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JP4047035B2 - 洗浄剤及び洗浄剤製品 - Google Patents

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JP4047035B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出装置を備えた吐出容器を用いて洗浄対象物に洗浄剤を噴霧したときに、スムーズな吐出性が得られると共に、優れた付着滞留性、汚れ除去性能を示し、台所や浴室等において、好適に使用できる、ストレーナーや三角コーナー等の網目構造体用の洗浄剤及び洗浄剤製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、台所の三角コーナー等に発生するヌメリ汚れは、細菌、酵母、カビ等の微生物やそれらが食物などを分解した時の代謝物で構成されており、経時によりいわばヌルヌル状のものに変化する為に、消費者の多くはこうした汚れを実際に手で触ったり、スポンジでこすって落す作業はできれば行いたくないと感じている。
また、台所周りには夏場などに黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、病原大腸菌といった食中毒の原因となる菌が発生する事があり、これらを分解除去する必要もある。
【0003】
そのため、直接こすることなくぬめり汚れを除去するとともに、細菌等を1度に分解、除去するために、次亜塩素酸アルカリ金属塩を主基剤とする漂白剤が多用されている。
その際、近年、手軽に使用する為にトリガー式スプレーヤ等の吐出装置を供えた吐出容器に漂白洗浄剤を収納し、この吐出装置を用いて漂白洗浄剤を噴霧する方法が多く採用されている。この場合、洗浄対象物への付着滞留性を向上させることが求められている。
【0004】
付着滞留性を向上させる方法としては、洗浄剤を増粘化して、付着滞留性を向上させる試みが行われている。増粘化を図る組成としては、特定の架橋型高分子を配合する組成(特開平06-235000号公報)、ケイ酸ナトリウムマグネシウムを配合する組成(特開平11-217596号公報)、特定の界面活性剤と疎水性有機対イオンを配合する組成(特開平11-279591号公報)が開示されている。
【0005】
一方、造泡筒(実公平6−34858号公報等)や網目状スクリーン(特公昭63−2668号公報)を設けて、比較的粘度の低い洗浄剤を発泡させることが行われている。この場合、粘性が低いために吐出性が良く、洗浄対象物表面を比較的均一に覆うように、洗浄剤を付着させることが可能である。また、泡により見かけ上の比重が低下するため、洗浄対象物表面に付着後に、自重によって直ちに液だれすることがなく、ある程度同じ位置に滞留させることが可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、洗浄剤を増粘化する方法では、吐出時の粘性が高すぎ、スムーズな吐出性能が得難く、吐出液が水鉄砲状に直線的に噴射されるか或いは斑に噴射され、洗浄対象物表面を均一に覆うことができないという問題があった。また、自重による液だれが生じ、付着滞留性も充分とは言えないものであった。
一方、上記のように、比較的粘度の低い洗浄剤を発泡させる方法では、発泡を可能とする程度に粘度を低下させなければならないので、付着滞留性は泡によってある程度改善はされるものの、充分とは言えないものであった。
【0007】
さらに、洗浄対象物がストレーナーや三角コーナー等の網目構造体である場合、洗浄剤を増粘化する方法、洗浄剤を発泡させる方法の何れの場合にも、洗浄剤が網目の間を通り抜けてしまい、吐出した洗浄剤の一部しか、洗浄対象物に付着させることができないという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、スムーズな吐出性を有すると共に、網目を通過することなく、洗浄対象物表面の汚れを均一に覆うように付着し、優れた付着滞留性、汚れ除去性能を発揮することが可能な、ストレーナーや三角コーナー等の網目構造体用の洗浄剤及び洗浄剤製品を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、洗浄剤にチキソトロピー性を持たせることにより、比較的高粘度であっても造泡が可能となり、かつスムーズな吐出が可能となることを見出した。また、泡の大きさをある程度粗くすることにより、吐出した洗浄剤が網目を通過しないようにできることを見出した。さらに、このように適度な粗さの泡を得るために、洗浄剤に特定の水溶性化合物を添加することが有効であることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)次亜塩素酸アルカリ金属塩、(2)アルカリ剤、(3)界面活性剤、及び(4)水溶性化合物を含有する洗浄剤であって、(3)界面活性剤が、(a)脂肪酸のアルカリ金属塩、(b)アミンオキサイド、及び(c)アルキルベンゼンスルホン酸塩を含む界面活性剤混合物であり、(4)水溶性化合物が、下記(A)〜(C)の何れかの水溶性化合物又はこれらの混合物であり、洗浄剤中、(1)次亜塩素酸アルカリ金属塩の含有量が0.1〜10質量%、(2)アルカリ剤の含有量が0.1〜5質量%、(3)界面活性剤の含有量が0.1〜10質量%、(4)水溶性化合物の含有量が0.05〜5質量%であり、(a)脂肪酸のアルカリ金属塩の含有量が0.01〜3質量%、(b)アミンオキサイドの含有量が0.01〜5質量%、(c)アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量が0.01〜0.5質量%であることを特徴とする網目構造体用の洗浄剤を提供する。
(A)下記(I)式で表される水溶性化合物
O(EO) (I)
(式中、R、R、EO、nは次のものを表す。
、R:水素、または炭素数1〜8の分岐あるいは直鎖のアルキル基
EO:オキシエチレン基
n:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、40≦n≦1000)
(B)下記(II)式で表される末端封鎖型の水溶性化合物の1種又は2種以上
O―(AO)−(EO)−R (II)
(式中、R、R、AO、EO、p、qは次のものを表す。
:置換基を含んでも良い炭素数1〜8の1価炭化水素基
:炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基
AO:炭素数3〜8のオキシアルキレン基から選ばれる1種又は2種以上
EO:オキシエチレン基
p:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦p≦10
q:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦q≦15
p+q=1〜15)
(C)下記(III)式で表される末端封鎖型の水溶性化合物の1種又は2種以上
O―[(AO)(EO)]−R (III)
(式中、R、R、AO、EO、s、tは次のものを表す。
:置換基を含んでも良い炭素数1〜8の1価炭化水素基
:炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基
AO:炭素数3〜8のオキシアルキレン基から選ばれる1種又は2種以上
EO:オキシエチレン基
s:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦s≦10
t:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦t≦15
s+t=1〜15)
【0011】
なお、上記一般式(III)において、[(AO)s(EO)t]は、アルキレンオキサイドとエチレンオキサイドとが、ランダムに混在して重合した状態を示すものである。(B)と(C)とは、付加モル数が小さい場合に同一となる場合があり、明確には区別できないものである。
【0012】
本発明の洗浄剤はチキソトロピー性を有するため、静置時に高い粘性を備えていても、吐出時には高い剪断応力を受けて流動性が増すため、吐出液が水鉄砲状に直線的に噴射されたり、斑に噴射されたりして、洗浄対象物表面を均一に覆うことができないという問題を解消することができる。
また、吐出後、洗浄対象物表面に達すると剪断応力が消滅するので、再度粘性が増す。さらに、吐出時には高い剪断応力を受けて流動性が増すため、洗浄剤中に泡を含ませて吐出することもできるので、見かけ上の比重を低下させることができる。したがって、洗浄対象物表面に付着後に、自重によって直ちに液だれすることを防止できる。すなわち、洗浄対象物表面に達した際の高い粘性と、見かけ上の比重低下とが相俟って、付着滞留性、汚れ除去性能を確保することができる。
【0013】
さらに、本発明の洗浄剤は、適度な粗さの泡状に吐出することが可能であり、洗浄対象物である網目構造体の網目を通過することを防止することができる。そのため、吐出した洗浄剤を効率的に洗浄対象物に付着させ、洗浄することができる。
本発明の洗浄剤を適度な粗さの泡状に吐出することができる理由は明確ではないが、上記特定の水溶性化合物が泡膜の中に入り込むことによって、安定した泡の形成を可能にしているものと推測される。
【0014】
したがって、本発明の洗浄剤は、洗浄対象物表面において高い粘性を示すと共に泡によって見かけ上の比重を低下させることができ、かつ適度な粗さの泡を形成するので、垂直面や傾斜面のみならず、ストレーナー、三角コーナー等の網目構造体に対しても優れた付着滞留性を示し、結果として汚れの主成分であるヌメリの除去や除菌力に高い効果を得ることができる。
【0016】
本発明において、前記洗浄剤の、Haake RS−100粘度計を用いて25℃において測定した粘度が、3000sec-1の剪断速度域では0.1〜100mPa・sであり、0.5sec-1の剪断速度域では100〜1×105mPa・sであることが望ましい。
ここで、3000sec-1の剪断速度域での粘度とは、剪断速度を0.5sec-1から3000sec-1まで、10分間で上昇したときの往路時に3000sec-1に達したときの粘度である。同様に、0.5sec-1の剪断速度域での粘度とは、剪断速度を3000sec-1から0.5sec-1まで10分間で下降したときの帰路時に0.5sec-1に達したときの粘度である。
本発明によれば、洗浄剤がトリガー式スプレーヤー等の吐出装置から噴霧する際の高せん断速度域では低い粘性を有し、壁面などに付着した際の低せん断速度域では高い粘性を有するので、吐出性と付着滞留性とを両立させることができる。
【0017】
本発明はまた、洗浄剤を収納する容器本体と、該容器本体内に収納された洗浄剤を吐出させる吐出装置とを有する吐出容器と、前記容器本体内に収納された洗浄剤とを備える洗浄剤製品であって、前記吐出装置が造泡機構を有すると共に、前記洗浄剤が前記本発明に係る洗浄剤であることを特徴とする網目構造体用の洗浄剤製品を提供する。
【0018】
本発明によれば、洗浄対象物に洗浄剤を噴霧したときに、洗浄剤を適度な粗さの泡状にして吐出することができ、洗浄対象物であるストレーナーや三角コーナー等の網目構造体に対して、優れた付着滞留性、汚れ除去性能を示し、台所や浴室等における使用に好適な網目構造体用の洗浄剤製品とすることができる。
【0019】
本発明においては、前記造泡機構として、洗浄剤の飛翔通路上に設けられた造泡筒を有する構成が好適に採用できる。なお、造泡筒は、洗浄剤の飛翔方向中心軸と略同一の中心軸を有するように配置されることが望ましい。この場合、洗浄剤は、造泡筒内壁に衝突しつつ造泡筒内部で空気を巻き込むので、効果的に泡を含ませることができる。
造泡筒を設ける場合、その内壁の最小径は2〜8mmとすることが望ましい。最小径が8mmよりも大きいと、洗浄剤が造泡筒内壁に衝突しにくくなり、洗浄剤に充分な泡を含ませることができなくなるからである。一方、最小径が2mmよりも小さいと、製作が困難であると共に、目詰まり等が生じやすく、また、適度なパターンに広がらないためである。
また、造泡筒を設ける場合、その内壁面に凹凸面部を形成しても良い。これにより、より効果的に泡を含ませることができる。
【0020】
本発明においては、前記造泡機構として、洗浄剤の飛翔通路上に設けられた網目状スクリーンを有する構成も好適に採用できる。なお、スクリーンは、洗浄剤の飛翔方向中心軸と略直交して配置されることが望ましい。
