JP3930591B2 - 光触媒性親水性コーティング組成物、親水性被膜の形成方法および被覆物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性の塗膜を形成するコーティング組成物に関する。
本発明のコーティング組成物は、例えば、ガラス、鏡、レンズのような透明物品の防曇、外部環境に曝露される種々の物品の防汚およびセルフクリーニング、並びに物品の洗浄を容易にするために使用することができるが、これらの用途に限定されるものではない。
本発明は、また、斯るコーティング組成物を用いた物品の防曇方法、物品のセルフクリーニング方法、物品の防汚方法、および物品の洗浄方法、並びに、上記コーティング組成物により形成された親水性被膜によって被覆された物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
外部環境に直接曝露される構造物や建造物を塗装するための塗料として、硬化に応じてシリコーン(オルガノポリシロキサン)やフッ素樹脂の被膜を形成することの可能な耐候性塗料が開発されている。シリコーンやフッ素樹脂からなる塗膜の利点は、太陽光による劣化が少ないので、耐候性に優れているということである。
従来、シリコーンやフッ素樹脂は撥水性・疎水性が高いので、斯る材料で形成された被膜は一般に防汚性にも優れていると考えられていた。しかし、環境汚染が進むに伴い、シリコーンやフッ素樹脂からなる被膜の汚れが目立つようになり、疎水性の被膜では防汚性が十分でないことが明らかとなった。疎水性被膜が汚れ易い原因として、排気ガス中のカーボンやススのような燃焼生成物からなる親油性成分を多く含む都市煤塵はむしろ疎水性の表面に付着しやすいことが指摘されている。そこで、最近では、防汚のためには、塗膜の表面をむしろ親水性にするのが望ましいと考えられている。
【0003】
カーボンやススのような親油性物質による塗膜の汚れを防止する技術として、シラノールの前駆体であるアルキルシリケートなどの親水性付与物質を塗料に添加することにより塗膜表面を親水性にし、塗膜表面に付着した汚染物質を雨水により洗い流すセルフクリーニング方法が提案されている。この方法によれば、汚染物質の吸着を一時的に防止することができるが、この種の親水性付与物質は耐水性に劣り、雨水などにより容易に洗い流されるので、セルフクリーニング効果が長期間持続しないという難点がある。
【0004】
また、従来技術においては、車両の風防ガラス、窓ガラス、鏡、眼鏡のレンズ、マスクやヘルメットのシールドなどの曇りや翳りを防止し、可視性を確保するため、防曇組成物が使用されている。この種の防曇組成物は、ポリエチレングリコールのような親水性化合物或いはシリコーンオイルのような撥水性化合物を含んでいる。この種の防曇組成物も一時的なもので、水洗や接触によって容易に取り除かれ、早期にその効果を失う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の主たる目的は、半永久的或いは恒久的に親水性を呈する塗膜を形成することの可能なコーティング組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、半永久的に親水性を呈し、かつ、耐候性と耐久性に優れた保護被膜を形成するコーティング組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、硬化に応じて優れた特性を備えた被膜を形成し、斯く形成された被膜を容易に親水化することの可能なコーティング組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、高度の親水性を呈する塗膜を形成することの可能なコーティング組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、半永久的な防曇被膜を形成することの可能なコーティング組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、半永久的に防汚性或いはセルフクリーニング効果を持続する被膜を形成するコーティング組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、物品の表面に容易に塗装することが可能で、耐久性と耐擦傷性に優れた高度に親水性の被膜を形成することの可能なコーティング組成物を提供することである。
【0006】
他の観点においては、本発明の目的は、基材の表面を高度に親水化する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、鏡、レンズ、ガラス、その他の透明基材の高度の可視性を長期間にわたり実現することの可能な防曇方法を提供することである。
本発明の他の目的は、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高度に親水化することにより、表面が汚れるのを防止し、又は表面を自己浄化(セルフクリーニング)し或いは容易に清掃する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
本発明の一観点においては、本発明は親水性の塗膜を形成するコーティング組成物を提供するもので、このコーティング組成物は、(a)硬化に応じてシリコーン(オルガノポリシロキサン)の被膜を形成するシリコーン前駆体からなる塗膜形成要素と、(b)この塗膜形成要素中に均一に分散され、光励起に応じてシリコーン被膜の表面を改質し、シリコーン被膜の表面を親水化するための光触媒の粒子、とを含んでなる。
このコーティング組成物を物品に塗装して硬化させ、シリコーン被膜を形成させた上で、被膜に光を照射して光触媒を光励起すると、シリコーン被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基の少なくとも一部は光触媒作用により水酸基に置換される。この現象は、後述するように、赤外分光分析(IR)およびラマン分光分析により確認された。
このように被膜表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基が光触媒の光励起に応じて水酸基に置換されると、シリコーン被膜の表面は高度に親水化される。これは、被膜の表面に形成された水酸基に大気中の湿分が吸着され、被膜の表面に吸着水層が形成されるからであると考えられる。
【0008】
シリコーン被膜の表面がこのように一旦親水化されたならば、光励起を中断しても、表面の親水性はある程度の期間持続する。時間の経過に伴い表面が次第に親水性を失った時には、再び光励起すれば親水性は回復する。例えば、太陽光により光触媒を光励起する場合には、夜間でも親水性は持続し、日中の太陽光の照射だけによって被膜表面を半永久的に親水性に維持することができる。或いは、シリコーン被膜の表面が一旦親水化された後には、比較的微弱な光によって親水性を維持させ、或いは回復させることができる。従って、光励起に紫外線を要するチタニアのような光触媒の場合でも、親水性の維持と回復は、蛍光灯のような室内照明灯に含まれる微弱な紫外線でも充分に行うことができる。
【0009】
光触媒の光励起は、シリコーン被膜の表面の水との接触角が約60度以下、好ましくは約30度以下、より好ましくは約10度以下になる程度に行うことができる。防汚性コーティング或いはセルフクリーニング性コーティングの場合には、被膜の表面の水との接触角が約60度以下になる程度に親水化すれば目的を達成することができる。防曇性コーティングの場合には表面の水との接触角が約10度以下になる程度に高度に親水化するのが好ましい。
【0010】
本発明のコーティング組成物は従来の塗装方法によって任意の物品に容易に塗装することができ、耐擦傷性に優れたシリコーン塗膜を形成する。光触媒作用によって水酸基に置換されるのは被膜表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した置換可能な有機基のみであって、シリコーン分子の架橋骨格を形成するシロキサン結合(−Si−O−Si−)は影響を受けない。従って、屋外暴露しても被膜は劣化することがなく、優れた耐候性を呈する。
【0011】
本発明の一実施態様においては、このコーティング組成物の塗膜形成要素は、加水分解性のシラン誘導体モノマーを部分的に加水分解・縮重合させることにより形成された未硬化のシロキサンポリマーからなる。この未硬化のシロキサンポリマーは、一般式R1 2SiX2(式中、R1は炭素数1〜18の一価の有機基であり、Xは塩素、臭素、又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。以下同様)で表される加水分解性2官能シラン誘導体0〜60モル%と、一般式R1SiX3で表される加水分解性3官能シラン誘導体10〜100モル%と、一般式SiX4で表される加水分解性4官能シラン誘導体0〜30モル%から調製される。
【0012】
3官能シラン誘導体モノマー(分子当たり3個の加水分解性基X(塩素、臭素、又はアルコキシ基)を有し、各ケイ素原子に3つの酸素原子が結合した3官能シロキサン結合を形成するモノマー)は、シリコーン被膜を形成する上で特に重要な成分である。被膜の硬度、平滑性などの塗膜外観や、成膜性を良好に保つためには、3官能シラン誘導体モノマーを10モル%以上含有させることが必須である。
被膜に可撓性を付与するためには、2官能シラン誘導体モノマー(分子当たり2個の加水分解性基Xを有し、各ケイ素原子に2つの酸素原子が結合した2官能シロキサン結合を形成するモノマー)を含有させるのが好ましい。しかし、架橋密度を大きくし、充分な硬度の硬化被膜を得るためには、2官能シラン誘導体モノマーの含有量は60モル%以下であることが好ましい。
また被膜の硬度を向上させるため、4官能シラン誘導体モノマー(分子当たり4個の加水分解性基Xを有し、各ケイ素原子に4つの酸素原子が結合した4官能シロキサン結合を形成するもの)を含有させるのが好ましい。しかし、4官能シラン誘導体モノマーの含有量が多すぎると、硬化時に体積収縮が大きく塗膜にクラックが生じやすくなる。従って、クラックの発生を防止するためには、4官能シラン誘導体モノマーの含有量は30モル%以下であることが好ましい。
【0013】
このようにして加水分解性シラン誘導体モノマーを部分的に加水分解・縮重合させることにより形成された未硬化のシロキサンポリマーからなるこの塗膜形成要素は、平均組成式
R1 pSi(OR2)qO(4-p-q)/2
(式中、R1は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、およびアリール基のような炭素数1〜18の一価の有機基の1種若しくは2種以上からなる官能基、又は、炭素数1〜18の一価の有機基と水素基から選ばれた2種以上からなる官能基であり、R2は、水素基、又は、炭素数1〜4の一価の有機基の1種若しくは2種以上であり、p及びqは、0.7≦p≦1.6、0<q<3.3、0.7<p+q<4を満足する数である)
で表される。
前述したように、硬化時のクラックの発生を防止するためには、4官能シラン誘導体モノマーの含有量は30モル%以下にしなければならない。この場合には、3官能シラン誘導体モノマーの最大含有量は70モル%であり、有機基数pは0.7となる。従って、クラックの発生を防止するためには、有機基数pは0.7以上でなければならない。
また、充分な硬度の硬化被膜を得るためには、2官能シラン誘導体モノマーの含有量は60モル%以下であることがより好ましい。この場合には、3官能シラン誘導体モノマーの最大含有量は40モル%であり、有機基数pは1.6となる。従って、塗膜の硬度を考慮すれば、有機基数pは1.6以下でなければならない。
シロキサン化合物の分子量は被膜の親水化速度に若干の影響を与え、比較的低分子量の方が親水化しやすい。反対に、分子量が大きい方が透明性、光沢、平滑性の良好な被膜を形成することができる。シロキサン化合物はポリスチレンを標準物質としたGPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)測定により求めた数平均分子量が80〜20000であるものが好ましい。
