JP4063363B2 - マラリア原虫の検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中のマラリア原虫を迅速かつ特異的に検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マラリアは熱帯・亜熱帯地方に広く分布する寄生虫感染症である。その病原体は胞子虫類に分類されるマラリア原虫であり、ハマダラカに媒介され感染する。WHOの統計によれば世界人口の40%以上が居住する90ヶ国がその汚染地である。そのため年間3〜5億人程度が罹患し、死亡者は150〜300万人に至っている。
【0003】
マラリアの症状としては特有の熱発作とそれに引き続いて起こる脾腫や貧血を呈する。特に悪性マラリアと呼ばれる熱帯熱マラリアにおいては、発症後数時間以内に治療を開始しないと重篤な症状や合併症に陥り死に至る場合もある。このことから、マラリアの特に熱帯熱マラリアの早期の診断は重要である。
【0004】
マラリア原虫をもつハマダラカに吸血されると、ハマダラカの唾液とともに原虫のヒトへの感染型であるスポロゾイトが血中に注入される。スポロゾイトは血流により肝細胞に運ばれ、肝細胞内に侵入する。その後細胞分裂によりメロゾイト(分裂小体:merozoite)を形成し、血中に放出する。メロゾイトは血中にて直ちに赤血球内に侵入して赤内型の生活史を開始する。赤内型の生活史では輪状体(ring form)、栄養体(trophozoite)、分裂体(schizonte)と発育しメロゾイトを赤血球外に放出する。このとき同時に赤血球の破壊を招く。血中に放出されたメロゾイトは新たに赤血球に侵入し、再び赤内型生活史を開始する。マラリア原虫はこのサイクルを繰り返すことにより増殖し、血中の赤血球を破壊し続ける。一方メロゾイトの一部は赤血球に感染することなく、生殖母体(gametocyte)と呼ばれる形態に分化する。生殖母体はハマダラカの吸血により更なる感染の母体となる。
【0005】
マラリアを診断する方法として、従来から目視による顕微鏡観察法が挙げられる。血液塗抹標本をギムザ染色し、顕微鏡で観察することによりマラリア原虫が感染している赤血球を検出する方法である。
【0006】
また、血液塗抹標本を核酸染色性蛍光色素を用いて染色し、蛍光顕微鏡で観察する方法も挙げられる。しかしこれらの方法では、塗抹標本の作成、固定、染色の工程を必要とし煩雑かつ時間が必要である。さらに顕微鏡観察には熟練を要し、多数の赤血球を観察するために多くの時間を費やす。このため多数検体を処理することは困難である。
【0007】
近年DNAプローブ、間接蛍光抗体法、間接赤血球凝集法等が開発されている。しかしこれらの方法はその操作が煩雑であり、時間もかかり、高価であることが問題である。
【0008】
前述の方法以外に、フローサイトメータを用いてマラリア感染赤血球を測定する方法が開発されている。これは核酸染色性色素により赤血球内のマラリア原虫を特異的に染色し、色素の励起光を照射することによりマラリア原虫からの蛍光を検出する方法である。
【0009】
J.W.Jacobbergerは蛍光色素として3,3'-dimethyloxacarbocyanineを使用してフローサイトメータでマラリア感染赤血球を検出する方法を開示している(Cytometry,Vol.5:589-600, 1984)。この文献では網状赤血球とマラリア感染赤血球がスキャッタグラム上で重なった領域に出現することが示唆されている。
【0010】
M.T.Maklerらは蛍光色素としてThiazole Orangeを使用してマラリア感染赤血球を検出する方法を開示している(Cytometry, Vol.8:568-570, 1987)。この文献においても網状赤血球がマラリア感染赤血球に影響を及ぼすことが記載されている。
【0011】
J.M.WhaumらはAcridine Orangeを使用してマラリア感染赤血球を検出する方法を開示している(Cytometry, Vol.4:117-122, 1983)。Acridine Orangeは、DNAに結合したときは緑蛍光を、RNAと結合したときは赤蛍光を発する。この文献ではこの性質を用いて、DNAとRNAの両方をもつマラリア感染赤血球とRNAのみをもつ網状赤血球を弁別することが可能であると記載されている。
【0012】
特開平6-300753号では、色素としてオーラミンOと3,3'-diethyl-2,2'-oxacarbocyanine iodideを使用してマラリア感染赤血球を検出する方法が開示されている。この方法では低濃度のオーラミンOによりマラリア感染赤血球のみを染色し、3,3'-diethyl-2,2'-oxacarbocyanine iodideにより全体的な蛍光強度を増強し検出可能とした。しかしこの方法ではマラリア未感染赤血球と感染赤血球の弁別は十分明確ではない。
