JP4068785B2 - 電気化学素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマーリチウム2次電池等の電気化学素子に関し、特に、導出端子のシール部における密封性が向上した電気化学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミラミネート材料は医薬品、食品分野等広く用いられてきている。その中で最近軽量化、薄層化を図る目的で、電池の外装袋への検討が図られている。特にリチウムイオン2次電池の外装袋として使用される場合、従来の金属ケースを用いるものに比べ高エネルギー密度化が実現される。このような例としてアルミラミネート材料がある。これは最外層が例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)層で最内層は熱溶着性の材料(例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレン系のアイオノマー、ポリプロピレンのようなポリオレフィン樹脂)からなり、電極および電解液を内部(最内層側)に封入する。アルミニウム箔は、電池外部からの水分の侵入あるいは電池内部からの電解液の蒸発を防止する役割を果たしている。最外層のPET層はこのアルミニウム箔を保護する目的、すなわちアルミニウム箔を突き刺し等の外力から守る役割を果たしている。このような層構成を使用することにより従来の金属ケースに比べ軽量化を図ることができ、また電池の厚みも減少するため今までにない薄型の電池を提供することが可能となった。
【0003】
しかしながら、上記のようなアルミラミネート材料を用いた電池においては、電池内部から外部へ導出している導出端子とアルミラミネート材料の最内面の高分子フィルム(熱接着性樹脂層)とのシール性(密着性)が不足し電池の漏液の原因になっていた。この欠点を改良するために特開平10−289698号公報に記載の方法では、導出端子と外装体内面との間にカルボン酸変性ポリオレフィン樹脂層を介在させている。このカルボン酸変性ポリオレフィン樹脂は導出端子である金属表面の水酸化物層または酸化物層と水素結合で結合している。
【0004】
しかし、このカルボン酸変性ポリオレフィン樹脂層を介在させてもまだシール性が十分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、端子と外装体とのシール性を改良することができ、耐漏液性の改善した電気化学素子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記したような背景を踏まえて、本発明者らは、端子と外装体とのシール性を確保するために、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂にかわる材料およびこれとともに用いる材料を検討した結果、金属と共有結合する官能基を持つ高分子がシール性の改善に有効であることを見い出した。
【0007】
すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1) 外装体と、端子を備えた電気化学素体とを有し、この電気化学素体が外装体に封入された電気化学素子において、少なくとも、前記外装体と前記端子とが接してシール部となる前記外装体と前記端子との対向部位に、ポリカルボジイミドを介在させた電気化学素子。
(2) 酸化アルミニウム水和物の皮膜を設けたアルミニウムで形成された端子を備えた上記(1)の電気化学素子。
(3) 酸化アルミニウム水和物がベーマイトである上記(2)の電気化学素子。
(4) 前記外装体材料が、前記電気化学素体側に熱接着性樹脂層を有する上記(1)〜(3)のいずれかの電気化学素子。
(5) 熱接着性樹脂層が、ポリオレフィン樹脂層である上記(4)の電気化学素子。
(6) 前記端子の前記外装体との対向部位にポリカルボジイミド層を形成した後の前記電気化学素体を、前記外装体に封入して得られる上記(1)〜(5)のいずれかの電気化学素子。
(7) 前記ポリカルボジイミド層の形成が熱圧着により行われる上記(6)の電気化学素子。
(8) さらに、前記端子金属に対しポリカルボジイミド層より遠い側に酸変性ポリオレフィン樹脂層を設ける上記(6)または(7)の電気化学素子。
(9) 電池である上記(1)〜(8)のいずれかの電気化学素子。
