JP4068270B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録材料に関し、更に詳しくは、インク受容層表面のひび割れがなく、高い光沢を有し、高湿滲み、耐光性及びインク吸収性に優れたインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いたインクジェット記録材料が開示されている。気相法シリカは、一次粒子の平均粒子径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢及び高いインク吸収が得られると特徴がある。
【0005】
上述した記録材料の支持体としては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体にインク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、紙支持体を用いた記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後のコックリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性支持体、例えば、ポリエステルフィルム等のプラスチック樹脂フィルムや紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネート紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)等が用いられるようになってきた。しかしながら、これらの耐水性支持体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができないため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸収性が重要であり、従って、紙支持体の記録材料に比べ、耐水性支持体の記録材料は、多量の顔料を塗布する必要があった。顔料の塗布量を多くすることによって、乾燥時にひび割れが生じやすく品質を著しく低下させた。
【0006】
上記した問題点に加えて、印字後の高湿滲み(高湿度条件下で印字画像が滲む現象)や耐光性が十分に満足できるレベルに到達していなく、更なる改良が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、インク吸収性及び光沢が高く、ひび割れの発生が無く、更に高湿滲み及び耐光性が改良されたインクジェット記録材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、耐水性支持体上に一次粒子の平均粒径が30nm以下の気相法シリカを13〜30g/ m 2 含有し、親水性バインダーを前記気相法シリカに対して10〜30重量%の範囲で含有し、さらにカチオン性ポリマーを含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料において、前記インク受容層が水溶性の金属化合物として塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物またはジルコニウム化合物を含有し、かつ膜面pHが3〜5であることを特徴とするインクジェット記録材料によって達成された。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインク受容層の構成について説明する。本発明のインク受容層は、気相法シリカを含有する。合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、▲1▼ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または▲2▼このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、▲3▼シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミクロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には▲4▼シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0010】
本発明に用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0011】
本発明に用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は、30nm以下であり、より高い光沢を得るためには、3〜10nmであり、かつBET法による比表面積が250m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いるのが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0012】
本発明において、インク受容層に含有させる気相法シリカの量は、10g/m2以上が好ましく、13〜30g/m2の範囲がより好ましい。気相法シリカを含有するインク受容層は、皮膜としての特性を維持するために親水性バインダーを含有するのが好ましい。
【0013】
親水性バインダーとしては、公知の各種親水性バインダーを用いることができる。例えば、ゼラチン及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−197826号、同平7−9757号公報に記載のポリアルキレンオキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号に記載のカルボキシ基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独または共重合体等を挙げることができる。
【0014】
上記親水性バインダーの中でも、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。この親水性バインダーとして、ポリビニルアルコール及びカチオン変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
【0015】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
【0016】
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0017】
上記した親水性バインダーは、無機微粒子に対して、小さい比率で用いる方がインク吸収性の点で好ましいが、インク受容層の塗布乾燥時に、ひび割れが発生しやすくなる。本発明は、親水性バインダー量を、無機微粒子に対して、10〜30重量%という限られた範囲で用いても、ひび割れが防止できることが一つの特長である。本発明において、親水性バインダー量は、無機微粒子に対して、好ましくは13〜28重量の範囲である。
【0018】