【0013】
上記に記載されている方法は、網状赤血球の影響、マラリア未感染赤血球と感染赤血球の弁別が十分でないという問題に加えて、計数するマラリア感染赤血球数が少ないことに由来する絶対的な感度が不十分である。
【0014】
これに対しP.H.Vianenらは、赤血球を、緩衝剤、ホルムアルデヒドおよびジエチレングリコールを含む溶血剤を用いて溶血し、マラリア原虫を遊離した後、色素としてHoechst 33258を使用してマラリア原虫を染色し、フローサイトメータで検出する方法を開示した(Cytometry, Vol.14:276-280, 1993)。この方法ではマラリア未感染赤血球や網状赤血球の影響は無視することができるものの、溶血、染色操作が煩雑であり、数十分以上の時間が必要という問題がある。
【0015】
英国特許GB2,270,752では、血液試料から赤血球のみを分離するため遠心分離を行い、化学物質あるいは超音波による溶血処理後、既知の計数法により検出を行う方法が開示されている。この方法は遠心分離操作が必要であり、煩雑かつ時間が必要である。またこの方法は、細胞の大きさを測定することにより検出を行っている。
【0016】
これらの溶血により遊離したマラリア原虫を計数する方法では遠心分離、溶血操作という前処理が必要であり、染色にも数十分以上必要という問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、溶血処理によりマラリア原虫を遊離させ、核酸染色性色素を用いてマラリア原虫を迅速に特異染色し、遠心分離操作無しにフローサイトメータで検出する方法を提供することである。
【0018】
この発明は、血液試料を、カチオン性界面活性剤を含むマラリア原虫測定用試薬と混合し、血液試料中の赤血球を溶解してマラリア原虫を核酸染色性色素によって染色する工程、染色処理が施された血液試料をフローサイトメータに導入し、血液試料中の細胞に励起光を照射し、細胞が発する散乱光強度と蛍光強度を測定する工程、および測定された散乱光強度および蛍光強度に基づいて、分裂小体,輪状体,分裂体及び栄養体からなる群より選ばれる1以上のマラリア原虫の生活史を検出することによりマラリアの種類を同定する工程、からなるマラリア原虫の検出方法を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
核酸染色性色素としては、核酸を染色できる蛍光色素であれば特に限定はされるものではない。例えば、Acridine Orange,Thiazole Orange,Ethidium Bromide,Propidium Iodide,Auramine O,Hoechst 33258,Hoechst 33342,Rhodamine 123,DiOC1(3)などがあげられる。なお、これらは、光源としてアルゴンレーザ(488nm)を使用する場合に使用できる蛍光色素である。他の波長の光源、例えば赤色レーザなどを使用する場合には、それに合わせて使用可能な色素を適宜選択すればよい。他の色素としては、Acridine homodimer, Actinomycin D, 7-Aminoactinomycin D(7-AAD), 9-Amino-6-chloro-2-methoxyacridine(ACMA), BOBO-1, BOBO-3, BO-PRO-1, BO-PRO-3, 4',6-Diamidino-2-phenylindole(DAPI), Dihydroethidium, 4',6-(Diimidazolin-2-yl)-2-phenylindole, Ethidium-acridine heterodimer, Ethidium diazide, Ethidium homodimer-1, Ethidium homodimer-2, Ethidium monoazide, Hexidium iodide, Hydroxystilbamidine, methanesulfonate, LDS 751, OliGreen ssDNA quantitation reagent, PicoGreen dsDNA quantitation reagent, PO-PO-1, PO-PO-3, PO-PRO-1, PO-PRO-3, SYTO 11 live-cell nucleic acid stain, SYTO 12 live-cell nucleic acid stain, SYTO 13 live-cell nucleic acid stain, SYTO 14 live-cell nucleic acid stain, SYTO 15 live-cell