(10) リチウムイオン2次電池である上記(9)の電気化学素子。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電気化学素子は、端子を備えた電気化学素体が外装体に封入されたものであり、外装体と端子とが接してシール部が形成されるが、そのシール部となる外装体と端子との対向部位に金属と共有結合および/または配位結合する官能基を持つ高分子を介在させている。通常、このような高分子層は端子の被覆層として形成される。このため、端子と外装体とでシール部を形成する場合のシール性(密着性)が改善され、耐漏液性が向上する。これは、従来の酸変性ポリオレフィン樹脂が、端子金属(合金も含む。)表面に形成される水酸化物層または酸化物層中の化合物と酸変性ポリオレフィン樹脂中のカルボン酸とが水素結合した結果、シール性が増すと考えられるのに対し、上記の高分子では金属と共有結合ないし配位結合するため、より強固な結合の形成が可能になると考えられる。
【0009】
金属と共有結合ないし配位結合する官能基を持つ高分子としては、シラン化合物から誘導された構造単位を有するポリオレフィン樹脂が、まず、好ましいものとして挙げられる。このようなシラン化合物としては、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン等のアルコキシビニルシランなどが好ましく、これらのシラン化合物がオレフィン主鎖にグラフト化された共重合体であることが好ましい。このときのグラフト化率は、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン分子1個につきシラン化合物から誘導された構造単位が1〜100個であることが好ましい。このようなグラフト共重合体では、グラフト化されているシラン化合物と金属表面の水酸化物層または酸化物層とが共有結合しエーテル結合などを介して金属と強固に接着されると考えられる。
【0010】
また、このような高分子の分子量は、重量平均分子量Mwで2万〜50万程度の範囲にあると考えられる。
【0011】
このような高分子としては、三菱化学(株)製のリンクロン(NF−800T、CH−750T、XF−800T、HM−600A、HF−700N、HE−707N、VE−800N、XPM−800HM、XPF−860G)、日本ユニカー(株)製のシルグラフト(SILGRAFT-210、SILGRAFT-150、SILGRAFT-310、SILGRAFT-250)の商品名で市販されているものなどがある。
【0012】
なお、このような高分子を端子に被覆する態様では、シラン化合物グラフトポリオレフィン樹脂のポリオレフィン樹脂部分は、外装体の電池素体側の最内層樹脂にポリオレフィン樹脂を用いる場合、外装体用のポリオレフィン樹脂と同一であることが好ましい。
【0013】
さらに、金属と共有結合ないし配位結合する官能基を持つ高分子の好ましいものとしては、ポリカルボジイミドが挙げられる。ポリカルボジイミドとしては下記式(1)で示されるものが好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】
ここで、Rはアルキレン基を表し、nは2以上の正の整数である。
【0016】
Rで表されるアルキレン基は置換基を有していてもよく、直鎖であることが好ましいが、分岐を有していてもよい。
【0017】
式(1)で示されるポリカルボジイミドの分子量は、前記のシラン化合物グラフトポリオレフィン樹脂と同程度であると考えられる。
【0018】
式(1)で表されるポリカルボジイミドは、分子中の窒素原子で、端子を構成する金属と配位結合し、これにより外装体との密着性が向上すると考えられる。
【0019】
このようなポリカルボジイミドとしては、日清紡(株)製のカルボジライトMEフィルムの商品名で市販されているものなどを用いることができる。
【0020】
上述のような高分子は、通常、1種のみ用いられるが、場合によっては、2種以上を併用してもよい。
【0021】
上述のような高分子層の厚み(通常、1層とされるが、2層以上のときは合計厚み)は30〜100μm 、さらには50〜100μm であることが好ましい。薄くなると、本発明の実効が得られず、厚くなると熱シールの際の熱伝導性などに問題が生じやすく、シール性が低下する。
【0022】
