JP4008495B2 - 鉱質ウールを製造する方法および装置 - Google Patents
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Description
高品質の鉱質繊維は、内部遠心を用いて製造することができる。この場合、高速度で回転し、その周囲壁に複数の小さいオリフィスを有するスピンナの内部に、溶融した鉱質材が供給される。この小さいオリフィスを通って、溶融鉱質材は対応する小さな径を有する溶融繊維として放出される。放出された繊維は、環状のバーナーから衝風を受け、その結果、所要の細さを有する繊維に細長化される。続いて、繊維は固化して下方部のコンベアー上に堆積し、そこで鉱質繊維のマットが形成される。この方法は、いわゆるTEL方法として、当該技術分野において良く知られている。
この繊維化装置により、様々な組成を有する鉱質材が繊維化される。この鉱質組成物の融点には、高いものも普通のものも、そして低いものもあるため、繊維化する温度も、異なっている。一方、このような繊維化装置のバーナーは、最適な特定の調節をもって、つまり特定の動作温度のもとで動作され、この動作温度は、最適なバーナー動作範囲から逸脱しないように、実質的に変えるべきではない。その結果、バーナーの衝風ガスは、バーナーの動作設定を最適にした状態では、1550℃〜1600℃の温度を有し得、この温度は高融点のガラスを繊維化するには適切な温度である。バーナーの調節を少し変えることにより、最適なバーナー調節になお近い状態で、バーナーの動作温度をたとえば1300℃〜1350℃にまで下げることができ、低融点のガラスについての異なる温度要求にも対応させることができる。
低融点の材料からなる繊維は、過熱されると、衝風ガスによって細長化される溶融物が固化する前に細長化領域から外れてしまう程度に、粘度が低下する。その結果、表面張力の影響を受けて、まだ溶融状態にある繊維が、繊維化されていない粒子に変形してしまう。このような粒子は、最終的な鉱質ウールマットにとっては、好ましくないものである。
このように、衝風ガスの温度を1200℃もしくはそれ未満に低くし、低融点ガラスのような他の鉱質材を繊維化する必要がある。バーナーの設定を変えて、バーナー出口での温度をこのような値にまで下げることは、バーナーの動作条件が最適でなくなるため、好ましくない。
以上のことより、本発明の目的は、最適な動作条件のもとでバーナーのより生み出される衝風ガス温度よりも、実質的に低い衝風ガス温度を必要とする低融点鉱質材を繊維化することが可能な方法および装置を提供することである。
この目的は、方法の点では、バーナーの出口領域が、径方向の内側に位置する環状の高温領域と、径方向の外側に位置し、高温領域よりも実質的に温度が低い環状の冷却領域とにさらに分割されていることによって、達成される。また、構造の点では、この目的は、バーナーの出口の外周壁に、空気などの冷却ガスを注入する注入手段が設置され、かつ、注入領域においては、ガスの注入方向がバーナーガスが流れる方向と本質的に交差していることによって達成される。
以上のようにして、本発明によれば、バーナーに入れる可燃物を減らしたときのように、もしくは冷却用空気を予めバーナーガスに混合させたときのように、衝風ガスの温度が均一に低下するということはない。その結果、径方向の内側に位置する領域は相対的に高温のままであり、おそらく、冷却していないバーナーガスの温度のままでさえある。以上の効果は好ましいことである。スピンナの周囲壁内のオリフィス列の領域は、オリフィスを通ってガラスが流れることを可能とするために、ガラスの液相線もしくは失透温度もしくは結晶化温度よりも相対的に高い温度に保たれるべきであるからである。
一方、細長化された繊維は、細長化された繊維が表面張力の影響で材料の粒になるスプリングバック効果を避け、また、温度の強い影響によりナトリウム等のガラスの揮発性成分が飛んでしまうことを防ぐべく、繊維を十分に固化するようにむしろ急速に冷却することが好ましい。このような材料の粒、低品質の繊維、もしくはその他の非繊維物があると、最終的な鉱質ウールマット中に含まれる、繊維化されていない粒子の量が増加することになる。径方向の外側に位置する冷却領域においてかなり急激に冷却が行われることで、このような好ましくない影響を避けることができる傾向にある。
