JP4081905B2 - 含フッ素ジエン化合物の製造方法 - Google Patents
含フッ素ジエン化合物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な含フッ素共役系ジエン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子の両末端に二重結合を有するパーフルオロジエン化合物は重合反応性が低く、特殊な条件で重合して環化重合体または一部三次元化した重合体が得られることが知られている(L.A.Wall,Fluoro Polymer,Wiley−Interscience,4,High Pressure Polymerization,p.127)。また、反応性の異なる2種の二重結合を有するフッ素系化合物は環化重合し、非晶質のフッ素重合体が得られることが知られている(特開昭63−238115、特開昭63−238111)。
【0003】
含フッ素ブタジエンについては多く報告されており、例えば、パーフルオロブタジエンについては、アニオン重合でのみ分子量の比較的低い重合体が低収率で得られる。
また、ブタジエンの水素原子を数個フッ素原子に置換した化合物も多く知られており、その重合体も公知である(USP2915508など)。この含フッ素ブタジエンの重合体はエラストマーとして利用できるが、フッ素原子の含有量が低いため、耐熱性、耐油性、撥水性などが充分でなかった。
【0004】
しかし、炭素数の比較的多い置換基を有する共役系ブタジエン化合物は知られてなく、特にフッ素含有置換基を有するブタジエン化合物は知られていない。また、これらの重合体も知られていない。
また、フルオロアルキル基、特に炭素数が比較的多いフルオロアルキル基を側鎖に有する重合体としては、フルオロアルキル基含有アクリレート重合体、フルオロアルキル基含有シリコーン重合体などが知られているのみで、いわゆる炭素数が多い含フッ素置換基を含有するオレフィン系重合体は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はフルオロアルキル基を置換基として有する新規な含フッ素共役系ジエン化合物とその製造方法、ならびに含フッ素共役系ジエン化合物の重合体とその製造方法の提供を目的とする。本発明の重合体は、置換基としてフルオロアルキル基を有するため、重合体中のフッ素含有量が高くなり、耐熱性、耐油性、撥水性などに優れる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式2で表される含フッ素オレフィン(以下、含フッ素オレフィン(式2)という)または式3で表される含フッ素オレフィン(以下、含フッ素オレフィン(式3)という)を塩基性化合物存在下に脱HF反応させることを特徴とする、式1で表わされる含フッ素ジエン化合物の製造方法を提供する。
R f CF=CHCH=CH 2 ・・・式1
RfCF2CH2CH=CH2 ・・・式2
RfCF2CH=CHCH3 ・・・式3
【0007】
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の含フッ素ジエン化合物(式1)は共役系化合物であり、1位および3位に二重結合を有する。
式1〜式5におけるRfは炭素数1〜11のポリフルオロアルキル基である。ポリフルオロアルキル基の炭素数が12以上では、含フッ素ジエン化合物の有機溶剤への溶解性が低下するため合成が困難となり、また重合における含フッ素ジエン化合物の反応活性が低下しやすい。
【0010】
ポリフルオロアルキル基としては、対応するアルキル基における水素原子の数にして60〜100%、好ましくは80〜100%がフッ素原子に置換されたポリフルオロアルキル基が好ましい。さらに、残余の水素原子の一部または全部は、塩素原子などのフッ素原子以外のハロゲン原子に置換されていてもよい。
【0011】
ポリフルオロアルキル基の炭素数が3以上の場合、ポリフルオロアルキル基は分岐状であっても直鎖状であってもよい。より好ましいポリフルオロアルキル基は、直鎖状ポリフルオロアルキル基である。
重合体中のフッ素含有量が高くなり、重合体の耐熱性、耐油性、撥水性などが向上するため、ポリフルオロアルキル基としては炭素数3〜9のパーフルオロアルキル基が好ましい。また、直鎖状パーフルオロアルキル基が好ましい。
【0012】
本発明の含フッ素ジエン化合物(式1)は、たとえば、含フッ素オレフィン(式2)または含フッ素オレフィン(式3)を塩基性化合物存在下に脱HF反応させることにより製造できる。
【0013】
含フッ素オレフィン(式2)は、RfCF2Iに塩化アリルなどのハロゲン化アリルまたは酢酸アリルをラジカル的に付加した後、亜鉛などで処理することにより得られる。酢酸アリルの代わりに、アリルアルコールを付加し、次いでアセチル化した後、亜鉛で処理しても得られる。また、RfCF2CH=CH2にメタノールをラジカル的に付加し、次いでアセチル化した後、脱酢酸しても得られる。
