JP4054551B2 - 眼内レンズ研磨方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼内レンズの研磨方法、更に詳しくはエッジをシャープに保ちながら研磨する研磨方法と、該研磨方法にて用いる研磨装置及び研磨用器具に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、眼内レンズを患者眼の嚢内に設置後、嚢内に残存する水晶体上皮細胞が増殖してしまい、それによって後嚢部分が混濁してしまう後発白内障が知られている。この後発白内障を抑制するために、眼内レンズのエッジをシャープにすることによって細胞の増殖を規制する試みがなされている。
【0003】
このような試みは、図6に示すように、エッジがシャープになっている眼内レンズ100を嚢内101に設置し、後嚢をエッジ部分にて押圧させることによって、後嚢103と眼内レンズ100との接触箇所で角度をつけ、細胞102の増殖を後嚢中心部に方向に向かってそれ以上進ませないようにするものである。
【0004】
エッジがシャープである眼内レンズは、PMMA等の眼内レンズ基材を切削加工によってエッジをシャープにしつつ眼内レンズ状に切削したり、予めエッジをシャープにした眼内レンズの型枠内に基材を注入、硬化させた後、眼内レンズを取り出すモールド成形等の製造方法によって得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した方法にて得られた眼内レンズを最終の仕上げとして研磨を行った場合、従来のバフ等での研磨やタンブリング研磨では眼内レンズのエッジまでも研磨してしまい、エッジがシャープにならなくなってしまう。このような場合、エッジを含むコバ外周に予めマスキングテープによってマスキングを行い、エッジを研磨から保護しておくことも考えられる。しかし、眼内レンズのレンズ径は小径であり、そのコバも薄いため、研磨を施すレンズ表面を露出させつつエッジをテープでマスキングするのは非常に面倒である。また、マスキングテープは研磨中に剥がれ易い欠点がある。
【0006】
上記従来技術の問題点に鑑み、眼内レンズのエッジをシャープに保ちつつレンズ表面を簡単に研磨することが可能な眼内レンズの研磨方法を提供することを技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0008】
(1) 眼内レンズのレンズ表面を研磨する方法において、眼内レンズを載置する固定台に設けられる孔部であって,前記眼内レンズを前記孔部内に載置したときに前記眼内レンズのエッジの高さ位置が前記孔部に形成される開口部の縁の高さ位置と同じかそれより下側に位置するだけの深さを有する孔部に、前記眼内レンズを挿入し前記開口部の縁より上方に位置する前記眼内レンズの表面部分を研磨手段によって研磨することを特徴とする。
(2) (1)の研磨方法において、前記孔部に形成される開口部の開口径は眼内レンズのレンズ径と略一致する径であることを特徴とする。
(3) (2)の研磨方法は、前記固定台を眼内レンズの光軸を略回転軸として回転させるとともに、前記固定台と対向して配置されたスポンジ状の研磨手段を前記固定台の回転方向と反対の回転させながら所定の圧力にて前記眼内レンズに押圧させて研磨を行うことを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の眼内レンズの研磨方法において、眼内レンズの研磨面とは反対側のレンズ面を吸引することにより前記固定台に眼内レンズを固定保持させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図に示し、説明する。本実施の形態では眼内レンズの光学部と支持部とを別々に作製しておき、その後一体化させる3ピースレンズを用いて説明する。
【0012】
初めに実施例1としてバフ研磨にて本発明を適用した場合を、次に実施例2としてタンブリング研磨にて本発明を適用した場合を以下に示し、説明する。
【0013】
<実施例1>