さらに、バーナー出口の外周壁を通して冷却ガスを注入することで、材料の組成が変更されたときにも、実質的にバーナーを再調節する作業が必要でなくなる。たとえば、高融点のガラスを繊維化するときには、単に冷却用空気を導入することを止めれば良い。そして、低融点のガラスを繊維化するときには、単にバルブを開けて必要な量の冷却用空気を導入すれば良い。このようにして、それほどの労力を必要とせずに、繊維化する材料の組成毎に最適な調節を行うことができる。
冷却ガスの注入方向が、本質的にバーナーガスが流れる方向と交差しているということにより、バーナーガスの運動エネルギーがもたらす衝撃および効果が、認識し得る程度に大きく増大することを避けることができる。その結果、冷却ガスを導入しても、バーナーガスのもたらす細長化効果が大きく変化することはなく、この点で、冷却ガスを導入しても、装置の動作条件が変わることはない。冷却ガスがもたらす冷却効果により、鉱質材の粘性率が増加する傾向にはあるが、冷却ガスを導入してガスの流れ全体が持つエネルギーを増加させることにより、このことは本質的に平衡させることができる。このように、導入する冷却ガス量の多少に拘らず、細長化効果も含めた装置の動作条件は実質的には変化せず、繊維化するガラス成分に対して必要な温度に対応していくことができる。
PCT94/04469において、送風器を外側に付加して、バーナー出口から径方向に外側の位置から、冷却ガスを供給することが知られている。この場合には、スピンナの上部外側のふちに対して径方向に内側の位置に、バーナーの出口が配置されている。このような構成は、融点が高く、かつ融点での粘性率が低い硬質ガラスを繊維化する上では、特に適したものである。この知られている態様での冷却用空気は、細長化して繊維にすることが殆ど完了した地点で、スピンナ外周での衝風ガスの流れと交差しており、その結果、その地点での粘性率を高めている。送風器からのガスの流れは、本質的に衝風ガスの流れと平行しているため、複合流が持つ衝撃および運動エネルギーが増大している。しかし、本発明においては、バーナー出口自体から出てくるガスが、特定の不均一な仕方で冷却されているため、ガスの衝撃をそれほど増大させずに硬質材を繊維化する。繊維化する際の温度特性は、これと比較すると、冷却されない衝風ガスの温度が必要以上に高くなり、繊維化されない粒子が生成されてしまうというものである。
従属請求項においては、本発明に係る装置をさらに改良するものが含まれている。
好ましい態様においては、貫通孔の形をなす各オリフィスの直径は、1ないし3mmであり、特に、2mm付近である。このようにすることで、冷却ガスが衝風ガスの流れへ浸透するための、ガス流の適切な条件が得られる。
貫通孔の形をなし、一様に分布するオリフィスは、その連続する2つのオリフィスの距離が、2から15mmであることが好ましく、特に、5から12mmであることが好ましいが、オリフィスが一列に配列されている場合には、上述の範囲内において、距離は大きな値の方が好ましく、オリフィスが複数列に配列されている場合には、距離は小さな値の方が好ましい。なお、オリフィスが複数列に配列されている場合には、距離は、別々の列に互い違いに配列されたオリフィスの間で測定したものである。2つの列の間の距離は、典型的には2ないし10mmである。
また、注入手段は、少なくとも1つの連続的な外周上のスリットの形をなす注入口を含んでいても良い。このような構成において、スリットの幅を変えることで、容易にガス流の特性を調整することができる。このスリットの幅は、典型的には0.3ないし1mmである。
本発明のより有利な効果、詳細および特徴について、以下の説明の中で図とともに明らかにする。
図1は、本発明に係る装置の縦断面を示す概略図である。
図1aは、他の態様を示す拡大図による図1の詳細図である。
図1bは、図1aと同様の図によるさらなる改良図である。
図2は、バーナー出口直下での出口の長さ方向における温度分布を示す図である。
図3は、遠心器の有するスピンナの周囲壁から径方向に外側の温度分布を示す図である。