含フッ素オレフィン(式3)は、RfCF2Iにプロピレンを付加し、塩基性化合物で脱HIさせることにより得られる。
【0014】
含フッ素オレフィン(式2)または含フッ素オレフィン(式3)と塩基性化合物との反応は、イソプロピルアルコール(以下、IPAという)などを溶媒とする均一系、または水、メタノールなどを溶媒とする不均一系で進行する。不均一系の反応では、アルキルアンモニウム塩などの相関移動触媒が用いられる。一般に、均一系の反応では高い転化率、選択性が得られる。特に溶媒としてIPAを用いることが好ましい。
【0015】
塩基性化合物としては、水酸化カリウム(以下、KOHという)、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、tert−ブトキシカリウム(以下、t−BuOKという)などのアルカリ金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機アミン化合物が用いられる。
【0016】
反応物の転化率、生成物の選択性の点から、含フッ素オレフィン(式2)との反応にはKOH、水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。含フッ素オレフィン(式3)との反応には、含フッ素オレフィン(式3)は若干反応性が低いため比較的塩基性の強力なt−BuOKが好ましく用いられる。
反応温度は、含フッ素オレフィン(式2)の場合、通常40〜100℃の範囲が好ましい。含フッ素オレフィン(式3)の場合、40〜150℃の範囲が好ましい。
【0017】
さらに、本発明の含フッ素ジエン化合物(式1)は、RfCF2Iにアリルアルコールを付加し、次いで付加物のヨウ素を還元した後、臭化水素などで水酸基をハロゲン化した後、塩基性化合物と反応させ、一段階反応で脱フッ化水素、脱臭化水素などの脱ハロゲン化することにより得られる。
【0018】
本発明の製造方法で得られる含フッ素ジエン化合物(式1)は高い重合性を有し、含フッ素ジエン化合物(式1)に基づく重合単位を有する重合体が得られる。
上記重合体としては、少なくとも繰り返し単位(式4)および/または繰り返し単位(式5)を有するものが挙げられる。繰り返し単位(式4)は、含フッ素ジエン化合物(式1)が、1,4−重合様式で重合した構造であり、繰り返し単位(式5)は1,2−重合様式で重合した構造である。
【化1】
【0019】
上記重合体の分子量は5×103〜1×107である。1×107より大きいと重合体の製造が困難となり、5×103より小さいと重合体は熱安定性が低く、分解しやすい。
また、本発明の製造方法で得られる重合体は、繰り返し単位(式4)と繰り返し単位(式5)以外に、他の単量体に基づく繰り返し単位を含んでもよい。
【0020】
他の単量体としては、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという)、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレンなどの含フッ素オレフィン、エチレン、プロピレンなどの炭化水素系オレフィン、メチル(メタ)アクリレート、フルオロアルキル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートや(メタ)アクリロニトリルなどのアクリル系化合物、スチレンとその誘導体、などが挙げられる。好ましい他の単量体は含フッ素オレフィンである。また、重合体中の他の単量体に基づく繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位に対して50モル%以下が好ましい。
【0021】
上記重合体は、イオン重合、ラジカル重合など各種の重合方法で得られる。ラジカル開始剤を用いて特に穏和な条件で重合できるラジカル重合法により重合体を得ることが好ましい。重合は、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの重合様式を採用できる。
【0022】
ラジカル開始剤として、水溶性開始剤または油溶性開始剤が重合様式に従って選択して使用される。本発明の重合体は、一般的なラジカル開始剤を用いて重合できる。たとえば、乳化重合においては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ジコハク酸パーオキシドなどの水溶性過酸化物が用いられる。また、懸濁重合、溶液重合、または塊状重合においては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(以下、IPPという)、ベンゾイルパーオキシドなどの非フッ素系過酸化物、パーフルオロブタン酸パーオキシドなどのフッ素系過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)などのアゾ化合物などが用いられる。
