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JP4097741B2 - 蛇腹状無機粒子及びこれを含有してなる合成樹脂組成物 - Google Patents

蛇腹状無機粒子及びこれを含有してなる合成樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の形状及び粒度を有する蛇腹状無機粒子及び該粒子を含有してなる合成樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、ポリオレフィン、ポリエステル等の合成樹脂フィルム、合成繊維等において優れたブロッキング防止能を有し、また例えばアクリル系樹脂を用いた光拡散シートにおいては特徴的な拡散光を発現する等優れた物性を付与する蛇腹状無機粒子及びこれを含有してなる合成樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂は各種工業用途に広く利用されている。なかでもメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、あるいはポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)は優れた物理的、化学的物性を有しており、成形シート、繊維、フィルム、その他の成型品等として広く使用されている。
例えばアクリル系樹脂においては、光拡散シートとして照明カバー、透過型ディスプレー用の光拡散板、照明看板等の部材として用いられ、またポリエステルにおいては、例えばポリエステルフィルムの分野でオーディオテープ、ビデオテープ等の磁気テープ、コンデンサー用、写真用、包装用、OHP用等に用いられる。
【0003】
光拡散性シートにおいては、光透過性が高いにもかかわらず光源のイメージが見えにくい性能(隠蔽性)、広角度に光を散乱させる性能(光拡散性)が要求される。これら性能を満足させるため、従来の製造方法としては、酸化チタンやシリカ等の光拡散剤をバインダーに混合し、この液状物をアクリル系樹脂板等の透光性合成樹脂板の表面に塗布し、乾燥、固化し、片面に光拡散層を形成して製造する方法、また屈折率の異なる重合体を用いる方法、シート状物の表面に微小な凹凸を施す方法等シート状物の表面に光拡散層を設ける方法、あるいは光拡散層が表面に露出しない製造方法として、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、シリカ、炭酸カルシウムのような無機光拡散剤粒子をアクリル系樹脂に混合分散させる方法等が挙げられる(特開昭53−98354、特開昭57−155245、特開昭59−166551、特開平9−31288等)。
【0004】
しかしながら、前者の方法にあっては、製造されたシート状物は表面に光拡散層が露出しているため、光拡散層が汚損したり剥脱したりする懸念があり、また光拡散斑を生じやすく、光拡散斑を生じないようにするには高度の技術を要し、生産性も低くなるという欠点を伴っている。また後者の方法においても、例えば無機光拡散粒子がシリカ、ガラスビーズの如く硬度の高い光拡散剤を含むシート状物では切削加工が容易ではないといった欠点を有し、炭酸カルシウム、タルクのように比較的硬度の低い光拡散剤を使用したとしても、天然に産出する原鉱石を機械的に粉砕、分級して平均粒子径を所望の範囲に調整する、例えば重質炭酸カルシウムのごとき場合では、粒子径分布が広く、粗大な粒子も含みまた個々の粒子形状が不均一であるため、少量添加による十分な光拡散効果は期待できない。また、特開平9−31288で特定された形状の沈降製炭酸カルシウムの場合でも、1μm以上の粒子径を有するものでなければ隠蔽性と光拡散性のバランスが悪く、シート状物の表面の平滑性を高めようとして1μm未満の粒子径を有する粒子を使用しようとしても全光線透過率が低下し、その反面光拡散性が劣る結果となる。
従って、光拡散シート状物を照明器具や看板等に使用する際に加熱成形し部分的に延伸された場合、上記のような不都合が生じる可能性がある。またこれらの問題は、たとえ粒子表面に何らかの有機物を表面処理したとしても基本的な分散性、形状に変化がないため同様の結果しか得られない。
【0005】
一方、ポリエステルフィルムにおいては、その滑り性や耐削れ性がフィルムの製造工程および各用途における加工工程の作業性の良否、さらにはその製品品質の良否を左右する大きな原因となっている。これら滑り性や耐削れ性が不十分な場合、例えばポリエステルフィルム表面に磁性層を塗布し、磁気テープとして用いる場合には、磁性層塗布時におけるコーティングロールとフィルム表面との摩擦が激しく、またこれによるフィルム表面の摩耗も激しく、極端な場合はフィルム表面へのしわ、擦傷等が発生する。また磁性層塗布後のフィルムをスリットしてオーディオ、ビデオ、コンピューター用テープ等に加工した後でも、リールやカセット等からの引き出し、巻き上げその他の操作の際に、多くのガイド部、再生ヘッド等との間で摩耗が著しく生じ、擦傷、歪みの発生、さらにはポリエステルフィルム表面の削れ等による白粉状物を析出させ、磁気記録信号の欠落すなわちドロップアウトの大きな原因となることが多い。
【0006】
