JP4011661B2 - 有機系抗菌剤を含有する抗菌性成形物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック、紙、木材、金属板、無機系素材等あらゆる基材、又はこれらの基材を用いたシート状物又は立体形成物に有機系抗菌剤を用いて抗菌性能を付与して、抗菌性製品の抗菌効果を長期間にわたって維持できるようにしたものである。
即ち、有機系抗菌剤を適度な相溶性を有する樹脂に添加して、抗菌性塗膜又は抗菌性フィルムを作りことにより、有機系抗菌剤は樹脂からブリードアウトして、徐々に樹脂表面に出現して抗菌作用を示す。
そのため、表面の有機系抗菌剤が消失しても、樹脂中の有機系抗菌剤は再度表面にブリードアウトして来て、消失分を補充するので、樹脂表面は長期間にわたって抗菌作用を維持することになる。
【0002】
【従来の技術】
従来、室内水回り関係(台所、浴室、洗面所等)や高温多湿の場所及び病院その他の衛生的な環境を必要とする場所での各種備品(電気製品、各種器具等)については、カビや細菌等の発生を防止できる製品が要望されている。
そのため、これらに使用される化粧紙や化粧板等に防カビ性又は抗菌性を付与する方法として、防カビ剤又は抗菌剤を該当素材中に練り込む方法、又は後工程にて抗菌剤を含有する塗料を塗装する方法等が行われていた(特公昭63ー54013号公報、特公平4ー28646号公報に開示)。
また、防カビ性及び抗菌性を有する壁紙や化粧シートを用いて、上記備品等に抗菌性能を付与しようとする試みもなされている(特開平1ー313533号公報に開示)。
【0003】
従来、建築物の壁、天井等の内装、家具、キャビネット等の表面装飾材として用いられる化粧シートは、そのシートにポリ塩化ビニルシートが多く使用されている。例えば、ポリ塩化ビニルシートに木目模様等を印刷し、これに透明なポリ塩化ビニルシートを積層したものや、更に、透明なポリ塩化ビニルシートにエンボス加工を施したものがある。
また、ポリ塩化ビニルシートに代わるものとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シートを使用した化粧シートが提案されている(特開昭54ー62255号公報参照)。
更に、前記ポリオレフィン系樹脂シートの改良仕様として、極性官能基をグラフト重合させたポリオレフィン系樹脂に、オレフィン系熱可塑性エラストマーを混合させたもの(特開平6ー21080号公報、特開平4ー504384号公報)、或いは、ポリオレフィン系樹脂に相溶化剤を用いてポリウレタン樹脂を混合させたもの(特開平7ー26038号公報)、等も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、防カビ剤又は抗菌剤(以下両者を含めて抗菌剤とする)をプラスチック成形品等に練り込む場合は、製造工程やコストが増加したり、生産性が低下する等の問題が発生し易い。
抗菌剤を添加した製品が抗菌作用を示すのは、製品の表面に存在する抗菌剤であるが、成形用樹脂や塗料用樹脂に抗菌剤を練り込む場合、大部分の抗菌剤は樹脂に練り込まれて成形品の中に存在するので、抗菌作用を発揮できないため、抗菌剤の使用方法としては必ずしも最良の方法ではない。
【0005】
また、ポリ塩化ビニルやポリオレフィン系樹脂を使用した抗菌性化粧シートは、静電気が発生し易く塵埃やゴミが付着し易い。
通常、空気中の細菌やカビ等の微生物は、単独で存在することは殆どなく、ゴミ又は塵に付着して存在することが多いため、従来の抗菌性化粧シートは細菌やカビ等に汚染され易くなる。
更に、ゴミや塵に付着した細菌やカビの中で、外側に存在する細菌やカビは、抗菌性化粧シートの表面に存在する抗菌剤に、直接接触できなくなるため、抗菌剤は抗菌作用を発揮できなくなり、抗菌効果の低下を来す問題がある。
特に、比較的大きなゴミが付着した場合は、抗菌性化粧シートは抗菌作用を発揮できなくなり、大きな問題となる。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決するために、成形用樹脂や塗料用樹脂に抗菌剤を練り込んだ場合でも、抗菌剤が表面に移動できるように、抗菌剤として有機系抗菌剤を使用し、又、樹脂として有機系抗菌剤と比較的相溶性の悪い樹脂を選定して、有機系抗菌剤が樹脂の中から表面に徐々にブリードアウトし、消失分を補充できるようにした。
更に、有機系抗菌剤と一緒に帯電防止剤を含有させることにより、有機系抗菌剤のブリードアウトが促進されると共に、帯電防止剤も表面にブリードアウトし、帯電防止効果により表面のゴミの付着が少なくなり、抗菌性能を高めることになった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、シート状物又は立体形成物を含む抗菌性成形物を以下のような構成とした。シート状物又は立体成形物の表面に、抗菌剤と共に帯電防止剤を含有する樹脂組成物からなる抗菌性塗膜を形成した抗菌性成形物において、該抗菌剤が樹脂と不完全な相溶性を有する、10,10′−オキシビスフェノキシアルシンを主成分とする有機系抗菌剤であり、該塗膜を形成する樹脂は、該有機系抗菌剤及び帯電防止剤を中から表面へブリードアウトさせる性質を有するガラス転移温度Tgが室温より低いフッ素系樹脂であることを特徴とする抗菌性成形物とした。また、前記シート状物又は立体成形物が、前記有機系抗菌剤と共に帯電防止剤を含有する樹脂からなり、該樹脂が前記有機系抗菌剤及び帯電防止剤を中から表面へブリードアウトさせる性質を有するガラス転移温度Tgが室温より低いフッ素系樹脂である抗菌性成形物とした。そして、前記有機系抗菌剤の樹脂中の含有量が0.1〜10重量%である抗菌性成形物とした。また、前記樹脂中の有機系抗菌剤含有量が0.1〜10重量%であり、帯電防止剤含有量が0.1〜3重量%である抗菌性成形物とした。
