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JP3927061B2 - マンナン繊維および製造方法 - Google Patents

マンナン繊維および製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,コンニャクの製造工程において大量に発生し,産業廃棄物となっている飛粉,に含まれるグルコマンナン類,ならびに天然セルロース系材料やシルクを原料とし,強度と透明性を有する新規マンナン繊維に関する。また,本発明は衣料用の繊維や糸などの繊維製品として使用できるほか,医療用,農業用,ならびに産業用にも使用でき,人間と地球に優しい環境適合型材料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
グルコマンナン,あるいはコンニャク・マンナンにおける従来の技術としては,食品としてのコンニャクや糸コンニャクに関する製造方法および装置(たとえば特開2000−061891,特開2000−060448,特開平11−169104,特開平09−238621),コンタクトレンズ用の透明なグルコマンナンゲルの製造方法(特開平5−161459),グルコマンナンの被膜を有する紡績糸およびその製造方法(特開平07−90775,特願平10−262858),グルコマンナンを主成分とする表面処理剤,擬革等の処理方法およびシート(特開平07−207584)などが知られている。
【0003】
しかし,糸コンニャクは「糸」という繊維の用語を冠しているが,細長い糸状の食品であり,一定の強度を有することが前提となる繊維,あるいは繊維集合体と呼ぶことはできず,繊維製品とはいえない。また,グルコマンナンを紡績糸,タオル,シートなどに被覆したものは,グルコマンナンを被覆材や表面処理剤として使用したにすぎず,グルコマンナン類自身をマンナン繊維としたものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して,本発明は、グルコマンナン類を主成分とし、求められる強力を有するマンナン繊維を得ることを課題としている。
【0005】
本発明のマンナン繊維は,強度や透明性を有するほか,生体適合性,環境適合性に優れており,衣料用の繊維や糸などの繊維製品として使用できるほか,医療用,農業用,産業用に好適に使用でき,人間と地球に優しい生体・環境適合型材料である。しかも,グルコマンナン類は,コンニャクの製造工程において多量に発生する飛粉,すなわち産業廃棄物の有効利用法にも資することができるものである。紙おむつ,包帯,ガーゼ,生理用品,手術糸などの医療用,農・産業用ビニールシートなどの化学製品に対する生分解性の問題,各地域において異常発生している孟宗竹の公害問題,ならびに砂漠の緑化問題等を解決でき,しかも天然資源(バイオマス)を最大限に利用した人と環境にやさしい材料や製品を設計・開発できることである。
【0006】
したがって,最終繊維製品としての快適な編織物への展開のみならず,環境問題への対応,すなわち天然資源の有効利用や生分解性,保水性等を必要とする材料等の設計・開発に資することができるマンナン繊維を提供することを目的とする。また,グルコマンナンとデンプン,あるいはセルロース系材料を均一な混合,あるいは相や層状に組み合わせてハイブリッドとしたマンナン繊維を簡単かつ安定的に製造できるマンナン繊維の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
グルコマンナンは,D−グルコースとD−マンノースをモル比約2:1で含んでおり,一般にはβ−1,4結合からなる主鎖に,β−1,3結合による分岐(側鎖)を有する複合多糖類である。代表的な原料はコンニャク薯の根茎であり,このグルコマンナンはコンニャク・マンナンと呼ばれているが,針葉樹のヘミセルロース画分などにも含まれている。グルコマンナンの主な用途は,生産量の約80%がコンニャクやゼリーなどの食品用に供されており,残り約20%が接着剤や表面処理剤などとして工業用に使用されているに過ぎない。