上述のような高分子層は、熱接着性樹脂層と併用することもできる。特に、ポリカルボジイミドを用いる場合に好ましく、端子金属側にポリカルボジイミド層を設け、その外層として熱接着性樹脂層(酸変性ポリオレフィン樹脂であってもよく、例えばカルボン酸等の酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸をグラフト重合して得られる酸変性ポリプロピレン等である。)を設けることが好ましい。これにより、密着性が向上する。このような端子における熱接着性樹脂層の厚みは20〜60μm であることが好ましい。熱接着性樹脂層は通常1層構成とされるが、場合によっては多層構成としてもよく、多層構成のときは合計で上記範囲の厚みとすればよい。
【0023】
上述のような高分子層は金属(合金も含む。)製端子に被覆されるが、被覆層は、高分子フィルムを用い、熱圧着により形成することが好ましい。熱圧着の条件は、ポリオレフィン樹脂が低密度ポリエチレンの場合、150〜200℃で3秒〜1分、高密度ポリエチレンの場合、170〜220℃で3秒〜1分、ポリプロピレンの場合、190〜240℃で3秒〜1分である。また、ポリカルボジイミドの場合は170〜200℃で3秒〜1分である。詳細は公知の方法による。
【0024】
また、上記のように、ポリカルボジイミド層と熱接着性樹脂層との両方を被覆した端子では、両層を熱圧着した後、150〜200℃の温度で20〜60分間熱処理することが好ましい。
【0025】
上述のような高分子層は、好ましくは、端子の被覆層とされるが、この態様に限らず、端子がアルミニウム製であるとき、アルミニウムは酸化アルミニウム水和物の皮膜を設けたアルミニウムを用いることが好ましい。これにより、高分子との密着性がさらに向上する。
【0026】
このような酸化アルミニウム水和物の皮膜を設けたアルミニウムを得るには、熱水中でアルミニウムを煮沸するか、熱水蒸気中にさらすなどして、表面に酸化アルミニウム水和物の皮膜を形成すればよい。このとき、アンモニアやアミン類を存在させることにより、皮膜の形成反応を促進させることができる。
【0027】
このときの煮沸時間、あるいは蒸気にさらす時間は30分〜24時間程度とする。また、アンモニアやアミン類は、熱水中で煮沸するときは、これらの化合物の0.1〜5質量%溶液として用いることができる。
【0028】
酸化アルミニウム水和物としては、Al2O3・H2O、Al2O3・2H2O、Al2O3・3H2O等であり、好ましくはAl2O3・H2O(ベーマイト)等である。また、水和数の異なるものの混合物であってもよい。
【0029】
このような酸化アルミニウム水和物の生成は、X線回析(XRD)分析やX線光電子分光法(ESCA)などによって確認することができる。
【0030】
酸化アルミニウム水和物の皮膜の厚みは、反応条件等によって制御することができ、上記の効果を得る上では0.4〜2μm であることが好ましい。また、酸化アルミニウム水和物の皮膜は、LiBF4、LiPF6等のように、分解してふっ酸を生じる電解質、すなわち水との反応によってふっ酸を生じさせうる電解質との組合せにおいて、ふっ酸による腐食が原因となって生じる漏液の防止を図ることができるために好ましい。
【0031】
酸化アルミニウム水和物の皮膜は、その製造上、端子全表面に設けることが多いが、本発明の効果を得るためには、シール部に対応する部位のみとしてよい。
【0032】
次に、本発明の電気化学素子について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の電気化学素子の概略の構造を示すものである。
【0033】
図1(c)に示す電気化学素子1は、図1(a)に示す電気化学素体10を、図1(b)に示す第1シール部21で袋状に形成された外装体20の中に電気化学素体10の端子13、14が外部に突き出した状態で収納し、外装体20の開口した端面を端子13、14を挟んで熱融着で封口して第2シール部22を形成して構成されている。電気化学素子1は、電気化学素体10を外装体20内に密封すると共に、第2シール部22から端子13、14が外部に突き出した構造を有する。
【0034】