この場合、飛翔する洗浄剤が、スクリーンに達するまで周囲の部材と接触しないようにして構成してもよいが、スクリーンと前記造泡筒とを組み合わせた構成、特に、前記造泡筒の出口近傍に設ける構成とすることが望ましい。この場合、洗浄剤は、造泡筒内壁に衝突しつつ造泡筒内部で空気を巻き込み、さらに、スクリーン通過時にもスクリーン面で空気を巻き込むので、より効果的に泡を含ませることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の洗浄剤製品の実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る洗浄剤について説明する。本実施形態の洗浄剤は、(1)次亜塩素酸アルカリ金属塩、(2)アルカリ剤、(3)界面活性剤に加えて、(4)特定の水溶性化合物を含有する塩素系漂白剤である。
【0022】
本実施形態で用いられる(1)成分の次亜塩素酸アルカリ金属塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムが挙げられ、特に次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
本実施形態の洗浄剤における(1)成分中の次亜塩素酸アルカリ金属塩の含有量は、通常、組成物全体の0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%の範囲である。(1)成分の含有量が0.1%質量%未満であると漂白力が不足し、また10質量%を超えても漂白力は特に向上しない。
【0023】
本実施形態に使用される(2)成分のアルカリ剤としては、特に制限はないが、苛性アルカリや珪酸塩等が挙げられる。苛性アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が、珪酸塩としてはメタ珪酸ナトリウム等が使用されるが、これらのうち水酸化ナトリウムが好ましく使用される。
本実施形態の洗浄剤中における(2)成分のアルカリ剤の含有量は、通常、組成物全体の0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。(2)成分の含有量が0.1質量%未満になると経時による安定性が劣化し、5質量%を超えると皮膚や眼の粘膜による影響が考えられ、配合による効果が発揮できない。
【0024】
本実施形態に使用される(3)成分の界面活性剤は、(a)脂肪酸のアルカリ金属塩、(b)アミンオキサイド、(c)アルキルベンゼンスルホン酸塩を含む界面活性剤混合物である。
【0025】
上記の界面活性剤混合物について、更に詳細に説明する。
(a)成分である脂肪酸のアルカリ金属塩としては、特に制限されないが、炭素数が8〜20の直鎖または分岐鎖の不飽和を含む脂肪酸のアルカリ金属塩が好適である。適当な不飽和を含む脂肪酸のアルカリ金属塩としては、例えば、平均約12個の炭素を含むヤシ脂肪酸(ヤシ油に由来)、平均約18個の炭素原子を含む獣脂脂肪酸(獣脂類脂肪に由来)、オレイン酸、リノール酸等のナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。これら不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩は、単独で使用してもよいが、例えば、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸とラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸との混合物のナトリウム塩、カリウム塩などを使用してもよい。この不飽和脂肪酸塩の割合は、(a)成分中に2質量%以上、特に7質量%以上であることが望ましい。
不飽和脂肪酸の占める割合が少なすぎると系の粘度が低下し、結果として付着滞留性が劣化するので好ましくない。
【0026】
本実施形態の洗浄剤中における(a)成分の含有量は特に制限されないが、好ましくは組成物全体の0.01〜3質量%、より好ましくは0.1〜2質量%の範囲である。(a)成分の含有量が0.01質量%未満になると付着滞留性が劣り、3質量%を越えると系の安定性が劣化する。
【0027】
(b)成分のアミンオキサイドとしては、特に制限されないが、第三級アミンオキサイドであることが好ましく、一般式R789N→Oで表される第三級アミンオキサイドであることが更に好ましい。前記一般式において、R7の炭素数8〜20のアルキル基としては、例えば、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、及び天然物から誘導された炭素数の異なるアルキル基の混合物等が挙げられる。これらの中では、ドデシル基、ヤシ油由来のアルキル基が好ましい。R8、R9は炭素数1〜3のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、好ましくはメチル基である。第三級アミンオキサイドの具体的な例としては、ヤシジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0028】
本実施形態の洗浄剤中における(b)成分の含有量は特に制限されないが、好ましくは組成物全体の0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。(b)成分の含有量が0.01質量%未満になると付着滞留性が劣り、5質量%を越えると経時による次亜塩素酸アルカリ金属塩の安定性が劣化する。
【0029】
(c)成分のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては特に制限されないが、ベンゼン環に置換するアルキル基の炭素数が8〜20、好ましくは12〜14であり、しかも直鎖状のものが好適である。
本実施形態の洗浄剤中における(c)成分の含有量は特に制限されないが、好ましくは組成物全体の0.01〜0.5質量%、より好ましくは0.05〜0.3質量%の範囲である。(c)成分の含有量が0.01質量%未満になると付着滞留性が劣り、0.5質量%を越えると系の安定性が劣化する。
【0030】
(a)〜(c)成分以外の界面活性剤としては、α-オレフィンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、主に次亜塩素酸アルカリ金属塩による高電解質溶液中に分散させた場合、静置状態や低せん断速度域においてはひも状ミセルが絡み合って高粘度化が図られ、吐出容器ノズルから吐出される高せん断速度域では流れに対して絡まりが解けるか或いはひも状ミセルが平行に配列するために粘性が極度に低下すると考えられる。また、静置状態に戻ると再びランダムな絡まりが形成され、再び粘性が高くなる準粘性流動のチキソトロピー性を示すものと考えられる。
