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JP4096095B2 - 金属超微粒子を分散させた多孔質材料及びその作製方法 - Google Patents

金属超微粒子を分散させた多孔質材料及びその作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属超微粒子を多孔質材料内へ担持させた複合体に関するものであり、更に詳しくは、直径1〜3nmの金属超微粒子を任意の分散状態で多孔質担体中に担持させた複合多孔質材料及びそれを作製する方法に関するものである。
本発明は、例えば、化学工業などで用いられる触媒、医療や食品分野における消毒・殺菌、電子工業におけるフォトニクス材料、ガラス製造業における着色ガラス、及びエネルギー分野における水素貯蔵材料などの種々の応用が期待される、新規金属超微粒子・ゲル複合体及びその作製方法を提供するものとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
パラジウムなどの金属超微粒子を多孔質担体中に担持させた材料は、不均一触媒として応用が進められている。この不均一触媒は、その固体触媒の表面で反応が進行するため、触媒の表面積を増加させること及び反応物が触媒表面に到達しやすくすることが、触媒効率を上げるために重要である。このため、これまでに、応用・開発が進められている触媒系は、多孔質体中に金属超微粒子を担持させた構造を有している。また、金属超微粒子を透明なマトリックスに分散した材料は、超微粒子に特有な、高い3次の非線形光学特性を利用したフォトニクス材料への応用が期待されている。そのような材料の作製方法としては、金属塩をシリコン等のアルコキシド溶液に混入させ、マトリックスのゲル化の過程で、加熱及び還元剤の添加により超微粒子を析出させる方法が一般的である。パラジウムやランタン・ニッケル合金のような水素吸蔵合金は、燃料電池などに用いられる水素貯蔵材料としての用途が有望視されている。この水素吸蔵合金では、バルク体を利用することが一般的であるが、水素脱着の応答性の悪さが指摘されている。微粒子系の水素貯蔵材料を用いることで、この点を克服できる可能性が指摘されている。
【0003】
次に、従来用いられている、金属超微粒子を多孔質材料に担持させた材料の作製方法を説明すると、最も一般的なものは、ハニカム形状等の多孔質体をまず作製し、これを金属(イオン)を含む溶液と接触させた後、熱処理・還元して作製する方法である(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、多孔質体が金属導入処理で破壊されないように強度を持って作製される必要があり、多孔質体の単位重量当たりの表面積をそう大きくはできず、金属導入量も制限される。従って、材料の単位重量当たりの触媒量もそう大きくはできない。また、金属超微粒子自体も、熱処理・還元処理を通して生成するため、熱処理時に焼結が起こり、直径数ミクロン程度の比較的大きな微粒子となる。
【0004】
一方、直径数nm−数十nmの金属超微粒子を担体の中に分散させる方法としては、ゲル中での金属超微粒子の作製が一般的である(例えば、非特許文献2参照)。この方法では、担体の前駆体となる金属アルコキシドの溶液に、担持したい金属の塩又は錯体を加え、これを加水分解・ゲル化してから乾燥させ、数百℃に加熱することにより金属超微粒子を担体中に析出させるか、あるいは加熱する代わりに、還元性の試薬を添加することにより、室温で超微粒子を作製する。この方法を用いれば、細かい担体ネットワーク中に任意の割合で金属超微粒子を担持させられるが、乾燥したゲルの熱処理・還元段階で金属超微粒子の析出が起こるため、粒子の大きさの制御が難しいとともに、加熱処理の場合には粒子の焼結が起こり、比較的大きな超微粒子が生成するという問題点がある。
【0005】
【非特許文献1】
大西孝治著、触媒−その秘密を探る−、大日本図書、第45〜49頁、昭和62年
【非特許文献2】
上野、水上、袖澤編、金属アルコキシドを用いる触媒調製、アイシーピー、第198〜214頁、平成5年
【0006】
