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JP3922681B2 - 炭化水素の異性化方法および異性化用固体酸触媒 - Google Patents

炭化水素の異性化方法および異性化用固体酸触媒 Download PDF

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
技術分野
本発明は、硫酸−ジルコニア系の固体酸触媒を用いて硫黄化合物を含有する炭化水素を異性化する方法、および、それに用いる異性化用固体酸触媒に関する。
【0002】
背景技術
石油留分などの炭化水素の異性化反応は、高オクタン価ガソリン基材の製造法や化学原料の製造法として重要である。特に、ノルマルブタンの異性化は、メチル−tert−ブチルエーテルやアルキレートガソリンの原料となるイソブタンの製造法として、また、ライトナフサの異性化はガソリン基材の製造法として重要な反応である。
【0003】
従来、炭化水素の異性化は、白金−塩素化アルミナ、白金−ゼオライトなどの固体酸特性を示す酸化物を白金で修飾した触媒を、水素共存下で炭化水素と接触させることで行われている。これらの触媒は反応原料中の不純物により活性が低下することが知られている。特に反応原料に硫黄化合物が数十ppmの濃度含まれると、著しく触媒活性が阻害されることが知られている。
通常、原油より蒸留分離された石油留分には数十から数百ppmの硫黄化合物が含まれている。また、多くの場合、石油精製プロセスもしくは石油化学プロセスより生成する炭化水素や水素中には、硫黄化合物が含まれている。このような炭化水素を異性化反応に用いるためには、前処理を行い、異性化反応に影響のない濃度まで硫黄化合物を低減する必要があった。
【0004】
発明の開示
したがって、石油留分のように硫黄化合物を不純物として含む炭化水素を異性化するためには、その前処理のための特別な前処理設備が必要となっていた。本発明はこのような課題を解決するものであり、特別な前処理を行わない原料を異性化する方法、また、硫黄化合物が含まれる水素を用いて炭化水素の異性化反応を行うための方法、さらに、これらの方法に用いられる触媒を提供するものである。
【0005】
本発明者が鋭意検討した結果、ジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分を含む担体と、この担体に担持された硫酸分とを含む固体酸触媒を用いることにより、硫黄化合物の存在下でもその影響をほとんど受けること無く、炭化水素の異性化反応を行い得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、
[1]正方晶の結晶構造であり、CuKα線による2θ=28.2°と2θ=30.2°のX線回折ピーク面積比が1.0以下であるジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分とアルミナおよび/または含水アルミナからなる部分とを含む担体と、
この担体に担持された硫黄量として0.2〜10重量%の硫酸分と第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属成分を合計量として0.05〜10重量%を含み、
ルコニアとアルミナの合計重量おけるアルミナが5〜90重量%であるジルコニア/アルミナ成形体の固体酸触媒に、
硫黄重量として20〜500ppmの硫黄化合物を含有し、沸点範囲−20℃〜120℃の複数の化合物の混合物である原料炭化水素と水素を接触させて異性化された炭化水素を得ることを特徴とする炭化水素の異性化方法。
[2]前記[1]の異性化された炭化水素の有機硫黄化合物含有量が硫黄重量として10ppm以下であることを特徴とする前記[1]記載の炭化水素の異性化方法。
[3]正方晶の結晶構造であり、CuKα線による2θ=28.2°と2θ=30.2°のX線回折ピーク面積比が1.0以下であるジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分とアルミナおよび/または含水アルミナからなる部分とを含む担体と、
この担体に担持された硫黄量として0.2〜10重量%の硫酸分と第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属成分を合計量として0.05〜10重量%を含み、
ルコニアとアルミナの合計重量におけるアルミナが5〜90重量%であるジルコニア/アルミナ成形体の固体酸触媒であって、
硫黄重量として20〜500ppmの硫黄化合物を含有し、沸点範囲−20℃〜120℃の複数の化合物の混合物である原料炭化水素と水素を前記固体酸触媒に接触させて異性化された炭化水素を得る炭化水素の異性化用固体酸触媒、