【0008】
即ち、シート状物又は立体成形物(以下これら両者を含めて成形物とする)に抗菌性能を付与する方法として、成形物の表面に、有機系抗菌剤と不完全な相溶性を有する(以下これを適度な相溶性を有すると呼称する)樹脂を用いて抗菌性塗膜を形成して、有機系抗菌剤が樹脂の中から表面にブリードアウトして、抗菌作用を示すようにした。
また、有機系抗菌剤と一緒に帯電防止剤を含有させることにより、有機系抗菌剤のブリードアウトを促進させると共に、帯電防止剤の帯電防止効果により表面のゴミの付着を少なくし、抗菌性能を高めることができた。
この場合、プラスチック、紙、木材、金属板、無機系素材等あらゆる基材、又はこれらの基材を用いた成形物に効率よく抗菌性能を付与することができる。
【0009】
抗菌性塗膜に有機系抗菌剤と一緒に帯電防止剤を含有させことにより、成形物表面は塵埃とともに付着する微生物が少なくなり、更に付着した微生物は表面の抗菌剤によって殺菌されるので、従来品に比べて、抗菌剤の抗菌作用を最大限に発揮させることができる。
また、成形物表面に付着したゴミや塵は、帯電していないので、拭き取りや水洗等により、容易に除去することができるため、成形物表面は常時清潔な状態に維持するこができる。
更に、成形物表面の帯電防止剤を拭き取り等で取り除いた後も、樹脂中に混練された帯電防止剤は再度表面に有機系抗菌剤と一緒にブリードアウトし、その消失分を補充するので、成形物表面は長期間に渡って帯電防止効果及び抗菌性能を維持し、微生物汚染を防止することになる。
【0010】
また、プラスチックからなる成形物の場合、有機系抗菌剤と適度な相溶性を有する樹脂を選定して、これに有機系抗菌剤を添加して、射出成形、押出し成形等により成形物を作製して抗菌性成形物とすることもできる。
従来、射出成形、押出し成形のように抗菌剤を樹脂に練り込む場合は、大部分の抗菌剤は樹脂に練り込まれて成形品の中に存在するので、抗菌作用を十分発揮できず、抗菌剤の使用方法として問題であった。
しかし、本発明によれば、樹脂に練り込まれた有機系抗菌剤は、樹脂の中から表面にブリードアウトして抗菌作用を示すので、樹脂に練り込まれた有機系抗菌剤が無駄になることはなく、むしろ長期間に渡って抗菌作用を維持することになる。
更に、有機系抗菌剤と一緒に帯電防止剤を添加した樹脂を用いて抗菌性成形物を作製すれば、成形物表面は帯電防止効果により、ゴミの付着量が少なくなり、また、付着したゴミも容易に取り除くことができるので、抗菌効果を低下させるこなく、長期間に渡って清潔に維持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照にしながら本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の抗菌性成形物の一例で、シート基材に有機系抗菌剤含有する抗菌性塗膜を形成して抗菌性シートとしたときの模式断面図である。
図2は、本発明の抗菌性成形物の別の態様で、有機系抗菌剤を添加した樹脂それ自体で成形物を作製して抗菌性成形物としたときの模式断面図である。
図3は、本発明の抗菌性成形物の更に別の態様で、抗菌剤と帯電防止剤を添加した樹脂で成形物を作製して抗菌性成形物としたときの模式断面図である。
【0012】
本発明の抗菌性形成物は、シート状物と立体成形物に大きく分けられる。
シート状物は、図1に示すように、基本的には、シート基材11の表面に、有機系抗菌剤13を含有する抗菌性塗膜12を形成して、シート基材11の表面に抗菌性能を付与して、抗菌性シート1としたものである。
この抗菌性シートは、更に他のシート状物や立体成形物の表面に貼着して、抗菌性シートや抗菌性成形物とする。
ここで、シート状物とは、プラスチック、紙、木材、金属、セラミックス、その他の無機系素材等のあらゆる素材から作られるフィルム、シート、板等のシート状物であり、立体成形物とは、プラスチック、紙、木材、金属、セラミックス、その他の無機系素材等の素材から作られる立体物、又は前記シート状物を表面に貼着して作られる立体成形物であり、形状は用途に応じて各種形状に成形される。抗菌性成形物は、これらシート状物及び立体成形物に抗菌性能を付与した全ての形状を包含するものである。
【0013】
また、成形物がプラスチック(樹脂)から作られている場合は、図2に示すように、有機系抗菌剤13を添加した樹脂14を用いて成形物を作製して抗菌性成形物2とする。
この場合、有機系抗菌剤13を添加する樹脂14は、有機系抗菌剤13と適度の相溶性を有するものであり、練り込まれた有機系抗菌剤を表面にブリードアウトする性質を有するものでなけらばならない。
更に、図3に示すように、有機系抗菌剤13と一緒に帯電防止剤15を添加した樹脂14を用いて成形物を作製して抗菌性成形物2とすることもある。
【0014】
以下に、抗菌性成形物の具体的な製造方法について説明する。