【0014】
加水分解性3官能シラン誘導体としては、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシラン、ビニルトリクロルシシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシランを挙げることができる。
加水分解性2官能シラン誘導体には、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランがある。
加水分解性4官能シラン誘導体には、テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシランがある。
【0015】
好ましくは、加水分解性のシラン誘導体モノマー又はそれらを部分的に加水分解・縮重合させた未硬化のシロキサンポリマーは、炭素数3以上、好ましくは炭素数3〜6の有機基を有する。
シリコーン被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基を光触媒作用により水酸基に置換させるにあたり、炭素数3以上の有機基の方が、炭素数3未満の有機基よりも容易に水酸基に置換され、シリコーン被膜はより短時間で、或いはより少ない光照射量で表面が親水化される。
【0016】
炭素数3以上の有機基を有する好適な加水分解性3官能シラン誘導体モノマーとしては、n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、がある。
【0017】
炭素数3以上の有機基を有する好適な加水分解性2官能シラン誘導体モノマーとしては、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチルジエトキシシラン、がある。
【0018】
原料の入手のし易さおよび扱い易さから考えると、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、を用いるのが好ましい。
また、γ−グリシドキシプロピル基を有するシラン誘導体モノマーから調製されたコーティング液は特に貯蔵安定性に優れている。γ−グリシドキシプロピル基の含有量は限定されないが、好ましくはシロキサン化合物の全有機基中のγ−グリシドキシプロピル基が5〜40モル%の範囲のコーティング液が貯蔵安定性に優れると共に、塗膜の硬度、透明性が良好となる。
【0019】
本発明の他の実施態様においては、このコーティング組成物の塗膜形成要素は、一般式R1 2SiX2(式中、R1は炭素数1〜18、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数3〜6の一価の有機基であり、Xは塩素、臭素、又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。以下同様)で表される前記の加水分解性2官能シラン誘導体モノマー0〜60モル%と、一般式R1SiX3で表される前記加水分解性3官能シラン誘導体モノマー10〜100モル%と、一般式SiX4で表される前記加水分解性4官能シラン誘導体モノマー0〜30モル%を含む。
このコーティング組成物を水を添加し或いは添加しないで基材に塗布すると、これらのシラン誘導体モノマーは添加水又は大気中の湿分の存在下で加水分解されて加水分解性基X(塩素、臭素、又はアルコキシ基)は水酸基に変換され、加水分解生成物の脱水縮重合によりシリコーン樹脂の被膜が形成される。シリコーン被膜に光を照射し、光触媒を光励起すると、前述したように被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基は光触媒作用により水酸基に置換され、被膜の表面は親水化される。
【0020】
本発明のコーティング組成物は、前記加水分解性シラン誘導体モノマー(又は、加水分解性シラン誘導体モノマーを部分的に加水分解・縮重合させることにより形成された未硬化のシロキサンポリマー)と光触媒粒子とを非水性溶媒に分散させた一液型塗料として調製することができ、塗装に当たり水を添加して使用することができる。或いは、水を添加することなく大気中の湿分で硬化させてもよい。後者の場合には、紫外線(UV)硬化剤を添加することができる。
或いは、本発明のコーティング組成物は、二液型塗料として調製し、かつ、保存することもできる。この場合には、コーティング組成物は、加水分解性シラン誘導体モノマー(又は、加水分解性シラン誘導体モノマーを部分的に加水分解・縮重合させることにより形成された未硬化のシロキサンポリマー)を非水性溶媒に分散させてなる第1液と、光触媒粒子を水性分散媒中に分散させてなる第2液とで構成することができ、塗装に当たり両者を均一に混合して使用することができる。
勿論、塗膜形成要素と光触媒粒子と硬化触媒その他の成分を三液型塗料として調製してもよい。
【0021】
本発明のコーティング組成物には、従来公知の加水分解触媒を添加することができ、水と接触するとpH=2〜5の酸性を示すものを使用するのがよい。特に酸性のハロゲン化水素、カルボン酸、スルホン酸、酸性あるいは弱酸性の無機塩、イオン交換樹脂などの個体酸などが好ましい。好適な例としては、フッ化水素、塩酸、硝酸、硫酸;酢酸、マレイン酸に代表される有機酸;メチルスルホン酸、表面にスルホン酸基、又はカルボン酸基を有するカチオン交換樹脂などが挙げられる。
加水分解触媒の量は、ケイ素原子上の加水分解性基1モルに対して0.001〜5モルの範囲内であることが好ましい。
【0022】
加水分解に使用する水の量は、塗膜の硬化性、液の安定性等から考慮すると、ケイ素原子上の加水分解性基1モルに対して0.001〜500モル、好ましくは0.05〜100モルの範囲内であることが好ましい。
加水分解反応にはアルコール、ケトン、エステル等の極性溶剤、或いはトルエン、ヘキサン等の非極性溶剤を溶媒として用いるのが好ましい。
またハロゲノシランを原料として使用する場合、加水分解後、十分水洗してハロゲン成分を除去する必要がある。
【0023】
コーティング組成物の溶媒又は分散媒には極性有機溶剤が使用可能であり、ゾルの安定性、入手し易さから水或いは低級アルコールであるメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、あるいはケトン類であるメチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)が好ましい。
また、コーティング組成物を希釈する希釈剤には、水、及び有機溶剤すべてを使用することができる。有機溶剤としてはアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類が適する。
【0024】
本発明のコーティング組成物には、従来公知の硬化触媒を添加することができる。硬化触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、ぎ酸ナトリウム、酢酸カリウム、ぎ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのごとき塩基性化合物類;n−ヘキシルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンベンタミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシランのごときアミン化合物;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートのようなチタン化合物;アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウムのようなアルミニウム化合物;錫アセチルアセトナート、ジブチル錫オクチレートのような錫化合物;コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナートのごとき含金属化合物類;リン酸、硝酸、フタル酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸のごとき酸性化合物類などが挙げられる。
【0025】
また、pHを調整するための緩衝剤となる酸・塩基性化合物の組み合わせ、例えば酢酸と酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムとクエン酸などを添加してもよい。その他、優れた被膜性能を付与する目的で顔料、染料、レベリング剤、保存安定剤なども添加することができる。
【0026】
コーティング液の安定性を向上させるために公知の界面活性剤、チタネート系カップリング剤、シランカップリング剤を添加することができる。
【0027】
更に、硬化被膜の硬度、耐擦傷性を向上させ、高屈折率化などの光学機能性を付与するために、金属酸化物微粒子を添加してもよい。金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化鉄、酸化鉄或いは酸化ジルコニウムをドープした酸化チタン、希土類酸化物が挙げられる。特に、耐擦傷性を向上させるためにはシリカを添加するのが好ましい。
【0028】
本発明の光触媒性コーティング組成物に使用する光触媒としては、チタニア(二酸化チタン)が最も好ましい。チタニアは、無害であり、化学的に安定であり、かつ、安価に入手可能である。更に、チタニアはバンドギャップエネルギが高く、従って、光励起には紫外線を必要とし、光励起の過程で可視光を吸収しないので、補色成分による発色が起こらない。従って、ガラスや鏡やレンズなどの防曇コーティングに特に適している。光触媒性チタニアとしてはアナターゼ型チタニアとルチル型チタニアのいづれも使用することができる。
チタニアの光触媒活性は、粒子の平均粒径が小さいほど高いので、平均粒径0.1μm以下のものを使用するのが良い。平均粒径の小さなアナターゼ型チタニアの粒子を硝酸水溶液或いはアンモニア水に分散させた硝酸解膠型チタニアゾルやアンモニア解膠型チタニアゾルは市場で容易に入手可能である。ゾルの分散媒としては、水の他に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が好ましい。チタニア粒子源としては、更に、水、溶剤を含有したペースト或いは粉体を使用することができる。
光触媒として高い活性を有するものであれば、チタニア以外の光触媒を使用しても良い。具体的には酸化錫、酸化亜鉛、酸化第二鉄、三酸化タングステン、三酸化二ビスマス、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物からなる半導体光触媒がある。
コーティング組成物への光触媒の添加量は任意に決定することができるが、塗膜形成要素100重量部に対し10〜400重量部が好ましい。
【0029】
硬化後の光触媒含有シリコーン塗膜に光を照射して光触媒を光励起し、シリコーン塗膜を親水化するためには、種々の光源を使用することができる。
例えば、アナターゼ型チタニアは波長387nm以下、ルチル型チタニアは波長413nm以下、酸化錫は波長344nm以下、酸化亜鉛は波長387nm以下の紫外線で光励起される。この種の光触媒を光励起するための紫外線光源としては、紫外線ランプ(殺菌ランプ)、メタルハライドランプ、水銀ランプのような紫外線照度の高いランプを使用することができるが、蛍光灯、白熱電灯のような室内照明灯も使用することができる。
特に、建築物や建造物や車両や窓ガラスのように太陽の照射を受ける物品の場合には、太陽光に含まれる紫外線を利用して光触媒を励起するのが有利である。光励起は、シリコーン塗膜が目的に応じた所望の親水性に親水化されるまで行うことができる。一般には、0.001mW/cm2の紫外線照度で光励起すれば、数日で水との接触角が約10゜以下になるまで親水化することができる。地表に降り注ぐ太陽光に含まれる紫外線の照度は約0.1〜1mW/cm2であるから、太陽光にさらせばより短時間で表面を親水化することができる。