また,グルコマンナンは冷水に溶解して,粘性のあるゾルを形成する。さらに,水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムなどのアルカリ化合物を添加・加熱することでゲル化する。ゲル化に必要なアルカリ量は極めて僅かであり,分子中のアセチル基が離脱し,水素結合によって3次元ネットワーク構造体,あるいは網状構造体を形成する。すなわち,ゲル化にはアセチル基の離脱が必須の反応であるが,その構造変化は比較的小規模なものであるために,架橋点は非常に少なく,部分的に結晶化して,結節点として網目構造体を形成する。しかし,ゾルとの比較においては,強さと弾性力を大幅に向上させて,吸水性と保水性を保有するようになる。その構造はコンニャクや糸コンニャクを凍結・解凍させると得ることができ,赤ちゃん用に市販されているスポンジからも確認できるが,乾燥時における構造体は実に脆い物で,手で触ったくらいでも容易に壊れてしまうほど強度が劣っている。
【0008】
コンニャクはサトイモ科の植物であるコンニャク(Amorphophallus konjac K.Koch)の球茎から製造されるゲル状食品である.その特有な風合いとテクスチャーが古くから日本人の間で広く賞味されており,日本人民族にとって約1500年もの食用歴をもつ,まさに日本人固有の伝統食品である。また,コンニャクを日常的に食べている民族は日本人だけである。
ところで,コンニャク精粉の製造は,まずきれいに水洗いしたコンニャク薯を輪切りにし,天日または火力によって乾燥して,切干をつくる。この切干を粗く砕いたものが“荒粉”である。ついで,荒粉は石臼を用いて,長時間かけて杵で細かくひきながら,強い風をあてて選別され,マンナン粒子を取り出す。マンナン粒子は“精粉”と呼ばれ,コンニャク・マンナンを主成分とし,ずっしりと重いので石臼の中に残る。精粉の製造中に,石臼の周囲にコンニャク薯の表皮や夾雑物などを含む粉末が飛散する。この粉末は,比較的に軽く,非常に微細な粉末であり,“飛粉”と呼ばれている。しかし,これからはコンニャクができない。また,石臼のごく近くに飛散している粉末は,飛粉よりも大きいことから“中粉”と呼ばれている。この中粉は,消費者の嗜好を考慮して,コンニャクの着色用として,精粉に混入・利用されている。
精粉は,特等粉,ならびに一等粉から四等粉までに品質を区別されるが,コンニャクは主として特等粉と一等粉からつくられており,その他の粉は格落ち品となる。精粉の品質評価は,ほとんどの場合,薯の品質評価で決められている。すなわち,大玉の薯からとれた粘度約140(poise)以上が特等粉となり,玉が小さく,また粘度の低下とともに,精粉の品質・等級が下がっていく。
コンニャク粉の製造工程中において,多量に発生する飛粉は,産業廃棄物として取扱われており,その処理には莫大な経費が必要となっている。飛粉は,コンニャク・マンナンとデンプンを主成分として,約50%の糖質を含んでおり,精粉の70〜80%に当たる量が生産されている。しかし,飛粉には,フェノール誘導体の収けん性による渋味,シュウ酸塩などのえぐ味,ならびに特異な刺激性の生臭さ,魚臭さや異臭があるために,その利用率は極めて低く,家畜用飼料としての利用だけである。
【0009】
さらに,産業用,あるいは農業用ビニールシート等の化学製品における生分解性の問題や各地域で異常発生している孟宗竹の公害問題,地球の温暖化防止に役立つとしきりに栽培されるようになったケナフの繊維利用法,あるいは砂漠の緑化問題など,地球環境への配慮と対応は今世紀における重要な課題であり,対応策の検討も急務である。
そこで,ケナフや孟宗竹,ゴボウ,サツマイモなどのセルロース系材料を有効利用する方法として,グルコマンナン類と組み合わせることを考えた。すなわち,ハイブリッド・マンナンの製造である。
【0010】