従来ポリエステルの摩擦係数を低下させる方法としては、ポリエステル中に無機微粒子を含有せしめ、成型品の表面に微細で適度な凹凸を与えて成型品の表面滑性を向上させる方法が数多く提案されており、酸化チタン、シリカ、カオリンクレー、炭酸カルシウム等の無機粒子が使用されている。これらポリエステルフィルムの表面の凹凸を形成する粒子は、その大きさが大きい程滑り性の改良効果が大であるのが一般的であるが、磁気テープ、特にビデオテープのごとき精密用途には、その粒子が大きいこと自体ドロップアウト等の欠点発生の原因ともなり得るため、フィルム表面の凹凸はできるだけ微細である必要があり、これら相反する特性を同時に満足させ得る機能を有した粒子の出現が強く望まれている。
【0007】
しかしながら、従来使用されている無機粒子は、酸化チタンでは粒子径コントロール、粒子分散性等が不十分であり、シリカでは微細であるために滑り性の改善が不足し、高い硬度によるフィルムの摩耗性が大きく、カオリンクレーではアスペクト比(面の長径/厚み)の大きな板状構造を有しているためフィルム表面に十分な滑り性を与えることができない等満足できるものはなく、現在広く使用されている炭酸カルシウムも、元来凝集力が強く一次粒子が多数凝集した二次粗大粒子を形成しやすいため、良好な耐ブロッキング性と耐摩耗性を併せ持つブロッキング防止剤として改善すべき問題点を含んでいる。
【0008】
炭酸カルシウムは周知のように既述した、天然石灰石を機械的に粉砕、分級することにより各種グレードに類別調整される重質炭酸カルシウムと、いわゆる炭酸ガス法と呼ばれる、該石灰石を一旦焼成し生石灰を得、この生石灰と水との反応により得られた石灰乳に焼成時に発生した炭酸ガスを導通することにより得る方法に代表される沈降製炭酸カルシウムに大別される。
【0009】
これら炭酸カルシウムのうち前者の重質炭酸カルシウムは、比較的安価に製造できる特徴を有している反面、現在の分級技術では粗大粒子と微細粒子の完全な分級は不可能であり、かつ一定以上の微細度を有する重質炭酸カルシウムは現在の粉砕分級技術では製造できないという欠点を有しているため、既述の光拡散シートと同様ポリエステルフィルムのブロッキング防止剤にも不適である。
【0010】
一方、沈降製炭酸カルシウムの場合、既述のごとく製造され一次粒子として微細な粒子径から数μmの大きな粒子径まで容易にコントロール可能ではあるが、一次粒子の多数集まった粗大二次凝集体を形成しており、所望の粒度分布にまで分散させるには多大なエネルギーが必要であり、その方法として採用されている例えばサンドグラインダーミルのごとき粉砕破壊する方法では、凝集体の分散が行われると同時に一次粒子の破壊も行われ粒子の形状が損なわれるとともに、その結果表面状態の非常に不安定でかつ希望する一次粒子径よりさらに小さな粒子と分散が不完全な二次凝集粒子とが混在し、粒度分布の幅広いものとなりブロッキング防止剤としては不適となる可能性がある。
【0011】
これら状況を改善するためとして、近年特開平5−117443、特開平7−266398等の報告がなされているが、前者においては特定の粒子径、特定の粒度内容を有する炭酸カルシウムからなるブロッキング防止剤として構成されており、より良好な性能を有するに関係する粒子の形状には言及されておらず、また後者においては粒子形状が正六面体に近く、粒度分布が狭い範囲で特定されたカルサイト構造の六面体炭酸カルシウムで構成されているが、六面体でなければならない理由が明確でなく、また推測の域を出ないが、図4に示すように、六面体粒子6の各頂部(角部)がフィルム7の表面付近に位置するときのみに微細な突起が可能となるにすぎず、粒子の大部分がフィルム中に埋没することから添加量の増大は避けることができず、また図5に示すように、六面体粒子6が面としてフィルム7の表面付近に位置するときは摩擦抵抗が点や線の場合と比較し増大することが予想され、更にまたフィルムの走行中に脱落することも予想されることから十分な機能を有するブロッキング防止剤とは言い難い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑み、アクリル系樹脂、ポリエステル等の合成樹脂において、例えばシート状物とした場合においては、特徴的な粒子形状を有するがゆえにシート状物を延伸した場合においても全光線透過率を低下することなく良好な光拡散効果を付与し、フィルム、繊維とした場合においては、良好な脱落防止機能を有しながら、従来にない良好なすべり性を保持する等、良好な耐ブロッキング性と耐摩耗性を有する蛇腹状無機粒子及び該粒子を含有してなる合成樹脂組成物を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決せんとして鋭意検討を重ねた結果、特定の形状、特定の粒度を有する無機粒子が上記した問題点を解消するとともに、耐ブロッキング性と耐摩耗性とに優れた合成樹脂組成物を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第1は、積層方向に対して垂直な断面が実質的に四辺形で、かつ下記要件(1)〜(5)を共に具備する沈降製炭酸カルシウムからなることを特徴とする蛇腹状無機粒子を内容とするものである。
(1) 0.8 ≦ b1/a ≦ 1.2
(2) 1.0 ≦ c/a ≦ 2.0
(3) n ≧
(4) S ≦ 0.4
(5) 0 ≦ (DP1−DP3)/DP2 ≦ 0.5
ただし、
a :積層方向に対して垂直な断面の四辺形の任意に決められた1辺の長さの平均(μ m)
b :aの辺方向をX軸として、同一断面のX軸に垂直なY軸方向の粒子の長さの平均 (μm)
c :X軸に垂直な積層方向をZ軸とし、Z軸方向の粒子の長さの平均(μm)
n :積層の積み重なった層の数の平均