先ず、最も基本的な方法は、図4(a)に示すように、シート基材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のシート又はフィルムを用いて、このシート基材11の表面に、プライマー層17及び絵柄層16を形成後、有機系抗菌剤13を含有する樹脂組成物を塗布、乾燥して抗菌性塗膜12を形成して、抗菌性化粧シート3を作製する。
プライマー層17は、シート基材の種類、絵柄層を形成するインキの種類によって省略されることがある。
【0015】
上記有機系抗菌剤として、10,10′ーオキシフェノキシアルシンを主成分とするバイナジン(モートン・チオコール社製)を用い、塗膜樹脂としてフッ素系樹脂を使用すれば、塗膜樹脂中の抗菌剤はブリードアウトがスムーズに行われ、抗菌性塗膜表面において十分な抗菌作用を示すことができる。
次に、図4(b)に示すように、前記抗菌性化粧シートの裏面に接着剤層18を設けて、金属板、合板、プラスチック板等の被着体19に接着して抗菌性化粧成形物4を作製する。
抗菌性化粧シートは各種成形品に接着剤を介して接着することにより、成形品表面に効率よく抗菌性能を付与することができるので、成形品に抗菌性能を付与する方法としては非常に有効な手段である。
【0016】
以下に、別の態様の抗菌性化粧シートを作製する方法について説明する。
先ず、有機系抗菌剤を添加した熱可塑性樹脂(フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等)を用いて、常法に従って成膜し、図5(a)に示すように、有機系抗菌剤13を含有する抗菌性フィルム12aを作製する。
一方、図5(b)に示すように、シート基材11にプライマー層17及び絵柄層17を形成する。
次に、図5(c)に示すように、抗菌性フィルム12aの片面にプライマー層17及び接着剤層18を形成後、絵柄を印刷したシート基材11とラミネートして抗菌性化粧シート3を作製する。
得られた抗菌性化粧シートは、前述のように、各種成形物に貼着して抗菌性化粧成形物とする。
【0017】
また、別の態様の抗菌性化粧シートとして、図6(a)に示すように、シート基材11に、プライマー層17、絵柄層16を設ける。
次に、図6(b)に示すように、有機系抗菌剤13と帯電防止剤15を含有する樹脂を用いて抗菌性塗膜12を形成する。
【0018】
次に、抗菌性化粧シートを使用せずに抗菌性化粧成形物を作製する方法について説明する。
先ず、図7(a)に示すように、有機系抗菌剤13を含有する樹脂14を用いて、所望の形状の抗菌性成形物2を作製する。
次に、この抗菌性成形物2の表面に、必要に応じて、プライマー層17を形成後、絵柄層16と保護層20を形成して、抗菌性化粧成形物4とする。
前記絵柄層及び保護層の形成方法としては、抗菌性成形物2に直接印刷により設けることもできるが、絵柄層と保護層を形成した転写紙を用いて、転写方式ににより、絵柄層16と保護層20を設けることもできる。
この場合、絵柄層及び保護層を形成する樹脂は、有機系抗菌剤が樹脂の中を移動して保護層表面にブリードアウトできる樹脂を使用する必要がある。
しかし、絵柄層がベタ印刷でなく、絵柄部分が少なく、有機系抗菌剤が絵柄と絵柄の間から移動できる場合は、絵柄層の樹脂は必ずしも有機系抗菌剤をブリードアウトできる樹脂である必要はない。
【0019】
このように、抗菌性成形物2の表面に絵柄層や保護層を設けても、絵柄層及び保護層を形成する樹脂が、有機系抗菌剤をブリードアウトさせる樹脂であれば、抗菌性成形物の中の有機系抗菌剤は絵柄層や保護層を移動して表面にブリードアウトしてくるので、抗菌性化粧成形物の表面は抗菌作用を示し、細菌、カビ等の汚染を防止しすることになる。
更に、成形用樹脂に有機系抗菌剤と一緒に帯電防止剤を添加すれば、有機系抗菌剤と一緒に帯電防止剤も表面にブリードアウトするので、帯電防止効果によりゴミの付着が少なくなり、抗菌性化粧成形物の抗菌性能を高めることになる。
尚、本発明の抗菌性化粧成形物は、図1〜図7の代表例に示したものに限定されるわけではなく、これ以外の形状のものも本発明に包含される。
【0020】
本発明における抗菌性塗膜の樹脂としては、各種熱可塑性樹脂が使用されるが、抗菌防止剤との相溶性の点でフッ素系樹脂特に好ましい。
フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、珪素樹脂、アクリル系樹脂等も使用できる。
【0021】
本発明に使用するフッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ塩化三フッ化エチレン樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレンー六フッ化プロピレン共重合体、エチレンー塩化三フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレンーテトラフルオロエチレン共重合体等の樹脂を始め、水酸基又はカルボキシル基を有する各種のフッ素樹脂が挙げられる。
【0022】
上記の水酸基又はカルボキシル基を有するフッ素樹脂の代表的なものは、以下のとおりである。
▲1▼ フルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、及びヒドロキシアルキルビニルエーテルを必須の構造成分とする共重合体。フルオロオレフィンの代表的なものは、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン等のパーフルオロエチレンである。