まず,ケナフ(洋麻,kenaf)は,アオイ科フヨウ(ハイビスカス)属の一年生草で,アフリカのスーダン西部が原産地とされ,北方型のキューバケナフ(カナバイナス,Hibiscus Cannabinus Linn.)と南方型のタイケナフ(サブダリファ,Hibiscus Sabdariffa Linn.)に大別される。ケナフはジュート(黄麻)の代用として,ロープ,網,粗布,麻袋等産業用の繊維材料として利用されてきた。一般に麻類では,古くから高級衣料用として利用されているリネン(亜麻)とラミー(苧麻)を除いて,強度は優れているが,柔軟性に乏しく,粗剛で毛羽立ちやすく,衣料用に不向きであるとされている。ケナフの単繊維長は2〜6mm,繊度は通常70〜80dtexである。一方,茎の高さは約2m,大きいものでは4〜5mにまで成長することから,近年における地球の温暖化防止,すなわち二酸化炭素(CO)の軽減に役立つと注目されるようになった。ここ数年,北海道から九州まで,日本各地の小中学校で環境教育のために栽培され,企業のイメージアップにも利用されるようになっている。また,森林資源の利用を減らせるようにと,木材パルプ以外の原料を使った紙の普及がすすめられており,飼料,切花,工芸品などの地場産業への拡大も検討されるようになった。
ついで,孟宗竹(phyllostachys pubescens Mazel)は中国原産であるが,現在では日本各地に見られる普通の竹となっている。また,日本にある竹類の中では最も大きいもので,筍は食用になっており,ミネラルやビタミン,繊維質を豊富に含んでいる。その他,竹の機能性は,▲1▼放射線に対する抵抗力:紫外線よりもはるかに強力なガンマ線に対して強い抵抗力があること,▲2▼成長速度が速い:天然材料として,わずか二カ月で14〜15mの高さまで成長し,資源としての再生能力が大きいことなどである。孟宗竹は昔から農作業に必要な資材を得るために,その多くは里山に植栽され,人の手によってクヌギなどの雑木林とのすみわけがなされていた。食料品として,生活資材として,さらに我が国の輸出品の中で,竹製品は重要な位置を占めるようになり,1940年代までは竹材や筍が農家の重要な副収入の一つになっていた。しかし,この秩序ある生態系が農山村の疲弊と平行して壊れつつある。近年,放置されたままの竹林は年々拡大し,人工林や薪炭林,広葉樹林,農地などへの侵入被害が深刻さを増し,その異常繁殖と荒廃が問題となり,孟宗竹の有効利用が求められている。すなわち,パンやクッキーに混ぜたり,家畜飼料に使ったり,竹炭や竹酢液の機能成分に注目した商品開発などが検討されるようになった。
【0011】
さらに,身近なセルロース系材料にはゴボウやサツマイモなどがある。ゴボウ(edible burdock,Arctium lappa L.syn.)は中国から渡来し,平安末期からすでに各地で栽培され,野菜として使用されているが,根菜として重要な野菜の一つになっているのは日本だけである。根の成分はイヌリン45%と少量のパルミチン酸を含んでいる。サツマイモ(sweet potato,Ipomaea batatas LAM.)は中央アメリカ原産で,熱帯から温帯にかけて栽培されているが,温帯南部で最も普及しており,我が国には中国から渡来した。塊根の成分は品質・栽培条件・収穫時期・貯蔵期間などによって,著しく影響を受けるが,我が国で栽培されている品種の堀取期間におけるおよその含量は,水分60〜75%,デンプン18〜25%,繊維質0.5〜3%であり,中にはカロチンを含む品種がある。
このような天然資源(バイオマス)であるセルロース系材料やシルクとグルコマンナン類を主成分として,均一混合,あるいは相または層状に組み合わせたグルコマンナン繊維,およびマンナンシート,あるいはこれらと他の異種材料を組み合わせた材料を、ここではハイブリッド・マンナンと呼ぶ。
【0012】
本発明者は,まず,コンニャクの製造工程において多量に発生する飛粉,すなわち産業廃棄物の有効利用法を検討するために,“糸コンニャクが繊維製品になり得るか,否か”という大命題に取り組み,鋭意工夫して,さまざまな実験を繰り返した。その結果,グルコマンナン,あるいは飛粉を含むコンニャク粉の適量を,銅アンモニア,および水酸化銅などの銅イオンを有する溶液中に溶解させてみたところ,予想外にも高粘度な溶液,すなわち曵糸性を得ることができた。
【0013】