【0023】
溶液重合においては、溶剤として、CClF2CF2CHClF(以下、HCFC225cbという)、F(CF2)8F、H(CF2)6Fなどのフッ素系溶剤が好ましく用いられる。
重合温度は、ラジカル重合では50〜100℃が好ましい。
【0024】
上記重合体は、柔軟性を有し、ポリフルオロアルキル基を有することにより耐熱性、撥水性、耐油性に優れる。フッ素系溶剤に可溶であるため、耐候性、撥水性、非粘着性に優れた塗料やコーティング材として有用である。また高いフッ素含有量を有するため、誘電率が低く、低誘電率被膜として有用である。
【0025】
また、重合体中に二重結合を有しており、架橋反応、官能基導入などを容易に行えるため、ポリブタジエン、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエン共重合体などの汎用樹脂の改質用の共重合単量体としても有用であり、ポリフルオロアルキル基を重合体に容易に導入できる。
【0026】
【実施例】
[例1(参考例)]3−(パーフルオロオクチル)プロペンの合成
撹拌機、ジムロート、滴下ロート付き2Lの三つ口フラスコに、パーフルオロオクチルヨージド2kg、AIBN20gを入れ、70℃にて窒素下にて酢酸アリル440gを6時間かけて滴下した。滴下開始から5、10時間目にAIBN各20gを追加添加し、15時間反応させ酢酸アリル付加物を得た。
【0027】
亜鉛粉末300gとメタノール500mLを入れた別のフラスコに酢酸アリル付加物をメタノール還流温度を維持しながら滴下し、滴下終了後1時間反応を継続した。反応後、相分離した下層の反応生成物を減圧蒸留して、3−(パーフルオロオクチル)プロペン[C8F17CH2CH=CH2、沸点68.5℃/20torr]1340gを得た。収率は79.5%であった。
【0028】
[例2]1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンの合成
撹拌機、ジムロート、滴下ロート付きの2Lの三つ口フラスコに、KOH165gとIPA500mlを入れ、撹拌下に3−(パーフルオロオクチル)プロペン920gを滴下した。反応により発熱するため、約1時間かけてゆっくり滴下し、その後70℃にて2時間反応を継続した。
【0029】
その後、反応生成物からIPAを水で抽出除去し、減圧蒸留して、1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエン[C7F15CF=CHCH=CH2、沸点65.5℃/20torr]677.8gを得た。収率は77.0%であった。
19F−NMRによれば、1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンはシス体、トランス体の混合物であり、シス体/トランス体比は約1/9であった。
【0030】
19F−NMR(溶媒:CD3COCD3)δ(ppm):−81(3F、CF3−)、−115.5(0.1F、−CF=CH−(cis))、−118(2F、CF3−CF2−)、−122〜124(8F、−CF2−)、−126.5(2F、−CF2−CF=)、−130.5(0.9F、−CF=CH−(trans))、
1H−NMR(溶媒:CD3COCD3)δ(ppm):5.48〜5.76(2H、CH2=)、6.43〜6.81(2H、=CH−CH=)。
【0031】
[例3(参考例)]1−(パーフルオロオクチル)プロペンの合成
2Lのステンレスオートクレーブにパーフルオロオクチルヨージド1kg、AIBN30gを入れ窒素置換後、プロピレンを0.5kg圧入し、80℃に昇温した。70℃になった時点で5kg/cm2Gまでプロピレンを加えた。反応の進行に伴い、圧力を一定に維持するためにプロピレンを後添加した。反応は圧力低下がほぼなくなるまで継続した。その後、冷却し、未反応のプロピレンをパージし、プロピレン付加物を得た。
【0032】
撹拌機、ジムロート、滴下ロート付きの2Lの三つ口フラスコに、KOH200gとメタノール500mLを入れ、得られたプロピレン付加物を撹拌下滴下した。相分離した下層の反応生成物を蒸留し、1−(パーフルオロオクチル)プロペン[C8F17CH=CHCH3、沸点91.7℃/50torr]756gを得た。収率は89.7%であった。
【0033】
[例4]1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンの合成