共重合体のモル比は、フルオロオレフィン40〜60%、シクロヘキシルビニルエーテル5〜45%、アルキルビニルエーテル5〜45%、ヒドロキシアルキルビニルエーテル3〜15%である(特開昭57ー34107号公報に開示)。
【0023】
▲2▼ パーフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、及びビニルエステルを必須の構成成分とし、これらのモル比が、パーフルオロエチレン20〜80%、フッ化ビニリデン5〜80%、ビニルエステル3〜45%の共重合体を加水分解して得られる水酸基を含むフッ素共重合体(特開昭59ー174657号公報に開示)。
【0024】
▲3▼ 上記▲1▼又は▲2▼に記載した水酸基を含むフッ素共重合体に、二塩基酸無水物を反応させてエステル化し、水酸基の少なくとも1部をカルボキシル基に変換したフッ素共重合体(特開昭58ー136605号公報に開示)。
【0025】
▲4▼ 単位(a)CH2=CF2 、単位(b)CH2=CH-O-(OH2)n OH (但し、n は整数) 、単位(c)CFX=XFY[但し、X は水素、塩素又はフッ素、Y はフッ素、低級フルオロアルキル基、又は-(OCF2CFCF3)m OC3F7(但し、m は0 〜3 の整数)] を共重合させて得られる共重合体。
【0026】
これらの水酸基又はカルボキシル基を含むフッ素樹脂は、必要に応じて、更にヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、等の多価イソシアネート、メラミン樹脂、多塩基酸等の架橋剤で架橋させてもよい。
【0027】
更に、例えば、特開昭57ー34108号公報、特開昭59ー219372号公報、特開昭59ー189108号公報、特開昭60ー67517号公報、特開昭60ー67518号公報、特開昭60ー147415号公報に説明されているフッ素樹脂等が挙げられる。
【0028】
また、同じく上記ビヒクルに使用するアクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチルー(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチルー(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エステルースチレン共重合体等のポリ(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、或いはこれらの樹脂とビニルアルコールやヒドロキシアルキルビニルエーテ等の水酸基を有するモノマーとの共重合体からなる(メタ)アクリルポリオール樹脂等が挙げられる。
尚、上記の(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味するものであり、以後(メタ)は同様の意味に用いるものとする。
【0029】
本発明に使用する帯電防止剤は、これを樹脂に使用する際の選択基準として以下のようなことが考慮される。
▲1▼帯電防止能に持続性があること、▲2▼成形加工温度(140〜350℃)で安定であること、▲3▼樹脂の熱分解を助長しないこと、▲4▼樹脂と適度に相溶解し、成形後の急激なしみ出しが少ないこと、▲5▼少量(0.1〜3.0PHR)で効果があること、▲6▼毒性が少なく、安価であること、▲7▼透明性であること、▲8▼耐水性であること、▲9▼その他印刷性、接着性等の性能を損なわないこと。
【0030】
通常、水溶性の帯電防止剤が多く、そのため水洗すると表面の帯電防止剤が消失するが、時間の経過とともに再び表面にしみ出すので、消失分が補充され持続性のある防止能が得られる。
このしみ出し性は帯電防止剤とプラスチックとの相溶性、及びプラスチックのガラス転移温度(Tg)に最も大きく影響される。相溶性が完全であり、良好であれば、表面へのしみ出しが少なく、均一に分散するため、帯電防止能が現れる濃度に達しにくい。
一方、相溶性が全くないか、或いは極端に悪い場合は、表面へのベタツキ及び粉吹き現象を引起こすことになる。また、極端に相溶性の悪い場合は練り込みが不可能となる。
従って、帯電防止剤とプラスチックとの適度な相溶性が帯電防止能の決め手となる。この相溶性のバランスは、一般に溶解パラメータ(SP値)を用いて予測されている。
即ち、SP値の近いもの同士は相互に溶解し、SP値の差の大きいものほど互いの溶解性は低下すると考えられ、一応の目安として使用している。
【0031】
表面へのしみ出し速度はプラスチックのTgを境に大きく変化する。Tgが室温より低いポリオレフィンやフッ素系樹脂の場合、ポリマー分子は室温でもセグメントが熱運動をしており、この運動によって帯電防止剤の表面への移行は容易になる。
一方、Tgが室温より高い硬質ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹脂等は室温においてセグメント運動は凍結されており、帯電防止剤の表面への移行は非常に困難である。
前者の場合、表面洗浄、摩擦等により帯電防止剤が消失しても短時間に帯電防止能が回復するが、後者の場合、帯電防止剤が除去されると内部からのしみ出しが殆どなく帯電防止能の回復は期待できない。