ついで,これらの粘性溶液をアルカリ溶液で処理してみると,それぞれの溶液がコンニャクのように凝固することを確認できたのである。また,小さな空孔の付いた適当な装置を用いて,この粘性溶液を凝固液中に紡糸したところ,細長い形状のままで凝固させることもできた。したがって,乾燥糸コンニャクなどにみられるようなスポンジ状の網目構造を微細化すること,また架橋点を増やすことに成功したものと考える。この繊維を水洗い後に乾燥したが,その形態は安定しており,軽く引っ張ったぐらいでは容易に切断しないほどの強度が得られたのである。
【0014】
さらに,本発明者は化学製品に対する生分解性能や公害の問題,ならびに地球環境を改善するために,天然資源である孟宗竹やケナフなどのセルロース系材料について,上述したと同様な方法で実験したが失敗を繰り返した。しかし,それぞれの材料を石臼で微粉末化するなどの工夫と実験を繰り返した結果,やっと曳糸性のある溶液が作製できるようになった。
【0015】
すなわち,上記の課題は,グルコマンナン、あるいは飛粉を含むコンニャク粉を用いて,銅イオンを有する溶液と反応・処理させた後,アルカリ凝固液中に紡糸し,水洗,ならびに乾燥させることによって,細長い糸状のマンナン繊維,あるいはテープ状のマンナンシートが製造できるようになった。また,マンナン繊維の製造時において,多種類の天然資源であるデンプンやセルロース系材料,すなわちケナフ,孟宗竹,ゴボウ,あるいはシルクなどの微粉末を混入・溶解させることによって,ハイブリッドのマンナン繊維が製造できるようになった。
【0016】
【作用】
本発明は,コンニャクの製造工程中にグルコマンナンを含むコンニャク粉の飛粉を取得し、該飛粉を銅アンモニア溶液,および水酸化銅などの使用により,銅イオンと反応・溶解させた後,水酸化ナトリウムなどのアルカリ凝固液中に紡糸・延伸し,メタノールなどのアルコール類で水洗・乾燥,ならびに希硫酸などの酸性溶液で処理・乾燥することを特徴とするマンナン繊維、さらに、孟宗竹粉末あるいはシルク粉末を飛粉と同様に処理して取得する溶解液を飛粉の溶解液とを混合した原料からなるハイブリッドのマンナン繊維の製造方法からなるものであり,人と地球に優しい生体・環境適合型材料,ならびに生分解性や低刺激性,保水性等を有する長所を生かした,独特の風合いをもつ多様な新規マンナン繊維が得られる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明のマンナン繊維,ハイブリッドマンナン繊維,およびそれらの製造法について,具体的な構成を実施例に基づいて説明するとともに,その特性を説明する。
【0018】
実施例1
まず,濃アンモニア液(28%)10mlに対して,水酸化銅0.1gを溶解させた銅アンモニア溶液を作製する。ついで,マグネット・スターラで本溶液を撹拌しながら,溶液10mlに対して各材料の粉末を完全溶解させた後,医療用の注射器(12ml用)を使用して,凝固液(30%NaOH水溶液)中へ紡糸することによって,各材料を凝固させるために必要な溶解量について検討した。20±2℃の常温状態における実験結果はつぎのとおりであった。
Figure 0003927061
【0019】
実施例2
アルカリ凝固液中に紡糸したグルコマンナン繊維を直ちにボビンに巻き取るならば,乾燥後のマンナン繊維はボビン上に貼り付くだけではなく,相互にくっついてしまい,1本ずつに分離することができない状態となった。一方,紡糸したマンナン繊維を長時間水中に放置するとき,繊維は分解したり,あるいはゲル化したりして,繊維の形態が安定しなかった。
そこで,蒸留水によるマンナン繊維の水洗時間について検討するために,水洗時間を10sec,30sec,1min,3min,10min,1dayの5水準で実験した結果,10secでは短く,30sec以上では繊維が膨潤しはじめるために,マンナン繊維は部分的な弱点をもつことが分かった。
加えて,蒸留水による短時間の水洗後,ボビン上に巻き取った状態のままで乾燥させた場合には,マンナン繊維の長さ方向の収縮率が大きいために,繊維の切断が起こり,長く連続した繊維を得ることは困難であった。さらに,乾燥時においてマンナン繊維に付着していた水分・蒸留水は,蒸発するまでの間にマンナン繊維上で水滴様となり,繊維を膨潤させるために付着部分が弱点となっていた。
【0020】
実施例3