DP1:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−CP3)を用いた粒度分布におい て、大きな粒子径側から起算した重量累計25%時の粒子径(μm)
DP2:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−CP3)を用いた粒度分布におい て、大きな粒子径側から起算した重量累計50%時の粒子径(μm)
DP3:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−CP3)を用いた粒度分布におい て、大きな粒子径側から起算した重量累計75%時の粒子径(μm)
S :相対標準偏差
ただし、

S=[Σ{(ai+bi+ci)/3−DC1}2 /(m−1)]1/2 /DC1
i=1
ai :個々の蛇腹状粒子の積層方向に対して垂直な断面の四辺形の任意に決められた1 辺の長さの平均(μm)
bi :個々の蛇腹状粒子のaiの辺方向をX軸として、同一断面のX軸に垂直なY軸方 向の粒子の長さの平均(μm)
ci :個々の蛇腹状粒子のX軸に垂直な積層方向をZ軸とし、Z軸方向の粒子の長さの 平均(μm)
DC1:個々の蛇腹状粒子を四角柱に見立てた体積の平均値と同一の値を示す立方体の一 辺長の長さ(μm)
【0014】
本発明において特筆すべきは、本発明の無機粒子は、図1に示すように、粒子の形状が層状を成し、かつ積層方向の断面が実質的に四辺形である蛇腹状粒子であることである。これにより、例えば光拡散シート状物が照明器具のように加熱成形され、部分的に延伸されたとしてもその特異な形状ゆえに光拡散効果が低下することなく、またポリエステルに代表されるフィルムのブロッキング防止効果についても、図6に示すように、蛇腹状粒子8の積層面がフィルム7の表面付近に位置することにより、多数の辺が摩擦係数を高めることなく良好なブロッキング性を発現し、かつ脱落防止機能を有する等顕著な効果が発揮される。
【0015】
該蛇腹状粒子が同時に満足すべき要件としては、(1)積層方向に対して垂直な断面の四辺形の任意に決められた1辺の長さの平均a(μm)と、aの辺方向をX軸として、同一断面のX軸に垂直なY軸方向の粒子の長さの平均b(μm)すなわちa方向の辺を底辺とする四辺形の底辺と高さの比b/a(図1参照)が0.8≦b/a≦1.2、(2)該底辺の長さとX軸に垂直な積層方向をZ軸とし、Z軸方向の粒子の長さの平均c(μm)との比c/a(図1参照)が1.0≦c/a≦2.0、(3)積層の積み重なった層の数n(図3参照)がn≧、および(4)S≦0.4すなわち該蛇腹状粒子の粒度が該式を満足するような均一なものであることである。
【0016】
b/aが0.8より小さくても1.2より大きくても粒子が板状に近づき好ましくなく上記の範囲でなければならない。c/aが上記範囲を外れても同様の理由で好ましくなく、a方向の辺に対する層方向の厚み、すなわちc/aが1.0より小さい場合は蛇腹状の面がフィルムの延伸方向に垂直になりにくく効果が期待できず、また2.0を越えるとシート状物の加熱成形時に粒子が破損する場合が予想され上記の範囲でなければならない
【0017】
層の数nがより少ない場合は蛇腹状の効果に乏しくなる。また同様にしてS値は、積層方向に垂直な断面の四辺形の一辺aとそれを底辺とする四辺形の高さbと積層方向の長さcの平均値と、個々の蛇腹状粒子を四角柱に見立てた体積の平均値と同一の値を示す立方体の一辺長の長さDC1との相対標準偏差を表し、この値が0に近づく程粒度内容がシャープであることを意味することとなるが、このS値が0.4を越えるとフィルム表面の突起に均一性がなくなり、場合によっては粗大な粒子を含むこととなり問題である。従って、このS値は、好ましくは0.4以下である。更に、また、このような無機粒子の粒度分布から、0≦(DP1−DP3)/DP2≦0.5の関係を満足することが必要である。(DP1−DP3)/DP2が0.5を越えると粒度内容が幅広くなっていることを表し、シート状物の表面の平滑性が損なわれたり、均一な突起をフィルム表面に施すことができない等の不都合が起こるため問題である
【0018】
該蛇腹状粒子の積層方向に対して垂直な断面は、実質的に四辺形であればとくに制約なく本発明の目的とする効果を発現するが、好ましくは該四辺形のa方向の辺の1頂点と接する辺の長さb1(μm)および該四辺形のa方向の辺のもうひとつの頂点と接する辺の長さb2(μm)とa方向の辺の長さの比がそれぞれ0.6≦b1/aおよびb2/a≦1.5であり、より好ましくはそれぞれの比が0.8≦b1/aおよびb2/a≦1.2、すなわち積層方向に垂直な断面がより正方形に近い形状が好ましい(図2参照)。それぞれの比が0.6より小さくても1.5を越えても正方形から離れた形状となり、期待する層の辺としてのブロッキング防止剤の効果が小さくなる。また蛇腹状粒子の平均粒子径DP2については、特に規定するものではなく通常合成樹脂に添加される粒子径であれば本発明の効果を阻害するものではないが、好ましくは0.01〜15μmの間、より好ましくは0.05〜3μmの間、最も好ましくは、微粒子でかつ良好な分散状態を保つことができる0.05〜0.5μmの間である。あまり微粒子側によると粒子の分散性が阻害されることがあり、粒子が大きくなればなるほど表面の平滑性が損なわれることが予想される。
【0019】
上記の形状及び粒度を有する、沈降製炭酸カルシウムからなる蛇腹状無機粒子は、例えば、下記の如き方法で製造することができる。