【0032】
樹脂中に練り込む内部用帯電防止剤はプラスチックの種類、他の配合剤の種類、成形方法(射出成形、押出し成形、ブロー成形、真空成形、カレンダー加工等)及び成形条件等によって効果も異なるので、使用にあたっては種類及び量の選択が重要である。
【0033】
本発明における絵柄層は、通常、シート基材の表面に、木目柄等の絵柄をグラビア印刷等により印刷して設けるが、抗菌剤を添加した抗菌性塗膜の裏面に設けることもできる。
絵柄層の絵柄模様としては、木目柄、石目柄、布目柄、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽象模様、或いは全面ベタ印刷等がある。
全面ベタ印刷の隠蔽層は化粧シートを貼付する被着体の表面状態によって省略されることがある。勿論、絵柄層は必須なものでなく、絵柄を必要としない場合は、これを設けなければよい。
【0034】
絵柄層を印刷するインキとしては、印刷基材(シート基材又は表面樹脂シート)の材質や形態によって異なるが、一般的には、硝化綿、酢酸セルロース、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の単独重合体、又は他のモノマーとの重合体をビヒクルとし、これと通常の顔料、染料等の着色剤、体質顔料、硬化剤、添加剤、溶剤等からなるインキが使用される。
特に、本発明の抗菌性化粧シートには、耐熱性、耐候性に優れたインキが、用途に応じて適宜選定される。
【0035】
絵柄層の形成方法としては、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、静電印刷、インクジェット印刷等通常の印刷方式が使用できる。
もしくは、別に離型性シート上に一旦絵柄模様を形成して転写シートを作成し、得られた転写シートからの転写印刷方式によって絵柄印刷層を転写して、絵柄層を設けてもよい。
また、絵柄の印刷層に代えて、アルミニウム、クロム等の金属薄膜をシート又はフィルムの全面又は部分的に形成して、装飾層とすることもできる。
【0036】
また、図示は省くが、本発明の抗菌性成形物の表面には、必要に応じて公知のエンボス加工によりエンボス模様を設けてもよい。
エンボス模様は木目の導管溝、浮造木目板の年輪凹凸等の木材表面のテクスチュアーを表現したもの、塗装板の艶状態を再現したもの、又はそれらを組み合わせたもの、その他、ヘアライン、砂地、梨地、抽象パターンや、御影石板等の石材板表面のテクスチュアーを表現する石目パターン、布帛の表面テクスチュアーを表現する布目パターン、皮革面のテクスチュアーを表現する皮絞パターン等を用いることができる。
【0037】
上記抗菌性塗膜に添加する有機系抗菌剤としては、一般に市販されている工業用抗菌剤が使用できるが、本発明ではこれらの中でも特に10,10′−オキシビスフェノキシアルシンを使用する。
【0038】
▲1▼ 抗菌性を有する有機化合物としては、p−アミノベンゼンスルホンアミド、スルファチアゾール、スルファピリジン、スルファピダイアジン等のスルファ剤、ジメチルジチオカルバメート、エチレンビスチオカルバメート、等のジチオカルバミン酸塩、2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0039】
▲2▼ 抗菌性及び防黴性を有する化合物としては、10,10′−オキシビスフェノキシアルシン、トリメトキシシリルプロピルオクタデシルアンモニウムクロライド、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2,3,5,6,−チトクロロ−4−(メチルチオ)−フタルイミド、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フロルイミド、グリセオフルビン、トリコマイシン、アンホテリシンB等がある。
【0040】
▲3▼ 抗生物質としては、フェノキシメチルペニシリン、ジクロキサシリン等のペニシリン、セファロチン、セファゾリン等のセファロスポリン、硫酸ストレプトマイシン、パロモマイシン(硫酸塩)等のストレプトマイシン、エリスロマイシン、ジョサマイシン等のエリスロマイシン、テトラサイクリン、硝酸ロリテトラサイクリン等のテトラサイクリン、クロランフェニコール、チアンフェニコールアミン酢酸エステル塩酸塩等のクロランフェニコール等がある。
【0041】
上記有機系抗菌剤の場合、樹脂組成物が塗膜を形成したときの乾物量として、有機系抗菌剤の含有量は0.1〜10重量%の範囲で使用されるが、好ましくは0.1〜1.0重量%の範囲である。
抗菌剤の含有量が0.1重量%未満では十分な抗菌作用及び十分なブリードによる成形物表面への徐放性が得られない。また、含有量が10重量%を越える場合は、これ以上添加してもそれほど抗菌効果は高まらず、経済的なデメリットが大きくなる。又、透明性が悪くなる場合がある。
【0042】
抗菌剤を添加した樹脂組成物を用いて、抗菌性塗膜を形成する方法としては、グラビアコート、ロールコート、エアナイフコート、キスコート、スプレーコート、ホイラーコート、カーテンフローコート、刷毛塗りもしくはグラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷法等によって行うことができる。