図1は本実施の形態で使用する眼内レンズ100(光学部のみを示している)の概略構成を示した図である。眼内レンズ100はレンズ前面100a、レンズ後面100bとコバ外周100c(眼内レンズ100の側面であり、レンズ前面100aとレンズ後面100bとを不連続に結ぶ側面部分)からなる。
【0014】
本実施の形態で使用する眼内レンズの基材は例えばアクリル基材、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、シリコーンやHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)、これらの材料を用いた複合材料等、従来一般的に使用される眼内レンズの基材を使用することができる。
【0015】
また、眼内レンズは予め眼内レンズの型枠に前述した眼内レンズの基材を流し込み硬化させた後、眼内レンズの型枠から眼内レンズを取り出すモールド成形や眼内レンズの基材にて一旦平板を作製し、そこから切削加工にて切り出し成形する等の従来から公知の方法によって得ることができる。このときレンズ前面100a(レンズ後面100b)とコバ外周100cとの接合点であるエッジ100dはできるだけ鋭く(シャープ)になるように成形されている。
【0016】
図2は本実施の形態で使用する眼内レンズの研磨装置の概略構成を示したものである。1は研磨装置本体である。研磨装置本体1は大別して眼内レンズ100を置くための基台部10と、基台部10上方に設置される研磨部20からなる。基台部10には眼内レンズ100を固定保持させるための円柱型の固定台11が所定間隔で複数個配置されている(図1では固定台11は4つ並んでいる)。
【0017】
固定台11は基台部10に回転軸12を介して取り付けられている。基台部10にはモータを備える回転手段13が配置されており、回転手段13によって各回転軸12が回転される。回転軸12の回転により固定台11も回転することが可能になっている。
【0018】
図3(a)は固定台11の断面を示す図である。固定台11の上面中央部には眼内レンズ100を挿入、載置するための円柱状に凹んだ凹部(孔部)15が設けられている。凹部15の開口径は眼内レンズ100の直径より僅かに大きな径となっている。
【0019】
凹部15の開口径が眼内レンズ100の直径よりも十分に大きな径を有している場合、研磨時に眼内レンズ100が凹部15内で動き回り、眼内レンズ100が傷ついてしまう可能性がある。また、眼内レンズ100を凹部15内に挿入したとき、開口径と眼内レンズの直径との隙間が広いと研磨時に上方に設けられた弾性力を有する研磨手段(本実施例ではスポンジ)がこの隙間よりコバ外周100cに触れてしまい、エッジ100dを研磨してしまう恐れがある。
【0020】
したがって、凹部15の開口径は、眼内レンズ100が凹部15に挿入可能な径であるとともに凹部15内で動き回れず、研磨手段がコバ外周100cやエッジ100dに接触しないようにできるだけ小さな径とするよう、眼内レンズ100の径と略一致させることが好ましい。
【0021】
また、図3(b)に示すように、凹部15の深さは眼内レンズ100のレンズ後面100b(又はレンズ前面100a)を凹部15の底に当接させたとき、エッジ100dが凹部15の開口部の縁15aと同じ高さかそれよりも下側に位置するような深さ(寸法)を有しており、エッジ100dが開口部の縁15aから突出しないようになっている。
【0022】
このように凹部15の開口部の縁15aと同じ位置かそれよりも低い位置に眼内レンズ100のエッジ100dが位置することによって、研磨時に眼内レンズ100のコバ外周100c及びエッジ100dが研磨されるのを防ぐことができる。従って、研磨部20は凹部15により保護されずに露出したレンズ面(レンズ前面100a又はレンズ後面100b)のみを研磨することができる。
【0023】
このような固定台11は研磨部20での研磨時に掛かる力によって変形しない材質(例えばステンレス等の錆び難い金属、セラミックス、ガラス、硬化プラスチック等)で形成されている。
【0024】