に関する。
【0007】
発明を実施するための最良の形態
[原料炭化水素]
本発明の異性化の対象となる原料炭化水素は、原油の蒸留分離により得られるライトナフサもしくはホールナフサや、流動接触分解装置より得られるブタンなどを用いることが出来る。好ましくは沸点範囲−20℃〜120℃、特には沸点範囲−5℃〜110℃の炭化水素の単一化合物もしくは複数の化合物の混合物が好ましい。
【0008】
[異性化反応条件]
本発明の異性化反応条件は、用いる触媒や反応の目的により異なるが、通常、好ましい反応温度の範囲が100℃〜300℃、特には120℃〜260℃であり、好ましい反応圧力の範囲が1〜50kgf/cm、特には15〜40kgf/cm、好ましい液空間速度LHSVの範囲が0.2〜10/hr、好ましい水素/炭化水素原料比の範囲が0.1〜10mol/molである。
異性化反応前に用いる固体酸触媒を水素により還元処理を行ってもよい。この場合の処理温度は300℃よりも低い温度が好ましく、特には250℃よりも低い温度が好ましい。
処理温度が高すぎると触媒中の硫酸分が還元され、触媒活性が低下する。しかしこれらの還元処理は必須ではなく、反応を水素雰囲気下で行えば、特に還元処理を省略することができる。また、還元に先立って、空気等の酸化性ガスで触媒を処理してもかまわない。
【0009】
[硫黄化合物]
本発明の異性化方法において、反応に用いられる水素及び原料となる炭化水素中に含まれる硫黄化合物の合計の濃度が硫黄換算で、10〜500重量ppmであり、好ましくは20〜500重量ppm、特には20〜300重量ppmであることが望ましい。本発明による異性化方法の生成物には、原料中の硫黄分が主として硫化水素として含まれ、有機硫黄化合物はほとんど含まれていない。異性化された炭化水素に含まれる有機硫黄化合物は、通常、硫黄重量として10重量ppm以下、好ましくは3重量ppm以下である。なお、炭化水素に含まれる有機硫黄化合物は、原子発光検出器(AED)を備えたガスクロマトグラフなどにより硫化水素などと区別して分析することができる。
【0010】
[固体酸触媒]
本発明に用いる固体酸触媒としては、従来、硫酸−ジルコニア系として知られている固体酸触媒(ジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分を含む担体と、この担体に担持された硫酸分とを含む固体酸触媒)を用いることができる。なお、ジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分には、本発明の効果が得られる範囲において、他の金属成分を含んでいてもよい。他の金属としては、チタン、ハフニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ケイ素、錫、ガリウムなどを用いることができる。複合酸化物および/または含水複合酸化物でもよいし、単独の酸化物および/または含水酸化物の部分が混合されていてもよい。触媒重量中、ジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分は、20〜99重量%、特には50〜99重量%であることが好ましい。
【0011】
固体酸触媒中の硫酸分含有量は、硫黄量として0.2〜10重量%、特には1〜10重量%であることが好ましい。第8族、第9族、第10族から選ばれる金属成分としては、特に白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケルなどが好適に用いられ、固体酸触媒中に占める第8族、第9族、第10族金属の合計量が、0.05〜10重量%となるように添加することが好ましい。
本発明に用いる触媒のジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分の結晶構造は、正方晶構造であることが好ましい。一部に単斜晶構造が存在してもよい。この構造はX線回折により確認できる。具体的には、CuKα線による、2θ=28.2°と2θ=30.2°のX線回折ピーク面積比(以下S28.2/S30.2比と略記する。S28.2は2θ=28.2°における単斜晶ジルコニアのピークの面積、S30.2は2θ=30.2°における正方晶ジルコニアのピークの面積)が1.0以下、好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.05以下である。単斜晶構造がほとんど存在していない方が、高い触媒活性が得られる。
【0012】
[好ましく用いられる固体酸触媒]