電気化学素体10は、アルミニウム箔や銅箔等の集電体に活物質、バインダ等が塗布されている正負極11、12と図示しない高分子固体電解質とを含む。正負極11、12には、図1(a)に示すようにそれぞれ端子13、14が接続されている。端子13、14には、概念上それぞれ第2シール部22で覆われる領域のシール部13a、14aが存在する。このシール部13a、14aに前述の高分子層を形成する。こうするのが一般的であるが、これに限定されるものではなく、端子13、14に高分子層を形成する場合は、少なくともシール部13a、14aを含む部位とすればよい。また、高分子層は、このシール部13a、14aに対応する外装体20側の部位に予め設けることもできるし、シールの際、端子13、14と外装体20との上記の対応部位に前述の高分子シートを挟み込むようにしてもよく、特に制限はない。また、アルミニウム製端子を用いる場合、酸化アルミニウム水和物の皮膜を設けたアルミニウムにより端子を作製することが好ましいが、酸化アルミニウム水和物の皮膜は、少なくともシール部13a、14aに形成されていればよい。
【0035】
外装体20は、図1(b)に示すように、一枚のラミネートフィルムのような外装体材料を折り返して両辺の端面を熱接着して第1シール部21を形成して袋状としてもよい。また、場合によっては、予め2枚の外装体材料をそれらの3辺の端面相互を熱接着してシール部を形成し、1辺が開口した袋状としてもよい。
【0036】
なお、端子13、14を備えた電気化学素体10は、電解液への浸漬など、所定の処理を施したのち、外装体20内に収納され、端子13、14の先端部を外部に導出した状態で外装体20の第2シール部(開口部)22を好ましくは加熱、加圧することで封止される(熱融着される)。
【0037】
このような電気化学素子の外装体材料は、従来のアルミラミネートフィルムなどであってもよく、特に制限なく用いることができる。この場合のアルミラミネートフィルムは、電気化学素体側の最内層が熱接着性樹脂層であることが好ましく、その外側にアルミニウム層、このアルミニウム層より遠い側に耐熱性樹脂層を設けることが好ましい。また、耐熱性樹脂層は、ラミネートフィルムのアルミニウム層と金属製端子との接触を防止する上で、さらに、アルミニウム層と熱接着性樹脂層との間に設けてもよい。
【0038】
ラミネートフィルムの最内層とされる熱接着性樹脂層は、1層構成が一般的であるが、場合によっては内側の層として多層構成としてもよく、その厚みは、1層のときも含めて合計厚みで30〜130μm であることが好ましい。このような厚みとすることで熱シールした場合のシール性が良好になる。これに対し、薄くなると、端子の厚みが一般的に50〜100μm であることを考えると、この端子の周囲を熱接着性樹脂で十分にはシールできなくなり、厚くなると、熱シールする時の熱板などからの熱が十分端子部に伝わらなくなって十分シールできなくなり、また厚いと電池の総厚みも厚くなり、薄型化には逆行する。
【0039】
また、アルミニウム層は、通常1層のみとしてよいが、場合によっては2層以上としてもよく、また、アルミニウム以外の金属系の層と組み合わせて用いることができる。アルミニウム層を1層のみ用いる態様から他の金属系の層と組み合わせて用いる態様まで含めて、このような金属系の層の合計厚みは20〜50μm であることが好ましい。
【0040】
また、金属系の層の外側に設けられる耐熱性樹脂層の厚みは、2層以上の時は合計厚みで、10〜50μm であることが好ましく、ラミネートフィルム全体の厚みは50〜130μm であることが好ましい。また、金属系の層と熱接着性樹脂層との間に設けられる耐熱性樹脂層は、通常1層のみであるが、2層以上としてもよく、その厚みは1層のときも含めて合計厚みで5〜20μm 程度とすることが好ましい。
【0041】
上記において用いられる熱接着性樹脂は、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレン系のアイオノマー、等)などのポリオレフィン樹脂、等である。
【0042】
一方、耐熱性樹脂は、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂やポリアミド樹脂などである。
【0043】
アルミニウム層は、アルミニウム箔を用いて形成してもよく、アルミニウムの蒸着膜を利用したものであってもよい。この他に用いてもよい金属系の層としては、種々の金属箔あるいは金属蒸着膜などから構成されたものが挙げられる。
【0044】
端子としては、アルミニウム(好ましくは、酸化アルミニウム水和物の皮膜を設けたアルミニウム)、ニッケル、銅、ステンレス鋼などの金属ないし合金、種々の金属箔にチタン、タンタル、クロム、亜鉛、ニッケル、錫などの表面処理を施したものなどが用いられ、矩形または円形の断面を有するリード状に構成されるが、これらのなかでもアルミニウム、ニッケルで構成されたものが好ましい。