14は固定台上に固定保持される眼内レンズ100に研磨剤を噴射するための噴射ノズルである。研磨剤は純水に混合された状態で眼内レンズの研磨中に眼内レンズに適宜噴射されるようになっている。
【0025】
16は固定台11、回転軸12内に設けられた吸引路であり、その吸引口16aは凹部15の底の中央に設けられている。また、吸引路16は図示なき吸引ポンプに接合されている。この吸引ポンプの吸引動作によって眼内レンズ100は凹部15内にて吸引口16aから吸引され、これによって固定台11上に固定保持される。
【0026】
21は研磨部20に設けられた研磨手段であり、固定台11と同じ数(本実施例では4つ)だけ固定台11と向き合うように位置している。また、本実施例で使用する研磨手段は円柱状のスポンジを使用している。本実施例ではスポンジを使用しているが、これに限るものではなく、眼内レンズ100に対して傷をつけることなく、ある程度の弾力性をもって研磨を行うことのできる材質のものであればよい。
【0027】
22は研磨手段21(スポンジ)を取り付けるための取付台である。本実施の形態では、研磨手段21の片面に両面テープを使用して取付台22に取り付けるものとしている。また、取付台22は研磨部20に回転軸23を介して取り付けられている。回転軸23は研磨部20内部に設置された回転手段24によって回転される。回転機構部24はモータを備え、そのモータの駆動によって回転軸23が回転することにより、取付台22も回転することが可能になっている。
【0028】
25は研磨部20を基台部10に対して上下方向に移動させるとともに、研磨手段21の回転中(眼内レンズ100への研磨中)は取付台22を固定台11に対して前後方向(紙面鉛直方向)に駆動させるための研磨部駆動手段である。30は回転手段13,24、駆動手段25、噴出ノズル14等の駆動を制御するための制御手段である。
【0029】
なお、取付台22及び回転軸23は、固定台11に対して紙面手前方向に若干傾斜して研磨部20に取り付けられている。また、取付台22の回転は固定台11の回転方向と反対になっている。このような構成によって研磨手段21を眼内レンズ100に効果的に押し当てることができ、さらに研磨手段と固定台との相互の回転により研磨を効率よく行うことができる。
【0030】
以上のような構成を備える研磨装置にて眼内レンズ100を研磨させる方法を以下に説明する。
レンズ前面100aを研磨する場合、その研磨面とは反対のレンズ面であるレンズ後面100bを下向きにして固定台11の凹部15に眼内レンズ100を挿入する。眼内レンズ100は図示なき吸引ポンプにて吸引口16aより吸引され、凹部15内にて固定保持される。次に制御部30は回転手段11及び24を駆動させ、固定台11及び研磨手段21を回転させる。制御部30は固定台11及び研磨手段21が回転し始めると、噴出ノズル14より研磨剤を眼内レンズ100に適量噴射する。また同時に、駆動手段25を用いて研磨部20を下側(基台部10側)に下げ、研磨手段21の先端部分を固定台11に所定の圧力(研磨手段21が若干変形する程度)で押圧させて研磨を開始する。
【0031】
ここで、固定台11に置かれた眼内レンズ100はレンズ前面100aのみが露出されており、この部分だけが研磨手段21にて研磨されることとなる。研磨終了後、次に眼内レンズ100を裏返ししてレンズ後面100bを固定台11から露出させ、同じように研磨を行う。このような研磨を行うことによって、コバ外周100cとエッジ100dは研磨されることがないため、エッジ100dは眼内レンズ100の両面の研磨が終了した後でも、眼内レンズの製造時に形成されたシャープなエッジ形状を保つことができる。
【0032】
ここで上記の研磨方法にて研磨を行った眼内レンズのエッジの電子顕微鏡写真を図7に示す。また、比較例として従来のバフ研磨による眼内レンズのエッジの電子顕微鏡写真を図8に示す(図7、8に示す眼内レンズは製造時点でエッジがシャープにされていたものである)。これらの図に示すように上記の研磨方法にて研磨を行った眼内レンズのエッジ部分(図7)は丸められておらず、シャープさを保っている。一方、従来のバフ研磨で行った眼内レンズ(図8)はエッジが研磨によって丸められている。