nucleic acid stain, SYTO 16 live-cell nucleic acid stain, SYTO 20 live-cell nucleic acid stain, SYTO 21 live-cell nucleic acid stain, SYTO 22 live-cell nucleic acid stain, SYTO 23 live-cell nucleic acid stain, SYTO 24 live-cell nucleic acid stain, SYTO 25 live-cell nucleic acid stain, SYTO 17 red fluorescent nucleic acid stain, SYTOX Green nucleic acid stain, TO-PRO-1, TO-PRO-3, TO-PRO-5, TO-TO-1,TO-TO-3, YO-PRO-1, YO-PRO-3, YO-YO-1,YO-YO-3等が挙げられる。これらは、Molecular Probes, Inc.より入手できる。
【0021】
核酸染色性色素の量は使用する色素の種類によって異なるが、一般に試薬全量に対して0.001〜10000ppm、好ましくは0.005〜1000ppm、より好ましくは0.01〜500ppmである。
【0022】
界面活性剤は、赤血球を溶解する作用とともにマラリア原虫への色素の透過性を向上する作用がある。界面活性剤の種類は一般に赤血球を溶解する作用があるものであれば特に限定されるものではないが、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤が好適に使用される。
【0023】
例えばアニオン性界面活性剤では、
一般式
R1-R2-(CH2CH2O)n-X
【化3】
で表されるポリオキシエチレン系アニオン界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤では、
一般式
R1-R2-(CH2CH2O)n-H
【化4】
で表されるポリオキシエチレン系ノニオン性界面活性剤が使用できる。上述のアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の濃度は、0.01〜15%、好ましくは0.05〜10%の範囲で好適に使用される。
【0024】
また、カチオン性界面活性剤では、
一般式a
【化5】
[式中、R1:C8〜C20のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基;R2,R3およびR4:C1〜C8のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基;X-:陰イオン基]
一般式b
【化6】
[式中、n:7〜19の整数;X-:陰イオン基]
で表されるカチオン性界面活性剤が使用できる。好ましいR1としては、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基及びセチル基が挙げられる。好ましいR2〜R4としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプルピル基が挙げられる。好ましい陰イオン基は、F-, Cl-, Br-, I-などのハロゲンイオンの他に、CF3SO3 -, BF4 -, ClO4 -などを含む。
【0025】
界面活性剤としてはカチオン性界面活性剤が特に好適である。具体的には、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド(OTAB),デシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB),ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(LTAC),ミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイド(MTAB)、セチルピリジニウムクロライド(CPC)などが挙げられる。
【0026】
カチオン性界面活性剤濃度は、界面活性剤に含まれるR1〜R4の総炭素数が増えるごとに、溶血力が強くなることを考慮して決定すべきである。過剰な界面活性剤濃度はマラリア原虫までも溶解するため好ましくない。本発明においては、例えば、MTAB(総炭素数17)では300〜3000ppm,LTAC(総炭素数15)では300〜10000ppm,DTAB(総炭素数13)では5000〜20000ppm,OTAB(炭素数11)では21000〜40000ppmが好適である。
【0027】