紡糸したマンナン繊維に対する乾燥時間の短縮化を図るために,アルコール(メタノール)で水洗することを検討した。その結果,意外にも,蒸留水による水洗時にみられたマンナン繊維の部分的な弱点は発生しないことが分かった。
また,メタノールでの水洗時間を30secから5minと変化させた場合でも,水洗時間に依存せずに,マンナン繊維が形態的に安定していた。さらに,ボビン上に巻き取った状態で乾燥させた場合でも,蒸留水の場合と比較して,マンナン繊維の収縮率が小さく,繊維は切断することなく,連続した長い繊維を安定的に得ることができた。
それらの物性に関する一例を次表に示す。
Figure 0003927061
【0021】
実施例4
アルカリ凝固液中に紡糸されたゲル化物に対して,巻取速度の調製,あるいは延伸比を制御することにより,太さの異なるマンナン繊維も作製できた。
加えて,紡糸用ノズルを模倣した注射器の先端部を平らに加工したり,あるいはその他の適当な部品を先端部に装着したりすることで,容易に厚さと幅が異なるリボン状,あるいはテープ状をしたマンナンシートの作製にも成功した。
【0022】
実施例5
上述した方法で得られた全てのマンナン繊維は,銅イオンの影響により,青色,あるいは水色を呈している。しかし,濃度20〜30%の希硫酸溶液で処理・乾燥することにより,一般的な化学繊維やフィルムと同様に,ほぼ無色透明なマンナン繊維,およびシートが簡便かつ安定的に製造できた。
また,これらの繊維やシートを複数本引き揃えることにより,マンナン繊維やシートの集合体を作製することにも成功した。
【0023】
実施例6
一方,他種の天然セルロース系材料であるケナフや根曲り竹,孟宗竹等を原材料とするそれぞれの微粉末に対して,上述した製造方法を用いることにより,それぞれの再生繊維を簡単に製造することさえできた。
また,グルコマンナンとデンプンを主成分とした飛び粉,あるいはグルコマンナンとセルロース系材料,またはシルクとの均一混合紡糸液からでも,本製造方法を用いることにより,それぞれに特徴的なハイブリッド・マンナン,およびハイブリッド・シートが簡便かつ安定的に作製できた。
それらの物性に関する一例を次表に示す。
Figure 0003927061
【0024】
実施例7
さらに,グルコマンナンと他種材料の紡糸液を混合することなく,分離した状態でそれぞれに作製した後,適当な同一ノズルを用いて紡糸した場合には,両材料をサイド・バイ・サイド型に組み合わせたハイブリッド・マンナン,あるいはシース・コア型に組み合わせたハイブリッド・マンナンが作製できた。
【0025】
実施例8
これらのマンナン繊維,およびハイブリッド・マンナンを使用するとともに,リング精紡機やカバリング機などの様々な繊維機械を援用することによって,多種類の短繊維束やフィラメント糸を,均一混合,相あるいは層状に組み合わせたハイブリッド・マンナンを製造できた。
【0026】
実施例9
上述した全てのマンナン繊維やハイブリッド・マンナン,あるいは繊維集合体を経糸,あるいは緯糸に用いた編織製品などを製造することも可能であった。
【0027】
本発明の製造方法によれば、飛粉に含まれるマンナン、該マンナンと孟宗竹やシルク等の粉末からなるハイブリッドのマンナン繊維は,その組み合わせによっては,独特の外観と構造,風合い,機能性をもつ広範囲な環境適合型材料となり、この新規マンナン繊維ならびに繊維製品などが安定的にかつ安価に製造できる。すなわち,産業廃棄物の有効利用や地球の環境問題に対する改善に役立つだけではなく,快適な繊維製品が保有すべき性能,たとえば皮膚に対する安全性や低刺激性からは,子供服や肌着,ランジェリーなどの製品として,さらに加えて保水性を必要とする赤ちゃん用の紙おむつや生理用品などが製造できる。また,土中に埋めることを考えて,生分解性や保水性が求められるときには,農・産業用の寒冷紗やシート材,あるいは鉢植え等の植物栽培や砂漠の緑化などにも役立つ,球状やシート状などのマンナン基布やマンナン資材が多様かつ広範囲に製造できる。
【0028】