【0033】
実施例1では、固定台11に凹部15を設けるものとしているが、これに限るものではない。従来からバフ研磨に使用されている研磨装置の固定台に、エッジ100dを保護するための研磨用器具を新たに取り付けておくこともできる。図4は研磨用器具の構成を説明する図である。図4(a)は研磨用器具を上方から見たときの外観略図、図4(b)は研磨装置が持つ固定台に研磨用器具を取り付けた状態を示す断面図である。前述の実施形態で示した符号と同符号を付してあるものは同機能を有しているものであり、説明は省略する。
【0034】
40は研磨用器具本体である。研磨用器具40は固定台と略同径である円形の平板形状を有している。材質は研磨部20での研磨時に掛かる力によって変形しないものであり、また、錆び難く耐摩耗性を有するものが好ましく、例えばステンレスやセラミックス等を使用することが可能である。研磨用器具40の外周部には、研磨装置が持つ固定台50にネジにて取りつけるためのネジ穴42が4ヶ所設けられている。このネジ穴42はネジを閉めたときにネジ穴よりも上部にネジの頭が出ないように木ネジ用の穴形状となっている。また、ネジ穴42周辺部の肉厚はネジが取り付けられるだけの十分な厚みを有している。
【0035】
43はその中心部に眼内レンズ100の直径と略同径の大きさを有する開口部(孔)41が設けられている凹部である。開口部41の深さ、すなわち凹部43の底(開口部周辺の領域)の肉厚は、開口部41に眼内レンズ100が挿入されたときに、眼内レンズ100のエッジ100dの高さが開口部41の縁と同じかそれより下側に位置するような厚み(開口部41の深さ)を有している。
【0036】
また、研磨する眼内レンズの厚みによって、開口部41の深さが異なる研磨用器具40を種々用いることも可能であるが、1種類の研磨用器具40を用いて厚みの異なる種々の眼内レンズに対応することもできる。
【0037】
この場合、厚みが最も厚い種類の眼内レンズ100を用いて、この眼内レンズ100を開口部41に挿入したときに、眼内レンズ100のエッジ100dが開口部41の縁と同じ高さか、それより下側に位置するような開口部41の深さ(凹部43の底の肉厚)を有する研磨用器具40を用意すればよい。
【0038】
前述したような開口部41の深さを有する研磨用器具40であれば、どのような厚みを有する眼内レンズであっても、眼内レンズ100を開口部41に挿入した際のエッジ100dの高さは、開口部41の開口縁の高さ位置と同じか、それよりも下に位置することとなる。研磨する際には弾力性のある柔らかい素材の研磨手段にて研磨するため、エッジ100dが開口部41の開口縁よりも多少下に位置していても、研磨手段は眼内レンズの研磨予定面に接触するため、研磨を行うことができる。
【0039】
また、凹部43の径の大きさはなるべく広いものが好ましい。凹部43の径の大きさが狭い場合、上部から眼内レンズ100に対して押圧する研磨手段が眼内レンズ100に接触し難くなるからである。
【0040】
このような研磨用器具40を固定台50に取り付けることによって、前述の実施形態で示した固定台11と同様に、研磨時に眼内レンズ100のコバ外周及びエッジの研磨を防ぐことができるため、従来使用されてきた研磨装置であっても本発明を適用できることとなる。
【0041】
以上説明した実施の形態では支持部を取り付ける前の眼内レンズを用いて研磨を行っているが、これに限るものではなく、支持部が光学部に接合された3ピースの眼内レンズや、光学部と支持部が一体的に成形された1ピースの眼内レンズにおいても適用可能である。この場合には、上述した研磨用器具40の構成を若干変更し、図5(a)に示すような支持部を格納するための溝61を有した研磨用器具60を用いればよい。眼内レンズの支持部は一般的にコバ外周からレンズ前面側へ傾斜して光学部に取り付けられるため、レンズ前面側を研磨する場合には支持部を凹部の底から露出させないために図4(b)で示した凹部43の底形状を図5(b)に示すようなすり鉢状の底形状62とし、そこに支持部用の溝61を設けておけばよい。