撹拌機、ジムロート、滴下ロート付きの500mLの三つ口フラスコに、t−BuOK40gとtert−ブチルアルコール(以下、t−BuOHという)500mL、1−(パーフルオロオクチル)プロペン92gを加え、150℃にて2時間撹拌し、その後、反応生成物からt−BuOHを水で抽出、除去し、減圧蒸留することによって、1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエン[C7F15CF=CHCH=CH2]53gを得た。収率は60.2%であった。
【0034】
[例5(参考例)]3−(パーフルオロヘキシル)プロペンの合成
撹拌機、ジムロート、滴下ロート付きの2Lの三つ口フラスコに、パーフルオロヘキシルヨージド1870g、AIBN20gを入れ、70℃にて窒素下にて酢酸アリル545gを6時間かけて滴下した。滴下開始から5、10時間目にAIBN各20gを追加添加し、15時間反応させ酢酸アリル付加物を得た。
【0035】
亜鉛粉末352gとメタノール800mLを入れた別のフラスコに得られた酢酸アリル付加物をメタノール還流温度で滴下し、滴下終了後1時間反応を継続した。反応後、相分離した下層の反応生成物を減圧蒸留して、3−(パーフルオロヘキシル)プロペン[C6F13CH2CH=CH2、沸点74℃/125torr]1058.3gを得た。収率は70.1%であった。
【0036】
[例6]1−フルオロ−1−(パーフルオロペンチル)ブタ−1,3−ジエンの合成
撹拌機、ジムロート、滴下ロート付きの500mL三つ口フラスコに、KOH84gとIPA80mLを入れ、撹拌下で3−(パーフルオロヘキシル)プロペン360gを滴下した。反応により発熱するため、約1時間かけてゆっくり滴下し、その後70℃で2時間反応を継続した。
【0037】
その後、反応生成物からIPAを水で抽出除去し、減圧蒸留し、1−フルオロ−1−(パーフルオロペンチル)ブタ−1,3−ジエン[C5F11CF=CHCH=CH2、沸点59.3℃/70torr]294.8gを得た。収率は86.7%であった。
19F−NMRによれば、1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンはシス体、トランス体の混合物であり、シス体/トランス体比は約1/9であった。
【0038】
19F−NMR(溶媒:CD3COCD3)δ(ppm):−81(3F、CF3−)、−114.5(0.1F、−CF=CH−(cis))、−117(2F、CF3−CF2−)、−123(4F、−CF2−)、−126(2F、−CF2−CF=)、−130.5(0.9F、−CF=CH−(trans))、
1H−NMR(溶媒:CD3COCD3)δ(ppm):5.4〜5.9(2H、CH2=)、6.2〜7.0(2H、=CH−CH=)。
【0039】
[例7(参考例)]3−(パーフルオロブチル)プロペンの合成
撹拌機、ジムロート、滴下ロート付きの2Lの三つ口フラスコに、パーフルオロブチルヨージド1962g、AIBN20gを入れ、70℃にて窒素下にて酢酸アリル681gを6時間かけて滴下した。滴下開始から5、10時間目にAIBN各20gを追加添加し、15時間反応させ酢酸アリル付加物を得た。
【0040】
亜鉛粉末415gとメタノール800mLを入れた別のフラスコに、得られた酢酸アリル付加物をメタノール還流温度で滴下し、その後1時間反応を継続した。反応後、相分離した下層の反応生成物を減圧蒸留して、3−(パーフルオロブチル)プロペン[C4F9CH2CH=CH2、沸点81.8℃]998gを得た。収率は97.6%であった。
【0041】
[例8]1−フルオロ−1−(パーフルオロプロピル)ブタ−1,3−ジエンの合成
撹拌機、ジムロート、滴下ロート付きの500mLの三つ口フラスコに、KOH126gとIPA80mLを入れ、撹拌下に3−(パーフルオロブチル)プロペン390gを滴下した。反応により発熱するため、約1時間かけてゆっくり滴下した後、70℃にて2時間反応を継続した。
【0042】
その後、反応生成物からIPAを水で抽出除去し、減圧蒸留することによって、1−フルオロ−1−(パーフルオロプロピル)ブタ−1,3−ジエン[C3F7CF=CHCH=CH2、沸点81.2℃]238.5gを得た。収率は66.2%であった。
19F−NMRによれば、1−フルオロ−1−(パーフルオロプロピル)ブタ−1,3−ジエンはシス体、トランス体の混合物であり、シス体/トランス体比は約1/9であった。
【0043】
19F−NMR(溶媒:CD3COCD3)δ(ppm):−81(3F、CF3−)、−115.5(0.1F、−CF=CH−(cis))、−118(2F、CF3−CF2−)、−127.5(2F、−CF2−CF=)、−130.5(0.9F、−CF=CH−(trans))、
1H−NMR(溶媒:CD3COCD3)δ(ppm):5.4〜5.9(2H、CH2=)、6.2〜7.0(2H、=CH−CH=)。
【0044】
[例9]1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンの重合