一般に溶液法と称する製造方法としては、炭酸塩溶液、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の0.1〜3.0mol/l 水溶液と、カルシウム塩溶液、例えば塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の0.1〜3.0mol/l 水溶液の何れか一方もしくは両方に0.001〜2.0mol/l の例えば水酸化ナトリウム、アンモニア水等の緩衝剤を添加し、次いで両者を攪拌下混合することによって蛇腹状炭酸カルシウム粒子を生成させ、この反応終了液を脱水・水洗することによって炭酸カルシウム以外の不純物を含まない蛇腹状炭酸カルシウム粒子が得られる。
【0020】
本発明の蛇腹状無機粒子を合成樹脂に含有させる量は、合成樹脂の種類や用途によって異なり一概には特定できるものではないが、例えばアクリル系樹脂のシート状物の場合、樹脂100重量部に対して0.05〜15重量部が適当で、好ましくは0.5〜6重量部であり、合成樹脂フィルムの場合、樹脂100重量部に対して0.005〜3重量部が適当で、0.01〜1重量部が好ましい。この理由は、下限値未満にあっては、含有量が少ないため目的とする効果が不十分であるとともに、合成樹脂に添加して均一に分散させる精度が低下するためであり、一方、上限値を越えると、隠蔽性が増し光の透過性が損なわれるとともに、含有量の割には物性が向上せず、またフィルム等では延伸性も低下する。
【0021】
該蛇腹状粒子の表面処理に関しては特に規定されるものではないが、通常用途に合わせて適宜選択される。表面処理剤としては例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ベヘン酸等に例示される飽和、不飽和の脂肪酸;アビエチン酸、ネオアビエチン酸、安息香酸、ケイ皮酸等に例示される脂環族、芳香族の樹脂酸、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸等に例示されるスルホン酸化合物、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸等に例示される硫酸化合物、アルキル燐酸、アルキルエーテル燐酸等に例示される燐酸化合物;これら酸のメチルエステル、エチルエステル、ヘキシルエステル等のエステル類、アルカリ金属、アンモニウム、アミン等の塩;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等に例示される繊維素化合物;チタネートカップリング剤、シランカップリング剤等に例示されるカップリング剤;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びこれらのポリマー;さらにはアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アルコキシ基を有するアクリレート及びメタクリレート、ポリアルキレングリコールモノアクリレート及びメタクリレートビニルエステル等上記不飽和カルボン酸と重合可能な単量体との共重合物、これらのアルカリ金属、アンモニウム、アミンによる部分もしくは完全中和物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
またこれら表面処理剤の処理量についても特に規定されるものではないが、通常無機粒子100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0022】
該蛇腹状粒子は単独で使用してもよいが、同じ目的の他の無機粒子と併用することも可能である。その際、該蛇腹状粒子の粒子全体に対する含有量は10重量%以上とするのが好ましく、より好ましくは30重量%以上である。該蛇腹状粒子の添加割合が少ない場合は、本発明の目的とする効果が他の粒子により損なわれるおそれがある。特に併用使用する場合の無機粒子としては、沈降製炭酸カルシウムが良く、その中でも六面体粒子が併用し易い。これは沈降製炭酸カルシウムが無機粒子中粒径操作が容易で、その粒度内容も調整しやすいことから、該蛇腹状粒子の特徴が損なわれにくい上、粒子径を適度に組み合わせることにより互いの持ち味をよりうまく発現し得るからであり、その際沈降製炭酸カルシウム粒子が六面体であることが形状効果の観点からより好ましい。従って、該蛇腹状粒子についても沈降製炭酸カルシウムで調製するのが、硬度、粒度内容の調整しやすさ、粒子径の操作のしやすさからも好ましい。
【0023】
本発明における蛇腹状粒子の調製方法は特に限定されるものではないが、例えば沈降製炭酸カルシウムの場合、既述の炭酸ガス法でもよく、また溶液法と称する、以下に例示する方法でも問題ない。溶液法沈降製炭酸カルシウムの調製方法としては、炭酸塩溶液(例えば炭酸ナトリウム)とカルシウム塩溶液(例えば塩化カルシウム)を反応緩衝剤として、例えば水酸化ナトリウム溶液の存在下で温度、濃度他反応条件を制御しながら混合することにより容易に調製される。
【0024】
本発明における合成樹脂は特に限定されないが、例えばアクリル系樹脂はメタクリル酸メチルを主成分とする重合体であって、メタクリル酸メチル単独重合体でもよいし、メタクリル酸メチルと共重合可能な他の不飽和単量体との共重合体でもよい。共重合可能な他の不飽和単量体としては、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン等が挙げられる。またグリコールジメタクリレートのような多官能性化合物を共重合することもできる。これらアクリル系樹脂の重合度は粘度平均重合度で500ないし30000、好ましくは2000ないし20000のものが使用される。