さらに,各種繊維の集合体を芯糸や鞘糸として,化学繊維や金属繊維,あるいは天然繊維等の多種な糸を目的に応じて本発明のマンナン繊維と組み合わせ、たとえば金属繊維を芯糸としてマンナン繊維と一緒に撚り合わせた電磁波防止用ハイブリッド・マンナン繊維,および炭素繊維と組み合わせた特殊なハイブリッド・マンナン繊維なども製造できる。
【効果】
本発明によれば,天然の材料であるコンニャク薯を原料とするコンニャク粉のマンナンを含む飛粉を使用した使用した新規マンナン繊維が作製できるだけではなく,コンニャクの製造過程において大量に発生する産業廃棄物としての飛び粉や高頻度に栽培されているケナフ材,あるいは各地域において公害となっている孟宗竹などとの組み合わせを考えることにより,天然資源(バイオマス)の有効利用による人と地球にやさしい生体・環境適合型材料の創製も展望でき,しかも独特の外観や風合い,機能性などを特徴とする新規ハイブリッド・マンナン,ならびにそれらの繊維製品や農・産業用資材が安定的かつ安価に製造できる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
第1図,および第2図は,本発明のマンナン繊維横断面電子顕微鏡写真の一例である。

Claims (10)

  1. コンニャクの製造工程中にグルコマンナンを含むコンニャク粉の飛粉を取得し、
    前記飛粉を銅アンモニア溶液と反応・溶解させて、曳糸性を有する溶解液を調製し
    前記溶解液をアルカリ凝固液中で紡糸し、
    前記紡糸をアルコールで水洗いした後に、乾燥していることを特徴とするマンナン繊維の製造方法
  2. 前記乾燥後に、さらに、希硫酸溶液で処理・乾燥して透明化している請求項1に記載のマンナン繊維の製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法により製造され、太さを14.5( tex )とした場合、強度が2.9×10 −2 N tex) 、伸度が1.4%、ヤング率が7.8×10 −4 N tex )であるマンナン繊維。
  4. コンニャクの製造工程中にグルコマンナンを含むコンニャク粉の飛粉を取得し、
    上記飛粉を銅アンモニア溶液と反応・溶解させて、曳糸性を有する溶解液を調製すると共に、孟宗竹粉末を銅アンモニア溶液と反応・溶解させて、曳糸性を有する溶解液を調製し、
    前記飛粉の溶解液と孟宗竹粉末の溶解液とを等量で配合した混合溶液を取得し、
    前記混合溶液をアルカリ凝固液中に紡糸し、
    前記紡糸をアルコールで水洗いした後に、乾燥していることを特徴とするマンナン繊維の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法により製造され、太さを16.5( tex )とした場合、強度が2.1×10 −2 N tex) 、伸度が1.2%、ヤング率が8.2×10 −4 N tex )であるマンナン繊維
  6. コンニャクの製造工程中にグルコマンナンを含むコンニャク粉の飛粉を取得し、
    上記飛粉を銅アンモニア溶液と反応・溶解させて、曳糸性を有する溶解液を調製すると共に、シルク粉末を銅アンモニア溶液と反応・溶解させて、曳糸性を有する溶解液を調製し、
    前記飛粉の溶解液とシルク粉末の溶解液とを等量で配合した混合溶液を取得し、
    前記混合溶液を、アルカリ凝固液中に紡糸し、
    前記紡糸をアルコールで水洗いした後に乾燥していることを特徴とするマンナン繊維の製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法により製造され、太さを10.0( tex )とした場合、強度が2.7×10 −2 N tex) 、伸度が3.2%、ヤング率が10.4×10 −4 N tex )であるマンナン繊維
  8. リボン状、テープ状とされている請求項2、5、7のいずれか1項に記載のマンナン繊維。
  9. 金属繊維を芯糸として撚リ合わせて電磁波紡糸用としている請求項2、5、7、8のいずれか1項に記載のマンナン繊維。
  10. 請求項2、5、7、8、9のいずれか1項に前記マンナン繊維から編成した編織製品。
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