【0031】
本実施形態においては、組成物が上記のような構造粘性を有することが重要であり、洗浄剤がトリガー式スプレーヤー等の吐出装置から噴霧する際の高せん断速度域では低い粘性を有し、壁面などに付着した際の低せん断速度域では高い粘性を有する必要がある。
【0032】
すなわち、25℃におけるHakke RS−100粘度計で測定した粘度が、3000sec-1の高せん断速度域では0.1〜100mPa・s、好ましくは1〜50mPa・s、更に好ましくは1〜10mPa・sであり、0.5sec-1の低せん断速度域では100〜1×105mPa・s、好ましくは5×102〜1×105mPa・s、更に好ましくは1×103mPa・s〜1×105mPa・sであることが望ましい。
【0033】
3000sec-1の高せん断速度域における粘度が上記値より高くなると、トリガー式スプレーヤー等の吐出装置から組成物を噴霧し難くなるので好ましくない。また、0.5sec-1の低せん断速度域における粘度が上記値よりも低くなると、洗浄対象物における付着滞留性が低下し、また、上記より高くなると後述のトリガー式スプレーヤー等の吐出装置におけるディップチューブから組成物を連続的にくみ上げにくくなるので好ましくない。
【0034】
本実施形態の洗浄剤中における(3)成分の界面活性剤の全体の含有量は特に制限されないが、好ましくは組成物全体の0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲である。(3)成分の含有量が0.1質量%未満になると、壁面等の網目構造体における付着滞留性が劣化し、10質量%を越えると組成物の粘度が高くなりすぎ、トリガー式スプレーヤー等の吐出装置を用いた場合に組成物が噴霧し難くなると共に、ディップチューブから組成物を連続的にくみ上げることができにくくなるので好ましくない。
【0035】
本実施形態に使用される(4)成分の水溶性化合物は、下記(A)〜(C)の何れかの水溶性化合物又はこれらの混合物である。
(A)下記(I)式で表される水溶性化合物
1O(EO)n2 (I)
(式中、R1、R2、EO、nは次のものを表す。
1、R2:水素、または炭素数1〜8の分岐あるいは直鎖のアルキル基
EO:オキシエチレン基
n:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、40≦n≦1000)
【0036】
(B)下記(II)式で表される末端封鎖型の水溶性化合物の1種又は2種以上
3O―(AO)p−(EO)q−R4 (II)
(式中、R3、R4、AO、EO、p、qは次のものを表す。
3:置換基を含んでも良い炭素数1〜8の1価炭化水素基
4:炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基
AO:炭素数3〜8のオキシアルキレン基から選ばれる1種又は2種以上
EO:オキシエチレン基
p:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦p≦10
q:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦q≦15
p+q=1〜15)
【0037】
(C)下記(III)式で表される末端封鎖型の水溶性化合物の1種又は2種以上
5O―[(AO)s(EO)t]−R6 (III)
(式中、R5、R6、AO、EO、s、tは次のものを表す。
5:置換基を含んでも良い炭素数1〜8の1価炭化水素基
6:炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基
AO:炭素数3〜8のオキシアルキレン基から選ばれる1種又は2種以上
EO:オキシエチレン基
s:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦s≦10
t:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦t≦15
s+t=1〜15)
【0038】
上記の(A)〜(C)の水溶性化合物について、更に詳細に説明する。
(A)の水溶性化合物において、前記一般式(I)のR1、R2は水素、または炭素数1〜8の分岐あるいは直鎖のアルキル基であり、アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
また、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるnは、40≦n≦1000の数、好ましくは80≦n≦500である。nが40未満では、充分な付着性が得られず、nが1000を超えると、組成中への溶解性が劣化し、特に低温保存下で析出が生じ好ましくない。
【0039】
なお、(A)の水溶性化合物は、(B)、(C)の水溶性化合物のように、末端封鎖型でなくとも良い。これは、(A)の水溶性化合物が比較的高分子であるため、末端が未封鎖であって経時により多少分解が生じても、効果を維持できるためと考えられる。
【0040】
(B)の水溶性化合物において、前記一般式(II)のR3は置換基を含んでも良い炭素数1〜8の1価の炭化水素基であり、具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。R4は炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、具体例としては、メチル、エチル、ビニル、アリル等が挙げられる。
AOは炭素数3〜8のオキシアルキレン基から選ばれる1種又は2種以上であり、具体例としては、オキシプロピレン、オキシブチレン等が挙げられる。アルキレンオキサイドの平均付加モル数であるpは、0≦p≦10の数、好ましくは0≦p≦3である。
また、EOはオキシエチレン基であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるqは、0≦q≦15の数、好ましくは0≦q≦5で、p+qは1〜15の数、好ましくは1〜5である。
【0041】
(C)の水溶性化合物が(B)の水溶性化合物と相違する点は、アルキレンオキサイドとエチレンオキサイドとがランダムに混在して重合している点である。すなわち、前記一般式(III)において、R5は置換基を含んでも良い炭化水素数1〜8の1価炭化水素であり、具体例しては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。R6は炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、メチル、エチル、ビニル、アリル等が挙げられる。