【0045】
端子の大きさとしては、特に規制されるものではないが、通常、幅:3〜5mm、厚み:50〜100μm 程度である。その長さも特に規制されるものではなく、電気化学素子の種類や用途などにより必要な長さとすればよいが、通常、5〜30mm程度である。
【0046】
本発明の電気化学素子は、次のようなリチウム2次電池として用いることが好ましい。
【0047】
<リチウム2次電池>
本発明のリチウム2次電池の構造は特に限定されないが、通常、正極、負極および高分子固体電解質から構成され、シート型電池や円筒型電池等に好適に適用される。
【0048】
また、高分子固体電解質と組み合わせる電極は、リチウム2次電池の電極として公知のものの中から適宜選択して使用すればよく、好ましくは電極活物質とゲル電解質、必要により導電助剤との組成物を用いる。
【0049】
負極には、炭素材料、リチウム金属、リチウム合金あるいは酸化物材料のような負極活物質を用い、正極には、リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物等のような正極活物質を用いることが好ましい。このような電極を用いることにより、良好な特性のリチウム2次電池を得ることができる。
【0050】
負電極活物質として用いる炭素材料は、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然あるいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラック、炭素繊維などから適宜選択すればよい。
【0051】
正極活物質として用いるリチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物としては、リチウムを含む複合酸化物が好ましく、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiV2O4などが挙げられる。
【0052】
電極には、必要により導電助剤が添加される。導電助剤としては、好ましくは黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ニッケル、アルミニウム、銅、銀等の金属が挙げられ、特に黒鉛、カーボンブラックが好ましい。
【0053】
電極組成は、正極では、質量比で、活物質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:3〜10:10〜70の範囲が好ましく、負極では、質量比で、活物質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:0〜10:10〜70の範囲が好ましい。ゲル電解質は、特に限定されず、通常用いられているものを用いればよい。また、ゲル電解質を含まない電極も好適に用いられる。この場合、バインダとしてはフッ素樹脂、フッ素ゴム等を用いることができ、バインダの量は3〜30質量%程度とする。
【0054】
電極の製造は、まず、活物質と必要に応じて導電助剤を、ゲル電解質溶液またはバインダ溶液に分散し、塗布液を調製する。
【0055】
そして、この電極塗布液を集電体に塗布する。塗布する手段は特に限定されず、集電体の材質や形状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が使用されている。その後、必要に応じて、平板プレス、カレンダーロール等により圧延処理を行う。
【0056】
集電体は、電池の使用する素子の形状やケース内への集電体の配置方法などに応じて、適宜通常の集電体から選択すればよい。一般に、正極にはアルミニウム等が、負極には銅、ニッケル等が使用される。なお、集電体は金属箔、金属メッシュなどが、通常、使用される。
【0057】
そして、溶媒を蒸発させ、電極を作製する。塗布厚は、50〜200μm 程度とすることが好ましい。
【0058】
高分子膜は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド))系、PAN(ポリアクリロニトリル)系、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)系等の高分子微多孔膜を用いることができる。また、SiO2等の微粒子を高分子材料に添加することによって多孔膜化したものを用いてもよい。