前述したように、シリコーン塗膜の表面が一旦親水化された後は、親水性は或る程度の期間持続する。従って、太陽光によって光触媒を光励起する場合には、親水性は夜間でも持続し、再び太陽光にさらされる度に親水性は回復され、半永久的に維持される。
【0030】
本発明のコーティング組成物には、銀、銅、亜鉛又はそれらの化合物(例えば、それらの可溶性塩)のような抗菌増強剤や、白金、金、パラジウム、鉄、ニッケル、又はそれらの可溶性塩のような光活性増強剤を添加することができる。
光触媒は、シリコーン塗膜を親水化する作用に加えて、光励起されている限り光触媒的酸化還元作用を発現し、光触媒に接触した細菌を破壊し、微生物の成長を抑制し、或いは汚染物質を分解する。銀、銅、又は亜鉛を添加すると、暗時における抗菌性や脱臭能力を確保することができる。従って、物品の表面を長期間にわたって清浄に維持することができる。
白金、金、パラジウム、鉄、ニッケルのような金属を添加すると、光触媒の酸化還元活性を増強させることができ、表面に付着した汚染物質の分解を促進することができる。
【0031】
本発明の他の観点においては、本発明は、前記コーティング組成物を用いて親水性被膜を形成する方法を提供する。本発明に従えば、プラスチック、セラミックス、ガラス、金属、それらの複合材、或いはその他の材料からなる基材に本発明のコーティング組成物が塗布される。基材への塗布方法としては、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、その他の適当な任意の方法を用いることができる。
次にコーティング組成物を硬化させて基材上にシリコーン被膜を形成する。被膜は、空気中に放置して風乾させることにより硬化させても良いが、室温〜250℃の温度で10分〜2時間加熱するのが好ましい。
斯く硬化した被膜に前述したように光を照射し、シリコーン被膜の表面が所望の親水性を呈するに至るまで光触媒を光励起する。
【0032】
本発明の一実施態様においては、この方法は防曇を要する基材の防曇に適用される。光触媒含有シリコーン被膜は、建物の窓ガラス、自動車その他の乗り物の窓ガラス若しくは風防ガラス、車両用バックミラー、各種の鏡、眼鏡その他の光学機器のレンズ、防護用若しくはスポーツ用ゴグル又はマスクやヘルメットのシールド、冷凍食品陳列ケースのガラス、計測機器のカバーガラス、又は防曇を要する他の基材に形成される。光触媒の光励起は、シリコーン被膜の表面が水との接触角に換算して約30度以下、好ましくは約20度以下、より好ましくは約10度以下に高度に親水化されるまで行う。
このようにシリコーン被膜の表面を親水化すると、空気中の湿分や湯気が結露しても、凝縮水は個々の水滴を形成することなく一様な水膜になるので、表面には光散乱性の曇りは発生しない。同様に、窓ガラスや車両用バックミラーや車両用風防ガラスや眼鏡レンズやヘルメットのシールドが降雨や水しぶきを浴びても、表面に付着した水滴は速やかに一様な水膜に広がるので、離散した目障りな水滴が形成されず、物品に翳りが生じない。従って、高度の視界と可視性を確保することができ、車両や交通の安全性を保証し、種々の作業や活動の能率を向上させることができる。時折光励起する限り、防曇効果は恒久的に持続する。
【0033】
本発明の他の実施態様においては、この方法は屋外に配置される建造物、建築物、機械装置や物品など、セルフクリーニングを要する基材に適用される。光触媒含有シリコーン被膜で被覆された物品を屋外に配置すると、光触媒は日中は太陽の照射により光励起され、シリコーン被膜の表面は親水化される。さらに、シリコーン被膜は時折降雨にさらされる。親水化された表面には疎水性の煤塵や汚染物質よりも水の方が馴染みやすく、疎水性の煤塵や汚染物質は水により表面から遊離されるので、親水化された表面が降雨を受ける都度、表面に付着した煤塵や汚染物質は雨水により洗い流され、表面はセルフクリーニング(自己浄化)される。こうして、基材の表面は自然の作用により高度に自己浄化され、清浄に維持されるので、清掃作業は不要になるか、大幅に省くことができる。
【0034】
本発明の更に他の実施態様においては、光触媒性シリコーン被膜は、屋外に配置される建造物、建築物、機械装置や物品など、防汚を要する基材に形成される。光触媒が太陽光により光励起されると、シリコーン被膜の表面は同様にして親水化される。カーボンやススのような燃焼生成物からなる親油性成分を多く含む都市煤塵はこのように親水化された表面には付着しにくい。従って、大気中に浮遊する煤塵のような汚染物を同伴する雨水が接触しても、汚染物が表面に付着することがなく、表面は清浄に維持される。
【0035】
本発明の更に他の実施態様においては、光触媒性シリコーン被膜は、建物の外装、建物の内装材、窓ガラス、住宅設備、浴槽、照明器具、台所用品、食器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇など、油や脂肪で汚れやすく、洗浄を要する基材の表面に形成することができる。
油や脂肪で汚れたこれらの物品を水に浸漬し、水で濡らし、又は水で濯ぐと、油汚れは親水化された光触媒性コーティングの表面から釈放され、容易に除去される。従って、例えば、油や脂肪で汚れた食器を洗剤を使用することなく洗浄することができる。
【0036】
本発明の更に他の観点においては、本発明は、前記コーティング組成物で被覆された物品を提供する。
【0037】
【実施例】
以下の実施例は本発明を種々の観点から示すもので、非限定的な例示である。記載中の「部」及び「%」は重量基準である。
【0038】
実施例1(光触媒含有シリコーンの親水化)
この実施例は、光触媒粒子が分散されたシリコーン塗膜の光触媒を光励起すれば、塗膜の表面が高度に親水化されることを示す。
基材として10cm四角のアルミニウム板を使用した。基材の表面を平滑化するため、日本合成ゴムの二液型シリコーン塗料用組成物“グラスカ”を用いて基材の表面を予めシリコーン層で被覆した。この二液型塗料用組成物“グラスカ”は、 A液(水を分散媒とするシリカゾル。固形分20%)とB液(メチルトリメトキシシランCH3Si(OCH3)3)からなる。“グラスカ”のA液(シリカゾル)とB液(メチルトリメトキシシラン)を、 A液とB液との重量の比が3:1になるように混合し、この混合液をアルミニウム基板に塗布し、150℃の温度で硬化させ、膜厚3μmのシリコーンのベースコートで被覆された複数のアルミニウム基板(#1試料)を得た。
次に、光触媒を含有するシリコーン塗料により#1試料を被覆した。より詳しくは、硝酸水溶液を分散媒とする硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学、TA-15、平均粒径0.01μm、固形分15%)と前記“グラスカ”のA液(シリカゾル)を混合し、エタノールで希釈後、更に“グラスカ”の上記B液(メチルトリメトキシシラン)を添加し、光触媒性チタニアを含有する塗料用組成物を調製した。この塗料用組成物の組成は、シリカ39重量部、メチルトリメトキシシラン97重量部、チタニア87重量部であった。
この塗料用組成物を#1試料の表面に塗布し、150℃の温度で硬化させ、アナターゼ型チタニア粒子がシリコーン塗膜中に分散されたトップコートを形成し、#2試料を得た。
次に、#2試料に20Wのブラックライトブルー(BLB)蛍光灯(三共電気、FL20BLB)を用いて0.5mW/cm2の紫外線照度で5日間紫外線を照射し、#3試料を得た。この試料の表面の水との接触角を接触角測定器(ERMA社製、形式G-I-1000、低角度側検出限界3゜)で測定したところ、接触角の読みは3゜未満であり、高度の親水性を示した。
紫外線照射前の#2試料の接触角を測定したところ、70゜であった。#1試料の接触角を測定したところ、90゜であった。更に、#1試料に#2試料と同じ条件で5日間紫外線を照射し、接触角を測定したところ、接触角は85゜であった。
以上から、シリコーンは本来かなり疎水性であるにも拘わらず、光触媒を分散させ、かつ、光触媒を励起した場合には、高度に親水化されることが判る。
【0039】
#2試料を数日間屋外に配置して、太陽光に含まれる紫外線の照射にさらし、#4試料を得た。紫外線照射後の#4試料の表面の水との接触角を測定したところ、10゜以下であり、高度の親水性を示した。#2試料と#4試料の表面を赤外分光分析(IR)により検査した。紫外線照射前の#2試料と紫外線照射後の#4試料の赤外吸収スペクトルを夫々図1(a)および図1(b)のグラフに示す。これらのグラフを対比すれば分かるように、紫外線照射に伴い、メチル基の炭素−水素結合の伸縮振動2970cm-1が消失した。このことから、光触媒を含有するシリコーン塗膜に紫外線を照射することにより、塗膜表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合したメチル基が消失したものと考えられる。
【0040】
#2試料に水銀灯を用いて22.8mW/cm2の紫外線照度で2時間紫外線を照射し、#5試料を得た。照射前の#2試料と照射後の#5試料のラマン分光分析を行った。比較のため、#1試料にも同様の条件で紫外線を照射し、照射前後の試料のラマン分光分析を行った。ラマンスペクトルを図2のグラフに示す。#1試料の照射前後のラマンスペクトルは同一であったので、図2のグラフでは同じカーブ#1で示す。
図2のグラフを参照するに、#2試料のラマンスペクトルにおいて、波数2910cm-1の位置にはsp3混成軌道のC−H結合対称伸縮の大きなピークが認められ、波数2970cm-1の位置にはsp3混成軌道のC−H結合逆対称伸縮の大きなピークが認められる。従って、#2試料にはC−H結合が存在することが帰結される。
#5試料のラマンスペクトルにおいては、波数2910cm-1の位置および2970cm-1の位置のいづれにもピークが認められない。その代わりに、波数3200cm-1の位置にピークを有する広い幅のO−H結合対称伸縮が認められる。従って、#5試料の表面にはC−H結合が存在せず、その代わりに、O−H結合が存在することが帰結される。
これに対し、#1試料のラマンスペクトルにおいては、照射前後を通じて、波数2910cm-1の位置にはsp3混成軌道のC−H結合対称伸縮の大きなピークが認められ、2970cm-1の位置にはsp3混成軌道のC−H結合逆対称伸縮の大きなピークが認められる。従って、#1試料の表面にはC−H結合が存在することが確認される。以上のことから、光触媒を含有するシリコーンに紫外線を照射した場合には、下記の式(1)で示すシリコーンの分子のケイ素原子に結合した有機基が光触媒作用によって空気中の湿分の存在下で水酸基に置換されて、式(2)で示すようなシリコーン誘導体が表面に形成され、その結果、シリコーン塗膜の表面が高度に親水化されるものと考えられる。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】
実施例2(光触媒含有量と接触角の変化)
200mlの異なるフラスコに、シリカゾル(固形分10%)と、光触媒性アナターゼ型チタニアゾル(日産化学、TA-15、固形分15%)と、酢酸銅(酢酸銅一水和物)粉末を次表1に記載の夫々異なる配合比で入れ、室温で30分撹拌し、これにエタノールを加えた後、表1に示す量のメチルトリメトキシシラン( CH3Si(OCH3)3)を夫々滴下し、2時間撹拌することにより、メチルトリメトキシシランを系内の水で加水分解させると共に、加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させてシロキサン化合物に変換させ、シロキサン化合物を主成分としチタニア含有量の異なる5種のコーティング液(#1〜#5)を得た。これらのコーティング液の固形分は3%であった。表1には、シロキサン化合物の重量とシリカの重量との和に対するチタニアの重量が示してある。シロキサン化合物重量は、メチルトリメトキシシランの完全な加水分解・縮重合により形成されるCH3SiO1.5で換算した。表1に示したように#5コーティング液はチタニア無添加であり、比較のために調製したものである。酢酸銅およびシリカは、夫々、添加剤および充填剤として加えたもので、不可欠ではない。