AOは炭素数3〜8のオキシアルキレン基から選ばれる1種又は2種以上であり、具体例としては、オキシプロピレン、オキシブチレン等が挙げられる。アルキレンオキサイドの平均付加モル数であるsは0≦s≦10の数、好ましくは0≦s≦3である。
また、EOはオキシエチレン基であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるtは0≦t≦15の数、好ましくは0≦t≦5で、s+tは1〜15の数、好ましくは1〜5である。
【0042】
上記(B)、(C)の水溶性化合物の具体的例としては、エチレングリコールエーテルジメチルエーテル、トリエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピレンメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールブチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールブチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、トリエチレングリコールメチルプロピルエーテル、テトラエチレングリコールプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ペンタエチレングリコールブチレングリコールメチルプロピルエーテル、トリエチレンメチルブチルエーテル、ペンタエチレングリコールプロピレングリコールメチルブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルペンチルグリコール、ペンタエチレングリコールプロピレングリコールメチルペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールメチルヘキシルエーテル、ヘキサエチレングリコールプロピレングリコールメチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられ、この中で好ましくはジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0043】
なお、(B)、(C)の水溶性化合物は、末端封鎖型とする必要がある。これは、(B)、(C)の水溶性化合物が比較的低分子であるため、末端が未封鎖であると、(1)成分の次亜塩素酸アルカリ金属塩によって分解が生じ、良好な付着滞留性付与の効果を維持できないからである。
【0044】
本実施形態の洗浄剤中における(4)の水溶性化合物の含有量は通常0.05%〜5質量%、好ましくは0.1%〜3質量%の範囲である。
(4)の水溶性化合物の量が少なすぎると、粘調な内溶液中に粗い気泡が形成せず、結果として、網目構造を有する構造体への付着性が得られない。一方、多すぎると漂白基材である次亜塩素酸アルカリ金属塩の分解が促進され好ましくない。
上記(4)の水溶性化合物は、その1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0045】
これらの水溶性化合物を含有することにより、吐出物内に粗い泡が形成され、その結果、洗浄対象物である網目構造体の網目を通過することなく、効率良く付着することができる。
【0046】
本実施形態の洗浄剤は、上記(1)〜(4)成分を必須成分とするが、その他に洗浄性能を向上させるビルダーとしてトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸塩、溶剤、色素、香料等の任意成分を配合することも可能である。これら任意成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。また、本実施形態の洗浄剤は、上記の必須成分及びそれ以外の任意成分にバランス量の水を加えて常法により調整することができる。
【0047】
次に、本実施形態に係る洗浄剤製品について説明する。本実施形態に係る洗浄剤製品は、上記本実施形態に係る洗浄剤を吐出装置を備える吐出容器に充填したものである。本実施形態では、吐出装置としてトリガーポンプを用いたトリガー式の吐出容器に洗浄剤を充填して洗浄剤製品とした場合について説明する。
図1は、本発明の実施形態の洗浄剤製品を示す概略構成図である。本実施形態の洗浄剤製品は、吐出容器1と洗浄剤70とからなり、吐出容器1は、頸部13aを有して、洗浄剤70が充填された容器本体13と、頸部13aの上部に取り付けられたトリガーポンプ20(吐出装置)とから構成されている。なお、洗浄剤70は、上記で説明した本実施形態の洗浄剤である。
【0048】
トリガーポンプ20は、射出筒14と、トリガーレバー11と、キャップ16と、容器本体内13内に挿入され、射出筒14の上流側に連結したディップチューブ17と、射出筒14の先端側に取り付けられ、射出筒14の下流側に連結した噴射ノズル15とから概略構成されており、噴射ノズル15に造泡機構が設けられている。
射出筒14内部の詳細な説明と図示は省略するが、トリガーレバー11により動作するピストン部12が組み込まれ、このピストン部12の上流側の吸入弁と、下流側の噴出弁とを備えている。そして、このピストン部12を動作させることによって、ディップチューブ17から導入された洗浄剤70を、噴射ノズル15に高圧で送液するようになっている。
なお、各部材の材質に特に限定はないが、トリガーレバー11、キャップ16、噴射ノズル15、容器本体内13とは、ポリプロピレン製とすることが好ましい。また、ピストン部は、SUS316からなるスプリングを組み込み、軟質ポリエチレンで形成することが好ましい。また、吸入弁や噴出弁は、軟質ポリエチレン製のバルブやポリエチレン製のボール等を用いて構成することができる。
また、ディップチューブ17は軟質ポリエチレン等により形成され、ポリプロピレン等からなるインテイク(図示せず)を介してキャップ16内部に固定されており、キャップ16は、発砲ポリエチレン等からなるパッキン(図示せず)を介して、容器本体13に水密に螺合するようになっている。
【0049】