【0059】
このような正極、高分子膜、負極をこの順に積層し、圧着して電池素体とする。
【0060】
高分子膜に含浸させる電解液は一般に電解質塩と溶媒よりなる。電解質塩としては、例えば、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、LiSO3 CF3 、LiClO4 、LiN(SO2 CF3 )2 等のリチウム塩が適用できる。
【0061】
電解液の溶媒としては、前述の高分子膜、電解質塩との相溶性が良好なものであれば特に制限はされないが、リチウム電池等では高い動作電圧でも分解の起こらない極性有機溶媒、例えば、エチレンカーボネート(略称EC)、プロピレンカーボネート(略称PC)、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート(略称DMC)、ジエチルカーボネート(略称DEC)、エチルメチルカーボネート(略称MEC)等のカーボネート類、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等の環式エーテル、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン等の環式エーテル、γ−ブチロラクトン等のラクトン、スルホラン等が好適に用いられる。3−メチルスルホラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、エチルジグライム等を用いてもよい。
【0062】
このような電解液に微多孔性の高分子膜を浸漬すると、高分子膜が電解液を吸収してゲル化し、高分子固体電解質となる。
【0063】
高分子固体電解質の組成を高分子/電解液で示した場合、膜の強度、イオン伝導度の点から、電解液の比率は40〜90質量%が好ましい。
【0064】
このほか、本発明の電気化学素子は、電気2重層キャパシタとして用いることができる。
【0065】
【実施例】
以下、本発明について実施例を用いて説明する。併せて比較例を示す。
実施例1
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、アルミニウム箔(Al)およびポリプロピレン(PP)をウレタン系接着剤で熱ラミネートした。このラミネート材料は、PET(12)/Al(40)/PP(50)となる。かっこ内は各層の厚み(単位はμm )を表す。このフィルムを用いて図1(b)のような電池用外装体を作製した。なお、この時、PPが内側となるように製袋した。
【0066】
(電池の作製)
【0067】
正極はLiCoO2、カーボンブラック(HS−100、電気化学工業製)、グラファイト、PVDFからなるものをドクターブレード法でアルミニウム箔に塗布し作製した。負極は、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、カーボンブラック、PVDFからなるものをドクターブレード法で銅箔に塗布し作製した。高分子固体電解質用高分子膜としてPVDFにSiO2微粒子を添加して多孔化したPVDF微多孔膜を使用した。正極、負極は、横31mm、縦41mmに切断した。高分子固体電解質用高分子膜は横33mm、縦43mmに切断した。
【0068】
上記組成の正極、負極、高分子固体電解質用高分子膜を高分子固体電解質用高分子膜を挟んで正極と負極が対向するように順次積層した。正極集電体、負極集電体にはそれぞれシラン化合物を共有結合させたポリプロピレン(三菱化学(株)製、品番XPM−800HM、厚み80μm )をあらかじめ熱圧着しているアルミニウム製端子(厚み80μm 、長さ30mm、幅4mm)、およびニッケル製端子(厚み80μm 、長さ30mm、幅4mm)を溶接した。熱圧着条件は、210℃で5秒とした。この積層体を電解液に浸漬し、ゲル化させた。このゲル化したものを上で作製した電池用外装体に挿入し開口部をヒートシールした(図1参照)。
【0069】
電解液は、1mol/lのLiPF6を含むエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とのEC:DEC=30:70(体積比)混合溶媒の溶液を用いた。
【0070】
電池を100個作製し4.2Vまで充電し、60℃、90%相対湿度で20日間保存した。漏液した電池は0個であった。