【0043】
抗菌性化粧シートは、各種被着体に積層し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いることができる。
例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧等に利用できる。
そのために、抗菌性化粧シートが直接素材等に接着できない場合は、適当な易接着層又は接着剤層を介して被着体に接着する。
しかし、抗菌性化粧シートが熱融着等で被着体に接着可能な場合は、易接着プライマー層又は接着剤層は省略してもよい。
【0044】
被着体としては各種素材の平板、曲面板等の板材、シート(或いはフィルム)、或いは各種立体形状物品(成形品)が対象となる。
例えば、射出成形品等の曲面を有する成形品に対しても、本発明の抗菌性化粧シートを接着することができる。
【0045】
被着体として、板材或いはシート(フィルム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂が挙げられる。
【0046】
被着体として専ら板材、或いは立体形状物品として用いられる素材としては、ガラス、陶磁器等のセラミックス、ALC(発砲軽量コンクリート)等のセメント、硅酸カルシウム、石膏等の被セメント窯業系材料が挙げられる。
【0047】
被着体として専らシート(或いはフィルム)として用いられる素材としては、上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等が挙げられる。
【0048】
これら各種被着体への積層方法としては、例えば、次の▲1▼〜▲5▼の方法を挙げることができる。即ち、
▲1▼ 接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、▲2▼ 特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報等に記載されるように、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型のゲートから溶融樹脂を射出充填した後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、いわゆる射出成形同時ラミネート法、▲3▼ 特公昭56−45768号公報、特公昭60−58014号公報等に記載されるように、化粧シートを成形品の表面に接着剤を介して対向なしいは載置し、成形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを成形品表面に積層する、いわゆる真空プレス積層方法、
▲4▼ 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、多数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆく、いわゆるラッピング加工方法、
▲5▼ 実公大15−31122号公報、特開昭48−47972号公報等に記載されるように、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ、箱体又は柱状体を成形するいわゆる、Vカット又はUカット加工方法等が挙げられる。
【0049】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
シート基材11として、高密度ポリエチレンをベースにして、これに熱可塑性エラストマーとしてスチレン−ブタジエンゴムを30重量%、無機充填剤として炭酸カルシウム10重量%、着色顔料として弁柄とカーボンブラックを5重量%、熱安定剤及びヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を5重量%、添加したブレンド物をカレンダー製膜法によって製膜し、厚さ100μmの不透明着色シートを得た。
次いで、図4(a)に示すように、このシート基材11の表面に、ウレタン系2液硬化型プライマー液(昭和インク工業(株)製「AFS メジューム」) を塗布してプライマー層17を形成した後、塩化ビニルー酢酸ビニル系インキ(昭和インク工業(株)製「化X 」) を用いて、柾目柄をグラビア印刷して絵柄層16を設けた。
【0050】
更に、図4(a)に示すように、このシート基材11の絵柄層16の上に、有機系抗菌剤13として、10,10′ーオキシビスフェノキシアルシンを主成分とするバイナジン(モートン・チオコール社製 商品名)を5重量%添加した、分子中に水酸基を有するフルオロオレフィンと架橋剤としてイソシアネートからなる(主剤と硬化剤の重量比が100対10のもの)フッ素系樹脂をバインダーとした塗料(旭硝子(株)製「ルミフロン(商標)」)を用いて、グラビアロールコート方式により抗菌性塗膜12を形成し、抗菌性化粧シート3を作製した。
尚、抗菌性塗膜12は乾燥後の厚さが5μmになるようにした。
【0051】
次に、被着体20として、常法に従ってポリプロピレン(以下PPとする)の押出し成形により厚さ5mmの板を作り、このPP板に、図8(b)に示すように、前記抗菌性化粧シート3の裏面に接着剤層を形成してドライラミネートし、抗菌性化粧成形物4を作製した。
尚、接着剤はウレタン系接着剤(大日精化工業(株)製「E-288L」)を用いた。
【0052】