洗浄剤70に泡を含ませるための造泡機構は、噴射ノズル15に設けられている。噴射ノズル15では、泡モード、閉モードの何れかを選択できるようになっている。そして、泡モードが選択された場合は、噴射ノズル15内の造泡機構(造泡筒39及びスクリーン42)によって、洗浄剤70に泡が生成され、この泡を含んだ洗浄剤70が、噴射液として洗浄対象物に向けて噴射されるようになっている。
以下、各モード毎に、噴射ノズル15の構成及び作用を詳述する。
【0050】
図2は、泡モードにおける噴射ノズル15を示す縦断面図である。
図2において、符号31は射出筒14の先端部において、ピストン部12の下流側の端部12b内部に内嵌固定された洗浄剤ガイド体である。洗浄剤ガイド体31の先端部は、周方向複数箇所の母線方向に浅溝60,60が形成された栓体32となっている。
【0051】
また、符号28はノズル本体で、略筒状の嵌合壁25においてピストン部12の端部12bに回動可能に嵌合されている。嵌合壁25の下流側端面には遮蔽壁26が形成されており、その中央には、栓体32の先端部に近接してノズル孔27が形成されている。このノズル孔27と栓体32との間の空隙は、スピン領域63となっている。
また、ノズル本体28には、遮蔽壁26から上流側に向かって内筒部33が形成されており、内筒部33の突出端部61には、周方向複数箇所の母線方向に内溝24,24が形成されている。そして、図2の泡モードの場合、この内溝24,24と浅溝60,60の位置が周方向で一致し、これらの溝が連絡して形成される内筒部33と洗浄剤ガイド体31との間の空隙及びスピン領域63とが、ピストン部12からノズル穴27に通じる流路62となっている。
【0052】
また、ノズル本体28の周壁50は、下流側に突出壁51を有しておりこの突出壁51には、スクリーン42及び造泡筒39と共に一体成形された取付筒41が内嵌固定されている。造泡筒39は、取付筒41と同軸上に下流側端面を揃えて配置されている。また、造泡筒39は取付筒41より小径かつ短く形成され、造泡筒39と遮蔽壁26との間に空隙34が形成されるようになっている。また、スクリーン42は造泡筒39と取付筒41との下流側端面に位置しており、このスクリーン42によって、造泡筒39の取付筒41に対する位置が保たれている。
なお、遮蔽壁26の下流側には、造泡筒39側に突出する液垂れ防止機構80が形成されている。
造泡筒39の内壁40は平坦な円筒状に形成されているが、泡の形成をさらに促進させる必要がある場合には、種々のパターンでリング状の突条を形成しても差し支えない。また、スクリーン42には、種々のパターンで複数の網穴43…が形成されている。
この網穴43…から造泡筒39と取付筒41との間を経由して空隙34に至る経路が、造泡筒39内部への空気導入路52となっている。
【0053】
上述のように、図2に示す泡モードでは、内溝24,24と浅溝60,60の位置が周方向で一致し、これらの溝が連絡して形成される内筒部33と洗浄剤ガイド体31との間の空隙及びスピン領域63とが、ピストン部12からノズル穴27に通じる流路62となっている。この場合流路62は、浅溝60,60の位置で幅狭であり、スピン領域63に入る位置で急激な曲がり角を有するものとなっている。
したがって、ピストン部12によって高圧化された洗浄剤70が供給されると、この高圧の洗浄剤70がスピン領域63の周囲から中心部に向かって急激に流入し、高速回転される。
そして、ノズル孔27から回転しつつ円錐流形に射出され、これが造泡筒39の内壁40に衝突しなからスクリーン42に到達し、さらに、スクリーン42に衝突しつつ、噴射口39aの網穴43、43から噴射液Fとして吐出される。
【0054】
このように、洗浄剤70が流路62を経てノズル孔27を通過する過程では、ノズル15の各部材から剪断応力を受けて粘度が低下するので、使用者の強い握力を要することなく、射出できる。また、高粘度の洗浄剤を強制的に吐出したときのように斑になることもなく、ノズル孔27から均一に射出される。一方、適度な粘性を保っているので、造泡筒39の内壁40やスクリーン42に衝突する過程で、空気Gを細かい気泡として、適度に取り込むことができる。
【0055】
そして、噴射液Fは洗浄対象物に達すると、急激に剪断応力が低下し、直ちに高粘度を取り戻す。このように高粘度を取り戻すと共に、取り込んだ気泡により見かけの比重が低下しているため、噴射液Fは、高い付着滞留性を有するものである。また、ノズル孔27から均一に射出されているので、洗浄対象物にも均一に付着することができる。
【0056】
図3は、閉モードにおける噴射ノズル15を示す縦断面図である。
図3において、図2と同一の構成部材には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、図2に示す泡モードから図3閉モードへの切り替えは、ノズル本体28を120度回転させることによりなされるが、説明の便宜のため、図3では、洗浄剤ガイド体31側を120度回転させた状態を示している。
【0057】
そして、図3の閉モードの場合、内溝24,24に連絡べき周方向には、栓体32の浅溝60が形成されていない箇所が位置し、流路62は、栓体32によりノズル孔27まで到達せずに塞がれるようになっている。
したがって、ピストン部12によって高圧化された洗浄剤70が供給されてもノズル15から洗浄剤70は噴射されることはない。
【0058】
なお、本実施形態では造泡筒39等をノズル本体28とは別体として独立に形成しているが、ノズル本体28と一体に形成してもよい。例えば、空気導入路52を確保しつつ、内筒部33に連続させて形成してもよい。
また、本実施形態では、トリガーポンプを用いたトリガー式の吐出容器に洗浄剤を充填して洗浄剤製品としたが、フォーマーポンプディスペンサーを用いることも可能である。
【0059】
図4は、本実施形態の洗浄剤製品によって本実施形態の洗浄剤をストレーナーにスプレーした約10秒後の状態を示す写真である。図4に示すように、ストレーナーW周壁の網目Mを通過させることなく周囲を覆うようにして洗浄剤の粗い泡Bを付着させ、その後も滞留させることが可能である。したがって、本実施形態によれば、ストレーナー等の網目構造を有する洗浄対象物に対して、優れた汚れ除去性能を発揮することができる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
表1〜3に示す組成の実施例1〜10、比較例1〜5の洗浄剤を調製した。これらの表に示すように、各実施例等において、(1)成分の次亜塩素酸アルカリ金属塩としては、次亜塩素酸ナトリウムを用いた。また、(2)成分のアルカリ剤としては、水酸化ナトリウムを用いた。