【0071】
比較例1
端子に酸変性ポリプロピレンを被覆した点以外はすべて実施例1と同様に電池を100個作製し試験を行った。漏液した電池は10個であった。
【0072】
実施例2
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、アルミニウム箔(Al)および低密度ポリエチレン(LDPE)をウレタン系接着剤で熱ラミネートした。このラミネート材料は、PET(12)/Al(40)/LDPE(50)となる。かっこ内は各層の厚み(単位はμm )を表す。このフィルムを用いて図1(b)のような電池用外装体を作製した。なお、この時LDPEが内側となるように製袋した。端子にシラン化合物を共有結合させたLDPE(三菱化学(株)製、品番NF−800T、厚み80μm )をあらかじめ熱圧着させてあるアルミニウム製端子、ニッケル製端子を用いた。熱圧着条件は170℃で5秒とした。この2点以外はすべて実施例1と同様に電池を100個作製し試験を行った。漏液した電池は0個であった。
【0073】
実施例3
アルミニウム箔(厚み80μm 、長さ30mm、幅4mm)を0.3%(質量百分率)のアンモニア水に浸漬し30分間、煮沸することによりアルミニウムの表面に酸化アルミニウム水和物(ベーマイト:Al2O3・H2O)皮膜(1μm 厚)を形成させた。これを正極端子として用いた。
【0074】
この正極端子、負極端子にはそれぞれシラン化合物を共有結合させたポリプロピレン(三菱化学(株)製、品番XPM−800HM、厚み80μm )を実施例1と同条件で熱圧着させた。これ以外はすべて実施例1と同様に電池を100個作製し試験を行った。漏液した電池は0個であった。
【0075】
実施例4
アルミニウム製端子、ニッケル製端子に、まずポリカルボジイミドフィルム(日清紡(株)製、商品名カルボジライトMEフィルム、厚み90μm )、この上に酸変性ポリプロピレン(三井化学(株)製、商品名アドマーQE060、厚み50μm ))を順次熱圧着し、170℃で30分熱処理した。ポリカルボジイミドフィルムの熱圧着条件は180℃で5秒とし、酸変性ポリプロピレンは実施例1と同様とした。これらの端子を用いた以外は実施例1と同様に電池を100個作製し試験を行った。漏液した電池は0個であった。
【0076】
【発明の効果】
本発明は金属と共有結合ないし配位結合する官能基を持つ高分子を端子と外装体との間に介在させた電気化学素子を提供するものであり、電気化学素子の耐漏液性の向上に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学素子の構造を示し、(a)は電気化学素体を構成する電極および端子を示す平面図、(b)は外装体を示す平面図、(c)は電気化学素体を外装体に封入して構成される電気化学素子を示す平面図である。
【符号の説明】
1 電気化学素子
10 電気化学素体
11、12 電極(正負極)
13、14 端子
13a、14a シール部
20 外装体
21 第1シール部
22 第2シール部
Claims (10)
- 外装体と、端子を備えた電気化学素体とを有し、この電気化学素体が外装体に封入された電気化学素子において、少なくとも、前記外装体と前記端子とが接してシール部となる前記外装体と前記端子との対向部位に、ポリカルボジイミドを介在させた電気化学素子。
- 酸化アルミニウム水和物の皮膜を設けたアルミニウムで形成された端子を備えた請求項1の電気化学素子。
- 酸化アルミニウム水和物がベーマイトである請求項2の電気化学素子。
- 前記外装体材料が、前記電気化学素体側に熱接着性樹脂層を有する請求項1〜3のいずれかの電気化学素子。
- 熱接着性樹脂層が、ポリオレフィン樹脂層である請求項4の電気化学素子。
- 前記端子の前記外装体との対向部位に前記ポリカルボジイミド層を形成した後の前記電気化学素体を、前記外装体に封入して得られる請求項1〜5のいずれかの電気化学素子。
- 前記ポリカルボジイミド層の形成が熱圧着により行われる請求項6の電気化学素子。
- さらに、前記端子金属に対しポリカルボジイミド層より遠い側に酸変性ポリオレフィン樹脂層を設ける請求項6または7の電気化学素子。
- 電池である請求項1〜8のいずれかの電気化学素子。
- リチウムイオン2次電池である請求項9の電気化学素子。
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