【0042】
また、レンズ後面側を研磨する場合には、支持部は下向きとなるため図4(b)で示した凹部43の底形状を図5(c)に示すような山形状の底形状63とし、そこに支持部用の溝61を設けておけばよい。また、レンズ後面側を研磨する際に使用する研磨用器具は眼内レンズ100を固定保持させるための吸引路64を開口部中心に設けておく必要がある。
【0043】
このように支持部が取り付けられている眼内レンズ100を研磨する場合であっても図5(b),(c)に示す研磨用器具を固定台に交換しながら使用することによって、エッジをシャープに保ちつつ眼内レンズ100の研磨を行うことが可能となる。
【0044】
<実施例2>
図9(a)は本発明を適用したタンブリング研磨装置の外観を示した図である。
60は研磨装置本体であり、眼内レンズ100を入れるために内部が中空状になっている八角柱状の容器である。61は蓋部であり、この蓋部61を取り外すことにより、装置本体60内に眼内レンズを入れることができる。62は図示なきモータによって回転駆動するローラー部である。図に示すようにローラー部62は所定の間隔を開けて2本平行に設置されている。装置本体60はこの2本のローラー部62の上に載置された後、ローラー部62の回転動作によってローラブー部62の回転方向とは逆に回転されることとなる。
【0045】
図6(b)は装置本体60の内部構成を示す図である。
装置本体60の内壁には固定台63が複数個取り付けられている(図では4個取り付けた状態を示している)。固定台63は実施例1で示した固定台と略同形状を有しており、眼内レンズ100を挿入、載置するための凹部(孔)が固定台63の上面に各々設けられている。この凹部の形状は、その開口径が眼内レンズの径と略同径であるとともに、眼内レンズ100を凹部に挿入した際に、眼内レンズ100のエッジ100dが凹部の開口部の縁の高さ位置と同じか、それよりも下側に位置するような形状となっており、実施例1で示した凹部と同機能を有している。
【0046】
64は眼内レンズ100を研磨するための研磨手段であり、ここではガラスビーズを使用している。ガラスビーズの径は、眼内レンズ100を固定台63に挿入、載置したときに凹部と眼内レンズとの隙間に入らないような径であることが好ましい。また言い換えると、眼内レンズ100と凹部の開口径との隙間はガラスビーズ64の径よりも狭くなっていることが好ましい。
【0047】
以上のような構成を備える研磨装置において、その研磨方法について以下に説明する。
装置本体60の蓋を外し、内壁に設置されている固定台63の凹部内に両面テープ等を用いて眼内レンズ100を固定保持させておく。その後、研磨剤を適量だけ装置本体60内に入れた後、蓋を閉め、ローラー部62上に装置本体60を載置させる。ローラー部62を回転駆動して装置本体60を回転させ、内部のガラスビーズを攪拌させることにより眼内レンズ100の表面を研磨する。
【0048】
眼内レンズ100の片面の研磨が終了したら、眼内レンズ100を裏返しして再び同じように研磨作業を行い、眼内レンズのレンズ両面の研磨を行う。実施例1と同じように、研磨を行ってもエッジ100dは研磨されないため、エッジをシャープに保ったまま研磨を行うことができる。
【0049】
このように実施例2では、タンブリング研磨における研磨方法を示したが、固定台63を装置本体60に設けるものでなくともよい。例えば図10に示すようにエッジ100dを研磨させないような形状を有する研磨用器具70を複数個装置本体60内に入れ、装置本体60の回転により、ガラスビーズ64とともに研磨用器具70を攪拌させて研磨を行うこともできる。
【0050】
ここで図10(a)は研磨用器具70を上方から見たときの図であり、図10(b)は図10(a)で示す研磨用器具70の横の断面を示した図である。