50mLフラスコ中に1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエン20gとIPP0.3gを加え、窒素気流下50℃にて24時間重合を行った。重合後、未反応単量体を減圧留去し、HCFC225cbに溶解し、IPAを加え沈殿させて精製した後、60℃で12時間減圧乾燥して重合体9.6gを得た。重合収率は48%であった。
【0045】
重合体はガム状でフッ素系溶剤に可溶であり、アセトンなどのケトン系溶剤に膨潤した。フッ素系溶剤に可溶であり、ゲル分がないことから、重合中に三次元架橋が起きていないことがわかった。得られた重合体はガラス転移温度8℃の非晶質重合体であり、空気中での10重量%熱減量温度は294℃であった。
【0046】
HCFC225cbを溶媒としたGPCによるポリメチルメタクリレート換算分子量(以下、Mnという)は約19500であった。また、19F−NMRにて、=CF−に由来するピークが消失していたこと、>CF−に由来する−174ppmのピークが観察されること、13C−NMRにて、>CH−に由来するピークが観察されないことから、1,4−重合様式のみからなる重合体であることがわかった。得られた重合体をガラス板上にキャストし、水に対する接触角を測定したところ、104度であり高い撥水性を示した。
【0047】
19F−NMR(溶媒:CCl2FCClF2/CD3COCD3=1/1(重量比)混合溶媒)δ(ppm):−81(3F、CF3−)、−118(2F、CF3−CF2−)、−122〜−127(10F、−CF2−、および>CF−CF2−)、−174(1F、>CF−)。
【0048】
[例10]1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンの重合
50mLフラスコ中に1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエン20gとAIBN0.3gを加え、窒素気流下80℃にて24時間重合を行った。重合後、未反応単量体を減圧留去し、HCFC225cbに溶解し、IPAを加え沈殿させて精製した後、60℃で12時間減圧乾燥して重合体15.8gを得た。重合収率は79%であった。HCFC225cbを溶媒としたGPCによるMnは約77900であった。
【0049】
[例11]1−フルオロ−1−(パーフルオロペンチル)ブタ−1,3−ジエンの重合
50mLフラスコ中に1−フルオロ−1−(パーフルオロペンチル)ブタ−1,3−ジエン20gとIPP0.3gを加え、窒素気流下50℃にて24時間重合を行った。重合後、未反応単量体を減圧留去し、HCFC225cbに溶解し、IPAを加え沈殿させて精製した後、60℃で12時間減圧乾燥して、重合体13.3gを得た。重合収率は66.6%であった。重合体は水飴状で、フッ素系溶剤に可溶であり、アセトンなどのケトン系溶剤に膨潤した。
【0050】
フッ素系溶剤に溶剤に可溶であり、ゲル分がないことから、重合中に三次元架橋が起きていないことがわかった。得られた重合体はガラス転移温度8℃の非晶質重合体であり、空気中での10重量%熱減量温度は304℃であり、Mnは約9800であった。
【0051】
また、19F−NMRにて、=CF−に由来するピークが消失していたこと、>CF−に由来する−174ppmのピークが観察されること、13C−NMRにて、>CH−に由来するピークが観察されないことから、1,4−重合様式のみからなる重合体であることがわかった。得られた重合体をガラス板上にキャストし、水に対する接触角を測定したところ、102度であり高い撥水性を示した。
【0052】
19F−NMR(溶媒:CCl2FCClF2/CD3COCD3=1/1(重量比)混合溶媒)δ(ppm):−81(3F、CF3−)、−117(2F、CF3−CF2−)、−123〜126(6F、−CF2−、および>CF−CF2−)、−174(1F、>CF−)。
【0053】
[例12]1−フルオロ−1−(パーフルオロプロピル)ブタ−1,3−ジエンの重合
50mLフラスコ中に1−フルオロ−1−(パーフルオロプロピル)ブタ−1,3−ジエン20gとIPP0.3gを加え、窒素気流下50℃にて24時間重合を行った。重合後、未反応単量体を減圧留去し、HCFC225cbに溶解し、IPAを加え沈殿させて精製した後、60℃で12時間減圧乾燥して重合体8.8gを得た。重合収率は44%であった。重合体は水飴状で、フッ素系溶剤に可溶であり、アセトンなどのケトン系溶剤に膨潤した。
【0054】
フッ素系溶剤に可溶で、ゲル分がないことから、重合中に三次元架橋が起きてていないことがわかった。得られた重合体はガラス転移温度8℃の非晶質重合体であり、空気中での10重量%熱減量温度は296℃であり、Mnは約7700であった。