【0044】
【表1】
【0045】
#1〜#5コーティング液の夫々を厚さ0.3mmのアルミニウム板にフローコート法で塗布し、170℃の温度に15分間保持することによりシロキサン化合物を硬化させ、光触媒性チタニアが分散された乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜で被覆された試料(#1〜#5)を得た。
#1〜#5試料の夫々にBLB蛍光灯を用いて距離10cmのところから0.6mW/cm2の紫外線照度で連続的に紫外線を照射しながら、表面の水との接触角の変化を測定した。水との接触角は、マイクロシリンジから各試料の表面に5μlの純水水滴を滴下し、滴下30秒後に接触角測定器(協和界面科学社製、形式CA-X150、低角度側検出限界1゜)により測定した。
水との接触角の変化を図3のグラフに示す。このグラフから分かるように、シロキサン化合物とシリカ20重量部に対し80重量部の光触媒性チタニアを含有する#1コーティング液で被覆された#1試料は、短時間の紫外線照射で高度に親水化されている。光触媒含有量が減少するにつれて親水化に要する時間は増加するが、シロキサン化合物とシリカ90重量部に対し10重量部の光触媒性チタニアを含有する#4コーティング液で形成された塗膜は充分な時間紫外線照射すれば水との接触角が60゜以下になる程度に親水化される。しかし、光触媒を含有しないシリコーン塗膜で被覆された#5試料は紫外線を照射しても親水化されない。
【0046】
実施例3(シラン誘導体モノマーからのシロキサン化合物の合成)
種々のシラン誘導体モノマーの加水分解と部分的脱水縮重合により、シリコーンの前駆体としてのシロキサン化合物を含有する種々の溶液を調製した。
【0047】
#1シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコに2官能シラン誘導体であるジメチルジメトキシシラン((CH3)2Si(OCH3)2)24g(0.2mol)と、3官能シラン誘導体であるメチルトリエトキシシラン(CH3Si(OC2H5)3)142.4g(0.8mol)と、エタノール71gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながら加水分解触媒として0.05N希塩酸水50.4g(2.8mol)を滴下し、希塩酸水に含まれる水により上記アルコキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で6時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#1溶液(固形分25%)を得た。この#1シロキサン溶液についてケイ素同位元素29Siによる核磁気共鳴(29Si−NMR。59.6MHz)により、ケイ素原子に結合した原子団を解析したところ、表2に示した式で夫々表される構造単位を示す5本のシグナル(-10、-19、-47、-56、-64ppm)が観測された。シグナル面積比から計算した各構造単位の存在比も表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)1.2Si(OX)0.32O1.24
(式中、 X=H、CH3、又はCH3CH2基)
であった。このシロキサン化合物の数平均分子量Mnをポリスチレン換算GPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)で測定したところMn=5.1×102であった。
【0050】
#2シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコに2官能ジメチルジメトキシシラン12g(0.1mol)と、3官能メチルトリエトキシシラン106.8g(0.6mol)と、エタノール56.3gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながら、水を分散媒とする弱酸性のシリカゾル(日産化学製“スノーテックス−O”、シリカ固形分20%、pH=3.0)90g(シリカ18g、0.3mol)を滴下し、シリカゾルに含まれる水により上記アルコキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で6時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#2溶液(固形分25%)を得た。このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=5.7×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)0.8Si(OX)0.24O1.48
(式中、 X=H、CH3、又はCH3CH2基)
であった。
【0051】
#3シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコに2官能ジメチルジメトキシシラン12g(0.1mol)と、3官能フェニルトリメトキシシラン(C6H5Si(OCH3) 3)158.4g(0.8mol)と、エタノール266gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながらシリカゾル“スノーテックス−O”30g(シリカ6g、0.1mol)を滴下し、シリカゾルに含まれる水により上記アルコキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で6時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#3溶液(固形分25%)を得た。このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=7.1×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)0.2Ph0.8Si(OX)0.20O1.40
(式中、 Ph=フェニル基。 X=H、又はCH3基)
であった。
【0052】
#4シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコに3官能メチルトリメトキシシラン68g(0.5mol)と、3官能γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン94.4g(0.4mol)と、エタノール232.8gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながらシリカゾル“スノーテックス−O”30g(シリカ6g、0.1mol)を滴下し、シリカゾルに含まれる水により上記アルコキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で6時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#4溶液(固形分25%)を得た。このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=7.8×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)0.5R0.4Si(OX)0.24O1.43
(式中、 R=γ−グリシドキシプロピル基。 X=H、又はCH3基)
であった。
【0053】
#5シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコに3官能メチルトリメトキシシラン108.8g(0.8mol)と、4官能シラン誘導体であるテトラメトキシシラン(Si(OCH3)4)15.2g(0.1mol)と、エタノール108.4gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながらシリカゾル“スノーテックス−O”30g(シリカ6g、0.1mol)を滴下し、シリカゾルに含まれる水により上記アルコキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で6時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#5溶液(固形分25%)を得た。このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=4.9×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)0.8Si(OX)0.32O1.44
(式中、X=H、又はCH3基)
であった。
【0054】
#6シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコに2官能ジメチルジメトキシシラン12g(0.1mol)と、3官能フェニルトリメトキシシラン158.4g(0.8mol)と、エタノール234.2gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながらシリカゾル“スノーテックス−O”30g(シリカ6g、0.1mol)および加水分解触媒として0.05N希塩酸水31.8gを滴下し、シリカゾルおよび希塩酸水に含まれる水により上記アルコキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で6時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#6溶液(固形分25.8%)を得た。このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=7.1×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)0.2Ph0.8Si(OX)0.20O1.40
(式中、 Ph=フェニル基。 X=H、又はCH3基)
であった。
【0055】
#7シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコに3官能メチルトリメトキシシラン68g(0.5mol)と、3官能γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン94.4g(0.4mol)と、エタノール197.4gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながらシリカゾル“スノーテックス−O”30g(シリカ6g、0.1mol)および加水分解触媒として0.05N希塩酸水35.4gを滴下し、シリカゾルおよび希塩酸水に含まれる水により上記アルコキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で6時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#7溶液(固形分26.1%)を得た。このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=7.8×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)0.5R0.4Si(OX)0.24O1.43
(式中、 R=γ−グリシドキシプロピル基。 X=H、又はCH3基)
であった。
【0056】