(実施例2)
ポリフッ化ビニリデンに実施例1で用いた有機系抗菌剤13を10重量%及び第4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤からなる帯電防止剤10重量部添加し、これを常法に従って成膜し、図8(a)に示すように、厚さ20μmの抗菌性フィルム12aを得た。
一方、図8(b)に示すように、実施例1と同様に、シート基材16にプライマー層17及び絵柄層16を形成した。
次いで、この有機系抗菌剤を含有する抗菌性フィルム12aの裏面に、プライマー層17及び接着剤層18を形成し、図8(c)に示すように、前記絵柄を印刷したシート基材11にラミネートして抗菌性化粧シート3を作製した。
更に、この抗菌性化粧シート3を、実施例1と同様に、PP板19(被着体)にラミネートして、図8(d)に示すような抗菌性化粧成形品4を得た。
【0053】
(実施例3)
実施例1と同様に、図6(a)に示すように、シート基材11に、プライマー層17及び絵柄層18を設け、その上に、実施例1で用いたインキに帯電防止剤15として第4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤からなる帯電防止剤を0.1重量%添加し、実施例と同様に抗菌性塗膜12を形成して、図6(b)に示すような抗菌性化粧シート3を得た。
得られた抗菌性化粧シートは、実施例1と同様に、PP板20とラミネートして抗菌性化粧成形品4を作製した。
【0054】
(実施例4)
実施例2で用いたフッ素系樹脂に、実施例1で用いた有機系抗菌剤を添加し、これを押出し成形により厚さ5mmの樹脂板を作製し、図7(a)に示すように、抗菌性成形物2とした。
次に、この抗菌性成形物2の表面に、プライマー層17及び絵柄層16を形成後、その上にフッ素樹脂からなる塗料をコーティングして保護層20を形成し、図7(b)に示すように、抗菌性化粧成形物4とした。
【0055】
(比較例)
比較例として、抗菌剤及び帯電防止剤のいずれも添加しない化粧シート及び化粧成形物を、実施例と同様に作製して、比較例1、2、3、4とした。
また、実施例1の抗菌性塗膜を形成するフッ素系樹脂の代わりに、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体を用いて、実施例1と同様に化粧成形物を作製し、比較例5とした。
【0056】
(抗菌性試験)
上記実施例1、2、3、4で作製した抗菌性成形物及び比較例1、2、3、4で作製した化粧成形物について下記の方法で細菌に対する抑制効果を試験した。また、実施例1の試料と比較例5の試料について、耐候性試験と耐湿熱性試験を行った後に、同様の抗菌性試験を行った。
【0057】
▲1▼ 試験菌株
・エッシェリシア・コリ(Escherichia coli IFO 3301) (大腸菌、以下 E.coli とする)
・メチシリン レジスタント スタフィロコッカス・アウレウス
(Methicillin Resistant Staphylococcus aureus )(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、以下 MRSA とする)
【0058】
▲2▼ 試験菌液の調製
普通ブイヨン培地(栄研化学(株)製)で35℃、16〜20時間振盪培養した試験菌の培養液を滅菌リン酸緩衝液で20,000倍に希釈して菌液とした。また、菌液は別途生菌数を測定した。
【0059】
▲3▼ 抗菌性試験
検体(抗菌性成形物と化粧シート貼着成形物)の抗菌性樹脂層面に菌液1mlを滴下し、25℃で24時間保存後に菌数を測定して、検体の抗菌性能を判定した。
尚、対照試料としてシャーレに菌液1ml滴下し、同様に試験した。
【0060】
▲4▼ 生菌数の測定
24時間保存した検体及び対照試料をSCDLP(Soy Casein Digest Lecithin Polysorbate) 培地(日本製薬(株)製)10mlで洗い出し、この洗い出し液について標準寒天培地(栄研化学(株)製)を用いた混釈平板培養法(35℃、2日間培養)により生菌数を測定し、検体及び対照試料当たりの菌数を算出した。
【0061】
試験結果は表1に示すとおりで、実施例で作製した検体はいずれも殺菌効果が優れており、本発明の抗菌性能を有する化粧シートの抗菌性能が実証できた。
即ち、実施例1、2、3、4で作製した抗菌性成形物により、24時間後には、E.coliでは、初期菌数1.2×105 個から30個に、MRSAでは、初期菌数2.4×105 個から10以下に減少しており、E.coli及びMRSAに対する抗菌性成形物の殺菌率は99.99%以上である。
これに対して、抗菌剤を添加しない比較例1、2、3、4では、E.coli及びMRSAの24時間後の残存菌数は未だ、104 〜105 個も残存していた。
従って、本発明の抗菌性成形物は、殺菌効果が優れており、病院その他の衛生的な環境を必要とする場所での各種備品に利用すれば、細菌汚染の防止に有効な手段となり得ることが期待できる。
【0062】
【表1】
【0063】
(耐候性試験)
JISーK−6200に準拠して、試料をカーボンアーク燈型サンシャインウエザオメーター(商標)にて100時間暴露して、抗菌性試験の試料とした。
試験時のブラックパネル温度63℃、降雨時間が60分中12分として試験した。
【0064】