本発明は、上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸またはほう酸塩が好ましい。本発明のインク受容層の構成に更にほう酸もしくはほう酸塩を含有させることによって、ひび割れ、高湿滲み、表面剥離の防止効果が向上する。
【0019】
本発明のインク受容層には、水溶性の金属化合物として、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物及びジルコニウム化合物の中から選ばれる少なくとも1種を含有する。これらの化合物と気相法シリカを含有するインク受容層の膜面pHを3〜5の範囲に調整することによって、インク吸収性、ひび割れ、光沢、高湿滲み、及び耐光性の諸特性が同時に満足できるインクジェット記録材料が得られる。
【0020】
ジルコニウム化合物としては、例えば、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム等が挙げられる。本発明において、水溶性とは常温常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0021】
本発明に用いられる塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(OH)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(OH)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0022】
[Al2(OH)nCl6-n]m ・・式1
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
【0023】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。これらの塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物は、特公平3−24907、同平3−42591号公報にも記載されている。
【0024】
本発明に用いられる酸塩化ジルコニウム系活性無機ポリマーとしては、登録特許第2944143号公報に記載されている化合物が挙げられる。例えば、第1稀元素化学工業(株)からジルコゾールZC−2という商品名で市販されており、入手することができる。
【0025】
本発明において、上記水溶性の金属化合物のインク受容層中の含有量は、0.1g/m2〜10g/m2、好ましくは0.2g/m2〜5g/m2である。
【0026】
本発明において、インク受容層にはカチオン性ポリマーを含有する。カチオンポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59ー33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。これらのカチオン性ポリマーの使用量は気相法シリカに対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%である。
【0027】
本発明におけるインク受容層は、皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範囲で用いることができる。
【0028】
本発明において、インク受容層には、更に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0029】
本発明において、気相法シリカを含有するインク受容層は、その膜面pHが3〜5に調整される。インク受容層の膜面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方法N0.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した表面pHである。
【0030】
インク受容層の膜面pHは、塗布液の段階で調整するのが好ましが、塗布液のpHと塗布乾燥された状態での膜面pHとは必ずしも一致しないため、塗布液と膜面pHとの関係を予め実験等によって求めておくことが所定の膜面pHにするために必要である。インク受容層塗布液のpHは、酸またはアルカリを適当に組み合わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸が用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、または弱アルカリとして、弱酸のアルカリ金属塩が用いられる。
【0031】
本発明に用いられる耐水性支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及びポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂で紙を被覆(ラミネート)した、ポリオレフィン樹脂被覆紙、更にガラス板等が挙げられる。
【0032】
これらの支持体は、透明であっても不透明であってもよい。本発明に用いられる耐水性支持体の厚みは、約50〜300μm程度のものが好ましい。
【0033】
上記支持体の中でも、特にポリエチレンテレフタレートやポリオレフィン樹脂被覆紙が好ましく用いられる。以下、ポリオレフィン樹脂被覆紙について詳細に説明する。
【0034】
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0035】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0036】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0037】
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0038】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0039】
ポリオレフィン樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。
【0040】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、紙基体とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により高光沢か、無光沢か、またはパターン化された例えば絹目状やマット状等に形成することが出来る。本発明では、ポリオレフィン樹脂層表面が微粗面加工されたものが好ましい。本発明のインク受容層と、この微粗面加工されたポリオレフィン樹脂被覆紙支持体を組み合わせることによって、更に光沢性とひび割れが改良できる。
【0041】
本発明において、微粗面とは、鏡面でもなく、また絹面やマット面のように型付けされたものでもなく、表面に極微細な凹凸有するものである。例えば、中心面平均粗さ(SRa)で表すことができる。このSRa値が、0.11〜0.50の範囲であることが好ましく、0.11〜0.35がより好ましく、更に0.12〜0.25の範囲が好ましい。
【0042】