図10(a),(b)に示すように研磨用器具70は略円柱状の治具であり、装置本体60の回転時に攪拌可能な重量であり、他の研磨用器具70と当たっても眼内レンズ100に傷がつかないような軟性の材質にて作られている。このような材質は、例えばゴム、硬質のスポンジ類や眼内レンズ素材等、が挙げられる。また、図示するように外観で角張ったところがなく丸みをおびた形状とすることによって、攪拌時における研磨用器具70と他の研磨用器具70に取り付けた眼内レンズ100との接触による傷つきを防止している。
【0051】
71は研磨用器具70に設けられた凹部であり、研磨用器具70の上面と底面にそれぞれ設けられている。凹部71は実施例1で示した凹部や実施例2の固定台63に設けられている凹部と同様の機能を有するものであり、凹部71の開口径は眼内レンズ100の径と略同径となっている。また、凹部71の深さは眼内レンズ100を凹部71に挿入、載置した際にエッジ100dの高さが開口部の縁71aの位置と同じかそれより下側(凹部の底側)に位置するような深さとなっている。また研磨用器具70への眼内レンズ100の取付(凹部71内への眼内レンズ100の固定保持)は、例えば両面テープ等にて行うことができる。
【0052】
眼内レンズ100はこのような研磨用器具70に取りつけた後、装置本体60内に研磨用器具70を入れて、研磨剤やガラスビーズ64とともに攪拌させることによって研磨されることとなる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明ではエッジがシャープにされた眼内レンズを製造後、眼内レンズのエッジ部分をシャープに保ちつつレンズ部を簡単に研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態で使用する眼内レンズの外観を示した図である。
【図2】研磨装置の概略構成を示す図である。
【図3】研磨装置に設けられる固定台の詳細を示す図である。
【図4】固定台に使用する研磨用器具の構成を示した図である。
【図5】支持部が取り付けられた眼内レンズを研磨するための研磨用器具の構成を示す図である。
【図6】エッジがシャープな眼内レンズにて嚢内の細胞の増殖,進行を抑えるようすを示した図である。
【図7】本発明の研磨方法にて研磨した後の眼内レンズのエッジ周辺を写した電子顕微鏡写真である。
【図8】従来のバフ研磨にて研磨を行った後の眼内レンズのエッジ周辺を写した電子顕微鏡写真である。
【図9】タンブリング研磨を行う研磨装置の構成を示す図である。
【図10】タンブリング研磨を行う研磨装置内に入れる研磨用器具の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 研磨装置本体
10 基台部
11 固定台
13 回転手段
15 凹部
20 研磨部
21 研磨手段
24 回転手段
25 駆動手段
30 制御手段
100 眼内レンズ
100d エッジ
Claims (4)
- 眼内レンズのレンズ表面を研磨する方法において、眼内レンズを載置する固定台に設けられる孔部であって,前記眼内レンズを前記孔部内に載置したときに前記眼内レンズのエッジの高さ位置が前記孔部に形成される開口部の縁の高さ位置と同じかそれより下側に位置するだけの深さを有する孔部に、前記眼内レンズを挿入し前記開口部の縁より上方に位置する前記眼内レンズの表面部分を研磨手段によって研磨することを特徴とする眼内レンズの研磨方法。
- 請求項1の研磨方法において、前記孔部に形成される開口部の開口径は眼内レンズのレンズ径と略一致する径であることを特徴とする眼内レンズの研磨方法。
- 請求項2の研磨方法は、前記固定台を眼内レンズの光軸を略回転軸として回転させるとともに、前記固定台と対向して配置されたスポンジ状の研磨手段を前記固定台の回転方向と反対の回転させながら所定の圧力にて前記眼内レンズに押圧させて研磨を行うことを特徴とする眼内レンズの研磨方法。
- 請求項1〜3の眼内レンズの研磨方法において、眼内レンズの研磨面とは反対側のレンズ面を吸引することにより前記固定台に眼内レンズを固定保持させることを特徴とする眼内レンズの研磨方法。
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