直径数nmの金等の金属超微粒子は、溶液中、及び空気中などでは、そのままでは存在できず、凝集・融合化が起きる。しかしながら、チオール等の保護基を表面に吸着させることによりそれを阻止することが可能である。具体的には、塩化金酸などの金属イオンをアルキルチオール等の存在下で還元することにより、直径数nmの大きさで金属を安定に存在させることが知られている。また、作製条件を制御することにより、生成する金属超微粒子の大きさを制御することも可能である。しかしながら、これらの金属超微粒子を、触媒や水素貯蔵材料として利用できるように、チオールなどの表面保護基を除去した形態で、多孔質体に分散させる技術や、また、フォトニクス素子への応用が可能なように、これらを透明な無機物質に分散させる技術は、未だ開発されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、あらかじめサイズ制御して作製した、直径数nmあるいはそれ以上の大きさの金属超微粒子を、超微粒子のサイズを変化させることなく無機多孔質材料中に均一に分散させる方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、表面保護した金属超微粒子をテトラヒドロフランなど弱極性の有機溶媒に溶かした後、この溶液にウエットゲルを浸漬し、金属超微粒子をゲル内に吸収させること、得られた金属超微粒子・ウエットゲル複合体をトルエン等の無極性の有機溶媒に浸漬することにより、ゲル骨格に固着させること、この金属超微粒子・ウエットゲル複合体を乾燥すること、乾燥体を加熱して表面の保護分子を除去すること、により所期の目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、多孔質材料中の金属超微粒子の分散性を制御することで、例えば、比較的高温下で触媒や水素貯蔵材料として用いられた場合に、粒子の拡散・融合による性能劣化を防ぐことができる等の効果が期待できる、多孔質材料内への金属超微粒子の分散方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、無機多孔質材料中の金属超微粒子の分散性を制御する方法を提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、上記方法により作製した金属超微粒子・ゲル複合体を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)金属超微粒子を分散性を制御した状態で担体多孔質体となるウエットゲルに担持させた金属超微粒子・ゲル複合体を製造する方法であって、1)保護分子で表面を保護した金属超微粒子を有機溶媒に溶解させた後、その溶液にウエットゲルを浸漬させ、保護分子と、ゲル表面との相互作用によって、金属超微粒子をゲル骨格に吸着させること、2)使用する有機溶媒の極性を調整することにより両者の相互作用の大きさを変化させること、3)その際に、無極性の溶媒を用いて金属超微粒子をゲルの周辺部に偏在して担持させ、あるいは極性を持つ溶媒を用いて金属超微粒子をゲル中に均一に担持させること、4)それにより、ゲル内部での金属超微粒子の分散性を制御した状態でウエットゲルに担持させた金属超微粒子・ゲル複合体を作製すること、を特徴とする金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
(2)金属元素が、貴金属ないし遷移金属、及びそれらの合金から選択される1種又は複数種である、前記(1)に記載の金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
(3)金属超微粒子の粒径が、1〜20nmである、前記(1)に記載の金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
(4)溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、又はトルエン/エタノール混合溶媒である、前記(1)に記載の金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
(5)ウエットゲルが、シリカウエットゲルである、前記(1)に記載の金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載の方法で作製された金属超微粒子・ゲル複合体を、乾燥することにより多孔質体とすることを特徴とする、金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
(7)前記(6)に記載の方法で作製された多孔質体を、加熱することにより表面の保護分子を除去することを特徴とする、金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、前述のチオール等の保護分子を表面に吸着させることにより安定化させた金属超微粒子を含む溶媒溶液中に、担体多孔質体となるウェットゲルでその液相を上記溶媒に置換したものを浸漬することにより、表面保護された金属超微粒子を、ウェットゲルの内部に担持させることを特徴とするものである。この場合、導入する金属超微粒子の濃度は、浸漬する溶液中の金属超微粒子の濃度や、浸漬時間を変化させることにより制御することができる。また、金属超微粒子を担持させるときの溶媒の極性を制御することにより、ゲル内部での金属超微粒子の分散性を制御することができる。