本発明の異性化反応においては、ジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分と、アルミナおよび/または含水アルミナからなる部分で構成された担体と、この担体に担持された硫酸分と第8族、第9族、または、第10族金属成分を含む触媒が好ましく用いられる。この触媒は、アルミニウム水酸化物および/または水和酸化物、ジルコニウム水酸化物および/または水和酸化物、並びに、硫酸分含有化合物を混練し、成形し、得られた成形物を正方晶構造のジルコニアが得られる温度で焼成し、第8族、第9族、または、第10族金属成分を担持し、その後300〜700℃で焼成することにより製造されたものであることが好ましい。
【0013】
本発明の対象となる触媒の製造において、アルミニウム水酸化物および/または水和酸化物は、いろいろな製法により得られたものを用いることができる。アルミニウム水酸化物および/または水和酸化物の代わりにアルミニウムの酸化物であるα−アルミナやγ−アルミナを用いると、触媒の圧壊強度が低下し、また、成形後の焼成において単斜晶ジルコニアが混入しやすくなり、触媒活性が低下する。
【0014】
アルミニウム水酸化物および/または水和酸化物は、触媒中のアルミナとジルコニアの合計重量におけるアルミナの重量が、5〜90重量%、好ましくは5〜50重量%、特に10〜50重量%であることがより好ましい。この範囲未満では、触媒の圧壊強度が低下し、また、ジルコニアが安定しにくい。この範囲を超えると相対的に触媒活性が低下する。
【0015】
アルミニウム水酸化物および/または水和酸化物は、通常粉体、好ましくは平均粒径0.5〜50μm、特には0.5〜20μmの形状を用いることが、触媒の活性および圧壊強度向上のために好ましい。アルミニウム水酸化物および/または水和酸化物として、擬ベーマイトなどのベーマイト構造を有するアルミニウム水和酸化物を用いることが、触媒活性を向上できるので好ましい。
ジルコニウムの水酸化物および/または水和酸化物はどのように製造しても構わないが、一般にはこれらの塩や有機金属化合物、例えばオキシ塩化物、アルコラート、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、オキシ硫酸塩などを中和もしくは加水分解することにより得ることができる。ジルコニウムの水酸化物もしくは水和酸化物は、X線、電子線の回折により明確な結晶構造を持たない無定形とすることで、触媒の圧壊強度が向上し、またジルコニアが安定しやすい。また、通常粉体、好ましくは平均粒径0.5〜50μm、特には0.5〜20μmの形状を用いることが、触媒の活性および圧壊強度向上のために好ましい。
【0016】
硫酸分含有化合物としては、硫酸、硫酸アンモニウム、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、塩化チオニルなどがあげられるが、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウムが製造装置の腐食性も低く好ましい。硫酸分含有化合物はそのままでも、または水溶液のような溶液として用いても構わない。
【0017】
触媒製造時に配合する硫酸分含有化合物の重量は、焼成前のアルミニウム水酸化物および/または水和酸化物、ジルコニウム水酸化物および/または水和酸化物、並びに、硫酸分含有化合物の全重量の3〜40重量%、特には、10〜30重量%とすることが、触媒活性を向上できるので好ましい。特に、硫酸アンモニウムなどを固体状の硫酸分含有化合物として用いることが好ましい。
【0018】
さらに硫酸分含有化合物は、固体の状態でも、液状でも、溶液の濃度に関しても特に制限はなく、この後行う混練に必用な溶液量などを考えて調製することができる。硫酸分含有化合物の添加量は、最終的に得られる固体酸触媒中に占める硫黄量が0.2〜10重量%、特には1〜10重量%となるようにすることが好ましい。混合法については特には限定されない。
【0019】
触媒製造での混練には、一般に触媒調製に用いられている混練機であればどのようなものを用いても構わないが、通常は原料を投入し、水を加えて攪拌羽根で混合するような方法が好適に用いられるが、原料および添加物の投入順序など特に制限はない。混練の際には通常水を加えるが、スラリー状の粉体を用いる場合などは、水を加えなくてもよい。水以外に加える液体としては、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶媒でもよい。混練時の温度や混練時間は、原料であるアルミニウム水酸化物および/または水和酸化物、ジルコニウム水酸化物および/または水和酸化物、並びに、硫酸分含有化合物の性質などにより適宜選択でき、触媒性能に大きく影響しない範囲であれば特に制限はない。また、同様に本発明の触媒性状が維持される範囲内であれば、硝酸などの酸やアンモニアなどの塩基、有機化合物、バインダー、セラミックス繊維、界面活性剤、ゼオライトなどを加えて混練しても構わない。しかし、本発明の触媒は混練時に特にこのような添加物を加えなくても十分な強度と高い触媒活性を有する。