#8シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコに3官能メチルトリメトキシシラン108.8g(0.8mol)と、4官能テトラメトキシシラン15.2g(0.1mol)と、エタノール71.2gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながらシリカゾル“スノーテックス−O”30g(シリカ6g、0.1mol)および加水分解触媒として0.05N希塩酸水37.2gを滴下し、シリカゾルおよび希塩酸水に含まれる水により上記アルコキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で6時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#8溶液(固形分26.2%)を得た。このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=4.9×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)0.8Si(OX)0.32O1.44
(式中、X=H、又はCH3基)
であった。
【0057】
実施例4(光触媒含有コーティング組成物の調製、塗装、および塗膜の評価)
実施例3のシロキサン化合物含有溶液#1〜#5に、光触媒性チタニアゾル(日産化学、TA-15、固形分15%)と有機溶剤(エタノールとプロピレングリコールモノメチルエーテルとを7:3の割合で混合した混合溶剤)を表3記載の比率で配合し、全固形分3%(チタニア1.5%、シロキサン化合物1.5%)の光触媒含有コーティング液#1〜#5を調製した。
また、比較のため、実施例3のシロキサン化合物含有溶液#1〜#5に上記有機溶剤を表3記載の比率で配合し、光触媒を含まないコーティング液#6〜#10(シロキサン化合物固形分3%)を調製した。
【0058】
【表3】
【0059】
次に、厚さ0.3mmの複数のアルミニウム板にフローコート法によりコーティング液#1〜#10を夫々塗布し、150℃の温度に20分間保持することにより塗料を硬化させ、乾燥膜厚0.2〜1.0μmのシリコーン塗膜で被覆された被覆試料(#1〜#10)を得た。前述したように、かつ、表3に示したように、#1〜#5被覆試料のシリコーン塗膜には光触媒性チタニアが含まれているが、#6〜#10試料のシリコーン塗膜には光触媒性チタニアは含まれていない。
【0060】
#1〜#10被覆試料の折り曲げ試験を行い、シリコーン塗膜の可撓性を評価した。このため、夫々の試料を塗膜面を外側にして直径20mmのステンレス棒にあてがい、試料を折り曲げることにより、塗膜の剥離、クラックの発生、変色の有無を観察した。試験の結果を表4に示す。表4において、◎印は可撓性良好、○印は僅かに変色がみられるが可撓性良好、△印は変色と僅かなクラック発生、×印は剥離又はクラックを生じたことを夫々表す。
【0061】
【表4】
【0062】
表4に示したように、2官能シラン誘導体を含むモノマー組成物から調製された#1〜#3コーティング液で形成されたシリコーン塗膜(#1〜#3試料)は良好な可撓性を呈したが、3官能シラン誘導体のみから調製された#4コーティング液、および、3官能シラン誘導体と4官能シラン誘導体から調製された#5コーティング液で形成されたシリコーン塗膜(#4および#5試料)の可撓性は不充分であった。
【0063】
次に、#1〜#10被覆試料を信越化学工業(株)シリコーン電子材料技術研究所(群馬県碓氷郡松井田町)の屋上に水平に固定し、2週間にわたり屋外曝露することにより太陽光中の紫外線の照射にさらし、屋外曝露前後での試料表面の水との接触角を測定すると共に、シリコーン塗膜の外観(表面汚れ)の変化を観察した。照射前後における試料表面の水との接触角の変化と外観の変化を表4に併せて示す。塗膜外観の変化の評価は目視で行い、外観がほぼ変化していないものを良好(○)、汚れが生じたものを不良(×)とした。
【0064】
表4から分かるように、光触媒性チタニアを含有するシリコーン塗膜(#1〜#5試料)はいずれも屋外曝露により親水化しており、外観の汚れはない。光触媒を含有していないシリコーン塗膜(#6〜#10試料)は親水化せず、2週間の屋外曝露で汚れを生じ始めたもの(#6試料と#9試料)もあった。
【0065】
実施例5(光触媒含有コーティング組成物の調製、塗装、および塗膜の評価)
実施例3のシロキサン化合物含有溶液#1〜#2および#6〜#8に、光触媒性チタニアゾル(日産化学、TA-15)とメタノール分散シリカゾル(固形分15%)と有機溶剤(エタノールとプロピレングリコールモノメチルエーテルとを7:3の割合で混合した混合溶剤)を表5記載の比率で配合し、全固形分3%(チタニア1.5%)の光触媒含有コーティング液#1〜#5を調製した。
また、比較のため、実施例3のシロキサン化合物含有溶液#1〜#2および#6〜#8に上記有機溶剤を表5記載の比率で配合し、光触媒を含まないコーティング液#6〜#10(シロキサン化合物固形分3%)を調製した。
【0066】
【表5】
【0067】
可撓性試験
厚さ0.3mmの複数のアルミニウム板にフローコート法によりコーティング液#1〜#10を夫々塗布し、150℃の温度に20分間保持することにより塗料を硬化させ、乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜で被覆された複数の試料を得た。夫々の試料を塗膜面を外側にして直径20mmのステンレス棒にあてがい、試料を折り曲げるながら、塗膜の剥離、クラックの発生、変色の有無を観察することにより、シリコーン塗膜の可撓性を評価した。可撓性試験の結果を夫々のコーティング液#1〜#10に関連づけて次表6に示す。表6において、○印は可撓性良好、×印は剥離又はクラックを生じたことを夫々表す。
【0068】
【表6】
【0069】
表6に示したように、2官能シラン誘導体と3官能シラン誘導体から調製された#1〜#4コーティング液および#6〜#9コーティング液で形成されたシリコーン塗膜は良好な可撓性を呈したが、3官能シラン誘導体と4官能シラン誘導体から調製された#5コーティング液および#10コーティング液で形成されたシリコーン塗膜の可撓性は不充分であった。
【0070】
保存安定性(ポット・ライフ)
コーティング液#1〜#10を30℃で1ヶ月間保存した後、夫々のコーティング液を基材に塗布し、硬化させた。得られた塗膜の外観と透明性を目視で検査することによりコーティング液の保存安定性を評価した。判定結果を表6に併せて示す。表6において、○印は保存安定性良好、×印は保存安定性不良を表す。特に、γ−グリシドキシプロピル基を有する#7シロキサン溶液から調製した#4コーティング液は固まりにくく、保存安定性に優れていることが観察された。4官能シラン誘導体を含む実施例3の#8シロキサン溶液から調製された#5コーティング液および#10コーティング液の保存安定性は不充分であった。
【0071】
セルフクリーニング性試験
厚さ0.3mmの複数のアルミニウム板に予めアクリル樹脂白色塗料を塗布して硬化させ、膜厚20〜30μmのアクリル樹脂塗膜を形成した。その上にディップコート法により150mm/分の引き上げ速度で上記コーティング液#1〜#10を夫々塗布し、150℃の温度に20分間保持することによりコーティング液を硬化させ、乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜で被覆された複数の試料を得た。
得られた試料を信越化学工業(株)シリコーン電子材料技術研究所の敷地内に設置した曝露台(傾斜45度)に取付け、2ヶ月間にわたり屋外曝露することにより、太陽光の照射にさらすと共に、降下煤塵と降雨にさらした。
2ヶ月間屋外曝露前後での試料表面の白色度(W)を日本工業規格(JIS)L0803に従い色差計(日本電色工業製、形式SE-2000)にて計測し、初期からの白色度の変化率ΔW(ΔW=[1−(曝露後W/初期W)]×100(%))を求め、変化率ΔWに基づいてセルフクリーニング性を評価した。ΔW≦5%をセルフクリーニング性良好(○)、5%<ΔW<10%を中間、ΔW≧10%をセルフクリーニング性不良(×)で表し、前掲表6に併せて示す。
表6が示すように、光触媒を含有するコーティング液#1〜#5で形成されたシリコーン被膜は、日中は太陽の照射を受けて太陽光に含まれる紫外線によってその表面が親水化され、表面に堆積した煤塵は降雨を受ける度に雨水により洗い流され、表面のセルフクリーニングが行われたものと考えられる。これに対し、光触媒を含有しないコーティング液#6〜#10で形成されたシリコーン被膜は、表面が親水化されることがなく、時間が経つにつれて付着した煤塵により表面は汚染された。
【0072】
透明性と鉛筆硬度試験
厚さ1.5mmの複数のガラス板にディップコート法により150mm/分の引き上げ速度で上記コーティング液#1〜#10を夫々塗布し、150℃の温度に20分間保持することによりコーティング液を硬化させ、ガラス板に乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜が形成された複数の試料を得た。
これらの試料の塗膜の透明性をヘイズメーター(東洋精機社製、“DIRECT READING HAZE METER”)によって検査した。濁度(ΔH)が3.0以下を透明性良好、3.0以上を不可と評価した。透明性良好を○印、不可を×印で表し、表6に併せて示す。いづれの試料の塗膜の透明性も満足できるものであった。
更に、シリコーン塗膜の硬度と耐擦傷性を調べるため、鉛筆スクラッチ試験を行った。夫々の試料の表面を鉛筆の芯でスクラッチし、シリコーン塗膜が剥離する最も硬い鉛筆芯を検出した。結果を表6に示す。シロキサン化合物溶液を形成するためのモノマー組成物中の4官能シラン誘導体の割合が増加するにつれて、得られたシリコーン塗膜の硬度が増加することが分かる。
【0073】
親水化試験
鉛筆硬度試験に用いたのと同じ試料を実施例4と同様のやり方で2週間にわたり屋外曝露することにより太陽の照射にさらし、試料表面の水との接触角を測定した。屋外曝露前後での試料表面の水との接触角を表6に示す。表6から、光触媒含有コーティング液#1〜#5で形成されたシリコーン塗膜はいずれも屋外曝露により高度に親水化していることが分かる。特に、γ−グリシドキシプロピル基を有するシロキサン化合物(#4コーティング液)で形成されたシリコーン塗膜は親水化能力に優れている。光触媒を含有しないコーティング液#6〜#10で形成されたシリコーン塗膜は全く親水化されていない。
【0074】
防曇性試験
次に、湿度50〜60%の室内において500mlのビーカーに約90℃の湯を入れ、ビーカー上に親水化試験で用いた屋外曝露後の試料を夫々載せて湯気にさらし、ガラス板の曇りの発生状態を目視により観察することにより防曇性を評価した。防曇性は、全く曇りが生じないか15秒以内に曇りが水膜になって消えるもの(○)、水滴の付着はあるが可視性が失われないもの(△)、微小な水滴が付着し曇りが生じるもの(×)、の3段階で評価した。結果を表6に示す。光触媒含有コーティング液で形成され親水化されたシリコーン塗膜のいずれにも曇りは発生しなかったが、光触媒を含有しないシリコーン塗膜はいずれも曇りが発生した。
【0075】
実施例6(銅添加コーティング組成物)
シリコーン塗膜の暗時における抗菌性と脱臭性を増強するため、添加物として銅を加えた光触媒含有コーティング液を調製した。このため、実施例3のシロキサン化合物含有溶液#1〜#2および#6〜#8に、光触媒性チタニアゾル(日産化学、TA-15)とメタノール分散シリカゾル(固形分15%)と有機溶剤(エタノールとプロピレングリコールモノメチルエーテルとを7:3の割合で混合した混合溶剤)と酢酸銅(酢酸銅一水和物)粉末を次表7記載の比率で配合し、室温で30分間撹拌することにより、全固形分3%(チタニア1.5%)の光触媒含有コーティング液#6〜#10を調製した。
比較のため、酢酸銅を添加することなく、表7記載の組成を有する光触媒含有コーティング液#1〜#5を同様に調製した。
【0076】
【表7】
【0077】
これらのコーティング液#1〜#10を厚さ0.3mmの複数のアルミニウム板にフローコート法により夫々塗布し、170℃の温度に15分間保持することによりコーティング液を硬化させ、乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜が形成された複数の試料を得た。