本発明の試薬には,pHを一定に保つための緩衝剤を含有することが出来る。緩衝剤はpHを一定に保つことにより、安定したマラリア原虫の染色結果を得るために使用される。通常数mMから100mM程度の濃度で使用される。緩衝剤の種類は通常使用されるものであれば限定されるものではないが、染色するのに好適なpHに応じて、例えば、カルボン酸類,リン酸,トリシンなどのグッドの緩衝剤,タウリンなどを使用することが出来る。好適なpHは使用する色素によって異なるが、3〜11の範囲、好ましくは4〜9の範囲がよい。
【0028】
また本発明の試薬には浸透圧補償剤を含有することが出来る。浸透圧はマラリア原虫の低張溶解を防止するために通常150〜600mOsm/kgの範囲に調整されていることが望ましい。浸透圧補償剤は特に制限されるものではないが、例えばプロピオン酸等のアルカリ金属塩、グルコース、マンノース等の糖類が好適である。NaClのようなアルカリ金属ハロゲン化物やアルカリ土類金属ハロゲン化物も使用できる。さらに多価アニオンを使用することもできる。多価アニオンとしては、硫酸イオン、リン酸イオン、炭酸イオン及び多価カルボン酸イオンが特に好適であり、これらを供給し得る化合物としては、例えば、クエン酸、硫酸、リン酸、EDTAやこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。
【0029】
なお、緩衝剤で測定に適した浸透圧が維持できる場合には、緩衝剤を浸透圧補償剤としても使用することができる。
【0030】
さらに本試薬には、上記構成要素以外にも、必要に応じて防腐剤を含有することが可能である。例えば2-ピリジルチオ-1-オキシドナトリウムあるいはβ−フェネチルアルコールが挙げられる。
【0031】
本発明の方法に使用する試薬は上記各種成分を含む1液構成とすることができるが、核酸染色性色素が水溶液中で不安定な場合には、色素を適当な水溶性の非水溶媒、例えばエタノール,ジメチルスルホキシドあるいはエチレングリコール等に溶解して保存し、使用時に他の成分を含有する水溶液と混合して使用することが可能である。
【0032】
本発明の方法に用いる試薬を血液試料と混合すると、速やかに赤血球の溶血が行われ、同時に核酸の染色が行われる。即ち、感染赤血球の溶血によりマラリア原虫が遊離してその核酸が染色される。また、未感染赤血球や網状赤血球も同時に溶血され、デブリスとなる。この場合の反応温度は20〜50℃が好適である。また、反応時間は反応温度が高いほど短時間であるが、5〜300秒が好適である。より好適な条件は反応温度30〜40℃であり、反応時間は5〜30秒である。
【0033】
測定に使用する機器は従来より公知のフローサイトメータが使用可能である。光源は使用する色素に応じて選択されるべきである。試料の調製及び測定は以下の工程からなる。
【0034】
▲1▼マラリア原虫測定用試薬と血液試料を混合して測定用試料を調製する。
▲2▼測定用試料をフローサイトメータに導入する。
▲3▼シースフロー中を流れる細胞に励起光を照射し、細胞が発する散乱光と蛍光を測定する。
▲4▼散乱光強度と蛍光強度によりマラリア原虫と他の細胞成分を弁別する。
工程▲1▼における血液試料とは、測定対象となる血液成分である赤血球を含有する試料の全てを示す。例えば、抗凝固剤処理を行った末梢血液あるいはマラリア原虫を赤血球に感染させて培養した培養液である。工程▲3▼における散乱光は前方散乱光または側方散乱光のいずれでもよい。工程▲4▼において散乱光強度と蛍光強度によりマラリア原虫とデブリス(Debris:主に赤血球の残骸)を弁別し、蛍光強度によりマラリア原虫と白血球を弁別する。
【0035】
本発明の方法を用いると、マラリア原虫を赤血球デブリスや白血球などの成分から弁別できるだけでなく、マラリア原虫の生活史を分類計数することができる。3日熱マラリア,4日熱マラリア,卵型マラリアでは、in vitroの培養系及び患者の末梢血中で、全ての生活史が出現する。しかし熱帯熱マラリアでは、培養系では全ての生活史が出現するものの、末梢血中では輪状体と生殖母体しか出現しない。
【0036】
本発明の方法を用いると、これらのマラリア原虫の生活史の分類が可能である。即ち、散乱光強度と蛍光強度の違いにより、分裂小体,輪状体,分裂体,生殖母体を弁別することが可能である。この生活史の分類を用いることによりスキャッタグラムの出現パターンから、末梢血において輪状体,生殖母体しか出現しない熱帯熱マラリアと、全ての生活史が出現する他の3種のマラリアとの弁別が可能である。とくに、熱帯熱マラリアは発症後すみやかに治療を開始することが必要なことから、本発明の方法により迅速に測定できることは、早期に診断をする上できわめて有用である。
【0037】