(耐湿熱試験)
試料を60℃、95%RHの雰囲気下に100時間放置して、抗菌性試験の試料とした。
【0065】
耐候性試験及び耐湿熱試験を行った試料の抗菌性試験結果は表2に示すとおりで、実施例1で作製した試料は、耐候性試験及び耐湿熱試験を行った直後は、抗菌性能は低下するが、室温24時間放置後は、有機系抗菌剤が表面にブリードアウトして抗菌作用が復活した。
これに対して、抗菌性塗膜に塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体を使用した比較例5の場合は、耐候性試験及び耐湿熱試験後は、更に室温24時間放置後でも抗菌作用は発揮されず、抗菌効果のないものになった。
従って、本発明の抗菌性化粧成形物は、その抗菌効果が長期間に渡って維持されるとが予測できる。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】
本発明の抗菌性成形物、特に抗菌性化粧シートに代表される抗菌性シート状物は、プラスチック、紙、木材、金属板、無機系素材等あらゆる基材に貼付することによりその表面に抗菌性能を付与することができるので、室内水回り関係や高温多湿の場所及び病院その他衛生的な環境を必要とする場所で使用される各種備品(電気製品、キャビネット、各種器具等)に対し、抗菌性能を付与するには非常に有効な手段である。
例えば、抗菌性化粧シートを用いて化粧鋼板を作製し、この化粧鋼板を、病院の間仕切り、衝立、手摺等に利用した場合は、付着した細菌に対して殺菌作用を示すので、室内を清潔に維持できると共に、各種細菌の院内感染を防止することもできる。
また、本発明の抗菌性化粧シートを、既存の電気製品、キャビネット、各種器具等に貼付することにより、抗菌性能を付与することができるので、細菌の汚染防止に経済的負担が少なくて済む。
特に、本発明の抗菌性成形物は、抗菌性塗膜又は成形用樹脂中に含有する有機系抗菌剤GA塗膜樹脂又は成形用樹脂の中を移動し、表面にブリードアウトして抗菌作用を示すので、抗菌剤の抗菌効果を最大限に発揮させることができる。
即ち、樹脂中に添加された有機系抗菌剤は、樹脂の中を移動して表面にブリードアウトして来るので、樹脂中に閉じ込められて、抗菌剤作用を発揮できずに、無駄になることがない。
更に、表面の有機系抗菌剤は、消失しても内部から補充させるので、長期間にわたって表面の抗菌効果が維持される。
また、 有機系抗菌剤と共に、帯電防止剤も含有するようにすれば、帯電防止効果により、抗菌性成形物の表面は、ゴミの付着量が少なく、且つ付着したゴミは容易に取り除くことがきるので、常に清潔に維持すると共に抗菌作用を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗菌性成形物の一例で、シート基材に有機系抗菌剤含有する抗菌性塗膜を形成して抗菌性シートとしたときの模式断面図である。
【図2】本発明の抗菌性成形物の別の態様で、有機系抗菌剤を添加した樹脂で成形物を作製して抗菌性成形物としたときの模式断面図である。
【図3】本発明の抗菌性成形物の更に別の態様で、抗菌剤と帯電防止剤を添加した樹脂で成形物を作製して抗菌性成形物としたときの模式断面図である。
【図4】本発明の抗菌性化粧成形物を作製するときの説明図である。
【図5】抗菌性化粧シートを作製するときの説明図である。
【図6】本発明の別の態様の抗菌性化粧成形物を作製するときの説明図である。
【図7】本発明の別の態様の抗菌性化粧成形物を作製するときの説明図である。
【図8】実施例1により抗菌性化粧成形物を作製するときの説明図である。
【符号の説明】
1 抗菌性シート
2 抗菌性成形物
3 抗菌性化粧シート
4 抗菌性化粧成形物
11 シート基材
12 抗菌性塗膜
12a 抗菌性フィルム
13 有機系抗菌剤
14 樹脂
15 帯電防止剤
16 絵柄層
17 プライマー層
18 接着剤層
19 被着体
20 保護層
Claims (4)
- シート状物又は立体成形物の表面に、抗菌剤と共に帯電防止剤を含有する樹脂組成物からなる抗菌性塗膜を形成した抗菌性成形物において、該抗菌剤が樹脂と不完全な相溶性を有する、10,10′−オキシビスフェノキシアルシンを主成分とする有機系抗菌剤であり、該塗膜を形成する樹脂は、該有機系抗菌剤及び帯電防止剤を中から表面へブリードアウトさせる性質を有するガラス転移温度Tgが室温より低いフッ素系樹脂であることを特徴とする抗菌性成形物。
- 前記シート状物又は立体成形物が、前記有機系抗菌剤と共に帯電防止剤を含有する樹脂からなり、該樹脂が前記有機系抗菌剤及び帯電防止剤を中から表面へブリードアウトさせる性質を有するガラス転移温度Tgが室温より低いフッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性成形物。
- 前記有機系抗菌剤の樹脂中の含有量が0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の抗菌性成形物。
- 前記樹脂中の有機系抗菌剤含有量が0.1〜10重量%であり、帯電防止剤含有量が0.1〜3重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の抗菌性成形物。
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