上記中心面平均粗さ(SRa)は、触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでのSRa値であり、下記数1で規定されるものである。
【0043】
【数1】
数1において、Wxは試料面域のx軸方向の長さを表し、Wyは試料面域のy軸方向の長さを表し、Saは試料面域の面積を表す。
【0044】
具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び3次元粗さ解析装置として、小坂研究所製、SE−3AK型機及びSPA−11型機を用いて、カットオフ値0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従って、Sa=160mm2の条件で求めることができる。
【0045】
上記したような微粗面を得るためのクーリングロール、例えば特開平5−118557号、同平7−261325号、同平8−254789号、同平10−293379号公報、特公昭62−19732号公報等に開示されているような微粗面加工されたクーリングロールが用いられる。例えば、表面が平均深さ0.05〜0.7μm、平均ピッチ0.1〜100μmの微細な凹凸を有するクーリングロールが用いられる。
【0046】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0047】
本発明において、インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等がある。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0049】
実施例1
<耐水性(不透明)支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、ポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100重量%の樹脂に対して、10重量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70重量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30重量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出被覆した。この支持体のSRa値は、0.15である。
【0050】
上記支持体に下記組成のインク受容層塗布液をスライドビード塗布装置で塗布し乾燥した。下記に示すインク受容層塗布液は、気相法シリカが9重量%の固形分濃度になるように調製した。この塗布液を気相法シリカの塗布量が固形分で、18g/m2になるように塗布、乾燥して記録材料を作製した。
【0051】
<インク受容層塗布液A>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
カチオン性ポリマー:ジメチルジアリルアンモニウムクロライド 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
【0052】
<インク受容層塗布液B>
上記塗布液Aに、塩基性ポリ水酸化アルミニウム(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)を4部加える以外、同様とした。
【0053】
<インク受容層塗布液C>
上記塗布液Aに、硝酸ジルコニウム(日本軽金属(株)製)を4部加える以外、同様とした。
【0054】
<インク受容層塗布液D>
上記塗布液Aに、酸塩化ジルコニウム系活性無機ポリマー(第1稀元素化学工業(株)製のジルコゾールZC-2)を4部加える以外、同様とした。
【0055】
上記インク受容層塗布液A、B、C及びDのpHを硝酸、水酸化ナトリウムあるいは弱酸のナトリウム塩で調整し、塗布乾燥後のインク受容層の膜面pHが表1に示す値になるように変化した。
【0056】
上記のようにして作成したインクジェット記録シートについて下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0057】
<インク吸収性>
プロッター(ENCAD社製のNovajet-PRO42e)及びGSインキを用いて、C,M,Yをそれぞれ印字して、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:C,M,Yそれぞれ200%の印字でも全く転写しない。
○:C,M,Yそれぞれ200%の印字で僅かに転写する。
△:C,M,Yそれぞれ100%の印字で僅かに転写する。
×:C,M,Yそれぞれ100%の印字でかなり転写する。
【0058】
<耐光性>
インクジェットプリンター(キャノン社製BJF600)を用いてCYMKのインクで濃度1.0のベタ印字を行い、アトラス社製サンテストCPS光退色試験機にて765W/m2で20時間照射した後、印字部の濃度を測定した。光照射 前後の濃度差△Dを測定し、以下の基準で評価した。
○:CMYの全てで△D≦0.3のもの。
△:同様に0.3<△D≦0.5のもの。
×:CMYのいずれかが△D>0.5のもの。
【0059】
<ひび割れ>
塗布面を目視で観察し、ひび割れ状態を以下の基準で評価した。
○:全くひび割れなし。
△:僅かにひび割れが認められる。
×:明らかにひび割れが分かる。
【0060】
<光沢>
未プリントのインクジェット記録シート表面の光沢を目視で判定。
○:光沢が非常に高く良好。
△:光沢がやや劣る。
×:光沢が低い。
【0061】
<高湿滲み>
幅100μmの細線を100μm間隔で印字し、1日放置した後で、35℃90%(RH)の条件下に2日間置いた後、細線の滲みを下記の基準で評価した。
○:ほとんど滲んでいなく、細線と細線の間隔が明確である。
△:滲みがあるが、細線と細線の間が完全には潰れていない。
×:細線が滲み、細線と細線の間隔が無くなっている。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】
上記結果から明らかなように、本発明によれば、インク吸収性、光沢、ひび割れ、高湿滲み及び耐光性が同時に満足できるインクジェット記録材料が提供できる。
Claims (2)
- 耐水性支持体上に一次粒子の平均粒径が30nm以下の気相法シリカを13〜30g/ m 2 含有し、親水性バインダーを前記気相法シリカに対して10〜30重量%の範囲で含有し、さらにカチオン性ポリマーを含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料において、前記インク受容層が水溶性の金属化合物として塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物またはジルコニウム化合物を含有し、かつ膜面pHが3〜5であることを特徴とするインクジェット記録材料。
- 耐水性支持体がポリオレフィン樹脂被覆紙支持体であり、該支持体のインク受容層が設けられる側の表面の中心面平均粗さ(SRa値)が0.11〜0.50の範囲である請求項1に記載のインクジェット記録材料。
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