【0025】
またポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−プロピレンランダムまたはブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキセン共重合体などを挙げることができる。なかでもポリプロピレンやプロピレン過半重量のプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、特にエチレン含量が0〜6重量%のプロピレン重合体が良い。またこれらのポリオレフィンは結晶性であり、アイソタクティックインデックスが通常40以上、なかでも60以上、特に90以上のものが適する。更に、成形できるものである限り用いられるが、通常はメルトフローレートが0.01〜100g/10分、なかでも0.1〜50g/10分、特に0.5〜10g/10分のものが好ましい。
【0026】
さらにポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルであれば特に制限はない。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール等のごとき炭素数2〜10のポリメチレングリコールあるいはシクロヘキサンジメタノールのごとき脂環族ジオール等を挙げることができる。これらを主成分とするポリエステルとしては、例えばアルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられる。
【0027】
蛇腹状粒子は、叙述のように、光拡散剤、フィルム等のアンチブロッキング剤としての効果が特に大きいことから、厚み5mm以下のシート、フィルムもしくは合成繊維を製造するに適した樹脂に使用した場合特に効果的である。
本発明の合成樹脂組成物には、通常使用される他の添加剤、例えば顔料、染料、紫外線吸収剤、各種安定剤、酸化防止剤、遮光剤(たとえばカーボンブラック、酸化チタン等)、加工助剤、帯電防止剤等の1種又は2種以上を、必要に応じて定法に従って使用することができることは勿論である。
また、これら蛇腹状粒子をフィルムあるいは繊維のアンチブロッキング剤として有効に使用した後、必要に応じて粒子そのものを溶解除去し、フィルムあるいは繊維に微細な孔を空けることも可能である。この場合においても蛇腹状粒子の成分としては、酸で容易に溶解除去できる炭酸カルシウムが有利である。
【0028】
【実施例・比較例】
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明がこれらにより何等制約を受けるものではない。
なお評価については、以下の操作により2種の配合で行った。
【0029】
「アクリル系樹脂シート」
アクリル酸エチルを7.5重量%含有するメタクリル酸メチル共重合体で分子量14万のビーズ状物100重量部に対して、無機粒子からなる添加物を表3及び表4に記載の重量部添加しヘンシェルミキサーで混合した後、40mml軸押出機を用い樹脂温度265℃で溶融樹脂をTダイより押出し、ポリシングロール3本を介して23cm厚さ2mmのシートを作成した。
【0030】
このようにして得られたシートの品質を以下に示す方法で評価を行った。
▲1▼ 全光線透過率
ASTM D−1003−61に準拠して積分球式HTRメーターで測定した。
▲2▼ 隠蔽性及び光拡散性
垂直入射光による透過角0度の透過光強度(I0 )、垂直入射光による透過角5度の透過光強度(I5 )、垂直入射光強度(I70)を株式会社村上色彩技術研究所製、自動変角光度計GP−1Rを用いて測定し、I5 /I0 を隠蔽性とし、I70/I0 を光拡散性とした。
【0031】
「ポリエチレンテレフタレートフィルム」
表4に示す如く、無機粒子からなる添加剤を予めエチレングリコールに懸濁せしめ、この各エチレングリコールスラリーをポリエステル化反応前に添加しポリエステル化反応を行い、添加剤粒子0.1重量%含有した極限粘度数(オルソクロロフェノール,35℃)0.62dl/gのポリエチレンテレフタレートを調製した。該ポリエチレンテレフタレートを160℃で乾燥した後290℃で溶融押し出し、40℃に保持したキャスティングドラム上に急冷固化せしめて未延伸フィルムを得た。引き続き、該未延伸フィルムを加熱ローラーで70℃に予熱した後、赤外線ヒーターで加熱しながら縦方向に3.6倍延伸した。続いて90℃の温度で横方向に4.0倍延伸した後200℃で熱処理を行い、厚さ15μmの二軸配向フィルムを得た。
このようにして得られたフィルムの品質を、以下に示す方法で評価した。
【0032】
▲1▼ フィルム表面粗さ(Ra)
中心線平均粗さ(Ra)としてJIS−B0601で定義される値であり、本発明では株式会社小坂研究所の触針式表面粗さ計(SURFCORDER SF -30C)を用いて測定する。測定条件等は次の通りである。
(a)触針先端半径:2μm
(b)測定圧力:30mg
(c)カットオフ:0.25mm
(d)測定長:0.5mm
(e)同一試料について5回繰り返し測定し、最も大きい値を1つ除き、残り4つのデーターの平均値を表す。
【0033】
▲2▼ フィルムの摩擦係数(μk)