【0061】
また、(3)成分の界面活性剤については、(a)脂肪酸のアルカリ金属塩としてヤシ脂肪酸ナトリウムを、(b)アミンオキサイドとしてヤシジメチルアミンオキサイドを、(c)アルキルベンゼンスルホン酸塩としてラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを各々用いた。なお、実施例1〜10では、ヤシ脂肪酸ナトリウムとして椰子脂肪酸(日本油脂製)を、比較例1〜5では、ヤシ脂肪酸ナトリウムとしてNAA−415(日本油脂製)を、各々用いた。
【0062】
また、各実施例等の(4)成分の水溶性化合物としては、下記の化合物1〜6の何れかの水溶性化合物を用いた。
化合物1:HO(EO)100
化合物2:HO(EO)400
化合物3:HO(EO)200CH3
化合物4:ジエチレングリコールジメチルエーテル
化合物5:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
化合物6:ジエチレングリコールジブチルエーテル
【0063】
得られた実施例1〜10、比較例1〜5の各洗浄剤について、HAAKE FISONS社製の粘度計(Rho Stress RS-100)を用いて粘度を測定した。コーンプレートはC35/4゜を用い、試料量は約0.5mlとした。せん断速度は0〜3000sec-1/10分、3000〜0sec-1/10分で変化させ、往路時における3000sec-1の粘度と帰路時における0.5sec-1の粘度を測定した結果を表1〜3に示した。
【0064】
得られた実施例1〜10、比較例1〜5の各洗浄剤について、吐出性、付着滞留性、ヌメリ除去性を下記のように評価した。
【0065】
<吐出性の評価>
トリガー式スプレーヤー(吉野工業所製)に各実施例等の洗浄剤を充填した。そして、メッシュNo.16(呼び寸法1mm)を水平面に対して垂直になるように立て、その中央部分に、距離が10cmになる位置から、メッシュNo.16に対する法線の上側30度の角度でストロークして噴霧した。初期の空打ちによる影響等を除くため1〜4回のストロークは除き、5回から10回までのストロークについて、5人のパネラーにより下記の基準に従って官能評価した。結果を表1〜3に示す。
【0066】
評価基準;
○:抵抗なくストロークでき、均一に洗浄剤を吐出できる。
△:ストロークに若干抵抗があり、連続噴霧がしにくい。
×:ストロークにかなり抵抗があり、連続噴霧できない。
【0067】
<付着滞留性の評価>
付着滞留性は、付着滞留率の測定、及び目視観察で評価した。
1.付着滞留率の測定
トリガー式スプレーヤー(吉野工業所製)に各実施例等の洗浄剤を充填した。そして、メッシュNo.16(呼び寸法1mm)を水平面に対して垂直になるように立て、その中央部分に、距離が10cmになる位置から、メッシュNo.16に対する法線の上側30度の角度で噴霧し、噴霧前と噴霧後(直後)の重量及び噴霧量から下記[数1]の式より付着滞留率を算出した。結果を表1〜3に示す。
【0068】
【数1】
Figure 0004047035
【0069】
2.目視観察
トリガー式スプレーヤー(吉野工業所製)に各実施例等の洗浄剤を充填した。そして、金属製ストレーナーを、その周壁が水平面に対して垂直になるように置き、この周壁に対して、距離が10cmになる位置から、周壁に対する法線の上側30度の角度で噴霧し、これによってストレーナーに付着した泡の状態、及びストレーナーの網目を抜けて飛散した飛沫の状態を観察した。
【0070】
図5に実施例1の洗浄剤を噴霧した結果を写真で示す。図5(a)は噴霧中の様子を斜め上方から撮影した写真、図5(b)は噴霧直後のストレーナーの周壁に付着した泡を、内側から撮影した写真である。図5(a)に示すように、洗浄剤の泡b1は、ストレーナーWの周壁内側に大部分が留まり、飛沫s1は、ごく僅かしかストレーナーWの外側に飛散しなかった。また、図5(b)に示すように、泡b1は比較的粗い泡状であり、ストレーナーWの周壁に液だれすることなく留まっていた。実施例2〜10についても、同様の状態が観察された。
【0071】
図6に比較例1の洗浄剤を噴霧した結果を写真で示す。図6(a)は噴霧中の様子を斜め上方から撮影した写真、図6(b)は噴霧直後のストレーナーの周壁に付着した泡を、内側から撮影した写真である。図6(a)に示すように、洗浄剤の泡b2は、ストレーナーWの周壁の外側にはみ出たところである程度留まったか、かなりの量の飛沫s2がストレーナーWの外側に飛散した。また、図6(b)に示すように、ストレーナーWの周壁に付着した泡b2は比較的細かい泡状であった。比較例2〜4についても、同様の状態が観察された。
【0072】
図7に比較例5の洗浄剤を噴霧した結果を写真で示す。図7(a)は噴霧中の様子を斜め上方から撮影した写真、図7(b)は噴霧直後のストレーナーの周壁に付着した泡を、内側から撮影した写真である。図7(a)に示すように、洗浄剤の泡b3は、ストレーナーWの周壁内側にある程度留まったが、かなりの量の飛沫s3がストレーナーWの外側に飛散した。また、図7(c)に示すように、泡b3は充分に空気を含んだ状態には形成されておらず、ストレーナーWの周壁で液だれが観察された。
【0073】
<ヌメリ除去性の評価>
トリガー式スプレーヤー(吉野工業所製)に各実施例等の洗浄剤を充填した。そして、2ヵ月間家庭で使用してヌメリがほぼ全面に付着したストレーナーに、20平方cm当たり1回スプレーし(噴霧量1ml)、10分放置後の汚れの落ち具合を目視で観察し、以下の基準で評価した。
評価基準;
○:よく落ちる
△:やや落ちる
×:全く落ちない
【0074】
【表1】
Figure 0004047035
【0075】
【表2】
Figure 0004047035
【0076】
【表3】
Figure 0004047035
【0077】
以上の結果に示すように、いずれの実施例の洗浄剤についても、せん断速度3000sec-1における粘度は充分に低く、良好な吐出性を示した。また、ストレーナーW周壁の網目を通過しにくく、75%以上の高い付着滞留率を示した。また、せん断速度0.5sec-1における粘度が充分に高く、良好な付着滞留性を示し、高いヌメリ除去性が得られた。
【0078】