すなわち、トルエンやヘキサンのような、無極性の溶媒を用いると金属超微粒子はゲルの周辺部に偏在して担持されるが、テトラヒドロフランのように極性を持つ溶媒中では、ゲル中に均一に担持される。極性を持つ有機溶媒中においては、ゲル骨格と金属超微粒子の相互作用は小さいが、その状態のゲルを無極性の有機溶媒に浸漬することにより、金属超微粒子をゲル骨格に固着させることができる。上記のような現象は、金属超微粒子を保護している、チオール層の正電荷と、ゲル表面の負電荷との相互作用で吸着が起こるために、溶媒の極性を制御することで両者の相互作用の大きさを変化させることができることによると考えられる。上記の方法で得られた金属超微粒子を担持したウェットゲルを、自然乾燥あるいは液化炭酸ガス等を用いる超臨界乾燥などにより乾燥することにより、金属超微粒子が凝集することなく最初に導入されたままの大きさで、担体多孔質体中に均一に担持された乾燥材料が得られる。
【0011】
本発明において、上記金属超微粒子としては、好適には、例えば、金、銀、パラジウムなどの貴金属、鉄、コバルトなどの遷移金属、及びそれらの合金が例示される。また、金属超微粒子を安定化させる保護分子の試薬としては、好適には、例えば、ドデカンチオールを代表とするアルキルチオール、フェニルメルカプタン等の芳香族硫黄化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが例示される。しかしながら、本発明では、金属超微粒子、安定化させる試薬ともに上述のものに限定されるものではなく、溶媒溶液中で金属が凝集せずに安定に存在できる組み合わせであれば適宜のものを使用することができる。また、上述の作製方法による金属超微粒子の粒径は、例えば、1〜20nm程度のものが好適である。しかし、この粒径域に限定されるものではない。
【0012】
担体多孔質となるウェットゲルとしては、好適には、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア等の単一あるいは複合ウェットゲルが例示されるが、これらに制限されるものではなく、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。これらのウェットゲルは、通常、例えば、シリカウェットゲルならば、ケイ酸メチル、ケイ酸エチル等の金属アルコキシドの加水分解とゲル化により作製されるが、以下の溶媒置換等に耐える強度のウェットゲルが得られるならば、物質、作製法ともにこれらに限定されるものではない。また、ウェットゲルを作製する場合、例えば、金属アルコキシドをエタノール等のアルコールで希釈してから加水分解・ゲル化を行わせることにより、各種の金属酸化物濃度のウェットゲルを得ることができ、それと乾燥法によって各種密度の金属超微粒子を担持した複合多孔質体を得ることができる。
【0013】
金属超微粒子をウェットゲル中に吸着させるときに用いる溶媒は、表面保護された金属超微粒子が分散し、かつウェットゲルが安定に存在できるものであればよく、好適には、例えば、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、テトラヒドロフラン等やこれらの混合溶媒、及びこれらとエタノール、アセトニトリル等の不溶性溶媒との混合物が例示される。金属アルコキシドの加水分解とゲル化などの方法により作製されたウェットゲルは、その液相を互いに混じり合う溶媒で順次置換することにより目的の溶媒を液相とするウェットゲルとされる。例えば、目的の溶媒がトルエンで、ウェットゲルがアルコキシドの加水分解とゲル化で作製された場合、ウェットゲルは、液相が水とエタノール等アルコールとの混合液であるので、まず、純アルコールに置換し、次いで、トルエンに置換する。ウェットゲル中の液相の置換は、ウェットゲルを置換する純溶媒中に浸漬して室温で5〜6時間放置し、溶媒を新しいものに交換する操作を2〜3回繰り返すことにより行われる。もちろん、放置時間、溶媒交換回数は、ウェットゲルの大きさにより適宜変えられるべきものである。
【0014】
安定化された金属超微粒子を含む溶液中に上述のウェットゲルを浸漬する条件は、室温で1〜2日程度が普通である。この程度で溶液中の金属超微粒子はウェットゲルの内部に吸収される。通常、金属超微粒子を含む溶液は着色しており、ウェットゲルは無色で半透明かほぼ透明であるので、ウェットゲル側が着色することにより、金属超微粒子が内部に吸収されたことが分かる。金属超微粒子のウエットゲル骨格への固着には、トルエンなどの無極性溶媒に1日程度浸漬する操作を2度ほど繰り返すのが一般的である。溶液中の金属超微粒子濃度、溶液に浸漬する時間、及び溶液量とウェットゲル量の比率等を変えることにより、最終的に得られる多孔質体中の金属超微粒子濃度を変化させることができる。