【0078】
試料表面に105CFU/mlの大腸菌の菌液0.15 mlを塗布することにより大腸菌を試料表面に接種し、室温かつ暗所で30分経過後、菌を回収して大腸菌の生存率を求めた。更に、同様に大腸菌を試料表面に接種し、20WのBLB蛍光灯(FL20BLB)を用いて0.02mW/cm2の紫外線照度で30分間紫外線を室温で照射した後、菌を回収して生存率を求めた。大腸菌の生存率に基づいてシリコーン塗膜の抗菌性を評価した。暗時と紫外線照射時におけるシリコーン塗膜の抗菌性を次表8に示す。表8において、“+++”は大腸菌生存率10%未満、“++”は大腸菌生存率10%以上30%未満、“+”は大腸菌生存率30%以上70%未満、“−”は大腸菌生存率70%以上を表す。
【0079】
【表8】
【0080】
表8から分かるように、銅添加の有無に拘わらず、紫外線照射下では大腸菌生存率は30%未満であった。これは、光励起された光触媒の光活性により大腸菌が破壊されたことを意味する。暗時には、銅が添加されていない#1〜#5コーティング液で形成したシリコーン塗膜では、大腸菌生存率は70%以上であった。これに対し、銅が添加された#6〜#10コーティング液で形成したシリコーン塗膜は、暗時には、大腸菌生存率は30%未満であった。これは、シリコーン塗膜に銅を添加した場合には、暗時でも抗菌性を発揮することを示す。
【0081】
次に、夫々の試料を容積10リットルのデシケーター中に配置し、メチルメルカプタン100ppmを含有する窒素ガス500ccを注入した後、試料から10cmの距離のところに4WのBLB蛍光灯を配置し、夫々の試料に0.25mW/cm2の紫外線照度で30分間紫外線を照射した。紫外線照射の前後でデシケータ内のガスを採取してガスクロマトグラフによりメチルメルカプタンの初期濃度(C0)と紫外線照射30分後の濃度(C30)を測定し、紫外線照射30分後のメチルメルカプタンの除去率(R30)を次式
R30=[(C0−C30)/C0]×100(%)
により求め、シリコーン塗膜の脱臭性を評価した。同様にして、暗時におけるメチルメルカプタン注入30分後のメチルメルカプタン除去率も求めた。結果を表8に併せて示す。
表8に示すように、銅が添加された#6〜#10コーティング液で形成したシリコーン塗膜は、暗時でも高いメチルメルカプタン除去率を呈す。メチルメルカプタンが銅に吸着されるものと考えられる。
【0082】
表7に示したコーティング液#1〜#10を厚さ1.5mmの複数のガラス板にディップコート法により150mm/分の引き上げ速度で夫々塗布し、150℃の温度に20分間保持することによりコーティング液を硬化させ、ガラス板に乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜が形成された複数の試料を得た。
これらの試料の塗膜の透明性をヘイズメーター(東洋精機社製)によって検査したところ、濁度(ΔH)が3.0以下であり、良好な透明性を呈した。
【0083】
これらの試料を実施例4と同様のやり方で2週間にわたり屋外曝露することにより太陽の照射にさらし、屋外曝露前後での試料表面の水との接触角を測定した。測定結果を表8に併せて示す。表8から分かるように、いづれの試料のシリコーン塗膜も太陽の照射により高度に親水化している。
【0084】
実施例7(銅添加コーティング組成物)
200mlの異なるフラスコに、水分散シリカゾル(固形分10%)と、チタニアゾル(日産化学、TA-15、固形分15%)と、酢酸銅(酢酸銅一水和物)粉末を次表9に記載の夫々異なる配合比で入れ、室温で30分撹拌し、これにエタノールを加えた後、表9に示す量のメチルトリメトキシシランを夫々滴下し、2時間撹拌することにより、メチルトリメトキシシランを系内の水で加水分解させると共に、加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させてシロキサン化合物に変換させ、酢酸銅含有量の異なる3種のシロキサン化合物含有コーティング液(#1〜#3)を得た。#1コーティング液は酢酸銅無添加であり、比較のために調製したものである。
【0085】
【表9】
【0086】
これらのコーティング液#1〜#3を厚さ0.3mmの異なるアルミニウム板にフローコート法により夫々塗布し、170℃の温度に15分間保持することによりコーティング液を硬化させ、乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜で被覆された#1〜#3試料を夫々得た。
夫々の試料について実施例6と同様のやり方で抗菌性と脱臭性を試験した。その結果を表10に示す。表中の記号は表8と同じ大腸菌生存率を表す。
【0087】
【表10】
【0088】
表10から分かるように、銅の添加量が増えるにつれて暗時における抗菌性および脱臭性が高くなることが分かる。
【0089】
#1〜#3試料の夫々に20WBLB蛍光灯を用いて距離10cmのところから0.6mW/cm2の紫外線照度で連続的に紫外線を照射しながら、表面の水との接触角の変化を接触角測定器(CA-X150)により測定した。
水との接触角の変化を図4のグラフに示す。このグラフから分かるように、銅の含有量が少ないシリコーン塗膜の方がより速やかに親水化される。
【0090】
実施例8(炭素数3以上の有機基を有するシラン誘導体モノマーからのシロキサン化合物の合成)
炭素数3以上の有機基を有するシラン誘導体モノマーの加水分解と部分的脱水縮重合により、シリコーンの前駆体としてのシロキサン化合物を含有する種々の溶液を調製した。また、比較のため、炭素数3以下の有機基を有するシラン誘導体モノマーを用いてシロキサン化合物溶液を調製した。
【0091】
#1シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコにn−プロピルトリメトキシシラン164g(1.0mol)と、エタノール98gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながら加水分解触媒として0.05N希塩酸水54.0g(3.0mol)を滴下し、希塩酸水に含まれる水によりn−プロピルトリメトキシシランの加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で12時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#1溶液(固形分30%)を得た。
この#1シロキサン溶液について29Si−NMR(59.6MHz)により、ケイ素原子に結合した原子団を解析したところ、表11に示した式で夫々表される構造単位を示す3本のシグナル(-47〜-49、-56〜-58、-66〜-71ppm)が観測された。シグナル面積比から計算した各構造単位の存在比も表11に示す。
【0092】
【表11】
【0093】
29Si−NMRのシグナル強度比から残存n−プロピル基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3CH2CH2)1.0Si(OX)0.69O1.24
(式中、 X=H、又はCH3基)
であった。このシロキサン化合物の数平均分子量Mnを測定したところMn=6.1×102であった。
【0094】
#2シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコにフェニルトリメトキシシラン277.2g(1.4mol)と、n−プロピルトリメトキシシラン98.4g(0.6mol)と、トルエン225gと、イソプロピルアルコール22gを仕込み、98%メタンスルホン酸7.1gを触媒とし、内容物を温度30℃以下に保ちながら水64.8g(3.6mol)を滴下し、フェニルトリメトキシシランを加水分解した。滴下終了後、室温で1時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させた。その後重曹で中和し、生成したメタノール、溶剤を減圧留去し、トルエンで希釈した溶液を水洗し、最終的にトルエンを留去して、イソプロパノールを溶媒とする#2シロキサン化合物溶液(固形分30%)を得た。
このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=9.6×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存メトキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
Ph0.7(CH3CH2CH2)0.3Si(OX)0.22O1.39
(式中、 Ph=フェニル基。 X=H、又はCH3基)
であった。
【0095】
#3シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコにフェニルトリメトキシシラン316.8g(1.6mol)と、ビニルトリメトキシシラン59.2g(0.4mol)と、トルエン225gと、イソプロピルアルコール22gを仕込み、#2シロキサン溶液の合成と同様の手順で、同量の水を用いて加水分解、後処理を行い、イソプロパノールを溶媒とする#3シロキサン化合物溶液(固形分30%)を得た。
このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=6.7×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存メトキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
Ph0.8(CH2=CH)0.2Si(OX)0.20O1.40
(式中、 Ph=フェニル基。 X=H、又はCH3基)
であった。
【0096】
#4シロキサン溶液の合成
比較のため、メチルトリメトキシシランを用いてシロキサン化合物溶液を調製した。1リットルのフラスコにメチルトリメトキシシラン272.0g(2.0mol)と、トルエン225gと、イソプロピルアルコール22gを仕込み、#2シロキサン溶液の合成と同様の手順で、同量の水を用いて加水分解、後処理を行い、イソプロパノールを溶媒とする#4シロキサン化合物溶液(固形分30%)を得た。
このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=9.4×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存メトキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)1.0Si(OX)0.26O1.37
(式中、X=H、又はCH3基)
であった。
【0097】
#5シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコにフェニルトリメトキシシラン79.2g(0.4mol)と、n−プロピルトリメトキシシラン98.4g(0.6mol)と、エタノール130.4gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながら加水分解触媒として0.05N希塩酸水54.0g(3.0mol)を滴下し、希塩酸水に含まれる水によりアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシランおよびn−プロピルトリメトキシシラン)の加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で12時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#5溶液(固形分30%)を得た。
このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=9.6×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
Ph0.4(CH3CH2CH2)0.6Si(OX)0.56O1.22