図1に簡単化して示したように、装置の繊維化部は、主に、スピンナ1、複数の放出オリフィスを有する周囲壁2からなる。周囲壁2は、接続バンド4を介してフランジ3と接続されている。接続バンド4は、その形から、「ベール」と呼ばれる。図で示したように、周囲壁2、ベール4、およびフランジ3は、全体として一体形成されて単一部材となっている。
フランジ3は、支持シャフト5に取り付けられている。支持シャフト5は、図示した態様においては中空になっており、この空洞を通して溶融した鉱質材が供給される。
さらに、支持シャフト5もしくはフランジ3は、通常「カップ」もしくは「バスケット」と呼ばれる同心の分配手段6を支えている。分配カップ6は、相対的に直径が大きく比較的数の少ないオリフィスを有する周囲壁を具備し、スピンナの底壁としての役割を果たしている。そして、分配カップ6は、溶融した硬質材の流れを複数のフィラメントに分けて分配させている。フィラメントは、周囲壁2の内側円周に向かって広がっていく。
スピンナ1は、様々な加熱部材によって取り囲まれている。環状の中間周波数コイル7は、特にスピンナ1の底部を加熱している。これは、とりわけ、バーナーによる加熱が不十分な部分、および周囲の空気との接触により冷却された部分(スピンナ1の回転により多量の空気が吸引されるため、周囲の空気は著しく冷却されている)の温度を補正するためである。また、水冷されている環状の外部バーナー8もある。外部バーナー8の有する周囲壁9および10の先端は、スピンナ1からわずかな距離に配置されている。たとえば、内側の周囲壁10は、5mmのオーダーの距離に配置され、スピンナ1の上部外側の角とほぼ面一となっている。
環状の外部バーナー8から、高融点、高粘性率のガス流が発生する。このガスは、実質的に垂直方向に流れているため、周囲壁2に沿って流れていく。このガス流は、一方で、周囲壁2を加熱する、もしくは周囲壁2の温度を維持する役割を果たしているが、他方で、振り回されて飛び散った溶融鉱質材のフィラメントを、細長化して繊維にすることに寄与している。
図に示したように、外部バーナー8は、径方向のより大きな距離において、冷却空気を送る送風リング11によって包囲されていることが好ましい。この送風リング11の主な目的は、加熱されたガス流が径方向に広がることを抑えて、その結果、形成された繊維が環状磁石7と接触するのを防止することである。
スピンナ1の外部ヒーターは、スピンナ1内部の環状の内部バーナー12によって、加熱作用が補われている。この内部バーナー12は、支持シャフト5の内部に配置されており、繊維化部を立ち上げている間に、分配カップ6を予備加熱するために使用される。
上述したような繊維化装置の一般的な構成は、従来からあるものである。本発明においては、外周壁9を冷却する冷却室14を含む環状の導管が、隔壁15によってさらに分割されて、冷却用空気のための充気室16を下方に収容している。充気室16は、外周壁9内の一連のオリフィス17を通して、バーナー出口との間で流体の行き来が可能になっている。オリフィス17を通して、冷却用空気に限らず他のどんな冷却ガスもバーナー出口へと入り、そこでバーナーガスに混合される。
オリフィス17は、バーナー出口でのバーナーガス流の方向と交差する方向に伸びている。その結果、バーナー出口から出て行く衝風ガスの運動エネルギーはそれほど変化しないため、細長化条件も、冷却用空気の有無によってそれほど影響を受けない。
オリフィス17の形および配列を調節することにより、所定の要求に対応させることができる。図に示した例示的な装置において、一列に配列されたオリフィスの直径は2mm、2つの連続するオリフィス17の間の距離は10mmである。スピンナの直径が400mmであることを考慮すると、環状の導管の周囲全体に渡って、一列に配列されたとしても、120のオリフィス17が配列されることになる。
また、場合によっては、オリフィス17を2列もしくはそれ以上の列に配列することができる。図1aは、このような態様の一例を示しており、別々の列に配列された隣合うオリフィス(直径2mm)の間の相互の距離は5.5mmである。さらに、図1bに示したように、オリフィス17の代わりに、スリット18を用いても良い。スリット18を用いることで、図1bにおいて図示され二重矢印の記号によって示されているように、スリット幅を垂直方向に調整できるという利点が生じる。このようなオリフィス17およびスリット18の配列を使い分けることによって、実際の用途における所定の様々な要求に対して、容易に対応していくことができる。