【0020】
触媒調製での混練後の成形は、一般に触媒調製に用いられている成形方法を用いることができる。特に、ペレット状、ハニカム状等の任意の形状に効率よく成形できるので、スクリュー式押出機などを用いた押出成形が好ましく用いられる。成形物のサイズは特に制限はないが、通常、その断面の長さが0.2mm以上、好ましくは0.5〜20mmの大きさに成形される。例えば円柱状のペレットであれば、通常直径0.5〜10mm、長さ0.5〜15mm程度のものを容易に得ることができる。焼成後の圧壊強度は混練による影響が大きいため、上記混練時の水分、混練時間、電力量などをあらかじめ決定しておくことが望ましい。
【0021】
硫酸分含有化合物の混合・混練と成形の間に濾過や乾燥などといった工程を含まないため、操作が簡便であり、工業上大きなメリットがある。また、成形された触媒が得られるため、従来の粉体触媒では難しかった固定床の反応にも適用することができる。
【0022】
成形後の焼成は空気または窒素などのガス雰囲気中において、正方晶構造の酸化ジルコニウムが得られる温度で焼成する。擬ベーマイト型アルミナを用いた場合、好ましい焼成温度は450〜800℃、特に500〜800℃、さらには600〜800℃であり、また、好ましい焼成時間は0.1〜20時間である。焼成温度が高すぎると、酸化ジルコニウム結晶構造中の単斜晶の割合が増え、2θ=28.2°と30.2°のピーク面積比が1を越えてしまう場合があり、触媒活性も低下するため好ましくない。また、焼成温度が低すぎると酸化ジルコニウムが結晶化せず、触媒活性も低下するため好ましくない。
【0023】
本発明に用いる触媒が含有する第8族、第9族、第10族から選ばれる金属成分としては、特に白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケルなどが好適に用いられる。これらは金属そのものよりも化合物の形態になっているものを用いる方が好ましい。これらの金属化合物は、無水物としても、水和物としても用いることができる。さらにこれらの金属化合物は1種でも、2種以上を混合したものでもよい。これら金属化合物の添加量は、最終的に得られる固体酸触媒中に占める第8族、第9族、第10族元素の合計量が、0.05〜10重量%となるように添加することが好ましい。
【0024】
担持する方法には特に制限はないが、スプレー、浸漬などによる含浸法や、イオン交換法等が好適に用いられる。上記担持物は空気または窒素などのガス雰囲気中において、300℃より高く700℃より低い温度で0.1〜20時間焼成することが触媒の活性を高めるために好ましい。
【0025】
本発明による触媒中に占めるジルコニアとアルミナの合計量は、触媒活性、成形物の強度の点などから70重量%以上、より好ましくは80重量%以上になるようにすることが好ましい。触媒の成形強度は直径1.5mmの円柱ペレットの側面圧壊強度として3kg以上であることが実用上好ましい。
【0026】
実施例
以下、実施例により詳細に説明する。
[X線回折による結晶種比の算出方法]
X線回折チャートからジルコニアの正方晶と単斜晶のピーク分離を行い、2θ=28.2°における単斜晶ジルコニアのピークの面積と、2θ=30.2°における正方晶ジルコニアのピーク面積の比(S28.2/S30.2比)を算出した。なお、S28.2/S30.2比が0.02以下では、単斜晶ピークが不明瞭となり検出不能であった。X線回折チャートは、広角X線測定装置(理学電機(株)製RAD−1C、波長1.5406Å)を用いて測定した。
【0027】
[平均粒径の測定方法]
日機装(株)MICROTRAC粒度分析計を用い、湿式測定法で測定した。これは、流れる粉体群にレーザー光を照射し、その前方散乱光により粒度分析を行うものである。
[固体酸触媒の調製方法]
市販の水酸化ジルコニウムを乾燥させ、平均粒径1.2μmの乾燥水和ジルコニアを得た。この乾燥水和ジルコニア粉1.50kgに平均粒径10μmの水和アルミナ(擬ベーマイト粉)500gを加え、さらに硫酸アンモニウム383gを加え、攪拌羽根のついた混練機で水を加えながら45分混練を行った。得られた混練物を円形の開口(直径1.6mm)を有する押出機より押し出し、110℃で乾燥して乾燥ペレットを得た。続いてこの乾燥ペレットを650℃で2時間焼成し、硫酸分を担持したジルコニア成形体を得た。
このジルコニア成形体50gに、触媒中の白金量が0.5%になるように塩化白金酸の水溶液125mlを添加した。これを乾燥後、550℃で2時間焼成して白金および硫酸分を担持したジルコニア/アルミナ成形体の触媒である固体酸触媒を得た。
