤は、米国特許第5,085,698号に記載の方法により調製したメチルメタクリレート//メチルメタクリレート/メタクリル酸ブロックコポリマー(MMA//MMA/MA)である。ブロックコポリマーを、N,N−ジメチルエタノールアミンで中和し、そして固形分25重量%の溶液が得られるように希釈する。
Figure 0004019335
ガラスビーズを、粗ステンレス製メッシュで濾去する。分散液1部をビーカーに移し、20重量%ジエチレングリコール水溶液3部で希釈する。得られた混合物を2時間攪拌する。次に、未分散粒子を3ミクロンメンブランフィルターで混合物から濾去することにより、インクジェット印刷用インクを得る。
【0078】
連続印刷試験
上記インクの連続印刷条件下での信頼性を以下のようにして評価する。まず、インクを脱泡し、熱シール性アルミニウムパックにシールする。次にインクをMJ−800Cプリンタ(セイコーエプソン社製)のプリントヘッドに装填する。最初にノズルの全てを使用するラインパターンを印刷して、インクが全てのノズルから良好な方向性で吐出される状態とする。印刷パターンを、断続的なベタブロックと全てのノズルから吐出されるラインパターンを有するものに変更する。組み合わせパターンをA4サイズの用紙全面に連続印刷する。印刷した用紙について、100枚ごとに、飛行曲がり、ノズルの詰まり、およびベタブロックの光学濃度の減少(5%未満)がないかどうかを評価する。比較例1を除く試験したインクの全てについて、印刷した10,000枚の用紙に関して飛行曲がり、ノズルの詰まり、そして光学濃度の減少は観察されないと予想される。比較例1については、5000枚未満で飛行曲がりが生じると予想される。
【0079】
断続印刷試験
上記インクの断続印刷条件下での信頼性を以下のようにして評価する。まず、インクを脱泡し、熱シール性アルミニウムパックにシールする。次に、インクを、MJ−800Cプリンタのプリントヘッドに装填する。ノズルの全てを使用するラインパターンを最初に印刷して、インクが全てのノズルから良好な方向性で吐出される状態とする。インク一滴を各ノズルから順次吐出した後、プリントヘッドにキャップをしない状態でかつインクを吐出しない休止時間を設ける印刷パターンに変更する。全てのノズルから1ドットを吐出した後休止時間とするこのパターンを、休止時間の長さを5秒単位で増加させながら連続的に反復する。例えば、最初の休止時間が5秒、二番目の休止時間が10秒、三番目の休止時間が15秒のようにする。ノズルが最初に吐出不良を生じる休止時間の時間間隔を記録する。比較例1を除く試験したインクの全てについて、最初のノズルの吐出不良が生じる前の最小時間間隔は90秒超であると予想される。比較例1については、吐出不良前の最小時間間隔は60秒未満であると予想される。
【0080】
長期保存試験
上記インクのプリントヘッドにおける長期保存についての信頼性を以下のように評価する。まず、インクを脱泡し、熱シール性アルミニウムパックにシールする。次に、インクをMJ−800Cプリンタのプリントヘッドに装填する。最初にノズルの全てを使用するラインパターンを印刷して、インクが全てのノズルから良好な方向性で吐出される状態とする。次に、インク供給源をプリントヘッドから外すとともに、プリンターからプリントヘッドを取り外す。このプリントヘッドを、キャップをせずに恒温オーブン中40℃に7日間保存する。プリントヘッドをプリンターに再び取付け、インク供給源をプリントヘッドに再び取り付ける。プリンターのクリーニング操作を実施した後、ノズルの全てを使用するラインパターンの印刷を行う。クリーニング操作とその後のラインパターンの印刷を、全てのノズルにより良好な方向性(飛行曲がりがない)で印刷できるまで反復し、全てのノズルが回復するまでのクリーニング回数を記録する。比較例1を除く試験したインクの全てについて、完全に回復するのに必要とするクリーニング回数は3回以下と予想される。比較例1については、クリーニング操作を10回行った後でも全てのノズルの完全回復は達成されないと予想される。
【0081】
熱サイクル試験
上記インクの2つの極端温度(−30℃および60℃)での信頼性を以下のように評価する。まず、インクを脱泡し、30mLガラス試料瓶に密封する。試料瓶を60℃の恒温オーブンに入れ、この温度条件下で24時間保存する。試料をオーブンから取り出し、−30℃の恒温冷凍庫に移し、この温度条件で24時間保存する。この二温度サイクルを合計10サイクルが完了するまで反復する。最後のサイクルの後、インクを室温に解凍し、ガラス試料瓶を震盪することなく逆さまにし、試料瓶の底に析出物がないか調べる。比較例1を除く試験したインクの全てについて、析出物は観察されないと予想される。比較例1については析出物が観察されると予想される。
【0082】
乾燥時間試験
ベタブロックパターンを印刷し、印刷したパターンを10秒づつ間隔を増しながら拭き取ることにより、上記インクの乾燥時間を評価する。印刷は、MJ−800Cプリンタを用いて実施し、記録紙はゼロックス4024紙を使用して、印刷したインクがよごれなくなる時間を記録する。試験した全てのインクについて、乾燥時間は30秒未満であると予想される。
【0083】
印字品質試験
印字品質を、MJ−800Cプリンタを用いて以下のように評価する。標準的な漢字を、ゴシックおよび明朝を用いて4ポイントの文字の大きさで、かつ720dpiで印刷する。記録紙として4種類の普通紙、すなわちゼロックス4024、ゼロックスR、やまゆり、およびConqueror Laidを使用する。印字サンプルを光学顕微鏡を用いて観察し、印字品質の評価を以下の基準に従い行う。
評価A:漢字が鮮明であり且つ文字内の内部空白にインクの入り込みがない。
評価B:漢字は鮮明であるが、画数が約15を超える漢字において内部空白に多少のインクの入り込みが見られる。
評価NG:漢字が鮮明でなく、画数が約10を超える漢字において内部空白に顕著なインクの入り込みが見られる。
印字品質試験の結果は、以下の表1に示されるとおりと予想される。
【0084】
【表1】
Figure 0004019335

Claims (11)

  1. 顔料分散水性インク組成物であって、
    (a)水と水溶性有機溶剤とを少なくとも含んでなる溶媒と、
    (b)顔料と、そして
    (c)アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの混合物からなるポリアミノ酸の末端アミノ基に疎水性ポリマーが共有結合されてなるポリアミノ酸誘導体と
    を含んでなる、インク組成物。
  2. 前記ポリアミノ酸誘導体が、ポリアミノ酸部分のアスパラギン酸および/またはグルタミン酸の含量が90重量%を超えるものである、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記疎水性ポリマーが、スチレンまたはスチレン誘導体、ビニルピリジンまたはビニルピリジン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、およびイソプレンからなる群から選択される少なくとも一種から製造されたホモポリマーまたはコポリマーである、請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 顔料0.1〜10重量%と、ポリアミノ酸誘導体0.1〜20重量%と、溶媒70〜99.8重量%とを含有してなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記ポリアミノ酸部分の数平均分子量が700以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 前記疎水性ポリマー部分の数平均分子量が300以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 前記ポリアミノ酸部分が、有機塩基、アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択された中和剤で中和されたものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. インクジェット記録方法に用いられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. インク組成物を付着させて記録媒体に印字を行う記録方法であって、インク組成物として請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、方法。
  10. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット記録方法。
  11. 請求項9または10に記載の記録方法によって記録が行われた、記録物。
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