さらに本発明はマラリア原虫検出用キットも提供する。本発明のキットには、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる界面活性剤及び核酸染色性色素を含む。核酸染色性色素は1液構成としても2液構成としてもよい。
【0038】
【実施例】
実施例 1
以下の組成のマラリア原虫測定用試薬を調製した。
アクリジンオレンジ 3mg
トリシン 10mM
LTAC 1000mg
リン酸2水素ナトリウム 120mM
精製水 1L
NaOHでpH9に調整
本発明試薬1mlに抗凝固剤処理を行ったマラリア原虫(P.falciparum)培養赤血球を含む培養液1μlを加え、35℃、30秒インキュベートした測定用試料をフローサイトメータ試作機で測定を行った。励起光源にアルゴンイオンレーザーを用い、488nmで励起を行い、前方散乱光および側方蛍光を測定した。図1に得られたスキャッタグラムを示す。
デブリスの右側の蛍光強度の強い領域に集団が出現するのが確認された。また、同調培養によって生活史の各段階とスキャッタグラムとを比較したところ、分裂小体、輪状体、栄養体および分裂体の各段階をスキャッタグラム上で弁別することができた。
【0039】
実施例2
実施例1と同様の組成を用いて、抗凝固剤処理を行った健常人血液を同じように測定した場合のスキャッタグラムを図2に示す。
実施例1で出現が確認された領域には、健常人ではドットが出現しないことが確認できた。
【0040】
実施例3
以下の組成のマラリア原虫測定用試薬を調製した。
アクリジンオレンジ 3mg
リン酸2水素ナトリウム 120mM
DTAB 10000mg
精製水 1L
NaOHでpH7に調整
本発明試薬1mlにマラリア原虫培養赤血球を含む培養液40μlを加え、35℃、30秒インキュベートした測定用試料をフローサイトメータ試作機で測定を行った。励起光源にアルゴンイオンレーザーを用い、488nmで励起を行い、前方散乱光および側方蛍光を測定した。図3に得られたスキャッタグラムを示す。実施例1と同様にマラリア原虫を検出できることが確認できた。
【0041】
実施例4
以下の組成のマラリア原虫測定用試薬を調製した。
チアゾールオレンジ 3mg
クエン酸Na 80mM
DTAB 10000mg
精製水 1L
NaOHでpH5に調整
本発明試薬1mlに抗凝固処理を行ったマラリア原虫培養赤血球を含む培養液1μlを加え、35℃30秒インキュベートした測定用試料をフローサイトメータ試作機で測定を行った。励起光源にアルゴンイオンレーザーを用い、488nmで励起を行い、前方散乱光および側方蛍光を測定した。図4に得られたスキャッタグラムを示す。実施例1と同じようにマラリア原虫を検出できることが確認された。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、試料中のマラリア原虫を迅速かつ特異的に検出することができる。本発明の方法では測定用試薬と血液試料とを混合して約30秒インキュベートするだけで遠心分離操作を行うことなく測定が可能である。
【0043】
また、本発明の方法ではマラリア原虫の生活史の分類が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の方法によるマラリア原虫培養赤血球を含む培養液を測定した緑蛍光強度−前方散乱光強度スキャッタグラムである。
【図2】本発明の実施例2の方法による健常人の血液を測定した緑蛍光強度−前方散乱光強度スキャッタグラムである。
【図3】本発明の実施例3の方法によるマラリア原虫培養赤血球を含む培養液を測定した緑蛍光強度−前方散乱光強度スキャッタグラムである。
【図4】本発明の実施例4の方法によるマラリア原虫培養赤血球を含む培養液を測定した緑蛍光強度−前方散乱光強度スキャッタグラムである。
【図5】本発明の方法でマラリア原虫を測定したときのスキャッタグラムの摸式図である。
Claims (3)
- 血液試料を、カチオン性界面活性剤を含むマラリア原虫測定用試薬と混合し、血液試料中の赤血球を溶解してマラリア原虫を核酸染色性色素によって染色する工程、
染色処理が施された血液試料をフローサイトメータに導入し、血液試料中の細胞に励起光を照射し、細胞が発する散乱光強度と蛍光強度を測定する工程、および
測定された散乱光強度および蛍光強度に基づいて、分裂小体,輪状体,分裂体及び栄養体からなる群より選ばれる1以上のマラリア原虫の生活史を検出することによりマラリアの種類を同定する工程、からなるマラリア原虫の検出方法。 - 請求項1または請求項2に記載のマラリア原虫の検出方法に用いられるマラリア原虫検出用キットであって、カチオン性界面活性剤及び核酸染色性色素を含む、マラリア原虫検出用キット。
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