図8に示した装置を用いて下記のようにして測定する。図中、1は巻だしリール,2はテンションコントローラー,3,5,6,8,9及び11はフリーローラー,4はテンション検出機(入口),7はステンレス網SUS304製の固定棒(外径5mm),10はテンション検出機(出口),12はガイドローラー,13は巻取りリールをそれぞれ示す。
温度20℃,湿度60%の環境で、幅1/2インチに裁断したフィルムを、7の固定棒(表面粗さ0.3μm)に角度θ=(152/180)πラジアン(152゜)で接触させて毎分200cmの速さで移動(摩擦)させる。入口テンションT1が35gとなるようにテンションコントローラーを調製したときの出口テンション(T2:g)をフィルムが90m走行した後に出口テンション検出機で検出し、次式で走行摩耗係数μkを算出する。
Figure 0004097741
【0034】
▲3▼ 摩耗性評価−I
1/2幅のフィルム表面を直径5mmのステンレス製固定ピン(表面粗さ0.58)に角度150゜で接触させ、毎分2mの速さで約15cm程度往復移動,摩擦させる。(この時入側テンションT1を60gとする)。
この操作を繰り返し、往復40回測定後摩擦面に生じたスクラッチの程度を目視により下記の基準により4段階判定する。
◎ : スクラッチの発生がほとんど認められない。
○ : スクラッチの発生がわずかに認められる。
△ : スクラッチの発生がかなり認められる。
× : スクラッチの発生が全面に多数認められる。
【0035】
▲4▼ 摩耗性評価−II
フィルムの走行面の削れ性を5段のミニスーパーカレンダーを使用して評価する。カレンダーはナイロンロールとスチールロールの5段カレンダーであり、処理温度は80℃、フィルムにかかる線圧は200kg/cm、フィルムスピードは50m/分で走行させる。走行フィルムは全長4000m走行させた時点で、カレンダーのトップローラーに付着する汚れでフィルムの削れ性を目視により下記の基準により4段階評価する。
◎ : ナイロンロールの汚れ全く無し。
○ : ナイロンロールの汚れ殆ど無し。
△ : ナイロンロールが少し汚れる。
× : ナイロンロールがかなり汚れる。
×× : ナイロンロールが非常に汚れる。
【0036】
▲5▼ フィルム表面の粗大突起数
フィルム表面にアルミニウムを薄く蒸着した後、二光束干渉顕微鏡を用いて四重環以上の粗大突起数(測定面積1mm2 当りの個数)をカウントし、粗大突起数の多少により次の1級〜5級のランク付けで表す。
1級 : 16個以上 2級 : 12〜15個
3級 : 8〜11個 4級 : 4〜7個
5級 : 0〜3個
【0037】
実施例1:無機粒子−Aの調製
1.0mol /リッター濃度の炭酸ナトリウム溶液(X溶液)、1.0mol /リッター濃度の塩化カルシウム溶液(Y溶液)、及び0.03mol /リッター濃度の水酸化ナトリウム溶液(Z溶液)を各々100リッター調製した。該X溶液とZ溶液を混合し、液温を17℃に調整した後、同様に17℃に調整したY溶液を該混合溶液に撹拌条件下に滴下した。このもののpHが12であるため遠心脱水機を用いて水道水により脱水・水洗を繰り返しpH9となった時点で濃縮することにより、沈降性炭酸カルシウムからなる無機粒子を得た。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した結果、表1記載の蛇腹状粒子を50重量%含み、その他が一辺長0.8μmの六面体粒子であった。
【0038】
実施例2:無機粒子−Bの調製
X溶液濃度、Y溶液濃度を各々1.8mol /リッターに、Z溶液を0.06mol /リッターに変更することを除いて実施例1と同様の方法で沈降性炭酸カルシウムからなる無機粒子を得た。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した結果、表1記載の蛇腹状粒子を70重量%含み、その他が一辺長0.2μmの六面体粒子であった。得られた粒子の形状を示す電子顕微鏡写真(40000倍)を図8に示す。
【0039】
実施例3:無機粒子−Cの調製
X溶液濃度、Y溶液濃度を各々1.4mol /リッターに、Z溶液を0.045mol /リッターに変更することを除いて実施例1と同様の方法で沈降性炭酸カルシウムからなる無機粒子を得た。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した結果、表1記載の蛇腹状粒子を30重量%含み、その他が一辺長0.4μmの六面体粒子であった。
【0040】
実施例4:無機粒子−Dの調製
X溶液濃度、Y溶液濃度を各々0.6mol /リッターに、Z溶液を0.025mol /リッターに変更することを除いて実施例1と同様の方法で沈降性炭酸カルシウムからなる無機粒子を得た。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した結果、表1記載の蛇腹状粒子を30重量%含み、その他が一辺長2.4μmの六面体粒子であった。
【0041】
実施例5:無機粒子−Eの調製
X溶液濃度を1.0mol /リッターに、Y溶液濃度を0.8mol /リッターに、Z溶液を0.025mol /リッターに各々変更することを除いて実施例1と同様の方法で沈降性炭酸カルシウムからなる無機粒子を得た。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した結果、表1記載の蛇腹状粒子を20重量%含み、その他が一辺長1.4μmの六面体粒子であった。
【0042】
実施例6:無機粒子−Fの調製