【0015】
金属超微粒子を吸着したウェットゲルは、自然乾燥、超臨界乾燥などにより乾燥することにより多孔質体とされる。自然乾燥は通常は室温、大気中で数日放置という方法で行われるが、溶媒の種類、乾燥時の収縮防止の観点から、若干の加熱、あるいは減圧下の乾燥等、各種の条件設定を行うことが可能であり、乾燥して多孔質体が得られるならば上述の方法に限るものではない。超臨界乾燥を用いる場合は、乾燥に必要な温度が低くてよいように、通常は、二酸化炭素媒体の超臨界乾燥が用いられる。金属超微粒子を吸着したウェットゲルをオートクレーブ中に入れてウェットゲルの液相溶媒でオートクレーブを満たし、加圧下で液相を液化二酸化炭素に置換した後、オートクレーブ内を二酸化炭素の臨界条件以上、例えば、50℃、10MPaとして二酸化炭素を超臨界流体とした後、温度を維持しつつ二酸化炭素を除去して多孔質体を得る。この方法により、金属超微粒子を担持した極めて低密度な多孔質体が得られる。なお、超臨界媒体は乾燥に必要な温度が金属超微粒子が焼結しない程度に低ければよく、二酸化炭素に限るものではない。保護分子の脱離する温度は、示差熱分析や熱重量分析等により見積もることができる。多孔質材料中の金属超微粒子からの保護分子の脱離は、例えば、電気炉中で、その温度より10℃程度高い温度で1時間程度、加熱処理することにより達成される。なお、加熱装置、温度、加熱時間は、保護基の脱離に十分で有ればよく、上記のものに限られるものではない。
【0016】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
(1)金超微粒子の作製
30mmolの塩化金酸水溶液30mlと臭化テトラオクチルアンモニウムのトルエン溶液(50mmol、80ml)を混合し、撹拌することにより、塩化金酸イオンをトルエン相に抽出した。トルエン相を分離・抽出し、これにドデカンチオール0.201ml(0.842mmol)を加え、3〜4時間撹拌した。この溶液にホウ酸水素ナトリウム水溶液(0.4mol/l、25ml)を滴下し、3 〜4時間撹拌することにより、金イオンを還元した。トルエン相を分離・抽出した後、溶液を約10mlまで濃縮し、エタノール400mlと混合した。この混合液を−18℃で保存することにより、金超微粒子を析出させた。生成した金超微粒子は、トルエン−エタノール混合液から再結晶させることにより2回精製した。生成した粒子の金コアの直径は、平均2.6nmであった。生成した金超微粒子の透過電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0017】
(2)シリカウエットゲルの作製
テトラメチルシリケイト51gをメタノール107gと混合し、撹拌した。その後、撹拌しながら溶液中にアンモニア水36gを加えた。この時、テトラメチルシリケイトとメタノール、水の比はモル比で1:10:6であった。1分ほど撹拌した後、混合液を円柱形の型(直径40mm、深さ10mm)に流し込んだ。約1時間放置し、反応液がゼリー状に固まっていることを確認してから、乾燥するのを防ぐため、ポリ塩化ビニリデンフィルムで密封をした。その後1日放置し、ゲル化を進行させた。その後、型から取り出し、エタノールに浸して1日以上放置した。ゲル中に残存する水やアンモニアを完全に除去するため、その後、エタノールの取替えを2回行った。
【0018】
(3)金超微粒子のシリカウエットゲル周辺部への担持
シリカウエットゲルの溶媒をエタノールから、トルエン−エタノール1:1 、トルエンの順に置換した。置換を完全に行うために、ゲルを1:1溶液には2回、トルエン溶液には3回、浸漬し、それらを浸透させた。それぞれの溶液へのゲルの浸漬は1日以上行った。その後、金超微粒子のトルエン溶液(濃度:1mg/ml)にシリカウエットゲルを浸した。24時間程度放置すると、溶液中の金超微粒子が完全にシリカウエットゲルに吸着され、担持体が形成された。担持体の写真を図2に示す。写真中央には、ディスク状のゲル中央部をスライスし、その断面を示した。
【0019】
(4)金超微粒子のシリカウエットゲルへの均一分散
シリカウエットゲルの溶媒をエタノールから、エタノール−テトラヒドロフラン1:1、テトラヒドロフランの順に置換した。置換を完全に行うために、ゲルを1:1溶液には2回、テトラヒドロフラン溶液へは3回浸漬させた。それぞれの溶液へのゲルの浸漬は1日以上行った。その後、金超微粒子のテトラヒドロフラン溶液(濃度:0.06mg/ml)にシリカウエットゲルを浸漬した。72時間程度放置すると、溶媒の交換に伴いの金超微粒子が完全にシリカウエットゲルに吸収された。次に、金超微粒子を吸収したウエットゲルを24時間程度トルエンに浸漬することにより、金超微粒子をゲル骨格に固着させた。得られた金超微粒子・シリカウエットゲル複合体の写真を図3に示す。写真中央には、ディスク状のゲル中央部をスライスし、その断面を示した。