【0055】
また、19F−NMRにて、=CF−に由来するピークが消失していたこと、>CF−に由来する−174ppmのピークが観察されること、13C−NMRにて、>CH−に由来するピークが観察されないことから、1,4−重合様式のみからなる重合体であることがわかった。得られた重合体をガラス板上にキャストし、水に対する接触角を測定したところ、97度であり高い撥水性を示した。
【0056】
19F−NMR(溶媒:CCl2FCClF2/CD3COCD3=1/1(重量比)混合溶媒)δ(ppm):−81(3F、CF3−)、−118(2F、CF3−CF2−)、−128(2F、−CF2−、および−CF2−CF<)、−174(1F、>CF−)。
【0057】
[例13]1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンとTFEとの共重合
200mLのステンレス製オートクレーブに1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエン20gとH(CF2)6F20g、および開始剤(パーロイルIB、日本油脂製)0.4gを仕込み、TFEで反応器内を置換した後、80℃のTFEによる圧力が8kg/cm2GとなるようにTFEを圧入し、撹拌下に24時間重合を行った。その後、TFEをパージし、IPAを加え沈殿させて精製した後、60℃で12時間減圧乾燥して、重合体7.6gを得た。
【0058】
この重合体は、全フッ素分析により求めた組成が、1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンに基づく繰り返し単位/TFEに基づく繰り返し単位=96/4(モル比)であり、Mnは約17100であった。
【0059】
[例14]1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンとメチルアクリレートとの共重合
50mLフラスコ中に1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエン15g、メチルアクリレート3.1gおよびIPP0.3gを加え、窒素気流下50℃にて24時間重合を行った。重合後、未反応単量体を減圧留去し、HCFC225cbに溶解し、IPA/メタノールが1/1(重量比)の混合溶媒を加え沈殿させて精製した後、60℃で12時間減圧乾燥して重合体12.8gを得た。重合収率は70.7%であった。
【0060】
重合体は水飴状で、フッ素系溶剤に可溶であり、アセトンなどのケトン系溶剤に膨潤した。また、含フッ素ジエン化合物の単独重合体に対して溶解性を有さないIPAに対して膨潤し、共重合が進行したことがわかった。
【0061】
この重合体は、全フッ素分析により求めた組成が、1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンに基づく繰り返し単位/メチルアクリレートに基づく繰り返し単位=58/42(モル比)であり、Mnは約11100であった。
【0062】
[例15]1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンとスチレンとの共重合
50mLフラスコ中に1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエン37g、スチレン8.8g、HCFC225cbの25g、およびIPP0.3gを加え、窒素気流下50℃にて5時間重合を行った。重合後、未反応単量体を減圧留去し、HCFC225cbに溶解し、IPA/メタノールが1/1(重量比)の混合溶媒を加え沈殿させて精製した後、60℃で12時間減圧乾燥して重合体11.5gを得た。重合収率は25.1%であった。重合体は固体状であった。
【0063】
この重合体は、全フッ素分析により求めた組成が、1−フルオロ−1−(パーフルオロヘプチル)ブタ−1,3−ジエンに基づく繰り返し単位/スチレンに基づく繰り返し単位=60/40(モル比)であり、Mnは約11100であった。
【0064】
【発明の効果】
置換基としてポリフルオロアルキル基を有する含フッ素ジエン化合物の重合体は、フッ素含有量が高く、耐熱性、耐油性、撥水性などが優れる。
Claims (1)
- 式2で表される含フッ素オレフィンまたは式3で表される含フッ素オレフィンを塩基性化合物存在下に脱HF反応させることを特徴とする、式1で表わされる含フッ素ジエン化合物の製造方法(ただし、式1〜3において、R f は炭素数1〜11のポリフルオロアルキル基を表す。)。
RfCF=CHCH=CH2 ・・・式1
RfCF2CH2CH=CH2 ・・・式2
RfCF2CH=CHCH3 ・・・式3
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