一方、せん断速度0.5sec-1における粘度が10以下の比較例1〜4の洗浄剤では、細かい泡がストレーナーW周壁の網目を通過してしまい、ストレーナーW周壁の網目を通過した多量の飛沫が観察され、付着滞留率が低かった。その結果、比較例1〜4の洗浄剤では、ヌメリの除去ができなかった。
さらに、比較例5の洗浄剤では、せん断速度0.5sec-1における粘度は実施例と同等であったが、充分な泡を含まず、ストレーナーW周壁の網目を通過してしまい、ストレーナーW周壁の網目を通過した多量の飛沫が観察され、付着滞留率が低かった。また、ストレーナーWの周壁に留まった泡も充分に空気を含まないため、液だれが観察された。その結果、比較例5の洗浄剤では、ヌメリの除去が不充分であった。
【0079】
【発明の効果】
本発明の洗浄剤は、特定の界面活性剤と水溶性化合物を含有し、かつチキソトロピー性を有することから、トリガー式スプレーヤー等の吐出装置から吐出させる際に、何ら抵抗なく良好に吐出すると共に、吐出液が比較的粗い泡を形成し、特にストレーナー、三角コーナー等に見られる垂直面、傾斜面の網目構造体への付着力に優れ、その結果、主な汚れであるヌメリに対する除去力が短時間で得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の洗浄剤製品を示す概略構成図である。
【図2】 図1の洗浄剤製品の泡モードにおける噴射ノズルを示す縦断面図である。
【図3】 図1の洗浄剤製品の閉モードにおける噴射ノズルを示す縦断面図である。
【図4】 本実施形態の洗浄剤製品によって本実施形態の洗浄剤をストレーナーにスプレーした約10秒後の状態を示す写真である。
【図5】 実施例1の洗浄剤を噴霧した結果の写真で、図5(a)は噴霧中の様子を斜め上方から撮影した写真、図5(b)は噴霧直後のストレーナーの周壁に付着した泡を、内側から撮影した写真である。
【図6】 比較例1の洗浄剤を噴霧した結果の写真で、図6(a)は噴霧中の様子を斜め上方から撮影した写真、図6(b)は噴霧直後のストレーナーの周壁に付着した泡を、内側から撮影した写真である。
【図7】 比較例5の洗浄剤を噴霧した結果の写真で、図7(a)は噴霧中の様子を斜め上方から撮影した写真、図7(b)は噴霧直後のストレーナーの周壁に付着した泡を、内側から撮影した写真である。
【符号の説明】
1・・・吐出容器、11・・・トリガーレバー、12・・・ピストン部、13・・・容器本体、13a・・・頸部、14・・・射出筒、17・・・ディップチューブ、15・・噴射ノズル、20・・・トリガーポンプ、27・・・ノズル孔、28・・・ノズル本体、31・・・洗浄剤ガイド体、32・・・栓体、33・・・内筒部、39・・・造泡筒、39a・・・噴射口、40・・・内壁、41・・・取付筒、42・・・スクリーン、43・・・網穴、50・・・周壁、52・・・空気導入路、60・・・浅溝、70・・・洗浄剤、W・・・ストレーナー、B・・・30、M・・・網目

Claims (2)

  1. (1)次亜塩素酸アルカリ金属塩、(2)アルカリ剤、(3)界面活性剤、及び(4)水溶性化合物を含有する洗浄剤であって
    (3)界面活性剤が、(a)脂肪酸のアルカリ金属塩、(b)アミンオキサイド、及び(c)アルキルベンゼンスルホン酸塩を含む界面活性剤混合物であり、
    (4)水溶性化合物が、下記(A)〜(C)の何れかの水溶性化合物又はこれらの混合物であり、
    洗浄剤中、(1)次亜塩素酸アルカリ金属塩の含有量が0.1〜10質量%、(2)アルカリ剤の含有量が0.1〜5質量%、(3)界面活性剤の含有量が0.1〜10質量%、(4)水溶性化合物の含有量が0.05〜5質量%であり、
    (a)脂肪酸のアルカリ金属塩の含有量が0.01〜3質量%、(b)アミンオキサイドの含有量が0.01〜5質量%、(c)アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量が0.01〜0.5質量%であることを特徴とする網目構造体用の洗浄剤。
    (A)下記(I)式で表される水溶性化合物
    O(EO) (I)
    (式中、R、R、EO、nは次のものを表す。
    、R:水素、または炭素数1〜8の分岐あるいは直鎖のアルキル基
    EO:オキシエチレン基
    n:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、40≦n≦1000)
    (B)下記(II)式で表される末端封鎖型の水溶性化合物の1種又は2種以上
    O―(AO)−(EO)−R (II)
    (式中、R、R、AO、EO、p、qは次のものを表す。
    :置換基を含んでも良い炭素数1〜8の1価炭化水素基
    :炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基
    AO:炭素数3〜8のオキシアルキレン基から選ばれる1種又は2種以上
    EO:オキシエチレン基
    p:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦p≦10
    q:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦q≦15
    p+q=1〜15)
    (C)下記(III)式で表される末端封鎖型の水溶性化合物の1種又は2種以上
    O―[(AO)(EO)]−R (III)
    (式中、R、R、AO、EO、s、tは次のものを表す。
    :置換基を含んでも良い炭素数1〜8の1価炭化水素基
    :炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基
    AO:炭素数3〜8のオキシアルキレン基から選ばれる1種又は2種以上
    EO:オキシエチレン基
    s:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦s≦10
    t:エチレンオキサイドの平均付加モル数であり、0≦t≦15
    s+t=1〜15)
  2. 洗浄剤を収納する容器本体と、該容器本体内に収納された洗浄剤を吐出させる吐出装置とを有する吐出容器と、前記容器本体内に収納された洗浄剤とを備える洗浄剤製品であって、前記吐出装置が造泡機構を有すると共に、前記洗浄剤が前記請求項1に記載の洗浄剤であることを特徴とする網目構造体用の洗浄剤製品。
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