(式中、 Ph=フェニル基。 X=H、又はCH3基)
であった。
【0098】
#6シロキサン溶液の合成
1リットルのフラスコにフェニルトリメトキシシラン158.4g(0.8mol)と、ビニルトリメトキシシラン29.6g(0.2mol)と、エタノール154.7gを仕込み、内容物を温度10℃以下に冷やしながら加水分解触媒として0.05N希塩酸水54.0g(3.0mol)を滴下し、希塩酸水に含まれる水によりアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシランおよびビニルトリメトキシシラン)の加水分解を行わせた。滴下終了後、室温で12時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、シロキサン化合物を含有する#6溶液(固形分30%)を得た。
このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=6.7×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存アルコキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
Ph0.8(CH3=CH)0.2Si(OX)0.52O1.24
(式中、 Ph=フェニル基。 X=H、又はCH3基)
であった。
【0099】
#7シロキサン溶液の合成
比較のため、メチルトリメトキシシランを用いてシロキサン化合物溶液を調製した。1リットルのフラスコにメチルトリメトキシシラン272.0g(2.0mol)と、トルエン247gを仕込み、濃硫酸7.4gを触媒とし、内容物を温度30℃以下に保ちながら水64.8g(3.6mol)を滴下し、メチルトリメトキシシランを加水分解した。滴下終了後、室温で1時間撹拌しながら加水分解を続行させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させた。その後重曹で中和し、生成したメタノール、溶剤を減圧留去し、トルエンで希釈した溶液を水洗し、最終的にトルエンを留去して、イソプロパノールを溶媒とする#7シロキサン化合物溶液(固形分31.0%)を得た。
このシロキサン化合物の数平均分子量を測定したところMn=9.4×102であった。29Si−NMRのシグナル強度比から残存メトキシ基及び水酸基量を見積もり、シロキサン化合物の平均組成式を求めたところ、平均組成式は、
(CH3)1.0Si(OX)0.26O1.37
(式中、X=H、又はCH3基)
であった。
【0100】
実施例9(光触媒含有コーティング組成物の調製および親水化速度の評価)
実施例8のシロキサン化合物含有溶液#1〜#4に、光触媒性チタニアゾル(日産化学、TA-15、固形分15%)と有機溶剤(エタノール)を表12記載の比率で配合し、全固形分3%(チタニア1.5%、シロキサン化合物1.5%)の光触媒含有コーティング液#1〜#4を調製した。
【0101】
【表12】
【0102】
厚さ0.3mmの複数のアルミニウム板にフローコート法によりコーティング液#1〜#4を夫々塗布し、150℃の温度に20分間保持することにより塗料を硬化させ、乾燥膜厚0.2〜1.0μmのシリコーン塗膜で被覆された被覆試料(#1〜#4)を得た。
次に、#1〜#4試料の夫々に2kWメタルハライドランプを用いて距離10cmのところから30分間紫外線を照射し、照射前後の試料表面の水との接触角の変化を接触角測定器(CA-X150)により測定した。水との接触角の変化を図5のグラフに示す。
図5のグラフから分かるように、フェニル基又はn−プロピル基を有するシラン誘導体モノマーから合成された#1〜#3シロキサン化合物溶液で形成されたシリコーン塗膜は、30分間の紫外線照射により、水との接触角が60度以下になる程度に親水化されている。これに対し、メチルトリメトキシシランから合成された#4シロキサン化合物溶液で形成されたシリコーン塗膜は、30分間の紫外線照射によっては殆ど親水化されていない。
このことは、シリコーン被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基を光触媒作用により水酸基に置換させるにあたり、炭素数3以上の有機基の方が、炭素数1の有機基よりも容易に置換され、より短時間で、或いはより少ない光照射量で表面が親水化されることを示している。
【0103】
実施例10(光触媒含有コーティング組成物の調製および親水化速度の評価)
実施例8のシロキサン化合物含有溶液#1および#5〜#7に、光触媒性チタニアゾル(日産化学、TA-15)とメタノール分散シリカゾル(固形分15%)と有機溶剤(エタノールとプロピレングリコールモノメチルエーテルとを7:3の割合で混合した混合溶剤)を表13に示した比率で配合し、全固形分3%(チタニア1.5%、シロキサン化合物1.5%)のコーティング液#1〜#4を調製した。
【0104】
【表13】
【0105】
厚さ0.3mmの複数のアルミニウム板にフローコート法によりコーティング液#1〜#4を夫々塗布し、150℃の温度に20分間保持することにより塗料を硬化させ、乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜で被覆された被覆試料を得た。
次に、夫々の試料に20WBLB蛍光灯を用いて距離10cmのところから5日間紫外線を照射し、試料表面の水との接触角の変化を接触角測定器(CA-X150)により測定した。照射前後の水との接触角の変化を次表14に示す。
【0106】
【表14】
【0107】
表14から分かるように、同一の紫外線照射条件にも拘わらず、メチルトリメトキシシランから合成された#7シロキサン化合物溶液で形成されたシリコーン塗膜は、フェニル基又はn−プロピル基を有するシラン誘導体モノマーから合成された#1、#5、#6シロキサン化合物溶液で形成されたシリコーン塗膜程には親水化されていない。
【0108】
実施例11(モノマーと光触媒を含有するコーティング組成物)
この実施例はシラン誘導体モノマーと光触媒とを含有するコーティング液の商業的実施可能性を示すものである。種々のシラン誘導体モノマーと光触媒を含有するコーティング液を調製した。
【0109】
#1コーティング液
200mlのフラスコに水分散シリカゾル(固形分15%)10gとチタニアゾル(日産化学、TA-15、固形分15%)40gを入れ、室温で1時間撹拌した。これにエタノール340.9gを加えた溶液に、3官能シラン誘導体であるメチルトリメトキシシラン9.13gを滴下し、2時間撹拌することにより系内の水でメチルトリメトキシシランを加水分解させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、光触媒とシロキサン化合物を含有する#1コーティング液(固形分3.1%)を得た。
【0110】
#2コーティング液
200mlのフラスコに水分散シリカゾル(固形分15%)10gとチタニアゾル(TA-15)40gを入れ、室温で1時間撹拌した。これにエタノール343.0gを加えた溶液に、2官能シラン誘導体であるジメチルジメトキシシラン2.19gと3官能シラン誘導体であるフェニルトリメトキシシラン4.83gを滴下し、2時間撹拌することにより系内の水でアルコキシシランを加水分解させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、光触媒とシロキサン化合物を含有する#2コーティング液(固形分3.2%)を得た。
【0111】
#3コーティング液
200mlのフラスコに水分散シリカゾル(固形分15%)10gとチタニアゾル(TA-15)40gを入れ、室温で1時間撹拌した。これにエタノール341.7gを加えた溶液に、3官能シラン誘導体であるメチルトリメトキシシラン6.4gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.19gを滴下し、2時間撹拌することにより系内の水でアルコキシシランを加水分解させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、光触媒とシロキサン化合物を含有する#3コーティング液(固形分3.1%)を得た。
【0112】
#4コーティング液
200mlのフラスコに水分散シリカゾル(固形分15%)10gとチタニアゾル(TA-15)40gを入れ、室温で1時間撹拌した。これにエタノール340.0gを加えた溶液に、3官能シラン誘導体であるn−プロピルトリメトキシシラン5.44gと4官能シラン誘導体であるテトラエトキシシラン4.68gを滴下し、2時間撹拌することにより系内の水でアルコキシシランを加水分解させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、光触媒とシロキサン化合物を含有する#4コーティング液(固形分3.3%)を得た。
【0113】
#5コーティング液
200mlのフラスコに水分散シリカゾル(固形分15%)10gとチタニアゾル(TA-15)40gを入れ、室温で1時間撹拌した。これにエタノール342.9gを加えた溶液に、メチルトリメトキシシランオリゴマー(平均3量体)7.08gを滴下し、2時間撹拌することにより系内の水でメチルトリメトキシシランオリゴマーを加水分解させると共に加水分解生成物を部分的に脱水縮重合させ、光触媒とシロキサン化合物を含有する#5コーティング液(固形分3.1%)を得た。
【0114】
#6〜#10コーティング液
比較のため、光触媒性チタニアゾルを添加することなく、水分散シリカゾル(固形分15%)50gを添加し、他は#1〜#5コーティング液と同様のやり方で、#1〜#5コーティング液に夫々対応し光触媒を含有しない#6〜#10コーティング液を得た。
【0115】
夫々のコーティング液#1〜#10を厚さ0.3mmの複数のアルミニウム板にフローコート法により塗布し、170℃の温度に15分間保持することにより塗料を硬化させ、光触媒を含有し或いは含有しない乾燥膜厚0.2〜0.5μmのシリコーン塗膜で被覆された被覆試料を得た。
次に、夫々の試料に20WBLB蛍光灯を用いて距離10cmのところから0.6mW/cm2の紫外線照度で10日間紫外線を照射し、試料表面の水との接触角の変化を接触角測定器(CA-X150)により測定した。照射前後の水との接触角の変化を次表15に示す。
【0116】
【表15】
【0117】
表15から分かるように、光触媒を含有するコーティング液#1〜#5で形成されたシリコーン塗膜はいずれも高度に親水化されている。これに対し、光触媒を含有しないコーティング液#6〜#10で形成されたシリコーン塗膜は殆ど親水化されていない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の試料の紫外線照射前後の赤外吸収スペクトルを示す。
【図2】実施例1の試料の紫外線照射前後のラマン分光スペクトルを示す。
【図3】実施例2の光触媒含有量の異なる試料の水との接触角の変化を示すグラフである。
【図4】実施例7の銅添加量の異なる試料の水との接触角の変化を示すグラフである。
【図5】実施例9のモノマー組成の異なる試料の水との接触角の変化を示すグラフである。
Claims (25)
- (a)平均組成式
R1 pSi(OR2)qO(4-p-q)/2
(式中、R1は、炭素数3〜18の一価の有機基の1種若しくは2種以上からなる官能基、又は、炭素数3〜18の一価の有機基と水素基から選ばれた2種以上からなる官能基であり、R2は、水素基、又は、炭素数1〜4の一価の有機基の1種若しくは2種以上であり、p及びqは、0.7≦p≦1.6、0<q<3.3、0.7<p+q<4を満足する数である)
で表されるシロキサンからなる塗膜形成要素であって、硬化させるとシリコーン樹脂の被膜を形成するもの、及び、
(b)前記塗膜形成要素中に分散され、光励起に応じて前記被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基を光触媒作用によりH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換させ、もって、被膜の表面を親水化するための光触媒の粒子、