【0020】
実施例2
本実施例では、実施例1の方法により作製したウエットゲル担持体を炭酸ガスで超臨界乾燥することにより、エアロゲル担持体を作製した。
上記のようにして得られたウエットゲル担持体を、トルエンを満たしたオートクレーブ中に入れ、トルエンを満たした。ゲルの液相部を液化炭酸ガス(臨界温度31.1℃、臨界圧力72.9気圧)に置換するため、加圧ポンプで加圧しながら、液化炭酸ガスをオートクレーブ内に注入した。90気圧になったら気圧を保つようにバルブを調節し、20℃で2時間保持した。完全に置換するために置換操作は3回行った。3回目の置換が終わった後にバルブを閉め、中の気圧を保持した。オートクレーブの温度を上昇させ、圧力を100気圧に上昇させた。その後、バルブを調節し、圧力を保持した。試料の温度が40℃を超えたところで、気圧を1気圧/分の速度で減少するように、オートクレーブ中の炭酸ガスを抜き去った。上記手順により作製した金属超微粒子を担持したシリカエアロゲルを図4に示す。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、金属超微粒子を分散、担持させた多孔質体及びその作製方法に関するものであり、本発明により、1)予め作製した直径1〜3nm金属超微粒子の粒子サイズそのままに、金属超微粒子を担持した多孔質体を、担持量、及び分散性を制御して作製することができる、2)触媒等への応用において、金属超微粒子を担持した多孔質体中の金属超微粒子のサイズを小さくすることは、表面積の増加につながり、触媒効率を向上させることができる、3)数nmサイズの金属超微粒子では量子サイズ効果も期待され、非線形光学材料など量子サイズ効果を応用する用途へ応用することができる、4)水素吸蔵性金属及び合金の超微粒子を用いることにより、脱着の応答性の良い、水素貯蔵材料を作製することができる、等の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】金超微粒子の透過電子顕微鏡写真を示す。
【図2】テトラヒドロフラン中で金超微粒子を担持したシリカウエットゲルの写真を示す。
【図3】トルエン中で金超微粒子を担持したシリカウエットゲルの写真を示す。
【図4】金超微粒子を担持したシリカエアロゲルの写真を示す。

Claims (7)

  1. 金属超微粒子を分散性を制御した状態で担体多孔質体となるウエットゲルに担持させた金属超微粒子・ゲル複合体を製造する方法であって、1)保護分子で表面を保護した金属超微粒子を有機溶媒に溶解させた後、その溶液にウエットゲルを浸漬させ、保護分子と、ゲル表面との相互作用によって、金属超微粒子をゲル骨格に吸着させること、2)使用する有機溶媒の極性を調整することにより両者の相互作用の大きさを変化させること、3)その際に、無極性の溶媒を用いて金属超微粒子をゲルの周辺部に偏在して担持させ、あるいは極性を持つ溶媒を用いて金属超微粒子をゲル中に均一に担持させること、4)それにより、ゲル内部での金属超微粒子の分散性を制御した状態でウエットゲルに担持させた金属超微粒子・ゲル複合体を作製すること、を特徴とする金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
  2. 金属元素が、貴金属ないし遷移金属、及びそれらの合金から選択される1種又は複数種である、請求項1に記載の金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
  3. 金属超微粒子の粒径が、1〜20nmである、請求項1に記載の金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
  4. 溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、又はトルエン/エタノール混合溶媒である、請求項1に記載の金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
  5. ウエットゲルが、シリカウエットゲルである、請求項1に記載の金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の方法で作製された金属超微粒子・ゲル複合体を、乾燥することにより多孔質体とすることを特徴とする、金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
  7. 請求項6に記載の方法で作製された多孔質体を、加熱することにより表面の保護分子を除去することを特徴とする、金属超微粒子・ゲル複合体の作製方法。
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