X溶液濃度、Y溶液濃度を各々1.6mol /リッターに、Z溶液を0.055mol /リッターに変更することを除いて実施例1と同様の方法で沈降性炭酸カルシウムからなる無機粒子を得た。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した結果、表1記載の蛇腹状粒子を90重量%含み、その他が一辺長0.25μmの六面体粒子であった。
【0043】
【表1】
Figure 0004097741
【0044】
比較例1:無機粒子−G
蛇腹状粒子の存在しない市販六面体沈降製炭酸カルシウム、平均粒子径9μm。その他六面体の1方向を蛇腹状粒子の積層方向と見立てた場合の粒子の特数値を表2に示す。
【0045】
比較例2:無機粒子−H
蛇腹状粒子の存在しない市販六面体沈降製炭酸カルシウム、平均粒子径1μm。その他六面体の1方向を蛇腹状粒子の積層方向と見立てた場合の粒子の特数値を表2に示す。
【0046】
比較例3:無機粒子−I
市販表面処理(処理剤;ステアリン酸)重質炭酸カルシウム、平均粒子径1μm。その他特数値を表2に示す。
【0047】
比較例4:無機粒子−J
市販球状シリカ、平均粒子径0.3μm。その他特数値を表2に示す。
【0048】
比較例5:無機粒子−Kの調製
X溶液濃度を0.4mol /リッターに、Y溶液濃度を1.0mol /リッターに、Z溶液を0.02mol /リッターに変更することを除いて実施例1と同様の方法で沈降性炭酸カルシウムからなる無機粒子を得た。得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した結果、表2記載の特数値を有する蛇腹状粒子と六面体炭酸カルシウムが多数凝集しており、大小様々な粒子径の一次粒子が存在するものであり、蛇腹状粒子を含む割合は30重量%であった。
【0049】
比較例6:無機粒子−Lの調製
生石灰に水を加え調製された石灰乳を、比重1.070、温度10℃に調製し、該石灰乳中に炭酸ガス濃度25重量%の炉ガスを20m3/min の導通速度で供給し、炭酸化反応を行ない、pH6.5で炭酸化反応を終了した。該炭酸化反応の終了した炭酸カルシウムの水懸濁液の液温を70℃に調整し、120時間撹拌した。このようにして調製された炭酸カルシウムは、カルサイト型の炭酸カルシウムであり、走査型電子顕微鏡写真による1次粒子径は0.5μmであった。
この炭酸カルシウムの水懸濁液を常法に従い脱水し、得られた脱水ケーキにポリアクリル酸ソーダを炭酸カルシウム固形分に対し1.5重量%添加し、強力に撹拌することにより、固形分濃度45重量%の炭酸カルシウムの水スラリーを得た。該水スラリーを、60cc/min の流量で繰り返し6回、湿式粉砕機(ダイノーミルPilot型、WAB社製、メディア充填率80%、メディア0.6〜0.9mm、回転数1500rpm )を通過せしめ湿式粉砕を行い、凝集体の分散を行った。このものの特数値を表2に示す。
【0050】
【表2】
Figure 0004097741
【0051】
実施例7〜9
上記無機粒子A、D及びEの濃縮スラリー各々を乾燥、解砕し無処理粉体とした後、スーパーミキサーを用いて該無処理粉体に対して1.5重量部のステアリン酸を表面処理することによりこれらの表面処理粉体を得た。該表面処理粉体各々を既述の方法で配合したアクリル樹脂系光拡散シートを作成し拡散板としての物性を評価した。その配合量、蛇腹状粒子の割合、評価結果を表3に記載する。
【0052】
実施例10〜11
上記無機粒子B及びCの濃縮スラリー各々を乾燥、解砕し無処理粉体とした後、スーパーミキサーを用いて該無処理粉体に対して1.5重量部のステアリン酸を表面処理することによりこれらの表面処理粉体を得た。該表面処理粉体各々と市販の沈降製炭酸カルシウムからなる六面体粒子(無機粒子−G)を5:5の割合で併用使用し、既述の方法で各々を配合したアクリル樹脂系光拡散シートを作成し拡散板としての物性を評価した。その配合量、蛇腹状粒子の割合、評価結果を表3に記載する。
【0053】
比較例7〜10
上記無機粒子G、H、I及び無機粒子Kを実施例7と同様の方法で表面処理した粉体を使用し、実施例1と同様の方法で各々を配合したアクリル樹脂系光拡散シートを作成し拡散板としての物性を評価した。その配合量、評価結果を表3に記載する。
【0054】
表3から明かな如く、本発明の蛇腹状無機粒子を含有した合成樹脂組成物からなる光拡散板は、全光線透過率、隠蔽性、光拡散性のいずれの面においてもバランスした特性を備えている。
【0055】
【表3】
Figure 0004097741
【0056】
実施例12〜16
上記無機粒子A、B、C、E及びFの濃縮スラリーを使用し、該無機粒子に対し1.5重量%に相当する表面処理剤(アクリル酸とメタクリル酸ブチルの各々の重量比が70:30の共重合物であり、アクリル酸部分が有する全カルボキシル基の20%がアンモニウム塩になっているもの)を撹拌条件下表面処理し、その後スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥を行い、既述の方法で各々を配合したポリエステルフィルムを作成しその物性を評価した。その配合量、蛇腹状粒子の割合、評価結果を表4に記載する。
【0057】
実施例17〜18
上記無機粒子B及びFを実施例12と同様の方法で表面処理した粉体と市販の沈降製炭酸カルシウムからなる六面体粒子(無機粒子−H)を3:7の割合で併用使用し、既述の方法で各々を配合したポリエステルフィルムを作成しその物性を評価した。その配合量、蛇腹状粒子の割合、評価結果を表4に記載する。