を含有する、基材に適用され、前記光触媒の光励起に応じて親水化する塗膜を形成するために用いられる光触媒性親水性コーティング組成物 - 前記官能基R1は、炭素数3〜6の有機基を包含する請求項1に基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 前記官能基R1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、およびアリール基から選ばれた1種又は2種以上の有機基である請求項1に基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 上記シロキサンは:
一般式R1 2SiX2(式中、Xは塩素、臭素、又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。以下同様)で表される加水分解性2官能シラン誘導体0〜60モル%と、
一般式R1SiX3で表される加水分解性3官能シラン誘導体10〜100モル%と、
一般式SiX4で表される加水分解性4官能シラン誘導体0〜30モル%、
との混合物を少なくとも部分的に加水分解し縮重合することにより得られたものであることを特徴とする請求項1に基づく光触媒性親水性コーティング組成物。 - 前記混合物は、前記加水分解性2官能シラン誘導体を少なくとも1モル%含有することを特徴とする請求項4に基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 前記塗膜形成要素100重量部に対し10〜400重量部の光触媒粒子を含有することを特徴とする請求項1〜5のいづれかに基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 前記光触媒は結晶性チタニアである請求項1〜6のいづれかに基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 更に銀、銅、金、白金、パラジウム、鉄、ニッケル、亜鉛から選ばれた1種の金属又はその化合物を添加したことを特徴とする請求項1〜7のいづれかに基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 前記光触媒100重量部に対し前記金属元素を含む物質は20重量部以下であることを特徴とする請求項8に基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- (a)一般式R3 2SiX2(式中、R3は炭素数3〜18の一価の有機基であり、Xは塩素、臭素、又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。以下同様)で表される加水分解性2官能シラン誘導体0〜60モル%と、
(b)一般式R3SiX3で表される加水分解性3官能シラン誘導体10〜100モル%と、
(c)一般式SiX4で表される加水分解性4官能シラン誘導体0〜30モル%と、
(d)光触媒の粒子、
とを含有してなり、
基材に塗布したときにH2Oの存在下で前記シラン誘導体の加水分解と脱水縮重合によりシリコーン樹脂の被膜を形成し、
光触媒の光励起に応じて前記被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基が光触媒作用によりH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換され、もって、被膜の表面を親水化する、
基材に適用され、前記光触媒の光励起に応じて親水化する塗膜を形成するために用いられる光触媒性親水性コーティング組成物。 - 前記コーティング組成物は少なくとも1モル%の前記加水分解性2官能シラン誘導体を含有することを特徴とする請求項10に基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- (a)平均組成式
R1pSi(OR2)qO(4-p-q)/2
(式中、R1は、炭素数3〜18の一価の有機基の1種若しくは2種以上からなる官能基、又は、炭素数3〜18の一価の有機基と水素基から選ばれた2種以上からなる官能基であり、R2は、水素基、又は、炭素数1〜4の一価の有機基の1種若しくは2種以上であり、p及びqは、0.7≦p≦1.6、0<q<3.3、0.7<p+q<4を満足する数である)で表されるシロキサンを非水性分散媒中に分散させてなる第1液であって、H2Oの存在下で硬化させるとシリコーン樹脂の被膜を形成するものと、
(b)光励起に応じて前記被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基を光触媒作用によりH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換させ、もって、被膜の表面を親水化するための光触媒の粒子を水性分散媒中に分散させてなる第2液、との組み合わせからなり、
基材に適用され、前記光触媒の光励起に応じて親水化する塗膜を形成するために用いられる二液型の光触媒性親水性コーティング組成物。 - (A)
(a)一般式R3 2SiX2(式中、R3は炭素数3〜18の一価の有機基であり、Xは塩素、臭素、又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。以下同様)で表される加水分解性2官能シラン誘導体0〜60モル%と、
(b)一般式R3SiX3で表される加水分解性3官能シラン誘導体10〜100モル%と、
(c)一般式SiX4で表される加水分解性4官能シラン誘導体0〜30モル%、とを非水性分散媒中に分散させてなる第1液であって、H2Oの存在下で硬化させるとシリコーン樹脂の被膜を形成するものと、
(B)光励起に応じて前記被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基を光触媒作用によりH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換させ、もって、被膜の表面を親水化するための光触媒の粒子を水性分散媒中に分散させてなる第2液、との組み合わせからなり、
基材に適用され、前記光触媒の光励起に応じて親水化する塗膜を形成するために用いられる二液型の光触媒性親水性コーティング組成物。 - 前記コーティング組成物は少なくとも1モル%の前記加水分解性2官能シラン誘導体を含有することを特徴とする請求項13に基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 光励起に応じて表面が斯く親水化された前記被膜は、その表面に付着した湿分の凝縮水および/又は水滴が被膜の表面に広がるのを可能にし、もって、該被膜によって被覆された基材が湿分凝縮水および/又は水滴によって曇り若しくは翳るのを防止することを特徴とする請求項1〜14のいづれかに基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 光励起に応じて表面が斯く親水化された前記被膜は、降雨にさらされた時に付着堆積物および/又は汚染物が雨水により洗い流されるのを可能にし、もって、表面の自己浄化を可能にすることを特徴とする請求項1〜14のいづれかに基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 光励起に応じて表面が斯く親水化された前記被膜は、汚染物を含んだ雨水が接触したときに汚染物が表面に付着するのを防止することを特徴とする請求項1〜14のいづれかに基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 光励起に応じて表面が斯く親水化された前記被膜は、水に浸漬したとき又は水で濡らしたときに付着堆積物および/又は汚染物を釈放し、もって、表面を水で洗浄するのを容易にすることを特徴とする請求項1〜14のいづれかに基づく光触媒性親水性コーティング組成物。
- 基材の表面に請求項1〜14のいづれかに基づくコーティング組成物を塗布する工程と、前記コーティング組成物を硬化させて基材上にシリコーン樹脂の被膜を形成する工程と、光触媒を光励起することにより被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基をH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換させ、被膜表面の水に対する接触角が60度以下になるまで被膜表面を親水化する工程、からなる親水性被膜の形成方法。
- 前記コーティング組成物は銀、銅、および亜鉛から選ばれた金属を含み、前記被膜は暗条件での抗菌性を兼備えている請求項19に基づく被膜の形成方法。
- 防曇を要する基材の表面に請求項1〜14のいづれかに基づくコーティング組成物を塗布する工程と、前記コーティング組成物を硬化させて基材上にシリコーン樹脂の被膜を形成する工程と、光触媒を光励起することにより被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基をH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換させ、被膜表面の水に対する接触角が60度以下になるまで被膜表面を親水化する工程と、斯く親水化された被膜の表面に付着した湿分の凝縮水および/又は水滴が被膜の表面に広がるのを可能にし、もって、基材が湿分凝縮水および/又は水滴によって曇り若しくは翳るのを防止する工程、からなる基材の防曇方法。
- セルフクリーニングを要する基材の表面に請求項1〜14のいづれかに基づくコーティング組成物を塗布する工程と、前記コーティング組成物を硬化させて基材上にシリコーン樹脂の被膜を形成する工程と、基材を屋外に配置する工程と、太陽光により光触媒を光励起することにより被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基をH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換させ、被膜表面の水に対する接触角が60度以下になるまで被膜表面を親水化する工程と、被膜表面に汚染物質を付着させる工程と、基材を降雨にさらして被膜表面に付着した汚染物質を雨水により洗い流させる工程、からなる基材のセルフクリーニング方法。
- 防汚を要する基材の表面に請求項1〜14のいづれかに基づくコーティング組成物を塗布する工程と、前記コーティング組成物を硬化させて基材上にシリコーン樹脂の被膜を形成する工程と、基材を屋外に配置する工程と、太陽光により光触媒を光励起することにより被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基をH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換させ、被膜表面の水に対する接触角が60度以下になるまで被膜表面を親水化する工程と、基材を降雨にさらして汚染物を含んだ雨水が接触したときに汚染物が表面に付着するのを防止する工程、からなる基材の防汚方法。
- 洗浄を要する基材の表面に請求項1〜14のいづれかに基づくコーティング組成物を塗布する工程と、前記コーティング組成物を硬化させて基材上にシリコーン樹脂の被膜を形成する工程と、光触媒を光励起することにより被膜の表面のシリコーン分子のケイ素原子に結合した有機基をH2Oの存在下で少なくとも部分的に水酸基に置換させ、被膜表面の水に対する接触角が60度以下になるまで被膜表面を親水化する工程と、被膜表面に汚染物を付着させる工程と、基材を水に浸漬し又は水で濡らすことにより付着汚染物を被膜表面から釈放させる工程、からなる基材の洗浄方法。
- 請求項19又は20の方法により形成された親水性被膜を有する被覆物品。
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