図2および3においては、2つの実際の態様について測定した温度分布が示されている。図2は、バーナー出口の出口領域から1mm下の位置における温度分布を示し、図3は、バーナー出口の出口領域から19mm下で、スピンナ1の周囲壁2の一番上のオリフィス位置における温度分布を示している。図2および3において、横軸に示された径方向の測定距離は、出口の周囲壁9から測定したものである。
温度分布曲線Aは、図1aに示した、2列のオリフィス17を有する態様について測定したものであり、曲線Bは、冷却ガスを注入しなかった場合について測定したものである。
曲線AおよびBの説明は、それほど必要でないように見える。図2の左側において冷却ガスの影響が示されており、Cと名付けられたこの冷却領域での温度が低下している。図3に示すように、温度はスピンナ1の周辺近傍で上昇し、スピンナ周辺から径方向に数mm外側の冷却領域Cおいて、急激に低下している。その結果、細長化された繊維を急速に固化することが助長されている。
以上、本発明によってもたらされる効果を、低融点のガラスから繊維を製造することに重点を置いて説明した。しかし、バーナーの温度を一般的に高温にして、続いてオリフィス17またはスリット18を通して冷却ガスを供給して冷却すれば、以上の効果は、明らかに高融点の鉱質材を繊維化することにも用いることができる。
Claims (8)
- 溶融した鉱質材をスピンナ(1)に供給することにより、鉱質ウールを製造する方法であって、前記スピンナ(1)の周囲壁(2)は小さい直径を有する複数のオリフィスを含み、前記溶融鉱質材は前記オリフィスを通って遠心されてフィラメントを形成し、前記フィラメントは、前記スピンナ(1)の前記周囲壁に沿って流れこれを加熱し、かつスピンナ(1)と同軸に配置された同軸環状バーナー(8)によって発生されたガス流の補足的細長化効果に供される、鉱質ウールを製造する方法において、
前記バーナー(8)の出口領域は、径方向の内側に位置する環状の高温領域と、径方向の外側に位置し、高温領域よりも実施的に温度が低い環状の冷却領域とにさらに分割されていることを特徴とする鉱質ウールを製造する方法。 - 内部遠心によって鉱質材を繊維化する装置であって、周囲壁(2)が小さい直径を有する複数のオリフィスを含むスピンナ(1)を備え、
溶融鉱質材は、前記オリフィスを通って遠心されてフィラメントを形成し、前記フィラメントは、前記スピンナ(1)の前記周囲壁に沿って流れこれを加熱し、かつスピンナ(1)と同軸に配置された同軸環状バーナー(8)によって発生されたガス流の補足的細長化効果に供される、鉱質材を繊維化する装置において、
バーナーの出口において外周壁(9)の中に、空気などの冷却ガスを注入する注入手段(17、18)が設置され、かつ、注入領域においては、ガスの注入方向がバーナーガスが流れる方向と本質的に交差していることを特徴とする鉱質材を繊維化する装置。 - 注入手段として設けられた貫通孔の形をなす各オリフィスの直径は、1ないし3mmであり、特に、2mm付近であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
- 注入手段として設けられ、貫通孔の形をなし、一様に分布するオリフィスは、その連続する2つのオリフィスの距離が、2ないし15mmであり、特に、5ないし12mmであることを特徴とする請求項2または3に記載の装置。
- 前記貫通孔は少なくとも2つの列からなる複数列に配列され、隣接する列の間の距離は2ないし10mm、より好ましくは5mmであることを特徴とする請求項4に記載の装置。
- 注入手段は、少なくとも1つの連続的な外周上のスリット(18)の形をなす注入口を含んでいることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の鉱質材を繊維化する装置。
- 前記スリット(18)の幅は、0.3ないし1mmであることを特徴とする請求項6に記載の装置。
- 前記スリット(18)の幅は、可変であることを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
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