【0028】
[反応原料]
異性化の原料となる炭化水素としては、ライトナフサを用いた。このライトナフサは、ブタンを4.9重量%、ペンタンを56.3重量%、ヘキサンを32.6重量%、シクロペンタンを2.3重量%、メチルシクロペンタンおよびシクロヘキサンを2.8重量%、ベンゼンを1.1重量%含み、硫黄分は、1重量ppm以下であった。このライトナフサを反応原料1とする。また、このライトナフサに、エチルメルカプタンを、硫黄量として50重量ppm、100重量ppm、150重量ppm添加した反応原料をそれぞれ、反応原料2、反応原料3、反応原料4として用意した。また、このライトナフサ(反応原料1)に、ジメチルジスルフィドを、硫黄量として140重量ppm添加した反応原料を反応原料5として用意した。なお、反応に用いた水素ガスは純度99.99容量%以上で、この中に硫黄化合物は含まれていなかった。
【0029】
[反応方法]
固体酸触媒を16〜24メッシュの粒に整粒した。整粒後の触媒4mlを、長さ50cm、内径1cmの固定床流通式反応器内に充填し、前処理の後、異性化反応を行った。触媒の前処理は、200℃で、常圧水素気流中で行った。
炭化水素の異性化反応は、反応圧力(ゲージ圧)30kg/cm、LHSV 2 h−1、水素/炭化水素比2(mol/mol)で、反応温度200℃の条件で行った。原料としては、反応原料1〜5を用いて反応を開始し、反応の開始から20時間後の反応器の出口ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。分析結果である反応管出口組成を表1に示す。原料中の硫黄重量が0〜150ppmでは異性化反応は硫黄分による影響がほとんどないことがわかる。また、出口ガス中のエチルメルカプタンおよびジメチルジスルフィドを分析したが、硫黄重量として1ppm以下であった。
【0030】
【表1】
Figure 0003922681
【0031】
産業上の利用可能性
本発明は、硫黄重量として10〜500ppmの硫黄化合物を含有する原料炭化水素と水素を特定の固体酸触媒と接触させて炭化水素の異性化を行うものであり、特定の固体酸触媒を用いることにより硫黄化合物が存在した状態でも高い効率での異性化が可能であり、かつ、異性化時に硫黄化合物が分解され、生成された炭化水素には有機硫黄化合物がほとんど含まれていない。したがって、本発明によれば、異性化原料に含まれる硫黄化合物を特別に低減する必要が無く、また、異性化された炭化水素は、異性化されると同時に高度に脱硫されることとなる。

Claims (3)

  1. 正方晶の結晶構造であり、CuKα線による2θ=28.2°と2θ=30.2°のX線回折ピーク面積比が1.0以下であるジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分とアルミナおよび/または含水アルミナからなる部分とを含む担体と、
    この担体に担持された硫黄量として0.2〜10重量%の硫酸分と第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属成分を合計量として0.05〜10重量%を含み、
    ルコニアとアルミナの合計重量おけるアルミナが5〜90重量%であるジルコニア/アルミナ成形体の固体酸触媒に、
    硫黄重量として20〜500ppmの硫黄化合物を含有し、沸点範囲−20℃〜120℃の複数の化合物の混合物である原料炭化水素と水素を接触させて異性化された炭化水素を得ることを特徴とする炭化水素の異性化方法。
  2. 請求の範囲1.の異性化された炭化水素の有機硫黄化合物含有量が硫黄重量として10ppm以下であることを特徴とする請求の範囲1.記載の炭化水素の異性化方法。
  3. 正方晶の結晶構造であり、CuKα線による2θ=28.2°と2θ=30.2°のX線回折ピーク面積比が1.0以下であるジルコニアおよび/または含水ジルコニアからなる部分とアルミナおよび/または含水アルミナからなる部分とを含む担体と、
    この担体に担持された硫黄量として0.2〜10重量%の硫酸分と第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属成分を合計量として0.05〜10重量%を含み、
    ルコニアとアルミナの合計重量におけるアルミナが5〜90重量%であるジルコニア/アルミナ成形体の固体酸触媒であって、
    硫黄重量として20〜500ppmの硫黄化合物を含有し、沸点範囲−20℃〜120℃の複数の化合物の混合物である原料炭化水素と水素を前記固体酸触媒に接触させて異性化された炭化水素を得る炭化水素の異性化用固体酸触媒。
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