【0058】
比較例11〜14
上記無機粒子H、J及び無機粒子K、Lを実施例6と同様の方法で表面処理した粉体を使用し、実施例12と同様の方法で各々を配合したポリエステルフィルムを作成しその物性を評価した。その配合量、蛇腹状粒子の割合、評価結果を表4に記載する。
【0059】
表4から明かな如く、本発明の蛇腹状無機粒子を含有した合成樹脂組成物からなるフィルムは、表面粗さ、摩擦係数、摩耗性のいずれの面においてもフィルムとして要求される特性をバランス良く備え、且つ粗大突起も少ない。
【0060】
【表4】
Figure 0004097741
【0061】
【発明の効果】
本発明の蛇腹状無機粒子を用いることにより、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル等の合成樹脂において、シート状物とした場合においては全光線透過率を低下させることなく良好な光拡散効果を付与し、フィルム、繊維とした場合においても良好な耐ブロッキング性と耐摩耗性を付与することが可能となり、その有用性は頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛇腹状無機粒子を示す模式斜視図である。
【図2】本発明の蛇腹状無機粒子を示す模式正面図である。
【図3】本発明の蛇腹状無機粒子を示す模式側面図である。
【図4】六面体粒子の頂部(角部)がフィルム表面付近に位置する場合の説明図である。
【図5】六面体粒子の辺がフィルム表面付近に位置する場合の説明図である。
【図6】本発明の蛇腹状無機粒子がフィルム表面付近に位置する場合の説明図である。
【図7】実施例2で得られた蛇腹状無機粒子(B)の形状を示す電子顕微鏡写真(40000倍)である。
【図8】フィルムの摩擦係数を測定するための装置を示す概略図である。

Claims (9)

  1. 積層方向に対して垂直な断面が実質的に四辺形で、かつ下記要件(1)〜(5)を共に具備する沈降製炭酸カルシウムからなることを特徴とする蛇腹状無機粒子。
    (1) 0.8 ≦ b/a ≦ 1.2
    (2) 1.0 ≦ c/a ≦ 2.0
    (3) n ≧
    (4) S ≦ 0.4
    (5) 0 ≦ (DP1−DP3)/DP2 ≦ 0.5
    ただし、
    a :積層方向に対して垂直な断面の四辺形の任意に決められた1辺の長さの平均(μ m)
    b :aの辺方向をX軸として、同一断面のX軸に垂直なY軸方向の粒子の長さの平均 (μm)
    c :X軸に垂直な積層方向をZ軸とし、Z軸方向の粒子の長さの平均(μm)
    n :積層の積み重なった層の数の平均
    DP1:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−CP3)を用いた粒度分布におい て、大きな粒子径側から起算した重量累計25%時の粒子径(μm)
    DP2:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−CP3)を用いた粒度分布におい て、大きな粒子径側から起算した重量累計50%時の粒子径(μm)
    DP3:光透過式粒度分布測定機(島津製作所製SA−CP3)を用いた粒度分布におい て、大きな粒子径側から起算した重量累計75%時の粒子径(μm)
    S :相対標準偏差
    ただし、

    S=[Σ{(ai+bi+ci)/3−DC1}2 /(m−1)]1/2 /DC1
    i=1
    ai :個々の蛇腹状粒子の積層方向に対して垂直な断面の四辺形の任意に決められた1 辺の長さの平均(μm)
    bi :個々の蛇腹状粒子のaiの辺方向をX軸として、同一断面のX軸に垂直なY軸方 向の粒子の長さの平均(μm)
    ci :個々の蛇腹状粒子のX軸に垂直な積層方向をZ軸とし、Z軸方向の粒子の長さの 平均(μm)
    DC1:個々の蛇腹状粒子を四角柱に見立てた体積の平均値と同一の値を示す立方体の一 辺長の長さ(μm)
  2. 更に、下記要件を具備する請求項1記載の蛇腹状無機粒子。
    (6) 0.6 ≦ b1/a ≦ 1.5
    (7) 0.6 ≦ b2/a ≦ 1.5
    ただし、
    b1 :該四辺形のa方向の辺の1頂点と接する辺の長さの平均(μm)
    b2 :該四辺形のa方向の辺のもうひとつの頂点と接する辺の長さの平均(μm)
  3. 更に、下記要件を具備する請求項1又は2記載の蛇腹状無機粒子。
    (8) 0.05μm ≦ DP2 ≦ 0.5μm
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の蛇腹状無機粒子を含有してなることを特徴とする合成樹脂組成物。
  5. 蛇腹状無機粒子が他の無機粒子を含む混合物である請求項記載の合成樹脂組成物。
  6. 該蛇腹状粒子の含有量が粒子全体の10重量%以上である請求項記載の合成樹脂組成物。
  7. 他の無機粒子が、沈降製炭酸カルシウムからなる六面体粒子である請求項又は記載の合成樹脂組成物。
  8. 合成樹脂組成物が、厚み5mm以下のシート又はフィルムである請求項のいずれか1項に記載の合成樹脂組成物。
  9. 合成樹脂組成物が合成繊維である請求項4〜7のいずれか1項に記載の合成樹脂組成物。
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